JP2002069844A - 改質ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

改質ポリエステル繊維およびその製造方法

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JP2002069844A
JP2002069844A JP2000250254A JP2000250254A JP2002069844A JP 2002069844 A JP2002069844 A JP 2002069844A JP 2000250254 A JP2000250254 A JP 2000250254A JP 2000250254 A JP2000250254 A JP 2000250254A JP 2002069844 A JP2002069844 A JP 2002069844A
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polyester fiber
modified polyester
carboxylic acid
unsaturated carboxylic
producing
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Reizou Gomibuchi
禮三 五味渕
Masato Yoshida
正人 吉田
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Nihon Sanmo Dyeing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Sanmo Dyeing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加水分解されにくい、強度の経時的変化の少
ないカルボキシル基の導入された改質ポリエステル繊維
を提供。 【解決手段】 ポリエステル繊維に対し、下記一般式
(1)で表されるフタルイミド化合物の存在下において
不飽和カルボン酸をグラフト重合させてカルボキシル基
を導入してなる改質ポリエステル繊維。 【化1】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボキシル基を
有する改質ポリエステル繊維およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維にカルボキシル基を導
入し改質することは、かなり古くから行われていて周知
のことである。例えば、繊維学会誌Vol.28,No
9(1972)「ポリエステル繊維に対するセリュウム
塩による親水性ビニルモノマーのグラフト重合」、同じ
く繊維学会誌 Vol.36,No10(1980)
「触媒によるポリエチレンテレフタレート繊維への1段
法グラフト重合」などに詳述されている。ポリエステル
繊維は高結晶性であり、分子配向性も良いのでカルボキ
シル基をもつ水溶性のビニルモノマーはそのままてはポ
リエステルの中に拡散して行くことが困難で、種々の膨
潤剤が用いられる。このようなものとしては、例えば、
フェノール、クレゾール、モノクロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、トリクロロベンゼン、ベンジルアルコー
ル、ニトロベンゼン、オルソフェニルフェノール、パラ
フェニルフェノール、メチルナフタレン、サリチル酸メ
チルなどが挙げられている。これらの膨潤剤はグラフト
重合に先立って別浴で処理する場合と、グラフト重合の
浴に同時に加えられる場合とがある。重合開始剤は第二
セリュム塩(Ce4)、ベンゾイルパーオキサイド、ク
ミルパーオキサイド、トリルパーオキサイド等がある。
ラジカルを発生させることの出来る水に溶けにくい過酸
化物が好ましく用いられている。従来、膨潤剤として最
も好ましく用いられているのは、クロロベンゼン(C.
B.)で、モノ−、ジ−及びトリ−クロロベンゼンの混
合物である。重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキ
サイド(B.P.O.)が最も好ましく用いられてい
る。C.B.もB.P.O.も水に溶けないので乳化剤
が必要である。C.B.及びB.P.O.を用いてアク
リル酸又はメククリル酸を工業的にグラフト重合させる
ことは十分可能であるが、この方法を用いてカルボキシ
ル基を導入したポリエステル繊維は加水分解され易く、
経時的に強度低下があり、実用化が困難であった。上記
の膨潤剤はいずれも同様な傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加水分解さ
れにくい、強度の経時的変化の少ないカルボキシル基の
導入された改質ポリエステル繊維及びその製造方法を提
供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を量ねた結果、本発明に到達し
た。即ち、本発明によれば、ポリエステル繊維に対し、
下記一般式(1)で表されるフタルイミド化合物の存在
下において不飽和カルボン酸をグラフト重合させてカル
ボキシル基を導入してなる改質ポリエステル繊維が提供
される。また、本発明によれば、下記一般式(1)で表
されるフタルイミド化合物、不飽和カルボン酸及び有機
過酸化物を含む水性浴中に、ポリエステル繊維を浸漬
し、該ポリエステル繊維に該不飽和カルボン酸をグラフ
ト重合させてカルボキル基を有する改質ポリエステル繊
維を生成させることを特徴とする改質ポリエステルの製
造方法が提供される。
【化3】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
示す。)
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において用いるポリエステ
ル繊維としては、従来公知の芳香族系及び脂肪族系のも
のを任意に用いることができる。脂肪族系のものは、生
分解性を有するので、その使用は地球環境の保全の点で
は好ましいものである。ポリエステル繊維は、フィラメ
ント、ステープルトウの他、織布、編布、不織布、フェ
ルト等の種々の形状であることができる。
【0006】本発明の改質ポリエステル繊維を製造する
には、ポリエステル繊維に対し、下記一般式(1)のフ
タルイミド化合物の存在下において、不飽和カルボン酸
をグラフト重合させる。
【化4】 前記式中、Rは水素又は炭素数1〜6、好ましくは1〜
3の低級アルキル基を示す。前記フタルイミド化合物
は、ポリエステル繊維に対する染色用キャリヤーとして
用いられているもので、「LEVEGAL PEW−
T」(Bayer社)や、「ダイキャリヤーTN−5
5」(大和化学工業社)等として入手することができ
る。
【0007】前記グラフト重合は、従来公知の方法によ
って実施することができる。例えば、ポリエステル繊維
を、フタルイミド化合物、有機過酸化物及び不飽和カル
ボン酸を含む水性浴液中に浸漬し、加熱処理する。フタ
ルイミド化合物の割合は、ポリエステル繊維100重量
部当り、3〜15重量部、好ましくは5〜12重量部で
ある。有機過酸化物としては、ラジカル重合に用いられ
ている各種のものが使用可能であるが、ベンゾイルパー
オキサイドの使用が好ましい。この有機過酸化物の割合
は、ポリエステル繊維100重量部当り、0.5〜5重
量部、好ましくは1〜3重量部である。不飽和カルボン
酸としては、従来公知の各種のものが使用可能である
が、アクリル酸やメタクリル酸、それらの混合物の使用
が好ましい。特に、本発明の場合、メタクリル酸が好ま
しい。この不飽和カルボン酸の割合は、ポリエステル繊
維100重量部当り、10〜50重量部、好ましくは2
0〜40重量部である。
【0008】本発明の処理浴は、水性処理浴であり、通
常、水が用いられるが、水と有機溶剤との混合液であっ
てもよい。この場合、処理浴とポリエステル繊維との重
量比は、1〜10、好ましくは1〜5である。
【0009】前記グラフト重合における反応温度は、通
常、95〜120℃、好ましくは100〜110℃であ
る。このグラフト重合を好ましく実施するには、フタル
イミド化合物、有機過酸化物、不飽和カルボン酸を含む
水性処理浴にポリエステル繊維を浸漬し、常温から徐々
に昇温して、95〜115℃、好ましくは100〜11
0℃において60分間程度反応させる。反応後、得られ
た改質ポリエステル繊維を良く水洗し、次いで、ノニオ
ン系界面活性剤としてのサンモールRC320や、アニ
オン系界面活性剤としてのサイゾル2E等を含む水性浴
中で、約100℃で30分程度洗浄する。
【0010】前記水性浴には、必要に応じ、乳化剤を添
加することができる。これにより、難水溶性のフタルイ
ミド化合物や有機過酸化物を水性浴中に均一分散させる
ことができる。
【0011】本発明で得られる改質ポリエステル繊維
は、不飽和カルボン酸がグラフト重合した構造のもの
で、カルボキシル基を有する。そのカルボキシル基の含
有量は、改質ポリエステル繊維100g当り、COOH
として、0.05〜0.4モル、好ましくは0.85〜
0.25モルの割合である。
【0012】本発明の改質ポリエステル繊維は、強度保
持性にすぐれたものである。クロロベンゼンの存在下で
不飽和カルボン酸でグラフト重合させた改質ポリエステ
ル繊維は、強度保持性が悪く、例えば、加速耐久性試験
(70℃、90%の相対湿度の条件に放置する試験)に
付したときに、1週間も経たずにその強度を失って、ボ
ロボロになる。これに対し、本発明の改質ポリエステル
繊維は、前記加速耐久性試験に付したときに、5週間後
でも強度の低下がわずかに起る程度である。
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0014】実施例1 ポリエステルフィラメント糸84T−72−B20A
(東レ株製)10gを界面活性剤:サイゾール2E(第
一工業製薬株製)1g/1を含む水性浴で60℃で10
分間精練した後、よく水洗する、次いで、フタルイミド
(LEVEGALPEW−T)(バイエル社製)1g、
過酸化ベンゾイル(ナイパーBW)(日本油脂社製)
0.2g、メタクリル酸2.4gを含む100mlの水
に該ポリエステルフィラメント糸を浸潰し常温より徐々
に昇温し105℃にて60分間処理する。生成物を良く
水洗し、次いでノニオン界面活性剤(サンモールRC3
20)(日華化学株製)3g/l及びアニオン界面活性
剤(サイゾル2E)3g/lを含む浴で100℃で30
分間洗浄する。
【0015】実施例2 試料をポリエステルステープル6.6T×64mmP8
88(株クラレ製)に変えた以外は実施例1と同様に実
験を行った。
【0016】実施例3 実施例1において、LEVEGAL PEW−Tをダイ
キャリヤーTN−55に変えた以外は同様に実験を行っ
た。
【0017】実施例4 実施例2において、LEVEGAL PEW−Tをダイ
キャリヤーTN−55に変えた以外は同様に実験を行っ
た。
【0018】比較例1 実施例1において、LEVEGAL PEW−Tを、ダ
イキャリヤーTBコンク(トリクロロベンゼンとo−ジ
クロロベンゼンとの混合物、大和化学工業株製)に変え
た以外は同様に実験を行った。
【0019】比較例2 実施例2において、LEVEGAL PEW−Tをダイ
キャリヤーTBコンクに変えた以外は同様に実験を行っ
た。
【0020】各実施例及び比較例により得られた改質ポ
リエステル繊維について、加速耐久性試験を行った。そ
の結果を表1に示す。この場合、その試験期間は5週間
である。
【0021】
【表1】
【0022】なお、表1に示した強力保持率は、フィラ
メントについてはショッパー型引張試験機を用いて、原
糸及び試験後の強力を求め、次式により算出した。 強力保持率=B/A×100(%) A:原糸の強力 B:試験後の糸の強力 また、ステープルについては、そのステープル束を両手
の指で引っ張りその感触で表した。
【0023】
【発明の効果】本発明の改質ポリエステル繊維は、その
強度(強力)の経時劣化が非常に小さいために、各種の
用途に有利に供することができる。本発明の改質ポリエ
ステル繊維は、カルボキシル基を有することから、消臭
効果を有するものである。また種々の金属イオンの吸着
も可能となる。銅や銀などを付着させることにより、抗
菌材料としても有用である。アルカリ、アルカリ土類金
属を付着させることにより、吸水吸湿材とすることがで
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維に対し、下記一般式
    (1) 【化1】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
    示す)で表されるフタルイミド化合物の存在下において
    不飽和カルボン酸をグラフト重合させてカルボキシル基
    を導入してなる改質ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化2】 (式中、Rは水素又は炭素数1〜6の低級アルキル基を
    示す)で表されるフタルイミド化合物、不飽和カルボン
    酸及び有機過酸化物を含む水性浴中に、ポリエステル繊
    維を浸漬し、該ポリエステル繊維に該不飽和カルボン酸
    をグラフト重合させてカルボキル基を有する改質ポリエ
    ステル繊維を生成させることを特徴とする改質ポリエス
    テルの製造方法。
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