JP2002069844A - 改質ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents
改質ポリエステル繊維およびその製造方法Info
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Abstract
ないカルボキシル基の導入された改質ポリエステル繊維
を提供。 【解決手段】 ポリエステル繊維に対し、下記一般式
(1)で表されるフタルイミド化合物の存在下において
不飽和カルボン酸をグラフト重合させてカルボキシル基
を導入してなる改質ポリエステル繊維。 【化1】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
示す。)
Description
有する改質ポリエステル繊維およびその製造方法に関す
るものである。
入し改質することは、かなり古くから行われていて周知
のことである。例えば、繊維学会誌Vol.28,No
9(1972)「ポリエステル繊維に対するセリュウム
塩による親水性ビニルモノマーのグラフト重合」、同じ
く繊維学会誌 Vol.36,No10(1980)
「触媒によるポリエチレンテレフタレート繊維への1段
法グラフト重合」などに詳述されている。ポリエステル
繊維は高結晶性であり、分子配向性も良いのでカルボキ
シル基をもつ水溶性のビニルモノマーはそのままてはポ
リエステルの中に拡散して行くことが困難で、種々の膨
潤剤が用いられる。このようなものとしては、例えば、
フェノール、クレゾール、モノクロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、トリクロロベンゼン、ベンジルアルコー
ル、ニトロベンゼン、オルソフェニルフェノール、パラ
フェニルフェノール、メチルナフタレン、サリチル酸メ
チルなどが挙げられている。これらの膨潤剤はグラフト
重合に先立って別浴で処理する場合と、グラフト重合の
浴に同時に加えられる場合とがある。重合開始剤は第二
セリュム塩(Ce4)、ベンゾイルパーオキサイド、ク
ミルパーオキサイド、トリルパーオキサイド等がある。
ラジカルを発生させることの出来る水に溶けにくい過酸
化物が好ましく用いられている。従来、膨潤剤として最
も好ましく用いられているのは、クロロベンゼン(C.
B.)で、モノ−、ジ−及びトリ−クロロベンゼンの混
合物である。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキ
サイド(B.P.O.)が最も好ましく用いられてい
る。C.B.もB.P.O.も水に溶けないので乳化剤
が必要である。C.B.及びB.P.O.を用いてアク
リル酸又はメククリル酸を工業的にグラフト重合させる
ことは十分可能であるが、この方法を用いてカルボキシ
ル基を導入したポリエステル繊維は加水分解され易く、
経時的に強度低下があり、実用化が困難であった。上記
の膨潤剤はいずれも同様な傾向にある。
れにくい、強度の経時的変化の少ないカルボキシル基の
導入された改質ポリエステル繊維及びその製造方法を提
供する。
を解決すべく鋭意研究を量ねた結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明によれば、ポリエステル繊維に対し、
下記一般式(1)で表されるフタルイミド化合物の存在
下において不飽和カルボン酸をグラフト重合させてカル
ボキシル基を導入してなる改質ポリエステル繊維が提供
される。また、本発明によれば、下記一般式(1)で表
されるフタルイミド化合物、不飽和カルボン酸及び有機
過酸化物を含む水性浴中に、ポリエステル繊維を浸漬
し、該ポリエステル繊維に該不飽和カルボン酸をグラフ
ト重合させてカルボキル基を有する改質ポリエステル繊
維を生成させることを特徴とする改質ポリエステルの製
造方法が提供される。
示す。)
ル繊維としては、従来公知の芳香族系及び脂肪族系のも
のを任意に用いることができる。脂肪族系のものは、生
分解性を有するので、その使用は地球環境の保全の点で
は好ましいものである。ポリエステル繊維は、フィラメ
ント、ステープルトウの他、織布、編布、不織布、フェ
ルト等の種々の形状であることができる。
には、ポリエステル繊維に対し、下記一般式(1)のフ
タルイミド化合物の存在下において、不飽和カルボン酸
をグラフト重合させる。
3の低級アルキル基を示す。前記フタルイミド化合物
は、ポリエステル繊維に対する染色用キャリヤーとして
用いられているもので、「LEVEGAL PEW−
T」(Bayer社)や、「ダイキャリヤーTN−5
5」(大和化学工業社)等として入手することができ
る。
って実施することができる。例えば、ポリエステル繊維
を、フタルイミド化合物、有機過酸化物及び不飽和カル
ボン酸を含む水性浴液中に浸漬し、加熱処理する。フタ
ルイミド化合物の割合は、ポリエステル繊維100重量
部当り、3〜15重量部、好ましくは5〜12重量部で
ある。有機過酸化物としては、ラジカル重合に用いられ
ている各種のものが使用可能であるが、ベンゾイルパー
オキサイドの使用が好ましい。この有機過酸化物の割合
は、ポリエステル繊維100重量部当り、0.5〜5重
量部、好ましくは1〜3重量部である。不飽和カルボン
酸としては、従来公知の各種のものが使用可能である
が、アクリル酸やメタクリル酸、それらの混合物の使用
が好ましい。特に、本発明の場合、メタクリル酸が好ま
しい。この不飽和カルボン酸の割合は、ポリエステル繊
維100重量部当り、10〜50重量部、好ましくは2
0〜40重量部である。
常、水が用いられるが、水と有機溶剤との混合液であっ
てもよい。この場合、処理浴とポリエステル繊維との重
量比は、1〜10、好ましくは1〜5である。
常、95〜120℃、好ましくは100〜110℃であ
る。このグラフト重合を好ましく実施するには、フタル
イミド化合物、有機過酸化物、不飽和カルボン酸を含む
水性処理浴にポリエステル繊維を浸漬し、常温から徐々
に昇温して、95〜115℃、好ましくは100〜11
0℃において60分間程度反応させる。反応後、得られ
た改質ポリエステル繊維を良く水洗し、次いで、ノニオ
ン系界面活性剤としてのサンモールRC320や、アニ
オン系界面活性剤としてのサイゾル2E等を含む水性浴
中で、約100℃で30分程度洗浄する。
加することができる。これにより、難水溶性のフタルイ
ミド化合物や有機過酸化物を水性浴中に均一分散させる
ことができる。
は、不飽和カルボン酸がグラフト重合した構造のもの
で、カルボキシル基を有する。そのカルボキシル基の含
有量は、改質ポリエステル繊維100g当り、COOH
として、0.05〜0.4モル、好ましくは0.85〜
0.25モルの割合である。
持性にすぐれたものである。クロロベンゼンの存在下で
不飽和カルボン酸でグラフト重合させた改質ポリエステ
ル繊維は、強度保持性が悪く、例えば、加速耐久性試験
(70℃、90%の相対湿度の条件に放置する試験)に
付したときに、1週間も経たずにその強度を失って、ボ
ロボロになる。これに対し、本発明の改質ポリエステル
繊維は、前記加速耐久性試験に付したときに、5週間後
でも強度の低下がわずかに起る程度である。
する。
(東レ株製)10gを界面活性剤:サイゾール2E(第
一工業製薬株製)1g/1を含む水性浴で60℃で10
分間精練した後、よく水洗する、次いで、フタルイミド
(LEVEGALPEW−T)(バイエル社製)1g、
過酸化ベンゾイル(ナイパーBW)(日本油脂社製)
0.2g、メタクリル酸2.4gを含む100mlの水
に該ポリエステルフィラメント糸を浸潰し常温より徐々
に昇温し105℃にて60分間処理する。生成物を良く
水洗し、次いでノニオン界面活性剤(サンモールRC3
20)(日華化学株製)3g/l及びアニオン界面活性
剤(サイゾル2E)3g/lを含む浴で100℃で30
分間洗浄する。
88(株クラレ製)に変えた以外は実施例1と同様に実
験を行った。
キャリヤーTN−55に変えた以外は同様に実験を行っ
た。
キャリヤーTN−55に変えた以外は同様に実験を行っ
た。
イキャリヤーTBコンク(トリクロロベンゼンとo−ジ
クロロベンゼンとの混合物、大和化学工業株製)に変え
た以外は同様に実験を行った。
キャリヤーTBコンクに変えた以外は同様に実験を行っ
た。
リエステル繊維について、加速耐久性試験を行った。そ
の結果を表1に示す。この場合、その試験期間は5週間
である。
メントについてはショッパー型引張試験機を用いて、原
糸及び試験後の強力を求め、次式により算出した。 強力保持率=B/A×100(%) A:原糸の強力 B:試験後の糸の強力 また、ステープルについては、そのステープル束を両手
の指で引っ張りその感触で表した。
強度(強力)の経時劣化が非常に小さいために、各種の
用途に有利に供することができる。本発明の改質ポリエ
ステル繊維は、カルボキシル基を有することから、消臭
効果を有するものである。また種々の金属イオンの吸着
も可能となる。銅や銀などを付着させることにより、抗
菌材料としても有用である。アルカリ、アルカリ土類金
属を付着させることにより、吸水吸湿材とすることがで
きる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリエステル繊維に対し、下記一般式
(1) 【化1】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
示す)で表されるフタルイミド化合物の存在下において
不飽和カルボン酸をグラフト重合させてカルボキシル基
を導入してなる改質ポリエステル繊維。 - 【請求項2】 下記一般式(1) 【化2】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
示す)で表されるフタルイミド化合物、不飽和カルボン
酸及び有機過酸化物を含む水性浴中に、ポリエステル繊
維を浸漬し、該ポリエステル繊維に該不飽和カルボン酸
をグラフト重合させてカルボキル基を有する改質ポリエ
ステル繊維を生成させることを特徴とする改質ポリエス
テルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000250254A JP2002069844A (ja) | 2000-08-21 | 2000-08-21 | 改質ポリエステル繊維およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000250254A JP2002069844A (ja) | 2000-08-21 | 2000-08-21 | 改質ポリエステル繊維およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002069844A true JP2002069844A (ja) | 2002-03-08 |
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ID=18739862
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JP2000250254A Pending JP2002069844A (ja) | 2000-08-21 | 2000-08-21 | 改質ポリエステル繊維およびその製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2002069844A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000219758A (ja) * | 1999-02-01 | 2000-08-08 | Toyobo Co Ltd | 疎水性高分子成形品のグラフト重合加工品及びその製造方法 |
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2000
- 2000-08-21 JP JP2000250254A patent/JP2002069844A/ja active Pending
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