JP3883944B2 - 衣料用易洗防汚処理剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は衣料用易洗防汚処理剤及び衣料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
衣料の洗浄は一般に弱アルカリ性洗剤を用いて洗濯機で洗浄することが一般的である。しかしながら、衿や袖口の皮脂に由来する汚れや、靴下に付着した泥汚れなどは非常に頑固な汚れであり、通常の洗濯では満足できるレベルまで洗浄することは難しい。
【0003】
これを解決する方法として、洗濯後の繊維製品に塗布、または浸漬処理することで繊維製品に防汚性を付与する処理剤が提案されている。例えば、繊維製品の表面に、当該繊維製品と汚れとの接触を防止し得る被覆剤を存在させ、当該繊維製品を使用した後、前記被覆剤を除去することを特徴とする繊維製品の汚れ防止方法が知られており、被覆剤として、カルボキシメチルセルロース、加工澱粉及び水不溶性の微粒子が挙げられている(例えば特許文献1)。また、防汚剤の基材として、アクリル酸及び/又はメタクリル酸系高分子化合物(例えば特許文献2〜4)や水不溶性粉体(例えば特許文献5)を用いる含有する防汚剤組成物が提案されている。また、皮膜を形成し得るポリマーを用いた防汚剤も知られている(例えば特許文献6)。しかしながらこれら処理剤においても未だ満足できる防汚効果を得ることができない。
【0004】
さらに、陽イオン性基を有する化合物を防汚剤として用いる技術も既に提案されている(例えば特許文献7)が、これら処理剤においても未だ満足できる防汚性を得ることができない。
【0005】
従って本発明の課題は、衣料等の繊維製品に優れた防汚性を付与し、しかも汚れが付着しても洗濯で容易に除去できる易洗性を有する衣料用易洗防汚処理剤を提供することにある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−263497号公報
【特許文献2】
特開2000−143738号公報
【特許文献3】
特開2000−199178号公報
【特許文献4】
特開2000−199179号公報
【特許文献5】
特開平9−273071号公報
【特許文献6】
特開平9−273079号公報
【特許文献7】
特表平11−505568号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)炭素数12〜26の炭化水素基を1つと炭素数1〜3の炭化水素基を2つ有するアミンオキシド化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)下記ポリマー(1)〜ポリマー(7)から選ばれる化合物〔以下、(b)成分という〕、及び(c)水〔以下、(c)成分という〕を含有する衣料用易洗防汚処理剤に関する。
ポリマー(1);セルロース誘導体
ポリマー(2);少なくともビニル基及び/又は芳香族環を有する1種又は2種以上のモノマーを重合して得られ、且つスルホン酸基を含有するポリマーもしくはその塩
ポリマー(3);アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー
ポリマー(4);アクリル酸もしくはメタクリル酸と他のビニル系モノマーの1種又は2種以上とのコポリマー並びにこれらの塩
ポリマー(5);化工澱粉
ポリマー(6);N-ビニル-2-ピロリドン系ポリマー
ポリマー(7);分子中に陽イオン基及びビニル基又はアリル基を有する単量体を重合して得られるポリマー、又は該単量体と共重合可能な単量体とのコポリマー。
【0008】
また、本発明は、上記本発明の衣料用易洗防汚処理剤を対象衣料に接触後、乾燥させる衣料の処理方法に関する。
【0009】
なお、本発明による衣料の易洗防汚処理剤とは、衣料に直接接触させた後、乾燥させることで衣料に防汚成分を付着させる処理剤であり、衣料の洗濯に用いられる一般の洗浄剤とは明らかに区別される。
【0010】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
本発明に係わる(a)成分は炭素数12〜26の炭化水素基を1つと炭素数1〜3の炭化水素基を2つ有するアミンオキシド化合物であり、好ましい具体例として一般式(1)の化合物を挙げることができる。
【0011】
【化1】
Figure 0003883944
【0012】
〔式中;R1は炭素数12〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数1〜6のアルキレン基であり、Aは−COO−、−CONH−、−OCO−、−NHCO−から選ばれる基である。aは0又は1の数であり、R3、R4は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。〕。
【0013】
一般式(1)において、R1の炭素数は、好ましくは炭素数12〜22、より好ましくは13〜19、特に好ましくは15〜17、最も好ましくは15である。Aは、好ましくは−COO−又は−CONH−であり、最も好ましくは−CONH−である。R2の炭素数は、好ましくは2又は3であり、R3、R4は、好ましくはメチル基である。
【0014】
本発明の最も好ましいアミンオキシド化合物としては下記一般式(1−1)の化合物または一般式(1−2)の化合物が好適である。
【0015】
【化2】
Figure 0003883944
【0016】
〔式中、R5は炭素数13〜21、好ましくは13〜19、特に好ましくは15〜17、最も好ましくは15のアルキル基又はアルケニル基であり、b、cは2又は3の数である〕。
【0017】
本発明では、炭素数12〜26の炭化水素基、例えば上記一般式中のR1又はR5は、単独のアルキル(又はアルケニル)鎖長でもよく、異なるアルキル(又はアルケニル)鎖長を有する混合アルキル基(又はアルケニル基)であってもよい。後者の場合には、パーム油、大豆油、なたね油、綿実油から選ばれる植物油及び豚脂、牛脂、魚油から選ばれる動物油から誘導される混合アルキル(又はアルケニル)鎖長を有するものが好適である。具体的にはパルミチル基(またはパルミチン酸残基)/ステアリル基(又はステアリン酸残基、もしくはオレイル基またはオレイン酸残基)のモル比が90/10〜20/80、好ましくは90/10〜30/70であることが易洗防汚効果の点から好ましい。
【0018】
本発明の衣料用易洗防汚処理剤は(a)成分を易洗防汚効果の点から好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%が好適である。
【0019】
<(b)成分>
本発明に係わる(b)成分は、下記ポリマー(1)〜ポリマー(7)から選ばれる化合物である。
ポリマー(1);セルロース誘導体
ポリマー(2);少なくともビニル基及び/又は芳香族環を有する1種又は2種以上のモノマーを重合して得られ、且つスルホン酸基を含有するポリマーもしくはその塩
ポリマー(3);アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー
ポリマー(4);アクリル酸もしくはメタクリル酸と他のビニル系モノマーの1種又は2種以上とのコポリマー並びにこれらの塩
ポリマー(5);化工澱粉
ポリマー(6);N-ビニル-2-ピロリドン系ポリマー
ポリマー(7);分子中に陽イオン基及びビニル基又はアリル基を有する単量体を重合して得られるポリマー、又は該単量体と共重合可能な単量体とのコポリマー
以下、各ポリマーについて詳細に説明する。
【0020】
<ポリマー(1);セルロース誘導体>
セルロース誘導体としては、ヒドロキシアルキルセルロース(好ましくはヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、アルキルセルロース(好ましくはメチルセルロース、エチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、第4級アンモニウム基を有するカチオン化セルロースから選ばれる1種以上が好ましく、特にアルキルセルロース及びカルボキシメチルセルロースが易洗防汚効果の点から好ましい。この場合において、置換度〔セルロースの無水グルコース単位中の水酸基3個のうち、置換基(ヒドロキシアルキル基、アルキル基、カルボキシメチル基、カチオン基等)が導入された水酸基の個数〕は、0.2〜1.6、好ましくは0.4〜1.2が好適である。また、本発明で使用されるセルロース誘導体は、25℃にて1質量%の水溶液としたときの粘度が2000mPa・s以下、好ましくは200mPa・s以下であることが望ましい。これより高い粘度では、衣料を不適切に固くするため、好ましくない。上記の中で特にカルボキシメチルセルロースが最も好ましい。なお、ポリマー(1)の粘度は、以下のようにして測定する。まずTOKIMEC INC.製B型粘度計モデルBMに、ローター番号No.2のローターを備え付けたものを準備する。試料をトールビーカーに充填し、25℃の恒温槽内にて25℃に調整する。恒温に調整された試料を粘度計にセットする。ローターの回転数を60r/mに設定し、回転を始めてから60秒後に粘度を測定する。
【0021】
<ポリマー(2)>
本発明に用いられるポリマー(2)は、ビニル基及び/又は芳香族環を有する少なくとも1種又は2種以上のモノマーを重合して得られ、且つスルホン酸基を含有するポリマーもしくはその塩である。
【0022】
このポリマー(2)は、例えば以下の(イ)、(ロ)の方法等によりホモポリマー又はコポリマーとして得られる。
(イ)ビニル基及び/又は芳香族環を有し、且つスルホン酸基を有するモノマー(A)を重合するか、又は該モノマー(A)と共重合可能な他のモノマー(B)とを共重合する。
(ロ)ビニル基及び/又は芳香族環を有し、スルホン酸基を有しない少なくとも1種又は2種以上のモノマー(A')を重合した後スルホン化するか、又は該モノマー(A')と共重合可能な他のモノマー(C)とを共重合した後スルホン化する。
【0023】
上記方法(イ)において使用されるモノマー(A)としては、例えばスチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スルホプロピルメタクリレート、α−メチルスチレンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、ビニルナフタレンスルホン酸、インデンスルホン酸等、及びこれらの塩が挙げられる。
【0024】
また、モノマー(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン、ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、インデン、ブタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸等の水溶性モノマー及びこれらのモノマーの塩が好ましい。特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸及びそれらの塩とスチレンが好ましい。
【0025】
(イ)の方法においてポリマー(2)をコポリマーとして得る場合には、スルホン酸基を有している上記モノマー(A)の割合は、重合に供する全モノマー中の30mol%以上、好ましくは50mol%以上配合される。
【0026】
上記モノマー(A)と(B)とを組合せてポリマー(2)(コポリマー)を得る場合には、上記(A)及び(B)中、特にスチレンスルホン酸とアクリル酸ナトリウム、スチレンスルホン酸とスチレンの組合せが好ましい。
【0027】
一方(ロ)の方法により、ポリマー(2)をコポリマーとして得る場合には、スルホン酸基を有しない上記モノマー(A')は、重合に供する全モノマー中の60〜100モル%、特に85〜100モル%の配合量とすることが好ましい。
【0028】
上記(ロ)の方法に於いて使用するモノマー(A')としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、インデン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を重合することができる。これらの中でも特にスチレンが好ましい。
【0029】
また(ロ)の方法においては、モノマー(A')の1種又は2種以上と、該モノマー(A')と共重合し得る他のモノマー(C)とを重合することもできる。この場合、モノマー(C)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、エチレン、ヒドロキシエチルメタクリル酸、プロピレン、ブテン、ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ブタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。
【0030】
上記(ロ)の方法では、例えばポリスチレン、スチレン・エチレンコポリマー、スチレン・ジイソブチレンコポリマー、スチレン・ジシクロペンタジエンコポリマー、スチレン・ビニルトルエン・α−メチルスチレン・インデンコポリマーのようなポリマー(就中ポリスチレンが最も好ましい。)を得た後、得られたポリマーを更にスルホン化する。スルホン化は、無水硫酸、クロルスルホン酸、無水硫酸・ルイス塩基錯体等のスルホン化剤を用い、任意のスルホン化方法を適用することにより行うことができる。
【0031】
スルホン化に際して、ポリマー(2)のスルホン化率(ビニル基及び/又は芳香族環を有するモノマーに起因する骨格1個に対して、スルホン酸基が1個ついている場合をスルホン化率100%とする。)は、一層水溶性を向上させて、洗濯の際に容易に除去可能とすることに鑑みれば60%以上とすることが好ましく、更に好ましくは85%以上である。
【0032】
このようにして得られたスルホン酸基を含有するポリマー(2)は、そのまま本発明の処理剤中に含有することができるが、更に塩として用いることもできる。このような塩としては、1価の塩としてリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、又はモノ、ジあるいはトリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン等の有機アミン塩が挙げられ、2価の塩としてカルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の有機アミン塩があり、3価の塩としてはアルミニウム塩、ジエチレントリアミン等の有機アミン塩、又はポリエチレンイミン等の多価有機アミン等が挙げられる。塩としては特にナトリウム塩が好ましい。
【0033】
本発明の(b)成分として使用されるポリマー(2)の重量平均分子量は、一層衣料の風合いを向上させる為に1000以上であることが望ましく、また粘度を適度なものとして、より使用勝手の良いものとするためには600万以下であることが望ましい。かかる観点から、該ポリマー(2)の分子量は1000〜600万が好ましく、更に好ましくは5000〜100万、特に好ましくは1万〜50万である。
【0034】
<ポリマー(3)>
本発明の処理剤に用いられるポリマー(3)は、アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマーである。ポリマー(3)の重量平均分子量は100〜100万、好ましくは500〜50万、特に好ましくは1000〜10万である。
【0035】
<ポリマー(4)>
本発明の処理剤に用いられるポリマー(4)は、アクリル酸もしくはメタクリル酸と他のビニル系モノマーの1種又は2種以上とのコポリマー並びにこれらの塩である。その他のビニル系モノマーとしては、<ポリマー(2)>でモノマー(B)として例示したものと同じモノマーの他に、アクリル酸又はメタクリル酸とのアルキルエステルを挙げることができ、アルキルエステルのアルキル基の炭素数は8〜20、好ましくは10〜18である。ポリマー(4)の重量平均分子量は、100〜100万、好ましくは500〜50万、特に好ましくは1000〜10万である。
【0036】
<ポリマー(5)>
本発明に用いられる化工澱粉は、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉等のヒドロキシアルキル化澱粉、カルボキシメチル化澱粉等のカルボキシアルキル化澱粉、及びこれらを過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤又は酵素により低粘度化したもの等の化工澱粉が挙げられる。
【0037】
化工澱粉を用いる場合は、その置換度は0.08〜0.3、特に0.1〜0.2であるものを用いることが好ましい。置換度が0.08未満では、化工澱粉の変性により、長期間保存すると沈澱物が生成し、色ものの衣料に使用した時に白化現象が起こる。また、化工澱粉の置換度が0.3より大きいものは合成上得にくい。
【0038】
化工澱粉の水溶液の粘度は、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤又は酵素で化工澱粉を分解することにより低下可能である。
【0039】
<ポリマー(6)>
本発明に用いられるN-ビニル-2-ピロリドン系ポリマーとしては、具体的には下記の重合物(1)、(2)が挙げられる。
【0040】
重合物(1):N-ビニル-2-ピロリドンモノマー〔以下、モノマー(D)という〕の重合物。
【0041】
重合物(2):モノマー(D)と、モノマー(D)と共重合し得るモノマー(D)以外のビニル系モノマー〔以下、モノマー(E)という〕の少なくとも1種との共重合物又はその塩〔但し、共重合物又はその塩のモノマー組成において、モノマー(D)のモル分率は30%以上である〕。
【0042】
<重合物(1)>
記重合物(1)はモノマー(D)の重合物であり、その重量平均分子量は、1,000〜6,000,000が好ましく、更に好ましくは2,000〜1,000,000である。
【0043】
モノマー(D)の重合物として、例えばアイエスピー・ジャパン(株)のPVP Kホモポリマーシリーズ PVPK-15,K-30,K-60,K-90(いずれも商標)等が挙げられる。これらの化学構造は例えば次のようである。
【0044】
【化3】
Figure 0003883944
【0045】
<重合物(2)>
上記重合物(2)のモノマー(E)のモノマー組成において、少なくとも1種の水溶性ビニルモノマーを含有することが好ましい。この場合、水溶性ビニルモノマーとしては、下記(a)〜(k)からなるモノマー群より選ばれる少なくとも一種が好適である。
(a)アクリル酸及びその塩
(b)メタクリル酸及びその塩
(c)マレイン酸及びその塩
(d)無水マレイン酸
(e)2−ヒドロキシエチルアクリル酸及びその塩
(f)2−ヒドロキシエチルメタクリル酸及びその塩
(g)2−ヒドロキシプロピルアクリル酸及びその塩
(h)2−ヒドロキシプロピルメタクリル酸及びその塩
(i)アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド及びN,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基:炭素数1〜4のアルキル基)
(j)一般式(I)で表されるモノマー、並びにその酸塩及びその第4級アンモニウム塩
【0046】
【化4】
Figure 0003883944
【0047】
〔式中、
R:水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
R1,R2:同一又は異なって水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基を示す。
x :1〜5の数を示す。〕
(k)一般式(II)で表されるモノマー、並びにその酸塩及びその第4級アンモニウム塩
【0048】
【化5】
Figure 0003883944
【0049】
〔式中、
R,R1,R2:前記の意味を示す。
y:1〜5の数を示す。〕。
【0050】
なお、上記一般式(I)で表されるモノマーの具体例として、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノメチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノブチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド等が挙げられる。
【0051】
一般式(I)で表されるモノマーを酸塩で使用する場合、例えばHCl、H2SO4、H3PO4等の無機酸塩、又はp−トルエンスルホン酸塩、グリコール酸、クエン酸、コハク酸等の有機酸塩が使用され、又、第4級アンモニウム塩として使用する場合、一般式(I)で表されるモノマーを従来公知の方法でCH3Cl、(CH3)2SO4等のアルキル化剤にて、第4級アンモニウム塩化したものが使用される。
【0052】
一般式(II)で表されるモノマーの例として、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノブチル、アクリル酸−N,N−ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノメチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノブチル、メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノメチル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノブチル、アクリル酸−N,N−ジエチルアミノプロピル、メタクリル酸−N,N−ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−N,N−ジエチルアミノメチル、メタクリル酸−N,N−ジエチルアミノブチル、メタクリル酸−N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。
【0053】
更に、一般式(II)で表されるモノマーは、一般式(I)で表されるモノマーの場合と同様に酸塩又は第4級アンモニウム塩として使用し得る。
【0054】
本発明においては、モノマー(D)とモノマー(E)の共重合物又はその塩も使用し得る〔重合物(2)〕。この場合、重合物(2)の分子量の好ましい範囲及び好ましい理由については<重合物(1)>の説明において述べた通りである。
【0055】
モノマー(E)として使用し得るモノマーとしては水溶性ビニルモノマー、水不溶性ビニルモノマー又は両者の混合モノマーが挙げられる。ここで水溶性ビニルモノマーとしては、具体的には前記した(a)〜(k)からなるモノマー群より選ばれる少なくとも一種が使用される。
【0056】
また、モノマー(E)における水不溶性モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、N−ビニル−2−カプロラクタム、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン等が挙げられる。この中で、特に酢酸ビニル、N−ビニル−2−カプロラクタムが好ましい。
【0057】
上記のような2種のモノマーからなる重合物(2)のモノマー組成において、モノマー(D)のモル分率は30%以上、好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。重合物(2)のモノマー組成においてモノマー(D)のモル分率が30%未満の共重合物又はその塩の場合、良好な水への溶解性が達成されず、結果として処理剤において本発明の目的を達成することが出来ない。
【0058】
モノマー(E)としては、水溶性ビニルモノマー、水不溶性ビニルモノマー又は両者の混合モノマーが使用されるが、水溶性ビニルモノマーを使用する方が、共重合物又はその塩の水に対する良好な溶解性を達成する為好ましい。
【0059】
本発明の処理剤に配合可能な重合物(2)は、モノマー(D)とモノマー(E)の共重合物の塩を用いることができる。このような塩としては、1価の塩としてリチウム、ナトリウム、カリウム等の金属塩、アンモニウム塩、又はモノ、ジあるいはトリエタノールアミン、モルホリン、エチルアミン、ブチルアミン等の有機アミン塩が挙げられ、2価の塩としてカルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属塩、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の有機アミン塩があり、3価の塩としてはアルミニウム塩、ジエチレントリアミン等の有機アミン塩、又はポリエチレンイミン等の多価有機アミン等が挙げられる。塩としては共重合物塩の水に対する溶解性及び製造経済上の観点より特にナトリウム塩が好ましい。
【0060】
モノマー(D)とモノマー(E)の共重合物は、常圧下又は加圧下での従来公知のラジカル重合等により得ることができる。重合溶媒としてアセトン等が、又重合開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル等が使用できる。重合温度及び時間は、使用する重合溶媒やモノマーの組み合わせによって異なるが、一般的には40〜90℃で5〜20時間が適当である。
【0061】
また本発明で使用される重合物(2)は市販品として入手することも出来、例えばアイエスピー・ジャパン(株)のPVP/VA コポリマーシリーズ PVP/VA735(いずれも商標)等が挙げられ、化学構造は例えば次のようである。
【0062】
【化6】
Figure 0003883944
【0063】
また、同社のコポリマーシリーズ Copolymer 845, Copolymer 937, Copolymer958(いずれも商標)等が挙げられ、化学構造は例えば次の様である。
【0064】
【化7】
Figure 0003883944
【0065】
さらにGAFQUAT 734, GAFQUAT 755N (いずれもアイエスピー・ジャパン(株)製、商標)等も挙げられ、化学構造は例えば次の様である。
【0066】
【化8】
Figure 0003883944
【0067】
又、次のものも例示される(いずれもアイエスピー・ジャパン(株)製、商標)。
【0068】
【化9】
Figure 0003883944
【0069】
<ポリマー(7)>
本発明で用いられるポリマー(7)は分子中に陽イオン基及びビニル基又はアリル基を有する単量体を重合して得られるポリマー、又は該単量体と共重合可能な単量体とのコポリマーである。
【0070】
陽イオン基及びビニル基を有する単量体の好ましい例として、下記一般式(III)の化合物を挙げることができる。
【0071】
【化10】
Figure 0003883944
【0072】
〔式中、R24、R25、R26は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基又は炭素数1〜3のアルキル基である。Xは炭素数1〜12のアルキレン基、−COOR30−、−CONHR30−、−OCOR30−、−R31−OCO−R30−から選ばれる基である。ここでR30、R31は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基である。R27は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基又はR2425C=C(R26)−X−である。R28は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ベンジル基であり、R29はヒドロキシ基、カルボキシル基、スルホン酸基もしくは硫酸エステル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はベンジル基であり、R29がアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はベンジル基の場合は、Y-は陰イオンを示す。また、R29がカルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基を含む場合、Y-は存在せず、R29中のこれらの基は陰イオンとなる。Y-の陰イオンとしては、ハロゲンイオン、硫酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換されていてもよい芳香族スルホン酸イオン、ヒドロキシイオンを挙げることができる。〕。
【0073】
これらの中でもアクリロイル(又はメタクリロイル)アミノアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、アクリロイル(又はメタクリロイル)オキシアルキル(炭素数1〜5)−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N−(ω−アルケニル(炭素数3〜10))−N,N,N−トリアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩、N,N−ジ(ω−アルケニル(炭素数3〜10))−N,N−ジアルキル(炭素数1〜3)4級アンモニウム塩が好ましく、特にジアリルジメチルアンモニウム塩が良好である。
【0074】
本発明のポリマー(7)は上記単量体に該単量体と共重合可能な他の単量体とのコポリマーであってもよい。この場合、ブロック、交互、周期、統計(ランダムを含む)、グラフト型の何れであってもよい。
【0075】
共重合可能な他の単量体としては、下記のモノマー群(i)〜(v)から選ばれるモノマー由来のモノマー単位が好ましく、(i)〜(iii)又は(v)記載のモノマー由来のモノマー単位がより好ましく、特に防汚効果の点から(i)、(ii)又は(v)のモノマー由来のモノマー単位が最も好ましい。
(i)アクリル酸又はその塩、メタクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸塩、スルホプロピルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはその塩、リン酸モノ−ω−メタクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜12)から選ばれる陰イオン基含有化合物
(ii)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアクリル(又はメタクリル)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(又はメタクリル酸)アミド、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドンから選ばれるアミド基含有化合物(iii)アクリル酸(又はメタクリル酸)アルキル(炭素数1〜5)、アクリル酸(又はメタクリル酸)2−ヒドロキシエチル、アクリル酸(又はメタクリル酸)−N,N−ジメチルアミノアルキル(炭素数1〜5)、酢酸ビニルから選ばれるエステル基含有化合物
(iv)エチレン、プロピレン、N−ブチレン、イソブチレン、N−ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、N−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アリルアミン、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアリル−N−アルキル(炭素数1〜5)アミン、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンから選ばれる化合物
(V)二酸化硫黄。
【0076】
本発明のポリマー(7)は、上記陽イオン基及びビニル基を有する化合物に由来する構成単位が好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%である。また、重量平均分子量は好ましくは1000〜500万、より好ましくは5000〜200万、特に好ましくは10万〜100万である。
【0077】
本発明では上記したポリマー(1)〜ポリマー(7)の中でも、特にポリマー(1)、ポリマー(2)、及びポリマー(7)が少量でも高い易洗防汚効果を得ることができるため好ましく、特にポリマー(1)及びポリマー(2)が特に易洗防汚効果の点から好ましい。
【0078】
本発明の衣料用易洗防汚処理剤は、(b)成分を易洗防汚効果の点から好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%含有することが好適である。また、易洗防汚効果の点から(a)成分/(b)成分を質量比で好ましくは100/1〜1/10、より好ましくは50/1〜1/2、特に好ましくは20/1〜1/1である。
【0079】
なお、(b)成分のうち、ポリマー(2)〜(4)及び(6)、(7)の重量平均分子量の測定は、本発明では、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めることができ、また、ポリマー(5)はパルスアンペロメトリック検出器付き高性能イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC)やキャピラリー電気泳動法により求めることができる。
【0080】
<(c)成分>
本発明の衣料用易洗防汚処理剤は(a)成分及び(b)成分を(c)成分である水に溶解させた形態であり、用いる水は微量に存在する金属を除去したイオン交換水や蒸留水が好ましい。水の含有量は40〜99.5質量%、より好ましくは60〜99質量%、特に好ましくは80〜99質量%が好適である。
【0081】
<衣料用易洗防汚処理剤>
本発明の衣料用易洗防汚処理剤の20℃におけるpHは、易洗防汚効果の点から好ましくは5〜8.5、より好ましくは6〜7.8、特に好ましくは6.5〜7.5が好適である。このようなpHに調整するために塩酸、硫酸、リン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸等から選ばれる酸、及び炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等から選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましい。本発明では特に塩酸、硫酸から選ばれる酸、及び炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムから選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましい。
【0082】
本発明の衣料用易洗防汚処理剤は(a)成分以外の界面活性剤を含有することができるが、本発明の効果を妨げるおそれがあるために含有量は(a)成分に対して好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下、特に好ましくは25質量%以下、最も好ましくは10質量%以下である。用いることができる界面活性剤としては、炭素数8〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数8〜16のアルキル硫酸エステル塩、平均付加モル数が1〜4、アルキル基の炭素数8〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる陰イオン界面活性剤、平均付加モル数が4〜20、アルキル基の炭素数が8〜14のポリオキシエチレン(及び/又はポリオキシプロピレン)アルキルエーテル型非イオン界面活性剤、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭素数が12〜22アルキル基を1つまたは2つ有する4級アンモニウム型陽イオン界面活性剤、炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン型、又はカルボベタイン型両性界面活性剤を挙げることができる。
【0083】
本発明の衣料用易洗防汚処理剤は衣料に該処理剤を接触させた後の乾燥を促進させる目的、又は該処理剤の貯蔵安定性を改善する目的から、水溶性の溶剤を用いることが好ましい。具体的に好ましい溶剤としてはエタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンが好適であり、特にエタノール及び/又はプロピレングリコールが好ましい。このような溶剤の比率は、衣料用易洗防汚処理剤中に好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。
【0084】
本発明の衣料用易洗防汚処理剤は、易洗防汚効果を向上させる目的から炭素数1〜4の炭化水素基が1〜3個置換していてもよいアルキルベンゼンスルホン酸塩、又はナフタレンスルホン酸塩を含有することが好ましく、具体的に好ましい化合物としては、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、m−キシレンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム及びナフタレンスルホン酸ナトリウムから選ばれる1種以上であり、特にp−トルエンスルホン酸ナトリウム及びナフタレンスルホン酸ナトリウムから選ばれる化合物が最も好ましい。このような化合物は衣料用易洗防汚処理剤中に好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.1〜1質量%含有される。
【0085】
本発明では上記本発明の衣料用易洗防汚処理剤を対象衣料に接触後乾燥させる。対象衣料は着用前の汚れが付着する前の衣料であり、洗濯時の脱水終了後の衣料、あるいは乾燥後の衣料に接触させることが易洗防汚効果を効果的に得る目的から好ましい。接触させる方法としては、該処理剤に対象衣料を浸漬させる方法、スプレーヤーを用いて該処理剤を対象衣料に噴霧する方法、又は布帛、不織布、スポンジ等の可撓性で吸水性の基体に含浸させたもので繊維製品を擦る方法が好ましい。特にスプレーにより噴霧する方法が簡便に易洗防汚効果を得ることができるため好ましく、スプレーはトリガー式スプレー容器が好ましく、特に実開平4−37554号公報の第1図に示されているような液垂れや噴霧の均一性に優れる蓄圧式トリガーを用いることが良好である。
【0086】
本発明の衣料用易洗防汚処理剤に用いるのに好ましいトリガー式スプレー容器は、1回のストロークで0.2g〜1.5g、好ましくは0.25〜1.2g、特に好ましくは0.3〜1.0g噴出するものが良好であり、特に地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が100〜800cm2、好ましくは150〜600cm2になる容器が好ましい。また、本発明では(a)成分が衣料100cm2当たり好ましくは0.001〜2g、より好ましくは0.01〜1g、特に好ましくは0.02〜0.5gになるように均一に衣料にスプレーし、好ましくは濯ぐことなく、乾燥させることが易洗防汚効果の点から好適である。
【0087】
本発明では衣料用易洗防汚処理剤を対象衣料に接触後、好ましくは濯ぐことなく、乾燥を行う。乾燥は、自然乾燥や乾燥機、アイロンによる加熱乾燥が好ましく、特に、洗濯後乾燥した衣料に用いる場合には、アイロンによる加熱乾燥が最も好ましい。
【0088】
本発明において、アイロンによる加熱乾燥を行う場合には、アイロンすべり性を改善し、易洗防汚効果を効率的に付与する目的から本発明の衣料用易洗防汚処理剤にシリコーン化合物を含有することが好適である。好ましいシリコーン化合物としては、下記シリコーン(I)〜(III)からなる群より選ばれる1種又は2種以上のシリコーンが好ましい。
【0089】
<シリコーン(I);未変性シリコーン>
一般にジメチルポリシロキサンと呼ばれるものである。オイルの状態での粘度は1〜100万mm2/s、好ましくは10〜50万mm2/sである。オイルのまま使用しても構わないが、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤を用いて乳化したエマルション/マイクロエマルションも使用される。また、乳化重合法によって得られた未変性シリコーンのエマルション/マイクロエマルションも使用される。
【0090】
<シリコーン(II);シリコーンのポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン付加物>
ジメチルポリシロキサンにポリオキシエチレン基及び/又はポリオキシプロピレン基を付加した変性シリコーンである。付加する場所はジメチルポリシロキサンの末端でもよいし、側鎖でも構わない。また、主鎖中にポリオキシエチレン基及び/又はポリオキシプロピル基を導入したものも使用し得る。付加するエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの量は、ジメチルシロキサンに対して、平均付加モル%で3〜97が好ましい。
【0091】
<シリコーン(III);カルボキシ変性シリコーン>
ジメチルポリシロキサンにカルボキシル基を導入した変性シリコーンである。(II)と同様にオイルのまま使用しても構わないが、エマルション/マイクロエマルションに乳化しても使用される。尚、アクリル酸のグラフト化物でもかまわない。
【0092】
上記のシリコーン(I)〜(III)のうち、水溶性の点でシリコーン(II)が好ましい。
【0093】
本発明の衣料用易洗防汚処理剤は、シリコーン化合物を易洗防汚効果の点から好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.05〜1質量%含有することが好適である。また、易洗防汚効果の点から(b)成分/シリコーン化合物の質量比は、好ましくは、(b)/シリコーン化合物=100/1〜0.1/1、より好ましくは50/1〜1/1、特に好ましくは20/1〜5/1である。
【0094】
【実施例】
白いワイシャツ(REAL−LINE FASHIOM社製CREANEARROW、素材:ポリエステル65%/綿35%)5枚を市販の衣料用洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄し(東芝製2槽式洗濯機VH-360S1、洗剤濃度0.00667質量%、水道水30L使用、水温20℃、10分間、すすぎ2回)、自然乾燥させた。
【0095】
花王(株)製アイロン用スムーザー400mlの中身を抜いた手動式スプレー容器を匂いが無くなるまで洗浄し、自然乾燥させたもの(1回のストロークで0.3g噴出、15cm離れた場所から噴射させたときの付着面積420cm2)に表1の処理剤400ml入れた。
【0096】
上記乾燥後のワイシャツの衿の部分の半分に上記スプレーを用いてアミンオキシド化合物の付着量が0.02g/100cm2になるようにスプレーした(ただし、配合例9は、配合例 の噴霧量と同じとした)。その後アイロンをかけて乾燥した。
【0097】
処理後のワイシャツを5人の男性(20〜30代)に72時間(1日12時間で6日間)着用させ、着用後の衣料の衿部分を下記の基準で判定した。次に、この着用後の衣料を上記と同様の方法で洗濯し、自然乾燥させたもワイシャツの衿部分を下記の基準で判定した。
【0098】
判定基準
0:処理した部分の方が、汚れが付着していない(又は汚れが落ちている)
1:処理した部分の方が、あまり汚れが付着していない(又はやや汚れが落ちている)
2:処理した部分と処理していない部分に差がない
3:処理した部分の方が、汚れが付着している(又は汚れが落ちていない)
ワイシャツ5枚の平均を求め、平均点が0.5未満の場合を◎、0.5以上1未満の場合を○、1以上1.5未満を□、1.5以上2未満を△、2以上を×として評価し表1に示した。
【0099】
【表1】
Figure 0003883944
【0100】
・アミンオキシド1:N−ラウリル−N,N−ジメチルアミンオキシド
・アミンオキシド2:N−アルカノイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミンオキシド(アルカノイル基:硬化牛脂アルキル組成)
・アミンオキシド3:N−パルミトイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンオキシド
・ポリマー1:カルボキシメチルセルロース〔CMC FT−1(日本製紙社製)、7〜20mPa・s(25℃、1質量%水溶液)〕
・ポリマー2:アクリル酸/アクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(モル比5/95、重量平均分子量5万)
・ポリマー3:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム〔PPS(ライオン社製)、重量平均分子量16000〕
・ポリマー4:ポリメタクリル酸ナトリウム(重量平均分子量14000)
・ポリマー5:ポリビニルピロリドン(重量平均分子量15万)
・ポリマー6:メチルセルロース〔信越化学社製SM100、1質量%水溶液の粘度15mPa・s(25℃)〕
・ポリマー7:N,N−ジアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドの重合物(マーコート100、重量平均分子量15万)
・ポリマー8:ポリエチレングリコール(重量平均分子量2万)
・ポリマー9:ヒドロキシプロピル化澱粉(パイオスターチKY、日澱化学工業(株)製)
・ポリマー10:アクリル酸/メタクリル酸トリデシル共重合体(モル比95/5、重量平均分子量5000)
・シリコーン1:未変性シリコーンマイクロエマルジョン(ダウ・コーニング社製、重量平均分子量40000、平均粒子径0.03〜0.04μm)
・シリコーン2:ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(KF352、信越シリコーン社製、粘度1600mm2/s、25℃、HLB7.0)
・シリコーン3:カルボキシ変性シリコーンオイル(SF8418、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、粘度2500mm2/s、−COOH当量3500)
pH調節は0.1規定硫酸水溶液及び0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で行った。

Claims (2)

  1. (a)炭素数12〜26の炭化水素基を1つと炭素数1〜3の炭化水素基を2つ有するアミンオキシド化合物、(b)下記ポリマー(1)〜ポリマー(7)から選ばれる化合物、及び(c)水を含有する衣料用易洗防汚処理剤。
    ポリマー(1);セルロース誘導体
    ポリマー(2);少なくともビニル基及び/又は芳香族環を有する1種又は2種以上のモノマーを重合して得られ、且つスルホン酸基を含有するポリマーもしくはその塩
    ポリマー(3);アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー
    ポリマー(4);アクリル酸もしくはメタクリル酸と他のビニル系モノマーの1種又は2種以上とのコポリマー並びにこれらの塩
    ポリマー(5);化工澱粉
    ポリマー(6);N-ビニル-2-ピロリドン系ポリマー
    ポリマー(7);分子中に陽イオン基及びビニル基又はアリル基を有する単量体を重合して得られるポリマー、又は該単量体と共重合可能な単量体とのコポリマー
  2. 請求項1記載の衣料用易洗防汚処理剤を対象衣料に接触後、乾燥させる衣料の処理方法。
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