JP2014065000A - 両面塗工装置、両面塗工方法および塗膜形成システム - Google Patents

両面塗工装置、両面塗工方法および塗膜形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】基材の両面に対して均一に塗工液を塗工することができる両面塗工装置および両面塗工方法、並びに、その両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムを提供する。
【解決手段】基材5の表面に塗工処理を行う際には、バックアップローラによって安定して支持された基材5の表面に表面塗工ノズルから塗工液を塗工する。一方、基材5の裏面に塗工処理を行う際には、精密プレート50によって非接触で支持された基材5の裏面に裏面塗工ノズル30から塗工液を塗工する。精密プレート50は、基材5を挟んで裏面塗工ノズル30と対向する位置に設けられ、複数の噴出孔から基材5に向けて気体を噴出しつつ、複数の吸引孔によって基材5の側から気体を吸引することにより、基材5に対して気体噴出による斥力と気体吸引による引力とを同時に作用させ、そのバランスによって基材5を一定の距離を隔てて非接触にて支持する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材の両面に化学電池材料などの塗工液を塗工する両面塗工装置および両面塗工方法、並びに、その両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムに関する。
従来より、リチウムイオン電池などの化学電池の製造において、金属箔等の基材をロールトゥロール方式にて搬送しつつ、基材の両面に電極材料の塗工液を吐出して塗膜を形成する両面塗工装置が知られている。このような両面塗工装置としては、まず基材の一方面に塗工液を塗工してから乾燥処理を行い、次に基材の他方面に塗工液を塗工して再度乾燥処理を行うものがある。このような手法によっても、基材の両面に塗工処理を行うことは可能であるが、1つのラインに乾燥炉が2台必要となり、装置の全長が長くなってコストが増大する。
このため、乾燥処理を行う前に基材の両面に塗工液を塗工し、基材の両面に対して一括して乾燥処理を行う装置が開発されている(例えば、特許文献1)。このような両面塗工装置においては、基材の表面側の塗工については基材を裏面側からバックアップローラで支持するため、スリットダイと基材とのギャップを安定的に維持することができ、基材表面に塗工液を均一に塗工することができる。一方、基材の裏面側の塗工時には、表面側に塗布された塗工液が未だに乾燥していないため、バックアップローラで基材の表面を直接に支持することができない。
このため、特許文献1に開示の装置においては、裏面側の塗工を行うスリットダイの下流側に基材の搬送方向とほぼ平行な気流を噴出して基材を吸引する機構を設けることにより、基材の張力を高めてスリットダイと基材とのギャップを安定させている。
特開2005−246194号公報
しかしながら、特許文献1に開示の装置においては、裏面側の塗工を行うスリットダイの下流側にて基材を吸引しているため、塗工位置でのスリットダイと基材とのギャップは必ずしも安定したものとならないおそれがある。その結果、基材の裏面側については塗工液を均一に塗工できなくなるという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基材の両面に対して均一に塗工液を塗工することができる両面塗工装置および両面塗工方法、並びに、その両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基材の両面に塗工液を塗工する両面塗工装置において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、前記第1ノズルと基材を挟んで対向して設けられ、基材の第2面を支持するバックアップローラと、前記第1ノズルよりも基材の搬送方向に沿って下流側に設けられ、基材の第2面に塗工液を吐出する第2ノズルと、前記第2ノズルと基材を挟んで対向して設けられ、基材の第1面に向けて気体を噴出する複数の噴出孔および基材の側から気体を吸引する複数の吸引孔を有する非接触支持部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る両面塗工装置において、前記第2ノズルよりも基材の搬送方向に沿って下流側に設けられ、前記第2ノズルによって塗工された塗膜の形状を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像結果に基づいて、前記複数の噴出孔からの気体噴出量および前記複数の吸引孔による気体吸引量を調整する制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る両面塗工装置において、前記第2ノズルよりも基材の搬送方向に沿って上流側に設けられ、前記第2ノズルと基材との間隔を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果に基づいて、前記複数の噴出孔からの気体噴出量および前記複数の吸引孔による気体吸引量を調整する制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る両面塗工装置において、前記複数の噴出孔および前記複数の吸引孔は互いに隣り合う格子状に配列されていることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、塗膜形成システムであって、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る両面塗工装置と、前記両面塗工装置によって基材の両面に形成された塗工液の塗膜を乾燥させる乾燥部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、基材の両面に塗工液を塗工する両面塗工方法において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、搬送される基材の第2面をバックアップローラによって支持しつつ、当該基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、前記第1塗工工程の後、搬送される基材の第2面に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、を備え、前記第2塗工工程では、基材の第1面に向けて気体を噴出しつつ基材の側から気体を吸引して基材を非接触にて支持することを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項6の発明に係る両面塗工方法において、前記第2ノズルによって塗工された塗膜の形状を撮像する撮像工程をさらに備え、前記撮像工程での撮像結果に基づいて、前記第2塗工工程での気体噴出量および気体吸引量を調整することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項6の発明に係る両面塗工方法において、前記第2ノズルと基材との間隔を測定する測定工程をさらに備え、前記測定工程での測定結果に基づいて、前記第2塗工工程での気体噴出量および気体吸引量を調整することを特徴とする。
請求項1から請求項5の発明によれば、第2ノズルと基材を挟んで対向して設けられ、基材の第1面に向けて気体を噴出する複数の噴出孔および基材の側から気体を吸引する複数の吸引孔を有する非接触支持部を備えるため、基材に対して気体噴出による斥力と気体吸引による引力とを同時に作用させ、そのバランスによって基材を一定の位置に安定して非接触にて支持することができ、基材の両面に対して均一に塗工液を塗工することができる。
特に、請求項2の発明によれば、第2ノズルによって塗工された塗膜の形状を撮像する撮像手段の撮像結果に基づいて、複数の噴出孔からの気体噴出量および複数の吸引孔による気体吸引量を調整するため、第2ノズルと基材との間隔に変動が生じたとしても、その間隔が適正範囲内となるように修正することができる。
特に、請求項3の発明によれば、第2ノズルと基材との間隔を測定する測定手段の測定結果に基づいて、複数の噴出孔からの気体噴出量および複数の吸引孔による気体吸引量を調整するため、第2ノズルと基材との間隔に変動が生じたとしても、その間隔が適正範囲内となるように修正することができる。
また、請求項6から請求項8の発明によれば、搬送される基材の第2面に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程では、基材の第1面に向けて気体を噴出しつつ基材の側から気体を吸引して基材を非接触にて支持するため、基材に対して気体噴出による斥力と気体吸引による引力とを同時に作用させ、そのバランスによって基材を一定の位置に安定して非接触にて支持することができ、基材の両面に対して均一に塗工液を塗工することができる。
特に、請求項7の発明によれば、第2ノズルによって塗工された塗膜の形状を撮像した撮像結果に基づいて、気体噴出量および気体吸引量を調整するため、第2ノズルと基材との間隔に変動が生じたとしても、その間隔が適正範囲内となるように修正することができる。
特に、請求項8の発明によれば、第2ノズルと基材との間隔を測定した測定結果に基づいて、気体噴出量および気体吸引量を調整するため、第2ノズルと基材との間隔に変動が生じたとしても、その間隔が適正範囲内となるように修正することができる。
本発明に係る両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムの全体構成を示す図である。 精密プレートおよび裏面塗工ノズルを側方から見た図である。 精密プレートを上方から見た図である。 精密プレートの下面を示す図である。 裏面塗工ノズルによって基材の裏面に塗工された塗膜の形状を模式的に示す図である。 第2実施形態の塗膜形成システムの全体構成を示す図である。 精密プレートの下面の他の例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.第1実施形態>
図1は、本発明に係る両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システム1の全体構成を示す図である。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
この塗膜形成システム1は、基材としての長尺の金属箔をロールトゥロール方式にて搬送しつつ、その基材の両面に電極材料である活物質の塗工液を塗工し、その塗工液の乾燥処理を行ってリチウムイオン二次電池の電極製造を行う装置である。塗膜形成システム1は、両面塗工装置10、乾燥部70および搬送機構80を備える。また、塗膜形成システム1は、システム全体を管理する制御部90を備える。
基材5は、リチウムイオン二次電池の集電体として機能する金属箔である。塗膜形成システム1にてリチウムイオン二次電池の正極を製造する場合には、基材5として例えばアルミニウム箔(Al)を用いることができる。また、塗膜形成システム1にて負極を製造する場合には、基材5として例えば銅箔(Cu)を用いることができる。基材5は長尺のシート状の金属箔であり、その幅および厚さについては特に限定されるものではないが、例えば幅600mm〜700mm、厚さ10μm〜20μmとすることができる。
長尺の基材5は、巻き出しローラ(第1ローラ)81から送り出されて巻き取りローラ(第2ローラ)82によって巻き取られることにより、両面塗工装置10、乾燥部70の順にロールトゥロール方式にて搬送される。搬送機構80は、これら巻き出しローラ81および巻き取りローラ82と複数の補助ローラ83とを備えて構成される。なお、補助ローラ83の個数および配置位置については、図1の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜に増減することができる。但し、本発明に係る両面塗工装置10は、基材の裏面にも塗工液を塗工するため、裏面側の塗工液が乾燥していない裏面塗工ノズル30と乾燥部70との間に補助ローラ83を設けることはできない。
乾燥部70は、両面塗工装置10にて基材5の両面に形成された塗工液の塗膜の乾燥処理を行う。乾燥部70は、搬送機構80によって搬送される基材5を加熱することによって、塗工液から溶剤を蒸発させて乾燥処理を行う。乾燥部70は、例えば、塗工液の塗膜を緩やかに昇温させる予熱部、塗膜を所定温度にまで昇温して主たる加熱を行うメイン乾燥部、塗膜をより高温に加熱して膜中の歪みや残留応力を除去するアニール部、加熱された塗膜を冷却する冷却部などを備えていても良い。
制御部90は、塗膜形成システム1に設けられた各動作機構を制御して基材5に対する塗工処理を進行させる。制御部90のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部90は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部90のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって塗膜形成システム1における塗工処理が進行する。
本発明に係る両面塗工装置10は、搬送機構80によって搬送される基材5の表面に塗工するための表面塗工ノズル(第1ノズル)20およびバックアップローラ15、基材5の裏面に塗工するための裏面塗工ノズル30および精密プレート50、並びに、基材5の裏面を撮像する撮像カメラ40を備える。ここで、基材5の表面とは、図1に示した2つの補助ローラ83間において、上側を向く面である。一方、基材5の裏面とは、2つの補助ローラ83間において、下側を向く面である。
表面塗工ノズル20は、基材5の幅方向に沿ってスリット状の吐出口21を設けたスリットノズルである。本実施形態においては、表面塗工ノズル20は、吐出口21の吐出方向が概ね水平方向に沿うように設けられている。表面塗工ノズル20は、スリット状の吐出口21に繋がる流路を規定するためのシムおよびマニホールドを備える。また、表面塗工ノズル20には、バックアップローラ15と吐出口21との間隔を調整する機構および姿勢を規定する機構が付設されている(いずれも図示省略)。
バックアップローラ15は、表面塗工ノズル20と基材5を挟んで対向して設けられている。バックアップローラ15は、その回転軸が表面塗工ノズル20の吐出口21と平行な水平方向に沿うように回転自在に設けられている。バックアップローラ15は、搬送機構80によって搬送される基材5の裏面を支持する。よって、表面塗工ノズル20は、その吐出口21がバックアップローラ15によって支持される基材5の表面に対向するように設けられる。
バックアップローラ15は、回転軸と垂直な方向に対しては固定されているため、表面塗工ノズル20の吐出口21とバックアップローラ15の外周面との間隔は常に一定である。このため、バックアップローラ15によって裏面側から支持された基材5の表面と表面塗工ノズル20の吐出口21との間隔の安定して常に一定となる。
表面塗工ノズル20は、図示省略の液供給機構から供給された塗工液をバックアップローラ15によって支持された状態で走行する基材5の表面に吐出口21から吐出する。塗膜形成システム1にて正極を製造する場合には、正極材料の塗工液として、例えば正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO)、導電助剤であるカーボン(C)、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の混合液を用いる。コバルト酸リチウムに代えて、正極活物質としてニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、燐酸鉄リチウム(LiFePO)などを用いることもできる。
一方、塗膜形成システム1にて負極を製造する場合には、負極材料の塗工液として、例えば負極活物質である黒鉛(グラファイト)、結着剤であるPVDF、溶剤であるNMPの混合液を用いる。黒鉛に代えて、負極活物質としてハードカーボン、チタン酸リチウム(LiTi12)、シリコン合金、スズ合金などを用いることもできる。また、正極材料および負極材料の双方において、結着剤としてPVDFに代えてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などを使用することができ、溶剤としてNMPに代えて水(HO)などを使用することができる。さらに、結着剤としてSBR、溶剤として水を用いる場合には、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を併用することもできる。これら正極材料および負極材料の塗工液は固体(微粒子)が分散されたスラリーであってその粘度はいずれも1Pa・s(パスカル秒)以上であり、一般的にチクソトロピー性を有する。
表面塗工ノズル20は、バックアップローラ15によって安定して支持される基材5の表面に塗工液を塗工する。バックアップローラ15によって裏面側から支持された基材5の表面と表面塗工ノズル20の吐出口21との間隔は常に一定である。よって、表面塗工ノズル20は、基材5の表面に塗工液を均一に塗工することができる。その結果、基材5の表面に形成される塗膜の幅および膜厚も均一となる。なお、バックアップローラ15と表面塗工ノズル20との間隔自体は表面塗工ノズル20に付設された調整機構によって適宜に調整可能である。
一方、裏面塗工ノズル30は表面塗工ノズル20よりも基材5の搬送方向に沿って下流側(乾燥部70に近い側)であって乾燥部70よりも上流側に設けられている。裏面塗工ノズル30が設置されている位置においては、補助ローラ83によって張力を与えられつつ基材5が水平方向に沿って搬送されている。裏面塗工ノズル30は、水平方向に沿って搬送される基材5の下側に設けられる。
裏面塗工ノズル30の構造は表面塗工ノズル20と同一である。すなわち、裏面塗工ノズル30も、基材5の幅方向に沿ってスリット状の吐出口31を設けたスリットノズルである。裏面塗工ノズル30は、吐出口31の吐出方向が概ね鉛直方向上方を向くように設けられている。よって、裏面塗工ノズル30は、その吐出口31が水平方向に沿って搬送される基材5の裏面に対向するように設けられる。裏面塗工ノズル30には、高さおよび姿勢を規定する機構が付設されている(いずれも図示省略)。
基材5を挟んで裏面塗工ノズル30の直上には精密プレート50が設けられている。すなわち、精密プレート50は裏面塗工ノズル30と基材5を挟んで対向する位置に設けられている。図2および図3は、精密プレート50を説明するための図である。図2は精密プレート50および裏面塗工ノズル30を側方から見た図であり、図3は精密プレート50を上方から見た図である。精密プレート50は矩形の板状部材である。精密プレート50の長さは概ね基材5の幅と同程度である。また、精密プレート50の幅および厚さは特に限定されるものではない。
図2に示すように、精密プレート50にはエア供給機構60および吸気機構65が付設されている。エア供給機構60は、エア供給部61、バルブ62および流量調整バルブ63を備える。エア供給部61は、配管64によって精密プレート50と連通接続される。エア供給部61は、例えばブロアなどにて構成され、配管64に空気を圧送する。配管64には、バルブ62および流量調整バルブ63が介挿されている。バルブ62を開放しつつ、エア供給部61から配管64に空気を圧送することによって、精密プレート50に空気が供給される。エア供給部61から精密プレート50に供給する空気の流量は流量調整バルブ63によって調整される。
また、吸気機構65は、吸引部66、バルブ67および流量調整バルブ68を備える。吸引部66は、配管69によって精密プレート50と連通接続される。吸引部66は、例えばポンプなどにて構成され、配管69を介して精密プレート50に負圧を与える。配管69には、バルブ67および流量調整バルブ68が介挿されている。バルブ67を開放しつつ、吸引部66が吸引を行うと、精密プレート50に負圧が作用する。
図4は、精密プレート50の下面を示す図である。基材5の表面に対向する精密プレート50の下面には、複数の噴出孔51と複数の吸引孔52とが穿設されている。図4では、図示の便宜上、吸引孔52にはハッチングを付している。複数の噴出孔51および複数の吸引孔52は基材5の表面に向けて穿設されている。また、図4に示すように、複数の噴出孔51および複数の吸引孔52は互いに隣り合う格子状に配列されている。1つの噴出孔51は前後左右を4つの吸引孔52によって囲まれ、1つの吸引孔52は前後左右を4つの噴出孔51によって囲まれる。
複数の噴出孔51のそれぞれはエア供給機構60の配管64と接続されている。バルブ62を開放することによって、エア供給部61から配管64を介して精密プレート50に空気が供給される。供給された空気は、複数の噴出孔51から下方の基材5の表面に向けて噴出される。複数の噴出孔51から噴出される空気の流量は流量調整バルブ63によって調整される。
一方、複数の吸引孔52のそれぞれは吸気機構65の配管69と接続されている。吸引部66を作動させつつバルブ67を開放すると、複数の吸引孔52に負圧が付与され、複数の吸引孔52のそれぞれから周辺の雰囲気が吸引される。吸引孔52は基材5の表面に向けて設けられているため、複数の吸引孔52は基材5の側から気体を吸引する。複数の吸引孔52から吸引される気体の流量は流量調整バルブ68によって調整される。
図2に示すように、精密プレート50の複数の噴出孔51から基材5の表面に向けて気体を噴出しつつ、複数の吸引孔52によって基材5の側から気体を吸引することにより、精密プレート50は基材5に対して気体噴出による斥力と気体吸引による引力とを同時に作用させることができる。その結果、精密プレート50の下面と基材5の表面との距離は一定に保たれることとなる。換言すれば、精密プレート50は、搬送機構80によって搬送される直下の基材5を一定の距離を隔てて非接触にて支持する。
精密プレート50の下面と基材5の表面との距離は、複数の噴出孔51からの気体噴出流量と複数の吸引孔52による気体吸引流量とのバランスによって規定される。気体噴出流量が多くなれば、基材5に対する斥力が大きくなって、基材5が下側に(裏面塗工ノズル30に近づく側に)押し下げられる。逆に、気体吸引流量が多くなれば、基材5に対する引力が大きくなって、基材5が上側に(裏面塗工ノズル30から遠ざかる側に)引き上げられる。
また、基材5に対しては、精密プレート50からの斥力および引力のみならず、搬送機構80による張力、基材5自体の自重および裏面塗工ノズル30からの塗工液の吐出圧などが作用する。精密プレート50の下面と基材5の表面との距離は、厳密にはこれらの総合によって定まる。通常は、裏面塗工ノズル30からの塗工液の吐出圧が比較的大きいため、噴出孔51からの気体噴出流量を吸引孔52による気体吸引流量よりも多くしてその吐出圧に抗するようにしている。
精密プレート50は、裏面塗工ノズル30と基材5を挟んで対向する位置に設けられている。よって、精密プレート50は、裏面塗工ノズル30による塗工位置において、基材5を一定の距離を隔てて非接触にて支持することとなる。その結果、精密プレート50によって非接触で支持された基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔は常に一定となる。裏面塗工ノズル30は、図示省略の液供給機構から供給された塗工液を精密プレート50によって非接触で支持された状態で走行する基材5の裏面に吐出口31から吐出する。これにより、基材5の表面と同様に、裏面についても裏面塗工ノズル30によって塗工液を均一に塗工することができ、基材5の裏面に形成される塗膜の幅および膜厚を均一にすることができる。
本実施形態の如く塗膜形成システム1にてリチウムイオン二次電池の電極製造を行う場合、基材5の表面および裏面には同種の塗工液が塗工される。例えば、表面塗工ノズル20から基材5の表面に正極材料の塗工液を塗工するのであれば、基材5の裏面にも裏面塗工ノズル30から正極材料の塗工液を塗工する。また、基材5の表面に表面塗工ノズル20から負極材料の塗工液を塗工するのであれば、基材5の裏面にも裏面塗工ノズル30から裏面材料の塗工液を塗工する。なお、表面塗工ノズル20の液供給機構と裏面塗工ノズル30の液供給機構とは共通のものであっても良い。
図1に戻り、第1実施形態の両面塗工装置10は、基材5の裏面を撮像する撮像カメラ40を備える。撮像カメラ40は、裏面塗工ノズル30よりも基材5の搬送方向に沿って下流側であって乾燥部70よりも上流側に設けられている。また、撮像カメラ40は、水平方向に沿って搬送される基材5の下側に設けられる。
撮像カメラ40は、裏面塗工ノズル30によって基材5の裏面に塗工された塗膜の形状を撮像する。このような撮像カメラ40としては、例えばCCDカメラなどを採用することができる。図5は、裏面塗工ノズル30によって基材5の裏面に塗工された塗膜の形状を模式的に示す図である。図5(a)は、正常な塗工処理がなされた場合の塗膜の形状を示す。これに対して、図5(b)は、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲よりも大きく、吐出口31と基材5の裏面との間に形成されるメニスカスが乱れて塗膜の幅方向端部が波状となった場合を示す。逆に、図5(c)は、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲よりも小さく、裏面塗工ノズル30によって塗工液が塗り拡げられて塗膜が幅方向に過度に大きくなった場合を示す。
撮像カメラ40は、裏面塗工ノズル30によって基材5の裏面に塗工された塗膜の形状を撮像し、その撮像結果は制御部90に伝達される。制御部90は、撮像カメラ40による撮像結果に対して画像処理を行い、基材5の裏面に形成された塗膜の形状(特に、塗膜のエッジの形状)が図5(a)〜(c)のいずれであるかを判定する。基材5の裏面に形成された塗膜の形状が図5(a)のパターンであれば、正常な裏面塗工処理が行われているため、特段の調整は行わない。
一方、基材5の裏面に形成された塗膜の形状が図5(b)のパターンであれば、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲よりも大きくなっている。つまり、精密プレート50の下面と基材5の表面との間隔が小さくなっている。このため、制御部90がエア供給機構60の流量調整バルブ63および吸気機構65の流量調整バルブ68を制御し、複数の噴出孔51からの気体噴出流量を多く、および/または、複数の吸引孔52による気体吸引流量を少なくする。これにより、基材5に対する精密プレート50からの斥力が相対的に大きくなって、基材5が下側に押し下げられ、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲内となる。
また、基材5の裏面に形成された塗膜の形状が図5(c)のパターンであれば、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲よりも小さくなっている。つまり、精密プレート50の下面と基材5の表面との間隔が大きくなっている。このため、制御部90がエア供給機構60の流量調整バルブ63および吸気機構65の流量調整バルブ68を制御し、複数の噴出孔51からの気体噴出流量を少なく、および/または、複数の吸引孔52による気体吸引流量を多くする。これにより、基材5に対する精密プレート50からの引力が相対的に大きくなって、基材5が上側に引き上げられ、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲内となる。
以上のように、第1実施形態の塗膜形成システム1においては、搬送機構80によってロールトゥロール方式にて搬送される長尺の基材5の表裏両面に対して、両面塗工装置10により電極材料の塗工液を塗工する。まず、巻き出しローラ81から送り出された基材5の表面に表面塗工ノズル20が塗工液を塗工する。表面塗工ノズル20は、バックアップローラ15によって支持された基材5の表面に塗工液を塗工する。バックアップローラ15によって安定して支持された基材5の表面と表面塗工ノズル20の吐出口21との間隔は常に一定である。このため、表面塗工ノズル20は、基材5の表面に塗工液を均一に塗工することができ、基材5の表面に形成される塗膜の幅および膜厚は均一となる。
表面塗工ノズル20による表面塗工の後、次に裏面塗工ノズル30が基材5の裏面に塗工液を塗工する。裏面塗工に際しては、基材5の表面に塗工された塗工液が未だに乾燥していないため、バックアップローラで基材5の表面を直接に支持することはできない。このため、裏面塗工ノズル30は、基材5を挟んで対向配置された精密プレート50によって非接触で支持された基材5の裏面に塗工液を塗工する。
精密プレート50は、複数の噴出孔51から基材5の表面に向けて気体を噴出しつつ、複数の吸引孔52によって基材5の側から気体を吸引する。これにより、精密プレート50は、基材5に対して気体噴出による斥力と気体吸引による引力とを同時に作用させ、そのバランスによって基材5を一定の距離を隔てて非接触にて支持する。しかも、精密プレート50は、裏面塗工ノズル30と基材5を挟んで対向する位置に設けられているため、裏面塗工ノズル30の塗工位置において基材5を非接触にて支持する。
従って、精密プレート50によって一定の距離を隔てて非接触支持された基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔も一定となる。このため、裏面塗工ノズル30は、精密プレート50によって非接触支持された基材5の裏面に塗工液を均一に塗工することができ、基材5の裏面に形成される塗膜の幅および膜厚も均一となる。このようにして、両面塗工装置10は、基材5の表裏両面に対して均一に塗工液を塗工することができる。
また、裏面塗工については、撮像カメラ40が裏面塗工ノズル30によって基材5の裏面に塗工された塗膜の形状を撮像し、その撮像結果に基づいて、複数の噴出孔51からの気体噴出流量をおよび複数の吸引孔52による気体吸引流量を制御して基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が適正範囲内となるようにしている。このため、何らかの要因によって基材5の裏面と裏面塗工ノズル30との間隔に変動が生じたとしても、その間隔が適正範囲内となるように修正することができる。
その後、表面塗工ノズル20および裏面塗工ノズル30によって表裏両面に塗工液が塗工された基材5は乾燥部70に搬送され、塗工液の塗膜の乾燥処理が行われる。乾燥部70では、基材5の表裏両面に対して一括して同時に乾燥処理が行われる。塗膜の乾燥処理の終了した基材5は巻き取りローラ82によって巻き取られる。
<2.第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態の塗膜形成システム1aの全体構成を示す図である。同図において、第1実施形態の図1と同一の要素については、同一の符号を付している。第2実施形態の塗膜形成システム1aが第1実施形態の塗膜形成システム1と相違するのは、両面塗工装置10の撮像カメラ40に代えて距離センサ45を設けている点である。
距離センサ45は、裏面塗工ノズル30よりも基材5の搬送方向に沿って上流側に設けられている。距離センサ45は、可能な限り裏面塗工ノズル30の近くに設けるのが好ましい。また、距離センサ45は、水平方向に沿って搬送される基材5の下側に設けられる。
距離センサ45は、上方を走行する基材5の裏面までの距離を測定する。このような距離センサ45としては、例えばレーザを用いた光学式のセンサや超音波を用いたセンサなどを採用することができる。距離センサ45による測定結果は制御部90に伝達される。距離センサ45は固定設置されているものであり、裏面塗工ノズル30との高さ位置関係は固定されている。よって、距離センサ45から基材5の裏面までの距離が測定されれば、その測定結果に基づいて制御部90は裏面塗工ノズル30の吐出口31と基材5の裏面との間隔を算定することができる。但し、この算定は、搬送機構80によって基材5が正確に水平方向に搬送されていることが前提となるため、距離センサ45は裏面塗工ノズル30の近傍に設けるのが好ましい。
距離センサ45の測定結果から求められた裏面塗工ノズル30の吐出口31と基材5の裏面との間隔が所定の適正範囲内であれば、裏面塗工ノズル30から正常な裏面塗工処理が行われるため、特段の調整は行わない。この場合の塗膜の形状は図5(a)のようになる。
一方、距離センサ45の測定結果から求められた裏面塗工ノズル30の吐出口31と基材5の裏面との間隔が所定の適正範囲よりも大きければ、精密プレート50の下面と基材5の表面との間隔が小さくなっている。この場合、塗膜の形状は図5(b)のようになる。よって、制御部90がエア供給機構60の流量調整バルブ63および吸気機構65の流量調整バルブ68を制御し、複数の噴出孔51からの気体噴出流量を多く、および/または、複数の吸引孔52による気体吸引流量を少なくする。これにより、基材5に対する精密プレート50からの斥力が相対的に大きくなって、基材5が下側に押し下げられ、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲内となる。
逆に、距離センサ45の測定結果から求められた裏面塗工ノズル30の吐出口31と基材5の裏面との間隔が所定の適正範囲よりも小さければ、精密プレート50の下面と基材5の表面との間隔が大きくなっている。この場合、塗膜の形状は図5(c)のようになる。よって、制御部90がエア供給機構60の流量調整バルブ63および吸気機構65の流量調整バルブ68を制御し、複数の噴出孔51からの気体噴出流量を少なく、および/または、複数の吸引孔52による気体吸引流量を多くする。これにより、基材5に対する精密プレート50からの引力が相対的に大きくなって、基材5が上側に引き上げられ、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲内となる。
距離センサ45を除く第2実施形態の残余の構成については第1実施形態と同様である。また、第2実施形態の塗膜形成システム1aにおける両面塗工処理の動作についても第1実施形態と概ね同様であり、基材5の表裏両面に対して均一に塗工液を塗工することができる。
また、第2実施形態においては、裏面塗工に際し、距離センサ45によって裏面塗工ノズル30の吐出口31と基材5の裏面との間隔を測定(直接的には距離センサ45と基材5との間隔を測定)し、その測定結果に基づいて、複数の噴出孔51からの気体噴出流量をおよび複数の吸引孔52による気体吸引流量を制御して基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が適正範囲内となるようにしている。このため、何らかの要因によって基材5の裏面と裏面塗工ノズル30との間隔に変動が生じたとしても、その間隔が適正範囲内となるように修正することができる。
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、精密プレート50の下面に設けられる噴出孔51および吸引孔52の形態は図4のような格子状に限定されるものではなく、図7のようなものであっても良い。図7においても、図示の便宜上、吸引孔52にはハッチングを付している。図7の例では、各噴出孔51および各吸引孔52は線状であり、複数の噴出孔51および複数の吸引孔52が互いに隣り合う縞状に配列されている。すなわち、線状の噴出孔51と吸引孔52とが交互に配列されている。
図7の精密プレート50の複数の噴出孔51から基材5の表面に向けて気体を噴出しつつ、複数の吸引孔52によって基材5の側から気体を吸引することにより、精密プレート50は基材5に対して気体噴出による斥力と気体吸引による引力とを同時に作用させる。その結果、精密プレート50の下面と基材5の表面との距離は一定に保たれることとなり、上記各実施形態と同様に、精密プレート50は、搬送機構80によって搬送される直下の基材5を一定の距離を隔てて非接触にて支持することができる。このように、基材5を一定の距離を隔てて非接触にて支持するためには、図4および図7に例示するように、精密プレート50の下面に複数の噴出孔51および複数の吸引孔52を均等な密度にて配置する形態であれば良い。
また、上記各実施形態においては、裏面塗工処理時に精密プレート50によって基材5を非接触支持するようにしていたが、表面塗工と裏面塗工との順番を入れ換えて裏面塗工処理を先行して行う場合には、表面塗工処理時に精密プレート50によって基材5を一定の距離を隔てて非接触にて支持するようにしても良い。この場合、裏面塗工処理時には、バックアップローラによって基材5を安定して支持する。
また、表面塗工ノズル20および裏面塗工ノズル30によって、基材5の両面に塗工液を連続して塗工するようにしても良いし、塗工液の吐出と吐出停止とを繰り返す間欠塗工を行うようにしても良い。
また、第1実施形態では、基材5の裏面に塗工された塗膜の形状を撮像する撮像カメラ40を設けていたが、これに代えてまたは加えて、基材5の横方向から塗膜の膜厚を測定するための装置を設けるようにしても良い。基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲よりも大きければ、塗膜の膜厚が正常値よりも厚くなる。逆に、基材5の裏面と裏面塗工ノズル30の吐出口31との間隔が所定の適正範囲よりも小さければ、塗膜の膜厚が正常値よりも薄くなる。よって、裏面塗工処理後の基材5の裏面の膜厚でもって正常な処理が行われたか否かを判定することができる。
また、上記各実施形態においては、複数の噴出孔51から空気を噴出するようにしていたが、これに代えて、例えば窒素ガスを噴出するようにしても良い。
また、表面塗工ノズル20および裏面塗工ノズル30は1本のスリット状の吐出口21,31を有するスリットノズルに限定されるものではなく、複数本のスリットを有するものであっても良いし、略円形の吐出口から塗工液を吐出するノズルであっても良い。
また、本発明に係る技術を用いて塗工処理を行う対象となる塗工液はリチウムイオン二次電池の電極材料に限定されるものではなく、例えば太陽電池材料(電極材、封止材)の塗工液または電子材料の絶縁膜や保護膜の塗工液であっても良い。比較的粘度の高い塗工液を基材に塗工するのに本発明に係る技術を好適に適用することができる。よって、顔料や接着剤の塗工液を塗布するのに、本発明に係る技術を用いるようにしても良い。
1,1a 塗膜形成システム
5 基材
10 両面塗工装置
15 バックアップローラ
20 表面塗工ノズル
30 裏面塗工ノズル
40 撮像カメラ
45 距離センサ
50 精密プレート
51 噴出孔
52 吸引孔
60 エア供給機構
63,68 流量調整バルブ
65 吸気機構
70 乾燥部
80 搬送機構
81 巻き出しローラ
82 巻き取りローラ
90 制御部

Claims (8)

  1. 基材の両面に塗工液を塗工する両面塗工装置であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、
    前記第1ノズルと基材を挟んで対向して設けられ、基材の第2面を支持するバックアップローラと、
    前記第1ノズルよりも基材の搬送方向に沿って下流側に設けられ、基材の第2面に塗工液を吐出する第2ノズルと、
    前記第2ノズルと基材を挟んで対向して設けられ、基材の第1面に向けて気体を噴出する複数の噴出孔および基材の側から気体を吸引する複数の吸引孔を有する非接触支持部と、
    を備えることを特徴とする両面塗工装置。
  2. 請求項1記載の両面塗工装置において、
    前記第2ノズルよりも基材の搬送方向に沿って下流側に設けられ、前記第2ノズルによって塗工された塗膜の形状を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段の撮像結果に基づいて、前記複数の噴出孔からの気体噴出量および前記複数の吸引孔による気体吸引量を調整する制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする両面塗工装置。
  3. 請求項1記載の両面塗工装置において、
    前記第2ノズルよりも基材の搬送方向に沿って上流側に設けられ、前記第2ノズルと基材との間隔を測定する測定手段と、
    前記測定手段の測定結果に基づいて、前記複数の噴出孔からの気体噴出量および前記複数の吸引孔による気体吸引量を調整する制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする両面塗工装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の両面塗工装置において、
    前記複数の噴出孔および前記複数の吸引孔は互いに隣り合う格子状に配列されていることを特徴とする両面塗工装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の両面塗工装置と、
    前記両面塗工装置によって基材の両面に形成された塗工液の塗膜を乾燥させる乾燥部と、
    を備えることを特徴とする塗膜形成システム。
  6. 基材の両面に塗工液を塗工する両面塗工方法であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、
    搬送される基材の第2面をバックアップローラによって支持しつつ、当該基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、
    前記第1塗工工程の後、搬送される基材の第2面に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、
    を備え、
    前記第2塗工工程では、基材の第1面に向けて気体を噴出しつつ基材の側から気体を吸引して基材を非接触にて支持することを特徴とする両面塗工方法。
  7. 請求項6記載の両面塗工方法において、
    前記第2ノズルによって塗工された塗膜の形状を撮像する撮像工程をさらに備え、
    前記撮像工程での撮像結果に基づいて、前記第2塗工工程での気体噴出量および気体吸引量を調整することを特徴とする両面塗工方法。
  8. 請求項6記載の両面塗工方法において、
    前記第2ノズルと基材との間隔を測定する測定工程をさらに備え、
    前記測定工程での測定結果に基づいて、前記第2塗工工程での気体噴出量および気体吸引量を調整することを特徴とする両面塗工方法。
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