JP4944757B2 - 繊維処理剤 - Google Patents

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本発明は繊維処理剤に関する。
柔軟剤組成物などのトイレタリー製品に香料を用いることは一般に行われており(例えば特許文献1〜3)、さらに近年香りに対する関心が高まり、洗浄や柔軟処理後の衣料に香りを残すいわゆる残香性を付与する技術が開発されている。また、処理後の衣類に香りを残す残香性を付与する技術も知られている(例えば特許文献4〜6)。
また、洗濯浴中の香料を多く残す目的のため、ClogPの高い香料を香料処方中に多く配合するという技術(特許文献7)も知られている。しかし、ClogPの高い香料は全体の香料素材のなかでは、高価である場合が多い。このため、ClogPの高い香料を効率よく繊維製品に付与できることが望ましい。更には、ClogPが高い香料を付与した後、香りが持続することも望ましい。特許文献8には、表面上へのエマルジョンの吸着を補助するために、特定のブロックコポリマーを使用することが記載されているが、衣類に適用される香料成分を用いることは言及されていない。また、特許文献9には、ポリマーと香料とを含む香料ポリマー粒子が開示されているが、これは香料をポリマーに吸着させることで、香料の放出を抑制しようとする技術であり、衣料などへの香料の吸着量を増加させることを意図した技術ではない。
特開2004−211215号公報 特開2004−211230号公報 特開平8−13335号公報 特開2004−131680号公報 特開2004−143638号公報 特開2004−210959号公報 特許3102893号公報 特表2005−511726号公報 特表2006−515029号公報
本発明が解決しようとする課題は、ClogPが高い香料成分、具体的には、ClogPが4超7以下の香料成分を効率よく繊維製品に付与でき、且つ当該香料成分の賦香効果の持続性にも優れる繊維処理剤、例えば柔軟剤組成物を提供することである。
本発明は、下記一般式(1)で示される化合物、又はその酸塩もしくは4級塩に由来するモノマー単位(A)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(B)を、(A)/(B)=10/90〜99/1のモル比で含有する高分子化合物(a)〔以下、(a)成分という〕と、ClogPが4超7以下の香料成分(b)〔以下、(b)成分という〕とを含有する繊維処理剤に関する。
Figure 0004944757
〔一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基を示し、R3は−COOM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)、又は水素原子を示す。Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−、又は−CH2−を示す。R4はXが−CH2−の場合には一般式(3)
Figure 0004944757
で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は水素原子を示す。R6、R8は、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基、R7は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
Figure 0004944757
〔式中、R11は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは、−O−CO−、−COO−、又は−CONR13−を示す(R13は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)。R12は、炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
本発明によれば、ClogPが高い香料成分、具体的には、ClogPが4超7以下の香料成分を効率よく繊維製品に付与でき、且つ当該香料成分の賦香効果の持続性にも優れる繊維処理剤、例えば柔軟剤組成物が提供される。
<(a)成分>
モノマー単位(A)の由来となる、一般式(1)で表される化合物のうち、一般式(1)中のXが−COO−R6−である化合物としては、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノブチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノブチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノブチル、アクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノブチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。
また、一般式(1)で表される化合物のうち、一般式(1)中のXが−CONR7−R8−である化合物としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノメチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノブチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド等が挙げられる。
また、一般式(1)中のXが−CH2−の場合、R4は前記一般式(3)で表される基である。かかる化合物としては、ジアリルアミン、ジアリルメチルアミン等が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物は、その酸塩又は4級塩を用いることができる。酸塩としては、例えば、1級、2級、3級アミンの塩酸塩、硫酸塩などの無機塩の中和塩や各種有機酸の中和塩が挙げられ、4級塩としては炭素数1〜3のハロゲン化アルキル塩、炭素数1〜3のアルキル硫酸塩等が挙げられる。4級塩としてはN,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムエチルサルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。これらの化合物は、例えばMRCユニテック(株)からQDMやMOEDESという商品名で販売されている。
また、モノマー単位(B)の由来となる、一般式(2)で表される化合物としては、オクチルアクリレート等のアクリル酸アルキル(炭素数6〜22)エステル、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等のメタクリル酸アルキル(炭素数6〜22)エステル等が挙げられる。特に、ClogPが4超7以下の香料成分の十分な吸着効果を得るために、本発明では、一般式(2)中のR12が炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又は炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、好ましくは炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である化合物を用いるものである。より好ましくは炭素数12〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である化合物を用いるものである。
(a)成分は、モノマー単位(A)、(B)以外のモノマー単位として、共重合可能な不飽和結合含有モノマー〔モノマー(C)〕に由来するモノマー単位〔モノマー単位(C)〕を本発明の効果を損なわない範囲で有しても良い。かかるモノマー(C)としては、例えば、アクリルアミド、ビニルアルコール;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1〜22のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(エチレングリコールの重合度が1〜100)、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート(プロピレングリコールの重合度が1〜50)、ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート(ブチレングリコールの重合度が1〜50)等のポリアルキレン(アルキレン基の炭素数1〜8;直鎖もしくは分岐鎖)オキシド鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル;グリセリン(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;ジアセトン(メタ)アクリルアミド;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド;N−(メタ)アクロイルモルホリン;塩化ビニル;アクリロニトリル;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンカルボン酸等のカルボキシル基を有するビニル化合物;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル化合物等が例示される。これらのモノマー(C)の共重合量は、モノマー全量に対して80質量%以下、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
(a)成分は、モノマー単位(A)及びモノマー単位(B)を、(A)/(B)=10/90〜99/1のモル比率で含有する。(b)成分の残香性の観点から、好ましくは、20/80〜99/1、より好ましくは40/60〜80/20、更に好ましくは50/50〜70/30のモル比で含有する。
また、(a)成分の重量平均分子量(Mw)は、2,000〜200,000、更に3,000〜150,000、特に5,000〜100,000が好ましい。MwとMn(数平均分子量)の比Mw/Mnは、1.0〜40、更に1.5〜35が好ましい。
尚、本発明の(a)成分のMw、Mn、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定による値を使用する。溶離液としては、水、アルコール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びこれらの溶媒を組み合わせた液の何れかを使用し、ポリエチレンオキシド又はポリスチレン換算の分子量とする。
その際、測定対象のポリマーが、モノマー単位(A)の割合が大きく比較的親水性であると考えられる場合は、(1%酢酸/エタノール):水=3:7(質量比)の混合溶媒で調製したLiBrの50mmol/L溶液を溶媒として、極性溶媒用GPCカラム「α−M(東ソー(株)製)」を2本直列して用い、ポリエチレングリコール換算の分子量により算出する(測定法A)。一方、モノマー単位(B)の割合が大きく、ポリマーが比較的疎水性であると考えられる場合は、ファーミンDM20(花王(株)製)の1mmol/L−CHCl3溶液にて、有機溶媒用GPCカラム「K−804(昭和電工(株)製)」を2本直列して用い、ポリスチレン換算の分子量により算出する(測定法B)。
<(b)成分>
本発明の繊維処理剤は、ClogPが4超7以下の香料成分(b)〔(b)成分〕を含有する。
ここで、logPとは、有機化合物の水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。
多くの化合物のlogP値が報告され、Daylight Chemical Information Systems, Inc. (Daylight CIS)などから入手しうるデータベースには多くの値が掲載されているので参照できる。実測のLogP値がない場合には、Daylight CISから入手できるプログラム"CLOGP"で計算すると最も便利である。このプログラムは、実測のlogP値がある場合にはそれと伴に、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される"計算logP(ClogP)"の値を出力する。
フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P.G. Sammens, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値は現在最も汎用的で信頼できる推定値であるので、化合物の選択に際して実測のlogP値の代わりに用いることができる。本発明では、logPの実測値があればそれを、無い場合はプログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値を用いる。
ClogP4超7以下の香料としては、例えば、以下の香料成分が挙げられる。
p-t-B.C.H.A、BENZYL SALICYLATE、DAMASCENONE、LIMONENE、TERPINOLENE、ALDEHYDE C-11、HEXYL CINNAMIC ALDEHYDE、PATCHOULI ALCOHOL、AMBROXAN、PEARLIDE、PENTALIDE、CELESTOLIDE、MUSCONE、TENTAROME、AMYL CINNAMIC ALDEHYDE、CEDAR ALCOHOL、LILIAL、CYCLAMEN ALDEHYDE、TIMBEROL、ALDEHYDE C-13、BOISAMBRENE FORTE、CELESTOLIDE、GERANYL PHENYL ACETATE、CEDRYL METHYL ETHER、VETIVERYL ACETATE、HEXYL SALICYLATE、p-CYMENE、FARNESOL、GERANYL n-BUTYRATE、TETRAHYDRO GERANYL ACETATE、ROSEPHENONE、CIN
NAMYL CINNAMATE、ETHYLENE BRASSYLATE、NEROLIDOL、GERANYL iso-BUTYRATE、iso-AMYL SALICYLATE、ACETYL CEDRENE COEUR、BENZYL CINNAMATE
なお、(b)成分は、ClogPが4超7以下の香料成分(b)を20〜60質量%含有する香料組成物(b')〔以下、(b')成分という〕として用いることもできる。この場合、該香料組成物は、(b)成分と共に、ClogPが4以下の香料成分、及びClogPが7超の香料成分を含有する。ClogPが4以下の香料としては、例えば、下記の香料成分が挙げられる。
RASPBERRY KETONE、BENZYL ALCOHOL、HELIOTROPINE、VANILLIN (L)、COUMARIN、HYDROXY CITRONELLOL、HYDROXY CITRONELLAL
また、ClogPが7を超える香料としては、例えば、下記の香料成分が挙げられる。
PHYTOL、iso-PHYTOL、ETHYL PALMITATE、ORANILE
<繊維処理剤>
本発明の繊維処理剤の使用方法としては、例えば、本発明の繊維処理剤を繊維にあらかじめ付着した状態で、香料を含有する組成物を用いて調製した処理浴で処理する方法、本発明の(a)成分と(b)成分とを含む繊維処理剤を用いて調製した処理浴で処理する方法が挙げられる。即ち、本発明の繊維処理剤は水で希釈して用いる繊維処理剤に応用できる。例えば、洗浄剤、柔軟剤、漂白剤、糊剤等が挙げられる。
[洗浄剤組成物]
本発明の洗浄剤組成物は、必須成分として、本発明の(a)成分と(b)成分とを含有する。洗浄剤組成物中の(a)成分の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜15質量%がより好ましく、0.5〜10重量%が更に好ましい。また、(b)成分の含有量は0.1〜2.0質量%、更に0.3〜1.0質量%が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、衣類を洗浄するための洗剤等として使用され、(a)成分、(b)成分以外に、界面活性剤、ビルダー、アルカリ剤、漂白成分等の従来の洗浄剤組成物に配合される成分を含有することができる。
本発明に用いられる界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤等が挙げられる。(b)成分を効率良く繊維に吸着させる為に、本発明の洗浄剤組成物で用いるのに好ましい界面活性剤は、非イオン界面活性剤である。
陰イオン界面活性剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルコールのエトキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩若しくはそのエステル塩、又は脂肪酸塩等が挙げられる。特に、アルキル鎖の炭素数が10〜18(好ましくは12〜14)の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数が10〜20のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩が好ましい。また、対イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアミン等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、高級アルコールのエチレンオキシド(以下「EO」という)付加物、若しくはEO/プロピレンオキシド(以下「PO」という)付加物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキル(ポリ)グリコシド等が挙げられる。特に炭素数が10〜16のアルコールのEO平均1〜10モル付加物が皮脂汚れの除去、耐硬水性、生分解性の点、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩との相性の点で好ましい。
陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が、両性界面活性剤としては、カルボベタイン型、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物中の界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、5〜50質量%が好ましく、15〜50質量%が更に好ましい。
[柔軟剤組成物]
本発明の(a)成分と(b)成分、及び柔軟基剤を含有する柔軟剤組成物が(b)成分を効率よく繊維に吸着させる組成物として好ましく、かつ、繊維を柔らかく仕上げることができる。
柔軟剤組成物中の(a)成分の含有量は、0.01〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.2〜2重量%が更に好ましい。また、(b)成分の含有量は0.1〜2.0質量%、更に0.2〜1.0質量%が好ましい。本発明の柔軟剤組成物は、本発明の(a)成分、(b)成分以外に、柔軟基剤、抗菌剤等を含有することができる。
本発明に用いられる柔軟基剤としては、下記式(V)〜(IX)で表される化合物が挙げられる。(a)成分による(b)成分の吸着促進効果が大きい化合物として、特に(V)、(VI)から選ばれる化合物を用いることが好ましい。
Figure 0004944757
〔式(V)〜(IX)中、R5及びR6はそれぞれ炭素数11〜23の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基、A、Bは、それぞれ−CO−O−、−O−CO−、−NR7−CO−、又は−CO−NR7を示す。R7は水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示す。m、nはそれぞれ2又は3、R8、R9、R13及びR14はそれぞれ炭素数10〜24のアルキル基、アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基であり、R10,R11及びR12はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、ベンジル基又は−(C24O)p−H(但し、pは1〜3である)を示し、X-はハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル基を有するモノアルキル硫酸イオン等の陰イオン基を示す。〕
本発明の柔軟剤組成物中の柔軟基剤の含有量は、特に限定されないが、3〜50質量%が好ましく、5〜40質量%が更に好ましい。(b)成分を効率良く繊維に吸着させる為に、本発明の柔軟剤組成物中の高分子化合物(a)と柔軟基剤の比率は、質量比で高分子化合物(a)/柔軟基剤=1/150〜1/5が好ましく、さらに1/100〜1/5、より好ましくは1/80〜1/5、よりさらに好ましくは1/50〜1/5、最も好ましくは1/25〜1/5である。
従って、本発明により、(a)成分を0.01〜15質量%、(b)成分を0.1〜2.0質量%、及び柔軟基剤を3〜50質量%含有し、(a)成分と柔軟基剤を、(a)/柔軟基剤=1/150〜1/5の質量比で含有する柔軟剤組成物が提供される。
本発明の柔軟剤組成物には、抗菌剤としては、下記式(XI)〜(XII)で表される化合物を配合できる。
Figure 0004944757
〔式(XI)〜(XII)中、R15及びR20はそれぞれ炭素数5〜19の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、R17及びR18はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、Tは−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−又はフェニレン基、R16は炭素数1〜6のアルキレン基又は−(OR21r−(ここで、R21は炭素数2〜3のアルキレン基、rは1〜10の数)、R19は炭素数1〜3のアルキレン基、qは0又は1、Z-はハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル基を有するモノアルキル硫酸イオン等の陰イオン基を示す。〕
本発明の柔軟剤組成物中の抗菌剤の含有量は、特に限定されないが、0.001〜10質量%が好ましく、0.001〜3.0質量%が更に好ましい。
[漂白剤組成物]
本発明の漂白剤組成物は、必須成分として、本発明の(a)成分と(b)成分とを含有する。漂白剤組成物中の本発明の(a)成分の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1.0〜10重量%が更に好ましい。また、(b)成分の含有量は0.05〜1.5質量%、更に0.1〜1.0質量%が好ましい。
本発明の漂白剤組成物は、本発明の(a)成分、(b)成分以外に、漂白成分等の従来の漂白剤組成物に配合される成分を含有することができる。
本発明に用いられる漂白成分としては、水溶液中で過酸化水素を放出する化合物(過酸化水素放出物質)又は過酸化水素、及び必要であれば、水溶液中で過酸化水素と反応し有機過酸を発生させる化合物(漂白活性化剤)等が挙げられる。
過酸化水素放出物質としては、炭酸塩・過酸化水素付加物、硼酸塩・過酸化水素付加物、トリポリリン酸塩・過酸化水素付加物、ピロリン酸塩・過酸化水素付加物、尿素・過酸化水素付加物等が挙げられる。この中でも、炭酸塩・過酸化水素付加物、硼酸塩・過酸化水素付加物が好ましく、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウムがより好ましい。本発明の漂白剤組成物中の過酸化水素放出物質の含有量は、特に限定されないが、0.1〜80質量%が好ましく、0.5〜70質量%が更に好ましい。
また、漂白活性化剤としては、式(III)又は(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004944757
〔式(III)又は(IV)中、R3は炭素数4〜13、好ましくは10〜13のアルキル基、R4は炭素数5〜13、好ましくは7〜11のアルキル基、M2は水素原子又はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム若しくはアルカノールアミンを示す。〕
本発明の漂白剤組成物中の過酸化水素放出物質又は過酸化水素の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましい。また、漂白活性化剤の含有量は、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5.0質量%が更に好ましい。
本発明の漂白剤組成物には、更に、漂白力を向上させる観点から、カルシウム捕捉量200〜600CaCO3mg/g、且つカルシウム安定度定数3〜10である化合物を0.05〜30質量%含有させることが好ましく、0.1〜20質量%含有させることがより好ましい。
本発明の漂白剤組成物には、更に、漂白力を向上させる観点から、0.025質量%濃度の水溶液もしくは分散液の最大pHが10.0以上(20℃)であり、且つ該水溶液もしくは分散液1リットルをpH9にするために0.1Nの塩酸水溶液を10ml以上必要とする化合物を1〜30質量%含有することが好ましく、3〜25質量%含有することがより好ましく、5〜20質量%含有することが更に好ましく、5〜15質量%含有することが特に好ましい。このような化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、モノエタノールアミン等が挙げられる。中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムがより好ましく、特に炭酸ナトリウムが好ましい。
[糊剤組成物]
本発明の糊剤組成物は、必須成分として、本発明の(a)成分と(b)成分とを含有する。糊剤組成物中の本発明の(a)成分の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1.0〜10重量%が更に好ましい。また、(b)成分の含有量は、0.05〜1.0質量%、更に0.1〜0.5質量%が好ましい。
本発明の糊剤組成物は、本発明の(a)成分、(b)成分以外に、糊料基剤を含有する。糊料基剤としては、低級脂肪酸ビニルエステル(a)と、不飽和カルボン酸類(b)を必須モノマー成分とするビニル重合体(i)、低級脂肪酸ビニルエステル(a)とカチオン性不飽和単量体(c)を必須モノマー成分とするビニル重合体(ii)等が挙げられる。
低級脂肪酸ビニルエステル(a)としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、酢酸ビニルが好ましい。
不飽和カルボン酸類(b)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニチン酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、α−クロロソルビン酸、シトラコン酸、p−ビニル安息香酸等の不飽和カルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ポリカルボン酸のアルキルエステル、部分エステル(好ましくは炭素数1〜6の低級アルキルモノエステル)又は部分アミドが挙げられる。これらのうちアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル等が特に好ましい。
カチオン性不飽和単量体(c)としては、一般式(XIII)〜(XIX)で表されるものが挙げられる。
Figure 0004944757
〔式(XIII)〜(XIX)中、R22は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基(好ましくはメチル基)、R23,R24及びR25はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R26,R27及びR28はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜3(好ましくは1〜2)のアルキル基、R29,R30及びR31はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基(好ましくはメチル基)、sは1〜10の数、X-は前記の意味を示す。〕
本発明の糊剤組成物中の糊料基剤の含有量は、特に限定されないが、20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%が更に好ましい。
なお、本発明の(a)成分は、カチオン性の高分子化合物である場合があり、アニオン界面活性剤が多いと効果が減ずるため、繊維処理剤中のアニオン界面活性剤の含有量は少ないほうが適当である。また、(a)成分の繊維処理剤中の含有量は、浴処理時における香料の吸着効果の観点から、0.1質量%以上、更に0.5質量%以上、特に1.0質量%以上が好ましい。又、繊維処理剤の保存安定性の観点からは20質量%以下、更に15質量%以下、特に10質量%以下が好ましい。
また、本発明の繊維処理剤を柔軟剤組成物に応用する場合は、(b)成分であるClogPが4超7以下の香料を処理液に対して、0.1〜10mg/L、更に、0.5〜2mg/Lになる様に調製し、繊維製品を処理するのが好ましい。このような濃度で(b)成分を用いる場合、(a)成分である高分子化合物は、処理液に対して、0.2〜20mg/L、更に、1〜4mg/Lになる様に調製し、繊維製品を処理するのが好ましい。
本発明の(a)成分は、(b)成分の繊維製品への吸着を促進するので、(b)成分を繊維製品に付与する際に、(a)成分とともに繊維製品に付与する、あるいは(a)成分で先に繊維製品を処理することで、本発明により(b)成分の繊維製品への吸着を促進する処理方法が提供される。従って、(a)成分、(b)成分の繊維製品への適用順序は、別々でも同時でも何れでも良いが、(a)成分の少なくとも一部を先に繊維製品に適用する、あるいは両者を同時に繊維製品に適用することが好ましい。具体的には、例えば、(a)成分を繊維製品にあらかじめ付着した状態で、(b)成分を含有する組成物を用いて調製した処理浴で処理する方法、(a)成分であらかじめ繊維製品を処理し、(b)成分を含有する組成物を用いて調製した処理浴中で処理する方法、本発明の(a)成分と(b)成分とを含む繊維処理剤を用いて調製した処理浴で処理する方法が挙げられる。
以下に実施例及び比較例で用いた高分子化合物〔(a)成分〕の合成方法を示す。
(合成例1)
メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル(分子量:157.21)42.37g、ラウリルメタクリレート(分子量:254.21)7.62g、エタノール180.0gを均一に混合し、内容量300mLのガラス製セパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下で一定時間攪拌した。そこに2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65;和光純薬工業(株)製)1.41gをエタノール20.0gに溶解した溶液を添加し、60℃付近まで昇温した。60〜70℃付近で合計8時間保持することで重合・熟成した。そこにエタノール100.0gを加えて希釈した後、室温まで降温した。この反応溶液をイオン交換水4000.0g中に滴下して再沈殿精製し、沈殿物を乾燥してポリマーa1を得た。ポリマーa1のMwは11000であった(水/エタノール=7/3系、ポリエチレンオキシド換算)。また1H−NMRにより分析したポリマーa1の組成は仕込みモノマー組成どおり(DMAEMA/LMA=90/10(モル比))であった。
合成例1と同様の方法にて使用するモノマーを変更することにより、表1に示すモル比、分子量の種々のポリマーを得た。
実施例1及び比較例1
<前処理方法>
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて、木綿タオル(武井タオル製TW220:綿100%)20枚を日立全自動洗濯機NW-6CYで5回洗浄を繰り返し、室内乾燥することによって、過分の薬剤を除去した(洗剤濃度0.0667質量%、水道水47L使用、水温20℃、洗浄10分、ため濯ぎ2回)。その後、表1の高分子化合物をエタノールに溶解したものをスプレーヤーで0.3%owf(布100gに対し、0.3g)になるようにスプレー付着、乾燥させた。この高分子化合物付着タオルの濯ぎ浴中における香料の吸着率を測定するために、次の処理を行った。
<香料乳化物の調製>
ノニオン界面活性剤(炭素12の直鎖アルコールにエチレンオキサイドが平均20モル付加したノニオン界面活性剤)5質量%で、香料成分1質量%を各々乳化した乳化物(残部は水)を調製した。ここで、香料成分としてPearlide(ClogP=5.7)を用いたものを香料乳化物1とした。
<吸着率の測定方法>
National 電気バケツN-BK2-Aに、5Lの水道水を注水し、そこに香料乳化物1を2g添加し、1分間攪拌した(この浴中における香料成分の濃度は4ppm)後、上記のスプレー処理をした各木綿タオル2枚ずつ(130g)を投入し、5分間攪拌する。この処理浴中でのタオルへの香料成分の吸着率を、以下の方法で求めた。
香料乳化物1を5Lの水道水に添加した処理浴中の香料成分の以下の方法で含有量を求める(処理前の香料成分含有量)。タオルを投入し、5分間攪拌した後、処理浴中の香料成分の含有量を以下の方法で求める(処理後の香料成分含有量)。処理前の香料成分含有量(X)と処理後の香料成分含有量(Y)の差分〔(X)−(Y)〕を高分子化合物で処理されたタオルに吸着している量として、処理前の香料成分含有量(X)に対する割合(百分率)、すなわち、〔(X)−(Y)〕/(X)×100を香料成分の吸着率とする。
その結果を表1に示す。
尚、5分間の攪拌後、上記の測定用サンプルを採取した後、タオルを脱水、室内で自然乾燥した。自然乾燥後のタオルへの香料の残香性を評価した結果、高分子化合物(a)で示される化合物で処理したタオルは、表1の中の比較例で用いたポリマーで処理したタオルと比較して、各香料成分の匂いが強いことが確認された。
<処理浴中の香料成分含有量の測定方法>
処理前後の浴中の香料成分の含有量は、下記の液体クロマトグラフィー装置を用いて測定した。
液体クロマトグラフィー装置:HITACHI L−6000
カラム:Lichrospher 100 RP−18(e) 5μm 125mm×4φ
カラム温度:40℃
溶離剤:アセトニトリル/水=7/3(質量比)の混合溶液
流速:1.0mL/min
検出器:UV(220nm)
Figure 0004944757
表中の記号は以下のものを意味する。
・DMAEMA:メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル
・DEAEMA:メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル
・QDM:N,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムクロライド
・BMA:ブチルメタクリレート
・OAA:オクチルアクリレート
・SMA:ステアリルメタクリレート
・LMA:ラウリルメタクリレート
・MMA:メチルメタクリレート
また、効果の高かった合成例1の方法で調製したポリマーa1について、ClogPの異なる各種香料成分を用いた香料乳化物を香料成分毎に調製し、上記と同様に処理を行い、吸着率を求めた。その結果を表2に示した。
Figure 0004944757
表2から(a)成分を含有する組成物で処理された繊維製品は、(b)成分を含有する処理浴で処理することで、(b)成分を効率的に繊維製品に吸着出来ることが分かる。この効果は、(a)成分と(b)成分を含有する組成物で処理された繊維製品を(b)成分を含有する処理浴で処理することでも同様に発現する。
実施例2及び比較例2
<配合成分>
(1)ポリマーa1を含有する香料乳化物の調製
ポリマーa1を100g、表3に記載の香料組成物Aを50g、高せん断力をかけながら混合し、攪拌を30分間続け、その後、水320gを攪拌下で1滴ずつ加えて攪拌した。該乳化物を調製する際の高せん断力は、ウルトラターラックスT−20(IKA製、シャフトジェネレーターS25−25F)で負荷した。乳化物は、調製後、400メッシュの金網で常圧下で、ろ過して使用した。このものの平均粒子径は100nmであった。また、香料組成物Aを香料組成物Bに代えた以外は、同様にして香料乳化物を得た。また、ポリマーa1を用いない場合は、ポリマーa1の量を水に置き換えて香料乳化物を得た。得られた香料乳化物を、以下の液体柔軟剤組成物の調製に供した。
Figure 0004944757
(2)(c)成分
以下の(c−1)を用いた。
Figure 0004944757
(c−1)は、以下の方法で製造されたものである。
*(c−1)の製造
N−(3−アミノプロピル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアミンと硬化牛脂脂肪酸を1/1.9のモル比で公知の方法に従って脱水縮合させた。反応物中の脂肪酸含量が5質量%になった時点で反応を終了させた。反応生成物は、(c−1)を95質量%含有しており、これを柔軟剤組成物の調製に用いた。
(3)その他の成分
Figure 0004944757
<液体柔軟剤組成物の調製>
最終の柔軟剤組成物が300gになるように上記の各成分を表5の組み合わせで使用し柔軟剤組成物を製造した。一枚の長さが2.5cmのタービン型羽根が3枚ついた攪拌羽根をビーカー底面より1cm上部に設置した、500mLのガラスビーカーに必要量の95質量%イオン交換水を入れ、ウォーターバスで62℃まで昇温した。500rpmで攪拌しながら、融解した(e)成分を添加した、次に(c)成分と、(g)成分、及び(h)成分を予め予備混合し70℃で溶融させた予備混合物を添加した。次に所定のpHにするのに必要な量の35%塩酸水溶液、及び/又は48%水酸化ナトリウム水溶液を添加した。その後、(i)成分、(j)成分を添加し、5分間攪拌した後、5℃のウォーターバスで30℃まで冷却し、(f)成分を添加し更に5分間混合した。更に、香料乳化物を攪拌しながら添加し、最後に再度pHを確認し、必要に応じて35%塩酸水溶液、及び/又は48%水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整した。表5の組成においては、(c−1)成分は、ほぼすべて塩酸塩の状態で組成物に存在する。なお、表5中、(c−1)成分の数値はそれ自体(有効分)の配合量である。
<液体柔軟剤組成物による処理及び香料成分の吸着率の測定>
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて、木綿タオル(武井タオル製TW220:綿100%)20枚を日立全自動洗濯機NW-6CYで5回洗浄を繰り返し、室内乾燥することによって、過分の薬剤を除去した(洗剤濃度0.0667質量%、水道水47L使用、水温20℃、洗浄10分、ため濯ぎ2回)。その後、National 電気バケツN-BK2-Aに、5Lの水道水を注水し、表5の柔軟剤組成物を10g/衣料1.0kgとなるように溶解(処理浴の調製)させ、2枚の木綿タオルを5分間浸漬し、処理した。
香料成分の吸着率は、上記処理において、処理前の処理浴中の香料成分含有量と、木綿タオルを5分間浸漬後の処理浴中の香料成分含有量(処理後の香料成分含有量)とを実施例1と同様にして求め、実施例1と同様に香料成分の吸着率を求めた。結果を表5に示すが、実施例2−1、2−2、2−3、2−4の液体柔軟剤組成物で処理したタオルの方が、比較例2−1、2−2、2−3の液体柔軟剤組成物で処理したタオルよりもClogPが4超7以下の香料成分〔(b)成分〕の1日室内乾燥後の残香性が高く、更に、5日室内乾燥後の残香性も、比較例に比べて実施例2−1、2−2が高いことを確認した。また、実施例2−1、2−2、2−3、2−4の液体柔軟剤組成物で処理したタオルは柔らかく仕上がった。
Figure 0004944757

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物、又はその酸塩もしくは4級塩に由来するモノマー単位(A)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(B)を、(A)/(B)=10/90〜99/1のモル比で含有する高分子化合物(a)と、ClogPが4超7以下の香料成分(b)とを含有する繊維処理剤。
    Figure 0004944757

    〔一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基を示し、R3は−COOM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)、又は水素原子を示す。Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−、又は−CH2−を示す。R4はXが−CH2−の場合には一般式(3)
    Figure 0004944757

    で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は水素原子を示す。R6、R8は、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基、R7は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
    Figure 0004944757

    〔式中、R11は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは、−O−CO−、−COO−、又は−CONR13−を示す(R13は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)。R12は、炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
  2. ClogP4超7以下の香料成分(b)が香料組成物(b')中に20〜60質量%含有されている請求項1記載の繊維処理剤。
  3. 請求項1又は2記載の繊維処理剤で繊維製品を処理することにより、香料の吸着を促進させる方法。
  4. 請求項1又は2記載の繊維処理剤と水とを含有する繊維処理剤組成物を用いて繊維製品を処理する、請求項3記載の方法。
  5. ClogPが4超7以下の香料成分(b)を繊維製品に付与する際に、下記一般式(1)で示される化合物、又はその酸塩もしくは4級塩に由来するモノマー単位(A)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(B)を、(A)/(B)=10/90〜99/1のモル比で含有する高分子化合物(a)とともに繊維製品に付与する、あるいは高分子化合物(a)で先に繊維製品を処理することで、当該ClogPが4超7以下の香料成分(b)の吸着を促進させる、繊維製品の処理方法。
    Figure 0004944757

    〔一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基を示し、R3は−COOM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)、又は水素原子を示す。Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−、又は−CH2−を示す。R4はXが−CH2−の場合には一般式(3)
    Figure 0004944757

    で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は水素原子を示す。R6、R8は、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基、R7は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
    Figure 0004944757

    〔式中、R11は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは、−O−CO−、−COO−、又は−CONR13−を示す(R13は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)。R12は、炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
  6. 下記一般式(1)で示される化合物、又はその酸塩もしくは4級塩に由来するモノマー単位(A)及び、下記一般式(2)で示される化合物に由来するモノマー単位(B)を、(A)/(B)=10/90〜99/1のモル比で含有する高分子化合物(a)を0.01〜15質量%、ClogPが4超7以下の香料成分(b)を0.1〜2.0質量%、及び柔軟基剤を3〜50質量%含有し、上記高分子化合物(a)と柔軟基剤を、高分子化合物(a)/柔軟基剤=1/150〜1/5の質量比で含有する柔軟剤組成物。
    Figure 0004944757

    〔一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基を示し、R3は−COOM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)、又は水素原子を示す。Xは−COO−R6−、−CONR7−R8−、又は−CH2−を示す。R4はXが−CH2−の場合には一般式(3)
    Figure 0004944757

    で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。R5は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又は水素原子を示す。R6、R8は、それぞれ独立に炭素数2〜3のアルキレン基、R7は水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
    Figure 0004944757

    〔式中、R11は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示し、Yは、−O−CO−、−COO−、又は−CONR13−を示す(R13は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)。R12は、炭素数6〜22のアルキル基又はアルケニル基を示す。〕
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