JPH06128877A - 抗菌消臭性合成繊維 - Google Patents
抗菌消臭性合成繊維Info
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- JPH06128877A JPH06128877A JP4302854A JP30285492A JPH06128877A JP H06128877 A JPH06128877 A JP H06128877A JP 4302854 A JP4302854 A JP 4302854A JP 30285492 A JP30285492 A JP 30285492A JP H06128877 A JPH06128877 A JP H06128877A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 抗菌性と消臭性に富み，その性能の洗濯耐久
性に優れた合成繊維を提供する。 【構成】 繊維基材に対して酸性基を有するビニル系モ
ノマーのグラフト率が５×１０-4モル／グラム以上，４
×１０-3モル／グラム以下であり，かつ金属塩による酸
性基の水素イオンの置換率が９５％以下である抗菌消臭
性合成繊維。
性に優れた合成繊維を提供する。 【構成】 繊維基材に対して酸性基を有するビニル系モ
ノマーのグラフト率が５×１０-4モル／グラム以上，４
×１０-3モル／グラム以下であり，かつ金属塩による酸
性基の水素イオンの置換率が９５％以下である抗菌消臭
性合成繊維。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は，衛生衣料用に適した抗
菌性，消臭性を兼ね備えた合成繊維に関するものであ
り，さらに詳しくは，アンモニア臭に対する消臭性能を
兼ね備えたインナーウェアーに適した合成繊維に関する
ものである。
菌性，消臭性を兼ね備えた合成繊維に関するものであ
り，さらに詳しくは，アンモニア臭に対する消臭性能を
兼ね備えたインナーウェアーに適した合成繊維に関する
ものである。
【０００２】
【従来の技術】従来，抗菌性や消臭性に関する提案は，
それぞれの性能を有する有機，無機系の薬剤を繊維に充
填した，いわゆる素材機能タイプのものや，各々の薬剤
で後加工により機能を付与する後加工タイプのもの等，
多数行われている。
それぞれの性能を有する有機，無機系の薬剤を繊維に充
填した，いわゆる素材機能タイプのものや，各々の薬剤
で後加工により機能を付与する後加工タイプのもの等，
多数行われている。
【０００３】この中で，素材機能タイプのものは，ポリ
エステルやナイロン等の熱可塑性ポリマーに機能性セラ
ミックスを溶融混練する場合が多く，紡糸中のトラブル
が発生しやすかった。また，薬剤による後加工タイプの
ものは，洗濯耐久性が乏しかったり，洗濯耐久性を向上
させるために架橋剤を添加すると，風合硬化が生じると
いう問題があった。
エステルやナイロン等の熱可塑性ポリマーに機能性セラ
ミックスを溶融混練する場合が多く，紡糸中のトラブル
が発生しやすかった。また，薬剤による後加工タイプの
ものは，洗濯耐久性が乏しかったり，洗濯耐久性を向上
させるために架橋剤を添加すると，風合硬化が生じると
いう問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は，上記欠点を
解消するもので，優れた抗菌消臭性およびその洗濯耐久
性を有する合成繊維を提供することを技術的課題とする
ものである。
解消するもので，優れた抗菌消臭性およびその洗濯耐久
性を有する合成繊維を提供することを技術的課題とする
ものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは，上記課題
を解決するために鋭意研究した結果，酸性基を有するビ
ニル系モノマーを繊維にグラフト重合し，その酸性基を
金属塩で一部置換すると，優れた抗菌消臭性およびその
洗濯耐久性を有する合成繊維が得られることを見出し，
本発明に到達した。
を解決するために鋭意研究した結果，酸性基を有するビ
ニル系モノマーを繊維にグラフト重合し，その酸性基を
金属塩で一部置換すると，優れた抗菌消臭性およびその
洗濯耐久性を有する合成繊維が得られることを見出し，
本発明に到達した。
【０００６】すなわち本発明は，繊維構成分子に対して
酸性基を有するビニル系モノマーをグラフト重合してな
る合成繊維であって，酸性基を有するビニル系モノマー
のグラフト率が５×１０-4モル／グラム以上，４×１０
-3モル／グラム以下であり，かつ金属塩による酸性基の
水素イオンの置換率が９５％以下であることを特徴とす
る抗菌消臭性合成繊維を要旨とするものである。
酸性基を有するビニル系モノマーをグラフト重合してな
る合成繊維であって，酸性基を有するビニル系モノマー
のグラフト率が５×１０-4モル／グラム以上，４×１０
-3モル／グラム以下であり，かつ金属塩による酸性基の
水素イオンの置換率が９５％以下であることを特徴とす
る抗菌消臭性合成繊維を要旨とするものである。
【０００７】以下，本発明を詳細に説明する。
【０００８】本発明の抗菌消臭性合成繊維としては，ポ
リエステル系合成繊維，ポリアミド系合成繊維，ポリオ
レフィン系合成繊維等，あらゆる合成繊維を挙げること
ができるが，特に衣料用途としては，風合，染色性の面
から，ポリエステル系やポリアミド系の合成繊維が好ま
しい。
リエステル系合成繊維，ポリアミド系合成繊維，ポリオ
レフィン系合成繊維等，あらゆる合成繊維を挙げること
ができるが，特に衣料用途としては，風合，染色性の面
から，ポリエステル系やポリアミド系の合成繊維が好ま
しい。
【０００９】本発明では，酸性基を有するビニル系モノ
マーのグラフト率が５×１０-4モル／グラム以上，４×
１０-3モル／グラム以下であることが必要である。ここ
でいうモル／グラムとは，繊維の単位重量当たりの酸性
基を有するビニル系モノマーのグラフト量を表す単位を
意味するものである。このグラフト率が５×１０-4モル
／グラム未満では，十分な抗菌消臭性が得られず，ま
た，４×１０-3モル／グラムを超えると，繊維の物性低
下や染色不良等の問題が生じるので不適当である。
マーのグラフト率が５×１０-4モル／グラム以上，４×
１０-3モル／グラム以下であることが必要である。ここ
でいうモル／グラムとは，繊維の単位重量当たりの酸性
基を有するビニル系モノマーのグラフト量を表す単位を
意味するものである。このグラフト率が５×１０-4モル
／グラム未満では，十分な抗菌消臭性が得られず，ま
た，４×１０-3モル／グラムを超えると，繊維の物性低
下や染色不良等の問題が生じるので不適当である。
【００１０】酸性基を有するビニル系モノマーとして
は，アクリル酸，メタクリル酸，アリルスルホン酸，マ
レイン酸等を挙げることができるが，これらに限られる
ものではない。工業的にみると，重合速度が速いこと
や，グラフト処理が容易なことから，アクリル酸やメタ
クリル酸を用いるのが好ましい。
は，アクリル酸，メタクリル酸，アリルスルホン酸，マ
レイン酸等を挙げることができるが，これらに限られる
ものではない。工業的にみると，重合速度が速いこと
や，グラフト処理が容易なことから，アクリル酸やメタ
クリル酸を用いるのが好ましい。
【００１１】本発明では，上記グラフト率を満足し，か
つ金属塩による酸性基の水素イオンの置換率が９５％以
下であることが必要である。この置換率が９５％を超え
ると，アンモニアに対する消臭性能が低下するため不適
当である。
つ金属塩による酸性基の水素イオンの置換率が９５％以
下であることが必要である。この置換率が９５％を超え
ると，アンモニアに対する消臭性能が低下するため不適
当である。
【００１２】ここでいう金属塩としては，カリウム，ナ
トリウム等のアルカリ金属，マグネシウム，カルシウム
等のアルカリ土類金属等を挙げることができる。
トリウム等のアルカリ金属，マグネシウム，カルシウム
等のアルカリ土類金属等を挙げることができる。
【００１３】本発明の抗菌消臭性合成繊維は，次の方法
によって製造することができるが，本発明の抗菌消臭性
合成繊維としては，短繊維状，長繊維状，綿状，不織布
状，織物編物状のいずれの形態であってもよく，製造に
際しては，糸条，綿，不織布，織編物への性能付与のい
ずれも可能である。
によって製造することができるが，本発明の抗菌消臭性
合成繊維としては，短繊維状，長繊維状，綿状，不織布
状，織物編物状のいずれの形態であってもよく，製造に
際しては，糸条，綿，不織布，織編物への性能付与のい
ずれも可能である。
【００１４】まず，合成繊維に酸性基を有するビニル系
モノマーをグラフト重合するには，熱法，紫外線法，放
射線法のいずれかの方法を採用することができる。熱法
には，合成繊維にラジカル重合開始剤を吸尽させた後，
ビニル系モノマーと反応させる２段階法や，ラジカル重
合開始剤をビニル系モノマーと同浴で反応を行う１段階
法がある。
モノマーをグラフト重合するには，熱法，紫外線法，放
射線法のいずれかの方法を採用することができる。熱法
には，合成繊維にラジカル重合開始剤を吸尽させた後，
ビニル系モノマーと反応させる２段階法や，ラジカル重
合開始剤をビニル系モノマーと同浴で反応を行う１段階
法がある。
【００１５】前者の２段階法の場合には，まず，過酸化
水素，過酸化ベンゾイル，過硫酸カリウム，過硫酸ナト
リウム，過硫酸アンモニウム等のラジカル重合開始剤を
用い，これらの溶液を，使用する合成繊維のガラス転移
温度より２０℃以上高い温度で，１５〜３０分間吸尽処
理を行う。続いて，ビニル系モノマーをラジカル重合開
始剤の有効温度以上で接触させることにより，グラフト
重合を行うことができる。
水素，過酸化ベンゾイル，過硫酸カリウム，過硫酸ナト
リウム，過硫酸アンモニウム等のラジカル重合開始剤を
用い，これらの溶液を，使用する合成繊維のガラス転移
温度より２０℃以上高い温度で，１５〜３０分間吸尽処
理を行う。続いて，ビニル系モノマーをラジカル重合開
始剤の有効温度以上で接触させることにより，グラフト
重合を行うことができる。
【００１６】後者の１段階法の場合には，前記ラジカル
重合開始剤とビニル系モノマーの混合溶液中に合成繊維
を投入し，ガラス転移温度より２０℃以上高い温度で，
かつ用いるラジカル重合開始剤の有効温度以上で処理す
ることにより，グラフト重合を行うことができる。この
とき，１段階法の場合ラジカル重合開始剤とビニル系モ
ノマーが共存しているため，グラフト重合に関与しない
ホモポリマーが生成しやすくなるので，適宜重合禁止剤
を添加することが好ましい。
重合開始剤とビニル系モノマーの混合溶液中に合成繊維
を投入し，ガラス転移温度より２０℃以上高い温度で，
かつ用いるラジカル重合開始剤の有効温度以上で処理す
ることにより，グラフト重合を行うことができる。この
とき，１段階法の場合ラジカル重合開始剤とビニル系モ
ノマーが共存しているため，グラフト重合に関与しない
ホモポリマーが生成しやすくなるので，適宜重合禁止剤
を添加することが好ましい。
【００１７】紫外線法では，熱法のラジカル重合開始剤
を光重合開始剤に，また，熱を紫外線に置き換えること
によって，２段階法や１段階法を採用することができ
る。具体的には，光重合開始剤として，過酸化ベンゾイ
ル，ベンゾイン，ベンゾフェノン及びこれらの誘導体を
一般的に用いることができ，ビニル系モノマー存在下で
中心発光波長が３６５mmの紫外線エネルギーを１０〜１
０００ｍＪ／cm2 照射することにより，グラフト重合を
行うことができる。
を光重合開始剤に，また，熱を紫外線に置き換えること
によって，２段階法や１段階法を採用することができ
る。具体的には，光重合開始剤として，過酸化ベンゾイ
ル，ベンゾイン，ベンゾフェノン及びこれらの誘導体を
一般的に用いることができ，ビニル系モノマー存在下で
中心発光波長が３６５mmの紫外線エネルギーを１０〜１
０００ｍＪ／cm2 照射することにより，グラフト重合を
行うことができる。
【００１８】放射線法を用いる場合，繊維加工用として
は高線量率の電子線を使用することが好ましく，そのた
めにはモノマー存在下で繊維に放射線を照射する同時照
射法と，繊維に放射線を照射した後モノマー液やガスと
接触させる前照射法を挙げることができる。具体的に
は，加速電圧５０〜５００キロボルト，照射線量０.5〜
５０メガラッドの電子線照射条件を採用すればよい。ま
た，付与するモノマー温度は，用いる繊維のガラス転移
温度以下でもグラフト重合反応は起こるが，処理効率面
を勘案すると，ガラス転移温度近傍の温度で行うのが最
適である。
は高線量率の電子線を使用することが好ましく，そのた
めにはモノマー存在下で繊維に放射線を照射する同時照
射法と，繊維に放射線を照射した後モノマー液やガスと
接触させる前照射法を挙げることができる。具体的に
は，加速電圧５０〜５００キロボルト，照射線量０.5〜
５０メガラッドの電子線照射条件を採用すればよい。ま
た，付与するモノマー温度は，用いる繊維のガラス転移
温度以下でもグラフト重合反応は起こるが，処理効率面
を勘案すると，ガラス転移温度近傍の温度で行うのが最
適である。
【００１９】上述のごとくして，合成繊維に酸性基を有
するビニル系モノマーを５×１０-4〜４×１０-3モル／
グラム導入した後，本発明では，カリウム，カルシウ
ム，ナトリウム，マグネシウム等の炭酸塩，アンモニウ
ム塩，硫酸塩等の水溶液を用いて，液中処理，パッド−
ドライ処理，パッド−スチーム処理のいずれかの方法を
採用して，導入された酸性基の水素イオンを金属塩によ
り９５％以下の範囲で置換する。例えば，液中処理で
は，液温５０〜８０℃，金属塩濃度0.５〜２％，処理時
間１５〜６０分の範囲で適宜条件を設定する。本発明で
は，上記水素イオンのすべてを金属塩で置換すると，消
臭性能が低下するので，採用する繊維や金属塩の性質お
よびグラフト量に応じて適当な条件を実験により適宜決
定する必要がある。
するビニル系モノマーを５×１０-4〜４×１０-3モル／
グラム導入した後，本発明では，カリウム，カルシウ
ム，ナトリウム，マグネシウム等の炭酸塩，アンモニウ
ム塩，硫酸塩等の水溶液を用いて，液中処理，パッド−
ドライ処理，パッド−スチーム処理のいずれかの方法を
採用して，導入された酸性基の水素イオンを金属塩によ
り９５％以下の範囲で置換する。例えば，液中処理で
は，液温５０〜８０℃，金属塩濃度0.５〜２％，処理時
間１５〜６０分の範囲で適宜条件を設定する。本発明で
は，上記水素イオンのすべてを金属塩で置換すると，消
臭性能が低下するので，採用する繊維や金属塩の性質お
よびグラフト量に応じて適当な条件を実験により適宜決
定する必要がある。
【００２０】
【作 用】本発明の抗菌消臭性合成繊維のごとく，酸性
基を有するビニル系モノマーを繊維にグラフト重合する
と，導入されたモノマーの酸性基がアンモニアを取り込
むので，アンモニアに対する消臭性能が発揮されるよう
になり，一方，導入された酸性基の水素イオンの一部を
金属イオンで置換すると，金属イオンが菌の繁殖を抑制
するので，繊維が抗菌性能を発揮するようになる。従来
の抗菌防臭性布帛では，菌の繁殖に伴う悪臭の発生を，
布帛のもつ抗菌性能で菌の繁殖を抑制することにより，
結果的に悪臭の発生を防ぐことができるというものであ
った。これに対して本発明の抗菌消臭性合成繊維は，そ
れ自体が悪臭の成分，特にアンモニア臭を消す作用を有
している。本発明では，繊維に機能性モノマーをグラフ
ト重合しているため，経時的な性能低下がなく，また，
洗濯による性能低下もまったくないものとなる。
基を有するビニル系モノマーを繊維にグラフト重合する
と，導入されたモノマーの酸性基がアンモニアを取り込
むので，アンモニアに対する消臭性能が発揮されるよう
になり，一方，導入された酸性基の水素イオンの一部を
金属イオンで置換すると，金属イオンが菌の繁殖を抑制
するので，繊維が抗菌性能を発揮するようになる。従来
の抗菌防臭性布帛では，菌の繁殖に伴う悪臭の発生を，
布帛のもつ抗菌性能で菌の繁殖を抑制することにより，
結果的に悪臭の発生を防ぐことができるというものであ
った。これに対して本発明の抗菌消臭性合成繊維は，そ
れ自体が悪臭の成分，特にアンモニア臭を消す作用を有
している。本発明では，繊維に機能性モノマーをグラフ
ト重合しているため，経時的な性能低下がなく，また，
洗濯による性能低下もまったくないものとなる。
【００２１】
【実施例】以下，本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが，実施例における布帛の性能の測定，評価は，
次の方法で行った。
明するが，実施例における布帛の性能の測定，評価は，
次の方法で行った。
【００２２】（１）抗菌性 繊維製品衛生加工協議会の菌数測定法に準じて，次の方
法で行った。まず，一辺約１８mmの正方形の試料片約0.
２ｇを重ねて滅菌ビンへ入れ，フタを開けた状態でオー
トクレーブで滅菌した。次に，菌懸濁液0.２ミリリット
ルを試料片へ滴下し，黄色ブドウ状球菌を試料片へ均一
に移植させた後，直ちに３７℃にて１８時間培養し，こ
のときの生菌数Ｂを計測し，続いて，同条件で１８時間
培養したときの生菌数Ｃを計測した。ここで，次式によ
り生菌数Ｂ，Ｃの対数の差により増減値差を算出し，こ
の増減値差が1.６を超えるものをもって抗菌性能ありと
評価した。 増減値差＝log Ｂ−log Ｃ
法で行った。まず，一辺約１８mmの正方形の試料片約0.
２ｇを重ねて滅菌ビンへ入れ，フタを開けた状態でオー
トクレーブで滅菌した。次に，菌懸濁液0.２ミリリット
ルを試料片へ滴下し，黄色ブドウ状球菌を試料片へ均一
に移植させた後，直ちに３７℃にて１８時間培養し，こ
のときの生菌数Ｂを計測し，続いて，同条件で１８時間
培養したときの生菌数Ｃを計測した。ここで，次式によ
り生菌数Ｂ，Ｃの対数の差により増減値差を算出し，こ
の増減値差が1.６を超えるものをもって抗菌性能ありと
評価した。 増減値差＝log Ｂ−log Ｃ
【００２３】（２）消臭性（バッグ法） テドラーバッグ内に試験片１ｇおよびアンモニアガス９
００ppm を封入し，３時間経過後，臭気ガスの濃度をガ
ス検知管にて計測し，消臭率９０％以上をもって消臭性
能ありと判定した。
００ppm を封入し，３時間経過後，臭気ガスの濃度をガ
ス検知管にて計測し，消臭率９０％以上をもって消臭性
能ありと判定した。
【００２４】（３）水素イオン置換率 ナトリウム塩化処理による水素イオン置換率は，次式に
よって算出した。なお，重量の実測には，すべて１０５
℃，１時間の絶乾重量を用いた。 置換率（％）＝（Ｗm−Ｗo）／（Ｗc−Ｗo）×１００ Ｗo ： 基材に付加したビニル系モノマーのグラフト重
量（ｇ） Ｗc ： 付加したビニル系モノマーを１００％金属塩で
置換した場合のグラフト重量（ｇ） Ｗm ： 付加したビニル系モノマーを金属塩で置換処理
した後の実測グラフト重量（ｇ）
よって算出した。なお，重量の実測には，すべて１０５
℃，１時間の絶乾重量を用いた。 置換率（％）＝（Ｗm−Ｗo）／（Ｗc−Ｗo）×１００ Ｗo ： 基材に付加したビニル系モノマーのグラフト重
量（ｇ） Ｗc ： 付加したビニル系モノマーを１００％金属塩で
置換した場合のグラフト重量（ｇ） Ｗm ： 付加したビニル系モノマーを金属塩で置換処理
した後の実測グラフト重量（ｇ）
【００２５】実施例１ 経糸，緯糸ともにナイロン６フィラメント７０ｄ／２４
ｆからなるタフタに，加速電圧１６０kv，５メガラッド
の電子線照射を行った後，メタクリル酸５％水溶液に１
０分間浸漬した。このときのタフタのグラフト率は，2.
３×１０-3モル／グラムであった。次に，炭酸ナトリウ
ム１％水溶液（液温８０℃）中に２５分間浸漬してナト
リウム塩化処理を行い，本発明の抗菌消臭性織物を得
た。このときの水素イオン置換率は９０％であった。
ｆからなるタフタに，加速電圧１６０kv，５メガラッド
の電子線照射を行った後，メタクリル酸５％水溶液に１
０分間浸漬した。このときのタフタのグラフト率は，2.
３×１０-3モル／グラムであった。次に，炭酸ナトリウ
ム１％水溶液（液温８０℃）中に２５分間浸漬してナト
リウム塩化処理を行い，本発明の抗菌消臭性織物を得
た。このときの水素イオン置換率は９０％であった。
【００２６】本発明との比較のため，本実施例において
ナトリウム塩化処理時間２５分に代えて３５分とするほ
かは，本実施例とまったく同一の方法により，水素イオ
ン置換率９８％の比較用の抗菌消臭性織物（比較例１）
を得た。
ナトリウム塩化処理時間２５分に代えて３５分とするほ
かは，本実施例とまったく同一の方法により，水素イオ
ン置換率９８％の比較用の抗菌消臭性織物（比較例１）
を得た。
【００２７】実施例２ 経糸，緯糸ともにポリエステルフィラメント７５ｄ／３
６ｆからなるタフタに，加速電圧２００kv，２０メガラ
ッドの電子線照射を行った後，アクリル酸５０％水溶液
（液温７０℃）に１５分間浸漬した。このときのグラフ
ト率は，8.５×１０-4モル／グラムであった。次に，炭
酸ナトリウム１％水溶液（液温８０℃）中に２５分間浸
漬してナトリウム塩化処理を行い，本発明の抗菌消臭性
織物を得た。このときの水素イオン置換率は９２％であ
った。
６ｆからなるタフタに，加速電圧２００kv，２０メガラ
ッドの電子線照射を行った後，アクリル酸５０％水溶液
（液温７０℃）に１５分間浸漬した。このときのグラフ
ト率は，8.５×１０-4モル／グラムであった。次に，炭
酸ナトリウム１％水溶液（液温８０℃）中に２５分間浸
漬してナトリウム塩化処理を行い，本発明の抗菌消臭性
織物を得た。このときの水素イオン置換率は９２％であ
った。
【００２８】本発明との比較のため，本実施例において
アクリル酸水溶液の浸漬時間１５分間に代えて５分間と
するほかは，本実施例と全く同一の方法により，水素イ
オン置換率９３％の比較用の抗菌消臭性織物（比較例
２）を得た。
アクリル酸水溶液の浸漬時間１５分間に代えて５分間と
するほかは，本実施例と全く同一の方法により，水素イ
オン置換率９３％の比較用の抗菌消臭性織物（比較例
２）を得た。
【００２９】上述の方法で得られた本発明の実施例１，
２および比較例１，２の抗菌性，消臭性を測定，評価
し，その結果を表１に示した。
２および比較例１，２の抗菌性，消臭性を測定，評価
し，その結果を表１に示した。
【００３０】
【表１】
【００３１】表１より明らかなように，本発明の構成要
件を満足する実施例１および実施例２の織物は，高い抗
菌，消臭性を有しており，衛生衣料品として有効である
ことを示していた。
件を満足する実施例１および実施例２の織物は，高い抗
菌，消臭性を有しており，衛生衣料品として有効である
ことを示していた。
【００３２】一方，グラフト率は満足していても置換率
の低い比較例１は，抗菌性には優れているものの，消臭
性は低いものであった。また，比較例２の如くグラフト
率が低ければ，例え置換率は高くても，抗菌性，消臭性
の両性能とも満足するものは得られなかった。
の低い比較例１は，抗菌性には優れているものの，消臭
性は低いものであった。また，比較例２の如くグラフト
率が低ければ，例え置換率は高くても，抗菌性，消臭性
の両性能とも満足するものは得られなかった。
【００３３】表には示していないが，グラフト率が４×
１０-3モル／グラムを超えるものは，風合が粗剛で，実
用に適さないものであった。さらに，本発明の実施例
１，２の織物は，家庭洗濯５０回後もまったく性能低下
のない優れた洗濯耐久性を示していた。
１０-3モル／グラムを超えるものは，風合が粗剛で，実
用に適さないものであった。さらに，本発明の実施例
１，２の織物は，家庭洗濯５０回後もまったく性能低下
のない優れた洗濯耐久性を示していた。
【００３４】
【発明の効果】本発明によれば，優れた抗菌性と消臭性
を有する合成繊維を得ることができる。本発明の抗菌消
臭性合成繊維は，優れた抗菌消臭性を示すため，衛生衣
料として有効に用いることができる。さらに，本発明で
用いるビニル系モノマーは，繊維基材にグラフト重合し
ているため，極めて高い耐洗濯性を発揮する。
を有する合成繊維を得ることができる。本発明の抗菌消
臭性合成繊維は，優れた抗菌消臭性を示すため，衛生衣
料として有効に用いることができる。さらに，本発明で
用いるビニル系モノマーは，繊維基材にグラフト重合し
ているため，極めて高い耐洗濯性を発揮する。
Claims (1)
- 【請求項１】 繊維構成分子に対して酸性基を有するビ
ニル系モノマーをグラフト重合してなる合成繊維であっ
て，酸性基を有するビニル系モノマーのグラフト率が５
×１０-4モル／グラム以上，４×１０-3モル／グラム以
下であり，かつ金属塩による酸性基の水素イオンの置換
率が９５％以下であることを特徴とする抗菌消臭性合成
繊維。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4302854A JPH06128877A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 抗菌消臭性合成繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4302854A JPH06128877A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 抗菌消臭性合成繊維 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06128877A true JPH06128877A (ja) | 1994-05-10 |
Family
ID=17913900
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4302854A Pending JPH06128877A (ja) | 1992-10-14 | 1992-10-14 | 抗菌消臭性合成繊維 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06128877A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000001468A1 (en) * | 1998-07-03 | 2000-01-13 | Scimat Limited | A gas filter element |
| KR100533200B1 (ko) * | 1998-07-23 | 2005-12-05 | 도요 보세키 가부시키가이샤 | 개질 소수성 섬유 제품 |
| WO2010147165A1 (ja) | 2009-06-16 | 2010-12-23 | 積水化学工業株式会社 | Ｒｎａウイルス感染阻止剤、ｒｎａウイルス感染阻止方法、ｒｎａウイルス感染阻止製品及びｒｎａウイルス感染阻止剤としての使用 |
| JP2020041233A (ja) * | 2018-09-11 | 2020-03-19 | 東洋紡Ｓｔｃ株式会社 | 抗菌繊維 |
-
1992
- 1992-10-14 JP JP4302854A patent/JPH06128877A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US8444961B2 (en) | 2009-06-16 | 2013-05-21 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | RNA virus infection inhibitor, method for inhibition of infection by RNA virus, RNA virus infection-inhibiting product, and use as RNA virus infection inhibitor |
| JP2020041233A (ja) * | 2018-09-11 | 2020-03-19 | 東洋紡Ｓｔｃ株式会社 | 抗菌繊維 |
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