JP2009057647A - 繊維製品用液体仕上げ剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記(A)〜(C)を含有する繊維製品用液体仕上げ剤組成物:
(A)シリコーン化合物、
(B)カチオン性を有する水溶性高分子、及び
(C)下記(C1)〜(C3)からなる群から選択される1種又は2種以上の亜鉛化合物;
(C1)塩化亜鉛、硫酸亜鉛及び硝酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性無機亜鉛化合物、
(C2)乳酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性ヒドロキシカルボン酸亜鉛、
(C3)マロン酸亜鉛及びコハク酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種の水溶性多価カルボン酸亜鉛。
【選択図】なし
Description
一方、本件出願人がこれまでに特許出願した中に、シリコーン/カチオン性高分子系の柔軟剤組成物に、防腐殺菌性を強化する目的で有機硫黄化合物等を添加することができ、防腐殺菌性を向上する目的で更に亜鉛化合物等の成分を添加できる旨を述べたもの(特許文献4)がある。
(A)シリコーン化合物、
(B)カチオン性を有する水溶性高分子、及び
(C)下記(C1)〜(C3)からなる群から選択される1種又は2種以上の亜鉛化合物;
(C1)塩化亜鉛、硫酸亜鉛及び硝酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性無機亜鉛化合物、
(C2)乳酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性ヒドロキシカルボン酸亜鉛、
(C3)マロン酸亜鉛及びコハク酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種の水溶性多価カルボン酸亜鉛。
このシリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であっても分岐や架橋していてもよい。また、変性シリコーン化合物は1種類の有機官能基により変性されていても構わないし、2種以上の有機官能基により変性されていてもよい。
シリコーン化合物の25℃における動粘度は、10〜100,000,000mm2/sであるのが好ましく、1,000〜100,000mm2/sであるのがより好ましい。動粘度がこのような範囲にあると、配合のし易さ及び本発明組成物で処理した布の滑り性の点で好ましい。
このなかでも特に好ましいシリコーン化合物として、柔軟性付与の観点から、ポリエーテル変性シリコーンやジメチルシリコーンを挙げることができる。これらのシリコーン化合物は、ポリエーテル基を有しない低分子量のジメチルシリコーンに比べ、キシミ感が少なく良好な柔軟性を有する。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、アルキル(炭素数1〜3)シロキサンとポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜5が好ましい)の共重合体が挙げられる。このうち、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのランダム又はブロック共重合体など)の共重合体が好ましい。このようなものとして、下記一般式(I)又は(II)で表される化合物が挙げられる。
ここで、Mは10〜10000、好ましくは100〜300、Nは1〜1000、好ましくは1〜100、かつM>Nであることが好ましく、aは2〜100、好ましくは2〜50、bは0〜50、好ましくは0〜10である。Rとしては水素又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えばポリオキシアルキレンアリルエーテル等の、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。従って、ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、ポリエーテル変性シリコーン中の存在量として30ppm以下(−Hの量として)で存在していることが好ましい。
ここで、Aは5〜10000、Bは2〜10000であることが好ましく、hは2〜100、iは0〜50が好ましい。Rとしては炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。R’としては水素又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。また、式(II)で表わされるブロック共重合体の重量平均分子量は、柔軟性及び滑らかさ付与の観点から15,000〜100,000,000であることが好ましい。
上記式(II)で表される線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。
本発明で用いる(A)成分のシリコーン化合物の配合量は特に限定されないが、滑らかさ及び組成物の粘度の点から、組成物の全質量をベースとして、0.1〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは3〜50質量%、特に好ましくは6〜40質量%である。これにより、滑らかさなどの効果を優秀なものとすることができ、かつ、均一吸着を良好なものとすることができる。
本発明において用いることのできるカチオン性を有する水溶性高分子化合物としては、水に溶解した時にカチオン性を有するものが使用し得るが、特にカチオン性を有する水溶性高分子化合物としては、アミノ基、アミン基、第4級アンモニウム基から選ばれる1種以上のカチオン性基を有する水溶性高分子化合物が好ましい。なお、本明細書において、本明細書において、カチオン性基とは正に帯電した原子を有するモノマーをいう。また、水溶性とは、25℃の水100gに対し、対象とする化合物1gを加えたときに、その液が濁らず透明であるものをいう。
(B)成分のカチオン性を有する水溶性高分子化合物は、カチオン化度が0.1%以上のものが好ましく、例えば0.1〜35%であるのがよく、特に2.5%以上が好ましく、例えば2.5〜15%であるのがよい。カチオン化度がこのような条件を満たすことにより、共存するシリコーン化合物を繊維へ吸着させる効果を優秀なものとすることができ、かつ、多量の配合が必要となって経済的でないケースを防止することができる。
ここで、カチオン化度とは、高分子化合物がカチオン性モノマーの重合体、カチオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体、及びノニオン性重合体の一部をカチオン性基で変性又は置換したもの(カチオン化セルロースなど)の場合には下記式(1)により、また、高分子化合物がカチオン性モノマーとアニオン性モノマーの共重合体、及びカチオン性モノマーとアニオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体の場合には、下記式(2)により算出される値と定義する。
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数]
カチオン化度(%)=X×(Y−Z)×100 …式(2)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数
Z:高分子化合物1g中に含まれるアニオン性基のモル数
(Zのアニオン性基とは、高分子鎖中のモノマー単位に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。具体的には、アクリル酸中のカルボン酸などである。ただし、カチオン性基の対イオンは含まない。)]
X:14(窒素原子の原子量)
Y:4.95×10-3(カチオン性基の1g中の重量:0.8gとカチオン性基の分子量より算出)
Z:2.78×10-3(アニオン性基の1g中の重量:0.2gとアニオン性基の分子量より算出)
式(2)より、
カチオン化度(%)=
14×(4.95×10-3−2.78×10-3)×100=3.0
である。
よって、上記記載のカチオン化度の算出法によれば、ノニオン性モノマーの重合体やアニオン性モノマーの重合体のカチオン化度は0となる。
(B)成分の水溶性高分子は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される重量平均分子量が、1,000〜5,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは5,000〜500,000である。これにより粘度の上昇を抑えて使用性を優秀なものとすることが可能となる。
この中で、シリコーンの付与する滑り性などの風合いを妨げない観点から、(B)成分単独で吸着した時に繊維に付与する剛性の小さいものが好ましい。
特に好ましい高分子としては、下記一般式(IV)に示すジメチルジアリルアンモニウム塩を重合して得られるカチオン性高分子である。この高分子の構造単位は、通常、下記一般式(V)又は下記一般式(VI)で表わされる。また、一般式(V)の構造単位と一般式(VI)の構造単位が共に含まれていてもよい。
本発明の(B)成分としては、上記のカチオン性を有する水溶性高分子化合物を1種単独で用いてもよいし、混合物として用いることもできる。
(B)成分の配合量は特に限定されないが、繊維製品に剛性を付与しない範囲のものとするのが好ましく、例えば、組成物の全質量をベースとして、0.1〜30質量%とするのがよく、さらに好ましくは0.5〜10質量%とするのがよい。(B)成分の配合量をこのような範囲のものとすることにより、シリコーンの吸着促進効果が高めて、滑り性を十分なものとすることが可能となり、かつ、(C)成分の吸着促進効果を高める。
(C1):塩化亜鉛、硫酸亜鉛及び硝酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性無機亜鉛化合物、
(C2):乳酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性ヒドロキシカルボン酸亜鉛、及び
(C3)マロン酸亜鉛及びコハク酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性多価カルボン酸亜鉛。
(C)成分を配合することにより、汗臭及び皮脂臭の防臭効果を付与することができ、また、(A)成分との相乗効果で滑り性が向上する。
亜鉛化合物は、水和物又は無水物の形態であっても良い。(C)成分としては、(C2)乳酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性ヒドロキシカルボン酸亜鉛が、(A)成分との相乗効果により高いすべり性を発揮するので好ましい。亜鉛化合物は当該無機酸塩もしくは有機酸塩の形で配合しても、本発明の仕上げ剤組成物中では殆ど解離した亜鉛イオンの形で存在するが、それと解離平衡にある全ての亜鉛を含むものとする。
(C)成分は、本発明の仕上げ剤組成物の全量を基準として、亜鉛イオン濃度に換算して、好ましくは0.3〜5.0重量%、より好ましくは0.5〜2.5重量%の量で含まれるのが好ましい。このような範囲で優れた防臭効果を発揮する。5.0重量%を超えると、組成物中で粒子状白色物質が析出して、ひどい場合には沈殿を形成する場合がある。
本発明の仕上げ剤組成物には組成物の外観を透明にするため、また、保存安定性を高めるために、ノニオン性界面活性剤および水溶性溶剤を配合することができる。
非イオン性界面活性剤としては、炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を1つ以上有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8〜20のアルキルアミン、またはアルキルアミドのアルキレンオキシド付加物、炭素数8〜20の飽和または不飽和脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールのモノ、ジ、トリ、テトラエステル体またはそれらの混合物などが挙げられる。中でも、下記一般式(VII)で表されるノニオン性界面活性剤が好ましい。
R1−T−[(R2O)p−H]q (VII)
(式中、R1は、炭素数10〜18、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。pは平均付加モル数であり、2〜50、好ましくは5〜30、特に好ましくは5〜20の数を示す。Tは−O−、−N−、−NH−、−N(C2H4OH)−、−CON−、−CONH−又はCON(C2H4OH)−であり、Tが−O−、−NH−、−N(C2H4OH)−、−CONH−、又は−CON(C2H4OH)−の場合は、qは1であり、Tが−N−又は−CON−の場合は、qは2である。)
R1−O−(C2H4O)r−H (VIII)
(式中、R1は前記と同じ意味であり、rは平均付加モル数であり、2〜50、好ましくは5〜30の数である。)
R1−O−(C2H4O)s(C3H6O)t−H (IX)
(式中、R1は前記と同じ意味であり、s及びtは平均付加モル数であり、sは2〜40、好ましくは5〜30の数であり、tは1〜20、好ましくは1〜10の数である。(C2H4O)と(C3H6O)はランダム又はブロック付加体であってもよい。)
ノニオン界面活性剤の配合量は、組成物の全質量をベースとして、0.05〜10質量%とするのがよく、特に0.25〜8質量%、更に0.5〜5質量%が好ましい。このような配合量とすることにより、保存安定性の向上効果を十分なものとすることができ、かつ、効果が飽和に達した際の余分な添加を抑えて経済性を図ることが可能となり、さらに処理時の泡立ちの点からも好ましいものとすることができる。
R3−O−(C2H4O)y−(C3H6O)z−H (VII)
(式中、R3は、炭素数1〜8、好ましくは2〜6のアルキル基又はアルケニル基である。y及びzは平均付加モル数であり、yは2〜20、好ましくは2〜10、zは0〜5、好ましくは0〜3の数を示す。)
中でも好ましい例としては、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
水溶性溶剤の配合量は、組成物の全質量をベースとして、0.1〜20質量%とするのがよく、特に0.5〜15質量%、更に1〜10質量%が好ましい。このような配合量にすることにより、保存安定性の向上効果を充分なものとすることができる。
有機系防菌防黴剤としては、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、二トリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、糖質系、トロポロン系、界面活性剤系、有機金属系のものが含まれる。また、無機系防菌防黴剤としては、金属酸化物、銀系が含まれる。
この中でも、効果と保存安定性の観点から、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、イミダゾール・チアゾール系の有機硫黄化合物、安息香酸類、フェノール系のフェノール化合物、界面活性剤系のカチオン系化合物が好ましく、この化合物1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
この中で、仕上げ剤組成物の外観や保存安定性の観点から、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、メトキシフェノール、トコフェロール系化合物等が好ましい。
酸化防止剤の配合量は、0.01〜1.0質量%の範囲で使用されることが好ましい。
本発明の仕上げ剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の家庭用仕上げ剤に使用されている添加剤などを使用することができる。そのような添加剤として、具体的には、カチオン性界面活性剤、流動パラフィン、高級アルコールなどの油剤、尿素、炭化水素、非イオン性セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、後述するpH調整剤等が挙げられる。なお、アニオン性界面活性剤、アニオン性高分子化合物は、配合する場合には、シリコーン化合物の吸着効果を考慮して、(B)成分のカチオン性高分子化合物の含有量よりも低い量で配合するのがよい。
本発明の仕上げ剤組成物のpH(25℃、ガラス電極を用いて測定)は特に限定されないが、2〜8の範囲であることが好ましく、3〜6の範囲であることがより好ましい。必要に応じて、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
本発明の組成物は、(A)〜(C)を、必要により任意成分とともに混合することにより調製することができる。
<本発明の組成物の繊維製品への使用方法>
本発明の組成物は、例えば洗濯の際のすすぎ時にすすぎ水に添加することにより使用することができる。その場合、適度な濃度に希釈して使用される。
別の例として、トリガースプレー容器やディスペンサー容器、エアゾール缶などに充填し、繊維製品に直接噴霧して使用することができる。
本発明の組成物は、繊維製品の原料が天然繊維でも合成繊維でも区別なく使用することができる。
表1〜4に示した(A)〜(D)成分を用い、表5に示した組成で以下の配合方法に従って実施例及び比較例の繊維製品用液体仕上げ剤組成物を調製した。
500mLビーカーに(A)成分、任意成分として(D−2−2)又は(D−3−2)を所定量入れ、撹拌羽を用いて十分に撹拌した。次に、撹拌しながら、イオン交換水を添加し、さらに任意成分として(D−2−1)又は(D−3−1)を添加した。最後に撹拌しながら(B)成分及び(C)成分を添加した後、均一になるまで十分に撹拌して、400gの仕上げ剤組成物を調製した。
なお、(C2-4)、(C2-5)、(C3-1)及び(C3-2)成分は、イオン交換水200mlにC2又はC3を構成するヒドロキシカルボン酸又は多価カルボン酸を10%水溶液になるように充分に溶かし、そこに(C4)酸化亜鉛を所定量配合し、pHが2〜5になるように1Nの塩酸を加えることにより調整したものを用いた。
評価用繊維製品(以下、「評価布」と称する)として、男性用肌シャツ(富士紡HD(株)、B.V.D.シャツ)を3kg分と、ポリエステルサテン3kgとを用意した。家庭用洗濯機(MAN-V8TP、三菱電機)を用い、洗剤として市販洗剤(トップ、ライオン)を40g使用し、強力コースを設定し、水量58Lで各繊維製品を2回繰り返して洗浄した。防臭性評価には男性用肌シャツを、滑り性評価にはポリエステルを用いた。
3.1 防臭性効果を評価するための評価布の作成
前記の方法で前処理を行った男性用肌シャツを半裁し、半裁した片方の肌シャツ(A)は、実施例及び比較例1〜3のいずれかの液体仕上げ剤組成物を用いて処理を行い、もう片方(B)は比較例4の液体仕上げ剤組成物を用いて処理を行った。
処理方法は、半裁した男性用肌シャツ1.5kg分をそのまま用いて試験に供した。市販洗剤(トップ、ライオン製)20g、および実施例及び比較例の液体仕上げ剤を10mL用い、洗浄および仕上げ処理を施した。処理には家庭用全自動洗濯機(MAN-V8TP、三菱電機(株)製)を用い、標準コース、水量28Lを設定した。市販洗剤並びに実施例及び比較例の仕上げ剤を、それぞれ洗濯機に搭載されている粉末洗剤投入口および柔軟剤投入口に収納し、洗濯機により自動的に洗濯浴中に添加することにより処理を行った。処理後、20℃、45%RHの恒温恒湿条件下で20時間乾燥した。その後、実施例及び比較例1〜3のいずれかの液体仕上げ剤組成物で処理を行った肌シャツと比較例4の液体仕上げ剤組成物で処理を行った肌シャツとを縫い合わせ、防臭性効果の評価布とした。
上記の方法で処理したシャツを、20〜30代の男性5名に8月に1日間着用させた後、専門パネラー5名にて該シャツのニオイについて官能一対比較を行い、以下に示す評価基準により評価を行った。評点の平均をとり、1.0〜2.0点:○、0.5点〜1.0点未満:△、0.5点未満:×とし、表5に併記した。
[評価基準] +2:対照よりはっきり良好
+1:対照よりやや良好
0:対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや良好
−2:対照の方がはっきり良好
4.1 滑り性を評価するための評価布の作成
前記の方法で前処理を行ったポリエステルサテンに、実施例及び比較例1〜3のいずれかの液体仕上げ剤組成物で処理を行った。
処理には上記方法で前処理を行ったポリエステルサテン1.5kg分をそのまま用いた。市販洗剤(トップ、ライオン製)20g、および実施例及び比較例の液体仕上げ剤を10mL用い、洗浄および仕上げ処理を施した。処理には家庭用全自動洗濯機(MAN-V8TP、三菱電機(株)製)を用い、標準コース、水量28Lを設定した。市販洗剤および実施例及び比較例の仕上げ剤組成物を、それぞれ洗濯機に搭載されている粉末洗剤投入口および柔軟剤投入口に収納し、洗濯機により自動的に洗濯浴中に添加することにより処理を行った。処理後、20℃、45%RHの恒温恒湿条件下で20時間乾燥した。この処理を繰り返し10回行い、滑り性の評価布とした。
滑り性は、動摩擦係数の測定することにより評価した。
動摩擦係数は、上記のように処理した評価布を用いて測定した。計測には、トライボマスターType:201D((株)トリニティーラボ)を用いた。測定条件は、垂直荷重200g、測定速度150mm/min、接触子:肌摩擦用面接触子(50×15mm)、20℃、湿度65%である。
具体的には、直動ユニットに測定ユニットを設置して測定機を構成した。次いで、100×15mmに裁断した処理布を肌摩擦用面接触子に巻き付け、肌と接触しない部位に両面粘着テープで測定中にずれないように固定した。接触子を測定ユニットにセットし、前腕内側上に接触子をぐらつかないように水平を保てる状態で置き、上部より200gの重りを載せ、垂直荷重をかけた。測定速度150mm/minとなるようにセットし、5cmの移動距離で測定を開始した。付属のソフトの計算により、動摩擦係数を得た。測定は1.5kgのポリエステルサテンから、無作為に供試布を10枚採取して、1枚につき各1回、合計10回動摩擦係数の測定を行い、平均値を求めた。
測定結果を基に、0.31未満:◎、0.31以上〜0.36未満:○、0.36以上〜0.40未満、0.40以上:×として表5に示した。
Claims (3)
- 下記(A)〜(C)を含有する繊維製品用液体仕上げ剤組成物:
(A)シリコーン化合物、
(B)カチオン性を有する水溶性高分子、及び
(C)下記(C1)〜(C3)からなる群から選択される1種又は2種以上の亜鉛化合物;
(C1)塩化亜鉛、硫酸亜鉛及び硝酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性無機亜鉛化合物、
(C2)乳酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種以上の水溶性ヒドロキシカルボン酸亜鉛、
(C3)マロン酸亜鉛及びコハク酸亜鉛からなる群から選択される1種又は2種の水溶性多価カルボン酸亜鉛。 - (C)成分が、(C2)乳酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛から成る群から選択される1種又は2種以上の水溶性ヒドロキシカルボン酸亜鉛である請求項1記載の繊維製品用液体仕上げ剤組成物。
- (B)成分が、ジメチルジアリルアンモニウムの単独重合体もしくは他のモノマーとの共重合体又はこれらの混合物から選択されるカチオン性を有する水溶性高分子である請求項1又は2記載の繊維製品用液体仕上げ剤組成物。
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