JP2013155464A - 機能性布帛の製造方法及びその機能性布帛 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合され塩基性ガス消臭機能が付与された糸を含む機能性布帛、また、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合され酸性ガス消臭機能が付与された糸を含む機能性布帛、さらに、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、発熱機能が付与された糸を含む機能性布帛、そして、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を含む機能性布帛の製造方法。
【選択図】なし
Description
酸性ガス消臭機能が付与された糸を含むので、消臭性能に優れるとともに、アミノ基は繊維と共有結合しているため耐久性にも優れた機能性布帛を製造できる。
照射する電子線の量は、10kGy〜300kGyの範囲に設定するのが好ましい。照射量が10kGy以上であることでグラフト重合に必要な量のラジカルが得られる。300kGy以下であることで糸を構成する繊維の主鎖の切断を防止でき、糸の物性の低下を抑制することができる。電子線照射で生成されたラジカルが失活しないように不活性雰囲気で行う。具体例としては、密閉状態の空間内の酸素濃度を可能な限り低くした状態や、空気を窒素によって置換した雰囲気等を挙げることができる。
接触工程では、糸にラジカル重合性モノマーを接触させる。糸にラジカル重合性モノマーを接触させる方法としては、公知の方法を用いれば良く、例えばディップ法、コーティング法、スプレー法を挙げることができる。ラジカル重合性モノマーを水と低級アルコール等の溶媒に希釈した希釈溶液を、ディップ法、コーティング法、スプレー法などで糸に接触させる。前記希釈溶液中のラジカル重合性モノマーの濃度は、1〜70質量%とするのが良い。糸に対する前記ラジカル重合性モノマーの付着量は、糸100質量部に対し、0.5〜50質量部に設定するのが好ましい。
グラフト重合工程では、糸を加熱することによってラジカル重合性モノマーを糸にグラフト重合させる。加熱温度は、80℃〜140℃の範囲に設定するのが好ましい。80℃以上とすることで重合速度が大きくなり十分なグラフト率を得ることができるとともに、140℃以下とすることでグラフト鎖同士の結合により重合の停止反応が起こることを抑制することができる。中でも、グラフト重合工程では糸を100℃〜120℃の範囲に加熱するのが好ましい。
333dtex144フィラメントのポリエステル糸に100kGyの電子線を照射した(電子線照射工程)。次に、ポリエステル糸にディップ法でラジカル重合性モノマー(5質量%のアクリル酸水溶液)に接触させ、ポリエステル糸の表面にラジカル重合性モノマーを付着させた(接触工程)。続いて、120℃で加熱しラジカル重合成モノマーをポリエステル糸にグラフト重合させた(グラフト重合工程)。上述の電子線照射工程、接触工程、グラフト重合工程を窒素雰囲気(酸素濃度400ppm)のもと連続で実施した。次に、前記グラフト工程を経て得られたポリエステル糸を80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥し塩基性ガス消臭糸を得た。
333dtex144フィラメントのポリエステル糸に100kGyの電子線を照射した(電子線照射工程)。次に、ポリエステル糸にディップ法でラジカル重合性モノマー(5質量%のN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド水溶液)に接触させ、ポリエステル糸の表面にラジカル重合性モノマーを付着させた(接触工程)。続いて、120℃で加熱しラジカル重合成モノマーをポリエステル糸にグラフト重合させた(グラフト重合工程)。上述の電子線照射工程、接触工程、グラフト重合工程を窒素雰囲気(酸素濃度400ppm)のもと連続で実施した。次に、前記グラフト工程を経て得られたポリエステル糸を80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥し酸性ガス消臭糸を得た。
上述の糸Aを公知の方法で巻き上げたチーズを、2質量%のNa2CO3水溶液に80℃で30分間接触させ、80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥し帯電防止・吸湿・吸湿発熱糸を得た。
上述の糸Aを公知の方法で巻き上げたチーズを、0.5質量%の硝酸銀水溶液に23℃で60分間接触させ、80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥し抗菌糸を得た。
経糸に糸A、緯糸に糸Bを用いて、公知の方法で平織物(密度:縦糸63本/インチ、緯糸58本/インチ)を製織し、機能性布帛を得た。
実施例1において、経糸、緯糸にそれぞれ用いる糸を替えて、実施例1と同様にして機能性布帛を得た。用いる糸の組み合わせを表1に記した。
実施例1において、電子線照射を施していない333dtex144フィラメントのポリエステル糸を用いた以外は、実施例1と同様にして布帛を得た。
<消臭糸>・・・糸E
水100質量部に、ケイ酸アルミニウム1質量部、酸化亜鉛1.5質量部、ジエチレントリアミンを3質量%坦持した多孔質二酸化ケイ素を2質量部、そしてアクリル系バインダー(東亞合成株式会社製KB4900、固形分45質量%)を5質量部添加し攪拌した処理液を、333dtex144フィラメントのポリエステル糸にディップコーティングし、120℃で乾燥させて消臭糸を得た。
<吸湿糸>・・・糸F
水100質量部にポリアクリル酸ナトリウム2質量部、アクリル系バインダー(東亞合成株式会社製KB4900、固形分45質量%)を2質量部添加し攪拌した処理液を、333dtex144フィラメントのポリエステル糸にディップコーティングし、120℃で乾燥させて吸湿糸を得た。
<抗菌糸>・・・糸G
水100質量部に2質量%の銀を坦持したゼオライト2質量%、アクリル系バインダー(東亞合成株式会社製KB4900、固形分45質量%)を2質量部添加し攪拌した処理液を、333dtex144フィラメントのポリエステル糸にディップコーティングし、120℃で乾燥させて抗菌糸を得た。
試験布帛片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、1時間経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
アンモニアガスに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が200ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして酢酸の除去率(%)を算出した。
京大式ロータリースタティックテスターを用いてJIS L1094の5.2B法に準拠して試験を行った。摩擦布には、JIS L0803に規定される羊毛白布1号及びポリエステル白布10号を使用し、摩擦布張力6.37Nにて試験片を摩擦し、摩擦開始から3分後の帯電圧(V)を測定した(試験環境条件:20℃、30%RH)。帯電圧(V)が2000V以下を合格とした。
温度上昇測定・・・・乾燥温度120℃で30分行った後、デシケーターにいれ、20℃で放冷し1時間後20℃、湿度90%の環境下でサーモグラフによって測定し最大の値を温度上昇値とした。2℃より大きいものを合格とした。
官能評価・・・・・・電子線照射を実施していない織物(比較例1)を手で触れた感触を基準に、温かいと感じるかどうかを一対比較法で評価し、被験者数を10人とし、80%以上の人が温かいと感じたものを合格とした(気温20℃、湿度30%の室内にて評価)。
120℃で2時間乾燥させた後の布帛の重量(A)を測定し、その後20℃で24時間放置した後の布帛の重量(B)を測定し、次の計算式から水分率(%)を算出した。水分率(%)が5%以上を合格とした。
水分率(%)=(B−A)/A×100
繊維製品の抗菌試験方法JIS L1902統一法に準拠して抗菌性能を評価した。試験菌体としては黄色ブドウ球菌を用いた。減菌試験布に前記試験菌体を注加し、18時間培養した後の生菌数を計測し、殖菌数に対する生菌数を求め、次ぎの基準に従った。即ちlog(B/A)>1.5の条件下log(B/C)を静菌活性値とし、これが2.2以上である場合を合格とした。但し、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数をそれぞれ表す。
Claims (7)
- 繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合され塩基性ガス消臭機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
- 繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合され酸性ガス消臭機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
- 繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
- 繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
- 前記ラジカル重合性モノマーがグラフト重合される糸が、ポリエステル糸である請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性布帛の製造方法。
- 前記ポリエステル糸に電子線を照射する電子線照射工程と、前記ポリエステル糸にラジカル重合性モノマーを接触させる接触工程と、前記接触工程後の前記ポリエステル糸を80℃〜140℃の範囲の温度で加熱することで、前記ラジカル重合性モノマーを前記ポリエステル糸に重合させるグラフト重合工程と、を含み、前記電子線照射工程、前記接触工程及び前記グラフト重合工程が不活性雰囲気で連続で実施された請求項5に記載の機能性布帛の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた機能性布帛。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015214735A (ja) * | 2014-05-13 | 2015-12-03 | 住江織物株式会社 | メッキ繊維及びその製造方法 |
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2012
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