JP4476651B2 - スプレーしわ取り剤組成物 - Google Patents
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Description
本発明の(a)成分である水溶性高分子化合物は、布に付与することで、湿潤時における繊維間の滑り性を高める性能を発現するものである。繊維間の滑り性を向上できれば、湿潤時での繊維間でのよじれが低減され、しわの発生を抑制できると考えられる。繊維の滑り性を見積もる方法として、布の剪断性が考えられる。剪断性の測定により求められる剪断ヒステリシス幅が低い程、滑り性が高くなる。本発明の水溶性高分子化合物は、木綿平織り布100重量部に対して、水分50重量部、水溶性高分子化合物1重量部を含有した時の、当該木綿平織り布の剪断ヒステリシス(2HG5)が3.5g/cm以下になる水溶性高分子化合物である。なお、本発明において、水溶性高分子化合物とは、25℃純水に対して1.0重量%以上溶解するものをいう。また、本発明において、剪断ヒステリシスは下記の方法で測定する。
谷頭商店製の綿平織りブロード布(#60)100重量部に対して、水分50重量部、水溶性高分子化合物1重量部をスプレーにより塗布した後、湿潤状態を維持したまま、布を10cm×10cmに裁断し、カトーテック(株)製のKES−Fシステムを用いて、布の剪断ヒステリシス(2HG5:剪断ずり量5度におけるヒステリシス幅)を測定する。測定における最大剪断ずり量は±tan8°、剪断ずり速度は0.5°/sec、引っ張り張力を10gf/cmとする。また、クランプ部分の試料長さは5cm、試料幅は10cmである。
(a2):下記式(I)で表されるモノマー単位(以下、モノマー単位(I)という)を、全モノマー単位の2〜90重量%有するビニル系高分子化合物
(a1)は、主鎖がポリスチレンで、枝部にポリオキシアルキレン鎖を有し、オキシアルキレン基の平均付加モル数が5〜200の高分子化合物であるが、ポリオキシアルキレン鎖としては、オキシアルキレン基の炭素数が2〜3のものが好ましく、オキシアルキレン基の平均付加モル数は40〜100が好ましい。(a1)の高分子化合物としては、式(II)で表されるマクロモノマーを連鎖重合して得られる高分子化合物が更に好ましい。
(a1)の高分子化合物の重量平均分子量(以下Mwと略記、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと記載)法、ポリエチレングリコール(以下PEGと記載)換算)は、1,000,000〜30,000,000が好ましく、10,000,000〜25,000,000が更に好ましい。
ここで(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
本発明の(b)成分の界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤;モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、トリ長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、オレフインスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂防酸塩等の陰イオン界面活性剤;アミンオキサイド、スルホベタイン、カルボベタイン等の両性界面活性剤が挙げられ、HLB(グリフィン法)が4.0〜15.0の非イオン界面活性剤、炭素数10〜16の1価炭化水素基を1〜3個有する陽イオン界面活性剤、炭素数6〜14の1価炭化水素基を有する陰イオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
〔式中、R4は、炭素数8〜22、好ましくは10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基であり、R5は炭素数2〜8のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。また、pは平均付加モル数を示す0.5〜30、好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜10の数である。〕
一般式(III)で表される化合物としては、例えば式(IV)又は(V)で表される化合物が挙げられる。
〔式中、R6は炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、rは平均付加モル数を示す1〜10、好ましくは1〜8の数である。〕
R7−O−(C2H4O)s−(C3H6O)t−H (V)
〔式中、R7は炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、s及びtはそれぞれ平均付加モル数を示し、sは1〜10、tは1〜10の数である。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドは、ランダム付加でもブロック付加でもよく、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加順序は問わない。〕
[(c)成分]
(c)成分のシリコーン化合物としては、特に繊維の潤滑剤として用いることができるものが好ましい。具体的には、ジメチルポリシロキサン(以下、ジメチルシリコーンという)、又はジメチルシリコーンの側鎖もしくは末端のメチル基の一部がヒドロキシ基になっているオルガノポリシロキサン(以下、ヒドロキシシリコーンという)、前記ジメチルシリコーン又はヒドロキシシリコーンのメチル基(好ましくは側鎖のメチル基)の一部がメチル基以外の有機基になっているオルガノポリシロキサン(以下、変性シリコーンという)、ジメチルシロキサン鎖の中に有機基が導入されており末端がメチル基以外の有機基になっているオルガノポリシロキサン(以下、末端変性シリコーンという)等が挙げられる。
本発明のスプレーしわ取り剤組成物は、必須成分として(a)成分を含有する。本発明のスプレーしわ取り剤組成物中の(a)成分の含有量は、衣類が湿潤している状態での繊維同士のすべり性を向上させ、繊維間のよじれを低減させ、戻りじわの発生を抑制する観点から、0.1〜10重量%が好ましく、0.1〜5.0重量%が更に好ましく、0.2〜2.0重量%が特に好ましい。
本発明のしわ除去方法は、上記のような本発明のスプレーしわ取り剤組成物を、繊維製品に付与することにより、繊維製品のしわを除去する方法であり、アイロンがけやスチームプレス等の熱処理を行わなくてもしわを除去することができる。また、必要により熱処理を行ってもよい。
本発明の(a)成分である下記(a−1)〜(a−5)、及び下記(c−1)を用い、下記方法で剪断ヒステリシス(2HG5)を測定した。その結果を表1に示す。
(a−1):特開2001−64123号公報の表2に記載のポリマクロモノマー(2)[式(VI)
(a−2):特開2001−64123号公報の表2に記載のポリマクロモノマー(3)[前記式(VI)で表されるマクロモノマーを重合して得られた、Mw20,500,000、Mw/Mn=1.6の高分子化合物]
(a−3):特開2003−27088号公報合成例4に記載の方法に従って合成した高分子化合物[ポリエチレングリコール(EO付加モル数90)モノメタクリル酸エステル/メタクリル酸=50/50(重量比)共重合体、Mw=76,000]
(a−4):特開2003−27088号公報合成例4の高分子化合物[ポリエチレングリコール(EO付加モル数23)モノメタクリル酸エステル/メタクリル酸=50/50(重量比)共重合体、Mw=31,000]
(a−5):特開2003−27088号公報合成例8の高分子化合物[ポリエチレングリコール(EO付加モル数120)モノメタクリル酸エステル/メタクリル酸=70/30(質量比)共重合体、Mw=127,000]
(b−1):炭素数10〜14の直鎖第1級アルコールにEOを平均5モル付加した非イオン界面活性剤(HLB10.8)
(c−1):ABN SILWET FZ−2203(日本ユニカー(株)製、ジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキサイドの共重合体)
<剪断ヒステリシスの測定法>
谷頭商店製の綿平織りブロード布(#60)100重量部に対して、(a−1)〜(a−5)又は(c−1)を1重量部、水を50重量部スプレーで塗布した後、湿潤状態を維持したまま、布を10cm×10cmに裁断し、カトーテック(株)製のKES−Fシステムを用いて、布の剪断ヒステリシス(2HG5:剪断ずり量5度におけるヒステリシス幅)を測定する。尚、測定における最大剪断ずり量は±tan8°、剪断ずり速度は0.5°/sec、引っ張り張力は10gf/cmである。また、クランプ部分の試料長さは5cm、試料幅は10cmである。
木綿ブロード#60(染色試材、(株)谷頭商店)及びウール生地(ウールサージ、(株)谷頭商店)からなる試験布20cm×10cmにイオン交換水をスプレー噴霧して湿潤させた後、試験布を2つ折りにして、40℃に設定した恒温室内で折り目部分に2kgの重りを載せ、24時間放置することによってしわをつけ、これをしわ取り評価のモデルじわとした。
・しわ判定基準
5:全くしわがない
4:ほとんどしわがない
3:僅かにしわが残っている
2:相当しわが残っている
1:著しくしわが残っている。
Claims (3)
- 木綿平織り布100重量部に対して、水分50重量部、水溶性高分子化合物1重量部を含有した時の、当該木綿平織り布の剪断ヒステリシス(2HG5)が3.5g/cm以下になる下記(a1)及び(a2)から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物0.1〜10重量%を含有するスプレーしわ取り剤組成物を、繊維製品に付与する、繊維製品のしわ除去方法であって、熱処理を行わないことを特徴とするしわ除去方法。
(a1):主鎖がポリスチレンで、枝部にポリオキシアルキレン鎖を有し、オキシアルキレン基の平均付加モル数が5〜200である高分子化合物
(a2):下記式(I)で表されるモノマー単位(以下、モノマー単位(I)という)を、全モノマー単位の50〜90重量%有するビニル系高分子化合物であって、モノマー単位(I)以外のモノマー単位が不飽和カルボン酸から得られるビニル系高分子化合物
- スプレーしわ取り剤組成物が、更に、界面活性剤0.01〜2.0重量%を含有する請求項1記載のしわ除去方法。
- スプレーしわ取り剤組成物が、更に、シリコーン化合物を含有する請求項1又は2記載のしわ除去方法。
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