JP2008214709A - マグネトロンスパッタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜時のウエハの周辺部での非対称性の発生を抑制する。
【解決手段】処理室3を形成するチャンバー2の上部にバッキングプレート6が配置されその下面側にターゲットプレート8が取り付けられ、上部側にマグネトロン磁石9が配設される。処理室3の下部にはウエハを載置するサセプタ4が配設される。サセプタ4は高周波電源5から高周波電圧が印加される。バッキングプレート6は直流電源7から負電圧が印加される。チャンバー2外側の周囲に多数の磁石10aを放射状に配置して円弧状に配列して構成した回転磁石10が配置される。回転磁石10は、マグネトロン磁石9と同期して回転し、上下動も可能に構成され、処理室3内にカスプ磁場を形成し、ターゲットプレート8からチャンバー2の側壁に飛散する粒子の軌道をウエハ側に曲げるので、ウエハの周辺部での成膜の非対称性を抑制できる。
【選択図】図1
【解決手段】処理室3を形成するチャンバー2の上部にバッキングプレート6が配置されその下面側にターゲットプレート8が取り付けられ、上部側にマグネトロン磁石9が配設される。処理室3の下部にはウエハを載置するサセプタ4が配設される。サセプタ4は高周波電源5から高周波電圧が印加される。バッキングプレート6は直流電源7から負電圧が印加される。チャンバー2外側の周囲に多数の磁石10aを放射状に配置して円弧状に配列して構成した回転磁石10が配置される。回転磁石10は、マグネトロン磁石9と同期して回転し、上下動も可能に構成され、処理室3内にカスプ磁場を形成し、ターゲットプレート8からチャンバー2の側壁に飛散する粒子の軌道をウエハ側に曲げるので、ウエハの周辺部での成膜の非対称性を抑制できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体ウエハなどの被処理基板上に、導電膜、半導体膜あるいは絶縁膜等の膜を形成するためのマグネトロンスパッタ装置に関する。
スパッタリング成膜方法は、膜の材料を含むターゲットプレートに電離イオンを衝突させることにより、ターゲットプレートから膜材料粒子を放出させ、これを被処理基板上に堆積成膜するための方法である。スパッタリング成膜方法は、その成膜速度が速いことや良好な膜質を得られる点から、半導体分野において広く用いられている。
例えば、現在市販されているマグネトロンスパッタ装置には、LTS(Long Through Sputter)、IMP(Ionized Metal Sputter)、非特許文献1に示すようなSIS(Self Ionized Sputter)、SIP(Self Ionized Plasma)などがある。IMP、SIS、SIPはターゲットプレートから飛散する粒子を積極的にイオン化し、被処理基板にバイアス電位を印加した状態としイオン化した粒子を引き込むようにして、被処理基板の表面にスルーホールなどが形成している場合でも、その埋め込み性を向上させることができる。
しかしながら、上記したようなマグネトロンスパッタ装置においても、被処理基板の中央部においては良好な成膜が可能となるものの、周辺部においては埋め込み性の点で、非対称性の問題が残るものであった。被処理基板の表面にスルーホールやトレンチなどが形成されている場合に、その中央部側の壁面と外周部側の壁面とでは、飛散してくる粒子の角度が法線方向から大きく傾くため、到達し易い壁面と陰になって到達し難い壁面とができてしまうことになり、均一な成膜ができない不具合があった。
Narishi Gonohe、"Barrier/Seed Metal Formation for Cu Interconnection by New Sputter and CVD Technologies"、SEMICON Japan2000 Abstracts of SEMI Technology Symposium(STS) 2000,Session4, p.51-54
Narishi Gonohe、"Barrier/Seed Metal Formation for Cu Interconnection by New Sputter and CVD Technologies"、SEMICON Japan2000 Abstracts of SEMI Technology Symposium(STS) 2000,Session4, p.51-54
本発明は、ターゲットプレートと対向する被処理基板の外周部においても成膜の非対称性の発生を抑制することができるようにしたマグネトロンスパッタ装置を提供することを目的とする。
本発明のマグネトロンスパッタ装置は、処理室に載置された被処理基板上に膜を形成するためのマグネトロンスパッタ装置であって、前記処理室内の上部に配置されたターゲットと、前記ターゲットの上部において、前記ターゲットの表面を周回するように移動して磁場を形成するマグネトロン磁石と、前記処理室内の底部に位置し被処理基板を載置するための基板載置部と、前記処理室の外周部に対応した円環の一部に、複数のマグネットを隣接するもの同士が磁極が交互に前記処理室に対向するように円弧状に配置され、前記マグネトロン磁石と同期して回転することで前記処理室内にカスプ磁場を形成する回転磁石とを備え、前記ターゲットから飛散するスパッタ粒子のうち前記被処理基板の外周に到達するものの立体角を前記回転磁石によるカスプ磁場によって前記ターゲットからのものより小さい角度のものが多くなるようにしたところに特徴を有する。
本発明のマグネトロンスパッタ装置によれば、被処理基板への成膜において非対称性の発生を抑制することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図4面を参照しながら説明する。
図1は、被処理基板としてのウエハWに成膜をするためのマグネトロンスパッタ装置1の模式的な縦断面構成を、また図2はマグネトロンスパッタ装置1の模式的な平面構成を示している。マグネトロンスパッタ装置1は、円筒形状をなすチャンバー2内に気密に設けられた処理室3を備えた構成である。チャンバー2の内側壁2aは導電性材料からなり、グランドに接続されている。
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図4面を参照しながら説明する。
図1は、被処理基板としてのウエハWに成膜をするためのマグネトロンスパッタ装置1の模式的な縦断面構成を、また図2はマグネトロンスパッタ装置1の模式的な平面構成を示している。マグネトロンスパッタ装置1は、円筒形状をなすチャンバー2内に気密に設けられた処理室3を備えた構成である。チャンバー2の内側壁2aは導電性材料からなり、グランドに接続されている。
チャンバー2には、図示しない排気ライン系統およびガス供給ライン系統が接続されている。排気ライン系統は、排気ポンプを主体とした構成で、処理室3内が所定範囲の減圧雰囲気となるように排気することができる。ガス供給ライン系統は、スパッタリング用の所定のガスとしてアルゴンなどのスパッタリングガスや酸素などの反応ガスを混合した状態で供給するように構成されている。
チャンバー2の底板上には、処理室3内に収容する被処理基板としてのシリコンウエハ(以下単にウエハと称す)Wを載置するために水平な載置面を有する基板ホルダ(基板載置部)であるサセプタ4が設けられている。サセプタ4は、平面形状がウエハWよりも大きい円形であり、加熱および冷却機構が内蔵されていてウエハWを所定の温度に設定することができる。また、サセプタ4は、高周波電源5から高周波電圧を印加されるように設けられている。
チャンバー2の天板部分にはバッキングプレート6が処理室3に対して露出するように設けられている。バッキングプレート6は、円盤状をなす形状でサセプタ4と対向するように配置されている。バッキングプレート6は、表面が保護層で被覆された導電性材料からなり、上側電極として機能する。バッキングプレート6には、直流電源7の陰極側の端子が接続され、正極側の端子はグランドに接続されている。
バッキングプレート6の下面には、ウエハWにスパッタリングにより形成する膜の材料を含むターゲットプレート8が取り付けられている。ターゲットプレート8は、下面が水平で且つサセプタ4と平行な状態に対向している。
下側電極としてのサセプタ4と上側電極としてのバッキングプレート6との間に高周波電源5からの高周波電力を印加することで、処理室3内で処理ガスをプラズマに転化させるための電界が形成される。この電界により、プラズマ中のイオンをターゲットプレート8の下面に引き付けて衝突させることでターゲットプレート8から成膜材料の粒子を放出させ、対向配置されているウエハWに到達させて成膜を行なう。
バッキングプレート6の上部には、マグネトロン磁石9が配設されている。マグネトロン磁石9は、磁気ヨーク9aに複数の磁石9bが取り付けられたもので、磁石9bはN極およびS極の各磁極がバッキングプレート6に対向するように配置されている。このマグネトロン磁石9により磁場を形成し、ターゲットプレート8の下側のターゲットプレート8から少し離れた位置にプラズマ領域Pを形成することができる。マグネトロン9は、バッキングプレート6に対して偏心した位置にあり、これがバッキングプレート6上を円形状に回転(公転)移動するように構成されている。
チャンバー2の円筒状部分の外周には、複数例えば5個の磁石10aを円環の一部をなす円弧状に配置した回転磁石10が、チャンバー2の周囲に対して回転および上下方向への移動が可能な状態に配設されている。回転磁石10は、図2に示すように、5個の磁石10aを磁極が交互にチャンバー2の外周面に対向するように放射状に配置されたもので、その円弧は例えば90度の範囲に設定している。これにより、図示のように処理室3内に隣接するN極からS極に磁束が通るように磁場MFを形成する。このような磁場MFはカスプ磁場と呼ばれている。回転磁石10は、チャンバー2に対して、その外周部に沿ってマグネトロン磁石9の回転(公転)と同期した状態で同じ方向Bに回転するように構成されている。また、回転磁石10は、図1中矢印Aで示す方向つまり上下方向にも移動可能に設けられており、ターゲット種やスパッタ条件などの違いにより適宜必要な高さに位置が設定される。
次に、本実施形態の作用について図3、図4も参照して説明する。マグネトロンスパッタ装置1を用いて、被処理基板であるウエハWにトレンチあるいはコンタクトホールやスルーホールなどの表面から窪んだ部分となる凹部Tを形成した状態の表面に金属膜を成膜する場合で説明する。
ウエハWは、図3(a)に模式的な断面図で示すように、上面に全面に渡って所定深さ寸法の凹部Tが所定ピッチで形成されている。図3(b)は、マグネトロンスパッタ装置1を用いてこのウエハWの上面に銅(Cu)膜Fを形成した状態を模式的に示している。工程図としては、全面に渡り、均一な膜厚の銅膜Fが形成されているように示されるが、実際には、ウエハWの中央部と周辺部とで成膜状態には後述するような差が発生する。
まず、マグネトロンスパッタ装置1の動作について概略的に説明する。処理室3内を排気系により排気して所定の減圧雰囲気にすると共に、内部に所定のガスを供給する。ターゲットプレート8には直流電源7からマイナスの電圧を印加し、サセプタ4には高周波電源5により高周波電圧を印加する。マグネトロン磁石9は、バッキングプレート6上を円を描くように回動移動される。
これにより、ターゲットプレート8の下部領域にプラズマ領域Pを形成し、発生したイオンをターゲットプレート8に到達させてターゲットプレート8をエロージョンさせる。これにより、ターゲットプレート8から成膜用の材料としてのスパッタ粒子が放出され、このスパッタ粒子が下方のサセプタ4上に載置されたウエハW上に到達して堆積する。
このとき、回転磁石10は、チャンバー2の処理室3内のマグネトロン磁石9が位置する側にいわゆるカスプ磁場MFを形成している。このカスプ磁場MFにより、ターゲットプレート8から飛散したスパッタ粒子中のイオン化されたもののうち、ウエハWの周辺部を超えて散逸する成分がその飛散する軌道が曲げられる。イオン化されたスパッタ粒子がカスプ磁場MFを通過するときに、カスプ磁場MFから反発されて外周方向の速度成分が弱められ、この結果ウエハWに対して垂直に近い角度に軌道が曲げられ、結果として立体角が小さくなりウエハWに上方から到達するようになる。これにより、ウエハWの外周部において垂直方向から飛来する粒子(イオン)が増加するので、ウエハWの表面に形成されている凹凸に起因した非対称性の発生を抑制することができるようになる。
また、回転磁石10によるカスプ磁場MFは、電子に対して閉じ込め効果を引き起こし、外周付近での電子の損失を抑制する作用があるので、これによってターゲットプレート8から飛散するスパッタ粒子のうちでイオン化されていない中性成分について、これがカスプ磁場MFを通過する際にイオン化を促進させ、この部分にイオン化粒子群の領域Kが形成され、全体としてスパッタ粒子のイオン化率を向上させることができるようになる。このカスプ磁場MFは処理室3内の外周部付近に集中している為、イオン化される粒子もウエハWの外周付近に飛来する成分が多くなり、電子損失によって疎となっていた外周プラズマ密度を向上させることができる。
さらに、回転磁石10は、チャンバー2側壁の外周でチャンバー中心を同心円としてマグネトロン磁石9と同期した状態で回転するので、チャンバー2の内部において外周部に発生させるカスプ磁場MFをマグネトロン磁石9により発生させる磁場に対応させることができ、これによって、スパッタ粒子が多く発生する側にカスプ磁場MFを形成して効率良くスパッタ粒子をウエハWに導くことができる。
また回転磁石10は、チャンバー2の側壁に沿って図1中A方向に上下動させることができるので、ターゲットプレート8の材料によって飛散の方向が異なるスパッタ粒子であっても、その高さ方向の位置を調整することができ、これによってウエハWの上面に形成する膜の面内成膜分布のばらつきを低減する効果を高めることができる。
図4は、実際にシリコン基板をウエハWとして銅(Cu)膜Tを成膜したときの各部の成膜状態を示している。図4(a)、(b)は本実施形態におけるマグネトロンスパッタ装置1を使用して成膜した場合のウエハWの中央部と周辺部とで各断面の成膜状態を撮影したものを示している。比較のために、図4(c)、(d)には、現在市販されているマグネトロンスパッタリング装置にて、ターゲットプレートをエロージョンするマグネット(本実施形態のマグネトロン磁石9に相当)のみを用いて成膜した場合のウエハWの中央部と周辺部とで各断面の成膜状態を撮影したものを示している。
この結果から、本実施形態におけるものでは、図4(a)の中央部では、凹部Tの上面部の膜Fac1はやや膨らんだ状態に形成されるものの、左右はバランス良く形成されており、底面部の膜Fbc1も均一な膜厚で形成されている。図4(b)の周辺部においても、上面部の膜Fap1、底面部の膜Fbp1のいずれも中央部の対応する部分とほぼ同じ状態に形成されていることがわかる。
一方、従来方式で成膜したものでは、図4(c)の中央部では、凹部Tの上面部の膜Fac2、底面部の膜Fbc2はいずれも本実施形態とほぼ同じ状態に形成されているが、図4(d)の周辺部では、上面部の膜Fap2は左右のバランスが崩れており、底面部の膜Fbp2についても膜上面が傾斜した状態となり膜厚が大きく変動していることがわかる。これは、成膜に必要なスパッタ粒子が斜め方向から飛来してウエハWの表面に付着するため、凹部Tの陰となる部分に遮られて一方側が薄く成膜されるためである。
これに対して、本実施例のものでは、ウエハWの周辺部においてもスパッタ粒子がほぼ垂直方向から飛来する成分が増加するため、全体として均一な膜厚で成膜することができるものである。これによって、ウエハWにトレンチやコンタクトホール、ビアホールなどの凹部Tを形成した状態であっても、ウエハWの周辺部において成膜状態に非対称性が発生することを低減することができる。
このような本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
第1に、回転磁石10により処理室3内の周辺部にカスプ磁場MFを発生させることで、ターゲットプレート8からウエハWを外れてチャンバー2の壁面に到達するスパッタ粒子を磁場MFで軌道を曲げてウエハWに到達させることができるようになる。この結果、ウエハWの周辺部において到達するスパッタ粒子の入射角度を垂直方向の成分を増加させることができ、ウエハWに凹部Tとしてトレンチ、コンタクトホール、ビアホールなどを形成している場合でも、均一な膜厚の成膜を行なうことができる。
第1に、回転磁石10により処理室3内の周辺部にカスプ磁場MFを発生させることで、ターゲットプレート8からウエハWを外れてチャンバー2の壁面に到達するスパッタ粒子を磁場MFで軌道を曲げてウエハWに到達させることができるようになる。この結果、ウエハWの周辺部において到達するスパッタ粒子の入射角度を垂直方向の成分を増加させることができ、ウエハWに凹部Tとしてトレンチ、コンタクトホール、ビアホールなどを形成している場合でも、均一な膜厚の成膜を行なうことができる。
このことは、従来構成の電界を印加するタイプのマグネトロンスパッタ装置では、印加可能なパワーに限界があり、ウエハ周辺部での非対称性の改善に至らないため、上記したような本実施形態のもののようなイオンの軌道の変更の大きな効果を得ることができなかったのに対して改善を図ることができ、しかも、電界を印加する場合と異なり、永久磁石型のものを使用した場合には電力も不要となる利点がある。
第2に、回転磁石10でカスプ磁場MFを発生させることで、ターゲットプレート8から飛来するスパッタ粒子の中のイオン化されていな中性粒子をイオン化させることができるので、ウエハWの周辺部に到達する成膜に寄与するスパッタ粒子を増加させることができ、これによっても非対称性を抑制してより均一な膜厚で成膜を行なうことができる。
第3に、回転磁石10をマグネトロン磁石9の回転に同期した状態で回転させることで、マグネトロン磁石9により生成する磁場と対応する領域にカスプ磁場MFを生成することができ、これによって、ウエハWに効率良くスパッタ粒子を到達させることができるようになり、周辺に散逸する粒子を効率よく基板周辺部に導くことができ、非対称性の低減を図ることができるようになる。
第4に、回転磁石10を上下させて所望の高さに設定することができるので、処理室3内部に発生させるカスプ磁場MFの高さを調整することができ、これによってターゲット種に対する汎用性を高めることができるようになる。
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、回転磁石(第1の回転磁石)10に加えて、第2の回転磁石11を設けたところである。すなわち、図5に示しているように、この実施形態においては、第1の回転磁石10と同様の構成の第2の回転磁石11を処理室3を挟んで対向する位置に配置し、これを同様にしてマグネトロン磁石9の回転に同期させた状態で回転移動させる構成である。
図5は本発明の第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、回転磁石(第1の回転磁石)10に加えて、第2の回転磁石11を設けたところである。すなわち、図5に示しているように、この実施形態においては、第1の回転磁石10と同様の構成の第2の回転磁石11を処理室3を挟んで対向する位置に配置し、これを同様にしてマグネトロン磁石9の回転に同期させた状態で回転移動させる構成である。
このような構成とすることで、マグネトロン磁石9により生成したスパッタ粒子がウエハWの直下に位置する周辺部に到達する量を増大させることに加えて、ターゲットプレート8の中心Oを挟んで対向する側のウエハWの外周部に到達するスパッタ粒子の量も増大させることができるようになる。この結果、第1の実施形態と同様にして、ウエハWの周辺部において到達するスパッタ粒子の入射角度を垂直方向の成分を増加させることができ、ウエハWに凹部Tとしてトレンチ、コンタクトホール、ビアホールなどを形成している場合でも、均一な膜厚の成膜を行なうことができる。
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、回転磁石10に代えて回転磁石12を設ける構成としたところである。すなわち、図6に示しているように、この実施形態においては、配列する磁石10aを9個に増やして円弧角度を180度とした回転磁石12を構成し、これをマグネトロン磁石9の磁場発生領域と反対側に位置するようにし、マグネトロン磁石9の回転に同期させた状態で回転移動させる構成である。
図6は本発明の第3の実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、回転磁石10に代えて回転磁石12を設ける構成としたところである。すなわち、図6に示しているように、この実施形態においては、配列する磁石10aを9個に増やして円弧角度を180度とした回転磁石12を構成し、これをマグネトロン磁石9の磁場発生領域と反対側に位置するようにし、マグネトロン磁石9の回転に同期させた状態で回転移動させる構成である。
このような構成とすることで、マグネトロン磁石9により生成したスパッタ粒子がターゲットプレート8の中心Oを挟んで対向する側のウエハWの外周部に到達するスパッタ粒子の量を増大させることができるようになる。この結果、第1の実施形態と同様にして、ウエハWの周辺部において到達するスパッタ粒子の入射角度を垂直方向の成分を増加させることができ、ウエハWに凹部Tとしてトレンチ、コンタクトホール、ビアホールなどを形成している場合でも、均一な膜厚の成膜を行なうことができる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
回転磁石10は、円弧状配置の角度を90度に限らず、90度以上例えば180度などの大きい角度に設定することもできるし、90度以下例えば45度などの小さい角度に設定することもできる。
回転磁石の配置は、第2の実施形態において2個の回転磁石10、11を設ける構成を示したが、3個の回転磁石を配置する構成とすることもできる。さらには、円弧角度を小さくして4個以上に分けて配置することも可能である。
さらに、回転磁石の配置として、上下方向に適宜の高さに配置することでターゲット種やスパッタ条件などに適合した条件のカスプ磁場を形成することができる。
本装置により形成する膜種は、銅(Cu)以外に、他のメタル種や、絶縁膜あるいは半導体膜などを形成するターゲットを使用することができる。
本装置により形成する膜種は、銅(Cu)以外に、他のメタル種や、絶縁膜あるいは半導体膜などを形成するターゲットを使用することができる。
回転磁石10は、永久磁石で構成しても良いし、電磁石で構成しても良い。回転磁石10の回転可能な構成や、上下動可能な構成については、必要に応じて適宜選択的に設けることができる。
図面中、1はマグネトロンスパッタ装置、2はチャンバー、3は処理室、4はサセプタ(載置部)、5は高周波電源、6はバッキングプレート、7は直流電源、8はターゲットプレート、9はマグネトロン磁石、10は回転磁石、Wはウエハ(被処理基板)である。
Claims (5)
- 処理室に載置された被処理基板上に膜を形成するためのマグネトロンスパッタ装置であって、
前記処理室内の上部に配置されたターゲットと、
前記ターゲットの上部において、前記ターゲットの表面を周回するように移動して磁場を形成するマグネトロン磁石と、
前記処理室内の底部に位置し被処理基板を載置するための基板載置部と、
前記処理室の外周部に対応した円環の一部に、複数のマグネットを隣接するもの同士が磁極が交互に前記処理室に対向するように円弧状に配置され、前記マグネトロン磁石と同期して回転することで前記処理室内にカスプ磁場を形成する回転磁石とを備え、
前記ターゲットから飛散するスパッタ粒子のうち前記被処理基板の外周に到達するものの立体角を前記回転磁石によるカスプ磁場によって前記ターゲットからのものより小さい角度のものが多くなるようにしたことを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。 - 請求項1に記載のマグネトロンスパッタ装置において、
前記回転磁石は、前記ターゲットの中心に対して前記マグネトロン磁石が配置される位置と同じ側の領域に前記カスプ磁場を形成するように配置されていることを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。 - 請求項1に記載のマグネトロンスパッタ装置において、
前記回転磁石は、前記ターゲットの中心に対して前記マグネトロン磁石が配置される位置と対向する側の領域に前記カスプ磁場を形成するように配置されていることを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。 - 請求項1に記載のマグネトロンスパッタ装置において、
前記回転磁石は、
前記ターゲットの中心に対して前記マグネトロン磁石が配置される位置と同じ側の領域に前記カスプ磁場を形成するように配置されている第1の回転磁石と、
前記ターゲットの中心に対して前記マグネトロン磁石が配置される位置と対向する側の領域に前記カスプ磁場を形成するように配置されている第2の回転磁石と
から構成されていることを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のマグネトロンスパッタ装置において、
前記回転磁石は、前記処理室の外周に沿って上下動可能に設けられていることを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。
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