JP4726537B2 - 防汚性に優れた繊維布帛の製造方法 - Google Patents

防汚性に優れた繊維布帛の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、防汚性に優れた繊維布帛製造方法に関するものである。
従来から、繊維布帛に防汚性を付与するため種々の検討がされている。防汚性とは、汚れが付きにくいこと、あるいは、一旦汚れが付いても、洗濯により容易に落とせることを意味するが、以下にいう防汚性は、後者の意味で用いる。一般に吸水性の良い繊維布帛は、洗濯により汚れを落としやすいことから、例えば吸水性に優れるセルロース繊維系の繊維布帛などにおいては、防汚性を付与することが比較的容易である。これに対し、合成繊維布帛、中でもポリエステル系の繊維布帛は、疎水性であるため防汚性を付与するのが一般に困難であるが、優れた強度的特性を有し、一般衣料は勿論、ユニフォーム衣料としても広く用いられていることから、防汚性を付与するための種々の技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、ポリアルキレングリコール、芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコールのブロック共重合体、並びに変性オルガノシリケート、アミノプラスト樹脂が付着されている防汚性ポリエステル系繊維布帛が開示されている。
また、特許文献2には、ノニオン性吸湿モノビニルモノマーとジビニルモノマーとを特定の重量比で重合した重合体が繊維表面に付着されている吸湿性繊維構造体が開示されている。
特開平9−268472号公報 特開2003−213570号公報
しかしながら、ユニフォーム衣料の中でも、食品製造現場、医薬品製造現場又は医療機関などで着用される衣服については、衛生管理上、一定期間使用した後、洗濯だけでなく、熱によって衣服表面もしくは内部に存在する微生物を殺滅する処理(滅菌処理)をも行う。上記従来技術にかかる繊維布帛は、滅菌処理を施すと、防汚性が低下するという問題があり、その改善が求められている。
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するものであり、滅菌処理を行った後でも優れた防汚性を有する繊維布帛と、その繊維布帛を簡便に製造する方法とを提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)繊維布帛に、ビニル系モノマーと、イソシアネート基、グリシジル基及びN−メチロール基のいずれかの反応基を1つの分子中に複数有する多官能反応性化合物と、重合開始剤とを含む水溶液を付与し、しかる後に蒸気加熱処理を行うことを特徴とする繊維布帛の製造方法。
(2)繊維布帛に、ビニル系モノマーと、イソシアネート基、グリシジル基及びN−メチロール基のいずれかの反応基を1つの分子中に複数有する多官能反応性化合物と、重合開始剤と、親水性ポリエステル系化合物を含む水溶液を付与し、しかる後に蒸気加熱処理を行うことを特徴とする繊維布帛の製造方法。

本発明の繊維布帛は、優れた防汚性を有し、滅菌処理後にも防汚性が大きく低下しない。したがって、衛生管理の厳しい食品製造現場、医薬品製造現場又は医療機関などで着用される衣服に好ましく用いることができる。
そして、本発明の繊維布帛の製造方法によれば、そのような繊維布帛を低コストで簡便に製造することができる。
本発明の繊維布帛は、織物、編物、不織布など、繊維から形成される布帛を対象とするものである。
本発明の繊維布帛を構成しうる繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリウレタン系繊維、あるいは、綿、獣毛繊維、絹、麻、竹などの天然繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、溶剤紡糸セルロース繊維などの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維をあげることができ、これらを単独、あるいは交撚、混紡、混繊、交織、交編するなどして用いることができる。中でも特に、優れた強度的特性を有する点から、ポリエステル系繊維を採用するのが好ましい。
繊維の形態としては、長繊維、短繊維の何れであってもよく、断面形状も特に限定されるものでない。また、繊維中には、二酸化チタン、二酸化ケイ素、顔料などが含まれていてもよい。
本発明の繊維布帛は、繊維表面にビニル系ポリマー及び多官能反応性化合物が付着した繊維から構成されるものである。本発明におけるビニル系ポリマーとしては、構成単位として、ビニル系モノマーを主体とするポリマーを用いることができる。ビニル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸、フマル酸、クトロン酸、ビニルプロピオン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、α−メチルスチレンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイロキシプロパンスルホン酸、2−アクリロイロキシエタンスルホン酸、2−メタクリロイロキシエタンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、アリルスルホコハク酸又はそれらの誘導体などがあげられる。中でも、重合効率の点から、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
ビニル系ポリマーの付着量としては、繊維質量に対し、1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。ビニル系ポリマーの付着量が1質量%未満であると、所望の防汚性が得られ難い傾向にあり、好ましくない。一方、30質量%を超えると、風合いが粗硬になる傾向にあり、好ましくない。
一方、本発明に用いる多官能反応性化合物とは、1つの分子中に複数の反応基を有する化合物をいい、反応基として、イソシアネート基、グリシジル基、N−メチロール基などがあげられる。例えば、イソシアネート基を複数有する化合物として、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートなどがあげられる。グリシジル基を複数有する化合物として、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどがあげられる。また、N−メチロール基を複数有する化合物として、ジメチロールジヒドロキシルエチレン尿素、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミンなどがあげられる。
多官能反応性化合物の付着量としては、繊維質量に対し、0.1〜10.0質量%が好ましく、0.5〜8.0質量%がより好ましい。多官能反応性化合物の付着量が0.1質量%未満であると、滅菌処理後の防汚性が低下する傾向にあり、好ましくない。一方、10.0質量%を超えると、かえって汚れが付着しやすくなり、かつ除去し難くなる傾向にあり、好ましくない。
また、上記のビニル系ポリマー及び多官能反応性化合物に加え、親水性ポリエステル系化合物が繊維表面に付着していると、繊維布帛の吸水性を向上させることができ、ひいては、防汚性をさらに向上させることができる。
親水性ポリエステル系化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールと、テレフタル酸、スルホイソフタル酸などのジカルボン酸化合物との縮合ポリマーなどがあげられる。親水性ポリエステル系化合物の分子量としては、100〜10000が好ましい。
親水性ポリエステル系化合物の付着量としては、繊維質量に対し、0.01〜1.50質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。親水性ポリエステル系化合物の付着量が0.01質量%未満であると、防汚性が向上しない傾向にあり、好ましくない。一方、1.50質量%を超えると、染色堅牢度が低下する傾向にあり、好ましくない。
本発明の繊維布帛は、優れた防汚性を有するものである。具体的には、再汚染防止性等級が4級以上であることが好ましい。再汚染防止性等級が4級未満であると、洗濯しても汚れが残留する傾向にあり好ましくない。ここで、再汚染防止性等級とは、B重油を繊維布帛に0.2mL滴下し、30分間放置した後、JIS L0217−103法に準ずる洗濯を1回施し、乾燥し、JIS L0805汚染用グレースケールに準じて判定した残留汚染レベルを指す。この再汚染防止性等級は、5等級で評価し、1級が最も悪く、5級が最も良い。なお、B重油とは、JIS K2205に記載された第2種の重油に該当する。
また、本発明の繊維布帛は、滅菌処理を施しても優れた防汚性を有するものである。具体的には、乾熱法による170℃、60分間の滅菌処理後の再汚染防止性等級が3−4級以上であることが好ましい。再汚染防止性等級がこの範囲にあることにより、繊維布帛を食品製造現場で着用される衣服などに好ましく用いることができる。ここで、乾熱法による滅菌処理としては、第14改正日本薬局方一般試験法参考情報に記載された、11.微生物殺滅法、2.1加熱法(2)乾熱法に準ずる。
さらに、本発明の繊維布帛は、高圧蒸気法による118℃、30分間の滅菌処理後の再汚染防止性等級が3−4級以上であることが好ましい。高圧蒸気法による滅菌処理は、一般に乾熱法による処理と比べて滅菌効果に優れるので、この再汚染防止性等級がこの範囲にあることにより、繊維布帛を食品製造現場だけでなく、医薬品製造現場や医療機関で着用される衣服などにも好ましく用いることができる。ここで、高圧蒸気法による滅菌処理としては、第14改正日本薬局方一般試験法参考情報に記載された、11.微生物殺滅法、2.1加熱法(1)高圧蒸気法に準ずる。
次に、本発明の繊維布帛の製造方法について説明する。
本発明の製造方法においては、まず、繊維布帛にビニル系モノマー及び多官能反応性化合物を含む水溶液を付与する。なお、最終的に得られる繊維布帛の防汚性をさらに向上させたい場合は、親水性ポリエステル系化合物をも該水溶液中に含ませるのが好ましい。
また、該水溶液中には、ビニル系モノマーの重合を効率よく実施するために、重合開始剤が含まれていることが好ましい。重合開始剤としては、ラジカル開始剤が一般的であるが、重合効率を高めるため、過酸化物と還元性物質とを併用する、いわゆるレドックス系開始剤を用いることもできる。ラジカル開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、硝酸セリウムアンモニウム、過酸化水素などの無機系重合開始剤、2,2′−アゾビス(2−アミディノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチラミディン)ジハイドロクロライド、2−(カルバモイラゾ)イソブチロニトリルなどの有機系ラジカル開始剤があげられる。また、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどの水不溶性ラジカル開始剤をアニオンもしくはノニオン性の界面活性剤で乳化させたものでもよい。本発明では、コスト面や取扱いの点から、過硫酸アンモニウムが好ましく用いられる。
一方、レドックス系開始剤としては、過酸化物として、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどがあげられ、還元性物質として、スルホキシル酸ナトリウムとホルマリンとの反応物、ハイドロサルファイトなどがあげられる。
重合開始剤の使用量としては、ビニル系モノマーの質量に対し、0.1〜15.0質量%が好ましい。
さらに、この水溶液中には、重合抑制剤が含まれていてもよい。重合抑制剤を併用することにより、低温域での重合を抑制することができ、所望の重合度を有するビニル系ポリマーを得ることが容易になる。重合抑制剤としては、ベンゾキノン、ハイドロキノン、メトキシフェノールなどのキノン類、第三ブチルカテコールのようなポリオキ化合物、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルヒドロキシルアミンなどの有機硫黄化合物、ニトロ化合物、ジエチルヒドロキシルアミン、イソプロピルヒドロキシルアミンなどのアミノ化合物などがあげられる。
重合抑制剤の使用量としては、ビニル系モノマーの質量に対し、0.01〜2.00質量%が好ましい。
また、この水溶液中には、必要に応じて、柔軟剤、難燃剤、防汚剤、撥水剤、帯電防止剤、抗菌剤、消臭剤、耐光剤などが含まれていてもよい。
本発明の製造方法では、上記水溶液を用意した後、前述の繊維から構成される繊維布帛に上記水溶液を付与する。繊維布帛には、予め必要に応じて、精練、漂白、マーセライズ処理、アルカリ減量、染色などが施されていてもよい。上記水溶液を付与する方法としては、特に限定されるものではなく、パディング法、スプレー法、キスロールコータ法、スリットコータ法など公知の方法を適宜用いればよい。
次に、上記水溶液を付与した繊維布帛に、乾熱処理、蒸気加熱処理、コールドバッチ処理、低温プラズマ処理、紫外線処理の内、いずれかの処理を施す。これにより、ビニル系モノマーを重合させると共にビニル系ポリマー及び多官能反応性化合物、あるいはビニル系ポリマー、多官能反応性化合物及び親水性ポリエステル系化合物を繊維表面に強固に付着させることができる。ここで、当該処理に先立ち、必要に応じて、風乾又は加熱による予備乾燥を行ってもよい。但し、加熱による予備乾燥の場合は、上記水溶液を付与した後の繊維布帛が完全に乾燥するまで予備乾燥を行うのではなく、繊維布帛が幾分湿った状態で予備乾燥を終了させるのが好ましい。これは、過度な熱量が与えられることにより、重合開始剤が失活する恐れがあるからである。
本発明の製造方法においては、上記の処理の内、特に蒸気加熱処理又は低温プラズマ処理がコスト面、重合効率及び安定性の点で好ましい。
蒸気加熱処理としては、常圧スチームによる処理、高圧スチームによる処理のいずれでも採用可能であるが、コストの点から、常圧スチームによる処理を採用するのが好ましい。蒸気加熱処理の温度としては、80〜180℃が好ましく、98〜150℃がより好ましい。また、蒸気加熱処理の時間としては、1〜20分間が好ましい。
一方、低温プラズマ処理とは、減圧状態にある酸素又は酸素を含む混合気体に高周波エネルギーを与えることによって酸素分子を励起させて、低温プラズマを発生させ、このプラズマ雰囲気内に繊維布帛を一定時間置くものである。本発明において、酸素あるいは酸素を含む混合気体とは、酸素100%もしくは酸素と他の気体とを混合したガスのことである。他のガスとしては、ヘリウム、アルゴン等に代表される不活性ガス、窒素、水蒸気、炭酸ガスなどがあげられる。また、高周波エネルギーの周波数としては、低温プラズマを発生しうる周波数であれば特に限定されるものでなく、1〜3000MHzの範囲で使用可能である。但し、実用上は、電波法などの規制により、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、915MHz、2450MHzのいずれかを使用するのが好ましい。また、高周波エネルギーの電力(高周波電力)としては、0.1〜10.0W/cmが好ましい。さらに、処理時の真空度としては、低温プラズマが発生する範囲であれば、特に限定されるものでないが、実用上は、13〜2670Paが好ましく、40〜1330Paがより好ましい。処理時間についても、特に限定されるものでないが、1〜240秒の範囲が好ましい。
上記蒸気加熱処理及び低温プラズマ処理は、そのいずれかのみを行えば、ビニル系モノマーを重合させると共にビニル系ポリマー及び多官能反応性化合物、あるいはビニル系ポリマー、多官能反応性化合物及び親水性ポリエステル系化合物を繊維表面に強固に付着させることができるが、両者を併用して行えば、本発明の繊維布帛の防汚性をさらに向上させることができる。
本発明の繊維布帛は、以上のようにして得ることができるが、その後、必要に応じて、染色、柔軟処理などを施してもよい。但し、本発明の繊維布帛を得た後、アルカリ減量を施すと、繊維表面からビニル系ポリマー、多官能反応性化合物又は親水性ポリエステル系化合物が脱落する危険がある。したがって、アルカリ減量を行う場合、前述の水溶液を付与する前に実施するのが好ましい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例、比較例における滅菌処理の条件並びに再汚染防止性等級の評価方法は下記の通りである。
(乾熱法による滅菌処理の条件)
ガラス製の容器に繊維布帛を入れ、170℃で60分間処理した。
(高圧蒸気法による滅菌処理の条件)
ガラス製の容器に繊維布帛を入れ、118℃で30分間処理した。
(再汚染防止性等級の評価方法)
繊維布帛にB重油を0.2mL滴下し、30分間放置後、JIS L0217−103法に準じて1回の洗濯を施した。その後、十分に風乾し、汚れの残存状態をJIS L0805汚染用グレースケールで等級判定(5級(良好)〜1級(不良))した。
(実施例1)
経糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸167dtex/48fを用い、緯糸としてポリエステルマルチフィラメント加工糸334dtex/96fを用い、経糸密度128本/2.54cm、緯糸密度58本/2.54cmの綾織物を製織し、通常の方法で精練を行った。次に、この綾織物を下記処方1に示す水溶液に含浸した後、マングルで80質量%の絞り率で絞り、その後、130℃で60秒間予備乾燥した。そして、この綾織物に99℃で5分間の常圧スチーム法による蒸気加熱処理を施し、本発明の繊維布帛を得た。
〈処方1〉
ビニル系モノマー(第一工業製薬(株)製、「ポリエチレングリコール600ジアクリレート(商品名)」、固形分100質量%) 100g/L
多官能反応性化合物(エポキシ樹脂、ナガセ化成工業(株)製、「デナコールEX−851(商品名)」、固形分100質量%) 10g/L
重合開始剤(過硫酸アンモニウム) 10g/L
(実施例2)
処方1に示す水溶液に代えて下記処方2に示す水溶液を用いる以外は、実施例1と同様にして本発明の繊維布帛を得た。
〈処方2〉
ビニル系モノマー(第一工業製薬(株)製、「ポリエチレングリコール600ジアクリレート(商品名)」、固形分100質量%) 100g/L
多官能反応性化合物(エポキシ樹脂、ナガセ化成工業(株)製、「デナコールEX−851(商品名)」、固形分100質量%) 10g/L
親水性ポリエステル系化合物(日華化学(株)製、「ナイスポールPR−99(商品名)」、固形分10質量%) 30g/L
重合開始剤(過硫酸アンモニウム) 10g/L
(実施例
経糸としてポリエステル短繊維50番手を用い、緯糸として綿50番手を用い、経糸密度144/2.54cm、緯糸密度77/2.54cmの平織物を製織し、通常の方法で精練、漂白、マーセライズ処理を施した。次に、この平織物を上記処方1に示す水溶液に含浸した後、マングルで80質量%の絞り率で絞り、その後、130℃で60秒間予備乾燥した。そして、この平織物に99℃で5分間の常圧スチーム法による蒸気加熱処理を施し、本発明の繊維布帛を得た。
(比較例1)
上記処方1から多官能反応性化合物を省く以外は、実施例1と同様にして繊維布帛を得た。
(比較例2)
上記処方2から多官能反応性化合物を省く以外は、実施例2と同様にして繊維布帛を得た。
(比較例
上記処方1からビニル系モノマー及び重合開始剤を省く以外は、実施例1と同様にして繊維布帛を得た。
以上のようにして実施例1〜、比較例1〜で得られた繊維布帛の再汚染防止性等級を下記表1に示す。
上記表1に示される内容から明らかなように、実施例1〜の繊維布帛は、滅菌処理を施した後でも、防汚性に優れていた。一方、比較例1、2は、繊維表面に多官能反応性化合物が付着していないために、滅菌処理を施した後の防汚性に劣り、比較例は、繊維表面にビニル系ポリマーが付着していないために、もとより防汚性に劣る結果となった。

Claims (2)

  1. 繊維布帛に、ビニル系モノマーと、イソシアネート基、グリシジル基及びN−メチロール基のいずれかの反応基を1つの分子中に複数有する多官能反応性化合物と、重合開始剤とを含む水溶液を付与し、しかる後に蒸気加熱処理を行うことを特徴とする繊維布帛の製造方法。
  2. 繊維布帛に、ビニル系モノマーと、イソシアネート基、グリシジル基及びN−メチロール基のいずれかの反応基を1つの分子中に複数有する多官能反応性化合物と、重合開始剤と、親水性ポリエステル系化合物を含む水溶液を付与し、しかる後に蒸気加熱処理を行うことを特徴とする繊維布帛の製造方法。
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