JPH1083906A - 磁気記録用金属粉末及びその製造法 - Google Patents

磁気記録用金属粉末及びその製造法

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JPH1083906A
JPH1083906A JP8236590A JP23659096A JPH1083906A JP H1083906 A JPH1083906 A JP H1083906A JP 8236590 A JP8236590 A JP 8236590A JP 23659096 A JP23659096 A JP 23659096A JP H1083906 A JPH1083906 A JP H1083906A
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iron oxyhydroxide
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JP8236590A
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Shinji Iizuka
晋司 飯塚
Tetsuya Shirakawa
哲也 白川
Yoshimi Moriya
好美 守谷
Hisafumi Sukai
尚史 須貝
Isao Yoshida
功 吉田
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Kanto Denka Kogyo Co Ltd
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Kanto Denka Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細でありながら、高密度磁気記録媒体の磁
性粉に要求される高い保磁力を有し、テープ化した際の
分散安定性・パッキング性に優れている金属粉末を提供
する。 【解決手段】 Feを主成分とし、Feに対して10〜45
wt%のCoを含有し、粒子の表面近傍に希土類元素及び
Al及びSiの複酸化物を含有し、粒子の平均長軸長が
0.05〜0.15μm、X線粒径が 120〜 170Åであり、水溶
性アルカリ金属の量が金属粉末の重量に対して100ppm以
下である磁気記録用金属粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高密度磁気記録媒体
用の磁性粉として用いられる、微細で分散性に優れる磁
気記録用金属粉末及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高密度
磁気記録媒体用の金属粉末として、鉄を主成分とする磁
気記録用金属粉末の開発が進められ、オーディオテー
プ、ビデオ用テープ、フロッピーディスクとして実用化
されている。近年、磁気記録再生装置の小型軽量化、高
画質化、長時間化が進められ、それに伴い使用する磁気
記録媒体の高密度化が強く要望され、磁気記録媒体の高
密度化を達成するために、使用する磁気記録用金属粉末
にも、微細粒子化、高保磁力化、高飽和磁化、分散安定
性等が必要とされる。従来の方法によると、高密度磁気
記録に適するように、磁気記録用金属粉末を微粒子化し
ようとすると、保磁力は低下し、分散性・パッキング性
・酸化安定性が揃って悪化する問題があった。そこで、
かかる従来の方法を改良するものとして、アルカリ土類
金属又はAl又はSi、及びそれらの組み合わせで焼結
防止剤とする方法(例えば、特開昭57−5805号公
報、特開平3−205601号公報)や、希土類元素を
添加して酸化安定性を改良する方法(例えば、特開昭6
4−17801号公報、特開平2−205601号公
報)等が提案されている。
【0003】しかしながら、上記改良方法を用いても上
記項目すべてを満足させるような磁気記録用金属粉末は
得られないため、本発明者らは従来法で得られる磁気記
録用金属粉末が上記項目を満足しえない原因について鋭
意調査検討を行った。まず、磁気記録媒体の高出力化を
達成するには、使用する金属粉末の保磁力及び飽和磁化
量が高いことが必要であるが、最近特に保磁力をできる
だけ高くすることが磁気記録媒体の記録密度を上げるの
に有効である旨が報告されている(例えば、1992年8月
25日に社団法人日本応用磁気学会により実施された「応
用磁気の基礎」講習会の資料の78〜79頁の記載「3.3 長
手磁化メディアの記録能力……結局、保磁力Hcをでき
るだけ高くすることが記録密度と再生電圧の両方に対し
て有効となる。」を参照)。また、上記金属粉末の保磁
力は、一般には粒子の大きさに密接に関係しており、粒
子が細かくなればなるほど保磁力を保つことが困難にな
る。例えば、針状粒子の短軸径が一定の場合、その保磁
力は、軸比(長軸径/短軸径)が大であるほど高くなる
が、一方、短波長領域で高出力を得るためには、粒子の
長さ(長軸径)は、記録波長の 1/2以下が望ましいこと
から、粒子の長さ(長軸径)は記録波長でほぼ決まって
しまうことになる。従って、保磁力を高く保ち且つ短波
長領域における高出力を得るためには、粒子の長軸が限
定されてしまう以上、短軸を短くして軸比を大きくする
ことにより保磁力を高めるしかない。しかしながら、粒
子の短軸径があまり小さくなると、いわゆる超常磁性が
発現して保磁力を示さないことが知られ、短軸径の短縮
化にも限界があった。また上述した保磁力と同様、金属
粉末の飽和磁化量も、以下に示す理由により粒子の大き
さに密接に関係している。即ち、現在一般に使用されて
いる金属粉末は、還元したままの金属では大気中で安定
に取り扱うことができないことから、その粒子表面に厚
さ30Å前後の酸化被膜を形成してあるが、この酸化被膜
は、飽和磁化量の増大に対する寄与は小さいにもかかわ
らず、粒子が細かくなっても厚さは変えることができな
いため、必然的に磁性粒子に占める酸化被膜の割合が増
大して同一組成の金属粉末であっても、粒子が細かくな
ればなるほど飽和磁化量が小さくなってしまう問題があ
った。また磁気記録媒体のノイズの改良には用いる磁性
材料たる金属粉末粒子の微細化が有効であることが知ら
れている。即ち、磁気記録媒体の単位体積当たりの充填
される粒子数を多くすることによりノイズの低減化が達
成できる。
【0004】ところで粒子の大きさを表すひとつの指標
として、比表面積があるが、金属粉末の比表面積と磁気
記録媒体のノイズの関係が、社団法人日本磁気メディア
工業会発行の「磁気メディア技術マニュアルNo.3」
(「磁気記録の原理」中の図4−4,5)に報告されて
いる。これによれば、磁気材料の比表面積が大きくなる
と、直線的にノイズが低減化していくが、比表面積があ
まり大きくなるとその分散が悪くなるので、比表面積の
増大が好ましくない場合もあることがわかる。一方、別
の観点として金属粉末のX線粒径とノイズの関係、即ち
X線粒径が小さければ小さいほどノイズは小さくなるこ
とが知られている。現在、高密度記録媒体用金属粉末と
して、第一鉄塩と炭酸ナトリウム又は炭酸ナトリウムと
水酸化ナトリウムの併用により得られるゲーサイトが用
いられている。このゲーサイトは枝分かれがなく、粒径
分布も比較的よく揃っているものの、粒子内部にナトリ
ウム成分を多く含むので、メタル化の過程でこのナトリ
ウム成分の金属換算で300ppm以上が粒子表面に析出し実
用面で悪影響を引き起こす要因となり、このナトリウム
成分はバインダーとして使用されている樹脂と反応し平
滑な塗布面の形成が妨げられ、結果としてノイズが大き
くなり、良好な特性を有する磁気記録媒体が得られなく
なる。また該ナトリウム成分はメタル化の過程で粒子の
焼結を促進し、またメタル結晶の成長を阻害するため、
良好な磁気特性を得難くする他、分散安定性・パッキン
グ性も悪化させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
近年の磁気記録再生装置の高性能化に伴い、併せて使用
される磁気記録媒体の高出力化、低ノイズ化の要望が強
く、使用する磁気記録用金属粉末も微細で、保磁力が高
く、飽和磁化の大きく、分散安定性に優れるものが望ま
れている。しかしながら、上述した従来の技術では、金
属粉末を微細化すると、保磁力は低下し、分散性、パッ
キング性が揃って悪化するため、上記項目すべてを満足
させる金属粉末は未だ得られていない。本発明は上記事
情に鑑みなされたもので、本発明者等は従来例の金属粉
末が上記良好な性質をすべて満足し得ない原因を追求
し、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った
ものである。即ち本発明は、微細でありながら、保磁力
が高く、飽和磁化量も大きく、さらにはX線粒径が小さ
くて、分散性、パッキング性に優れた金属粉末とその製
造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はこの問題を
解決するために種々の検討を行った結果、本発明を完成
するに至った。即ち本発明は、Feを主成分とし、Fe
に対して10〜45wt%のCoを含有し、粒子の表面近傍に
希土類元素及びAl及びSiの複酸化物を含有し、粒子
の平均長軸長が0.05〜0.15μm、X線粒径が 120〜 170
Åであり、水溶性アルカリ金属の量が金属粉末の重量に
対して100ppm以下であることを特徴とする磁気記録用金
属粉末に関するものであり、この磁気記録用金属粉末
は、保磁力が1800〜2500 Oe 、飽和磁化量が 120〜180e
mu/g、比表面積が45〜70m2/gであることが好ましい。
また、前記希土類元素がY、La、Ce、Pr、Nd、
Sm、Eu、Gd、Dyの中から選ばれる少なくとも1
種類以上を含み、該希土類元素の含有量がFeに対して
0.1〜15wt%であることが好ましい。更に、本発明は、
塩化第一鉄を炭酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ水
溶液で中和して鉄含有沈殿物を含む懸濁液とし、次いで
酸化性ガスを吹き込みオキシ水酸化鉄を生成させ、次い
で得られたオキシ水酸化鉄を分散させた懸濁液に、希土
類元素及びAl及びSiの水溶液を添加し、該水溶性塩
の水酸化物の微小結晶をオキシ水酸化鉄粒子表面に被着
させ、該オキシ水酸化鉄又は該オキシ水酸化鉄を加熱脱
水して得られた酸化鉄を還元性ガス中で加熱還元し、そ
の後酸化被膜を形成させるコバルトを含有する磁気記録
用金属粉末の製造法であって、前記アルカリとしてアン
モニアを使用し、炭酸アルカリ及び水酸化アルカリの鉄
に対する当量比の合計が2以上であり、且つ鉄含有沈殿
物を含む懸濁液のpHが8以上であることを特徴とする
上記磁気記録用金属粉末の製造法に関するものであり、
また、塩化第一鉄を炭酸アルカリ水溶液及び水酸化アル
カリ水溶液で中和して鉄含有沈殿物を含む懸濁液とし、
次いで酸化性ガスを吹き込みオキシ水酸化鉄を製造する
工程で酸化率50%以上の段階において希土類元素の水溶
性塩を添加して酸化反応を終了させ、希土類元素をオキ
シ水酸化鉄の粒子表面近傍にドープし、次いで得られた
オキシ水酸化鉄を分散させた懸濁液に、Al及びSiの
水溶液を添加し、該水溶性塩の水酸化物の微小結晶をオ
キシ水酸化鉄粒子表面に被着させ、該オキシ水酸化鉄又
は該オキシ水酸化鉄を加熱脱水して得られた酸化鉄を還
元性ガス中で加熱還元し、その後酸化被膜を形成させる
コバルトを含有する磁気記録用金属粉末の製造法であっ
て、前記アルカリとしてアンモニアを使用し、炭酸アル
カリ及び水酸化アルカリの鉄に対する当量比の合計が2
以上であり、且つ鉄含有沈殿物を含む懸濁液のpHが8
以上であることを特徴とする上記磁気記録用金属粉末の
製造法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明の原料成分となるオキシ水酸化鉄の製法に
ついて述べる。本発明に使用される第一鉄塩水溶液とし
ては、塩化第一鉄水溶液、硫酸第一鉄水溶液があげられ
る。水酸化アルカリとしてはアンモニア水溶液、炭酸ア
ルカリとしては炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
ム、カルバミン酸アンモニウム等があげられ、またアン
モニア水溶液中に所定量の炭酸ガスを吹き込み調整する
こともできる。アンモニア水溶液は炭酸アルカリ水溶液
に対する当量比で 1.0以上を添加する。当量比 1.0以下
の場合には紡錘状オキシ水酸化鉄の軸比が小さくなり、
結果として保磁力の大きな金属粉末が得られない。炭酸
アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ水溶液の総量は第一
鉄塩水溶液中の全Feに対して当量比で 2.0以上であ
る。 2.0未満の場合には微粒子で粒度の均一なオキシ水
酸化鉄が得られず、結果として微細で保磁力の大きな金
属粉末が得られない。好ましい範囲は 3.0以上である。
従って、本発明の鉄含有沈殿物を含む懸濁液のpHは
8.0以上、好ましくは 8.5以上である。また、上記オキ
シ水酸化鉄粒子中には、形状コントロール剤或いは磁気
特性コントロール剤としてNi、Zn、Mn、アルカリ
土類元素、Sn、Zr、Cr、P、Si、B、Al等の
金属化合物がドープされていても良い。
【0008】次に、オキシ水酸化鉄を製造する第2の方
法について述べる。この方法では、第一鉄塩を炭酸アル
カリ及び水酸化アルカリで中和し、次いで酸化性ガスを
吹き込みオキシ水酸化鉄を製造する工程で、酸化率50%
以上の段階において希土類元素の水溶性塩を添加して引
き続き反応を終了させ、希土類元素をオキシ水酸化鉄の
粒子表面近傍にドープするものである。なお、本発明で
添加される希土類元素はY、La、Ce、Pr、Nd、
Sm、Eu、Gd、Dy等であり、各元素の硫酸塩、塩
化物、硝酸塩等の水溶液が使用でき、添加量としては全
Feに対する重量%で 0.2〜8.0 の範囲である。 0.2未
満では高い保磁力を有する金属粉末が得られ難く、 8.0
を超えてドープする場合にはメタル化工程での還元反応
が進み難くなり、結果として良好な磁気特性を有する金
属粉末が得られない。また希土類元素をオキシ水酸化鉄
にドープする場合は、酸化率50%以上の粒子近傍が好ま
しく、かかる酸化率より低い状態から添加を始めると、
粒子の形状が変化したり、メタル化工程での還元反応が
進み難くなる。本発明において、Coの添加法は特に限
定されず、オキシ水酸化鉄の製造時の第一鉄塩にCoの
水溶性塩を共存させ、炭酸アルカリ及び水酸化アルカリ
で中和し、次いで酸化性ガスを吹き込むことによりCo
を含有させる方法、第一鉄塩を炭酸アルカリ及び水酸化
アルカリで中和し、次いで酸化性ガスを吹き込みオキシ
水酸化鉄を製造する工程で酸化率50%以上の段階におい
て希土類元素の水溶性塩と共にCoの水溶性塩を添加
し、引き続き反応を終了させ、希土類元素と共にCoを
オキシ水酸化鉄の粒子表面近傍にドープする方法、酸化
終了後得られたオキシ水酸化鉄を分散させた懸濁液にC
oの水溶性塩を添加し表面に被着させる方法、及びこれ
らの方法を組み合わせる方法で行うことができる。
【0009】次に得られたオキシ水酸化鉄粒子の表面に
希土類元素及びSi、Al等の水溶性塩を添加し、酸又
はアルカリで中和して添加元素の水酸化物の微細結晶を
粒子表面に被着するものである。ここで用いる水溶性塩
としては、添加元素の塩化物、硫酸塩、硝酸塩が使用可
能で、Alの場合にはアルミン酸ソーダ、アルミナゾル
等が、またSiの場合には珪酸ソーダ、水ガラス、シリ
カゾル等が使用できる。Alの添加量としては全Feに
対するモル%で3〜20%、好ましくは5〜15%、またS
iの添加量としては全Feに対するモル%で 0.1〜10
%、好ましくは2〜7%である。
【0010】以上述べた操作により、各添加元素を所定
量被着あるいはドープした金属粉末は、十分に水洗した
後乾燥させ、非還元性雰囲気下 300〜 800℃で熱処理を
行い、次いで水素ガス雰囲気下 300〜 600℃の温度で還
元し、還元後、還元性ガスを不活性ガスに代え、反応容
器内の温度を 100℃以下まで冷却した後、不活性ガス中
流に酸化性ガスを徐々に送入して酸化被膜を形成させて
目的の金属粉末を得る。
【0011】
【作用】本発明の金属粉末にあってはFeを主成分と
し、Feに対して10〜45wt%のCoを含有し、粒子の表
面近傍に希土類元素及びAl及びSiの複酸化物を含有
する粒子の平均長軸長が0.05〜0.15μmであり粒子の表
面近傍に希土類元素及びAl及びSiの複酸化物を含有
し、平均長軸長が0.05〜0.15μm、保磁力が1800〜2500
Oe 、飽和磁化量が 120〜860emu/g、比表面積が45〜70
m2/g、X線粒径が120 〜170 Å、水溶性アルカリ金属
が鉄に対して100ppm以下を構成とし、微細でありながら
保磁力が高く、かつテープ化の際の分散安定性、パッキ
ング性に優れるものである。本発明ではオキシ水酸化鉄
を製造する工程で酸化率50%以上の段階において希土類
元素の水溶性塩を添加して引き続き酸化反応を終了さ
せ、希土類元素をオキシ水酸化鉄近傍にドープさせるこ
とによって、該オキシ水酸化鉄を非還元性雰囲気下、熱
処理する際、メタル化工程での粒子形状が良好に保持さ
れる。また水溶性アルカリ金属の量が金属粉末の重量に
対して100ppm以下と少ないため、バインダーとして使用
されている樹脂に良好に分散し、平滑な塗布面を形成す
る。結果として媒体のノイズが小さくなり、良好な特性
を有する磁気記録媒体があられる。また該アルカリ成分
はメタル化の過程で粒子の焼結及びメタル結晶の成長を
阻害するため、良好な磁気特性を得難くする他、分散安
定性・パッキング性も悪化させるが、本発明の金属粉末
は水溶性アルカリ金属の量が金属粉末の重量に対して10
0ppm以下と少ないため、オキシ水酸化鉄を非還元性雰囲
気下熱処理する際、メタル化工程での粒子形状が良好に
保持され、その結果微細でありながら、保磁力、飽和磁
化量が高く、分散安定性、パッキング性に優れる金属粉
末が得られると考えられる。
【0012】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、1.2mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら1728
gの炭酸アンモニウムを溶解し、さらに 12molの塩化第
一鉄と2.4molの塩化コバルトを20リットルの純水に溶解
した混合溶液を徐々に添加して懸濁液を得た。この懸濁
液のpHは 8.9であった。この懸濁液を50℃一定で1時
間保持し、その後2リットル/min の空気を約4時間吹
き込み、紡錘状のオキシ水酸化鉄を得た。次に得られた
オキシ水酸化鉄懸濁スラリーにNd換算で0.36mol の塩
化ネオジムとSi換算で0.7molの水ガラスとAl換算で
0.7molの塩化アルミニウムを加え、30分攪拌した。次に
これを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中で乾燥した。こ
のようにして得られた乾燥ケーキを窒素雰囲気中、 600
℃で1時間熱処理し、次いで水素ガス気流下、480 ℃で
4時間還元した。還元後ガスを窒素に代え、反応容器内
の温度を室温まで冷却した後、窒素ガス流に酸素濃度が
0.01vol%に相当する空気を8時間送入して安定化処理
を行った。上記操作により得られた金属粉末は、平均長
軸径0.13μm、X線粒径 157Å、比表面積56.4m2/g、保
磁力1900 Oe 、飽和磁化量134.8emu/gであり、金属粉末
中の後記方法により測定された水溶性Na量は<5ppm
であった。表1にオキシ水酸化鉄の製造条件と組成を、
表2に得られた金属粉末の磁気特性を示した。また、表
3には得られた金属粉末を後記方法によりテープ化した
際の磁気特性、更にテープのカレンダー前の45°/45°
での光沢値を示した。
【0013】実施例2 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、1.2mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら1728
gの炭酸アンモニウムを溶解し、さらに 12molの塩化第
一鉄と2.4molの塩化コバルトを20リットルの純水に溶解
した混合溶液を徐々に添加して懸濁液を得た。この懸濁
液のpHは8.9 であった。この懸濁液を50℃に保持しつ
つ、2リットル/min の空気を約2時間吹き込み、第一
鉄の50%を酸化し、次に吹き込みガスを窒素に代え、
0.24molの塩化ネオジムを2リットルの純水に溶解した
水溶液を加え、攪拌した後、再び2リットル/min の空
気を約2時間吹き込み、表面近傍にNdをドープした紡
錘状のオキシ水酸化鉄を得た。次に得られたオキシ水酸
化鉄懸濁スラリーにSi換算で0.7molの水ガラスとAl
換算で0.7molの塩化アルミニウムを加え、30分攪拌し
た。次にこれを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中で乾燥
した。このようにして得られた乾燥ケーキを窒素雰囲気
中、 600℃で1時間熱処理し、次いで水素ガス気流下、
480℃で4時間還元した。還元後ガスを窒素に代え、反
応容器内の温度を室温まで冷却した後、窒素ガス流に酸
素濃度が0.01 vol%に相当する空気を8時間送入して安
定化処理を行った。上記操作により得られた金属粉末
は、平均長軸径0.12μm、X線粒径 160Å、比表面積5
5.4m2/g、保磁力1950 Oe 、飽和磁化量135emu/gであ
り、金属粉末中の水溶性Na量は<5ppm であった。
【0014】実施例3 希土類元素としてYを添加した以外は、実施例2と同様
に処理して金属粉末を得た。
【0015】実施例4 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、1.8mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら3456
gの炭酸アンモニウムを溶解し、さらに 12molの塩化第
一鉄と3.6molの塩化コバルトを20リットルの純水に溶解
した混合溶液を徐々に添加して懸濁液を得た。この懸濁
液のpHは9.5 であった。この懸濁液を50℃に保持しつ
つ、1リットル/min の空気を約3時間吹き込み、第一
鉄の50%を酸化し、次に吹き込みガスを窒素に代え、
0.24molの塩化ネオジムを2リットルの純水に溶解した
水溶液を加え、攪拌した後、再び1リットル/min の空
気を約3時間吹き込み、表面近傍にNdをドープした紡
錘状のオキシ水酸化鉄を得た。次に得られたオキシ水酸
化鉄懸濁スラリーにSi換算で0.7molの水ガラスとAl
換算で0.7molの塩化アルミニウムを加え、30分攪拌し
た。次にこれを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中で乾燥
した。このようにして得られた乾燥ケーキを窒素雰囲気
中、 600℃で1時間熱処理し、次いで水素ガス気流下、
480℃で4時間還元した。還元後ガスを窒素に代え、反
応容器内の温度を室温まで冷却した後、窒素ガス流に酸
素濃度が0.01 vol%に相当する空気を8時間送入して安
定化処理を行い、金属粉末を得た。
【0016】実施例5 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸性化ガスを追い出し、1.8mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら3456
gの炭酸アンモニウムを溶解し、さらに 12molの塩化第
一鉄と3.6molの塩化コバルトを20リットルの純水に溶解
した混合溶液を徐々に添加して懸濁液を得た。この懸濁
液のpHは9.5 であった。この懸濁液を50℃に保持しつ
つ、1リットル/min の空気を約3時間吹き込み、第一
鉄の50%を酸化し、次に吹き込みガスを窒素に代え、
0.24molの塩化ネオジムを2リットルの純水に溶解した
水溶液を加え、攪拌した後、再び1リットル/min の空
気を約3時間吹き込み、表面近傍にNdをドープした紡
錘状のオキシ水酸化鉄を得、次にこれを濾過して残渣を
水洗し、再び純水に60リットルの純水に分散させた。こ
のオキシ水酸化鉄懸濁スラリーに1.2molのCo、 0.24m
olのNd、Si換算で0.7molの水ガラスとAl換算で0.
7molの塩化アルミニウムを加え、pHを8に調整し30分
攪拌した。次にこれを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中
で乾燥した。このようにして得られた乾燥ケーキを窒素
雰囲気中、 600℃で1時間熱処理し、次いで水素ガス気
流下、500 ℃で4時間還元した。還元後ガスを窒素に代
え、反応容器内の温度を室温まで冷却した後、窒素ガス
流に酸素濃度が 0.01vol%に相当する空気を8時間送入
して安定化処理を行い、金属粉末を得た。
【0017】実施例6 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、2.1mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら 400
リットルの炭酸ガスを溶解し、さらに 12molの塩化第一
鉄と2.4molの塩化コバルトを20リットルの純水に溶解し
た混合溶液を徐々に添加して懸濁液を得た。この懸濁液
のpHは8.9 であった。この懸濁液を40℃に保持しつ
つ、2リットル/min の空気を約2時間吹き込み、第一
鉄の50%を酸化し、次に吹き込みガスを窒素に代え、
0.24molの塩化ディスプロシウムを2リットルの純水に
溶解した水溶液を加え、攪拌した後、再び2リットル/
min の空気を約2時間吹き込み、表面近傍にDyをドー
プした紡錘状のオキシ水酸化鉄を得た。次に得られたオ
キシ水酸化鉄懸濁スラリーにSi換算で0.4molの水ガラ
スとAl換算で1.2molの塩化アルミニウムを加え、30分
攪拌した。次にこれを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中
で乾燥した。このようにして得られた乾燥ケーキを窒素
雰囲気中、 600℃で1時間熱処理し、次いで水素ガスを
気流下、 480℃で4時間還元した。還元後ガスを窒素に
代え、反応容器内の温度を室温まで冷却した後、窒素ガ
ス流に酸素濃度が 0.01vol%に相当する空気を8時間送
入して安定化処理を行った。
【0018】実施例7 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、1.2mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら1728
gの炭酸アンモニウムを溶解し、さらに 12molの塩化第
一鉄を20リットルの純水に溶解した混合溶液を徐々に添
加して懸濁液を得た。この懸濁液のpHは9.0 であっ
た。この懸濁液を40℃に保持しつつ、4 リットル/min
の空気を約1時間吹き込み、第一鉄の50%を酸化し、次
に吹き込みガスを窒素に代え、0.24mol の塩化サマリウ
ムを2リットルの純水に溶解した水溶液を加え、攪拌し
た後、再び4リットル/min の空気を約1時間吹き込
み、表面近傍にSmをドープした紡錘状のオキシ水酸化
鉄を得、次にこれを濾過して残渣を水洗し、再び純水に
60リットルの純水に分散させた。このオキシ水酸化鉄懸
濁スラリーに3.6molのCo、 0.24molのSm、Si換算
で0.7molの水ガラスとAl換算で0.7molの塩化アルミニ
ウム水溶液を加え、pHを8に調整し30分攪拌した。次
にこれを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中で乾燥した。
このようにして得られた乾燥ケーキを窒素雰囲気中、 6
00℃で1時間熱処理し、次いで水素ガス気流下、 480℃
で4時間還元した。還元後ガスを窒素に代え、反応容器
内の温度を室温まで冷却した後、窒素ガス流に酸素濃度
が 0.01vol%に相当する空気を8時間送入して安定化処
理を行った。
【0019】比較例1 酸化終了後、表面にNdを添加しなかった以外は実施例
1と同様の手法で行った。この金属粉末のHcは1537 O
e で、実施例1に比較して363 Oeも低かった。またこの
金属粉末はX線粒径が 188Åと大きく、粒子の透過電子
顕微鏡写真では粒子の焼結が観察された。
【0020】比較例2 Alを添加しなかった以外は全て実施例2と同様の手法
で行った。この金属粉末のHcは1621 Oe で、実施例1
に比較して329 Oeも低かった。またこの金属粉末はX線
粒径も大きく、粒子の透過電子顕微鏡写真では粒子の焼
結が観察された。
【0021】比較例3 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、 0.45mol/リット
ルの炭酸ソーダ水溶液40リットルを仕込み、攪拌しなが
ら 240gの苛性ソーダを溶解し、さらに 12molの塩化第
一鉄と2.4molの塩化コバルトを20リットルの純水に溶解
した混合溶液を徐々に添加して懸濁液を得、この懸濁液
を50℃に保持しつつ、2リットル/min の空気を約2時
間吹き込み、第一鉄の50%を酸化し、次に吹き込みガス
を窒素に代え、 0.24molの塩化ネオジムを2リットルの
純水に溶解した水溶液を加え、攪拌した後、再び2リッ
トル/min の空気を約2時間吹き込み、表面近傍にNd
をドープした紡錘状のオキシ水酸化鉄を得た。次に得ら
れたオキシ水酸化鉄懸濁スラリーにSi換算で 0.6mol
の水ガラスとAl換算で0.7molの塩化アルミニウムを加
え、30分攪拌した。次にこれを濾過して残渣を水洗し、
乾燥器中で乾燥した。このようにして得られた乾燥ケー
キを窒素雰囲気中、 600℃で1時間熱処理し、次いで水
素ガス気流下、 480℃で4時間還元した。還元後ガスを
窒素に代え、反応容器内の温度を室温まで冷却した後、
窒素ガス流に酸素濃度が 0.01vol%に相当する空気を8
時間送入して安定化処理を行い、金属粉末を得た。得ら
れた金属粉末のHcは1908 Oeであり、また金属粉末中
の水溶性Na量は374ppmであった。粒子の透過電子顕微
鏡写真では粒子の若干の焼結が観察された。
【0022】比較例4 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、 0.45mol/リット
ルの炭酸アンモニウム水溶液40リットルを仕込み、攪拌
しながら 12molの塩化第一鉄と2.4molの塩化コバルトを
20リットルの純水に溶解した混合溶液を徐々に添加して
懸濁液を得た。この懸濁液のpHは7.6であった。この
懸濁液を40℃に保持しつつ、2リットル/min の空気を
約2時間吹き込み、第一鉄の50%を酸化し、次に吹き込
みガスを窒素に代え、 0.24molの塩化ネオジムを2リッ
トルの純水に溶解した水溶液を加え、攪拌した後、再び
2リットル/min の空気を約2時間吹き込み、表面近傍
にNdをドープした紡錘状のオキシ水酸化鉄を得た。次
に得られたオキシ水酸化鉄懸濁スラリーにSi換算で0.
7molの水ガラスとAl換算で0.7molの塩化アルミニウム
を加え、30分攪拌した。次にこれを濾過して残渣を水洗
し、乾燥器中で乾燥した。このようにして得られた乾燥
ケーキを窒素雰囲気中、 600℃で1時間熱処理し、次い
で水素ガス気流下、 480℃で4時間還元した。還元後ガ
スを窒素に代え、反応容器内の温度を室温まで冷却した
後、窒素ガス流に酸素濃度が 0.01vol%に相当する空気
を8時間送入して安定化処理を行った。
【0023】〔水溶性Naの測定方法〕上述した実施
例、比較例の水溶性Naの測定は、金属粉末5gを粉砕
した後、純水50mlを加え、常温で60分攪拌し、溶出した
Naを原子吸光法で測定し、金属粉末の重量に対する水
溶性Na量に換算した。 〔テープ化の方法〕上述した実施例、比較例において
は、金属粉末を以下の様にしてテープ化した。金属粉末
100gとポリウレタン樹脂11g、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体7.75g、トルエン/メチルエチルケトン/シ
クロヘキサノン=1/1/1の混合溶媒 345gとを混合
し、サンドグラインダーで5時間分散を行って磁性塗料
を作成した。次にこの塗料に架橋剤としてコロネートL
2.5gを添加した後、ポリエステルフィルムに塗布し、
3000ガウスの磁界を印加して 100℃で乾燥した。次いで
80℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理を行い、60℃で24
時間熟成を行った後、カットしてVSM磁力計を用いて
最大印加磁場5KOe で磁気特性を測定した。 〔X線粒径の測定法〕上述した実施例および比較例にお
けるX線粒径は、X線回折装置で得られたFe(110)
回折ピークの半値幅、2θ値から次式により求めた。 D(110) =Kλ/β cosθ K:シェラー定数(0.8) λ:照射X線の波長 β:回折ピークの半価幅(真値に補正して用いる)
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【発明の効果】本発明の金属粉末の製造法にあっては、
上述した本発明にかかる実施例と比較例の対比からも明
らかなように、微細でありながら、高密度磁気記録媒体
の磁性粉に要求される高い保磁力を有し、テープ化した
際の分散安定性・パッキング性に優れている金属粉末を
製造することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成8年10月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】以上述べた操作により、各添加元素を所定
量被着あるいはドープした金属粉末は、十分に水洗した
後乾燥させ、非還元性雰囲気下 300〜 800℃で熱処理を
行い、次いで水素ガス雰囲気下 300〜 600℃の温度で還
元し、還元後、還元性ガスを不活性ガスに代え、反応容
器内の温度を 100℃以下まで冷却した後、不活性ガス
に酸化性ガスを徐々に送入して酸化被膜を形成させて
目的の金属粉末を得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【作用】本発明の金属粉末にあってはFeを主成分と
し、Feに対して10〜45wt%のCoを含有し、粒子の表
面近傍に希土類元素及びAl及びSiの複酸化物を含有
する粒子の平均長軸長が0.05〜0.15μmであり粒子の表
面近傍に希土類元素及びAl及びSiの複酸化物を含有
し、平均長軸長が0.05〜0.15μm、保磁力が1800〜2500
Oe 、飽和磁化量が 120〜180emu/g、比表面積が45〜70
m2/g、X線粒径が120 〜170 Å、水溶性アルカリ金属
が鉄に対して100ppm以下を構成とし、微細でありながら
保磁力が高く、かつテープ化の際の分散安定性、パッキ
ング性に優れるものである。本発明ではオキシ水酸化鉄
を製造する工程で酸化率50%以上の段階において希土類
元素の水溶性塩を添加して引き続き酸化反応を終了さ
せ、希土類元素をオキシ水酸化鉄近傍にドープさせるこ
とによって、該オキシ水酸化鉄を非還元性雰囲気下、熱
処理する際、メタル化工程での粒子形状が良好に保持さ
れる。また水溶性アルカリ金属の量が金属粉末の重量に
対して100ppm以下と少ないため、バインダーとして使用
されている樹脂に良好に分散し、平滑な塗布面を形成す
る。結果として媒体のノイズが小さくなり、良好な特性
を有する磁気記録媒体がられる。また該アルカリ成分
はメタル化の過程で粒子の焼結及びメタル結晶の成長を
阻害するため、良好な磁気特性を得難くする他、分散安
定性・パッキング性も悪化させるが、本発明の金属粉末
は水溶性アルカリ金属の量が金属粉末の重量に対して10
0ppm以下と少ないため、オキシ水酸化鉄を非還元性雰囲
気下熱処理する際、メタル化工程での粒子形状が良好に
保持され、その結果微細でありながら、保磁力、飽和磁
化量が高く、分散安定性、パッキング性に優れる金属粉
末が得られると考えられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】実施例5 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、1.8mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら3456
gの炭酸アンモニウムを溶解し、さらに 12molの塩化第
一鉄と3.6molの塩化コバルトを20リットルの純水に溶解
した混合溶液を徐々に添加して懸濁液を得た。この懸濁
液のpHは9.5 であった。この懸濁液を50℃に保持しつ
つ、1リットル/min の空気を約3時間吹き込み、第一
鉄の50%を酸化し、次に吹き込みガスを窒素に代え、
0.24molの塩化ネオジムを2リットルの純水に溶解した
水溶液を加え、攪拌した後、再び1リットル/min の空
気を約3時間吹き込み、表面近傍にNdをドープした紡
錘状のオキシ水酸化鉄を得、次にこれを濾過して残渣を
水洗し、再び60リットルの純水に分散させた。このオキ
シ水酸化鉄懸濁スラリーに1.2molのCo、 0.24molのN
d、Si換算で0.7molの水ガラスとAl換算で0.7molの
塩化アルミニウムを加え、pHを8に調整し30分攪拌し
た。次にこれを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中で乾燥
した。このようにして得られた乾燥ケーキを窒素雰囲気
中、 600℃で1時間熱処理し、次いで水素ガス気流下、
500 ℃で4時間還元した。還元後ガスを窒素に代え、反
応容器内の温度を室温まで冷却した後、窒素ガス流に酸
素濃度が 0.01vol%に相当する空気を8時間送入して安
定化処理を行い、金属粉末を得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】実施例6 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、2.1mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら 400
リットルの炭酸ガスを溶解し、さらに 12molの塩化第一
鉄と2.4molの塩化コバルトを20リットルの純水に溶解し
た混合溶液を徐々に添加して懸濁液を得た。この懸濁液
のpHは8.9 であった。この懸濁液を40℃に保持しつ
つ、2リットル/min の空気を約2時間吹き込み、第一
鉄の50%を酸化し、次に吹き込みガスを窒素に代え、
0.24molの塩化ディスプロシウムを2リットルの純水に
溶解した水溶液を加え、攪拌した後、再び2リットル/
min の空気を約2時間吹き込み、表面近傍にDyをドー
プした紡錘状のオキシ水酸化鉄を得た。次に得られたオ
キシ水酸化鉄懸濁スラリーにSi換算で0.4molの水ガラ
スとAl換算で1.2molの塩化アルミニウムを加え、30分
攪拌した。次にこれを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中
で乾燥した。このようにして得られた乾燥ケーキを窒素
雰囲気中、 600℃で1時間熱処理し、次いで水素ガス気
流下、 480℃で4時間還元した。還元後ガスを窒素に代
え、反応容器内の温度を室温まで冷却した後、窒素ガス
流に酸素濃度が 0.01vol%に相当する空気を8時間送入
して安定化処理を行った。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】実施例7 攪拌装置と、ガス導入管とを装着した反応容器に、窒素
ガスを流して酸化性ガスを追い出し、1.2mol/リットル
のアンモニア水40リットルを仕込み、攪拌しながら1728
gの炭酸アンモニウムを溶解し、さらに 12molの塩化第
一鉄を20リットルの純水に溶解した混合溶液を徐々に添
加して懸濁液を得た。この懸濁液のpHは9.0 であっ
た。この懸濁液を40℃に保持しつつ、4 リットル/min
の空気を約1時間吹き込み、第一鉄の50%を酸化し、次
に吹き込みガスを窒素に代え、0.24mol の塩化サマリウ
ムを2リットルの純水に溶解した水溶液を加え、攪拌し
た後、再び4リットル/min の空気を約1時間吹き込
み、表面近傍にSmをドープした紡錘状のオキシ水酸化
鉄を得、次にこれを濾過して残渣を水洗し、再び60リッ
トルの純水に分散させた。このオキシ水酸化鉄懸濁スラ
リーに3.6molの塩化コバルト、 0.24molの塩化サマリウ
、Si換算で0.7molの水ガラスとAl換算で0.7molの
塩化アルミニウム水溶液を加え、pHを8に調整し30分
攪拌した。次にこれを濾過して残渣を水洗し、乾燥器中
で乾燥した。このようにして得られた乾燥ケーキを窒素
雰囲気中、 600℃で1時間熱処理し、次いで水素ガス気
流下、 480℃で4時間還元した。還元後ガスを窒素に代
え、反応容器内の温度を室温まで冷却した後、窒素ガス
流に酸素濃度が 0.01vol%に相当する空気を8時間送入
して安定化処理を行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須貝 尚史 群馬県渋川市金井425番地 関東電化工業 株式会社新製品開発本部記録材料研究所内 (72)発明者 吉田 功 群馬県渋川市金井425番地 関東電化工業 株式会社新製品開発本部記録材料研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feを主成分とし、Feに対して10〜45
    wt%のCoを含有し、粒子の表面近傍に希土類元素及び
    Al及びSiの複酸化物を含有し、粒子の平均長軸長が
    0.05〜0.15μm、X線粒径が 120〜 170Åであり、水溶
    性アルカリ金属の量が金属粉末の重量に対して100ppm以
    下であることを特徴とする磁気記録用金属粉末。
  2. 【請求項2】 保磁力が1800〜2500 Oe 、飽和磁化量が
    120〜180emu/g、比表面積が45〜70m2/gであることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録用金属粉末。
  3. 【請求項3】 前記希土類元素がY、La、Ce、P
    r、Nd、Sm、Eu、Gd、Dyの中から選ばれる少
    なくとも1種類以上を含み、該希土類元素の含有量がF
    eに対して 0.1〜15wt%であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の磁気記録用金属粉末。
  4. 【請求項4】 塩化第一鉄を炭酸アルカリ水溶液及び水
    酸化アルカリ水溶液で中和して鉄含有沈殿物を含む懸濁
    液とし、次いで酸化性ガスを吹き込みオキシ水酸化鉄を
    生成させ、次いで得られたオキシ水酸化鉄を分散させた
    懸濁液に、希土類元素及びAl及びSiの水溶液を添加
    し、該水溶性塩の水酸化物の微小結晶をオキシ水酸化鉄
    粒子表面に被着させ、該オキシ水酸化鉄又は該オキシ水
    酸化鉄を加熱脱水して得られた酸化鉄を還元性ガス中で
    加熱還元し、その後酸化被膜を形成させるコバルトを含
    有する磁気記録用金属粉末の製造法であって、 前記アルカリとしてアンモニアを使用し、炭酸アルカリ
    及び水酸化アルカリの鉄に対する当量比の合計が2以上
    であり、且つ鉄含有沈殿物を含む懸濁液のpHが8以上
    であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載
    の磁気記録用金属粉末の製造法。
  5. 【請求項5】 塩化第一鉄を炭酸アルカリ水溶液及び水
    酸化アルカリ水溶液で中和して鉄含有沈殿物を含む懸濁
    液とし、次いで酸化性ガスを吹き込みオキシ水酸化鉄を
    製造する工程で酸化率50%以上の段階において希土類元
    素の水溶性塩を添加して酸化反応を終了させ、希土類元
    素をオキシ水酸化鉄の粒子表面近傍にドープし、次いで
    得られたオキシ水酸化鉄を分散させた懸濁液に、Al及
    びSiの水溶液を添加し、該水溶性塩の水酸化物の微小
    結晶をオキシ水酸化鉄粒子表面に被着させ、該オキシ水
    酸化鉄又は該オキシ水酸化鉄を加熱脱水して得られた酸
    化鉄を還元性ガス中で加熱還元し、その後酸化被膜を形
    成させるコバルトを含有する磁気記録用金属粉末の製造
    法であって、 前記アルカリとしてアンモニアを使用し、炭酸アルカリ
    及び水酸化アルカリの鉄に対する当量比の合計が2以上
    であり、且つ鉄含有沈殿物を含む懸濁液のpHが8以上
    であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載
    の磁気記録用金属粉末の製造法。
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