JP2002352412A - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
提供する。 【解決手段】 非磁性支持体の一方の面に下塗層および
磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、磁性粉とし
て、Coおよび希土類元素を含有した平均軸長が90n
m以下の強磁性合金粉を使用し、この強磁性合金粉を含
有させた磁性層の厚さを0.15μm以下とする。この磁
性層は、特定位置に段付き円板状のスペーサ10を設け
た連続式2軸混練機により混練および希釈して製造され
た磁性塗料を用いて形成する。
Description
優れた塗布型磁気記録媒体に関する。
オテープ、コンピューターテープなど種々の用途がある
が、特にデータバックアップ用テープの分野では、バッ
クアップの対象となるハードディスクの大容量化にとも
ない、1巻当たり数十〜100GBの記録容量のものが
商品化されている。また、今後100GBを超える大容
量バックアップテープが提案されており、その高記録密
度化は不可欠である。
磁気テープを製造するに際しては、微粒子化しかつ磁気
特性を向上させた強磁性粉の使用、強磁性粉のさらなる
充填性、分散性の向上が必要であり、また媒体−ヘッド
間のスペーシングロスを小さくする加工など行うことが
必要となってきている。
磁性層の残留磁化の大きい方が高出力化に望ましい。こ
のため、磁性粉として、従来の酸化物磁性粉やCo含有
酸化鉄磁性粉に代わり、強磁性鉄系合金粉を用いること
が主流になりつつあり、例えば保磁力120kA/m
(1500Oe)以上の強磁性鉄系合金粉も提案されて
いる(特開平5−234064号公報、特開平6−25
702号公報、特開平6−139553号公報など)。
性粉の高充填化や分散性の向上も効果的である。強磁性
粉の高充填化を図る手段としては、磁性塗料成分を、高
固形分濃度状態で高剪断力を付与しながら混練する手
法、例えば特開昭62−41274号公報に開示されて
いるような、連続式2軸混練機を使用した手法などが提
案されている。
ては、スルホン酸基、リン酸基またはこれらのアルカリ
金属塩などの極性官能基を有するバインダ(結合剤)を
用いたり、バインダとともに分散剤を併用したり、磁性
塗料の混練分散工程を連続的に行ったり、分散後に潤滑
剤を後添加するなどの手段が提案されている(特開平6
2−23226号公報、特開平2−101624号公
報、特開平3−216812号公報、特開平3−178
27号公報、特開平4−47586号公報、特開平8−
235566号公報など)。
るにはテープ−ヘッド間のスペーシングロスを小さくす
ることが必要であるが、そのための手段としては、上記
の磁性粉の分散性を上げる手段のほか、カレンダー工程
において高温、高圧条件で磁性層の平滑化処理を行った
り、磁性層の下に非磁性の下塗層を設けて、非磁性支持
体の表面性の磁性層表面への影響を抑制するなどの手段
が提案されている(特公平1−1297号公報、特公平
7−60504号公報、特開平4−19815号公報な
ど)。
磁気記録媒体(例えば100GB以上の容量に対応)を
作製するにあたり、上記のような従来公知の技術では、
平均長軸長90nm以下ともなる強磁性粉を高充填化さ
せかつ高分散させることは困難で、その結果テープの磁
気特性、および平滑度が悪化するため、出力、出力対ノ
イズ比(S/N)、分解能を満足させることができなか
った。
ものであり、高密度磁気記録媒体において、100GB
容量以上に対応するための出力、S/N比を有する磁気
記録媒体を提供することを目的としている。
達成するため、非磁性支持体の一方の面に、無機粉体を
含む下塗塗料を塗布することにより形成された下塗層
と、この下塗層の上に、磁性粉を含む磁性塗料を塗布す
ることにより形成された磁性層とを有する磁気記録媒体
において、次のように構成したことを特徴とする。
希土類元素を含有した平均長軸長が90nm以下の強磁
性合金粉を使用し、この強磁性合金粉を含む磁性層の厚
さを0.15μm以下とする。そして、この磁性層を形成
するに当たっては、特定位置に段付き円板状のスペーサ
を設けた連続式2軸混練機により混練および希釈して製
造された磁性塗料を用いる。このような構成によれば、
薄層磁性層にて高充填化と超平滑化とを両立させること
ができ、結果として優れた電磁変換特性(出力、S/
N、分解能)を有する磁気記録媒体が得られる。
出力特性やS/N特性を改善するために、磁性層中に含
ませる磁性粉として、Coおよび希土類元素を含有する
強磁性鉄系合金粉であって、かつその平均長軸長が90
nm以下のものを用いる。
さを0.15μm以下とするが、このように磁性層の厚さ
を薄くすると、従来の粒子径(平均長軸長)の大きな磁
性粉では、磁性層中の充填量が減少して磁気特性が劣化
し、高い出力が得られないおそれがある。そこで、平均
長軸長が90nm以下、好ましくは80nm以下(通常
10nmまで)の超微粒子の強磁性鉄系合金粉を用い、
かつ後述する塗料製造方法を適用する。これにより、磁
性層中の磁性粉の充填性を最大限にまで向上させること
ができ、高い残留磁化が得られる。また、この場合にお
いて、磁性粉中にCoを含有させると、磁性粉自体の飽
和磁化量、保磁力などの磁気特性が向上し、磁性層の厚
さが0.15μm以下の磁気記録媒体に対して最短記録波
長が0.5μm以下の高密度記録を行った場合でも、高い
出力を得ることができる。
微鏡(SEM)を用いて直接倍率30000倍で撮影し
た写真から磁性粉の長軸長サイズを実測し、100個の
平均値により求められるものである。また、上記と同様
の理由から、本発明に用いる強磁性鉄系合金粉として
は、BET比表面積が35m2 /g以上であるのが好ま
しく、40m2 /g以上であるのがより好ましく、50
m2 /g以上であるのが最も好ましい。
の磁気特性を単に向上させて出力を高めた媒体として
も、ノイズも同時に高い場合、相対的にS/N比が減少
し、十分なS/N比が得られない。そこで、本発明者ら
は、ノイズの低下について検討した結果、希土類元素を
含有する磁性粉を用いることにより、上記問題を解決で
きることを見出した。
つとして、磁性粉に起因する粒子性ノイズがあげられ
る。この粒子性ノイズは粒子の大きさ、粒度の不均一さ
に起因すると考えられるので、各磁性粉にバラツキがあ
ると、デ―タが未記録状態でも、へツド出力に寄与する
一定面積中に存在する磁性粒子から発生する磁束にバラ
ツキが生じて、ヘツド出力が0、つまり上記磁束の合計
が0になりにくい。その結果、データ記録箇所の相違に
よる出力差が生じ、ノイズが増加する原因となる。磁性
粉の大きさにバラツキがあると、これは、信号が記録さ
れた状態では出力変動に基づくノイズも重畳されるた
め、さらにノイズが増加し、相対的なS/N比を低減さ
せる。
ることが必要であるが、磁性粉の平均長軸長を90nm
以下にすることで、ヘツド出力に寄与する一定面積中の
磁性粒子数を増加でき、データ記録箇所の相違による一
定面積中の磁化量のバラツキを防止でき、粒子の大きさ
に起因したノイズを低減できることができる。
と、粒子サイズの大きさに起因するノイズは低減できる
が、粒度の不均一さに起因する粒子性ノイズは低減でき
ない。そこで本発明者らは、上記粒度の不均一さに起因
する粒子性ノイズについて検討した結果、平均長軸長9
0nm以下の微粒子の強磁性鉄系合金粉において、Co
とともに、希土類元素を含ませるようにしたとき、上記
磁性粉の粒度分布が均一となり、粒度の不均一さに起因
した粒子性ノイズを低減でき、S/N比が大きく向上す
ることを見い出した。
Coを含有させるには、(1)ゲーサイト粉末を焼成し
てマグネタイト粉末とし、これをコバルトイオン含有水
溶液中で2価の鉄イオンとコバルトイオンをイオン交換
し、加熱還元する方法、(2)鉄塩とコバルト塩のアル
カリの水系懸濁液から得られるコバルト含有針状ゲーサ
イト粉末を加熱還元する方法、(3)蓚酸水溶液中に添
加した鉄塩とコバルト塩から得た共沈物を還元する方
法、(4)表面にコバルトを被着させた酸化鉄粉末を加
熱還元する方法、(5)鉄塩とコバルト塩を含む溶液に
還元剤を添加する方法、(6)不活性ガス中で金属を蒸
発させ、ガス分子と衝突させて合金磁性粉を得る方法、
(7)水素と窒素やアルゴンとの混合ガス中で鉄やコバ
ルトの塩化物の蒸気を流しながら、金属に還元する方法
などがある。中でも、高いコバルト量の固溶が可能で、
耐腐食性能にも優れる前記(1)や(2)の方法を併用
するのが好ましい。
土類元素を含有させるには、上記の各Co含有方法にお
いて、Coと同時に希土類元素を含有させるか、Coを
含有させたのちに希土類元素を含有させればよい。中で
も、ゲーサイト製造時にコバルトと同時に希土類元素を
共沈する方法、Coを含有する原料酸化鉄粉を加熱還元
する前に希土類化合物水溶液中へ懸濁する方法などが好
ましい。希土類元素には、Nd、Y、La、Ce、P
r、Sm、Gd、Yb、Tbなどがあり、これらの中で
も、特にY、La、Ceが好ましい。
磁性鉄系合金粉において、コバルトの量は、多いほど高
飽和磁化および高保磁力を達成できるが、あまりに多す
ぎると磁性鉄金属との合金化ができず、余剰分が酸化物
となるため、上記特性を達成できない。したがつて、コ
バルトの量は、Co/Feの重量比が0.2〜0.5の範囲
が好ましく、0.2〜0.4の範囲がより好ましい。
分布を均一にすることができ、その結果、粒子ノイズを
低減させることができて高いS/N比を達成できる。ま
た、磁性粉とバインダとの密着力の増大にも寄与する。
しかし、あまりに多すぎるとCo含有量が低下し、磁性
粉の飽和磁化量を低下させる。したがつて、希土類元素
の量は、希土類元素/Feの重量比が0.01〜0.1の範
囲が好ましく、0.02〜0.07の範囲がより好ましい。
る強磁性鉄系合金粉には、他の元素として、例えば、Z
n、Sn、Ni、Mn、Ti、Cr、Cuなどの遷移金
属などを添加することもできる。しかしながら、アルカ
リ金属、とくにCaが強磁性鉄系合金粉中に存在する
と、これが磁性層中の脂肪酸と反応して磁性層表面に脂
肪酸塩を生成するため、磁性粉の製造時に洗浄により上
記アルカリ金属の混入を避けるようにするのが好まし
い。
磁性鉄系合金粉は、加熱還元時の焼結防止、磁性塗料中
での分散性改善の目的で、粒子表面を無機酸化物で被覆
するのが望ましい。無機酸化物には、アルミニウム酸化
物やケイ素酸化物などがあるが、アルミニウム酸化物が
硬さにおいてすぐれており、強磁性鉄系合金粉の耐摩耗
性も向上できるのでとくに好ましい。
予めアルミニウム、ケイ素などのアルコール溶液に水を
作用させて加水分解によりこれらの化合物を粒子表面に
被着生成させる方法が用いられる。被覆量は、焼結防止
や分散性改善のため、Feに対する重量比で0.001以
上とするのが好ましく、またあまりに多すぎると、磁性
粉の飽和磁化量が低下するため、0.07以下が好まし
い。つまり、粒子表面をアルミニウム酸化物で被覆する
場合、このアルミニウム酸化物をAl/Feの重量比が
0.001〜0.07となる割合で含有するのがよい。
を含有する強磁性鉄系合金粉は、高い飽和磁化のため磁
気凝集を起こしやすく、粒子表面が非常に活性となるた
め、磁性塗料中に含まれる溶剤の変成や、バインダとし
て使用される架橋剤中のイソシアネート成分の変成など
を引き起こす触媒として作用する。このため、上記の強
磁性鉄系合金粉は、pHが10未満、とくに8未満であ
るのが好ましい。pHを10未満とすると、磁性塗料中
の上記のような変成物の生成を抑制でき、磁性層形成時
に高速走行摺動に耐えうる塗膜とすることができる。こ
のようなCoおよび希土類元素を含有する強磁性鉄系合
金粉の保磁力は、高線記録密度における短波長記録で高
出力で高分解能を得るため、155〜300kA/m、
とくに160〜225kA/mであるのが好ましい。飽
和磁化量は、高トラック密度において良好な再生出力を
得るため、また磁性粉の耐食性を維持するため、120
〜200A・m2 /kg(120〜200emu/g)、
とくに130〜160A・m2 /kg(130〜160e
mu/g)であるのが好ましい。角形比としては、σr
/σsが0.46以上、とくに0.48以上、さらには0.4
9以上であるのが望ましい。
元素を含有する強磁性鉄系合金粉を用いた磁性層の磁気
特性としては、保磁力が155〜300kA/m、とく
に160〜240kA/m、であるのが望ましい。ま
た、本発明においては、磁性層中の強磁性鉄系合金粉の
充填性を極めて高くし、高出力の磁気記録媒体とするた
め、磁性層の残留磁束密度が0.18T以上、特に0.2T
以上0.4T以下とすることが好ましい。このような残留
磁束密度の高い磁性層は、前記強磁性鉄系合金粉を用い
ると共に、磁性粉の充填性を高める後述の手段により達
成することができる。なお、この磁性層の磁気特性と、
前記のCoを含有する強磁性鉄系合金粉の磁気特性は、
いずれも試料振動形磁束計で室温中、外部磁場800k
A/m(10kOe)での測定値をいい、磁性層の保磁
力および残留磁化は、直径8mmで磁性層面20面を有す
る試料を貼りあわせたものを測定した時の更正後の値で
ある。
を含有する強磁性鉄系合金粉を使用することにより、磁
性層の磁気特性が向上し、最短記録波長0.5μm以下で
も高い出力を得ることができるともに、磁性粉自体から
生ずるノイズが低減され、高いS/N比を得ることがで
きる。一方、最短記録波長0.5μm以下の高線記録密度
において磁性層の厚さが厚い場合には、長波長出力は厚
さに応じて大きくなるものの、短波長出力は厚み損失の
影響によりあまり変化しない。このため、長波長出力に
比べて短波長出力が相対的に低くなって分解能が低下
し、高保磁力化による自己減磁損失の低減効果による改
善だけでは不十分になる。
検討した結果、最短記録波長1.0μm以下の高線記録密
度においては、磁性層の厚さを0.15μm以下にしたと
きに、高分解能の磁気テープを得ることができる。すな
わち、本発明では、上記のCoおよび希土類元素を含有
する強磁性鉄系合金粉を用いるとともに、磁性層の厚さ
を0.15μm以下とすることにより、磁性層の高残留磁
束密度化、高保磁力化を達成でき、高トラツク密度にお
ける自己減磁損失を低減することができ、かつ最短記録
波長0.5μm以下の高線記録密度においても厚み損失を
低減でき、これにより良好な電磁変換特性を達成できる
ものである。
点から、0.15μm以下とすることが必要であるが、あ
まりに薄くなりすぎると、磁性層の形成時に塗膜厚さの
均一性を維持することが困難になり、また磁性層中に充
填しうる磁性粉が減少して、磁性層の磁気特性が低下す
る。このため、磁性層の厚さは、0.03μm以上、とく
に0.07〜0.15μmであるのが望ましい。
さの積は、0.0018〜0.05μTmが好ましく、0.0
036〜0.05μTmがより好ましく、0.004〜0.0
5μTmがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、
0.0018μTm未満では、MRヘッドによる再生出力
が小さく、0.05μTmを越えるとMRヘッドによる再
生出力が歪みやすいからである。このような磁性層から
なる磁気記録媒体は、記録波長を短くでき、しかも、M
Rヘッドで再生した時の再生出力を大きくでき、しかも
再生出力の歪が小さく出力対ノイズ比を大きくできるの
で好ましい。
媒体を得るには、磁性粉の平均長軸長が90nm以下で
ありCoおよび希土類元素を含有する強磁性鉄系合金粉
であることが必要となるが、従来の塗料製造過程ではそ
の磁性粉の性能を十分に発揮できず、得られた媒体にお
いては出力、S/N比が予想以上に低下した。その理由
としては、(1)磁性粉の微粒子化により、磁性粉界面
への濡れ性が悪化すること、および(2)磁性粉表面の
化学的性質、すなわち磁性粉に被着させた希土類元素の
影響で溶剤およびバインダとの相互作用が従来粉に比べ
て強くなることなどにより、塗料製造工程の中で特に混
練工程に大きな差が生じ、充填性および分散性の両立が
困難となったことが考えられる。すなわち、充填性の向
上のためには通常高い固形分濃度で高剪断力をかけて混
練することが必要となるが、前記理由のために低い固形
分濃度でしか混練ができず高充填化ができない上に、ま
た高剪断力をかけることが困難であるため、混練終了後
(混練希釈後)のペーストには粗大な凝集物が多く残存
すること、またかかる凝集物は次工程の分散工程におい
て、ある程度微細化されるが、ミクロな意味での凝集体
が残ってしまう問題があり、所望の出力、S/Nを達成
できない。またこのような凝集物は分散条件を強化(例
えば周速をあげたり、分散時間を延長させるなど)する
ことで、少なくなる傾向にはあるが、本発明に用いられ
る磁性粉は微細であり強度的にも弱いため、磁性粉自体
が損傷する。そのため媒体の磁気特性(Mr、SFD)
が極端に悪化し、出力、ノイズが高くなる傾向があっ
た。
粒子磁性粉において磁気的なエネルギーを最大限に発揮
させるために高充填化し、かつ高分散させる製法につい
て検討を行ったところ、磁性塗料を得るにあたり、特定
位置に段付き円板状のスペーサを付与させた連続式2軸
混練機により混練および希釈することにより、その目的
を達成できることが分かった。
あたって使用する連続式2軸混練機の構成を示す。この
連続式2軸混練機は、磁性塗料粉末成分供給ユニット1
と、バインダ溶液および溶剤注入ユニット2〜5と、塗
料排出口6と、回転軸7と、スクリュー8と、パドル9
と、スペーサ10と、バレル11〜21とを有する。こ
のうち、バレル11・12を配置した部分が搬送部、バ
レル13〜16を配置した部分が混練部、バレル17・
18を配置した部分が混練希釈部、バレル19〜21を
配置した部分が希釈部である。
ホッパー、ブリッジブレーカー、スクリューフィーダ、
ブリッジブレーカーとスクリューフィーダを駆動する各
々のモータ、1g単位の計量が可能な精密計量装置とこ
れらを制御するコントローラを備えており、ロスインウ
ェイト方式にて高精度に定量供給されるものである。
制御方法としては、測定重量値から排出した重量値(減
量重量値)を算出し、目標重量値と実績重量値との偏差
に比例したパラメータ値と、偏差の積分値に比例したパ
ラメータ値との和を基にして、供給量を連続的に制御す
るいわゆる比例積分制御(PI制御)による減量重量連
続制御方法で行う。本発明においては、実績供給量が設
定値に対し1%となるように制御されることが好まし
い。供給量が設定値に対し1%を超えると、混練部での
混練負荷変動が顕著となり、所望の磁気特性が得られな
くなりS/Nが低下するおそれがある。
ードセル、電子天秤などを用い、粉体供給設備の重量変
化を監視しながら、供給精度にフィードバックする粉体
供給速度を制御する方式をいう。この場合、例えば、ロ
ードセルとしてはA&D社製のもの等、電子天秤として
はミュー精器社製のもの等を使用することができるが、
これら以外のものを使用してもよいことは勿論である。
置されており、混合粉末および混合物の搬送機能を有す
る。混練部には図2の(a)〜(d)に示す形状のパド
ル9が複数枚、組み合わさった形で設置されており、混
練機能と搬送機能を有する。ここで、搬送方向から見て
前後に隣り合うパドル9とパドル9は、回転軸7の回り
に所定の角度づつずらした状態で設けられているが、こ
の角度、すなわちパドル角度は、図2の(a)に示すよ
うに90度に近いほど混合物に与える剪断力は大きく混
練機能が高くなる。一方、図2の(b)ないし(d)に
示すように90度から離れるほど混練機能は低下し搬送
機能が高くなる。なお、搬送部、混練部におけるスクリ
ュー8とパドル9の組み合せは任意である。また、搬送
部あるいは混練部における搬送方向は、必要に応じて一
部を逆方向に設定してもよい。
主とするパドル9と、混練機能および搬送機能を合せも
つ前記以外のパドル角度をもつパドル9とを組み合せて
形成することが好ましい。
様のパドルの組み合わせ、もしくは混練機能を主とした
パドル9の組み合わせが好ましい。
図3に示すような一対の段付き円板状のスペーサ10・
10を少なくとも一箇所以上設置しておく必要がある。
前記以外の箇所では、スクリュー8とパドル9の組み合
わせは任意であるが、より混練機能を主としたパドル9
の組み合わせに加え、そのうちの一部を搬送方向と逆方
向になるように設置することが好ましい。
が、スペーサ設置箇所直前で適度に滞留し、ひいては混
練部での滞留を導き、混練時の固形分濃度を低く設定し
たとしても、かかる混練物に高剪断力を加えることがで
き、高充填化が可能となる。また、図3に示したような
一対のスペーサ10・10は、その形状の特徴により、
混練希釈ペーストに多数存在する粗大な凝集物を、スペ
ーサ10・10どうしの間隙、スペーサ10・10とバ
レル20の内壁との間隙において、効率よく微細化する
ことができる。スペーサ10・10どうしの間隙、およ
びスペーサ10・10とバレル20の内壁との間隙は、
通常0.05〜0.7mmとするのが好ましく、さらに好まし
くは0.1〜0.5mmである。
い場合には、混練希釈ペースト内の粗大凝集物がショー
トパスする問題が解決できず、所望の特性が得られな
い。
図1における混練希釈部および希釈部を構成しているバ
レル18〜21の間に1箇所ないし複数箇所設置するこ
とが好ましく、さらに好ましくは希釈部を構成している
バレル19〜20に設置することが好ましい。混練部に
スペーサ10・10を設置した場合は、回転軸7にモー
タ容量以上の負荷が加わってしまい支障をきたす。
の他に、近年、短波長記録に適した磁気記録媒体の構造
とするため、磁性層と非磁性支持体の間に下塗層を設
け、さらに磁性層を1μm以下の薄層とすることが提案
されている(特開昭62−154225号公報)。これ
らの磁気記録媒体は、磁性層を薄層化することによる自
己減磁損失、再生損失を低減するとともに、多数回走行
における走行性、耐久性の低下を改善するために、潤滑
剤保持層として下塗層を設けたものである。単層で薄層
の磁性層を有するとした磁気記録媒体では、カレンダー
工程において磁性層が圧縮されず、磁性層の充填および
平滑性の向上ができないため、かかる観点からも磁性層
を0.15μm以下の超薄層とする場合には下塗層を設け
る必要がある。
ついてさらに詳述する。
用途によって異なるが、通常、2〜5μmのものが使用
される。より好ましくは2.5〜4.5μmである。この範
囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、2μm未満
では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、5μ
mを越えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの
記憶容量が小さくなるためである。
GPa(1000kg/mm2 )以上が好ましく、10.8G
Pa(1100kg/mm2 )以上がより好ましい。非磁性
支持体の長手方向のヤング率9.8GPa(1000kg/
mm2 )以上がよいのは、長手方向のヤング率9.8GPa
(1000kg/mm2 )未満では、テープ走行が不安定に
なるためである。また、ヘリキャルスキャンタイプで
は、長手方向のヤング率/幅方向のヤング率は、0.60
〜0.80の特異的範囲が好ましい。長手方向のヤング率
/幅方向のヤング率が、0.65〜0.75の範囲がより好
ましい。長手方向のヤング率/幅方向のヤング率が、0.
60〜0.80の特異的範囲がよいのは、0.60未満また
は0.80を越えると、メカニズムは現在のところ不明で
あるが、磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出
力のばらつき(フラットネス)が大きくなるためであ
る。このばらつきは長手方向のヤング率/幅方向のヤン
グ率が0.70付近で最小になる。さらに、リニアレコー
ディングタイプでは、長手方向のヤング率/幅方向のヤ
ング率は、理由は明らかではないが、0.70〜1.30の
が好ましい。このような特性を満足する非磁性支持体に
は二軸延伸の芳香族ポリアミドベースフィルム、芳香族
ポリイミドフィルム等がある。
(d1)と下塗層(d2)の厚さとの比(d2/d1)
が10以上100以下となるように設定すればよい。こ
の比(d2/d1)は、20以上100以下がより好ま
しく、40以上100以下がさらに好ましい。この範囲
が好ましいのは、10未満では、磁性層の厚さむら低減
効果が小さく、100を越えると磁気記録媒体の全厚が
厚くなり過ぎてテープ1巻当りの記憶容量が小さくなる
ためである。
ブラック、テープ剛性の制御を目的に酸化鉄を添加す
る。下塗層が、下塗層中の全無機粉体の重量を基準にし
て、粒径10〜100nmのカーボンブラックを15〜
35重量%、平均長軸長0.05〜0.20μm、短軸長5
〜200nmの非磁性の酸化鉄を35〜83重量%含有
させると、ウエット・オン・ウエットで、その上に形成
し、遠赤外線乾燥した磁性層の厚さむらが小さくなるの
で好ましい。なお、非磁性酸化鉄は通常針状であるが、
粒状または無定形の非磁性酸化鉄を使用する場合には粒
径5〜200nmの酸化鉄が好ましい。
酸化鉄を添加するのが好ましい。下塗層に添加するカー
ボンブラック(CB)としては、アセチレンブラック、
ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用でき
る。粒子径が5nm〜200nmのものが使用される
が、粒径10〜100nmのものが好ましい。この範囲
が好ましいのは、カーボンブラックがストラクチャーを
持っているため、粒径が10nm以下になるとCBの分
散が難しく、100nm以上では平滑性が悪くなるため
である。CB添加量は、CBの粒子径によって異なる
が、当該下塗層中の全無機粉体の重量を基準にして、1
5〜35重量%が好ましい。この範囲が好ましいのは、
15重量%未満では導電性向上効果が乏しく、35重量
%を越えると効果が飽和するためである。粒径15nm
〜80nmのCBを15〜35重量%使用するのがより
好ましく、粒径20nm〜50nmのCBを20〜30
重量%用いるのがさらに好ましい。このような粒径・量
のカーボンブラックを添加することにより電気抵抗が低
減され、静電ノイズの発生やテープ走行むらが小さくな
ると共に、遠赤外線乾燥した磁性層の厚さむらが小さく
なる。
しては、針状の場合、平均長軸長0.05〜0.20μm、
短軸長5〜200nmのものが好ましく、粒状または無
定形のものでは、粒径5〜200nmが好ましい。な
お、針状のものが磁性層の配向がよくなるのでより好ま
しい。添加量は、35〜83重量%が好ましい。この範
囲の粒径(針状の場合は短軸長)が好ましいのは、粒径
5nm未満では均一分散が難しく、200nmを越える
と下塗層と磁性層の界面の凹凸が増加するためである。
この範囲の添加量が好ましいのは、35重量%未満では
塗膜強度向上効果が小さく、83重量%を越えると反っ
て塗膜強度が低下するためである。また、前記下塗層と
磁性層からなる塗布層のヤング率を検討した結果、塗布
層のヤング率にも最適範囲があり、塗布層のヤング率が
非磁性支持体の長手方向と幅方向のヤング率の平均値の
40〜100%の範囲にすると、テープの耐久性が向上
し、且つテープ−ヘッド間のタッチがよくなり、磁気ヘ
ッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき
(フラットネス)が小さくなることを見出した。50〜
100%の範囲がより好ましく、60〜90%の範囲が
さらに好ましい。この範囲が好ましいのは40%未満で
は塗布膜の耐久性が小さくなり、100%を越えるとテ
ープ−ヘッド間のタッチが悪くなるためである。なお、
下塗層と磁性層からなる塗布層のヤング率の制御には、
カレンダ条件による制御法を用いる。
ング率の80〜99%が好ましい。下塗層のヤング率が
磁性層のそれより低い方がよいのは、下塗層が一種のク
ッションの作用をするためである。
に、役割の異なる潤滑剤を使用する。下塗層には全粉体
に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.
2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させる
と、ヘッドとの摩擦係数が小さくなるので好ましい。こ
の範囲の高級脂肪酸添加が好ましいのは、0.5重量%未
満では、摩擦係数低減効果が小さく、4.0重量%を越え
ると下塗層が可塑化してしまい強靭性が失われる。ま
た、この範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいの
は、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、
3.0重量%を越えると磁性層への移入量が多すぎるた
め、テープとヘッドが貼り付く等の副作用があるためで
ある。
重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3.0重量%の
高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープ走行時の
摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲の脂肪酸
アミドが好ましいのは、0.2重量%未満ではヘッド/磁
性層界面での直接接触が起りやすく焼付き防止効果が小
さく、3.0重量%を越えるとブリードアウトしてしまい
ドロップアウトなどの欠陥が発生する。脂肪酸アミドと
してはパルミチン酸、ステアリン酸等のアミドが使用可
能である。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステル添加
が好ましいのは、0.2重量%未満では摩擦係数低減効果
が小さく、3.0重量%を越えるとヘッドに貼り付く等の
副作用があるためである。なお、磁性層の潤滑剤と下塗
層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。
に用いるバインダとしては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレー
ト共重合体、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂
の中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂と
を組み合わせものが挙げられる。中でも、塩化ビニル−
水酸基含有アルキルアクリレート共重合体とポリウレタ
ン樹脂を併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂に
は、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレ
タン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカ
ーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネー
トポリウレタンなどがある。
2 M、P=O(OM)3 、O−P=O(OM)2 [これ
らの式中、Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン
塩を示す]、OH、NR' R''、N+ R''' R''''
R''''' [これらの式中、R' 、R''、R''' 、
R''''、R''''' は水素または炭化水素基を示す]、エ
ポキシ基を有する高分子からなるウレタン樹脂等のバイ
ンダが使用される。このようなバインダを使用するの
は、上述のように磁性粉等の分散性が向上するためであ
る。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性
を一致させるのが好ましく、中でも−SO3 M基どうし
の組み合わせが好ましい。
量部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35
重量部の範囲で用いられる。特に、バインダとして、塩
化ビニル系樹脂5〜30重量部と、ポリウレタン樹脂2
〜20重量部とを、複合して用いるのが最も好ましい。
含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架
橋剤を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイ
ソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基
を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネー
ト類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好
ましい。これらの架橋剤は、バインダ100重量部に対
して、通常10〜50重量部の割合で用いられる。より
好ましくは15〜35重量部である。
することができるが、これらの研磨材としては、α−ア
ルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化
セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモン
ド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタ
ン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度
6以上のものが単独または組み合せで使用されるが、こ
れらの中でもアルミナは高硬度で少量の添加量でヘッド
クリーニング効果に優れるため特に好ましい。研磨材の
粒径としては、0.01〜0.1μmと薄い磁性層では、通
常平均粒径で0.002〜0.15μmとすることが好まし
く、粒径0.005〜0.10μmがより好ましい。添加量
は強磁性粉末に対して5〜20重量%が好ましい。より
好ましくは8〜18重量%である。
表面潤滑性向上を目的に従来公知のカーボンブラック
(CB)を添加することができるが、これらのカーボン
ブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブ
ラック、サーマルブラック等を使用できる。粒子径が5
nm〜200nmのものが使用されるが、粒径10nm
〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいの
は、粒径が5nm以下になるとカーボンブラックの分散
が難しく、200nm以上では多量のカーボンブラック
を添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗く
なり、出力低下の原因になるためである。添加量は強磁
性粉末に対して0.2〜5重量%が好ましい。より好まし
くは0.5〜4重量%である。
を構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成され
ている面とは反対側の面)には、走行性の向上等を目的
としてバックコート層を設けることができる。バックコ
ート層の厚さは0.2〜0.8μmが好ましい。この範囲が
良いのは、0.2μm未満では、走行性向上効果が不充分
で、0.8μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、1巻当
たりの記憶容量が小さくなるためである。カーボンブラ
ック(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネ
スブラック、サーマルブラック、等を使用できる。通
常、小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラック
を使用する。小粒径カーボンブラックには、粒子径が5
nm〜200nmのものが使用されるが、粒径10nm
〜100nmのものがより好ましい。この範囲がより好
ましいのは、粒径が10nm以下になるとカーボンブラ
ックの分散が難しく、粒径が100nm以上では多量の
カーボンブラックを添加することが必要になり、何れの
場合も表面が粗くなり、磁性層への裏移り(エンボス)
原因になるためである。大粒径カーボンブラックとし
て、小粒径カーボンブラックの5〜15重量%、粒径3
00〜400nmの大粒径カーボンブラックを使用する
と、表面も粗くならず、走行性向上効果も大きくなる。
小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラック合計
の添加量は無機粉体重量を基準にして60〜98重量%
が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。表面粗
さRaは3〜8nmが好ましく、4〜7nmがより好ま
しい。
的に、粒子径が0.1μm〜0.6μmの酸化鉄を添加する
のが好ましく、0.2μm〜0.5μmがより好ましい。添
加量は無機粉体重量を基準にして2〜40重量%が好ま
しく、5〜30重量%がより好ましい。
した磁性層や下塗層に用いる樹脂と同じものを使用でき
るが、これらの中でも摩擦係数を低減し走行性を向上さ
せるため、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂とを
複合して併用することが好ましい。結合剤の含有量は、
通常、前記カーボンブラックと前記無機非磁性粉末との
合計量100重量部に対して40〜150重量部、好ま
しくは50〜120重量部、より好ましくは60〜11
0重量部、さらに好ましくは70〜110重量部であ
る。前記範囲が好ましいのは、50重量部未満では、バ
ックコート層の強度が不十分であり、120重量部を越
えると摩擦係数が高くなりやすいためである。セルロー
ス系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を2
0〜50重量部使用することが好ましい。また、さらに
結合剤を硬化するために、ポリイソシアネート化合物な
どの架橋剤を用いることが好ましい。
塗層に用いる架橋剤と同様の架橋剤を使用する。架橋剤
の量は、結合剤100重量部に対して、通常、10〜5
0重量部の割合で用いられ、好ましくは10〜35重量
部、より好ましくは10〜30重量部である。前記範囲
が好ましいのは、10重量部未満ではバックコート層の
塗膜強度が弱くなりやすく、35重量部を越えるとSU
Sに対する動摩擦係数が大きくなるためである。
(磁気テープ)を1リールに巻装し、これをケース本体
内に収めて磁気テープカートリッジを作製すれば、1巻
当たりの容量が大きく、MR再生ヘッドを使用した場合
の再生出力、出力対ノイズ比が高い、コンピュータある
いはハードディスクドライブ等のバックアップ用テープ
として好適な磁気テープカートリッジを実現することが
できる。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例、比較例の部は重量部を示す。
式ニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サン
ドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これ
に(3)を加え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とし
た。
のうちの所定量を、磁性塗料主成分として、予め高速混
合しておき、その混合粉末を連続式2軸混練機で混練し
たのち、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、
これに磁性塗料成分(2)を加え攪拌・濾過後、磁性塗
料とした。
磁性塗料を調整した。
金属粉(磁性粉)100部とメチルアシッドホスフェー
ト2部、カーボンブラック2部、アルミナ8部、塩化ビ
ニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体7部、
溶剤(メチルエチルケトン:テトラヒドロフラン:トル
エン=65:245:85部の割合で予め混合した混合
溶剤)を固形分濃度90部となるように調整して高速撹
拌する。
式2軸混練機に投入し、所定バレルに設置された4箇所
のバインダおよび溶剤注入ユニット2〜5に、それぞれ
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体
5.3部(30%溶液)、ポリエステルポリウレタン樹脂
溶液5.5部(30%溶液)、溶剤(メチルエチルケト
ン:テトラヒドロフラン:トルエン=65:245:8
5部の割合で予め混合した混合溶剤)を連続的に注入
し、混練、希釈混練、希釈分散し、固形分濃度50部の
ペーストを得る。なお、各工程で用いる上記混合溶剤割
合は厳密に規定するものではなく、最終溶剤の割合が磁
性塗料成分(1)となればよい。
テアリン酸n−ブチルを添加し固形分濃度35部まで希
釈後、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、こ
れに磁性塗料成分(2)を加え攪拌・濾過後、磁性塗料
とした。
内に設置されるスペーサ10は、図1に示すバレル20
の位置に2箇所配置した。
ルム(厚さ3.9μm、MD=11GPa、MD/TD=
0.70、商品名:ミクトロン、東レ社製)からなる非磁
性支持体(ベースフィルム)上に、乾燥、カレンダ後の
厚さが1.1μmとなるように塗布し、この下塗層上に、
さらに上記の磁性塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダ
ー処理後の磁性層の厚さが0.08μmとなるようにウエ
ット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドラ
イヤおよび遠赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを得
た。なお、磁場配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁
石(5kG)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位
置の手前側75cmからN−N対抗磁石(5kG)を2基
50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/分
とした。
ルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネ
ート15部を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過
後、上記で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾
燥、カレンダ後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、
乾燥した。
ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧2
00kg/cmの条件で鏡面化処理し、磁気シートをコアに
巻いた状態で70℃で72時間エージングしたのち、1
/2インチ幅に裁断し、これを200m/分で走行させ
ながら磁性層表面をラッピングテープ研磨、ブレード研
磨そして表面拭き取りの後処理を行い、磁気テープを作
製した。この時、ラッピングテープにはK10000、
ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ社製トレシ
ー(商品名)を用い、走行テンション30gで処理を行
った。上記のようにして得られた磁気テープを、カート
リッジに組み込み、コンピュータ用テープを作製した。
更したことを除き、実施例1と同様にして実施例2〜5
のコンピュータ用テープを作製した。
と同様にして比較例1〜4のコンピュータ用テープを作
製した。
面粗さRa)は、光干渉三次元表面粗さ計を用いて測定
した。
力対ノイズ(S/N)は、薄手テープ用に改造したLT
Oドライブを用いて記録(記録波長0.37μm)・再生
することによって求めた。再生出力と出力対ノイズは、
比較例1テープを基準とし、これとの相対値で表した。
形磁束計で室温中、外部磁場800kA/m(10kO
e)での測定値をいい、磁性層の保磁力および残留磁化
は、直径8mmで磁性層面20面を有する試料を貼りあわ
せたものを測定した時の更正後の値である。
て記録波長0.37μmでの再生出力をHF出力とし、記
録波長1.48μmでの再生出力をLF出力とし、これら
の比(HF出力/LF出力)を分解能とした。測定値
は、比較例1のテープを基準とし、これらの相対値で表
した。
給する混合粉末の供給量のバラツキは下記の式により算
出した。
「実績供給量」の意味は以下の通りである。 ・設定供給量:前記(i) で調整された混合粉末がホッパ
ー及びスクリューフィーダーからなる粉体供給設備から
連続式2軸混練機に供給される際の1分間あたりの供給
量であり、予め設備側で設定された値。 ・実績供給量:前記(i) で調整された混合粉末がホッパ
ー及びスクリューフィーダーからなる粉体供給設備から
連続式2軸混練機に供給される際の1分間あたりに実測
された供給量であり、前記ロスインウエイト方式で測定
された値。
較例で採用した条件をまとめて示す。表中の略号の意味
は、以下の通りである。また、表1中のスペーサ位置の
欄に示した番号は、図1に示す連続式2軸混練機におけ
るバレルの符号である(例えば、実施例2では図1にお
いてバレル19・20の2か所にスペーサ10を配置し
たことを示す)。 ・Brδ:磁性層の残留磁束密度(Br)と厚さ(δ)
との積 ・Hc:磁性粉の保磁力 ・Ra:磁性層表面の中心線平均表面粗さ ・S/N:出力対ノイズ
施例1〜5に係るコンピュータ用テープ(磁気記録媒
体)は、比較例1〜4に係るコンピュータ用テープに比
べて、電磁変換特性に優れている。特にMRヘッド(磁
気抵抗効果型素子を利用した再生ヘッド)を使用した場
合の再生出力や、出力対ノイズ(S/N)比が高いこと
もわかる。
出力およびS/N等を有する電磁変換特性に優れた磁気
記録媒体が得られる。これにより、例えば100GB以
上の記憶容量に対応できるコンピュータ等用のバックア
ップテープを実現することができる。
続式2軸混練機の全体構成を示すシステム図である。
構成例を示すもので、図1の搬送方向に向かって手前側
または前方側から見た場合の各パドルの配置角度を説明
するために使用した説明図である。
(一対)を単体で示す拡大図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 非磁性支持体の一方の面に、無機粉体を
含む下塗塗料を塗布することにより形成された下塗層
と、この下塗層の上に、磁性粉を含む磁性塗料を塗布す
ることにより形成された磁性層とを有する磁気記録媒体
であって、前記磁性粉が、Coおよび希土類元素を含有
した平均長軸長が90nm以下の強磁性合金粉からな
り、この強磁性合金粉を含む磁性層の厚さが0.15μm
以下であり、この磁性層を形成する際に用いられた磁性
塗料が、段付き円板状のスペーサを少なくとも一か所設
けた連続式2軸混練機により当該塗料の成分を混練およ
び希釈して製造されたものであることを特徴とする磁気
記録媒体。 - 【請求項2】 連続式2軸混練機が粉体定量供給装置を
備え、磁性粉を含む磁性塗料主成分が当該供給装置によ
りロスインウエイト方式にて定量供給され、その供給量
のバラツキが設定供給量に対し1%以下となるように制
御されて製造された磁性塗料が用いられている、請求項
1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 非磁性支持体の厚さが2〜5μmであ
り、磁性層の保磁力160〜320kA/mであり、磁
性層のテープ長手方向の残留磁束密度と厚さとの積が0.
0018〜0.05μTmであり、非磁性支持体の他方の
面には、厚さが0.2〜0.8μmのバックコート層が設け
られている請求項1または2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 磁気抵抗効果型素子を利用した再生ヘッ
ドによって磁気記録信号が再生される請求項1ないし3
のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 下塗層には、当該下塗層中の全無機粉体
の重量を基準にして、粒径10〜100nmのカーボン
ブラックが15〜35重量%、粒径0.05〜0.20μm
の非磁性の酸化鉄が35〜83重量%含有されている請
求項1ないし4のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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JP2001078786 | 2001-03-19 | ||
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