JP5299049B2 - スパッタリング装置およびスパッタリング方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ターゲットが設置される複数のスパッタリングカソードを備えたスパッタリング装置およびスパッタリング方法に関するものである。
スパッタリング法は真空蒸着法に比べ、形成される膜厚の制御性が良く、また高融点材料や化合物の薄膜も比較的容易に形成できる薄膜形成技術ということから、広く半導体やディスプレイ,電子部品などの工業分野にて普及している。特に、永久磁石や電磁石などを磁気回路として用いるマグネトロンスパッタリング法は、薄膜の形成速度が真空蒸着法に比べ約1〜2桁遅いというスパッタリング法の課題を解決し、スパッタリング法による量産化を可能にしている。
従来の一般的なマグネトロンスパッタリングカソードと、そのカソードを搭載したスパッタリング装置およびスパッタリング方法について、図7〜図12を参照しながら説明する。
図7は従来の平板ターゲットを有するマグネトロンスパッタリングカソードの概略構成を示す平面図、図8は図7におけるA−A断面図、図9はマグネトロンスパッタリングカソードの斜視図である。
図7において、1は平板状のターゲットであり、該ターゲット1は、インジウムなどのハンダ剤によりバッキングプレート2に接着され、カソード本体3上に設置される。ターゲット1の裏側にはマグネトロン放電用の磁気回路4が、閉じた磁力線5を形成し、かつ該磁力線5の一部がターゲット1の表面で平行になるように配置される。このためターゲット表面には、図9に示すように、トロイダル型の閉じたトンネル状の磁場6(網掛部)が形成される。
以上のように構成されたマグネトロンスパッタリングカソードと該カソードを搭載したマグネトロンスパッタリング装置について、その動作原理を説明する。
図10は前記スパッタリングカソードを設置したスパッタリング装置の概略構成図である。
図10において、スパッタリングカソード103は、通常、真空チャンバ107に絶縁材108を介して設置される。マグネトロンスパッタリング法による薄膜形成を行うには、真空チャンバ107を真空ポンプ109などの真空排気系にて高真空(10−4〜10−5Pa程度)まで排気し、Arなどの放電ガスを、ガス導入系のガス流量調整器110を通して真空チャンバ107に導入し、圧力調整バルブ111を調整して真空チャンバ内を10−1〜10−2Pa程度の圧力に保つ。
ここで、ターゲット1を取り付けたスパッタリングカソード103に接続した直流もしくは交流のスパッタリング電源112により負の電圧を印加することにより、電場と、磁気回路によるトロイダル型トンネル状磁場との周辺でマグネトロン放電が生起する。そして、生起したマグネトロン放電により、ターゲット1がスパッタされ、スパッタ粒子が基板ホルダ7に設置された基板8に堆積し、基板8上に薄膜が形成される。
ここで、前記構成のように、ターゲット1と基板8との位置関係が静止対向方式のスパッタリング装置において、基板8の面内における膜厚均一性を確保するためには、基板8より大面積のターゲット1が必要となる。
これは、マグネトロンスパッタリング法では、ターゲット面と平行に通る磁力線における最も強い部分でプラズマ密度が高くなるため、ターゲット上に、スパッタされる侵食領域と、スパッタされた粒子が再付着する領域(スパッタされない領域)とができることによって、ターゲットの侵食が不均一に進むためである。そこで、現実的には、薄膜が形成される基板より大面積のターゲットを有するスパッタリングカソードを用い、かつ磁気回路の構成やターゲットと基板間の距離(以下、T/S距離と記す)を充分調整する必要が生じる。
具体的には、例えば基板面内での膜厚均一性について±1%程度を達成しようとすれば、ターゲットの一辺が基板の一辺の約2倍の大きさ、つまり、基板の面積に対して約4倍の面積を有するターゲットが必要となる。
図11,図12にターゲットと基板との大きさの関係を表わす説明図を示す。なお、図11,図12において、図7〜図10にて説明した部材と同じ部材については、同一符号を付して詳しい説明は省略する。
図11は膜厚均一性確保に必要なターゲット1と基板8の大きさの関係を示した平面図、図12は図11におけるA−A断面図である。例えば、基板8の大きさを直径300mmとすると、ターゲット1の直径は600mm必要となってしまう。
現在、半導体やディスプレイを中心に、取れ数(基板1枚辺りに取れるチップの数)の拡大に向けた基板の大型化が進む一方であり、それに対応するため、ターゲットの大型化も余儀なくされている。その結果、スパッタリング装置そのものの大型化による設備コストや設備占有面積の増大、メンテナンス(防着板やアースシールドなどの治具の再生)に必要なコストの発生、および時間の増大などが問題となってきている。
ターゲットの大型化はターゲットそのものの高額化の要因となり、また、レアメタルあるいは複雑な組成の多元素(または合金)ターゲットでは、ターゲットの製造自体が不可能になるという問題も生じる。加えて、マグネトロンスパッタリングの特徴であるターゲットの一部分が局所的に侵食されることによる材料利用効率の悪さも問題となる。
一方、基板の大型化と共に新たな課題となるのが、半導体や電子部品などの基板に形成されたラインアンドスペースやビアホールなどへの段差被覆性(ステップまたはボトムカバレッジ)、あるいは光学部品であるレンズなどの立体形状物への均一成膜である。
これら3次元形状への薄膜形成の要求は、段差部や傾斜部での膜厚の絶対値向上はもちろん、基板面内(もしくは基板ホルダ上に複数設置されたレンズなどの立体形状物の設置場所ごと)における均一性の向上である。
すなわち、前述したように、仮に基板の大型化に対応してターゲット面積を大型化することによって基板平面での膜厚均一性が改善できたとしても、ターゲットの局所的なエロージョン形成のため、基板位置(特に中心と外周)におけるスパッタ粒子の入射角度の違いによる段差(傾斜部)被覆性の非対称性が発生し、デバイス性能のバラツキや歩留の低下を招いてしまう。
そこで、これらの問題を解決するため、小型スパッタリングカソードを用い、大型基板に対する均一な薄膜形成を可能とする技術的取り組みが行われてきている。
以下、これらの従来の技術について、図13〜図15を参照しながら説明する。なお、図13〜図15において、図7〜図12にて説明した部材と同じ部材については、同一符号を付して詳しい説明を省略する。また、その動作方法も前記従来の一般的なマグネトロンスパッタリング装置と大略同一であるので、その説明は省略する。
図13は従来の膜厚補正板を有するマグネトロンスパッタリング装置におけるターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図、図14は図13におけるA−A断面図である。
図13,図14において、本スパッタリング装置によるスパッタリング成膜の特徴は、中心軸9を中心に回転する基板ホルダ7上に載置された基板8と、基板8と対向位置にある小型スパッタリングカソード103との空間に、スパッタ粒子12が通過するスリット10を設けたシールド板11を設置し、スリット10の形状を最適化することにより基板8に到達するスパッタ粒子12を制御し、膜厚均一性を向上させるものである(例えば、特許文献1参照)。
図15は従来の傾斜スパッタリングカソードを搭載したスパッタリング装置におけるターゲットと基板との位置関係の概略を示す斜視図である。
図15において、従来のスパッタリング装置によるスパッタリング成膜の特徴は、基板8を基板ホルダ7の中心軸9を中心に回転させ、該基板8よりも小さい面積のターゲット1を有する小型スパッタリングカソード103を、所定の条件を満たす位置に傾斜させて設置することによって、膜厚均一性を向上させるものである(例えば、特許文献2参照)。
これらの方法は、いずれも基板平面での膜厚均一性の向上には一定の効果があることが知られている。
特開平9−213634号公報 特開2009−1912号公報
しかしながら、図13,図14に示す従来の構成では、ターゲット1から飛び出すスパッタ粒子12の一部をシールド板11(膜厚補正板)にて除去することにより、均一性を向上させている。そのため、成膜速度の低下かつ材料利用効率の低下に繋がる。また、時間と共にシールド板11への膜堆積が増加するため、スリット10の経時変化による膜厚バラツキと共に、堆積膜の剥離によるダストの発生が懸念される。このため、装置メンテナンス回数の増加による設備稼働率の低下を招くことが予測され、効率的な生産性という点での課題を有している。
また、図15に示す従来の構成は、基板8とスパッタリングカソード103との傾斜角などの位置関係を、ある程度限定しているため、膜厚均一性の改善に限界があることが懸念され、例えば光学フィルタなどの非常に高精度な膜厚均一性が必要とされるデバイス(例えば、≦±0.3%)などに対しては課題を有していると思われる。
加えて、スパッタ粒子12の入射角度がある程度限定されるため、基板面内での3次元形状物への段差(傾斜部)の膜厚に非対称性が発生し、結果としてデバイス性能バラツキや歩留低下に繋がるという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、小型マグネトロンスパッタリングカソードであっても、大型基板に形成される薄膜の基板面内における膜厚および膜質の均一性を向上することができるスパッタリング装置およびスパッタリング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のスパッタリング装置およびスパッタリング方法は、排気系とガス導入系を有する真空チャンバと、真空チャンバ内に設置され、かつターゲットを有する複数のスパッタリングカソードと、基板を載置すると共に中心を軸に回転する基板ホルダと、基板ホルダを回転させる回転装置と、スパッタリングカソードに接続されたスパッタリング用電源とを備えるスパッタリング装置において、前記スパッタリングカソードに設置された各ターゲットの面積が、前記基板ホルダの面積よりも小さいとともに、同種材料のターゲットを設置したスパッタリングカソードを複数基搭載したスパッタリング装置を用い、前記複数のスパッタリングカソードをマグネトロン放電させ、かつ前記基板ホルダを回転させながら当該基板に薄膜を形成することを特徴としている。
本構成によって、大型基板に到達するスパッタ粒子の量と方向とを制御し、基板面内において均一化することができる。
本発明のスパッタリング装置およびスパッタリング方法によれば、小型マグネトロンスパッタリングカソードであっても、大型基板に形成される薄膜の基板面内における膜厚および膜質の均一性を向上することが可能となる。
本発明の実施の形態1におけるスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図 図1の実施の形態1におけるA−O−B−C−D断面図 本発明の実施の形態2におけるスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図 本発明の実施の形態3におけるスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図 図4の実施の形態3におけるA−B−C−D−E−F断面図 本発明の実施の形態4におけるスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係を示す平面概略図 従来のマグネトロンスパッタリングカソードの概略構成を示す平面図 図7のマグネトロンスパッタリングカソードにおけるA−A断面図 図7のマグネトロンスパッタリングカソードの斜視概略図 図7のマグネトロンスパッタリングカソードを搭載した一般的スパッタリング装置の概略構成図 従来例の均一性確保に必要なターゲットと基板の大きさの関係を示した平面図 図11の従来例におけるA−A断面図 従来の膜厚補正板を有するマグネトロンスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図 図13の従来例におけるA−A断面図 他の従来例における傾斜スパッタリングカソードを搭載したスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、同じ部材については、同一符号を用いて詳しい説明は省略する。また、その動作方法も従来のマグネトロンスパッタリング装置と略同一であるので、その説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図、図2は図1におけるA−O−B−C−D断面図である。
本実施の形態1におけるスパッタリング装置の構成は、基本的には図10にて説明した構成のものである。しかしながら、本実施の形態1のスパッタリング装置およびスパッタリング方法の特徴は、内周スパッタリングカソード203aと、外周スパッタリングカソード203bと、の2基のスパッタリングカソードを設置したことにある。ここで、内周スパッタリングカソード203aは、図1,図2において、基板ホルダ7の中心軸9から外周方向に向けて距離Lの点を通る円の円周上をその中心軸とし、かつ基板ホルダ7の面積より小さい面積Sのターゲット201aが設けられたスパッタリングカソードである。また、外周スパッタリングカソード203bは、基板ホルダ7の中心軸9から外周方向に向けて距離L(>L)の点を通る円の円周上をその中心軸とし、かつ基板ホルダ7の面積より小さい面積S(>S)のターゲット201bが設けられたスパッタリングカソードである。
本実施の形態1においてスパッタリング成膜を行う場合、基板ホルダ7上に載置された基板8には、内周スパッタリングカソード203aのターゲット201aと、外周スパッタリングカソード203bのターゲット201bとの2つのターゲットからスパッタ粒子12が放出される。しかし、外周スパッタリングカソード203bのターゲット201bの面積Sが内周スパッタリングカソード203aのターゲット201aの面積Sよりも大きいことで、その量は基板8の内周側より外周側の方が多くなる。
すなわち、静止した基板8において、径方向の膜厚分布を考えると、基板8の内周から外周に向かうほど膜厚が厚くなる。しかしながら、ここで基板8を載置した基板ホルダ7の自転(基板ホルダ7の中心軸9を中心とした回転)を考慮すると、基板8の内周部と外周部では基板8の回転運動における線速度の違いにより、基板静止時の内外周の膜厚不均一性が相殺され、その結果、基板8における面内での膜厚均一性が向上する。
さらに、本実施の形態1においては、基板8の大きさに比較して面積の小さいターゲット201a,201bを有するマグネトロンスパッタリングカソードの内周スパッタリングカソード203aと外周スパッタリングカソード203bとの2基を使用しているため、基板8の面内においてスパッタ粒子12の入射角度に大幅な違いが生じない。このように、スパッタ粒子12の入射角度に大幅な違いが生じないことは、基板8の面内における膜質均一性の向上にも繋がる。
さらに、本実施の形態1においては、内周スパッタリングカソード203aのターゲット201aの面積S、基板ホルダ7の中心軸9からの距離L、および外周スパッタリングカソード203bのターゲット201bの面積S、基板ホルダ7の中心軸9からの距離Lとの関係を、下記(式1)の範囲に設置するとさらに好適であって、基板8の面内における膜厚均一性がより向上する。
πL ≦S≦π(L−L,2≦S/S≦6 ・・・(式1)
これは、SがπL よりも小さくなると、ターゲット201a,201b間での膜厚補正が不充分となり、基板8の面内において局所的に膜厚の薄い部分が生じ、逆に、π(L−Lよりも大きくなるとターゲット201a,201b間での補正効果が過剰となり、膜厚の厚い部分が生じるためである。また、S/S比が2未満であると、基板8の面内の内周における膜厚が厚くなり、逆にS/S比が6超では外周での膜厚が厚くなるためである。
なお、本実施の形態1においては、スパッタリングカソードを2基としたが、3基以上設置してもよい。
また、スパッタリングカソード203a,203bおよびターゲット201a,201bの形状は平面状の円形あるいは矩形であってもよい。
さらに、複数設置されたスパッタリングカソード203a,203bの少なくとも1基のT/S距離が他のそれと異なっていてもよく、加えて、複数設置されたスパッタリングカソード203a,203bの少なくとも1基が、基板ホルダ7の面に対し、ある角度をもって傾斜して設置されてもよい。
一方、薄膜が形成される基板8に関しても、本実施の形態1においては、基板ホルダ7と略同じ大きさの円形としたが、基板ホルダ7上に載置することができる大きさであれば、その形状や枚数に制限はない。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2におけるスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図である。
本実施の形態2におけるスパッタリング装置およびスパッタリング方法の特徴は、実施の形態1の特徴である内周と外周との2基のスパッタリングカソード対(第一のスパッタリングカソード対)を、異なる成膜材料からなるターゲットに置き換えて、さらに一対(第二のスパッタリングカソード対)追加して搭載したことにある。すなわち、第一のスパッタリングカソード対と第二のスパッタリングカソード対とは、異なる成膜材料からなるターゲットである。
具体的には、図3において、基板ホルダ7の中心軸9に対して軸対称に、内周スパッタリングカソード203aと内周スパッタリングカソード203a’とを設置し、基板ホルダ7の中心軸9に対して軸対称に、外周スパッタリングカソード203bと外周スパッタリングカソード203b’とを設置している。ここで、内周スパッタリングカソード203a’は、基板ホルダ7の中心軸9から外周方向に向けて距離Lの点を通る円の円周上をその中心とする面積Sのターゲット201a’を有する内周スパッタリングカソードである。また、外周スパッタリングカソード203b’は、基板ホルダ7の中心軸9から距離L(>L)の点を通る円の円周上をその中心とする面積S(>S)のターゲット201b’を有する外周スパッタリングカソードである。なお、本実施の形態2における膜厚均一性の向上に関する作用は、実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
本実施の形態2においてスパッタリング成膜を行う場合、まず、内周スパッタリングカソード203aと外周スパッタリングカソード203bによりスパッタリング成膜を行い、続けて、異なる成膜材料からなるターゲット201a’を有する内周スパッタリングカソード203a’とターゲット201b’を有する外周スパッタリングカソード203b’にてスパッタリング成膜を行う。これにより、基板8の面内における膜厚および膜質均一性の優れた多層膜を形成することが可能となる。
前記のプロセスを複数回繰り返すことにより、さらに基板8の面内における膜厚および膜質均一性の優れた積層膜を形成することが可能となる。
なお、本実施の形態2においては、成膜材料の種類を2種類としたが、スパッタリングカソードの大きさと個数を調整することにより、レイアウト的に設置可能であれば3種類以上としてもよい。また、その他の構成に関しても、実施の形態1と変わることはない。
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3におけるスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図、図5は図4におけるA−B−C−D−E−F断面図である。
本実施の形態3におけるスパッタリング装置およびスパッタリング方法の特徴は、図4,図5において、基板ホルダ7の面積より小さく、かつ同じ面積Sのターゲットを有する複数のスパッタリングカソードを次のように設置したことである。すなわち、本実施の形態3では、内周スパッタリングカソード303aを1基設置し、中間スパッタリングカソード303bを2基設置し、外周スパッタリングカソード303cを5基設置している。ここで、内周スパッタリングカソード303aは、基板ホルダ7の中心軸9から外周方向に向けて距離Lの点を通る円の円周上をその中心とするターゲット301aを有する内周スパッタリングカソードである。また、中間スパッタリングカソード303bは、基板ホルダ7の中心軸9から外周方向に向けて距離L(>L)の点を通る円の円周上をその中心とするターゲット301bを有し、周方向に2基設置された中間スパッタリングカソードである。また、外周スパッタリングカソード303cは、基板ホルダ7の中心軸9から外周方向に向けて距離L(>L)の点を通る円の円周上をその中心とするターゲット301cを有し、周方向に5基設置された外周スパッタリングカソードである。
本実施の形態3においてスパッタリング成膜を行う場合、基板ホルダ7上に載置された基板8には、内周スパッタリングカソード303a(1基),中間スパッタリングカソード303b(2基),外周スパッタリングカソード303c(5基)のそれぞれのターゲット(順に301a,301b,301c)からスパッタ粒子12が放出されるが、基板8の内周側より外周側に向かうほど、スパッタリングカソード(ターゲット)の数が多くなるため、その量は基板8の内周側より外周側の方が多くなる。
すなわち、静止した基板8において、その径方向の膜厚分布を考えると、内周から外周に向かうほど膜厚が厚くなるが、ここで、基板8を載置した基板ホルダ7の自転(基板ホルダ7の中心軸9を中心とする回転)を考慮すると、実施の形態1と同様に、内周部と外周部では基板8の回転運動における線速度の違いにより、基板静止時の内外周の膜厚不均一性が相殺され、結果、基板8の面内における膜厚均一性が向上する。
さらに、本実施の形態3においては、基板8の大きさに比較して面積が小さく、かつ同じ大きさのターゲット面積Sを有するマグネトロンスパッタリングカソードを複数基(303a,303b,303c)使用しているため、基板8の面内においてスパッタ粒子12の入射角度の違いがほとんど生じない。すなわち、基板8の面内における膜質の均一性の向上にも繋がる。
加えて表面に凹凸などの3次元形状を有する基板8へのスパッタリング成膜においても、その基板8の面内へのスパッタ粒子の入射角度が略一様なため、段差部や傾斜部などにおける膜厚の非対称性の改善に繋がる。
次に、本実施の形態3において、基板ホルダ7の中心軸9からの距離L,L,Lとし、それぞれの距離をターゲット301a,301b,301cの中心線軸として基板ホルダ7の中心軸9の軸対称線上に設置された各スパッタリングカソード303a,303b,303cのターゲット301a,301b,301cの面積Sの合計(内周スパッタリングカソードからそれぞれ、S,2S,5S)との関係を、下記(式2),(式3)の範囲に設置すると、さらに好適であって、基板8の面内における膜厚均一性がより向上する。
πL ≦S≦π(L−L,2≦5S/2S≦6 ・・・(式2)
πL ≦S≦π(L−L,2≦2S/S≦6 ・・・(式3)
これは、SがπL あるいはπL よりも小さくなると、ターゲット301a,301b,301c間での膜厚補正が不充分となり、基板8の面内において局所的に膜厚の薄い部分が生じ、逆に、π(L−Lあるいは(L−Lよりも大きくなると、ターゲット301a,301b,301c間での補正効果が過剰となり、膜厚の厚い部分が生じるためである。また、ターゲット面積比(ここでは、5S/2S=2.5、あるいは2S/S=2)が2未満では、基板8面内おいて内周で膜厚が厚くなり、逆にターゲット面積比が6超では外周での膜厚が厚くなるためである。
なお、本実施の形態3においては、スパッタリングカソード303a,303b,303cを合計8基としたが、3基以上であれば何基設置してもよい。
また、スパッタリングカソード303a,303b,303cおよびターゲット301a,301b,301cの形状は平面状の円形あるいは矩形でもよい。
さらに、複数設置されたスパッタリングカソード303a,303b,303cの少なくとも1基のT/S距離が他のそれと異なっていてもよく、加えて、複数設置されたスパッタリングカソード303a,303b,303cの少なくとも1基が基板ホルダ7の面に対し、ある角度をもって傾斜して設置されてもよい。
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4におけるスパッタリング装置のターゲットと基板との位置関係の概略を示す平面図である。
本実施の形態4におけるスパッタリング装置およびスパッタリング方法の特徴は、実施の形態3の特徴である内周1基、中間2基、外周5基の同じ面積のターゲットを有するスパッタリングカソード群に加えて、異なる成膜材料からなるターゲットに載置したスパッタリングカソード群を搭載したことにある。
具体的には、図6において、実施の形態3にて説明した複数設置された内周スパッタリングカソード303a,中間スパッタリングカソード303b,外周スパッタリングカソード303cに対して、基板ホルダ7の中心軸9を中心とした回転対称位置に、内周スパッタリングカソード303a’,中間スパッタリングカソード303b’,外周スパッタリングカソード303c’を設置したことである。ここで、内周スパッタリングカソード303a’としては、基板ホルダ7の中心軸9から距離Lの点を通る円の円周上をその中心とするターゲット301a’を有するスパッタリングカソードが1基設置されている。また、中間スパッタリングカソード303b’としては、基板ホルダ7の中心軸9から距離L(>L)の点を通る円の円周上をその中心とするターゲット301b’を有するスパッタリングカソードが、周方向に2基設置されている。また、外周スパッタリングターゲット303c’としては、基板ホルダ7の中心軸9から距離L(>L)の点を通る円の円周上をその中心とするターゲット301c’を有するスパッタリングカソードが5基設置されている。なお、本実施の形態4における膜厚均一性の向上に関する作用は、実施の形態3と同様であるため、その説明は省略する。
本実施の形態4においてスパッタリング成膜を行う場合、まず、同一成膜材料のターゲット(301a,301b,301c)で構成された1群である内周スパッタリングカソード303aと中間スパッタリングカソード303b(2基)と外周スパッタリングカソード303c(5基)によりスパッタリング成膜を行い、続けて、異なる成膜材料からなるターゲット(301a’,301b’,301c’)で構成された1群である内周スパッタリングカソード303a’と中間スパッタリングカソード303b’(2基)と外周スパッタリングカソード303c’(5基)にてスパッタリング成膜を行うことにより、基板8の面内における膜厚(3次元形状物に対する膜厚の対称性を含む)および膜質均一性の優れた多層膜を形成することが可能となる。
前記プロセスを複数回繰り返すことで、さらに基板8面内における膜厚(3次元形状物に対する膜厚の対称性を含む)および膜質均一性の優れた積層膜を形成することが可能となる。
なお、本実施の形態4においては、成膜材料の種類を2種類としたが、スパッタリングカソードの大きさと個数を調整することにより、レイアウト的に設置可能であれば3種類以上としてもよい。また、その他の構成に関しても、実施の形態3となんら変わることはない。
本発明のスパッタリング装置およびスパッタリング方法は、小型マグネトロンスパッタリングカソードにより、大型基板に形成される薄膜の基板面内における膜厚および膜質の均一性を向上することが可能であるため、光学デバイスに使用される光学フィルタ膜や各種センサなどに使用される機能膜などを無駄なく、高歩留・高品質に生産する装置および方法に適用できる。
1 ターゲット
3 カソード本体
4 磁気回路
7 基板ホルダ
8 基板
9 基板ホルダの中心軸
12 スパッタ粒子
103 スパッタリングカソード
107 真空チャンバ
109 真空ポンプ
110 ガス流量調整器
112 スパッタリング電源
201a,201b,201c ターゲット
201a’,201b’,201c’ ターゲット
203a,203b,203c スパッタリングカソード
203a’,203b’,203c’ スパッタリングカソード
301a,301b,301c ターゲット
301a’,301b’,301c’ ターゲット
303a,303b,303c スパッタリングカソード
303a’,303b’,303c’ スパッタリングカソード

Claims (3)

  1. 排気系とガス導入系を有する真空チャンバと、前記真空チャンバ内でターゲットが設置される複数のスパッタリングカソードと、処理対象の基板が載置されると共に中心軸を中心として回転可能な基板ホルダと、前記スパッタリングカソードに接続されるスパッタリング用電源とを備えたスパッタリング装置において、
    複数の前記スパッタリングカソードにそれぞれ設置される各ターゲットの面積を前記基板ホルダの面積よりも小さく設定し、同種の成膜材料からなるターゲットが設置される前記スパッタリングカソードを複数基搭載し
    同種の成膜材料でかつ異なる面積のターゲットを有する前記スパッタリングカソードを少なくとも2基以上搭載し、
    前記基板ホルダの中心軸上から外周方向に向けて複数設置される複数の前記スパッタリングカソードにおいて、より外周側に設置されるスパッタリングカソードのターゲット面積を、内周側に設置されるスパッタリングカソードのターゲット面積よりも大きく設定し、
    面積S n およびS n+1 のターゲットを設置した複数の前記スパッタリングカソードの中心軸線と、前記基板ホルダの中心軸線との距離を、それぞれL n 、L n+1 (ただし、L n <L n+1 )としたとき、下記の条件を満たすこと
    を特徴とするスパッタリング装置。
    πL n 2 ≦S n+1 ≦π(L n+1 −L n 2 、2≦S n+1 /S n ≦6
  2. 複数の前記スパッタリングカソードのターゲット材料とは異なる成膜材料のターゲットを設置した複数のスパッタリングカソードを搭載したこと
    を特徴とする請求項に記載のスパッタリング装置。
  3. 請求項1又は2に記載のスパッタリング装置を用い、ターゲットが設置される複数のスパッタリングカソードにてマグネトロン放電させ、かつ処理対象の基板が載置されると共に中心軸を中心として回転可能な基板ホルダを、回転させながら前記基板に薄膜を形成すること
    を特徴とするスパッタリング方法。
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