JP2005093570A - 磁性粉末およびその製造方法ならびに磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract


【課題】 従来に比べて、より微粒子で、かつより高保磁力を有し、しかも適度な飽和磁化を有し、さらに保存安定性にもすぐれた、高密度記録用の磁気記録媒体にとくに適した磁性粉末を提供することを目的とする。

【解決手段】 鉄および窒素を少なくとも構成元素とし、かつFe162 相を少なくとも含み、鉄に対する窒素の含有量が1.0〜20.0原子%である粒状ないし楕円状の磁性粉末であり、粉末表面が希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物層で構成されており、この表面化合物層の平均厚さが1〜5nmであることを特徴とする磁性粉末。

【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気記録媒体と磁性粉末に関し、さらに詳しくは、デジタルビデオテープ、コンピュータ用バックアップテープなど、高密度記録が要求される磁気記録媒体とこれに最適な磁性粉末、ならびにその製造方法に関するものである。
磁性粉末を結合剤に分散結着させてなる塗布型磁気記録媒体は、その記録再生方式がアナログ方式からデジタル方式への移行に伴い、記録密度の一層の向上が要求されている。とくに、高密度ビデオテープやコンピュータ用バックアップテープにおいては、この要求が年々高まってきている。
このような記録密度の向上にあたり、短波長記録に対応するため、年々微粒子化がはかられ、現在では、粒子長さが0.1μm以下の針状のメタル磁性粉末が実用化に供されている。また、短波長記録時の減磁による出力低下を防止するため、年々高保磁力化がはかられ、たとえば、特開平3−49026号公報などに開示のように、鉄−コバルト合金化により、199.0kA/m(2,500エルステッド)程度の保磁力が実現されている。しかし、針状粒子を用いる磁気記録媒体では、保磁力が形状によることから、上記粒子径からの大幅な微粒子化は困難になってきている。
そこで、針状の磁性粉末とは異なる、平均粒子サイズが5〜200nmの範囲にある粒状ないし楕円状の希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末を用いた磁気記録媒体が提唱されている(特許文献1参照)。また、粒子形状が針状でない鉄系の磁性粉末として、粒子形状が不定形で、Fe162 相を主相としたBET比表面積が10m2 /g以上の窒化鉄系磁性粉末を用いて、高保磁力を得ることが提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−181754号公報(第4頁、第19頁) 特開2000−277311号公報(第2〜5頁、図2)
しかし、特許文献1の希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末は、希土類化合物による高い磁気異方性とコアとなる鉄系材料による高飽和磁化のバランスの上で成立する複合材料で、これに新たに改良を加える、たとえばその保磁力をより高めようとしても、磁気記録媒体に最適な分散性や化学安定性を維持した状態で上記磁気特性を改良することは難しい。また、特許文献2の窒化鉄系磁性粉末は、実施例中にBET比表面積が10〜22m2 /gのものしか示されておらず、粒子サイズがなお大きく、また得られている保磁力は94.7〜179.1kA/m(1,190〜2,250エルステッド)程度である。
しかも、これら公知の磁性粉末においては、飽和磁化が高いことをひとつの特徴としており、たとえば窒化鉄系磁性粉末では、実施例中に190〜200Am2 /kg(190〜200emu/g)のものが示されている。このように飽和磁化が高すぎる磁性粉末は、これを高密度記録用の磁気記録媒体に適用したとき、記録減磁が顕著になり、短波長域での出力がかえって低下するおそれがある。
とくに、高密度記録媒体では、記録減磁を低減させるために、磁性粉末の飽和磁化を低くし、かつ磁性層の厚さを薄くすることが必須になっている。飽和磁化を低くすると媒体表面からの磁束が小さくなり、再生出力が小さくなるが、最近の磁気ヘッド技術のめざましい進歩により、小さな磁束でも十分高い感度で再生できるようになってきた。よって、高密度記録を達成するには、磁性粉末の飽和磁化としては、従来必要とされてきた値よりも低い適度な値に設定し、保磁力をより高くすることが必要となっている。

また、これら公知の磁性粉末は、保存安定性にも劣っており、磁性粉末そのものまたはこれを用いた磁気記録媒体を高温多湿環境下に保存すると、飽和磁化などが徐々に低下して、磁気特性が安定しないという問題もあった。
本発明は、このような事情に照らし、従来に比べて、より微粒子で、かつより高保磁力を有し、しかも適度な飽和磁化を有し、さらに保存安定性にもすぐれた、デジタルビデオテープ、コンピュータ用バックアップテープなどの高密度記録用の磁気記録媒体にとくに適した磁性粉末を得ることを目的としている。
本発明者らは、上記目的に対し、鋭意検討した結果、鉄および窒素を少なくとも構成元素とし、かつFe162 相を少なくとも含み、鉄に対する窒素の含有量が1.0〜20.0原子%である粒状ないし楕円状の磁性粉末で、粉末表面が希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物層で構成され、この表面化合物層の平均厚さを1〜5nmとした磁性粉末が、高保磁力と適度な飽和磁化を有し、さらに保存安定性にもすぐれていることがわかった。

また、このような特徴を持った磁性粉末は、出発原料に鉄系酸化物または水酸化物を用い、これに希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を被着したのち、加熱還元処理を行い、ついで、還元処理温度以下の温度で窒化処理を行い、その後、適度な酸素濃度下において酸化処理を行うことにより、製造できるものであることもわかった。

さらに、この磁性粉末を使用することにより、記録減磁による出力低下の問題のない、超薄型磁性層を有する塗布型磁気記録媒体を実現できて、これにより高出力化をはかれ、すぐれた短波長記録特性が得られることがわかった。
本発明は、このような知見をもとにして、完成されたものである。

すなわち、本発明は、鉄および窒素を少なくとも構成元素とし、かつFe162 相を少なくとも含み、鉄に対する窒素の含有量が1.0〜20.0原子%である粒状ないし楕円状の磁性粉末であり、粉末表面が希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物層で構成されており、この表面化合物層の平均厚さが1〜5nmであることを特徴とする磁性粉末に係るものである。

とくに、本発明は、表面化合物層が酸化物である上記構成の磁性粉末、鉄に対する希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの総含有量が、0.1〜40.0原子%である上記構成の磁性粉末、飽和磁化が50〜150Am2 /kg(50〜150emu/g)、保磁力が119.4〜318.5kA/m(1,500〜4,000エルステッド)である上記構成の磁性粉末、BET比表面積が40〜100m2 /gである上記構成の磁性粉末を提供できるものである。
また、本発明は、このような各構成の磁性粉末の製造方法として、出発原料に鉄系酸化物または水酸化物を用い、これに希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を被着したのち、加熱還元処理を行い、ついで、還元処理温度以下の温度で窒化処理し、その後、酸化処理を行うことを特徴とする磁性粉末の製造方法を提供できるものである。

さらに、本発明は、非磁性支持体上に上記各構成の磁性粉末と結合剤を含有する磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒体に係るものである。とくに、非磁性支持体と磁性層との間に非磁性粉末および結合剤を含有する少なくとも1層の下塗り層を有し、磁性層の厚さが300nm以下である上記構成の磁気記録媒体を提供できるものである。
このように、本発明は、粉末表面が希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む特定厚さの化合物層で構成された特定構成の窒化鉄系磁性粉末により、高保磁力と適度な飽和磁化を有し、かつ保存安定性にもすぐれた磁性粉末を実現できて、この磁性粉末を使用することにより、記録減磁による出力低下の問題のない、300nm以下の超薄型磁性層を有する塗布型磁気記録媒体を実現でき、これにより高出力化をはかれ、すぐれた短波長記録特性が得られるなど、従来に比べて、格段にすぐれた効果を発現できるものである。
本発明者らは、従来の形状磁気異方性に基づく磁性粉末とは異なる観点で、磁気特性の向上を目指すべく、各種の磁性粉末を合成し、その形状や磁気異方性を調べたところ、鉄および窒素を少なくとも構成元素とし、かつFe162 相を少なくとも含み、しかも磁性粉末の表面が希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物で構成された窒化鉄系磁性粉末が、高い磁気異方性と同時に化学的にすぐれた性質を示すことがわかった。
この窒化鉄系磁性粉末において、鉄に対する窒素の含有量は、1.0〜20.0原子%が好ましく、さらに好ましくは5.0〜18.0原子%、より好ましくは8.0〜15.0原子%であるのがよい。窒素が少なすぎると、Fe162 相の形成量が少なくなり、保磁力増加の効果が少なくなり、また窒素が多すぎると、非磁性窒化物が形成されやすく、保磁力増加の効果が少なくなり、また飽和磁化が過度に低下する。

鉄に対する希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの総含有量は、0.1〜40.0原子%が好ましく、さらに好ましくは1.0〜30.0原子%、より好ましくは3.0〜25.0原子%であるのがよい。これらの元素が少なすぎると、表面化合物層の形成が困難となり、磁性粉末の磁気異方性が減少するだけでなく、保存安定性に劣る。またこれらの元素が多すぎると、飽和磁化の過度な低下が起こりやすい。
表面化合物層は、希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含むものであれば、どのような化合物から構成されていてもよい。酸化物、窒化物、炭化物などは、形成が容易であり、耐食性にもすぐれているため、利便性が高い。その中でも、とくに酸化物が好ましい。

表面化合物層の厚さは1〜5nmが好ましい。1nmより薄いと、保存安定性に劣り、5nmより厚いと、磁性粉末中に占める表面化合物層の割合が増加して、粒子サイズが小さくなるにつれて、適度な飽和磁化量を維持できなくなる。
また、本発明の磁性粉末は、従来の針状粒子とは異なる粒状ないし楕円状の形状を有している。粒子サイズはとくに限定されないが、微粒子化の要求に対して、平均で50nm以下のサイズとするのが望ましい。粒子サイズが大きすぎると、ノイズ増加の原因となるだけでなく、平滑な磁性層面を得にくくなる。

球状ないし楕円状とは、軸比〔長軸長(長径)と短軸長(短径)との比〕の平均値が1以上2以下(好ましくは1以上1.5以下)のものを指し、表面に凹凸のあるものや、若干の変形を有するものも含まれる。
また、平均粒子サイズとは、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮影した写真の粒子サイズを実測し、300個の平均値により求められる。また、表面化合物層とは粒子の表面に存在する粒子内部の組成や結晶構造と異なる化合物であり、表面化合物層の平均厚さは、これらの境界が少なくとも判別できる倍率(100万倍以上)で撮影された透過型電子顕微鏡写真の粒子10個について、それぞれ任意に選んだ10箇所の表面化合物層の厚さを実測して、これらの平均厚さとして求められる。

測定粒子は平均粒子サイズに相当する粒子を選択するのが望ましく、表面化合物と粒子内部の境界は、電子顕微鏡写真のコントラストや格子像、電界放出型透過電子顕微鏡(FE−TEM)による微小部分析などにより判別するのが望ましい。
このように構成される本発明の磁性粉末は、飽和磁化が50〜150Am2 /kg(50〜150emu/g)、好ましくは70〜150Am2 /kg(70〜150emu/g)、さらに好ましくは80〜145Am2 /kg(80〜145emu/g)となり、従来の(特許文献1,2の)磁性粉末のような過度に高すぎることのない、適度な飽和磁化を有している。また、保磁力が119.4〜318.5kA/m(1,500〜4,000エルステッド)、好ましくは159.2〜278.6kA/m(2,500〜3,500エルステッド)となり、従来の(特許文献1,2の)磁性粉末に比べ、約15〜25%程度も高い保磁力を有している。
また、この磁性粉末は、BET比表面積が40〜100m2 /gの範囲にあるとき、磁気記録媒体用として、最適な性能を示す。BET比表面積が小さすぎると、粒子サイズが大きくなり、磁気記録媒体に適用すると粒子性ノイズが高くなり、また磁性層の表面平滑性が低下して、再生出力が低下しやすい。また、BET比表面積が大きすぎると、磁性粉末の凝集により磁性塗料中で均一な分散体を得ることが難しく、磁気記録媒体に適用すると配向性が低下しやすく、かつ表面平滑性が低下しやすい。
このように鉄および窒素を少なくとも構成元素とし、Fe162 相を少なくとも含み、鉄に対する窒素の含有量を前記特定範囲に規定した粒状ないし楕円状の磁性粉末で、かつ粉末表面を前記特定元素を含む特定厚さの化合物層で構成した磁性粉末によると、従来に比べて、より微粒子でかつより高保磁力を有し、しかも適度な飽和磁化を示すとともに、保存安定性にもすぐれたものとなり、これをそのままあるいは磁気記録媒体にしたものを高温多湿環境下に保存したときに、飽和磁化などの磁気特性の劣化が少なく、上記特性と相まって、デジタルビデオテープ、コンピュータ用バックアップテープなどの高密度記録用の磁気記録媒体に適した性能を発揮させることができる。

このような効果が奏される理由については、必ずしも明らかではないが、以下のように考えられる。すなわち、Fe162 相の高い結晶磁気異方性と表面化合物層の表面磁気異方性が合わさることにより、従来の磁性粉末にはみられない特有の性能を示すこと、とくに表面化合物層の厚さが特定の範囲にあるときにき、より高い保磁力が得られやすくなることなど、多くの要因に基づくものと考えられる。
本発明の磁性粉末は、形状を維持した状態でより高い保磁力を得るため、磁性粉末を内層と外層との多層構成として、内層をFe相で、外層部分を希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物で構成する。内層のFe相はFe162 相とするが、内層をすべてFe162 相とする必要はなく、Fe162 相とα−Fe相またはFe4 N相の混相としてもよい。むしろ、これらの混合比を調整することで、所望の磁気特性に設定できる利点がある。
本発明の磁性粉末において、希土類元素としては、イットリウム、イッテルビウム、セシウム、プラセオジウム、ランタン、ユーロピウム、ネオジウムなどが挙げられる。これらのうち、イットリウム、サマリウムまたはネオジウムは、保磁力の向上効果のみならず、還元時の粒子形状の維持効果が大きい。

また、上記の希土類元素とさらにホウ素、シリコン、アルミニウムおよびリン以外の元素として、必要により、炭素、マグネシウム、チタニウム、マンガンなどを、用いることもできる。これらの元素を組み合わせて使用することで、所望の磁気特性、保存安定性、さらにはコストを考慮した材料設計を行うことができる。
つぎに、本発明の磁性粉末の製造方法について、説明する。

出発原料としては、鉄系酸化物または水酸化物を使用する。たとえば、ヘマタイト、マグネタイト、ゲータイトなどが挙げられる。平均粒子サイズは、とくに限定されないが、通常は、5〜100nm程度であるのが望ましい。粒子サイズが小さすぎると、還元処理時に粒子間焼結が生じやすく、また粒子サイズが大きすぎると、還元処理が不均質となりやすく、粒子径や磁気特性の制御が困難となる。
この出発原料に対して、まず、希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンなどの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を被着させる。希土類元素を被着させる場合は、通常、アルカリまたは酸の水溶液中に出発原料を分散させ、これに希土類元素の塩を溶解させ、中和反応などにより原料粉末に希土類元素を含む水酸化物や水和物を沈殿析出させればよい。

ホウ素、シリコン、アルミニウム、リンなどの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を被着させる場合は、原料粉末を浸漬した溶液にこれらの化合物を溶解させ、吸着により被着させるか、沈澱析出を行うことにより被着させる。

原料粉末に対して、希土類元素とホウ素、シリコン、アルミニウム、リンなどの中から選ばれた少なくとも1種の元素を同時にあるいは交互に被着させてもよい。また、これらの被着処理を効率良く行うために、還元剤、pH緩衝剤、粒径制御剤などの添加剤を混入させるようにしてもよい。
つぎに、このように化合物を被着させた原料粉末を、水素気流中で加熱還元する。使用する還元ガスは、とくに限定されるものではなく、水素ガス以外に、一酸化炭素ガスなどの還元性ガスを使用することもできる。

還元温度としては、300〜600℃とするのが望ましい。還元温度が300℃より低くなると、還元反応が十分進まなくなり、また600℃を超えると、粉末粒子の焼結が起こりやすくなり、いずれも好ましくない。
このような加熱還元処理後、窒化処理を施す。窒化処理としては、アンモニアを含むガスを用いて行うのが望ましい。アンモニアガス単体のほかに、水素ガス、ヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなどをキャリアーガスとした混合ガスを使用してもよい。窒素ガスは安価なため、とくに好ましい。

窒化処理温度は、100〜300℃とするのがよい。窒化処理温度が低すぎると、窒化が十分進まず、保磁力増加の効果が少ない。窒化処理温度が高すぎると、窒化が過剰に促進されて、Fe4 NやFe3 N相などの割合が増加し、保磁力がむしろ低下し、さらに、飽和磁化の過度な低下を引き起こしやすい。
このような窒化処理後、酸化処理を施すことにより、鉄と窒素を少なくとも構成要素とし、Fe162 相を少なくとも含み、かつ適度な表面化合物層を有する磁性粉末が得られる。酸化処理としては、酸素を含む混合ガスを用いて行うのが望ましい。これには窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどを用いることができる。

酸化処理の温度は200℃以下とするのがよい。この温度が高すぎると、酸化が過剰に進み、窒化鉄相が著しく減少し、保磁力や飽和磁化の劣化を招きやすい。
このようにして得られる本発明の磁性粉末は、従来の形状磁気異方性のみに基づく針状磁性粉末とは異なり、粒状形状とした場合でも、大きな保磁力を発現するとともに、適度な飽和磁化とすぐれた保存安定性を有しており、飽和磁化、保磁力、粒子形状のすべてが薄層磁性層を得るのに本質的に適したものとなる。

すなわち、この磁性粉末と結合剤を含有する磁性層を非磁性支持体上に設けた本発明の磁気記録媒体は、磁気ヘッドでの記録・消去が可能な範囲内で高い保磁力と適度な飽和磁化を示し、薄層領域の塗布型磁気記録媒体として、すぐれた電磁変換特性を付与し、さらに保存安定性にすぐれたものとなる。
このように、本発明においては、上記した特定の磁性粉末を用いて、薄層磁性層(たとえば厚さ300nm以下の磁性層)を形成することにより、良好な記録再生特性を得るに至ったものであるが、粒子サイズが極めて小さくかつ球状ないし楕円状の磁性粉末でありながら、高い結晶磁気異方性、すなわち高保磁力と適度な飽和磁化量を有するばかりでなく、高い保存安定性を併せ持つ材料を見い出した点は、これまでの塗布型磁気記録媒体の材料技術の常識を打ち破る画期的なことである。
本発明の磁気記録媒体は、上記した特定構成の磁性粉末と結合剤を溶剤中に分散混合した磁性塗料を調製し、これを非磁性支持体上に塗布し乾燥して、磁性層を形成することにより、作製できる。磁性層の形成に先立ち、非磁性支持体上に酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの非磁性粉末と結合剤を含有する下塗り塗料を塗布し乾燥して、下塗り層を形成し、この上に磁性層を形成してもよい。
以下に、本発明の磁気記録媒体の構成要素として、(イ)非磁性支持体、(ロ)磁性層、(ハ)下塗り層について、説明する。また、磁性層や下塗り層に用いる(ニ)結合剤、(ホ)潤滑剤について、説明する。

さらに、磁気記録媒体が磁気テープである場合、非磁性支持体の磁性層形成面とは反対面側にバックコート塗料を塗布し乾燥して、(ヘ)バックコート層を形成するのが望ましく、このバックコート層についても、説明する。

また、磁気記録媒体の製造における、(ト)磁性塗料、下塗り塗料、バックコート塗料に用いられる溶剤、(チ)上記各塗料の分散、塗布方法、(リ)磁性層のLRT処理方法について、説明する。
(イ)非磁性支持体
非磁性支持体としては、従来から使用されている磁気記録媒体用の非磁性支持体をいずれも使用できる。たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ポリアミドなどからなる厚さが通常2〜15μm、とくに2〜7μmのプラスチックフィルムが用いられる。厚さが2μm未満では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、15μmを超えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記憶容量が小さくなる。
磁気テープでは、ヤング率に異方性を有する非磁性支持体が使用される。非磁性支持体の長手方向のヤング率は、非磁性支持体の厚さによって異なるが、通常4.9GPa(500kg/mm2 )以上のものが使用される。また、非磁性支持体の厚さが5μm以下の場合は、9.8GPa(1,000kg/mm2 )以上のヤング率のものが好ましく使用される。ヤング率が小さすぎると、磁気テープの強度が弱くなったり、磁気テープの走行が不安定になる。
非磁性支持体の長手方向のヤング率をMD、幅方向のヤング率をTDとしたとき、両者の比(MD/TD)は、ヘリキャルスキャン方式では、0.60〜0.80の範囲が好ましい。この範囲が好ましいのは、メカニズムは現在のところ不明であるが、磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が大きくなるためである。リニアトラック方式では1.0〜1.8が好ましく、1.1〜1.7がより好ましい。この範囲が好ましいのは、ヘッドタッチが良くなるためである。このような非磁性支持体には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルムなどがある。
(ロ)磁性層
磁性層の厚さは、長手記録の本質的な課題である減磁による出力低下の問題を解決するため、300nm以下の薄層とされる。磁性層の厚さは、使用する記録波長との関係で決められるものであり、最短記録波長が1.0μm以下のシステムに適用する場合に、本発明の効果がとくに顕著に発揮される。

磁性層の厚さは、このように、300nm以下、とくに10〜300nmが好ましく、10〜250nmがより好ましく、10〜200nmが最も好ましい。300nmを超えると、厚さ損失により再生出力が小さくなったり、残留磁束密度と厚さの積が大きくなりすぎて、MRヘッドの飽和による再生出力の歪が起こりやすい。10nm未満では、均一な磁性層が得られにくい。

本発明では、磁性粉末が極めて微粒子の粒状ないし楕円状であるため、従来の針状磁性粉末ではほとんど不可能な極めて薄い磁性層厚さも実現できる。
磁気テープの場合、磁性層の長手方向の保磁力としては、79.6〜318.4kA/m(1,000〜4,000Oe)、好ましくは119.4〜318.4kA/m(1,500〜4,000Oe)である。79.6kA/m未満では、記録波長を短くすると反磁界減磁で出力低下が起こりやすくなり、また318.4kA/mを超えると、磁気ヘッドによる記録が困難になる。

また、磁性層の長手方向の角形比(Br/Bm)としては、通常0.6〜0.9であり、とくに好ましくは0.8〜0.9である。

さらに、磁性層の長手方向の飽和磁束密度と厚さの積は、0.001〜0.1μTm、好ましくは0.0015〜0.05μTmである。0.001μTm未満では、MRヘッドを使用した場合にも再生出力が小さく、0.1μTmを超えると、目的とする短波長領域で高い出力を得にくくなる傾向がある。
また、磁性層の平均面粗さRaとしては、1.0〜3.2nmであって、磁性層の凹凸の中心値をP0、最大の凸量をP1としたとき、(P1−P0)が10〜30nmで、第20番目の凸量をP20としたとき、(P1 −P20)が5nm以下であれば、MRヘッドを使用した場合に、MRヘッドとのコンタクトが良くなり、MRヘッドを使用したときの再生出力が高くなり、好ましい。
磁性層には、導電性と表面潤滑性の向上を目的に、従来公知のカーボンブラックを含ませるのが望ましい。このカーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどを使用できる。平均粒子径が5〜200nmのものが好ましく、10〜100nmのものがより好ましい。5nm未満となると、カーボンブラックの分散が難しくなり、200nmを超えると、多量のカーボンブラックを含ませることが必要になり、いずれの場合も表面が粗くなり、出力低下の原因になりやすい。

カーボンブラックの含有量としては、磁性粉末に対し、0.2〜5重量%が好ましく、0.5〜4重量%がより好ましい。0.2重量%未満では、効果が小さくなり、5重量%を超えると、磁性層の表面が粗くなりやすい。
(ハ)下塗り層
下塗り層は、必須の構成要素ではないが、耐久性の向上を目的として、非磁性支持体と磁性層との間に設けられる。下塗り層の厚さは、0.1〜3.0μmが好ましく、0.15〜2.5μmがより好ましい。

0.1μm未満では、磁気テープの耐久性が悪くなる場合があり、3.0μmを超えると、磁気テープの耐久性の向上効果が飽和し、またテープ全厚が厚くなり、1巻当りのテープ長さが短くなり、記憶容量が小さくなる。
下塗り層には、塗料粘度やテープ剛性の制御を目的で、酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウムなどの非磁性粉末を含ませることができる。

非磁性の酸化鉄を単独でまたは酸化アルミニウムと混合して用いるのが好ましい。非磁性の酸化鉄の含有量は、通常35〜83重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。35重量%未満では、塗膜強度の向上効果が小さく、83重量%を超えると、塗膜強度がかえって低下する。酸化アルミニウムの含有量は、通常0〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
非磁性の酸化鉄には、針状のほか、粒状または無定形のものがある。針状のものは、平均長軸長50〜200nm、平均短軸長(平均粒径)5〜200nmであるのが好ましく、粒状または無定形のものは、平均粒径5〜200nmであるのが好ましく、5〜150nmであるのがより好ましく、5〜100nmであるのが最も好ましい。粒子サイズが上記よりも小さいと、均一分散が難しく、また上記よりも大きいと、下塗り層と磁性層の界面の凹凸が増加しやすい。

酸化アルミニウムは、平均粒径が10〜100nmであるのが好ましく、20〜100nmであるのがより好ましく、30〜100nmであるのが最も好ましい。平均粒径が上記よりも小さいと、均一分散が難しくなり、また上記よりも大きいと、下塗り層と磁性層の界面の凹凸が増加しやすい。
下塗り層には、導電性改良の目的で、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックを含ませることができる。

これらのカーボンブラックは、平均粒径が通常5〜200nmであるのが好ましく、より好ましくは10〜100nmであるのがよい。カーボンブラックは、ストラクチャー構造を持っており、平均粒径が小さすぎると、カーボンブラックの分散が難しくなり、また大きすぎると、表面平滑性が悪くなる。
カーボンブラックの含有量は、カーボンブラックの粒子径により異なるが、15〜35重量%とするのが好ましい。15重量%未満では導電性の向上効果が乏しくなり、35重量%を超えると効果が飽和する。平均粒径が15〜80nmのカーボンブラックを15〜35重量%使用するのがより好ましく、平均粒径が20〜50nmのカーボンブラックを20〜30重量%用いるのがさらに好ましい。このような粒径および量のカーボンブラックを含ませることにより、電気抵抗が低減し、かつ走行むらが小さくなる。

なお、表面平滑性を損なわない範囲で、平均粒径が前記範囲を超える大粒径のカーボンブラックを含ませることを排除するものではない。この場合、カーボンブラックの使用量は、小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラックの和が上記した範囲内とするのが好ましい。
下塗り層に、この層中の全非磁性粉末の重量を基準にして、平均粒径が10〜100nmのカーボンブラックを15〜35重量%、平均長軸長50〜200nm、平均短軸長5〜200nmの非磁性酸化鉄を35〜83重量%、平均粒径が10〜100nmの酸化アルミニウムを0〜20重量%含ませると、ウエットオンウエットでその上に形成した磁性層の表面粗さが小さくなり、好ましい。
(ニ)結合剤
下塗り層、磁性層に使用する結合剤には、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合樹脂、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース、エポキシ樹脂などの中から選ばれる少なくとも1種と、ポリウレタン樹脂との組み合わせが挙げられる。

とくに、塩化ビニル系樹脂とポリウレタン樹脂とを併用するのが好ましい。その中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが最も好ましい。

ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタンなどがある。
これらの結合剤としては、磁性粉末などの分散性を向上し、充填性を上げるために、官能基を有するものが好ましい。この官能基としては、COOM、SO3 M、OSO3 M、P=O(OM)3 、O−P=O(OM)2 (Mは水素原子、アルカリ金属塩またはアミン塩)、OH、NR1 2 、NR3 4 5 (R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 は水素または炭化水素基、通常その炭素数が1〜10である)、エポキシ基などが挙げられる。2種以上の樹脂を併用する場合、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも、−SO3 M基同士の組み合わせが好ましい。
これらの結合剤は、磁性粉末や非磁性粉末などの固体粉末100重量部に対して、通常7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲で用いられる。とくに、結合剤として、塩化ビニル系樹脂5〜30重量部と、ポリウレタン樹脂2〜20重量部とを、複合して用いるのが好ましい。
これらの結合剤とともに、結合剤中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましく用いられる。これらの架橋剤の使用量は、結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合とするのが好ましく、より好ましくは10〜35重量部の割合とするのがよい。
なお、磁性層に使用する架橋剤の量を、下塗り層に使用する架橋剤との合計量の30〜60重量%(とくに、下塗り層に使用する架橋剤の量の1/2程度)にすれば、MRヘッドのスライダに対する摩擦係数が小さくなるので、好ましい。

この範囲が好ましいのは、30重量%未満となると、磁性層の塗膜強度が弱くなりやすく、また60重量%を超えると、スライダに対する摩擦係数を小さくするために、ティッシュによる拭き取り処理条件(後述のLRT処理条件)を強くする必要があり、コストアップにつながるためである。
(ホ)潤滑剤
下塗り層、磁性層に含ませる潤滑剤には、従来公知の脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミドなどがいずれも用いられる。その中でも、炭素数10以上、好ましくは12〜30の脂肪酸と、融点35℃以下、好ましくは10℃以下の脂肪酸エステルとを併用するのが、とくに好ましい。
炭素数10以上の脂肪酸としては、直鎖、分岐、シス・トランスなどの異性体のいずれでもよいが、潤滑性能にすぐれる直鎖型が好ましい。このような脂肪酸としては、たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸などが挙げられる。これらの中でも、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などが好ましい。
融点35℃以下の脂肪酸エステルには、オレイン酸n−ブチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸n−オクチル、オレイン酸2−エチルヘキシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸n−ブチル、ラウリン酸ヘプチル、ミリスチン酸n−ブチル、オレイン酸n−ブトキシエチル、トリメチロールプロパントリオレエート、ステアリン酸n−ブチル、ステアリン酸s−ブチル、ステアリン酸イソアミル、ステアリン酸ブチルセロソルブなどがある。これらの脂肪酸エステルは、分子量や構造の違い、融点の違いにより、油膜強度や油出量を制御できるので、組み合わせによる最適化を行ってもよい。上記融点を有することにより、低温低湿下にさらされても、磁性層と磁気ヘッドとの高速摺接時に磁性層表面に容易に滲出移行し、そのすぐれた潤滑作用を効果的に発揮させることができる。
下塗り層を設けた磁気テープの場合、下塗り層と磁性層からなる塗布層に、役割の異なる潤滑剤を含有させるのが望ましい。

下塗り層には、全粉体に対して、0.5〜4重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.2〜3重量%の高級脂肪酸エステルを含有させると、磁気テープと走行系のガイドなどとの摩擦係数が小さくなり、好ましい。高級脂肪酸の量が0.5重量%未満となると、摩擦係数の低減効果が小さくなり、4重量%を超えると、下塗り層が可塑化してしまい強靭性が失われやすい。また、高級脂肪酸エステルの量が0.5重量%未満となると、摩擦係数の低減効果が小さくなり、3重量%を超えると、磁性層への移入量が多すぎるため、磁気テープと走行系のガイドなどとが貼り付くなどの副作用が生じやすい。
磁性層には、磁性粉末に対して、0.2〜3重量%の脂肪酸アミド(たとえばパルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸のアミド)を含有させ、0.2〜3重量%の高級脂肪酸エステルを含有させると、磁気テープと走行系のガイドやMRヘッドのスライダなどとの摩擦係数が小さくなり、好ましい。脂肪酸アミドの量が0.2重量%未満では、ヘッドスライダ/磁性層の摩擦係数(動摩擦係数)が大きくなりやすく、3重量%を超えると、ブリードアウトしてしまい、ドロップアウトなどの欠陥が発生しやすい。高級脂肪酸エステルの量が0.2重量%未満では、摩擦係数の低減効果が小さくなり、3重量%を超えると、磁気テープと走行系のガイドなどとが貼り付くなどの副作用が生じやすい。
磁性層と下塗り層との間で潤滑剤の相互移動を排除するものではない。

MRヘッドの場合、MRヘッドのスライダとの摩擦係数(μMsl)は0.30以下が好ましく、0.25以下がより好ましい。0.30を超えると、スライダ汚れによるスペーシングロスが起こりやすい。0.10未満では実現が困難である。

SUSとの摩擦係数(μMsus )は0.10〜0.25が好ましく、0.12〜0.20がより好ましい。0.10未満では、ガイド部分で滑りやすく走行が不安定になり、また0.25を超えると、ガイドが汚れやすくなる。

〔(μMsl)/(μMsus )〕は0.7〜1.3、とくに0.8〜1.2が好ましい。これにより磁気テープの蛇行によるトラッキングずれ(オフトラック)が小さくなる。
(ヘ)バックコート層
バックコート層は、必須の構成要素ではないが、磁気テープの場合、非磁性支持体の磁性層形成面の反対面にバックコート層を形成するのが望ましい。

バックコート層の厚さとしては、0.2〜0.8μmが好ましく、0.3〜0.8μmがより好ましく、0.3〜0.6μmがさらに好ましい。0.2μm未満では、走行性の向上効果が不十分であり、0.8μmを超えると、テープ全厚が厚くなり、1巻当たりの記憶容量が小さくなる。

また、バックコート層の中心線表面粗さRaは、3〜15nmであるのが好ましく、4〜10nmであるのがより好ましい。
バックコート層とSUSとの摩擦係数(μBsus )は0.10〜0.30が好ましく、0.10〜0.25がより好ましい。0.10未満では、ガイド部分で滑りやすく、走行が不安定になり、0.30を超えると、ガイドが汚れやすくなる。

また、〔(μMsl)/(μBsus )〕は0.8〜1.5が好ましく、0.9〜1.4がより好ましい。この範囲とすることにより、磁気テープの蛇行によるトラッキングずれ(オフトラック)が小さくなる。
バックコート層には、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックを含ませる。通常、小粒径のカーボンブラックと大粒径のカーボンブラックとが併用される。小粒径のカーボンブラックと大粒径のカーボンブラックとの合計の添加量は、無機粉体重量を基準にして、通常は60〜98重量%が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。
小粒径のカーボンブラックとしては、平均粒子径が5〜100nmのものが使用されるが、平均粒子径が10〜100nmのものがより好ましい。平均粒子径が小さすぎると、カーボンブラックの分散が難しくなり、また平均粒子径が大きすぎると、多量のカーボンブラックを添加する必要があり、いずれの場合も表面が粗くなり、磁性層への裏移り(エンボス)原因になりやすい。

大粒径のカーボンブラックとしては、上記小粒径のカーボンブラックの5〜15重量%で、平均粒子径が300〜400nmのカーボンブラックを使用すると、表面も粗くならず、走行性向上効果も大きくなる。
また、バックコート層には、強度向上の目的で、平均粒子径が0.05〜0.6μmである酸化鉄、酸化アルミニウムなどの通常バックコート層に添加されている添加剤を含ませるのが好ましい。平均粒子径が0.07〜0.4μmであるものがより好ましく、0.07〜0.35μmであるものがさらに好ましい。平均粒子径が0.05μm未満では、強度向上の効果が小さくなり、また平均粒子径が0.6μmを超えると、バックコート層の表面粗さが粗くなり、磁性層への裏移りが起こりやすい。
上記酸化鉄などの添加剤は、無機粉体重量を基準にして、2〜40重量%が好ましく、2〜30重量%がより好ましく、2〜20重量%がさらに好ましく、5〜15重量%が最も好ましい。2重量%未満では、強度向上の効果が小さくなり、40重量%を超えると、バックコート層の表面粗さが粗くなりやすい。

なお、通常は、酸化鉄などを単独で添加するが、酸化鉄と酸化アルミニウムを同時に添加する場合は、この酸化アルミニウムの添加量としては、酸化鉄の20重量%以下とするのが望ましい。
バックコート層には、結合剤として、磁性層や下塗り層に用いるのと同じ樹脂を用いることができ、中でも、摩擦係数を低減し走行性を向上するため、セルロース系樹脂とポリウレタン樹脂を併用するのが好ましい。

結合剤の量としては、カーボンブラックと前記した無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して、通常40〜150重量部であり、とくに50〜120重量部が好ましく、60〜110重量部がより好ましく、70〜110重量部がさらに好ましい。結合剤の量が少なすぎると、バックコート層の強度が不十分となり、また結合剤の量が多すぎると、摩擦係数が高くなりやすい。セルロース系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を20〜50重量部使用するのが、最も好ましい。
バックコート層には、結合剤を硬化させるために、架橋剤を用いるのが望ましい。架橋剤としては、磁性層や下塗り層に用いるのと同じポリイソシアネート化合物などを使用することができる。架橋剤の量としては、結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部、とくに好ましくは10〜35重量部、より好ましくは10〜30重量部とするのがよい。架橋剤の量が少なすぎると、バックコート層の塗膜強度が弱くなりやすく、また架橋剤の量が多すぎると、SUSに対する動摩擦係数が大きくなりやすい。
(ト)塗料の溶剤
磁性塗料、下塗り塗料、バックコート塗料の調製にあたり、溶剤としては、従来から使用されている有機溶剤をすべて使用することができる。たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステル系溶剤、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤などを使用できる。その他、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの各種の有機溶剤が用いられる。
(チ)塗料の分散、塗布方法
磁性塗料、下塗り塗料、バックコート塗料の調製にあたり、従来から公知の塗料製造工程を使用でき、とくにニーダなどによる混練工程や一次分散工程を併用するのが好ましい。一次分散工程では、サンドミルを使用すると、磁性粉末などの分散性の改善とともに、表面性状を制御できるので、望ましい。
また、非磁性支持体上に、磁性塗料、下塗り塗料、バックコート塗料を塗布する際には、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布などの従来から公知の塗布方法が用いられる。下塗り塗料および磁性塗料の塗布方法は、非磁性支持体上に下塗り塗料を塗布し乾燥したのちに磁性塗料を塗布する、逐次重層塗布方法か、下塗り塗料と磁性塗料とを同時に塗布する、同時重層塗布方法(ウェットオンウェット)かのいずれを採用してもよい。塗布時の薄層磁性層のレベリングを考えると、下塗り塗料が湿潤状態のうちに磁性塗料を塗布する、同時重層塗布方式を採用するのが好ましい。
(リ)LRT処理方法
磁性層については、LRT処理を施すことにより、表面平滑性、MRヘッドのスライダ材料やシリンダ材料との摩擦係数や表面粗さ、表面形状が最適化され、磁気テープの走行性、スペーシングロスの低減、MR再生出力の向上をはかれるものである。

このLRT処理としては、下記のように、(a)ラッピング処理、(b)ロータリー処理、(c)ティッシュ処理からなっている。
(a)ラッピング処理
研磨テープ(ラッピングテープ)は、回転ロールによってテープ送り(標準:400m/分)と反対方向に一定の速さ(標準:14.4cm/分)で移動し、上部からガイドブロックにより押さえられてテープ磁性層表面と接触し、この際の磁気テープ巻き出しテンションおよび研磨テープのテンションを一定(標準:各100g、250g)にして、研磨処理が行われる。

この処理に用いる研磨テープは、たとえば、M20000番、WA10000番、K10000番のような研磨砥粒の細かい研磨テープである。研磨ホイール(ラッピングホイール)を、研磨テープの代わりに用いるまたは研磨テープと併用することを排除するものではなく、頻繁に交換を要する場合は、研磨テープのみを使用する。
(b)ロータリー処理
空気抜き用溝付ホイール〔標準:幅1寸(25.4mm)、直径60mm、空気抜き用溝2mm幅、溝の角度45度、協和精工株式会社製〕と、磁性層とを、一定の接触角度(標準:90度)でテープと反対方向に一定の回転速度(通常:200〜3,000rpm、標準:1,100rpm)で接触させて処理を行う。
(c)ティッシュ処理
ティッシュ(たとえば、東レ株式会社製の織布トレシー)を、回転棒でそれぞれバックコート層および磁性層面をテープ送りと反対方向に一定の速度(標準:14mm/分)で送り、クリーニング処理を行う。
以下、本発明の実施例として、磁性粉末に関する「実施例1〜4」、磁気記録媒体である磁気テープに関する「実施例5〜9」を記載して、より具体的に説明する。

なお、上記「実施例1〜4」の対照例として「比較例1,2」、上記「実施例5〜9」の対照例として「比較例3,4」を、併せて記載した。

なおまた、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
形状がほぼ球状に近い平均粒子サイズが25nmのマグネタイト粒子10gを500ccの水に、超音波分散機を用いて、30分間分散させた。この分散液に3.0gの硝酸イットリウムを加えて溶解し、30分間撹拌した。これとは別に、0.8gの水酸化ナトリウムを100ccの水に溶解した。

上記の水酸化ナトリウム水溶液を上記の分散液に約30分間かけて滴下し、滴下終了後、さらに1時間攪拌した。この処理により、マグネタイト粒子表面にイットリウムの水酸化物を被着析出させた。これを水洗し、ろ過後、90℃で乾燥して、マグネタイト粒子の表面にイットリウムの水酸化物を被着形成した粉末を得た。
このマグネタイト粒子の表面にイットリウムの水酸化物を被着形成した粉末を、水素気流中、450℃で2時間加熱還元した。つぎに、水素ガスを流した状態で、約1時間かけて、150℃まで降温した。150℃に到達した状態で、ガスをアンモニアガスに切り替え、温度を150℃に保った状態で、30時間窒化処理を行った。

その後、アンモニアガスを窒素ガスに切り替え、150℃から100℃まで降温した。100℃に到達した状態で、酸素と窒素の混合ガスに切り替え、3時間酸化処理を行った。ついで、混合ガスを流した状態で、100℃から30℃まで降温し、30℃で約12時間保持して、表面化合物層を形成し、空気中に取り出した。
このようにして得た窒化鉄系磁性粉末について、イットリウムと窒素の含有量を蛍光X線により測定したところ、それぞれFeに対して5.3原子%と10.8原子%であった。また、X線回折パターンより、Fe162 相を示すプロファイルを得た。さらに、高分解能分析透過電子顕微鏡で粒子形状を観察したところ、ほぼ球状の粒子で平均粒子サイズが20nmであることがわかった。

また、表面化合物層の厚さは2.0nmであった。X線光電子分光法により表面化合物を分析したところ、表面化合物層はイットリウムを含む酸化物層であることがわかった。図1は、この磁性粉末の透過型電子顕微鏡写真を示したものである。また、BET法により求めた比表面積は、53.2m2 /gであった。
つぎに、この磁性粉末について、1,270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した飽和磁化は144.2Am2 /kg(144.2emu/g)であり、保磁力は250.8kA/m(3,150エルステッド)であった。

また、この磁性粉末を60℃,90%RH下で1週間保存したのち、上記と同様に飽和磁化を測定した結果、132.4Am2 /kg(132.4emu/g)となり、保存前の飽和磁化の維持率が91.8%であった。
出発原料である平均粒子サイズが25nmのマグネタイト粒子を、平均粒子サイズが20nmのマグネタイト粒子に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、窒化鉄系磁性粉末を得た。

このようにして得た窒化鉄系磁性粉末について、イットリウムと窒素の含有量を蛍光X線により測定したところ、それぞれFeに対して6.1原子%と13.1原子%であった。また、X線回折パターンより、Fe162 相を示すプロファイルを得た。さらに、高分解能分析透過電子顕微鏡で粒子形状を観察したところ、球状ないし楕円状の粒子で平均粒子サイズが15nmであることがわかった。

また、表面化合物層の厚さは2.0nmであった。X線光電子分光法により表面化合物を分析したところ、表面化合物層はイットリウムを含む酸化物層であることがわかった。図2は、この磁性粉末の透過型電子顕微鏡写真を示したものである。また、BET法により求めた比表面積は、60.1m2 /gであった。
つぎに、この磁性粉末について、1,270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した飽和磁化は135.8Am2 /kg(135.8emu/g)であり、保磁力は226.9kA/m(2,850エルステッド)であった。

また、この磁性粉末を60℃,90%RH下で1週間保存したのち、上記と同様に飽和磁化を測定した結果、121.2Am2 /kg(121.2emu/g)となり、保存前の飽和磁化の維持率が89.3%であった。
酸化処理温度を100℃から140℃に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、窒化鉄系磁性粉末を得た。

このようにして得た窒化鉄系磁性粉末について、イットリウムと窒素の含有量を蛍光X線により測定したところ、それぞれFeに対して5.5原子%と9.5原子%であった。また、X線回折パターンより、Fe162 相を示すプロファイルを得た。さらに、高分解能分析透過電子顕微鏡で粒子形状を観察したところ、球状ないし楕円状の粒子で平均粒子サイズが20nmであることがわかった。

また、表面化合物層の厚さは4.0nmであった。X線光電子分光法により表面化合物を分析したところ、表面化合物層はイットリウムを含む酸化物層であることがわかった。また、BET法により求めた比表面積は、55.6m2 /gであった。
つぎに、この磁性粉末について、1,270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した飽和磁化は129.6Am2 /kg(129.6emu/g)であり、保磁力は254.8kA/m(3,200エルステッド)であった。

また、この磁性粉末を60℃,90%RH下で1週間保存したのち、上記と同様に飽和磁化を測定した結果、120.6Am2 /kg(120.6emu/g)となり、保存前の飽和磁化の維持率が93.1%であった。
平均粒子サイズが25nmのマグネタイト粒子10gを500ccの水に、超音波分散機を用いて、30分間分散させた。この分散液に、2.0gの珪酸ナトリウムを加えて溶解し、30分間撹拌した。これに1Nの硝酸水溶液を10ml、約30分間かけて滴下した。滴下終了後、さらに2時間攪拌した。この処理により、マグネタイト粒子表面にシリコンの化合物を被着析出させた。これを水洗し、ろ過後、90℃で乾燥して、マグネタイト粒子の表面にシリコンの化合物を被着形成した粉末を得た。
このマグネタイト粒子の表面にシリコンの水酸化物を被着形成した粉末を、水素気流中、450℃で2時間加熱還元した。つぎに、水素ガスを流した状態で、約1時間かけて、150℃まで降温した。150℃に到達した状態で、ガスをアンモニアガスに切り替え、温度を150℃に保った状態で、30時間窒化処理を行った。

その後、アンモニアガスを窒素ガスに切り替え、150℃から100℃まで降温した。100℃に到達した状態で、酸素と窒素の混合ガスに切り替え、3時間酸化処理を行った。ついで、混合ガスを流した状態で、100℃から30℃まで降温し、30℃で約12時間保持して、表面化合物層を形成し、空気中に取り出した。
このようにして得た窒化鉄系磁性粉末について、シリコンと窒素の含有量を蛍光X線により測定したところ、それぞれFeに対して8.1原子%と11.9原子%であった。また、X線回折パターンより、Fe162 相を示すプロファイルを得た。さらに、高分解能分析透過電子顕微鏡で粒子形状を観察したところ、球状ないし楕円状の粒子で平均粒子サイズが20nmであることがわかった。

また、表面化合物層の厚さは2.0nmであった。X線光電子分光法により表面化合物を分析したところ、表面化合物層はシリコンを含む酸化物層であることがわかった。また、BET法により求めた比表面積は、58.5m2 /gであった。
つぎに、この磁性粉末について、1,270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した飽和磁化は130.2Am2 /kg(130.2emu/g)であり、保磁力は235.7kA/m(2,960エルステッド)であった。

また、この磁性粉末を60℃,90%RH下で1週間保存したのち、上記と同様に飽和磁化を測定した結果、119.7Am2 /kg(119.7emu/g)となり、保存前の飽和磁化の維持率が91.9%であった。
比較例1
酸化処理を行わず、室温で2日間保持したのち、取り出した以外は、実施例1と同様にして、窒化鉄系磁性粉末を得た。

このようにして得た窒化鉄系磁性粉末について、イットリウムと窒素の含有量を蛍光X線により測定したところ、それぞれFeに対して4.9原子%と11.8原子%であった。また、X線回折パターンより、Fe162 相を示すプロファイルを得た。さらに、高分解能分析透過電子顕微鏡で粒子形状を観察したところ、球状ないし楕円状の粒子で平均粒子サイズが20nmであることがわかった。

また、表面化合物層の厚さは0.8nmであった。X線光電子分光法により表面化合物を分析したところ、表面化合物層はイットリウムを含む酸化物層であることがわかった。また、BET法により求めた比表面積は、52.3m2 /gであった。
つぎに、この磁性粉末について、1,270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した飽和磁化は154.3Am2 /kg(154.3emu/g)であり、保磁力は221.3kA/m(2,780エルステッド)であった。

また、この磁性粉末を60℃,90%RH下で1週間保存したのち、上記と同様に飽和磁化を測定した結果、133.7Am2 /kg(133.7emu/g)となり、保存前の飽和磁化の維持率が86.7%であった。
比較例2
酸化処理温度を100℃から300℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、窒化鉄系磁性粉末を得た。

このようにして得た窒化鉄系磁性粉末について、イットリウムと窒素の含有量を蛍光X線により測定したところ、それぞれFeに対して2.8原子%と1.5原子%であった。また、X線回折パターンより、Fe162 相を示すプロファイルを得た。さらに、高分解能分析透過電子顕微鏡で粒子形状を観察したところ、球状ないし楕円状の粒子で平均粒子サイズが21nmであることがわかった。

また、表面化合物層の厚さは6.0nmであった。X線光電子分光法により表面化合物を分析したところ、表面化合物層はイットリウムを含む酸化物層であることがわかった。また、BET法により求めた比表面積は、57.5m2 /gであった。
つぎに、この磁性粉末について、1,270kA/m(16kOe)の磁界を印加して測定した飽和磁化は45.6Am2 /kg(45.6emu/g)であり、保磁力は182.3kA/m(2,290エルステッド)であった。

また、この磁性粉末を60℃,90%RH下で1週間保存したのち、上記と同様に飽和磁化を測定した結果、43.3Am2 /kg(43.3emu/g)となり、保存前の飽和磁化の維持率が95.0%であった。
上記の実施例1〜4および比較例1,2の各窒化鉄系磁性粉末の製造条件を、表1にまとめて示した。また、上記の実施例1〜4および比較例1,2の各窒化鉄系磁性粉末の元素組成(窒素、イットリウムおよびシリコンの原子%)、平均粒子サイズ、表面化合物層の厚さおよびBET比表面積を、表2にまとめて示した。さらに、上記の実施例1〜4および比較例1,2の各窒化鉄系磁性粉末の飽和磁化、保磁力および保存安定性(保存後の飽和磁化および維持率)を、表3にまとめて示した。
表1
┌────┬────┬────────┬────────┬────────┐
│ │原料粉末│ 還元処理条件 │ 窒化処理条件 │ 酸化処理条件 │
│ │の平均粒├────┬───┼────┬───┼────┬───┤
│ │子サイズ│処理温度│時間 │処理温度│時間 │処理温度│時間 │
│ │(nm)│ (℃)│(h)│ (℃)│(h)│ (℃)│(h)│
├────┼────┼────┼───┼────┼───┼────┼───┤
│実施例1│ 25 │ 450│ 2 │ 150│ 30│ 100│ 3 │
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例2│ 20 │ 450│ 2 │ 150│ 30│ 100│ 3 │
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例3│ 25 │ 450│ 2 │ 150│ 30│ 140│ 3 │
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│実施例4│ 25 │ 450│ 2 │ 150│ 30│ 130│ 3 │
├────┼────┼────┼───┼────┼───┼────┼───┤
│比較例1│ 25 │ 450│ 2 │ 150│ 30│ なし │ − │
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│比較例2│ 25 │ 450│ 2 │ 150│ 30│ 300│ 3 │
└────┴────┴────┴───┴────┴───┴────┴───┘














表2
┌────┬──────────────┬────┬──────┬────┐
│ │ 組成(原子%) │平均粒子│表面化合物層│BET │
│ ├────┬────┬────┤サイズ │の厚さ │比表面積│
│ │ 窒素 │イットリ│シリコン│ │ │ │
│ │ │ウム │ │(nm)│ (nm) │(m2 /g)│
├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼────┤
│実施例1│10.8│ 5.3│ 0 │ 20 │ 2.0 │53.2│
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例2│13.1│ 6.1│ 0 │ 15 │ 2.0 │60.1│
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例3│ 9.5│ 5.5│ 0 │ 20 │ 4.0 │55.6│
│ │ │ │ │ │ │ │
│実施例4│11.9│ 0 │ 8.1│ 20 │ 2.0 │58.5│
├────┼────┼────┼────┼────┼──────┼────┤
│比較例1│11.8│ 4.9│ 0 │ 20 │ 0.8 │52.3│
│ │ │ │ │ │ │ │
│比較例2│ 1.5│ 2.8│ 0 │ 21 │ 6.0 │57.5│
└────┴────┴────┴────┴────┴──────┴────┘
表3
┌────┬─────┬─────┬──────────────┐
│ │ │ │ 保存安定性 │
│ │飽和磁化 │保磁力 ├────────┬─────┤
│ │(Am2/kg) │ (kA/m) │保存後の飽和磁化│ 維持率 │
│ │ │ │ (Am2/kg) │ (%) │
├────┼─────┼─────┼────────┼─────┤
│実施例1│144.2│250.8│ 132.4 │ 91.8│
│ │ │ │ │ │
│実施例2│135.8│226.9│ 121.2 │ 89.3│
│ │ │ │ │ │
│実施例3│129.6│254.8│ 120.6 │ 93.1│
│ │ │ │ │ │
│実施例4│130.2│235.7│ 119.7 │ 91.9│
├────┼─────┼─────┼────────┼─────┤
│比較例1│154.3│221.3│ 133.7 │ 86.7│
│ │ │ │ │ │
│比較例2│ 45.6│182.3│ 43.3 │ 95.0│
└────┴─────┴─────┴────────┴─────┘
上記の表1〜表3の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4の窒化鉄系磁性粉末は、比較例1,2の窒化鉄系磁性粉末に比べて、約130〜144Am2 /kg程度の適度な飽和磁化を有するとともに、高い保磁力を有しており、しかも保存後の飽和磁化の維持率が高く、保存安定性に非常にすぐれていることがわかる。
下記の下塗り塗料成分をニーダで混練したのち、サンドミルで滞留時間を60分とした分散処理を行い、これにポリイソシアネート6部を加え、撹拌ろ過して、下塗り塗料を調製した。これとは別に、実施例1の窒化鉄系磁性粉末を用いた下記の磁性塗料成分(1)をニーダで混練したのち、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、これに下記の磁性塗料成分(2)を加え、混合して、磁性塗料を調製した。
<下塗り塗料成分>
酸化鉄粉末(平均粒径:55nm) 70部

酸化アルミニウム粉末(平均粒径:80nm) 10部

カーボンブラック(平均粒径:25nm) 20部

塩化ビニル−ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合樹脂 10部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)

ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)

メチルエチルケトン 130部

トルエン 80部

ミリスチン酸 1部

ステアリン酸ブチル 1.5部

シクロヘキサノン 65部
<磁性塗料成分(1)>
実施例1の窒化鉄系磁性粉末 100部

塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合樹脂 8部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)

ポリエステルポリウレタン樹脂 4部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)

α−アルミナ(平均粒径:80nm) 10部

カーボンブラツク(平均粒径:25nm) 1.5部

ミリスチン酸 1.5部

メチルエチルケトン 133部

トルエン 100部
<磁性塗料成分(2)>
ステアリン酸 1.5部

ポリイソシアネート 4部
(日本ポリウレタン工業社製の「コロネートL」)

シクロヘキサノン 133部

トルエン 33部
上記の下塗り塗料を、非磁性支持体である厚さが6μmのポリエチレンナフタレートフイルム(105℃,30分の熱収縮率が縦方向で0.8%、横方向で0.6%)に、乾燥およびカレンダ処理後の下塗り層の厚さが2μmとなるように塗布し、この上にさらに、上記の磁性塗料を、磁場配向処理、乾燥およびカレンダ処理後の磁性層の厚さが80nmとなるように、塗布した。
つぎに、この非磁性支持体の下塗り層および磁性層の形成面とは反対面側に、バツクコート塗料を、乾燥およびカレンダ処理後のバツクコート層の厚さが700nmとなるように塗布し、乾燥した。バツクコート塗料は、下記のバツクコート塗料成分を、サンドミルで滞留時間45分で分散したのち、ポリイソシアネート8.5部を加え、撹拌ろ過して、調製したものである。
<バツクコート塗料成分>
カーボンブラツク(平均粒径:25nm) 40.5部

カーボンブラツク(平均粒径:370nm) 0.5部

硫酸バリウム 4.05部

ニトロセルロース 28部

ポリウレタン樹脂(SO3 Na基含有) 20部

シクロヘキサノン 100部

トルエン 100部

メチルエチルケトン 100部
このようにして得た磁気シートを、5段カレンダ(温度70℃、線圧150Kg/cm)で鏡面化処理し、これをシートコアに巻いた状態で、60℃,40%RH下、48時間エージングした。その後、1/2インチ幅に裁断し、これを100m/分で走行させながら、磁性層表面をセラミツクホイール(回転測度+150%、巻付け角30°)で研磨して、長さ609mの磁気テープを作製した。この磁気テ―プをカートリツジに組み込み、コンピユータ用テープとした。
磁気テープの作製において、磁場配向処理、乾燥およびカレンダ処理後の磁性層の厚さが50nmとなるように変更した以外は、実施例5と同様にして、磁気テープを作製し、これをカートリツジに組み込み、コンピユータ用テープとした。
磁性塗料成分(1)における実施例1の窒化鉄系磁性粉末100部に代えて、実施例2の窒化鉄系磁性粉末100部を使用するとともに、乾燥およびカレンダ処理後の磁性層の厚さが80nmとなるようにし、その他は実施例5と同様にして、磁気テープを作製し、これをカートリツジに組み込み、コンピユ―タ用テ―プとした。
磁性塗料成分(1)における実施例1の窒化鉄系磁性粉末100部に代えて、実施例3の窒化鉄系磁性粉末100部を使用するとともに、乾燥およびカレンダ処理後の磁性層の厚さが80nmとなるようにし、その他は実施例5と同様にして、磁気テープを作製し、これをカートリツジに組み込み、コンピユ―タ用テ―プとした。
磁性塗料成分(1)における実施例1の窒化鉄系磁性粉末100部に代えて、実施例4の窒化鉄系磁性粉末100部を使用するとともに、乾燥およびカレンダ処理後の磁性層の厚さが80nmとなるようにし、その他は実施例5と同様にして、磁気テープを作製し、これをカートリツジに組み込み、コンピユ―タ用テ―プとした。
比較例3
磁性塗料成分(1)における実施例1の窒化鉄系磁性粉末100部に代えて、比較例1の窒化鉄系磁性粉末100部を使用するとともに、乾燥およびカレンダ処理後の磁性層の厚さが80nmとなるようにし、その他は実施例5と同様にして、磁気テープを作製し、これをカートリツジに組み込み、コンピユ―タ用テ―プとした。
比較例4
磁性塗料成分(1)における実施例1の窒化鉄系磁性粉末100部に代えて、比較例2の窒化鉄系磁性粉末100部を使用するとともに、乾燥およびカレンダ処理後の磁性層の厚さが80nmとなるようにし、その他は実施例5と同様にして、磁気テープを作製し、これをカートリツジに組み込み、コンピユ―タ用テ―プとした。
上記の実施例5〜9および比較例3,4の各磁気テープについて、磁気特性として、長手方向の保磁力、角形比および飽和磁束密度と磁性層厚さとの積を測定し、また下記の要領で、電磁変換特性を測定した。さらに、各磁気テープについて、60℃,90%RH下で1週間保存したのちの電磁変換特性も併せて測定した。これらの結果は、表4に示されるとおりであった。同表には、参考のため、各磁気テープの作製に使用した磁性粉末の平均粒子サイズ、表面化合物層の厚さおよび磁性層の厚さを併記した。
<電磁変換特性の測定>
電磁変換特性として、ヒユーレツトパツカード社製のLTOドライブを用い、40℃,5%RHの条件下で5回走行後、最短記録波長0.33μmのランダムデータ信号を記録し、再生ヘッドからの出力を読み取り、比較例3の値を基準(0)とした相対値(dB)を求めた。
表4
┌──────┬────────────────────┬─────────┐
│ │ 実施例 │ 比較例 │
│ ├───┬───┬───┬───┬────┼────┬────┤
│ │ 5 │ 6 │ 7 │ 8 │ 9 │ 3 │ 4 │
├──────┼───┼───┼───┼───┼────┼────┼────┤
│磁性粉末の平│ 20│ 20│ 15│ 20│ 20 │ 20 │ 21 │
│均粒子サイズ│ │ │ │ │ │ │ │
│ (nm)│ │ │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│表面化合物層│2.0│2.0│2.0│4.0│ 2.0│ 0.8│ 6.0│
│の厚さ │ │ │ │ │ │ │ │
│ (nm)│ │ │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│磁性層の厚さ│ 80│ 50│ 80│ 80│ 80 │ 80 │ 80 │
│ (nm)│ │ │ │ │ │ │ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼────┼────┼────┤
│保磁力:Hc│ 283.4│ 277.1│ 274.7│ 282.6│ 268.3│ 245.2│ 195.1│
│(kA/m)│ │ │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│角形比 │ 0.89 │ 0.85 │ 0.87 │ 0.91 │ 0.88 │ 0.88 │ 0.85 │
│:Br/Bm│ │ │ │ │ │ │ │
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│飽和磁束密度│ │ │ │ │ │ │ │
│×磁性層厚さ│ 33│ 16│ 32│ 25│ 27 │ 36 │ 9 │
│:Bm・t │ │ │ │ │ │ │ │
│ (μTm) │ │ │ │ │ │ │ │
├──────┼───┼───┼───┼───┼────┼────┼────┤
│出力(dB)│0.1│1.2│0.4│0.2│ 0.1│ 0 │−1.2│
│ │ │ │ │ │ │ │ │
│保存後の出力│ 0 │0.8│0.1│0.1│−0.4│−1.1│−1.2│
│ (dB)│ │ │ │ │ │ │ │
└──────┴───┴───┴───┴───┴────┴────┴────┘
上記の表4の結果から明らかなように本発明の、実施例5〜9の各磁気テープは、磁気特性とともに、保存安定性にすぐれており、とくに磁性層の厚さを50nm(実施例6)の極薄としても、ほとんど特性の劣化が少なく、高出力が維持されており、すぐれた高密度記録特性を示すものであることがわかる。これに対し、比較例3の磁気テープは、保存安定性に劣っており、長期保存下で出力が大きく劣化する。また、比較例4の磁気テープは、磁気特性に劣り、出力の低下をさけられない。
実施例1の窒化鉄系磁性粉末の透過型電子顕微鏡写真(倍率300万倍) である。 実施例2の窒化鉄系磁性粉末の透過型電子顕微鏡写真(倍率300万倍) である。

Claims (8)

  1. 鉄および窒素を少なくとも構成元素とし、かつFe162 相を少なくとも含み、鉄に対する窒素の含有量が1.0〜20.0原子%である粒状ないし楕円状の磁性粉末であり、粉末表面が希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物層で構成されており、この表面化合物層の平均厚さが1〜5nmであることを特徴とする磁性粉末。
  2. 表面化合物層が酸化物である請求項1に記載の磁性粉末。
  3. 鉄に対する希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの総含有量が、0.1〜40.0原子%である請求項1または2に記載の磁性粉末。
  4. 飽和磁化が50〜150Am2 /kg(50〜150emu/g)、保磁力が119.4〜318.5kA/m(1,500〜4,000エルステッド)である請求項1〜3のいずれかに記載の磁性粉末。
  5. BET比表面積が40〜100m2 /gである請求項1〜4のいずれかに記載の磁性粉末。
  6. 出発原料に鉄系酸化物または水酸化物を用い、これに希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの中から選ばれた少なくとも1種の元素を含む化合物を被着したのち、加熱還元処理を行い、ついで、還元処理温度以下の温度で窒化処理し、その後、酸化処理を行うことにより、請求項1〜5のいずれかに記載の磁性粉末を得ることを特徴とする磁性粉末の製造方法。
  7. 非磁性支持体上に請求項1〜5のいずれかに記載の磁性粉末と結合剤を含有する磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
  8. 非磁性支持体と磁性層との間に非磁性粉末および結合剤を含有する少なくとも1層の下塗り層を有し、磁性層の厚さが300nm以下である請求項7に記載の磁気記録媒体。
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