JP2014080695A - 繊維製品用液体処理剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンと、(B)ビグアニド化合物とを含む繊維製品用液体処理剤組成物。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、抗菌性無機金属含有成分と、窒素含有高分子と、α−1,4−グルコシド結合を有する高分子水溶性グルカンまたは糖アルコールとを含有する抗菌・消臭組成物が開示されている。しかしながら、悪臭の発生原因が菌や特定の化学物質等ではない場合には、十分な消臭効果を得ることは難しく、更なる技術の向上が求められていた。
従って、本発明は、保存後においても優れた消臭・防臭効果をもたらすことのできる繊維製品用処理剤組成物を提供することを目的とする。
さらに、カチオン界面活性剤を併用することにより、初期・保存後において、防臭性能が高まるとともに高い柔軟性を付与することができ、特に分子中にエステル基を1つ含むカチオン界面活性剤の併用により、更に防臭効果が高まることを見出した。
本発明は、このような新規な知見に基づいて完成されたものである。
(A)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンと、
(B)ビグアニド化合物と
を含む繊維製品用液体処理剤組成物を提供する。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物は、更にカチオン界面活性剤を含み得る。
更に、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物において、カチオン界面活性剤を配合することにより、防臭性能が高まるとともに高い柔軟性を付与することができる。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる(A)成分は、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンである。このようなグルカンは、高度分岐環状デキストリン又はクラスターデキストリンとも呼ばれ、本明細書においても、(A)成分を「高度分岐環状デキストリン」と言う。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンは、分子量が3万から100万程度であり、分子内に環状構造を1つ有し、さらにその環状部分に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のデキストリンを主に含む。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は10〜100個程度のグルコースで構成されており、この内分岐環状構造部分に、非環状の多数の分岐グルカン鎖からなる外分岐構造部分が結合している。
例えば、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分の重合度は、10〜100の範囲である。
例えば、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の重合度は、40以上である。
例えば、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、平均で10〜20である。
より詳細には、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンである。本明細書において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104の記載を参酌して理解され得る。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの具体例としては、グリコ栄養食品株式会社の「クラスターデキストリン」(登録商標)が挙げられる。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物において、(A)成分の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。(A)成分の配合量が0.01質量%よりも多いと良好な消臭・防臭効果を発揮し得る。(A)成分の配合量を10質量%よりも多く配合しても、消臭・防臭効果は特に向上しない傾向にある。
なお、高度環状分岐デキストリンに代えて、α−シクロデキストリン(n=6)、β−シクロデキストリン(n=7)、γ−シクロデキストリン(n=8)などのグルコースが6〜8個結合した一般的なシクロデキストリンを繊維製品用液体処理剤組成物中に配合しても、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物と同等の優れた消臭・防臭効果は得られない。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる(B)成分は、ビグアニド化合物である。ビグアニド化合物としては、下記一般式(I)で表されるビグアニド系化合物や塩酸クロロヘキシジン(1,1’-Hexamethylene bis [5-(4-chlorophenyl)biguanide] dihedrochloride)などを用いることができる。
−[R8−NH−C(NH)−NH−C(NH)−NH]n− n・HY ・・・(I)
(式中、R8は炭素数2〜8のアルキレン基であり、好ましくは炭素数4〜8のアルキレン基であり、特にヘキサメチレン基であり、nは2〜14であり、好ましくは10〜14であり、より好ましくは11〜13であり、特に好ましくは12である。HY は有機酸又は無機酸を示し、好ましくは塩酸、グルコン酸又は酢酸であり、特に塩酸が最も好ましい。)
本発明の成分(B)としては、一般式(I)においてR8がヘキサメチレン基であり、nが10〜14であるものが好適であり、更にはnが11〜13であるポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩が最も好適である。好ましいポリヘキサメチレンビグアニド抗菌剤は市販のものを用いることが出来き、上記一般式(I)のR8がヘキサメチレン基であり、nが12であり、HYが塩酸である、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩(商品名Proxel IB(登録商標))を使用することが出来る。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に含まれる(B)成分の配合量は特に限定されないが、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.02〜3質量%、さらに好ましくは0.05〜2質量%である。(B)成分の配合量が0.01質量%よりも多いと保存後においても良好な消臭・防臭効果を発揮し得る。(B)成分の配合量が5質量%よりも多いと高温での保存安定性が低下する場合がある。
また、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物中の(B)成分の配合量に対する(A)成分の配合量の質量比率((A)/(B))は、特に限定されないが、好ましくは5〜300、より好ましくは10〜100、さらに好ましくは20〜50である。(A)/(B)が上記好ましい範囲内であれば、保存後においても良好な消臭・防臭効果、特にタバコ臭の消臭・防臭効果を発揮し得る。(A)/(B)が5よりも低い場合、高温での保存安定性が低下する場合がある。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物は、さらに(C)カチオン界面活性剤を含有することができる。
カチオン界面活性剤としては、エステル基又はアミド基で分断されていてもよい炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、オキシエチレン基の平均付加モル数が5〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩等が挙げられ、中でも、分子内にエステル基を含むカチオン界面活性剤が好ましい。
分子内にエステル基を含むカチオン界面活性剤とは、分子内にエステル基を1つ含むカチオン界面活性剤(以下、「成分(C−1)」と言う)、分子内にエステル基を2つ含むカチオン界面活性剤(以下、「成分(C−2)」と言う)及び分子内にエステル基を3つ含むカチオン界面活性剤(以下、「成分(C−3)」と言う)を含み得る。
R1は、好ましくは総炭素数12〜24のエステル基を1つ含むアルキル基又はアルケニル基である。
R2のヒドロキシアルキル基は、好ましくは炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基である。R2の例としては、具体的にはメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基などが挙げられるが、特にメチル基、ヒドロキシエチル基が好ましく用いられる。X-は、具体的には塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子やメチル硫酸、エチル硫酸、メチル炭酸などが挙げられる。X-は、好ましくはメチル硫酸、エチル硫酸、メチル炭酸であり、特にメチル硫酸が好ましい。上記一般式(1)で示される分子内にエステル基を1つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(2)で示される第4級アンモニウム塩が好ましい。
R3は、好ましくは炭素数9〜21の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基である。R3は炭素数8〜24の脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基であり、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸、分岐脂肪酸のいずれからも誘導され得る基である。不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体が存在するが、その質量比率は繊維製品用処理剤の粘度を適度なものに仕上げるため、シス体/トランス体=40/60〜100/0が好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。R3のもととなる脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。中でも好ましいのは、植物由来のステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸を所定量組み合わせ、飽和/不飽和比率(質量比)が90/10〜0/100、特に80/20〜0/100のものである。特にシス体/トランス体の質量比が70/30〜90/10、炭素数18の比率が60質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%以下、炭素数22の脂肪酸が1質量%以下となるように調整した脂肪酸組成を用いることが好ましい。
また、R1、R2、X-の好ましい範囲等についても上記一般式(1)と同じである。
上記一般式(3)で示される分子内にエステル基を2つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(4)で示される第4級アンモニウム塩が好ましい。
また、R1、R2、X-の好ましい範囲についても一般式(1)と同じある。
上記一般式(5)で示される分子内にエステル基を3つ含む第4級アンモニウム塩としては、下記一般式(6)で示される第4級アンモニウム塩が好ましい。
また、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物中の(A)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の質量比率((C)/(A))は、特に限定されないが、好ましくは1〜1000、より好ましくは2〜100である。(C)/(A)が上記好ましい範囲内であれば、(A)成分の吸着性が高まり、より防臭性が高まる。(C)/(A)が1よりも低い場合、高温での保存安定性が低下する場合がある。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物中の(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の質量比率((C)/(B))は、特に限定されないが、好ましくは100〜3000、より好ましくは150〜1500、さらに好ましくは200〜500である。(C)/(B)が上記好ましい範囲内であれば、保存後においても良好な効果、特に柔軟効果を発揮し得る。(C)/(B)が100よりも低い場合、高温での保存安定性が低下する場合がある。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(C)成分以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、繊維製品用液体処理剤組成物において公知の成分を適宜配合することができる。例えば、水、水溶性溶剤、糖系化合物、シリコーン、香料、染料及び/又は顔料、防腐剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを含有させることができる。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物は、好ましくは水性組成物であり、水を含むことが好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
水は、本発明の繊維製品用処理剤組成物中に、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上配合される。水の含有割合が前記下限値以上であれば、ハンドリング性が良好となる。
水溶性溶剤としては、低級(炭素数1〜4)アルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
R4−O−(C2H4O)y−(C3H6O)z−H ・・・(X)
式中、R4は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキル基又はアルケニル基である。yおよびzは平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5、zは0〜5、好ましくは0〜2の数を示す。
水溶性溶剤として、上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤は、本発明の繊維製品用液体処理剤組成物中に、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0.01〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%配合される。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用することができ、また任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態でも使用することができる。
シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
これらの中でも、汎用性、消臭防臭効果の向上の観点から、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチルシリコーンなどが好ましく、効果、製造時の取り扱いの観点からは、特にポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが好ましい。ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、アルキルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体などが挙げられる。なお、前記アルキルシロキサンのアルキル基の炭素数としては、1〜3が好ましく、また、前記ポリオキシアルキレンのアルキレン基の炭素数としては、2〜5が好ましい。これらの中でも、前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が好ましい。このようなポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物などが挙げられる。
前記一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを、白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。したがって、前記ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、前記ポリエーテル変性シリコーン中での存在量としては、30ppm以下(Si−Hの量として)であることが好ましい。
前記一般式(II)で表される線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。このようなポリエーテル変性シリコーンは、側鎖のポリオキシアルキレン鎖が長く、ポリシロキサン鎖の重合度が大きいものほど粘度が高くなるので、製造時の作業性改善及び水性組成物への配合を容易にするために、水溶性有機溶剤とのプレミックスの形で配合に供することが好ましい。該水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、より具体的には、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の、SH3772M、SH3775M、FZ−2166、FZ−2120、L−720、SH8700、L−7002、L−7001、SF8410、FZ−2164、FZ−2203、FZ−2208、信越化学工業(株)製の、KF352A、KF615A、X−22−6191、X−22−4515、KF−6012、KF−6004等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のTSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4452、TSF4460等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては商業的に入手できるものを使用することができ、例えば、アミノ変性シリコーンオイルとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SF―8417、BY16−892、BY16−890で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、KF−864、KF−860、KF−8004、KF−8002、KF−8005、KF−867、KF−861、KF−880、KF−867Sなどが挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンタイプのものとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SM8904、BY22−079、FZ−4671、FZ−4672で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、Polonシリーズで販売されているPolonMF−14、PolonMF−29、PolonMF−14D、PolonMF−44、PolonMF−14EC、PolonMF−52で販売されているものがあげられる。
ジメチルシリコーンの動粘度としては、特に制限はなく、1〜100,000,000mm2/sが好ましく、10〜10,000,000mm2/sがより好ましく、100〜1,000,000mm2/sが更に好ましい。また、オイルであっても、エマルジョンであってもよい。
添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。
本発明の繊維製品用処理剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましく、その配合量は組成物全体に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物に用いられる染料としては、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報又は特開2001−348784号公報などに記載されている染料を用いることもできる。
防腐剤としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、又はこれらの混合物などが挙げられる。なかでも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)、又はこれらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物中、防腐剤の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の総量に対して0.0001〜1質量%であることが好ましい。防腐剤の配合量が下限値未満であると、防腐剤の添加効果が得られにくく、上限値を超えると、保存安定性が低下するおそれがある。
紫外線吸収剤としては、例えば、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p−メトキシケイ皮酸エチル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4−t−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物のpHは特に限定されないが、柔軟剤組成物の場合には、保存経日に伴う(C)成分の陽イオン界面活性剤の加水分解を抑制する等の観点から、25℃におけるpHが1〜6の範囲内であることが好ましく、2〜4の範囲内であることがより好ましい。スプレー式繊維処理剤の場合には、繊維製品のダメージを抑える観点から、25℃におけるpHが3〜8であることが好ましく、4〜7であることがより好ましい。
pH調整を行う場合、pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物の粘度は、柔軟剤組成物の場合には、1000mPa・s(B型粘度計、TOKIMEC社製、25℃、以下同様)未満であることが好ましい。保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。このような範囲にあると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。スプレー式繊維処理剤の場合には、ハンドリング性の点から、25℃における粘度が10mPa・s以下であることが好ましく、5mPa・s以下であることがさらに好ましい。該粘度は、(B)成分や水の配合量、(C)成分の種類・配合量等により調節できる。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物の調製方法は特に限定されない。柔軟剤組成物の場合には、公知の方法、例えば主剤として陽イオン界面活性剤を用いる従来の柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(C)成分、香料組成物を含む油相と、水を含む水相とを、(C)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、必要に応じて、得られた乳化物に(A)成分、(B)成分を添加、混合することにより製造することができる。
油相は、(C)成分の融点以上の温度で、(C)成分と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
水相は、水と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物の用途は特に限定されないが、洗浄剤組成物、漂白剤組成物、柔軟剤組成物、スプレー式繊維処理剤等に応用することができる。中でも、柔軟剤組成物又はスプレー式繊維処理剤として応用することが好ましく、最も好適には柔軟剤組成物である。
本発明の繊維製品用液体処理剤組成物による衣類等の繊維製品の処理方法は特に制限されるものではなく、従来知られている洗剤、仕上げ剤(柔軟剤、糊剤等)、スプレー式繊維処理剤等と同様に行うことができる。
柔軟剤組成物の場合、使用方法は特に限定されないが、例えば洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に本発明の組成物を溶解させて処理を行う。あるいは、たらいのような容器を用い本発明の組成物を水に溶解させ、更に衣料を入れて浸漬処理する方法があるが、その場合は適度な濃度に希釈して使用される。その場合、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3〜100倍、特に5〜50倍であることが好ましい。具体的には、柔軟処理を行う際は、全使用水量に対し、(C)成分の濃度が0.01ppm〜1000ppmとなるような量で使用するのが好ましく、さらに好ましくは0.1ppm〜300ppmとなるような量で使用される。
・A−1:クラスターデキストリン(登録商標、グリコ栄養食品株式会社製)
クラスターデキストリン(登録商標)の主成分は、分子量が3万から100万程度であり、分子内に環状構造を1つ有し、さらにその環状部分に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のデキストリンである。環状構造部分は16〜100個程度のグルコースで構成されており、この環状構造に非環状の分岐グルカン鎖が多数結合しているものである。
・B−1:ポリヘキサメチレンビグアニド(ロンザ・ジャパン社製、商品名プロキセルIB)
・B−2:塩酸クロルヘキシジン(岩瀬コスファ、商品名クロルヘキシジン)
・抗菌剤−1(比較例):トリクロサン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガサンDP300)
・C−1:カチオン界面活性剤(特開2010−47851 実施例にて(A−3)として記載の組成物)
モノエステルアンモニウム塩/ジエステルアンモニウム塩/トリエステルアンモニウム塩が53/41/6(質量比)で含有されている。
・C−2:カチオン界面活性剤(特開2005−232637 4級アンモニウム塩組成物(3)として記載の組成物)
モノエステルアンモニウム塩/ジエステルアンモニウム塩/トリエステルアンモニウム塩が55/41/4(質量比)で含有されている。
・C−3:カチオン界面活性剤(特開2010−47851 実施例にて(A−2)として記載の組成物)
モノエステルアンモニウム塩/ジエステルアンモニウム塩/トリエステルアンモニウム塩が28/53/19(質量比)で含有されている。
・C−4:カチオン界面活性剤(特開2001−348784 実施例3にて用いられた4級アンモニウム塩の組成物)
モノエステルアンモニウム塩/ジエステルアンモニウム塩が19/81(質量比)で含有されている。
・C−5:カチオン界面活性剤(ライオンアクゾ社、商品名アーカードT−800)
ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル60EO:2%
プロピレングリコール:2%*
塩化カルシウム:0.3%
ダイレクトブルー86:30ppm*
下記表1に組成が示される香料組成物:1%*
*プロピレングリコールとダイレクトブルー86、香料組成物は有り姿での配合量を記載。
各成分の配合量を、下記表2〜4に記載の通り調整して、次の手順により柔軟剤組成物を調製した。
(C)成分をその融点以上に加温し、表中の組成に従って所定量を内径100mm、高さ150mmのガラス容器に計り取った。ついで共通成分である香料組成物、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル60EO、プロピレングリコールを所定量加えて均一になるように攪拌し、油性混合物を調製した。
また、所定量のイオン交換水に共通成分であるダイレクトブルー86、塩化カルシウムを溶解させ、50℃に加温し、水性混合物を調製した。
次に、(C)成分を含む油性混合物に、加温した水性混合物を2回に分割して添加した。水性混合物の1回目添加/2回目添加の分割比率は30/70(質量比)とし、攪拌はスリーワンモーター(新東科学株式会社製)を用い回転速度1,000rpmで、1回目の水性混合物添加後に3分間、2回目の水性混合物添加後に3分間撹拌した。攪拌羽としては、長さが100mmの羽を30mm間隔で3本有するパドル羽を用いた。
その後、生成物を回転速度200rpmで攪拌しながら、(A)成分、(B)成分を混合し、柔軟剤組成物を得た。得られた柔軟剤組成物のpH(25℃、原液)は2.0〜4.0の値であった。
得られた柔軟剤組成物は、調製翌日に蓋つきのガラス瓶に密閉し、その時点のものを「初期」、40℃で4ヶ月保存したものを「保存後」の組成物とし、それらを用いて、「柔軟性」と「放置臭の強度」、「タバコ臭の強度」の評価を行い、その結果を表2〜4に示した。
1.評価用布の前処理方法
市販の綿タオル(東進社製)を市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)により二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて3回前処理を行った(洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、洗浄10分→注水すすぎ10分を2回)。
前処理洗浄した綿タオル(東進社製)1.0kgを、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で8分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比15倍、25℃の水道水使用)、3分間のすすぎに続いて、すすぎ2回目に上記の通り調製した柔軟剤組成物にて3分間柔軟処理(仕上げ剤6.67mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。洗浄、すすぎの各工程間とすすぎ2回目後に脱水を1分間行った。処理後、20℃、45%RHの恒温恒湿条件下で20時間乾燥させ、下記に示す評価試験に供した。
前記「洗濯時すすぎ工程での処理」において、各柔軟剤組成物を用いないことを除いて同条件で処理した綿タオルを対照として用い、専門パネラー10人により、官能一対比較を行った。以下に示す評価基準により評価を行い、専門パネラー10人の平均点により、下記判定基準で判定した。
<評価基準>
+3:対照よりもはっきりと良好である。
+2:対照よりもやや良好である。
+1:対照よりもわずかに良好である。
0 :対照とほぼ同じである。
−1:対照の方がわずかに好である。
−2:対照の方がやや良好である。
−3:対照の方がはっきりと良好である。
<判定基準>
パネラー10名の点数の平均をとり、以下の基準に従って判定した。商品価値上、1.0点以上を合格とした。
1.洗濯時すすぎ工程での処理
家庭から回収した綿タオル(約6ヶ月間バスタオルとして使用)1.0kgを、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で8分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比15倍、25℃の水道水使用)、3分間のすすぎに続いて、すすぎ2回目に上記の通り調製した柔軟剤組成物にて3分間柔軟処理(仕上げ剤6.67mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。洗浄、すすぎの各工程間とすすぎ2回目後に脱水を1分間行った。最終脱水終了後、脱水槽の中にそのまま3時間放置し、評価用のタオルとした。
上記のように各組成物で処理したタオルの放置臭の臭気強度を下記の評価基準に従って評価した。10名のパネラーの平均点を求めた。商品価値上、3.5点未満を合格とした。
<回収タオルの評価基準>
5点:強烈なニオイ
4点:強いニオイ
3点:楽に感知できる程度のニオイの強さ
2点:何の臭いか分かる程度のニオイの強さ
1点:やっと感知できる程度のニオイの強さ
0点:無臭
1.評価用布の前処理方法
市販の綿メリヤス布(谷頭商店)を市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)により二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて3回前処理を行った(洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、洗浄10分→注水すすぎ10分を2回)。
前処理洗浄した綿メリヤス布(谷頭商店)1.0kgを、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で8分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比15倍、25℃の水道水使用)、3分間のすすぎに続いて、すすぎ2回目に上記の通り調製した柔軟剤組成物にて3分間柔軟処理(仕上げ剤6.67mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。洗浄、すすぎの各工程間とすすぎ2回目後に脱水を1分間行った。処理後、20℃、45%RHの恒温恒湿条件下で20時間乾燥させ、下記に示す評価試験に供した。
上記方法で処理した綿メリヤス布を15cm×15cmの正方形状に切り取った。縦50cm×横30cm×高さ50cmのダンボールの上部に吊るし、火を付けたタバコ(マイルドセブン、日本たばこ産業(株)製)1本をダンボールの下部に置き、ダンボールを密閉して10秒間放置した後、タバコを取り出し、さらに60秒間ダンボールを密閉し放置した。その後、布を取りだし、各組成物で処理した綿メリヤス布のタバコ臭の臭気強度を下記の評価基準に従って評価した。10名のパネラーの平均点を求めた。商品価値上、3.5点未満を合格とした。
<綿メリヤス布の評価基準>
5点:強烈なニオイ
4点:強いニオイ
3点:楽に感知できる程度のニオイの強さ
2点:何の臭いか分かる程度のニオイの強さ
1点:やっと感知できる程度のニオイの強さ
0点:無臭
Claims (2)
- (A)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンと、
(B)ビグアニド化合物と
を含む繊維製品用液体処理剤組成物。 - (C)カチオン界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の繊維製品用液体処理剤組成物。
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