JP2006342460A - 柔軟剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 柔軟効果を著しく向上させると共に、処理した繊維製品の吸水性を減ずることがない柔軟剤組成物を提供する。
【解決手段】 (a)4級アンモニウム基及び/又は3級アミノ基を有するモノマー単位が分子中に10〜100モル%含有する高分子化合物、(b)25℃での粘度が2〜1000万mm2/sであるジメチルポリシロキサン、(c)特定の一般式(2)で表されるポリエーテル変性シリコーン、並びに(d)水を含有し、(b)成分/(c)成分の質量比が特定範囲にある柔軟剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は柔軟剤組成物に関する。
さまざまな目的から、繊維製品処理剤組成物、例えば柔軟剤組成物にカチオン性高分子化合物及びシリコーン化合物を応用する技術が開示されており、特許文献1〜5を参考にすることができる。特に、特許文献3、4にはカチオン性高分子化合物及びシリコーン化合物を併用することにより、通常使用されるジアルキル型4級アンモニウム化合物を用いなくても、柔軟効果を付与できる技術が開示されている。
特開2002−105857号公報 特開2002−285474号公報 特開2004−131895号公報 特開2004−131896号公報 特開平1−061571号公報
特許文献1〜5の技術は、カチオン性高分子化合物がシリコーン化合物の吸着を促進させているものと推定でき、柔軟剤を使用しない衣料と比較すると効果がみられるものの、ジアルキル型4級アンモニウム化合物を柔軟基剤として用いた通常の柔軟剤組成物と比較して、未だ満足できる柔軟効果を有するものではなく、特に木綿などの天然繊維で構成された繊維製品には効果が低いという課題がある。また、シリコーン化合物は撥水性物質であり、このような化合物が繊維製品に吸着すると吸水性が著しく低下するため、この改良も強く望まれる。
従って本発明の課題は、カチオン性高分子化合物及びシリコーン化合物を含有する柔軟剤組成物において、柔軟効果を著しく向上させると共に、処理した繊維製品の吸水性を減ずることがない柔軟剤組成物を提供することにある。
本発明は、(a)4級アンモニウム基及び/又は3級アミノ基を有するモノマー単位が分子中に10〜100モル%含有する高分子化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)25℃での粘度が2〜1000万mm2/sであるジメチルポリシロキサン〔以下、(b)成分という〕、(c)下記一般式(2)で表されるポリエーテル変性シリコーン〔以下、(c)成分という〕、並びに(d)水〔以下、(d)成分という〕を含有し、(b)成分/(c)成分の質量比が1/10〜10/1である柔軟剤組成物に関する。
Figure 2006342460
〔式中、R2a、R2b、R2cは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、水素原子及びヒドロキシ基から選ばれる。c、dは平均重合度であり、これらの値は25℃での粘度が100〜100万mm2/sになるように選ばれる。R2dは炭素数1〜3のアルキレン基であり、R2eは−[(C24O)e/(C36O)f]−Hであり、(C24O)と(C36O)はランダムでも、ブロックでも良く、e及びfの合計は2〜100である。〕
本発明によれば、柔軟効果が著しく向上し、処理した繊維製品の吸水性を減ずることがない、カチオン性高分子化合物及びシリコーン化合物を含有する柔軟剤組成物が提供される。
<(a)成分>
本発明の(a)成分は4級アンモニウム基及び/又は3級アミノ基を有するモノマー単位〔以下モノマー単位Aとする〕が分子中に10〜100モル%、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは10〜60モル%、特に好ましくは20〜60モル%含有する高分子化合物である。
モノマー単位Aは、4級アンモニウム基(複数であってもよい)を含有するモノマー(以下、モノマーAとする)を重合するか又は3級アミノ基(複数であってもよい)を含有するモノマー(以下、モノマーA’とする)を重合して得られるモノマー単位であってもよく、3級アミノ基を4級化して4級アンモニウム化したものであってもよい。
4級アンモニウム基を有するモノマーAの好ましい例として、下記一般式(1−1)の化合物を挙げることができる。
Figure 2006342460
〔式中、R1a、R1b、R1cは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は炭素数1〜3のアルキル基である。Xは炭素数1〜12のアルキレン基、−COOR1g−、−CONHR1g−、−OCOR1g−、−R1h−OCO−R1g−から選ばれる基である。ここでR1g、R1hは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基である。R1dは炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はR1a1bC=C(R1c)−X−である。R1eは炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ベンジル基であり、R1fはヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基もしくは硫酸エステル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はベンジル基であり、R1fがアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はベンジル基の場合は、Y-は陰イオンを示す。また、R1fがカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基を含む場合、Y-は存在せずR1f中のこれらの基は陰イオンとなる。Y-の陰イオンとしては、ハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい芳香族スルホン酸イオン、ヒドロキシイオンを挙げることができる。〕
より具体的に好ましい例としては、アクリロイル(又はメタクリロイル)アミノアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N−(ω−アルケニル(炭素数3〜10))−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N,N−ジ(ω−アルケニル(炭素数3〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩が好ましく、特にジアリルジメチルアンモニウム塩が良好である。
3級アミノ基のモノマーA’の好ましい例として、下記一般式(1−2)の化合物を挙げることができる。
Figure 2006342460
より具体的に好ましい例としてはN,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミノアルキル(炭素数1〜5)アクリレート(又はメタクリレート)、N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)アミノアルキル(炭素数1〜5)アクリルアミドが好ましく、ジアリルメチルアミンが特に好ましい。
モノマーA’を4級化する場合は、4級化剤としてメチルクロリド、メチルブロミド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、モノクロロ酢酸又はその塩、エチレンオキシド(以下、EOと表記する)、プロピレンオキシド(以下、POと表記する)、グリシジルエーテルを用いて行うことが好ましい。尚、EO、PO、グリシジルエーテルを使用する場合は、予め硫酸、塩酸、炭素数1〜12のカルボン酸、アリルスルホン酸などでモノマー単位を中和した後反応させることが好ましい。
本発明の(a)成分は、モノマー単位A及び/又はモノマー単位A’(複数種であってもよい)からなる重合体のみならず、モノマー単位A及び/又はモノマー単位A’(複数種であってもよい)と他のモノマー単位(以下、モノマー単位Bとする)とから構成された重合体であってもよい。(モノマーA’を使用する場合は、アミン型のモノマー単位を有していてもよい。)この場合、モノマー単位A及び/又はモノマー単位A’とモノマー単位B(複数種であってもよい)との配列様式は、ブロック、交互、周期、統計(ランダムを含む)、グラフト型の何れであってもよい。
モノマー単位A及び/又はモノマー単位A’とモノマー単位Bとから構成される重合体は、例えば、それぞれの前駆体モノマーを共重合することによって得ることができる。この場合、モノマー単位Bとしては、下記のモノマー群(i)〜(≡)から選ばれるモノマーを重合して得られるモノマー単位が好ましく、(i)〜(iii)記載のモノマー由来のモノマー単位がより好ましく、特に防汚効果の点から(i)、又は(ii)のモノマー由来のモノマー単位が最も好ましい。
(i)アクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸塩、スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩、リン酸モノ−ω−メタクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜12)から選ばれる陰イオン基含有化合物
(ii)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドンから選ばれるアミド基含有化合物
(iii)アクリル酸(又はメタクリル酸)アルキル(炭素数1〜5)、アクリル酸(又はメタクリル酸)2−ヒドロキシエチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)−N,N−ジメチルアミノアルキル(炭素数1〜5)、酢酸ビニルから選ばれるエステル基含有化合物
(iv)エチレン、プロピレン、N−ブチレン、イソブチレン、N−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、N−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンから選ばれる化合物
モノマー単位A及び/又はモノマー単位A’とモノマー単位Bを有する重合体は前記のような共重合による合成方法の他、モノマー単位A及び/又はモノマー単位A’を含む重合体に前記(i)〜(iv)のモノマー、特に好ましくは前記(i)、(ii)のモノマーをグラフト重合して得てもよいし、前記(i)〜(iv)のモノマーを含む重合体に前記一般式(1−1)、及び/又は一般式(1−2)のモノマーをグラフト重合して得てもよいし、前記(i)〜(iv)のモノマーを含む重合体、特に好ましくは前記(i)、(ii)のモノマーを含む重合体に前記一般式(1−2)のモノマーをグラフト重合した後、これを4級化してもよい。
本発明のモノマー単位Bで最も好ましいものは、カルボン酸基、スルホン酸基から選ばれる1つ以上の基を有する[但し4級アンモニウム基を有さない]モノマー、すなわち前記(i)のモノマー由来のモノマー単位(以下モノマー単位B’とする)である。
本発明の(a)成分を構成する重合体はいかなる重合法によって得てもよいが、ラジカル重合法が特に好ましく、塊状、溶液、又は乳化系にてこれを行うことができる。
本発明の(a)成分は、モノマー単位A及び/又はモノマー単位A’の単一重合体並びにモノマー単位A及び/又はモノマー単位A’及びモノマー単位Bのコポリマーから選ばれる重合体の複数種の混合物であってもよい。
本発明の(a)成分におけるより好ましい構成は、モノマー単位A及び/又はモノマー単位A’とモノマー単位B’の合計が全モノマー単位に対して50〜100モル%のものであり、最も好ましくはモノマー単位A及び/又はモノマー単位A’とモノマー単位B’のモル比が、〔モノマー単位A+モノマー単位A’〕/〔モノマー単位A+モノマー単位A’+モノマー単位B’〕=0.3〜0.99のものであり、特には0.4〜0.99ものである。
本発明の(a)成分の重量平均分子量は好ましくは2000〜1000万、より好ましくは1万〜500万、特に好ましくは5万〜75万である。なお、重量平均分子量はポリエチレングリコールを標準とし、溶離液としてリン酸バッファーを用いて測定することができる。
<(b)成分>
本発明の(b)成分はジメチルポリシロキサンである。この化合物の分子構造は、直鎖状であっても分岐や架橋していてもよい。ジメチルポリシロキサンとしては、25℃での粘度が100〜1000万mm2/s、好ましくは5000〜100万mm2/sの化合物が好適である。この粘度は、ウベローデ粘度計(柴田科学製)により測定された動粘度である(以下同様)。
また、(b)成分は水不溶性の化合物であるため、通常は、組成物中に分散させて配合され、分散粒子の平均粒径は0.01〜10μm、好ましくは0.01〜0.5μmが貯蔵安定性の点から好適である。(b)成分はオイルとして使用でき、また任意の乳化剤によって分散された乳化物としても使用できる。具体的には東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製SH−200(5000mm2/s)、SH−200(1万mm2/s)、信越化学工業株式会社製KF96H−10万(10万mm2/s)、KF96H−30万(30万mm2/s)が好適である。
<(c)成分>
本発明の(c)成分は、上記一般式(2)で表されるポリエーテル変性シリコーンである。ポリエーテル変性シリコーンは、ポリエーテル基を有しないジメチルシリコーンに比べ、よりキシミ感が少なく良好な柔軟性を繊維製品に付与する効果を有するとともに、静電気防止性を付与することが出来、本発明の組成物では(a)成分を併用することで、(b)成分と特定の比率で配合した場合、特に優れた上記の性能を発現する。この(c)成分の化合物はオイルとして使用でき、また任意の乳化剤によって分散された乳化物としても使用できる。
(c)成分の一般式(2)中、R2a、R2b、R2cは炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基が好ましい。c、dは平均重合度であり、これら値は25℃での粘度が100〜100万mm2/s、好ましくは100〜10万mm2/sになるように選ばれ、好ましくはcは10〜10000、好ましくは10〜1000であり、dは1〜1000、好ましくは10〜100である。また、式(2)中のe及びfの合計は2〜100、好ましくは5〜80、特に好ましくは10〜60である。
本発明の(c)成分の具体的な例としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のSH3772M、SH3775M、SH3748、SH3749、SF8410、SILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET FZ−2109、信越化学工業(株)製のKF352A、KF6008、KF615A、GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452党が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
<(d)成分>
本発明の(d)成分は水であり、微量に存在する重金属などを取り除いたイオン交換水や蒸留水を用いることができる。
<その他の成分>
本発明では任意ではあるが組成物の貯蔵安定性を向上させる目的から界面活性剤〔以下(e)成分という〕を含有することが好ましい。特に(b)成分及び(c)成分の分散、可溶化、又は乳化させる目的、及び貯蔵安定性の点から本発明の効果を損なわない程度に界面活性剤を併用することが好適である。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、アルキル基の炭素数8〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基の炭素数8〜36のアルキル硫酸エステル塩、オキシエチレン基の平均付加モル数が1〜4、アルキル基の炭素数8〜36のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる陰イオン界面活性剤;オキシアルキレン基の平均付加モル数が4〜20、アルキル基の炭素数が8〜18のポリオキシエチレン(及び/又はポリオキシプロピレン)アルキルエーテル、アルキル基の炭素数が8〜16、平均縮合度が1〜5のアルキルポリグルコシド、炭素数10〜16の脂肪酸ソルビタンエステルから選ばれる非イオン界面活性剤;エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数が12〜22のアルキル基を1つ又は2つ有する4級アンモニウム型陽イオン界面活性剤を挙げることができる。これら界面活性剤の中では貯蔵安定性の点から陰イオン界面活性剤、及び非イオン界面活性剤が好ましく、特に一般式(e1)で表される非イオン界面活性剤が好適である。
e1−M−[(Re2O)p−H]q (e1)
[式中、Re1は、炭素数10〜18、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、Re2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。また、pは2〜60、好ましくは5〜40、特に好ましくは20〜40の数である。Mは−O−又は−CON−であり、Mが−O−の場合はqは1であり、Mが−CON−の場合はqは2である。]
本発明の組成物には貯蔵安定性を改善する目的、(b)成分、(c)成分を組成物中に安定に溶解、分散もしくは可溶化させる目的、及び(b)成分、(c)成分の被対象物への吸着性を更に上げる目的から、水溶性の有機溶剤〔以下、(f)成分という〕を用いることが好ましい。具体的に好ましい有機溶剤としてはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオールが好適であり、特にグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールが好ましい。
<柔軟剤組成物>
本発明の柔軟剤組成物中の(a)成分の含有量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.07〜4質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましく、(b)成分の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、2〜30質量%が特に好ましい。また、(c)成分の含有量は、3〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましく、6〜20質量%が特に好ましい。
本発明の柔軟剤組成物では、(b)成分/(c)成分の質量比は、1/10〜10/1であり、1/8〜8/1であるのが好ましく、1/5〜5/1がより好ましい。上記の範囲に設定することで、(b)成分の繊維改質性能を損なうことなく、好ましい吸水感を発現することが可能になる。
また、(a)成分/〔(b)成分+(c)成分〕の質量比は、1/150〜30/100が好ましく、1/100〜20/100がより好ましく、1/80〜10/100が特に好ましい。
本発明では任意ではあるが、(b)成分、(c)成分の分散、可溶化、又は乳化を促進させ、貯蔵安定性の改善及び対象物への吸着促進を目的に(e)成分を含有することが好適であり、組成物中の含有量は0〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%が好適である。また、(f)成分の組成物中の含有量は、0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは4〜15質量%、(g)成分を組成物中に0〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜10質量%が好適である。
本発明の組成物は、上記成分を(d)成分である水に、分散、可溶化あるいは乳化させた水溶液等、液体組成物の形態であり、水の含有量は、組成物中に40〜95質量%、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは60〜90質量%が好ましい。
本発明の組成物のpH(20℃)は貯蔵安定性の点から、好ましくは2.0〜9.0、より好ましくは2.0〜8.0、特に好ましくは3.0〜7.5である。
本発明の組成物には、更に通常繊維処理剤に配合される香料(特に好ましくは特開平8−11387号公報記載の成分(c)及び(d)にて示された香気成分の組み合わせ)あるいは色素等の成分を配合しても差し支えない。
本発明の柔軟剤組成物は、該組成物と水とを含有する処理液を、衣料等の繊維製品と接触させる繊維製品の処理方法に用いられる。例えば、対象衣料を洗浄後、濯ぎ時に本発明の組成物を添加し、脱水/乾燥を行う方法、又は対象衣料を本発明の組成物に浸漬させた後、脱水/乾燥を行う方法により、衣料に接触させることが好適である。繊維製品への処理量は、(c)成分が繊維製品に対して、0.0005〜10質量%、好ましくは0.005〜5質量%、より好ましくは0.05〜3質量%、特に好ましくは0.05〜2質量%、最も好ましくは0.1〜1質量%となる量が好適である。
実施例に用いる配合成分を以下にまとめて示す。配合成分中の(b)成分の粘度は25℃における粘度である。また例中の「%」は特記しない限り「質量%」である。
<配合成分>
・(a)成分
(a−1):塩化ジアリルジメチルアンモニウムの重合体(マーコート100;Calgon製、分子量40万)
(a−2):塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体(ダイドールEC−004;大同化成工業(株)製)
(a−3):塩化イミダゾリニウム−ビニルピロリドン共重合体(LUVIQUAT FC905;B.A.S.F)
(a’−1):ラウリルアルコールのEO付加物(平均EO付加モル数20モル)
・(b)成分
(b−1):信越化学工業(株)製 KF96H−10万(10万mm2/s);ジメチルシリコーン
(b−2):東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 SH−200(粘度5000mm2/s);ジメチルシリコーン
(b−3):GE東芝シリコーン(株)製 TEX100;ジメチルシリコーン乳化物
・(c)成分
(c−1):東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 SM−3775M;ポリエーテル変性シリコーン
(c−2):東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 FZ−2109;ポリエーテル変性シリコーン
(c−3)下記構造式のポリエーテル変性シリコーン
Figure 2006342460
・(d)成分:イオン交換水
(e)成分
(e−1):N−ステアロイルアミノプロピル−N−ステアロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
(e−2):N−ステアロイルアミノプロピル−N−2−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド
・(f)成分
(f−1):エタノール
(f−2):グリセリン
・(g)成分
(g−1):硬化ひまし油にEOを平均40モル付加させた化合物
実施例
表1に示す(a)〜(g)成分を用い、下記方法で表1に示す組成の衣料用柔軟剤組成物を調製した。得られた組成物を下記方法で衣料に処理し、その柔軟性(風合い)、吸水性を評価した。結果を表1に示す。
<衣料用柔軟剤組成物の調製法>
(b)、(c)、(e)、(f)、(g)成分を1000mLビーカーにとり、攪拌羽根を用いて充分に攪拌した。次に、攪拌しながら(d)成分を添加し、更に攪拌しながら、(a)成分を添加し攪拌後、均一になるまで充分に攪拌して800gの液体柔軟剤組成物を調製した。
<柔軟性(木綿タオルの風合い評価)>
(1)柔軟処理タオルAの調製方法
市販の木綿タオル(白色、34cm×86cm、68g/1枚、綿100%)24枚を市販の衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄した(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0677質量%、水道水30L(水温20℃)使用、水温20℃、10分間)。その後洗浄液を排出し、3分間脱水後、30Lの水道水(水温20℃)を注水した。5分間攪拌後、濯ぎ水を排出し、3分間脱水した。次に30Lの水道水(水温20℃)を注水し、5分間攪拌後、濯ぎ水を排出し、3分間脱水した。このサイクルを5回繰り返した後、室温で風乾した。この風乾した木綿タオルの質量を測定した。次にこの木綿タオルを衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄した(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0677質量%、風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水(水温20℃)使用、水温20℃、5分間)。その後洗浄液を排出し、3分間脱水後、風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水道水(水温20℃)を注水した。5分間攪拌後、濯ぎ液を排水し、3分間脱水した。次に風乾した木綿タオルの質量の17倍の質量の水道水(水温20℃)を注水した。次に風乾した木綿タオルの質量の1.34質量%に相当する表1に示す柔軟剤組成物を添加し3分間攪拌した。その後、水を排出し、3分間脱水し自然乾燥した。
(2)柔軟処理タオルBの調製方法
上記柔軟処理タオルAの調製方法において、柔軟剤組成物として、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウムクロライドを15質量%含有する柔軟剤組成物(残部は水)を用い、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウムクロライドの添加量が、風乾した木綿タオルの質量の0.47質量%となるように該組成物を添加し、他は同様にして、柔軟処理タオルBを調製した。
(3)風合い評価
上記処理した木綿タオルを八つ折りにし、両手で軽く握りしめた時の風合いを10人のパネラー(30代男性10人)により、下記の基準で判定し、平均点を求めた。平均点が0.5以上を◎、0以上0.5未満を○、0未満を×として判定した。
−1:処理タオルAに比べて、処理タオルBが柔らかい
0:処理タオルAと、処理タオルBの柔らかさは同等であった
+1:処理タオルAのほうが、処理タオルBよりも柔らかい
<吸水性評価>
木綿金巾#2003(谷頭商店製)を2槽式洗濯機(東芝(株)製2槽式洗濯機VH−360S1)で市販洗剤を用いて洗浄し(花王(株)製アタック、洗剤濃度0.0667質量%、水道水使用、水温20℃、10分洗浄後、15分流水すすぎした後、5分間脱水)、自然乾燥させた。このものを裁断し、約16g×8枚(トータルで約150g)の試験布を得る。20℃、4度硬水2250ml中に各組成物を3g添加し、1分間攪拌する(National 電気せんたく機 NA-35使用)。その後、上記試験布を加え5分間処理する。処理終了後脱水(3分)を行い一晩乾燥(風乾)させる。National 電気せんたく機 NA-35での仕上げ処理、及び処理布の乾燥の工程を5回繰り返した後、乾燥させた木綿金布を2.5cm×25cmの長さに切り取り、その短辺を下にして、25℃のイオン交換水に1cmの深さまで浸漬した。浸漬から15分後に吸水した水の水面からの吸水高さを測定した。吸水高さが8cm以上のものを合格(○)、6cm以上8cm未満を△、6cm未満を×とした。柔軟処理をしない木綿金布の吸水高さは10cm、従来型の柔軟基剤であるジステアリルジメチルアンモニウムクロリド20重量%水分散液で処理した時の吸水高さは3cmである。
Figure 2006342460
pHは、20℃におけるpHであり、1/10規定硫酸水溶液及び1/10規定水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整した。

Claims (3)

  1. (a)4級アンモニウム基及び/又は3級アミノ基を有するモノマー単位が分子中に10〜100モル%含有する高分子化合物、(b)25℃での粘度が2〜1000万mm2/sであるジメチルポリシロキサン、(c)下記一般式(2)で表されるポリエーテル変性シリコーン、並びに(d)水を含有し、(b)成分/(c)成分の質量比が1/10〜10/1である柔軟剤組成物。
    Figure 2006342460

    〔式中、R2a、R2b、R2cは、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基、水素原子及びヒドロキシ基から選ばれる。c、dは平均重合度であり、これらの値は25℃での粘度が100〜100万mm2/sになるように選ばれる。R2dは炭素数1〜3のアルキレン基であり、R2eは−[(C24O)e/(C36O)f]−Hであり、(C24O)と(C36O)はランダムでも、ブロックでも良く、e及びfの合計は2〜100である。〕
  2. (a)成分を0.01〜10質量%、(b)成分を0.1〜50質量%、及び(c)成分を3〜30質量%含有する請求項1記載の柔軟剤組成物。
  3. (a)成分/〔(b)成分+(c)成分〕の質量比が1/150〜30/100である請求項1又は2記載の柔軟剤組成物。
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