JP2013155464A - 機能性布帛の製造方法及びその機能性布帛 - Google Patents

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修一 源中
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Abstract

【課題】消臭機能並びに帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能並びに抗菌機能が付与され各機能の性能耐久性に優れた機能性布帛の製造方法を提供する。
【解決手段】繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合され塩基性ガス消臭機能が付与された糸を含む機能性布帛、また、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合され酸性ガス消臭機能が付与された糸を含む機能性布帛、さらに、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、発熱機能が付与された糸を含む機能性布帛、そして、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を含む機能性布帛の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、布帛を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーがグラフト重合処理され、消臭機能、帯電防止機能、吸湿機能、発熱機能、抗菌機能が付与され各機能の性能耐久性に優れた機能性布帛の製造方法に関する。
従来から、糸の改質を行う技術は数多く提案されており、その中の一方法としてグラフト重合反応により機能性を付与する方法が公知である。
特許文献1には、放射線グラフト重合を用いて、重合性ビニルモノマーをグラフト重合させることにより種々の機能が導入された糸状又は綿塊状繊維物質を用いた繊維製品を得ることが記載されている。
特開2002−339187号公報
しかしながら、上述のような方法による反応では、例えば目標グラフト率にもよるがポリエステル繊維と綿の混紡糸のようにラジカル生成の比較的しにくいポリエステル繊維と、ラジカル生成の比較的し易い綿とを組み合わせるなど工夫が必要であると思われる。すなわち、ラジカル生成の比較的しにくい汎用繊維であるポリエステル繊維等においては、ラジカルの安定性が十分とは言えず、ポリエステル繊維100%からなる糸に機能性を付与するには必ずしも十分とは言えなかった。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合され塩基性ガス消臭機能が付与された糸を含む機能性布帛、また、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合され酸性ガス消臭機能が付与された糸を含む機能性布帛、さらに、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、発熱機能が付与された糸を含む機能性布帛、そして、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を含む機能性布帛の製造方法を提供することを目的とする。このようにして、優れた耐久性を有する機能性布帛を得ることができる。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合され塩基性ガス消臭機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
[2]繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合され酸性ガス消臭機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
[3]繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
[4]繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
[5]前記ラジカル重合性モノマーがグラフト重合される糸が、ポリエステル糸である請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性布帛の製造方法。
[6]前記ポリエステル糸に電子線を照射する電子線照射工程と、前記ポリエステル糸にラジカル重合性モノマーを接触させる接触工程と、前記接触工程後の前記ポリエステル糸を80℃〜140℃の範囲の温度で加熱することで、前記ラジカル重合性モノマーを前記ポリエステル糸に重合させるグラフト重合工程と、を含み、前記電子線照射工程、前記接触工程及び前記グラフト重合工程が不活性雰囲気で連続で実施された請求項5に記載の機能性布帛の製造方法。
[7]請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた機能性布帛。
[1]の発明では、繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合されるので、例えばアンモニアやアミン等の塩基性ガスを吸着することができる。すなわち、塩基性ガス消臭機能が付与された糸を含むので、消臭性能に優れるとともに、カルボキシル基またはスルホン酸基は繊維と共有結合しているため耐久性にも優れた機能性布帛を製造できる。
[2]の発明では、繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合されるので、例えば酢酸やイソ吉草酸等の酸性ガスを吸着することができる。すなわち、
酸性ガス消臭機能が付与された糸を含むので、消臭性能に優れるとともに、アミノ基は繊維と共有結合しているため耐久性にも優れた機能性布帛を製造できる。
[3]の発明では、繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能が付与された糸を含むので、帯電防止性能、吸湿性能、及び発熱機能性能に優れるとともに耐久性にも優れた機能性布帛を製造できる。
[4]の発明では、繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を含むので、抗菌性能に優れるとともに耐久性にも優れた機能性布帛を製造できる。
[5]の発明では、前記ラジカル重合性モノマーがグラフト重合される糸が、ポリエステル糸であるので、従来から耐久性の要求される用途に広く用いられ、適用範囲の広い機能性布帛を製造できる。
[6]の発明では、ポリエステル糸に電子線を照射することでラジカルを形成し、該電子線照射後のポリエステル糸にラジカル重合性モノマーを接触させて80℃〜140℃の範囲の温度で加熱することでラジカル重合性モノマーをポリエステル糸に十分にグラフト重合させることができる。電子線照射工程、接触工程及びグラフト重合工程を不活性雰囲気で連続で行うことで、電子線照射によって生成したラジカルの失活が抑制されるので、高いグラフト率のポリエステル糸を得ることができる。
[7]の発明では、塩基性ガス消臭機能、酸性ガス消臭機能、帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能、抗菌機能の求められる要求に応じて機能を選択できるとともに、各機能の耐久性に優れた機能性布帛が提供される。
本発明に係る機能性布帛の製造方法によれば、繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合され塩基性ガス消臭機能が付与された糸を含む機能性布帛を提供できる。
また、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合され酸性ガス消臭機能が付与された糸を含む機能性布帛を提供できる。
さらに、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、発熱機能が付与された糸を含む機能性布帛を提供できる。
そして、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を含む機能性布帛の製造方法を提供できる。
このようにして、上述の機能の中から求められる要求に応じて機能を選択できるとともに、各機能の耐久性に優れた機能性布帛を製造できる。
本発明に係る機能性布帛の製造方法によれば、ポリエステル糸に電子線を照射する電子線照射工程と、前記ポリエステル糸にラジカル重合性モノマーを接触させる接触工程と、前記接触工程後の前記ポリエステル糸を80℃〜140℃の範囲の温度で加熱することで、前記ラジカル重合性モノマーを前記ポリエステル糸に重合させるグラフト重合工程と、を含み、前記電子線照射工程、前記接触工程及び前記グラフト重合工程が不活性雰囲気で連続で実施されたポリエステル糸を少なくとも一部に含む機能性布帛の製造方法を提供できる。
本発明に係る機能性布帛の製造方法によれば、ポリエステル糸に電子線を照射することでラジカルを形成し、該電子線照射後のポリエステル糸にラジカル重合性モノマーを接触させて80℃〜140℃の範囲の温度で加熱することでラジカル重合性モノマーをポリエステル糸に十分にグラフト重合させることができる。電子線照射工程、接触工程及びグラフト重合工程を不活性雰囲気で連続で行うことで、電子線照射によって生成したラジカルの失活が抑制されるので、高いグラフト率のポリエステル糸を少なくとも一部に含む機能性布帛を得ることができる。このようにして、従来から耐久性の要求される用途に広く用いられ、適用範囲の広い機能性布帛の製造方法を提供できる。
本発明において、布帛を構成する糸の素材としては特に限定されるものではなく、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維等の繊維からなるもの等を好適に使用でき、その他麻、綿、羊毛等の天然繊維からなるもの等も使用できる。なかでも、ポリエステル繊維は、従来から耐久性の要求される用途に広く用いられているので、適用範囲が広く好ましい。
本発明における布帛の形態としては特に限定はされなく、例えば、織物、編物、パイル織編物等を挙げることができる。織機、編機等公知の方法を用いて、布帛とすることができる。上述の機能が付与された糸を少なくとも一部に使用して、製織あるいは製編すればよい。
ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合され塩基性ガス消臭機能が付与された糸を少なくとも一部に使用して、製織あるいは製編すれば塩基性ガス消臭機能を有する布帛を製造することができ、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合され酸性ガス消臭機能が付与された糸を少なくとも一部に使用して、製織あるいは製編すれば酸性性ガス消臭機能を有する布帛を製造することができ、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能が付与された糸を少なくとも一部に使用して、製織あるいは製編すれば帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能を有する布帛を製造することができ、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を少なくとも一部に使用して、製織あるいは製編すれば抗菌機能を有する布帛を製造することができる。
さらに、例えば塩基性ガス消臭機能が付与された糸と酸性ガス消臭機能が付与された糸を交互にたて糸に使用し、帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能が付与された糸と抗菌機能が付与された糸とを緯糸に使用して平織組織で製織するなど要求に合わせて適宜組み合わせることができるので、各種用途に広く用いることができる。
前記ラジカル重合性モノマーとしては、塩基性ガス消臭機能付与にはラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基を有することが必要であり、アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などを挙げることができる。また、酸性ガス消臭機能付与にはラジカル重合性モノマーとしてアミノ基を有することが必要であり、N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどを挙げることができる。さらに、帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能付与には、アルカリ金属塩処理に先立ってラジカル重合性モノマーとして、カルボキシル基またはスルホン酸基を有することが必要であり、アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などを挙げることができる。そして、抗菌機能付与には、銀イオン交換処理に先立ってラジカル重合性モノマーとして、カルボキシル基またはスルホン酸基を有することが必要であり、アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などを挙げることができる。
糸にラジカル重合性モノマーをグラフト重合させるには、ガンマ線、イオンビーム、電子線等を糸に照射することで生成したラジカルと、ラジカル重合性モノマーとを接触させ、糸を加熱することによってグラフト重合させる。
本発明におけるアルカリ金属塩処理は、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩の水溶液を用いて処理を施す。ラジカル重合モノマーがグラフト重合された後に、前記アルカリ金属塩処理を施すことで、帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能を付与することができる。
本発明における銀イオン交換処理は、硝酸銀水溶液等の銀イオンを含む溶液用いて処理を施す。ラジカル重合モノマーがグラフト重合された後に、前記銀イオン交換処理を施すことで、抗菌機能が付与することができる。
(電子線照射工程)
照射する電子線の量は、10kGy〜300kGyの範囲に設定するのが好ましい。照射量が10kGy以上であることでグラフト重合に必要な量のラジカルが得られる。300kGy以下であることで糸を構成する繊維の主鎖の切断を防止でき、糸の物性の低下を抑制することができる。電子線照射で生成されたラジカルが失活しないように不活性雰囲気で行う。具体例としては、密閉状態の空間内の酸素濃度を可能な限り低くした状態や、空気を窒素によって置換した雰囲気等を挙げることができる。
(接触工程)
接触工程では、糸にラジカル重合性モノマーを接触させる。糸にラジカル重合性モノマーを接触させる方法としては、公知の方法を用いれば良く、例えばディップ法、コーティング法、スプレー法を挙げることができる。ラジカル重合性モノマーを水と低級アルコール等の溶媒に希釈した希釈溶液を、ディップ法、コーティング法、スプレー法などで糸に接触させる。前記希釈溶液中のラジカル重合性モノマーの濃度は、1〜70質量%とするのが良い。糸に対する前記ラジカル重合性モノマーの付着量は、糸100質量部に対し、0.5〜50質量部に設定するのが好ましい。
(グラフト重合工程)
グラフト重合工程では、糸を加熱することによってラジカル重合性モノマーを糸にグラフト重合させる。加熱温度は、80℃〜140℃の範囲に設定するのが好ましい。80℃以上とすることで重合速度が大きくなり十分なグラフト率を得ることができるとともに、140℃以下とすることでグラフト鎖同士の結合により重合の停止反応が起こることを抑制することができる。中でも、グラフト重合工程では糸を100℃〜120℃の範囲に加熱するのが好ましい。
本発明において、各工程での不活性雰囲気としては、酸素濃度が5000ppm以下の不活性雰囲気にするのが好ましい。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。一例として使用した布帛の構成および各試験の方法は次の通りである。なお、洗濯(JIS 0217 103法に準じる方法で10回)を行なった試験布帛を用いて、各種試験を実施した。評価結果を表1に示す。
<塩基性ガス消臭糸>・・・糸A
333dtex144フィラメントのポリエステル糸に100kGyの電子線を照射した(電子線照射工程)。次に、ポリエステル糸にディップ法でラジカル重合性モノマー(5質量%のアクリル酸水溶液)に接触させ、ポリエステル糸の表面にラジカル重合性モノマーを付着させた(接触工程)。続いて、120℃で加熱しラジカル重合成モノマーをポリエステル糸にグラフト重合させた(グラフト重合工程)。上述の電子線照射工程、接触工程、グラフト重合工程を窒素雰囲気(酸素濃度400ppm)のもと連続で実施した。次に、前記グラフト工程を経て得られたポリエステル糸を80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥し塩基性ガス消臭糸を得た。
<酸性ガス消臭糸>・・・糸B
333dtex144フィラメントのポリエステル糸に100kGyの電子線を照射した(電子線照射工程)。次に、ポリエステル糸にディップ法でラジカル重合性モノマー(5質量%のN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド水溶液)に接触させ、ポリエステル糸の表面にラジカル重合性モノマーを付着させた(接触工程)。続いて、120℃で加熱しラジカル重合成モノマーをポリエステル糸にグラフト重合させた(グラフト重合工程)。上述の電子線照射工程、接触工程、グラフト重合工程を窒素雰囲気(酸素濃度400ppm)のもと連続で実施した。次に、前記グラフト工程を経て得られたポリエステル糸を80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥し酸性ガス消臭糸を得た。
<帯電防止・吸湿・吸湿発熱糸>・・・糸C
上述の糸Aを公知の方法で巻き上げたチーズを、2質量%のNaCO水溶液に80℃で30分間接触させ、80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥し帯電防止・吸湿・吸湿発熱糸を得た。
<抗菌糸>・・・糸D
上述の糸Aを公知の方法で巻き上げたチーズを、0.5質量%の硝酸銀水溶液に23℃で60分間接触させ、80℃の温水で洗浄した後、80℃で12時間乾燥し抗菌糸を得た。
<実施例1>
経糸に糸A、緯糸に糸Bを用いて、公知の方法で平織物(密度:縦糸63本/インチ、緯糸58本/インチ)を製織し、機能性布帛を得た。
<実施例2〜6>
実施例1において、経糸、緯糸にそれぞれ用いる糸を替えて、実施例1と同様にして機能性布帛を得た。用いる糸の組み合わせを表1に記した。
<比較例1>
実施例1において、電子線照射を施していない333dtex144フィラメントのポリエステル糸を用いた以外は、実施例1と同様にして布帛を得た。
<比較例2>
<消臭糸>・・・糸E
水100質量部に、ケイ酸アルミニウム1質量部、酸化亜鉛1.5質量部、ジエチレントリアミンを3質量%坦持した多孔質二酸化ケイ素を2質量部、そしてアクリル系バインダー(東亞合成株式会社製KB4900、固形分45質量%)を5質量部添加し攪拌した処理液を、333dtex144フィラメントのポリエステル糸にディップコーティングし、120℃で乾燥させて消臭糸を得た。
<吸湿糸>・・・糸F
水100質量部にポリアクリル酸ナトリウム2質量部、アクリル系バインダー(東亞合成株式会社製KB4900、固形分45質量%)を2質量部添加し攪拌した処理液を、333dtex144フィラメントのポリエステル糸にディップコーティングし、120℃で乾燥させて吸湿糸を得た。
<比較例2>
<抗菌糸>・・・糸G
水100質量部に2質量%の銀を坦持したゼオライト2質量%、アクリル系バインダー(東亞合成株式会社製KB4900、固形分45質量%)を2質量部添加し攪拌した処理液を、333dtex144フィラメントのポリエステル糸にディップコーティングし、120℃で乾燥させて抗菌糸を得た。
Figure 2013155464
(アンモニア消臭性能)
試験布帛片(10cm×20cm)を内容量500ミリリットルの袋内に入れた後、袋内において濃度が200ppmとなるようにアンモニアガスを注入し、1時間経過後にアンモニアガスの残存濃度を測定し、この測定値よりアンモニアガスを除去した総量を算出し、これよりアンモニアガスの除去率(%)を算出した。
(酢酸消臭性能)
アンモニアガスに代えて酢酸ガスを用いて袋内において濃度が200ppmとなるように注入した以外は、上記アンモニア消臭性能測定と同様にして酢酸の除去率(%)を算出した。
そして、除去率が95%以上であるものを「◎」、除去率が80%以上95%未満であるものを「○」、除去率が70%以上80%未満であるものを「△」、除去率が70%未満であるものを「×」と評価し表1のような結果を得た。
(摩擦帯電圧試験法)
京大式ロータリースタティックテスターを用いてJIS L1094の5.2B法に準拠して試験を行った。摩擦布には、JIS L0803に規定される羊毛白布1号及びポリエステル白布10号を使用し、摩擦布張力6.37Nにて試験片を摩擦し、摩擦開始から3分後の帯電圧(V)を測定した(試験環境条件:20℃、30%RH)。帯電圧(V)が2000V以下を合格とした。
(吸湿発熱性能測定試験)
温度上昇測定・・・・乾燥温度120℃で30分行った後、デシケーターにいれ、20℃で放冷し1時間後20℃、湿度90%の環境下でサーモグラフによって測定し最大の値を温度上昇値とした。2℃より大きいものを合格とした。
官能評価・・・・・・電子線照射を実施していない織物(比較例1)を手で触れた感触を基準に、温かいと感じるかどうかを一対比較法で評価し、被験者数を10人とし、80%以上の人が温かいと感じたものを合格とした(気温20℃、湿度30%の室内にて評価)。
(水分率の測定)
120℃で2時間乾燥させた後の布帛の重量(A)を測定し、その後20℃で24時間放置した後の布帛の重量(B)を測定し、次の計算式から水分率(%)を算出した。水分率(%)が5%以上を合格とした。
水分率(%)=(B−A)/A×100
(抗菌性能測定)
繊維製品の抗菌試験方法JIS L1902統一法に準拠して抗菌性能を評価した。試験菌体としては黄色ブドウ球菌を用いた。減菌試験布に前記試験菌体を注加し、18時間培養した後の生菌数を計測し、殖菌数に対する生菌数を求め、次ぎの基準に従った。即ちlog(B/A)>1.5の条件下log(B/C)を静菌活性値とし、これが2.2以上である場合を合格とした。但し、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数をそれぞれ表す。
本発明の製造方法で得られた機能性布帛は、布帛を構成する糸の少なくとも一部にラジカル重合性モノマーがグラフト重合処理され、帯電防止機能、吸湿機能、発熱機能、抗菌機能が付与され各機能の性能耐久性に優れているので、例えば、衣料、寝具、自動車や鉄道車両用シート表皮等に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合され塩基性ガス消臭機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
  2. 繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてアミノ基がグラフト重合され酸性ガス消臭機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
  3. 繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、アルカリ金属塩処理によって帯電防止機能、吸湿機能、及び発熱機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
  4. 繊維布帛において、布帛を構成する糸の少なくとも一部は、ラジカル重合性モノマーとしてカルボキシル基またはスルホン酸基がグラフト重合された後、銀イオン交換処理によって抗菌機能が付与された糸を含むことを特徴とする機能性布帛の製造方法。
  5. 前記ラジカル重合性モノマーがグラフト重合される糸が、ポリエステル糸である請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能性布帛の製造方法。
  6. 前記ポリエステル糸に電子線を照射する電子線照射工程と、前記ポリエステル糸にラジカル重合性モノマーを接触させる接触工程と、前記接触工程後の前記ポリエステル糸を80℃〜140℃の範囲の温度で加熱することで、前記ラジカル重合性モノマーを前記ポリエステル糸に重合させるグラフト重合工程と、を含み、前記電子線照射工程、前記接触工程及び前記グラフト重合工程が不活性雰囲気で連続で実施された請求項5に記載の機能性布帛の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた機能性布帛。
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