JP2002367152A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2002367152A
JP2002367152A JP2001174234A JP2001174234A JP2002367152A JP 2002367152 A JP2002367152 A JP 2002367152A JP 2001174234 A JP2001174234 A JP 2001174234A JP 2001174234 A JP2001174234 A JP 2001174234A JP 2002367152 A JP2002367152 A JP 2002367152A
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Yuichi Sasaki
勇一 佐々木
Takahiro Kamei
隆広 亀井
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気ヘッドに焼き付き物が生成せず、スペーシ
ングロスを抑制してエラーレートの上昇を防止できる磁
気記録媒体およびその製造方法を提供する。 【解決手段】非磁性支持体2と、非磁性粉末と結合剤と
ナフタレンジオール誘導体とを含む非磁性塗料の塗布に
より、非磁性支持体2上に形成された非磁性層3と、強
磁性粉末と結合剤とを含む磁性塗料の塗布により、非磁
性層3上に形成された磁性層4とを有する磁気記録媒体
1、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体および
その製造方法に関し、特に、磁気記録媒体と摺動する磁
気ヘッドに焼き付き物が生成するのを防止できる磁気記
録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の分野、特にハードディスクの
バックアップ用のデータカートリッジやデジタルビデオ
レコーダー等においては、一層の高容量記録化を伴う長
時間記録化が要求されている。この長時間記録化は、従
来、テープの厚さを薄くしたり、カセットシェルを変更
したりすることにより、テープの長さを増加させて行わ
れてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のデータカートリ
ッジにおいては、一般にヘリカルスキャン方式による記
録再生が適用されている。ヘリカルスキャン方式によれ
ば、磁気テープの磁性層表面と磁気ヘッドとが高速で摺
動する。したがって、磁気テープの走行時に磁気ヘッド
表面が高温となり、磁気ヘッドの表面に焼き付き物が生
成しやすくなる傾向がある。長時間記録化に伴い、摺動
時間を長くしたり、あるいはスキャンスピードを速くし
たりすると、磁気ヘッドの表面に焼き付き物がさらに生
成しやすくなる。
【0004】特に、高温低湿のような環境下では磁気テ
ープの研磨力が減少するため、トライボロジカルに生成
した金属酸化物等が磁気ヘッドに焼き付きを起こすと、
焼き付き物が研磨されずに磁気ヘッド表面に蓄積する。
蓄積された焼き付き物によって磁気テープと磁気ヘッド
の間に隙間(スペーシング)が生じると、所定の信号出
力が得られなくなるという問題(スペーシングロス)が
起こる。スペーシングロスが大きくなると、エラーレー
トが上昇する。
【0005】電磁変換特性を向上させ、上記のようなス
ペーシングロスを減少させる目的で、磁気テープにはカ
レンダー処理等、表面性を向上させる処理が施される。
カレンダー処理を行うことにより、磁気テープの表面は
圧縮され平滑化されるが、磁気テープと磁気ヘッドとの
実効的な接触面積が増加するため、磁気テープと磁気ヘ
ッドとの摩擦は一層高くなる傾向がある。磁気テープと
磁気ヘッドとの摩擦が高くなると、磁気ヘッド表面にお
ける焼き付き物の生成は促進される。
【0006】磁気テープと磁気ヘッドとの摩擦を低減
し、磁気ヘッドに焼き付き物を発生させないため、磁気
テープに添加する潤滑剤の量を多くするという試みもな
されてきた。しかしながら、磁気テープに潤滑剤あるい
は酸化防止剤を多量に保持させても、生成した焼き付き
物を除去することはできない。
【0007】一方、生成した焼き付き物を除去するた
め、磁気ヘッドを物理的に研磨するクリーニングテープ
を用いたり、磁気ヘッドを逐次研磨するクリーニングロ
ールメカニズムを記録再生システム内に取り付けたりす
る方法も検討されてきた。例えば、特開昭57−208
626号公報には、ポリエステルベースフィルム等の基
体上にモース硬度8以上のα−Al23 粉末やCr2
3 粉末等の研磨粒子を結合剤樹脂により結着させたク
リーニングテープが提案されている。
【0008】しかしながら、このような物理的方法で用
いられる研磨粒子は、硬度が極めて高いため、研磨性は
優れるものの、磁気ヘッドから焼き付き物を除去する際
に、磁気ヘッド自体も磨耗、損傷させてしまう。特に、
8mmビデオテープやデジタルビデオテープの記録再生
に使用される磁気ヘッドは、ヘッドギャップが0.3μ
m以下と小さく、また、磁気テープに対して高速で摺動
するため、小さな衝撃によっても損傷が生じ易い。した
がって、上記のような研磨粒子による磨耗、損傷も生じ
易い。
【0009】これに対して、特公平8−001695号
公報では、研磨粒子の粒径を制御することにより磁気ヘ
ッドの磨耗を抑えることが提案されている。しかしなが
ら、研磨粒子の粒径を制御しても、硬度の高いα−Al
23 粉末やCr23 粉末を用いる以上、磁気ヘッド
の磨耗、損傷は避けられない。
【0010】以上のように、磁気ヘッドに焼き付き物が
生成するのを防止する目的で、磁気記録媒体側に様々な
対策がなされてきたが、いずれも十分な焼き付き防止効
果が得られていない。本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、したがって本発明は、長時間記録化
のため摺動時間を長くしたり、あるいはスキャンスピー
ドを速くしたりしても、磁気ヘッドに焼き付き物が生成
せず、スペーシングロスを抑制してエラーレートの上昇
を防止できる磁気記録媒体およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、非磁性
粉末と結合剤とナフタレンジオール誘導体とを含む非磁
性塗料の塗布により、前記非磁性支持体上に形成された
非磁性層と、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性塗料の塗
布により、前記非磁性層上に形成された磁性層とを有す
ることを特徴とする。
【0012】好適には、前記非磁性粉末は、前記強磁性
粉末に比較して前記ナフタレンジオール誘導体との錯体
を形成しにくい粉末である。さらに好適には、前記非磁
性粉末はヘマタイト粉末である。好適には、前記ヘマタ
イト粉末は針状粒子であり、前記針状粒子の長軸長は
0.05〜0.25μm程度である。あるいは、好適に
は、前記ヘマタイト粉末は球状粒子であり、前記球状粒
子の直径は0.03〜0.1μm程度である。
【0013】好適には、前記ナフタレンジオール誘導体
は、隣接する2つの炭素原子がそれぞれ水酸基で置換さ
れている。好適には、前記ナフタレンジオール誘導体
は、水酸基と結合していない少なくとも一つの炭素原子
がアルキル基で置換されている。好適には、前記磁性層
は前記非磁性層から拡散した前記ナフタレンジオール誘
導体を含む。あるいは、前記磁性塗料はナフタレンジオ
ール誘導体をさらに含む。
【0014】好適には、前記非磁性支持体の前記非磁性
層が形成されていない側の面に、結合剤を含むバックコ
ート塗料の塗布により形成されたバックコート層をさら
に有する。さらに好適には、前記バックコート塗料はナ
フタレンジオール誘導体をさらに含む。好適には、前記
磁気記録媒体の一部は、前記磁気記録媒体の他の一部と
積層され、前記磁性層は、前記磁性層上に積層された前
記バックコート層から転写された前記ナフタレンジオー
ル誘導体を含む。
【0015】これにより、磁気記録媒体と摺動する磁気
ヘッドに、金属酸化物等の焼き付き物が生成するのを防
止することが可能となる。本発明の磁気記録媒体によれ
ば、少なくとも非磁性層にナフタレンジオール誘導体が
含有され、ナフタレンジオール誘導体が磁気ヘッド上の
焼き付き物と錯体を形成することにより、磁気ヘッドか
ら焼き付き物を容易に脱離させることができる。また、
ナフタレンジオール誘導体は、磁気記録媒体中で酸化防
止剤としても作用する。このように、ナフタレンジオー
ル誘導体が錯形成能と酸化防止能とを有することから、
磁気ヘッドにおける焼き付き物の生成が十分に抑制され
る。
【0016】本発明の磁気記録媒体によれば、少なくと
も非磁性層にナフタレンジオール誘導体を含有させる。
ナフタレンジオール誘導体は磁性層中の強磁性粉末と錯
体を形成するため、磁性層中のナフタレンジオール誘導
体の一部は、錯体の形成に消費される。また、磁性層は
極めて薄く形成されるため、磁性層のみにナフタレンジ
オール誘導体を添加して十分な焼き付き防止効果を得る
には、磁性層中の焼き付き防止剤(ナフタレンジオール
誘導体)の濃度をかなり高くする必要がある。
【0017】それに対し、本発明の磁気記録媒体によれ
ば、非磁性層に含有させたナフタレンジオール誘導体
が、拡散によって磁性層に供給される。非磁性層は磁性
層に比較して厚く形成されるため、ナフタレンジオール
誘導体の濃度を過剰に高くしなくても、焼き付き防止に
十分な量のナフタレンジオール誘導体を保持させること
ができる。また、バックコート層にナフタレンジオール
誘導体を含有させることによっても、磁性層表面にナフ
タレンジオール誘導体を存在させることが可能である。
【0018】さらに、上記の目的を達成するため、本発
明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体上に、非
磁性粉末と結合剤とナフタレンジオール誘導体とを含む
非磁性塗料を塗布し、非磁性層を形成する工程と、前記
非磁性層上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性塗料を
塗布し、前記非磁性層上に磁性層を形成する工程とを有
することを特徴とする。
【0019】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、好適
には、前記非磁性塗料と前記磁性塗料は同時に重層させ
て塗布する。本発明の磁気記録媒体の製造方法は、好適
には、前記非磁性支持体の前記非磁性層が形成されてい
ない側の面に、結合剤を含むバックコート塗料を塗布
し、バックコート層を形成する工程をさらに有する。本
発明の磁気記録媒体の製造方法は、好適には、前記バッ
クコート塗料を塗布する前に、前記バックコート塗料に
ナフタレンジオール誘導体を添加する工程をさらに有す
る。
【0020】これにより、磁気ヘッドにおける焼き付き
物の生成を防止できる磁気記録媒体を製造することが可
能となる。また、非磁性層と磁性層とを同時重層塗布に
より形成した場合には、非磁性層と磁性層との界面を滑
らかとし、かつ磁性層の表面性を良好にすることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気記録媒体お
よびその製造方法の実施の形態について、図面を参照し
て説明する。図1は本実施形態の磁気記録媒体の断面図
である。図1に示すように、本実施形態の磁気記録媒体
1は非磁性支持体2上に非磁性層3および磁性層4が順
に積層された構造を有する。非磁性支持体2の裏面側に
はバックコート層5が形成されている。磁気記録媒体1
は例えば8mm幅に裁断されたテープ状で巻回され、カ
セットシェルに収納される。
【0022】非磁性層3は、ヘマタイト粉末を結合剤中
に分散させた非磁性塗料を塗布することにより形成され
ている。一方、磁性層4は、強磁性粉末を結合剤中に分
散させた磁性塗料を塗布することにより形成されてい
る。本実施形態の磁気記録媒体1は重層塗布型磁気記録
媒体であり、非磁性塗料と磁性塗料の塗布はウェット・
オン・ウェット方式によって行われる。
【0023】本実施形態の磁気記録媒体1は、少なくと
も非磁性層3に焼き付き防止剤としてナフタレンジオー
ル誘導体が保持されていることを特徴とする。非磁性層
3以外にバックコート層5にも、焼き付き防止剤として
ナフタレンジオール誘導体が添加されていてもよい。
【0024】ヘマタイト粉末としては、好適には長軸長
0.05〜0.25μm程度の針状粒子または直径0.
03〜0.1μm程度の球状粒子を用いる。ナフタレン
ジオール誘導体としては、隣接する2つの炭素原子にそ
れぞれ水酸基が結合したナフタレンジオールを用いる。
あるいは、溶媒との相溶性を高める目的で、他の炭素原
子にアルキル基が結合したナフタレンジオール誘導体を
用いてもよい。
【0025】具体的には、1,2−ナフタレンジオール
または2,3−ナフタレンジオールを用いる。あるい
は、水酸基と結合していない炭素原子がアルキル基で置
換された1,2−ナフタレンジオール誘導体または2,
3−ナフタレンジオール誘導体を用いる。これらは単独
で用いても、複数の種類を組み合わせて用いても、いず
れでもよい。
【0026】上記のようなナフタレンジオール誘導体
は、配位子として金属原子と錯体を形成するため、磁性
層4中に含有される強磁性粉末にも配位し、吸着する。
配位子が強磁性粉末に配位、吸着した場合、磁気ヘッド
に付着した金属酸化物との錯形成反応に寄与できなくな
るため、配位子による金属酸化物の蓄積防止効果が損な
われる。
【0027】磁性層4にはチタネート系カップリング剤
等を添加してもよい。特開平10−124854号公報
に開示されているようにチタネート系カップリング剤等
を共存させると、チタネート系カップリング剤等の化合
物が強磁性粉末の表面に吸着しやすいことから、ナフタ
レンジオール誘導体が強磁性粉末に配位、吸着するのを
阻害できる。したがって、配位子であるナフタレンジオ
ール誘導体が、磁気ヘッドに付着した金属酸化物との錯
形成に有効に寄与するようになる。一方、非磁性層3に
含有されるヘマタイト粉末にはナフタレンジオール誘導
体が吸着しないため、ヘマタイト粉末とナフタレンジオ
ール誘導体との結合を阻害するような他の化合物を添加
する必要はない。
【0028】本実施形態の磁気記録媒体1において、磁
性層4の厚さは0.3μm以下とするのが好ましい。一
方、磁性層4の下層に形成される非磁性層3の厚さは
0.5〜2μm程度が好ましい。このように磁性層4を
薄く形成することにより、非磁性層3に含有されるナフ
タレンジオール誘導体が、磁性層4中の強磁性粉末に吸
着せずに磁性層4の表面に拡散し、焼き付き防止能を高
くすることができる。
【0029】また、前述したように、焼き付き防止剤を
非磁性層3に含有させ、さらにバックコート層5にも含
有させた場合、磁性層4表面における焼き付き防止剤の
存在量を多くすることができる。本実施形態の磁気記録
媒体1は、巻回されてカセットシェルに収納された状態
で使用されるため、バックコート層5は内周側の磁気記
録媒体1の磁性層4表面と接触する。したがって、バッ
クコート層5に添加された焼き付き防止剤は、内周側の
磁性層4に転写される。このように、磁気記録媒体1が
巻回される場合には、バックコート層5に焼き付き防止
剤を添加することにより、磁気ヘッドとの摺動面に焼き
付き防止剤が転写されるため、磁気ヘッドにおける焼き
付き物の発生がさらに有効に防止される。
【0030】焼き付き防止剤を非磁性層3または磁性層
4に添加する場合、添加量は強磁性粉末またはヘマタイ
ト粉末100重量部に対して0.3〜10重量部程度で
あることが好ましい。焼き付き防止剤の添加量が上記の
範囲より少ない場合、磁気ヘッドの焼き付きを抑制する
効果が不十分となる。逆に、焼き付き防止剤の添加量が
上記の範囲を超えた場合、磁気記録媒体1の走行性が低
下したり、粉末の分散性が損なわれて良好な電磁変換特
性が得られなくなったりする。
【0031】また、バックコート層5に焼き付き防止剤
を添加する場合、添加量は例えばカーボンブラック等の
帯電防止剤100重量部に対して25重量部以下とする
のが好ましい。これにより、磁性層4の表面に転写され
る焼き付き防止剤の量を適正な範囲とすることができ
る。
【0032】本実施形態の磁気記録媒体1において、非
磁性支持体2、非磁性層3および磁性層4およびバック
コート層5を構成する材料としては、従来公知のものを
いずれも使用でき、特に限定されない。例えば、非磁性
支持体2としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル類、
ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロースアセ
テート、セルロースジアセテート等のセルロース類、ビ
ニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボ
ネート類、ポリフェニレンサルファイド等に代表される
高分子材料からなるフィルムが好適に用いられる。ま
た、非磁性支持体2の厚さは例えば1.0〜100μ
m、好適には2.0〜70μm程度とする。
【0033】磁性層4に含有される強磁性粉末として
は、γ−Fe23 、Fe34 、γ−Fe23 とF
34 とのベルトライド化合物、Co含有γ−Fe2
3 、Co含有Fe34 、Co含有γ−Fe23
Fe34 とのベルトライド化合物、CrO2 に1種以
上の金属元素、例えばTe、Sb、Fe、Bi等を含有
させた酸化物が挙げられる。
【0034】さらに、Fe、Co、Ni等の金属や、F
e−Co、Fe−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Co
−B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、Mn−A
l、Fe−Co−V、Fe−Al、Fe−Ni−Al、
Fe−Al−P、Fe−Ni−Si−Al、Fe−Ni
−Si−Al−Mn、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−
Zn、Co−Ni、Co−P、Fe−Co−Ni−C
r、Fe−Co−Ni−P等の合金、あるいは炭化鉄、
窒化鉄等の強磁性金属粉末等が挙げられる。
【0035】このような強磁性金属粉末は、上記のよう
な金属元素の酸化物、含水酸化物、無機塩、有機酸塩等
を還元性気体により気相中で還元する方法や、湿式還元
する方法により得られる。なお、強磁性金属粉末の生成
においては、還元時の焼結防止または形状維持等の目的
でAl、Si、P、B等の軽金属元素を適当量添加して
もよい。
【0036】また、上記の還元後には、金属表面に薄い
酸化膜を形成し、酸化に対する安定性を付与する。酸化
膜の形成は、例えば、有機溶剤を含浸させ乾燥させる方
法、有機溶剤に浸漬させ酸化性ガスを吹き込み乾燥させ
る方法、有機溶剤を用いず分圧を調整した酸化性ガスを
吹き込む方法により行う。
【0037】磁性粉末としては、以上のような酸化物や
強磁性金属粉末の他、六方晶系板状フェライトも使用で
きる。この六方晶系板状フェライトとしては、M型、W
型、Y型、Z型のバリウムフェライト、ストロンチウム
フェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライト等が
挙げられる。また、保磁力を制御する目的で、これらの
フェライトにCo−Ti、Co−Ti−Zn、Co−T
i−Nb、Co−Ti−Zn−Nb、Cu−Zr、Ni
−Ti等を添加したものを使用してもよい。なお、これ
らの磁性粉末は1種類を単独で用いても、複数の種類を
組み合わせて用いてもいずれでもよい。
【0038】磁性粉末の比表面積は30〜80m2 /g
程度であることが好ましく、さらに好適には40〜70
2 /gとする。比表面積がこの範囲にある磁性粉末
は、粒子が非常に微細であり、このような微細な磁性粉
末を用いることにより、ノイズが低減し、高密度記録が
可能となる。
【0039】磁性粉末の粒径については、針状の磁性粉
末の場合、長軸長が0.05〜0.25μm程度、軸比
が2〜15程度であることが望ましい。長軸長が0.0
5未満であると、磁性粉末を塗料に分散させるのが困難
となる。長軸長が0.25μmを超えると、ノイズが増
大する可能性がある。また、軸比が2未満であると、磁
性粉末の配向性が低下して、再生出力が低下する。逆
に、軸比が15を超えると、短波長信号出力が低下す
る。
【0040】磁性粉末が板状フェライトの場合には、板
径が0.01〜0.5μm、板厚が0.001〜0.2
μm程度であることが望ましい。なお、上記の磁性粉末
の長軸長、軸比、板径および板厚は、透過型電子顕微鏡
写真から無作為に100以上のサンプルを抽出し、その
平均値を算出したものである。
【0041】非磁性層に含有させるヘマタイト粉末は、
長軸長0.05〜0.25μm程度の針状粒子、または
直径0.03〜0.1μm程度の球状粒子であることが
望ましい。粒径が上記の下限より小さいと、粒子を塗料
に分散させるのが困難となり、形成される非磁性層の表
面が粗くなる。逆に、粒径が上記の上限より大きいと、
粒子の分散は容易となるが、この場合にも非磁性層の平
滑な表面が得られず、再生出力が低下する。ヘマタイト
粉末の比表面積は10〜80m2 /g程度であることが
好ましく、さらに好適には20〜70m2 /gとする。
【0042】本発明の磁気記録媒体の非磁性層には、必
要に応じて帯電防止剤を添加してもよい。帯電防止剤と
しては、例えばゴム用ファーネス、熱分解カーボン、カ
ラー用ブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラ
ックが挙げられる。カーボンブラック粒子にはナフタレ
ンジオール誘導体が配位または吸着しないため、ナフタ
レンジオール誘導体の焼き付き防止能は阻害されない。
【0043】カーボンブラック粒子の比表面積は10〜
1000m2 /g程度、DBP吸油量は20〜1000
ml/100g程度、粒径は0.05μm以下であるこ
とが望ましい。なお、DBP吸油量は、カーボンブラッ
クにジブチルフタレートを少量ずつ加え、練り合わせな
がらカーボンブラックの状態を観察し、カーボンブラッ
クが分散した状態から凝集し始めるときのジブチルフタ
レートの添加量(ml)を意味する。
【0044】非磁性層に用いられるカーボンブラックと
しては、具体的にはBLACKPEARLS1000 、900 、800 、70
0 、VULCANXC-72 (キャボット社製)、♯60、♯70およ
び♯80(旭カーボン(株)製)、MA-600、MA-100、♯39
50B 、♯3750B 、♯3250B 、♯2400B 、♯2300B 、♯10
00、♯900 、♯40および♯30(三菱化成製)、CONDUCTE
X SC、RAVEN7000 、5750、5250、3500、2000、1000、85
0 (コロンビアカーボン社製)、ケッチェンブラックEC
およびケッチェンブラックECDJ-600(ライオンアグゾ
(株)製)、Printex90 、80、75、55、45(デグサ社
製)が挙げられる。
【0045】ヘマタイト粉末とカーボンブラックの体積
比は、(ヘマタイト粉末):(カーボンブラック)=1
00:0〜50:50程度とする。カーボンブラックの
含有量が多すぎる場合、非磁性層表面の平滑性が損なわ
れる。特に、非磁性層と磁性層とを同時重層塗布により
形成する場合には、下層の非磁性層にカーボンブラック
が多く含まれると、下層の流動特性の制御が難しくな
り、塗布面の状態が悪化しやすくなる傾向がある。
【0046】本発明の磁気記録媒体の磁性層および非磁
性層に含有させる結合剤は、磁気記録媒体用の結合剤と
して使用されている公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂等から任意に選択できる。結合剤は数平
均分子量が2500〜100,000程度のものが好ま
しい。
【0047】熱可塑性樹脂としては塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ビニルアルコール、マレイ
ン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリル、スチレン、メチルス
チレン、ブタジエン、エチレン、ビニルアセタール、ビ
ニルブチラール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン等
を構成単位として含む重合体あるいは共重合体が挙げら
れる。
【0048】具体的には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化
ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニ
トリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン
共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重
合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、メ
タクリル酸エステル−エチレン共重合体、塩化ビニリデ
ン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、ポリビニルブチラール、スチレンブ
タジエン共重合体等が挙げられる。
【0049】その他、ポリフッ化ビニル、ポリアミド樹
脂、セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等のセルロース誘導
体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹
脂、合成ゴム等が挙げられる。
【0050】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、
例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬
化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、
シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂等が挙げられる。また、以上のすべての結合剤に
は、磁性粉末、非磁性粉末あるいは添加剤の分散性を向
上させる目的で、極性官能基が導入されていてもよい。
【0051】極性官能基としては、例えば−SO3 M、
−OSO3 M、−COOM、−P=O(OM)2 (式
中、Mは水素原子あるいはリチウム、カリウム、ナトリ
ウム等のアルカリ金属を表す)、−NR12 、−NR
123 +- の末端基を有する側鎖型アミン、ある
いは>NR12 +- で表される主鎖型アミン(式
中、R1 、R2 、R3 は水素原子あるいは炭化水素基を
表し、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン
元素イオンあるいは無機・有機イオンを表す)が挙げら
れる。上記の他、−OH、−SH、−CN、エポキシ基
等の極性官能基も挙げられる。
【0052】結合剤中の極性官能基の量は10-8〜10
-1mol/g、好適には10-6〜10-2mol/gとす
る。極性官能基が少ないと、磁性粉末の分散に対する効
果が発現しにくく、極性官能基が多いと、塗料粘度の増
大や磁性粉末の凝集等が起こりやすい。このような問題
が起こらない範囲で、極性官能基の量を適宜選択する。
上記の結合剤は単独で用いても、2種以上を併用しても
いずれでもよい。
【0053】磁性粉末または非磁性粉末と結合剤は、溶
媒中に分散されて塗料とされる。塗料の調製に用いられ
る溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール等
のアルコール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコール
アセテート等のエステル系溶剤、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、2−エトキシエタノール、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ベンセ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メ
チレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、
クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系溶剤等が挙げられる。
【0054】なお、磁性塗料および/または非磁性塗料
中には、必要に応じて潤滑剤、研磨剤、硬化剤、分散
剤、帯電防止剤、防錆剤等を添加してもよい。これらの
添加剤は公知の添加剤から任意に選択される。
【0055】潤滑剤としては、例えば黒鉛、二硫化モリ
ブデン、二硫化タングステン等の固体潤滑剤の他、炭素
数10〜40のアルキル鎖を有するモノカルボン酸や、
これらのカルボン酸の電解質、あるいはこれらのカルボ
ン酸と炭素数10〜40のアルコールとのモノエステ
ル、これらのカルボン酸と多価アルコールとの多価エス
テルが挙げられる。また、炭素数10〜40のアルキル
鎖を有するアミド、アミン、アルコールを用いることも
できる。上記の他、シリコンオイル、パラフィンオイ
ル、上記の有機化合物のフッ素化物、テルペン系化合物
ならびにこれらのオリゴマー等を用いることもできる。
【0056】本発明の磁気記録媒体の磁性層には、研磨
剤を含有させることができる。研磨剤としてはモース硬
度が例えば7以上である非磁性粉末が好ましい。また、
研磨剤粒子の比重は2〜6、好適には3〜5の範囲が好
ましい。研磨剤としては、例えば酸化アルミニウム、酸
化クロム(Cr23 )、炭化ケイ素、ダイヤモンド、
窒化ケイ素、窒化チタン、チタンカーバイド、炭化チタ
ン、酸化チタン等が挙げられる。
【0057】これらの研磨剤粒子は、強磁性粉末100
重量部に対して20重量部以下、好適には10重量部以
下、添加される。研磨剤粒子の粒径は、0.05〜0.
8μm程度が好ましい。研磨剤粒子の形状は針状、球
状、サイコロ状等のいずれでもよい。本発明の磁気記録
媒体に用いることができる研磨剤としては、具体的には
AKP-30、AKP-50、HIT-50、HIT-55、HIT-60、HIT-82、HI
T-100 (住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0058】なお、これらの非磁性粉末は強磁性粉末と
共に混合して分散処理しても、あるいは予め結合剤中に
分散させて塗料化させた上で、強磁性粉末および結合剤
を含む磁性塗料に添加しても、いずれでもよい。また、
分散剤としては、各種界面活性剤や各種カップリング剤
を用いることができる。
【0059】硬化剤としては、トルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート等のアルキレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の二官能イソシアネ
ート化合物、あるいは、これらのジイソシアネートの重
合体や多価アルコールとの反応物が挙げられる。これら
の硬化剤の添加量は、結合剤100重量部に対して5〜
80重量部程度が好ましく、さらに好適には10〜50
重量部程度とする。
【0060】磁性塗料または非磁性塗料を調製するに
は、以上のような材料を混練工程、混合工程および分散
工程により塗料化する。分散装置および混練装置には、
ロールミル、ボールミル、サンドミル、ダイノミル、ア
ジター、ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザ
ー、超音波分散機等が用いられる。
【0061】以上のようにして調製された非磁性塗料
を、非磁性支持体上に任意の方法で塗布し、乾燥させる
ことにより、非磁性層が形成される。また、調製された
磁性塗料を、非磁性層上に任意の方法で塗布し、乾燥さ
せることにより、磁性層が形成される。
【0062】磁性塗料または非磁性塗料は、公知の塗布
方法、例えばグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗
布、ダイコーティング、スプレー塗布等の方法によって
塗布される。特に、本発明の磁気記録媒体の製造方法に
よれば、ダイコーターによる同時重層塗布が、表面の平
滑性を高くする上で好ましい。ダイコーターのリップ構
成は、2リップ方式、3リップ方式、4リップ方式等が
用いられる。
【0063】図2は、本実施形態の磁気記録媒体の磁性
層および非磁性層の形成に用いられる装置の一例を示す
概略図である。図1に示す磁気記録媒体を製造する際、
フィルム状の非磁性支持体2は供給ロールから繰り出さ
れ、図2の矢印Aの方向に進行する。エクストルージョ
ン方式の押し出しコーター11は非磁性塗料を貯留する
液溜まり部12と、磁性塗料を貯留する液溜まり部13
とを有する。
【0064】非磁性塗料は液溜まり部12からスリット
14を介して、非磁性支持体2上に供給される。塗布さ
れた非磁性塗料は、非磁性層3となる。一方、磁性塗料
は液溜まり部13からスリット15を介して非磁性塗料
上に供給される。これにより、塗布された磁性塗料は、
磁性層4となる。このように、図2に示す押し出しコー
ター11によれば、非磁性塗料と磁性塗料が同時に重層
塗布される。
【0065】上記のようなウェット・オン・ウェット方
式の同時重層塗布によれば、下層の非磁性塗料が湿潤状
態のまま、上層に磁性塗料が供給される。これにより、
下層と上層との境界面が滑らかとなり、下層と上層との
接着性が向上するだけでなく、上層の表面性も良好とな
る。したがって、高密度記録に適した高出力、低ノイズ
の磁気記録媒体が得られる。また、下層と上層との層間
での膜剥離が防止され、膜強度が向上する。さらに、上
層の表面性が改善されることから、ドロップアウトも低
減され、磁気記録媒体の信頼性も向上する。
【0066】これに対し、例えば特開平6−23654
3号公報に開示されているようなウェット・オン・ドラ
イ方式を採用する場合には、下層の非磁性層3として、
上層の磁性層2形成用の磁性塗料に対する耐溶剤性が十
分に高いものを選択する必要がある。また、ウェット・
オン・ドライ方式によれば、表面の平滑性を十分に高く
することが難しい。したがって、良好な電磁変換特性を
得るのは比較的難しい。
【0067】ウェット・オン・ウェット方式により磁性
層と非磁性層の同時重層塗布を行うと、これらの層間に
明確に境界が形成される場合と、両層の成分が混在した
中間領域が形成される場合がある。本発明の磁気記録媒
体は、このように層間に中間領域が存在するものも含
む。
【0068】本発明の磁気記録媒体において、磁性層に
含まれる磁性粉末には、磁性塗料が未乾燥のうちに配向
処理が施される。これにより、磁性粉末は長尺状の非磁
性支持体2の進行方向に平行に配向したり(長手方
向)、または非磁性支持体2の表面と平行な面内で非磁
性支持体2の進行方向に垂直に配向したり(垂直配向)
する。あるいは、磁性粉末は無配向またはランダム配向
であってもよい。磁性粉末の配向処理において、磁性塗
料に印加される磁界の強度は、磁気記録媒体に要求され
る特性を満たす範囲で適宜設定する。
【0069】非磁性層および磁性層の塗膜を形成した
後、カレンダー処理が行われる。カレンダー処理は、磁
気記録媒体の製造における公知の方法を適用して行うこ
とができる。すなわち、塗膜形成後の非磁性支持体2は
加熱され、ロールの間を加圧されて通過する。ロールと
しては通常、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
イミドアミド等の耐熱性を有するプラスチックロールま
たは金属ロールが用いられる。
【0070】カレンダー処理は70〜120℃程度、好
適には80〜110℃で行う。線圧力は通常、200〜
450kg/cmである。カレンダー処理機は、30〜
500m/分程度の処理速度で、5〜10段のロールを
備えたものが好ましい。カレンダー処理後、裁断(スリ
ット)工程、表面突起研削工程およびカートリッジ組み
込み工程を経て、本発明の磁気記録媒体が得られる。
【0071】前述したように、本実施形態の磁気記録媒
体1(図1参照)には、非磁性支持体2の磁性層4が形
成されていない側の面にバックコート層5を設けること
ができる。バックコート層5は、磁気記録媒体1の走行
性向上、帯電防止、巻回された状態での非磁性支持体が
有する粗大突起の転写防止等の目的で設けられる。バッ
クコート層5は、導電性を付与するためのカーボン系微
粒子や、表面粗度を調整するための無機顔料を結合剤に
分散させ、塗布することにより形成される。バックコー
ト層5に内添させる粉末としては、非磁性層3に帯電防
止剤として添加されるカーボンブラック等が挙げられ
る。
【0072】また、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラ
ミン系樹脂粉末、エポキシ系樹脂粉末、ポリエチレンテ
レフタレート粉末、フタロシアニン系顔料粉末、酸化チ
タン粉末、酸化ケイ素粉末、二硫化モリブデン粉末、二
硫化タングステン粉末、含水酸化鉄粉末、ケイ酸マグネ
シウム粉末、炭酸カルシウム粉末、ケイ酸アルミニウム
粉末、硫酸バリウム粉末、クレー粉末等をバックコート
層5の添加剤として用いることもできる。
【0073】上記の粉末の一次平均粒径は、例えば0.
001〜1.0μm程度とする。粉末が小さすぎると、
塗料中での粉末の分散性が低いために粉末が凝集し、バ
ックコート層5の表面が過度に粗面化されることがあ
る。粉末が大きすぎると、粉末に起因する凹凸がバック
コート層5の表面に形成される。この凹凸は、磁気記録
媒体が巻回されたとき、磁性層4に転写される場合があ
る。
【0074】上記の粉末の添加量は、樹脂の結合剤10
0重量部に対して25〜150重量部程度とするのが望
ましい。粉末の添加量が少なすぎると、バックコート層
5の表面が適度に粗面化されず、磁気記録媒体の走行性
等が低下することがある。粉末の添加量が多すぎると、
バックコート層5の塗膜の機械的強度が低下する。
【0075】本実施形態の磁気記録媒体によれば、磁気
ヘッドの焼き付きを防止することが可能である。磁気ヘ
ッドは記録および再生時、あるいは記録または再生の開
始時に、磁気記録媒体に対して摺動するものであればよ
く、磁気ヘッドの構成は特に限定されない。
【0076】本実施形態の磁気記録媒体に適用できる磁
気ヘッドとしては、例えば、一般的なフェライトヘッ
ド、メタル・イン・ギャップ(MIG)型ヘッド、積層
型ヘッド、インダクティブヘッド、磁気抵抗効果(M
R)型ヘッド等が挙げられる。なお、これらの磁気ヘッ
ドの材料等は従来公知のとおりとする。これにより、本
実施形態の磁気記録媒体が走行した場合にも、磁気ヘッ
ドの焼き付きが防止される。
【0077】(実施例1)上記の本実施形態の磁気記録
媒体において、非磁性層3に焼き付き防止剤として添加
するナフタレンジオール誘導体の種類および量を変化さ
せ、実験例1〜7とした。実験例1〜7の磁気記録媒体
の特性および焼き付き物の有無を評価した結果につい
て、以下に説明する。
【0078】(実験例1)磁性塗料と非磁性塗料の最終
的な組成を下記に示す。下記の原料のうち、まず顔料、
研磨剤、結合剤、添加剤、有機溶媒を所定量で混合し、
エクストルーダーにより混練した。その後、残りの原料
を加えてサンドミルにより分散処理を施した。これによ
り、下記の組成の磁性塗料および非磁性塗料が得られ
た。
【0079】 (磁性塗料組成) Fe系メタル強磁性粉末 100重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(結合剤) 15重量部 α−Al23 (研磨剤) 5重量部 ナフタレンジオール誘導体(焼き付き防止剤) 表1に記載 ミリスチン酸(潤滑剤) 1重量部 ヘプチルステアレート(潤滑剤) 2重量部 メチルエチルケトン(溶剤) 150重量部 シクロヘキサノン(溶剤) 150重量部
【0080】上記の磁性塗料において、Fe系メタル強
磁性粉末は、保磁力170kA/m、飽和磁化量150
Am2 /kg、長軸長0.1μm、Co含有量30%の
ものを用いた。ポリ塩化ビニル樹脂としては、官能基
〔−OSO3 K〕=6×10-2mmol/g、数平均分
子量15000のものを用いた。α−Al23 として
は、平均粒径0.3μm、モース硬度9のものを用い
た。
【0081】 (非磁性塗料組成) 針状α−Fe23 100重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(結合剤) 12重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂(結合剤) 5重量部 ナフタレンジオール誘導体(焼き付き防止剤) 表1に記載 ミリスチン酸(潤滑剤) 1重量部 ヘプチルステアレート(潤滑剤) 2重量部 メチルエチルケトン(溶剤) 100重量部 シクロヘキサノン(溶剤) 100重量部
【0082】上記の非磁性塗料において、針状α−Fe
23 は比表面積53m2 /g、長軸長0.15μm、
針状比7、pH8.1のものを用いた。ポリ塩化ビニル
樹脂としては、官能基〔−OSO3 K〕=6×10-2
mol/gのものを用いた。ポリエステルポリウレタン
樹脂としては、官能基〔−OSO3 Na〕=15×10
-2mmol/gのものを用いた。
【0083】上記の磁性塗料に硬化剤としてポリイソシ
アネート(コロネートL(日本ポリウレタン工業製))
を3重量部添加し、非磁性塗料には、このポリイソシア
ネートを5重量部添加した。磁性塗料および非磁性塗料
を調製した後、図2に示すダイコーターを用いて、非磁
性支持体2上に磁性層4および非磁性層3を同時重層塗
布した。非磁性支持体2としては、厚さ5μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。非
磁性層3の厚さは1.5μmとした。磁性層4の厚さは
0.2μmとした。
【0084】塗布された塗料が未乾燥のうちに、ソレノ
イドコイルにより10Oeの磁場を印加して、長手配向
処理を行った。乾燥後、5段のカレンダーにて110
℃、線圧力300kg/cmの条件で平滑化処理を行っ
た。その後、60℃で24時間、硬化処理した。硬化処
理後、下記の組成のバックコート塗料を非磁性支持体2
に塗布し、乾燥させた。これにより、バックコート層5
が厚さ0.5μmで形成された。
【0085】 (バックコート塗料) カーボンブラック 旭♯50 100重量部 ポリエステルポリウレタン ニッポランN-2304 100重量部 メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部
【0086】バックコート層5の形成後、磁気記録媒体
1を8mm幅のテープ状に裁断し、専用のカートリッジ
に組み込んだ状態で、磁気記録媒体1の特性を評価し
た。図3は、磁気記録媒体の評価に用いた磁気ヘッドの
磁気記録媒体との摺動面を示す模式図である。図3に示
すように、磁気ヘッドの磁気記録媒体との摺動面は一対
の磁気コア半体21、22を有する。磁気コア半体2
1、22は単結晶フェライト等の強磁性酸化物からな
る。
【0087】これらの磁気コア半体21、22の接合面
を斜めに切り欠くように強磁性金属薄膜23が被着形成
されている。強磁性金属薄膜23は、例えばFeAlS
i系合金(センダスト)等の飽和磁束密度Bsの高い材
料からなる。強磁性金属薄膜23の当接面が磁気ギャッ
プとなっている。
【0088】図3に示すような摺動面を有する磁気ヘッ
ドを搭載したビデオデッキを用い、まず、実験例1〜7
の各磁気記録媒体に対して1分間の記録を行った。次
に、その再生出力を測定し、初期再生出力とした。実験
例1の初期再生出力を0dBとし、他の実験例の初期再
生出力は実験例1の初期再生出力との差で示した。
【0089】その後、20分間の記録を行い、再生操作
を10回繰り返してから再生出力を再び測定した。各実
験例における初期再生出力を基準として、再生出力の低
下(レベルダウン)を求めた。また、このような記録再
生操作を行った後、図3に示す磁気ヘッドの摺動面を顕
微鏡を用いて観察した。磁気ヘッドの磁気記録媒体との
摺動面において、強磁性金属薄膜23に焼き付き物が生
成したものを×、焼き付き物が認められないものを○と
した。
【0090】実験例1〜7について、焼き付き防止剤の
種類と量(磁性塗料についてはFe系メタル強磁性粉末
100重量部に対する添加量、非磁性塗料については針
状α−Fe23 100重量部に対する添加量)、初期
再生出力、レベルダウンおよび顕微鏡観察の結果を表1
にまとめた。
【0091】
【表1】
【0092】表1に示すように、磁性層と非磁性層の両
方とも焼き付き防止剤が添加されていない場合(実験例
7)には、大幅なレベルダウンが起こり、磁気ヘッドの
摺動面にも焼き付き物が生成した。それに対し、少なく
とも下層の非磁性層に焼き付き防止剤が添加された場合
(実験例1〜6)には、実験例7に比較して明らかにレ
ベルダウンが抑制され、磁気ヘッドの摺動面への焼き付
き物も認められなかった。
【0093】また、2,3−ナフタレンジオールを非磁
性層のみに2重量部添加した場合(実験例1)と、2,
3−ナフタレンジオールを非磁性層に2重量部添加し、
さらに磁性層にも1重量部添加した場合(実験例3)と
を比較すると、初期再生出力については実験例3の方が
わずかに低く、レベルダウンについては実験例3の方が
わずかに少ない。すなわち、実験例1と実験例3の結果
には、ほとんど差は見られなかった。
【0094】このことから、磁性層には必ずしも焼き付
き防止剤を添加する必要はないといえる。これは、磁性
層の厚さが0.2μmと非常に薄いため、非磁性層に添
加された焼き付き防止剤が拡散し、焼き付き防止剤の一
部が磁性層中の強磁性粉末と錯体を形成したとしても、
磁性層に焼き付き防止剤が十分に供給されるためと考え
られる。
【0095】一方、2,3−ナフタレンジオールを非磁
性層のみに2重量部添加した場合(実験例1)と、2,
3−ナフタレンジオールを非磁性層のみに5重量部添加
した場合(実験例2)とを比較すると、初期再生出力に
ついては実験例2の方がわずかに低く、レベルダウンに
ついては実験例2の方がわずかに少ない。このことか
ら、非磁性層への焼き付き防止剤の添加量を増やすと、
レベルダウンはより抑制されるが、初期再生出力は低下
することが示唆される。
【0096】また、2,3−ナフタレンジオールを非磁
性層のみに2重量部添加した場合(実験例1)と、1,
2−ナフタレンジオールを非磁性層のみに2重量部添加
した場合(実験例4)とを比較すると、初期再生出力に
ついては実験例4の方がわずかに高く、レベルダウンに
ついては実験例4の方がわずかに多い。しかしながら、
実験例1と実験例4の結果に大きな差は見られず、どち
らのナフタレンジオールも焼き付き防止剤として有効で
あることがわかる。
【0097】さらに、水酸基と結合していない炭素原子
に結合した水素がアルキル基で置換されたナフタレンジ
オール誘導体を非磁性層のみに2重量部添加した場合
(実験例5および6)も、アルキル基が導入されていな
いナフタレンジオールを非磁性層のみに2重量部添加し
た場合(実験例1および4)と、ほぼ同等の結果が得ら
れた。したがって、アルキル基が導入された、溶媒との
相溶性の高いナフタレンジオールも焼き付き防止剤とし
て有効であることがわかる。
【0098】上記の実験例1〜6の磁気記録媒体に記録
再生を行った後、磁気ヘッドの磁気記録媒体との摺動面
は、図4に示すような状態となる。図4は、顕微鏡写真
に基づき、摺動面の状態を図示したものであるが、強磁
性金属薄膜23に焼き付き物がまったく生成しないこと
から、記録再生を行う前の摺動面の状態(図3参照)と
区別するのは難しい。
【0099】一方、図5は、磁気ヘッドの磁気記録媒体
との摺動面を示す模式図であるが、ナフタレンジオール
誘導体を含有しない磁気記録媒体(実験例7)に記録再
生を行った後の状態を表す。焼き付き防止剤としてナフ
タレンジオール誘導体を添加しない場合、摺動面の強磁
性金属薄膜23に金属酸化物等の焼き付き物24が生成
する。以上のように、焼き付き防止剤としてナフタレン
ジオール誘導体を含有する磁気記録媒体を用いることに
より、磁気ヘッドにおける焼き付き物の生成が防止され
る。
【0100】(実施例2)非磁性層に用いられるヘマタ
イト粉末の形状および大きさを変化させ、実験例8〜1
8とした。実験例8〜18においては、前述した実験例
1と同様の磁性塗料を用いた。また、実験例1で用いら
れるヘマタイト粉末(針状α−Fe23)と大きさの
み異なるヘマタイト粉末を用いて、非磁性塗料を調製し
た。
【0101】磁性塗料および非磁性塗料を実験例1と同
様にPETフィルム上に塗布し、乾燥、カレンダー処理
を行った後、硬化促進のための熱処理を行った。さら
に、実験例1と同様にバックコート塗料を塗布し、乾燥
させた。バックコート層5の形成後、磁気記録媒体1を
8mm幅のテープ状に裁断し、専用のカートリッジに組
み込んだ状態で、磁気記録媒体1の特性を評価した。
【0102】実験例8〜18の磁気記録媒体について、
実施例1と同様に評価を行った。ヘマタイト粉末の形状
および大きさと、実験例1を基準とした初期再生出力、
レベルダウン、および顕微鏡観察の結果を、表2にまと
めた。ヘマタイト粉末の大きさは、針状粉末については
長軸長(μm)、球状粉末については直径(μm)で示
した。
【0103】
【表2】
【0104】表2に示すように、針状ヘマタイト粉末
(実験例8〜13)については、長軸長が0.15μm
のとき、初期再生出力が最も高く、かつレベルダウンも
少なかった。長軸長が0.15μmより小さくなるにつ
れ、初期再生出力は低下した。また、長軸長が0.15
μmより大きくなるにつれ、初期再生出力は低下した。
レベルダウンについては、初期再生出力が最も高かった
実験例11で最小となったが、実験例8〜13で大きな
差は見られず、いずれも許容範囲内となった。
【0105】一方、球状ヘマタイト粉末(実験例14〜
18)については、直径が0.05μmのとき、初期再
生出力が最も高かった。直径が0.05μmより小さく
なるにつれ、初期再生出力は低下した。また、直径が
0.05μmより大きくなるにつれ、初期再生出力は低
下した。レベルダウンについては、直径が0.025μ
mまたは0.03μmのとき最小となったが、実験例1
4〜18で大きな差は見られず、いずれも許容範囲内と
なった。
【0106】上記の実験例8〜18においては、いずれ
も磁気ヘッドの摺動面に焼き付き物が生成しなかった。
以上のことから、ヘマタイト粉末の大きさは、初期再生
出力が大きく低下しない範囲で選択するのが望ましいと
いえる。具体的には、針状ヘマタイト粉末の場合0.0
5〜0.25μm、球状ヘマタイト粉末の場合0.03
〜0.1μmの範囲が好適である。
【0107】(実施例3)バックコート層に焼き付き防
止剤を添加して、実施例1と同様の評価を行った。焼き
付き防止剤として添加するナフタレンジオール誘導体の
種類を、表3に示すように変化させ、実験例19〜24
とした。これらの実験例において、磁性層および非磁性
層には焼き付き防止剤を添加しなかった。すなわち、実
験例1に示す磁性塗料および非磁性塗料の組成から、そ
れぞれ焼き付き防止剤を除き、磁性塗料および非磁性塗
料を調製した。
【0108】実験例1と同様に、磁性塗料および非磁性
塗料を厚さ5μmのPETフィルム上に重層塗布した。
乾燥後、5段のカレンダーにて110℃、線圧力300
kg/cmの条件で平滑化処理を行った。その後、60
℃で24時間、硬化処理した。硬化処理後、下記の組成
のバックコート塗料を非磁性支持体2に塗布し、乾燥さ
せた。これにより、バックコート層5が厚さ0.5μm
で形成された。
【0109】 (バックコート塗料) カーボンブラック 旭♯50 100重量部 ポリエステルポリウレタン ニッポランN-2304 100重量部 焼き付き防止剤 15重量部 メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部
【0110】バックコート層5の形成後、磁気記録媒体
1を8mm幅のテープ状に裁断し、専用のカートリッジ
に組み込んだ状態で、磁気記録媒体1の特性を評価し
た。実験例19〜24の磁気記録媒体について、実験例
1を基準としたレベルダウンと、顕微鏡観察の結果を、
表3にまとめた。
【0111】
【表3】
【0112】表3に示すように、バックコート層に焼き
付き防止剤が添加されていない場合(実験例24)に
は、大幅なレベルダウンが起こった。また、図5に示す
ように、磁気ヘッドの摺動面に焼き付き物が生成した。
それに対し、バックコート層にいずれかの焼き付き防止
剤が添加された場合(実験例19〜23)には、実験例
24に比較して明らかにレベルダウンが抑制された。ま
た、図4に示すように、磁気ヘッドの摺動面への焼き付
き物も認められなかった。
【0113】以上のように、焼き付き防止剤としてナフ
タレンジオール誘導体を含有する磁気記録媒体を用いる
ことにより、磁気ヘッドにおける焼き付き物の生成が防
止される。
【0114】上記の本発明の実施形態の磁気記録媒体に
よれば、少なくとも非磁性層に保持させたナフタレンジ
オール誘導体が、磁気ヘッド上の焼き付き物と錯体を形
成し、焼き付き物が除去されるため、磁気ヘッドにおけ
る焼き付き物の生成が防止される。また、上記の本発明
の実施形態の磁気記録媒体の製造方法によれば、磁気ヘ
ッドにおける焼き付き物の生成を防止できる磁気記録媒
体を製造でき、かつ磁性層の表面性を良好にすることが
できる。
【0115】本発明の磁気記録媒体およびその製造方法
の実施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、磁
気ヘッド上の焼き付き物と錯体を形成する配位子であれ
ば、上記以外のナフタレンジオール誘導体を用いること
もできる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、
種々の変更が可能である。
【0116】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体によれば、長時間
記録化のため摺動時間を長くしたり、あるいはスキャン
スピードを速くしたりしても、磁気ヘッドに焼き付き物
が生成しない。したがって、スペーシングロスを抑制し
てエラーレートの上昇を防止できる。また、本発明の磁
気記録媒体の製造方法によれば、磁気ヘッドにおける焼
き付き物の生成を防止できる磁気記録媒体を製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の磁気記録媒体の断面図である。
【図2】図2は本発明の磁気記録媒体の製造に用いられ
る塗布装置の一例を示す図である。
【図3】図3は磁気ヘッドの磁気記録媒体との摺動面を
示す模式図である。
【図4】図4は磁気ヘッドの磁気記録媒体との摺動面を
示す模式図であり、本発明の磁気記録媒体に記録再生を
行った後の状態を表す。
【図5】図5は磁気ヘッドの磁気記録媒体との摺動面を
示す模式図であり、焼き付き物が生成した状態を表す。
【符号の説明】
1…磁気記録媒体、2…非磁性支持体、3…非磁性層、
4…磁性層、5…バックコート層、11…押し出しコー
ター、12、13…液溜まり部、14、15…スリッ
ト、21、22…磁気コア半体、23…強磁性金属薄
膜、24…焼き付き物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 BA09 CA04 CA05 CC02 EA01 FA02 FA05 5D112 AA03 BD07 CC02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体と、 非磁性粉末と結合剤とナフタレンジオール誘導体とを含
    む非磁性塗料の塗布により、前記非磁性支持体上に形成
    された非磁性層と、 強磁性粉末と結合剤とを含む磁性塗料の塗布により、前
    記非磁性層上に形成された磁性層とを有する磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】前記非磁性粉末は、前記強磁性粉末に比較
    して前記ナフタレンジオール誘導体との錯体を形成しに
    くい粉末である請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記非磁性粉末はヘマタイト粉末である請
    求項2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記ヘマタイト粉末は針状粒子であり、前
    記針状粒子の長軸長は0.05〜0.25μm程度であ
    る請求項3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】前記ヘマタイト粉末は球状粒子であり、前
    記球状粒子の直径は0.03〜0.1μm程度である請
    求項3記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】前記ナフタレンジオール誘導体は、隣接す
    る2つの炭素原子がそれぞれ水酸基で置換されている請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】前記ナフタレンジオール誘導体は、水酸基
    と結合していない少なくとも一つの炭素原子がアルキル
    基で置換されている請求項6記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】前記磁性層は前記非磁性層から拡散した前
    記ナフタレンジオール誘導体を含む請求項1記載の磁気
    記録媒体。
  9. 【請求項9】前記磁性塗料はナフタレンジオール誘導体
    をさらに含む請求項1記載の磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】前記非磁性支持体の前記非磁性層が形成
    されていない側の面に、結合剤を含むバックコート塗料
    の塗布により形成されたバックコート層をさらに有する
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】前記バックコート塗料はナフタレンジオ
    ール誘導体をさらに含む請求項10記載の磁気記録媒
    体。
  12. 【請求項12】前記磁気記録媒体の一部は、前記磁気記
    録媒体の他の一部と積層され、 前記磁性層は、前記磁性層上に積層された前記バックコ
    ート層から転写された前記ナフタレンジオール誘導体を
    含む請求項11記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】非磁性支持体上に、非磁性粉末と結合剤
    とナフタレンジオール誘導体とを含む非磁性塗料を塗布
    し、非磁性層を形成する工程と、 前記非磁性層上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁性塗
    料を塗布し、前記非磁性層上に磁性層を形成する工程と
    を有する磁気記録媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記非磁性塗料と前記磁性塗料は同時に
    重層させて塗布する請求項13記載の磁気記録媒体の製
    造方法。
  15. 【請求項15】前記非磁性支持体の前記非磁性層が形成
    されていない側の面に、結合剤を含むバックコート塗料
    を塗布し、バックコート層を形成する工程をさらに有す
    る請求項13記載の磁気記録媒体の製造方法。
  16. 【請求項16】前記バックコート塗料を塗布する前に、
    前記バックコート塗料にナフタレンジオール誘導体を添
    加する工程をさらに有する請求項15記載の磁気記録媒
    体の製造方法。
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