JP6929118B2 - 繊維製品用処理剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維製品用処理剤組成物に関する。詳細には、本発明は、消臭効果に優れ、かつ組成物自体の臭気劣化が抑制された繊維製品用処理剤組成物に関する。
消臭効果をもたらす柔軟仕上げ剤において、高度分岐環状デキストリンを活用することが知られている(特許文献1〜4)。
特許文献1には、カチオンとの組み合わせにおいて、着用時の汗臭や部屋干しした際の臭気の発生を抑制することが記載されている。
特許文献2には、カチオンと特定の比率での水溶性溶剤との組み合わせにおいて、タバコ臭気を抑制することが記載されている。
特許文献3には、ビグアニド化合物との共存において、保存後の組成物における放置臭、タバコ臭を抑制することが記載されている。
特許文献4には、カチオン性水溶性高分子化合物との組み合わせにて、化学繊維に対しても消臭効果に優れることが記載されている。
特開2014-1490号公報 特開2014-43658号公報 特開2014-80695号公報 特開2015-101795公報
しかしながら、特許文献1、2及び4に記載の技術については、時間がたつと、高度分岐環状デキストリンの消臭効果が弱まり、また特許文献3に記載の技術については、長期保存において、組成物そのものの臭気が劣化しやすく、部屋干し臭の抑制効果が低下するという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高度分岐環状デキストリン等のデキストリンをベンズイソチアゾリン系化合物又はその類縁化合物と併用することにより、保存後の消臭効果を高め、組成物自体の臭気劣化を抑制し得ることを見出した。本発明は、これらの新規な知見に基づいて完成されたものである。
本発明の一実施態様において、以下の(A)及び(B)成分:
(A)(A−1)及び(A−2)から選択される少なくとも1種のデキストリン
(A−1)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカン
(A−2)ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン
(B)ベンズイソチアゾリン系化合物又はその類縁化合物
を含有する繊維製品用処理剤組成物が提供される。
本発明の一実施態様によれば、カチオン性界面活性剤を更に含む。
本発明の一実施態様によれば、消臭効果に優れた繊維製品用処理剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、保存後の消臭効果に優れた繊維製品用処理剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、組成物自体の臭気劣化が抑制された繊維製品用処理剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、消臭効果に優れ、かつ組成物自体の臭気劣化が抑制された繊維製品用処理剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、保存後の消臭効果に優れ、かつ組成物自体の臭気劣化が抑制された繊維製品用処理剤組成物を提供することができる。
[(A)成分]
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる(A)成分は、下記(A−1)及び(A−2)成分から選択される少なくとも1種のデキストリンである。
(A−1)成分は、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンである。このようなグルカンは、高度分岐環状デキストリン又はクラスターデキストリンとも呼ばれ、本明細書においても、(A)成分を「高度分岐環状デキストリン」と言う。
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンは、分子量が3万から100万程度であり、分子内に環状構造を1つ有し、さらにその環状部分に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のデキストリンを主に含む。
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は10〜100個程度のグルコースで構成されており、この内分岐環状構造部分に、非環状の多数の分岐グルカン鎖からなる外分岐構造部分が結合している。
例えば、本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの重合度は50〜5000の範囲にある。
例えば、本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分の重合度は、10〜100の範囲である。
例えば、本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の重合度は、40以上である。
例えば、本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、平均で10〜20である。
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンは、例えば、デンプンを原料として、ブランチングエンザイムという酵素を作用させて製造される。原料であるデンプンは、グルコースがα−1、4−グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α−1,6−グルコシド結合によって複雑に分岐した構造をもつアミロペクチンからなり、アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。使用酵素であるブランチングエンザイムは、動植物、微生物に広く分布するグルカン鎖転移酵素であり、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
より詳細には、本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンである。本明細書において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104の記載を参酌して理解され得る。
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンは、上記の通り特定の構造を有し、かつ重合度(分子量)が大きいものであり、α−シクロデキストリン(n=6)、β−シクロデキストリン(n=7)、γ−シクロデキストリン(n=8)などのグルコースが6〜8個結合した一般的なシクロデキストリンとは異なる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる高度分岐環状デキストリンの具体例としては、グリコ栄養食品株式会社の「クラスターデキストリン」(登録商標)が挙げられる。
(A−2)成分は、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンである。ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンは、シクロデキストリンに分類されるものの、一般的なシクロデキストリンとして上記したβ−シクロデキストリンに対して、シクロデキストリンの水酸基の一部にヒドロキシプロピル基を導入したものである。これにより、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンは、一般的なシクロデキストリンとして上記したβ−シクロデキストリンよりも水溶性が高い。
(A)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
本発明の繊維製品用処理剤組成物において、(A)成分の配合量は特に限定されないが、繊維製品用処理剤組成物の総量に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜3質量%である。(A)成分の配合量が0.01質量%よりも多いと良好な消臭・防臭効果を発揮し得る。(A)成分の配合量を10質量%よりも多く配合しても、消臭・防臭効果は特に向上しない傾向にある。
なお、(A−1)成分や(A−2)成分に代えて、α−シクロデキストリン(n=6)、β−シクロデキストリン(n=7)、γ−シクロデキストリン(n=8)などのグルコースが6〜8個結合した一般的なシクロデキストリンを繊維製品用処理剤組成物中に配合しても、本発明の繊維製品用処理剤組成物と同等の優れた消臭・防臭効果は得られない。
[(B)成分]
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる(B)成分は、ベンズイソチアゾリン系化合物又はその類縁化合物であり、抗菌剤として用いられるものである。例えば、2−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、3−アミノ−5,7−ジブロモ−2,1−ベンゾイソチアゾール、3−クロロ−1,2−ベンゾイソチアゾール、またその類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)、又はこれらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが好ましい。
(B)成分は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。(B)成分としては、具体的には、クラリアント(株)製のニッパサイド、(株)ロンザ製のプロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL、プロキセルLV、プロキセルCRL、プロキセルNBZ、プロキセルAM、プロキセルB20が挙げられる。
(B)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、(B)成分の配合量は特に限定されないが、繊維製品用処理剤組成物の総量に対して0.0001〜1質量%であることが好ましい。(B)成分の配合量が下限値以上であると、(A)成分による部屋干し臭の消臭効果、また保存品の臭気の変調を抑える効果が十分に得られやすく、上限値以下であると、保存安定性が低下するおそれを低減できる。
また、(B)成分に対して、(A)成分の量が、(A)/(B)=50〜500であると、(A)成分の消臭効果がより高まる。更には、予め(B)成分を(A)成分と、(A)/(B)=3000/1〜100/1の割合で混合した上で組成物に添加すると更に(B)成分が効果的に作用する。(A)/(B)=3000/1〜10/1の割合で混合して使用すると、(A)成分による消臭効果がより効果的なものになる。
[(C)成分]
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、(C)成分としてカチオン界面活性剤を更に含有することができる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる(C)成分は、エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1個以上有するアミン化合物、その中和物及びその4級化物からなる群から選ばれる1種以上の化合物であり、カチオン界面活性剤として機能するものである。(C)成分は、繊維製品用処理剤組成物、例えば、柔軟剤組成物へ風合い付与効果(特に、肌着等の衣類へ柔らかさを付与する効果)を与えるために配合される。
所定の炭化水素基の炭素数は、10〜26、好ましくは12〜24、特に好ましくは14〜20である。
この炭化水素基は、エステル基及びアミド基からなる群より選ばれる1種以上の基により分断されていてもよい。エステル基及びアミド基の中ではエステル基が特に好ましい。分断する基の数は、炭化水素基1つにつき1つである。なお、分断基が有する炭素原子は、炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
また、炭化水素基は飽和であっても不飽和であってもよく、直鎖であって分岐鎖であってもよい。
アミン化合物の中和物とは、アミン化合物を酸で中和することによって得られる化合物である。中和に用いる酸としては、塩酸、硫酸、メチル硫酸や、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる。中和物はアミン塩の形であることが好ましい。
中和物の製造は、予め酸で中和したアミン化合物を水で分散させる、液状若しくは固体状のアミン化合物の酸水溶液中への投入、又は、アミン化合物と酸との水中への同時投入等により行うことができる。
アミン化合物の4級化物とは、アミン化合物のうち、窒素原子へ結合している炭化水素基の数が3であるもの(3級アミン)を4級化剤で処理することによって得られる化合物である。4級化剤としては、塩化メチルやジメチル硫酸等が挙げられる。
(C)成分として、下記一般式(C-I)〜(C-VII)のいずれかで表されるアミン化合物、その中和物又はその4級化物を例示することができる。
Figure 0006929118
上記(C-I)〜(C-VII)の各式中、R1は同一又は異なっていてもよい炭素数15〜17の炭化水素基(別言すれば、炭素数16〜18の脂肪酸からカルボキシル基を除くことで誘導される残基)である。炭化水素基はアルキル基であってもよく、アルケニル基であってもよい。R1を誘導する脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸や分岐脂肪酸があげられる。不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体が存在するが、その質量比が、シス体/トランス体=25/75〜100/0であることが好ましく、40/60〜80/20であることが特に好ましい。
1を誘導する好ましい脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガトレイン酸、エイコセン酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。より好ましくは、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸及びリノレン酸の混合物であって、飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の質量比が95/5〜50/50、シス体/トランス体の質量比が40/60〜80/20、ヨウ素価が10〜50、炭素数18の脂肪酸含量が混合物総質量に対して80質量%以上、かつ、リノール酸及びリノレン酸の合計量が混合物総質量に対して2質量%以下である混合物である。
(C)成分として、一般式(C-I)で表される化合物と一般式(C-II)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記の脂肪酸混合物又はそのメチルエステル化物と、メチルジエタノールアミンとを縮合反応させることにより合成することができる。その際、繊維製品用処理剤組成物(液体柔軟剤組成物)中における分散安定性を良好にする観点から、各化合物の質量比が(C-II)/(C-I)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(C-I)で表される化合物の4級化物と一般式(C-II)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸を用いることができるが、分子量が小さく4級化のために必要な量を少なくできる塩化メチルが好ましい。その際、繊維製品用処理剤組成物(液体柔軟剤組成物)中における分散安定性を良好にする観点から、各4級化物の質量比が(C-II)の4級化物/(C-I)の4級化物=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、(C-I)で表される化合物と(C-II)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((C-I)の4級化物+(C-II)の4級化物)と未反応物((C-I)で表される化合物+(C-II)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
(C)成分として、一般式(C-III)で表される化合物と、一般式(C-IV)で表される化合物と、一般式(C-V)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記脂肪酸組成物又はそのメチルエステル化物と、トリエタノールアミンとを縮合反応させることにより合成することができる。その際、繊維製品用処理剤組成物(液体柔軟剤組成物)中における分散安定性を良好にする観点から、各化合物の質量比が[(C-IV)+(C-V)]/(C-III)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(C-III)で表される化合物の4級化物と一般式(C-IV)で表される化合物の4級化物と一般式(C-V)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸などを用いることができるが、4級化反応の反応性の観点からジメチル硫酸が好ましい。その際、繊維製品用処理剤組成物(液体柔軟剤組成物)中における分散安定性を良好にする観点から、各4級化物の質量比が[(C-IV)+(C-V)]/(C-III)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、一般式(C-III)で表される化合物と、一般式(C-IV)で表される化合物と、一般式(C-V)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((C-III)の4級化物+(C-IV)の4級化物+(C-V)の4級化物)と未反応物((C-III)で表される化合物+(C-IV)で表される化合物+(C-V)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
(C)成分として、一般式(C-VI)で表される化合物と一般式(C-VII)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記脂肪酸組成物とN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,3−プロピレンジアミン(J. Org. Chem., 26, 3409(1960)に記載の方法にしたがいN−メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物とから合成)とを縮合反応させることにより合成することができる。風合い付与効果を良好にする観点から、各化合物の質量比が(C-VII)/(C-VI)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(C-VI)で表される化合物の4級化物と一般式(C-VII)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルを用いることができる。その際、風合い付与効果を良好にする観点から、各4級化物の質量比が(C-VII)の4級化物/(C-VI)の4級化物=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、(C-VI)で表される化合物と(C-VII)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((C-VI)の4級化物+(C-VII)の4級化物)と未反応物((C-VI)で表される化合物+(C-VII)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
上述のなかでは、一般式(C-III)で表される化合物の4級化物と、一般式(C-IV)で表される化合物の4級化物と、一般式(C-V)で表される化合物の4級化物とを含む組成物がより好ましい。
この場合、柔軟剤としての機能をより高める観点から、組成物中における各4級化物の含量は、組成物の総質量に対して、(C-III)で表される化合物の4級化物が5〜98質量%、(C-IV)で表される化合物の4級化物が1〜60質量%、(C-V)で表される化合物の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは、組成物の総質量に対して、(C-III)で表される化合物の4級化物が10〜55質量%、(C-IV)で表される化合物の4級化物が30〜60質量%、(C-V)で表される化合物の4級化物が5〜35質量%である。
(C)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(C)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物(組成物)として用いてもよい。混合物(組成物)として用いる場合、窒素原子に結合した炭化水素基の数が2又は3であるアミン化合物の含量が、混合物(組成物)の総質量に対して50質量%以上であると、柔軟剤としての機能をより高めることができるので好ましい。
(C)成分の配合量は特に限定されないが、繊維製品用処理剤組成物の総質量に対して10〜30質量%、好ましくは10〜20質量%である。(C)成分の配合量が30質量%以下であると、繊維製品用処理剤組成物の液粘度が高くなることによるハンドリング性低下を抑制することができる。(C)成分の配合量が10質量%以上であると、十分な風合い付与効果を得ることができる。
成分(C)中の成分(C−1)の質量比は、成分(C−1)/[成分(C−1)+成分(C−2)+成分(C−3)]で表される場合、特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.8、より好ましくは0.2〜0.8である。このような範囲内であると、本発明の繊維製品用処理剤組成物において(C)成分を配合した場合においても良好な放置臭抑制能が得られるため好ましい。成分(C)中の成分(C−3)の質量比は、成分(C−3)/[成分(C−1)+成分(C−2)+成分(C−3)]で表される場合、特に限定されないが、好ましくは0〜0.2、より好ましくは0〜0.15である。
(C)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
本発明の繊維製品用処理剤組成物に含まれる(C)成分の配合量は特に限定されないが、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。(C)成分の配合量が5質量%よりも多いと良好な柔軟効果を発揮し得る。(C)成分の配合量が40質量%よりも多いと粘度が高まり、ハンドリング性が低下する場合がある。
また、本発明の繊維製品用処理剤組成物中の(A)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の質量比率((C)/(A))は、特に限定されないが、好ましくは1〜1000、より好ましくは2〜100である。(C)/(A)が上記好ましい範囲内であれば、(B)成分の吸着性が高まり、より消臭効果が高まる。(C)/(A)が1よりも低い場合、高温での保存安定性が低下する場合がある。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中の(B)成分の配合量に対する(C)成分の配合量の質量比率((C)/(B))は、特に限定されないが、(C)成分が加わる柔軟剤組成中において、保存により(B)成分に影響を与えることがあり、好ましくは300〜5000、より好ましくは600〜2400である。(C)/(B)が上記好ましい範囲内であれば、保存後においても良好な柔軟効果と消臭性能を発揮し得る。
[任意成分]
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(C)成分以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、繊維製品用処理剤組成物において公知の成分を適宜配合することができる。例えば、水、水溶性溶剤、糖系化合物、シリコーン、香料、カプセル成分、染料及び/又は顔料、防腐剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などを含有させることができる。
<水>
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、好ましくは水性組成物であり、水を含むことが好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
水は、本発明の繊維製品用処理剤組成物中に、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上配合される。水の含有割合が前記下限値以上であれば、ハンドリング性が良好となる。
<水溶性溶剤>
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、水に加えて、水溶性溶剤を含むことが好ましい。
水溶性溶剤としては、低級(炭素数1〜4)アルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
4−O−(C24O)y−(C36O)z−H ・・・(X)
式中、R4は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキル基又はアルケニル基である。yおよびzは平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5、zは0〜5、好ましくは0〜2の数を示す。
水溶性溶剤として、上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤は、本発明の繊維製品用処理剤組成物中に、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0.01〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%配合される。
<糖系化合物>
糖系化合物としては、安定性向上の点から重合度が40以下の糖系化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。好ましい糖系化合物としては、単糖、二糖、オリゴ糖、または糖アルコールが挙げられる。具体的には、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、タロース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、及び天然多糖の部分加水分解から得られるオリゴ糖、並びにこれらの糖に置換基を導入した化合物(糖誘導体)である。単糖又はオリゴ糖としては、糖骨格の繰り返し単位の数(重合度)が1〜40のものが望ましく、1〜20が更に望ましく、1〜5(すなわち、単糖及び重合度1超5以下のオリゴ糖)が特に望ましい。導入可能な置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、ヒドロキシアルキル基、アミン基、4級アンモニウム基、カルボキシル基等が挙げられ、これらの中でも、特にアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基が望ましい。置換基としては、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基もしくはアルケニル基もしくはアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基もしくはアルケニル基もしくはアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、最も好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。糖系化合物としては、重合度1〜5である単糖もしくはオリゴ糖、及び重合度1〜5である単糖もしくはオリゴ糖の少なくとも一つの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物から選ばれる1種以上が好ましい。また、糖アルコールとしては、エリトリトール、トレイトール、ペンチトール、ヘキシトール、ダルシトール、ソルビトール、マンニトール、ボレミトール、ペルセイユトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等が挙げられる。
<無機塩>
無機塩としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩や、アンモニウム塩等が挙げられる。具体的には、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが好ましく、特に粘度バラつき抑制の点から塩化カルシウムと塩化マグネシウムが好ましい。無機塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
無機塩の配合量は特に限定されないが、組成物の総質量に対して、好ましくは0.002〜0.4質量%、より好ましくは0.01〜0.15質量%、さらに好ましくは0.02〜0.1%である。但し、脂肪酸塩類などの界面活性剤にはナトリウム塩やカリウム塩が含まれているが、このような界面活性剤の使用によって組成物に混入する無機塩は、上記好ましい配合量において考慮しないものとする。
<シリコーン化合物>
シリコーン化合物は、その種類に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいし、また、架橋していてもよい。また、シリコーン化合物は変性シリコーン化合物であってもよく、前記変性シリコーン化合物は、1種の有機官能基により変性されたものであってもよいし、2種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用することができ、また任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態でも使用することができる。
シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
これらの中でも、汎用性、消臭防臭効果の向上の観点から、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチルシリコーンなどが好ましく、効果、製造時の取り扱いの観点からは、特にポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが好ましい。ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、アルキルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体などが挙げられる。なお、前記アルキルシロキサンのアルキル基の炭素数としては、1〜3が好ましく、また、前記ポリオキシアルキレンのアルキレン基の炭素数としては、2〜5が好ましい。これらの中でも、前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が好ましい。このようなポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006929118
前記一般式(I)中、M、N、a、及びbは、平均重合度を表し、Rは、水素又はアルキル基を表す。ここで、Mは、10〜10,000であることが好ましく、100〜300がより好ましい。Nは、1〜1,000であることが好ましく、1〜100がより好ましい。更に、M>Nであることが好ましい。aは、2〜100であることが好ましく、2〜50がより好ましい。bは、0〜50であることが好ましく、0〜10がより好ましい。Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを、白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。したがって、前記ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、前記ポリエーテル変性シリコーン中での存在量としては、30ppm以下(Si−Hの量として)であることが好ましい。
Figure 0006929118
前記一般式(II)中、A、B、h、及びiは、平均重合度であり、Rは、アルキル基を表し、R’は、水素又はアルキル基を表す。ここで、Aは、5〜10,000であることが好ましく、Bは、2〜10,000であることが好ましい。hは、2〜100であることが好ましく、iは、0〜50であることが好ましい。Rは、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。R’は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(II)で表される線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。このようなポリエーテル変性シリコーンは、側鎖のポリオキシアルキレン鎖が長く、ポリシロキサン鎖の重合度が大きいものほど粘度が高くなるので、製造時の作業性改善及び水性組成物への配合を容易にするために、水溶性有機溶剤とのプレミックスの形で配合に供することが好ましい。該水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、より具体的には、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の、SH3772M、SH3775M、FZ−2166、FZ−2120、L−720、SH8700、L−7002、L−7001、SF8410、FZ−2164、FZ−2203、FZ−2208、信越化学工業(株)製の、KF352A、KF615A、X−22−6191、X−22−4515、KF−6012、KF−6004等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のTSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4452、TSF4460等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては、ジメチルシリコーン骨格の末端あるいは側鎖にアミノ基を導入したシリコーンオイルであり、アミノ基以外に水酸基、アルキル基、フェニル基等の置換基が置換されていてもよい。また、オイルの形態でも良ければ、ノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤を乳化剤として乳化させたアミノ変性シリコーンエマルジョンの形態でも良い。好ましいアミノ変性シリコーンのオイルまたは、エマルジョンの場合の基油オイルは、次の一般式(III)で表される。
Figure 0006929118
式(III)中、R1、R6は互いに同一でも、異なっていてもよく、メチル基、水酸基、水素のいずれかを表す。R2は、−(CH2n−A1、及び−(CH2n−NHCO−(CH2m−A1のいずれかを表す。A1は、−N(R3)(R4)、及び−N+(R3)(R4)(R5)・X-のいずれかを表す。R3〜R5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、及び−(CH2n−NH2のいずれかを表す。X-は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン、及び硫酸エチルイオンのうちのいずれかを表す。m及びnの値は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、0〜12の整数を表す。p及びqの値は、ポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、pは0〜20000、好ましくは10〜10000、qは1〜500、好ましくは1〜100を表す。
本発明の繊維製品用処理剤組成物で用い得るアミノ変性シリコーンのオイルの場合、25℃における動粘度が50〜20000mm2/sであることが好ましく、100〜10000mm2/sであることがより好ましい。動粘度がこの範囲にあると、高い風合い付与効果が発現されるとともに、製造性が良好であり、組成物の取り扱いも容易になるため好ましい。
アミノ変性シリコーンとしては商業的に入手できるものを使用することができ、例えば、アミノ変性シリコーンオイルとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SF―8417、BY16−892、BY16−890で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、KF−864、KF−860、KF−8004、KF−8002、KF−8005、KF−867、KF−861、KF−880、KF−867Sなどが挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンタイプのものとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SM8904、BY22−079、FZ−4671、FZ−4672で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、Polonシリーズで販売されているPolonMF−14、PolonMF−29、PolonMF−14D、PolonMF−44、PolonMF−14EC、PolonMF−52で販売されているものがあげられる。
ジメチルシリコーンの動粘度としては、特に制限はなく、1〜100,000,000mm2/sが好ましく、10〜10,000,000mm2/sがより好ましく、100〜1,000,000mm2/sが更に好ましい。また、オイルであっても、エマルジョンであってもよい。
<香料>
本発明の繊維製品用処理剤組成物には、洗い上がりの芳香を付与するために香料を添加することができる。特に限定されるものではないが、使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に記載されている。
<染料及び/又は顔料>
染料及び/又は顔料は、本発明の繊維製品用処理剤組成物の外観を向上する目的で配合することができる。好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。
本発明の繊維製品用処理剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましく、その配合量は組成物全体に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
本発明の繊維製品用処理剤組成物に用いられる染料としては、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報又は特開2001−348784号公報などに記載されている染料を用いることもできる。
<防腐剤>
また、(B)成分の抗菌剤に加えて、更に組成物の防腐性、殺菌性を高める目的で次の防腐剤が用いられ得る。
防腐剤としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、ビグアニド系抗菌剤、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、又はこれらの混合物などが挙げられる。なかでも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物が特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
ビグアニド系抗菌剤とは、以下の構造:
Figure 0006929118
を有するビグアニド又はビグアニドから誘導される化合物であって、抗菌作用を有するものをいう。
ビグアニド系抗菌剤としては、下記一般式(2):
−[R11−NH−C(NH)−NH−C(NH)−NH]n−n・HY (2)

(式中、R11は炭素数2〜8のアルキレン基であり、nは2〜14であり、HYは有機酸又は無機酸である。)で表される化合物が好ましい。
11は、好ましくは炭素数4〜8のアルキレン基であり、特に好ましくはヘキサメチレン基である。
nは、好ましくは10〜14であり、より好ましくは11〜13であり、特に好ましくは12である。
HYは、好ましくは塩酸、グルコン酸又は酢酸であり、特に好ましくは塩酸である。
一般式(2)においてR11がヘキサメチレン基であり、nが10〜14であり、HYが塩酸である化合物が好適であり、一般式(2)においてR11がヘキサメチレン基であり、nが11〜13であり、HYが塩酸である化合物が特に好適である。
具体例としては、一般式(2)においてR11がヘキサメチレン基であり、nが12であり、HYが塩酸である化合物(ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩、商品名:Proxel IB(登録商標)(ロンザ社))が挙げられる。
ビグアニド系抗菌剤のその他の具体例としては、下記の構造:
Figure 0006929118
を有する塩酸クロロヘキシジン(1,1'-Hexamethylene bis [5-(4-chlorophenyl)biguanide] dihydrochloride)が挙げられる。
ビグアニド系抗菌剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
本発明の繊維製品用処理剤組成物中、防腐剤の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の総量に対して0.0001〜1質量%であることが好ましい。防腐剤の配合量が下限値未満であると、防腐剤の添加効果が得られにくく、上限値を超えると、保存安定性が低下するおそれがある。
更に抗菌剤として、次の公知のものを適宜使用できる。例えば、ダイクロサン、トリクロサン、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、8−オキシキノリン、ポリリジン等が挙げられる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、紫外線を防御する効果のある薬剤であり、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出する成分である。
紫外線吸収剤としては、例えば、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p−メトキシケイ皮酸エチル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4−t−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
<陰イオン界面活性剤>
陰イオン界面活性剤としては、炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜24のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル塩、炭素数10〜24のα−オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸の炭素数が10〜24のα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、炭素数10〜24のアルキル基と数平均付加モル数1〜6のオキシエチレン基を有するポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。中でも、炭素数10〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
<両性界面活性剤>
両性界面活性剤としては、炭素数10〜24のアルキル基を有するアルキルジメチルアミンオキサイド、炭素数10〜24のアルカノイル基を有するアルカノイルアミドプロピルジメチルアミンオキサイド、炭素数10〜24のアルキル基を有するN−アルキル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、炭素数10〜24のアルキル基を有するN−アルキル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、炭素数10〜24のアルカノイル基を有するN−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アンモニウムベタイン、炭素数10〜24のアルカノイル基を有するN−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等を挙げることができる。
<ノニオン界面活性剤>
ノニオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコール、高級アミン又は高級脂肪酸から誘導されるものを用いることができる。より具体的には、炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(該アルキルの炭素数1〜3)エステル;エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルである硬化ヒマシ油などが挙げられる。中でも、炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が20〜80モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
前記の化合物以外に、本発明の繊維製品用処理剤組成物において、香気や色調の安定性を向上させるための酸化防止剤や還元剤、ポリスチレンエマルジョンなどの乳濁剤、不透明剤、機能向上剤として、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、ポリビニルピロリドンなどの移染防止剤、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS−X)などの蛍光増白剤、染料固定剤、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンなどの退色防止剤、染み抜き剤、繊維表面改質剤としてセルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ケラチナーゼなどの酵素、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与できるものとしてシルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液、具体的にはK−50、K−30、K−10、A−705、S−702、L−710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス)、アルキレンテレフタレートおよび/またはアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位からなる非イオン性高分子化合物、例えば互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRC−1などの汚染防止剤などを配合することができる。
更に、本発明の繊維製品用処理剤組成物において、マイクロカプセルを配合し得る。
マイクロカプセルは、芯物質と、当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。マイクロカプセルは様々な機能を付与する目的で使用され、芯物質としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤等を含み得る。このような芯物質の成分は、本発明の技術分野において周知の成分を用いることができる。
マイクロカプセルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。マイクロカプセルは、目的に応じて市販の製品から適宜選択することができるが、具体的には以下のものが挙げられる。
芯物質として香料を含むマイクロカプセル、即ちカプセル香料の具体例としては、フィルメニッヒ社製のBLUEFLOWERPOP「FFMHN2814」、ジボダン社製のGREEN BREEZE CAPS、ORCHARD GARDEN CAPS、RAINBOW CAPS、VELVET CAPS、AURORACAPS、およびCOSMICCAPS;IFF社製のUNICAP101、およびUNICAP503等が挙げられる。
マイクロカプセルの壁物質は、高分子物質から構成され、衣類用柔軟剤や衣類用の洗剤等に含有されるカプセルに一般的に使用される材料を用いることができる。壁物質として、例えば、ゼラチン、寒天等の天然系高分子、油脂、ワックス等の油性膜形成物質、ポリアクリル酸系、ポリビニル系、ポリメタクリル酸系、ポリウレア系、メラミン系、ウレタン系等の合成高分子物質などを挙げることができ、それら1種を単独又は2種以上を適宜併用することができる。壁物質は、芯物質として香料を含むマイクロカプセルの場合、カプセルが破壊された際の発香性の観点から、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂或いは尿素−ホルムアルデヒド樹脂からなるアミノプラストポリマー、ポリアクリル酸系或いはポリメタクリル酸系ポリマーであることが好ましい。特に、特開2010−520928号に記載されているようなアミノプラストポリマーが好ましい。具体的には、ポリアミン由来の部分/芳香族ポリフェノール由来の部分/メチレン単位、ジメトキシメチレン及びジメトキシメチレンを有するアルキレンおよびアルキレンオキシ部分からなるターポリマーであることが好ましい。
本発明の組成物において、マイクロカプセルの配合量は特に限定されないが、繊維製品用処理剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.05〜5質量%配合すると、組成物の消臭性能が更に向上させることができる。
[pH]
本発明の繊維製品用処理剤組成物のpHは特に限定されないが、柔軟剤組成物の場合には、保存経日に伴う(C)成分の陽イオン界面活性剤の加水分解を抑制する等の観点から、25℃におけるpHが1〜6の範囲内であることが好ましく、2〜4の範囲内であることがより好ましい。スプレー式繊維処理剤の場合には、繊維製品のダメージを抑える観点から、25℃におけるpHが3〜8であることが好ましく、4〜7であることがより好ましい。
pH調整を行う場合、pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
[粘度]
本発明の繊維製品用処理剤組成物の粘度は、柔軟剤組成物の場合には、1000mPa・s(B型粘度計、TOKIMEC社製、25℃、以下同様)未満であることが好ましい。保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。このような範囲にあると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。スプレー式繊維処理剤の場合には、ハンドリング性の点から、25℃における粘度が10mPa・s以下であることが好ましく、5mPa・s以下であることがさらに好ましい。該粘度は、(B)成分や水の配合量、(C)成分の種類・配合量等により調節できる。
[製造方法]
本発明の繊維製品用処理剤組成物の調製方法は特に限定されない。柔軟剤組成物の場合には、公知の方法、例えば主剤として陽イオン界面活性剤を用いる従来の柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(C)成分を含む油相と、(B)成分及び水を含む水相とを、(C)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、得られた乳化物に(A)成分を添加、混合することにより製造することができる。なお、乳化物に(A)成分を添加する際、(A)成分を予め(B)成分と混合したものを用いてもよい。(A)成分を予め(B)成分と混合したものを用いた方が、組成物自体の臭気劣化抑制の点で好ましい。
油相は、(C)成分の融点以上の温度で、(C)成分と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
水相は、水と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
[用途・使用方法]
本発明の繊維製品用処理剤組成物の用途は特に限定されないが、洗浄剤組成物、漂白剤組成物、柔軟剤組成物、スプレー式繊維処理剤等に応用することができる。中でも、柔軟剤組成物又はスプレー式繊維処理剤として応用することが好ましく、最も好適には柔軟剤組成物である。
本発明の繊維製品用処理剤組成物による衣類等の繊維製品の処理方法は特に制限されるものではなく、従来知られている洗剤、仕上げ剤(柔軟剤、糊剤等)、スプレー式繊維処理剤等と同様に行うことができる。
柔軟剤組成物の場合、使用方法は特に限定されないが、例えば洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に本発明の組成物を溶解させて処理を行う。あるいは、たらいのような容器を用い本発明の組成物を水に溶解させ、更に衣料を入れて浸漬処理する方法があるが、その場合は適度な濃度に希釈して使用される。その場合、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3〜100倍、特に5〜50倍であることが好ましい。具体的には、柔軟処理を行う際は、全使用水量に対し、(C)成分の濃度が0.01ppm〜1000ppmとなるような量で使用するのが好ましく、さらに好ましくは0.1ppm〜300ppmとなるような量で使用される。
本発明の繊維製品用処理剤組成物により処理され得る繊維製品は、特に制限されるものではなく、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツ、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
下記のA−1及びA−2を使用した。
・A−1:クラスターデキストリン(登録商標、グリコ栄養食品株式会社製)
クラスターデキストリン(登録商標)の主成分は、分子量が3万から100万程度であり、分子内に環状構造を1つ有し、さらにその環状部分に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のデキストリンである。環状構造部分は16〜100個程度のグルコースで構成されており、この環状構造に非環状の分岐グルカン鎖が多数結合しているものである。
・A−2:ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(セルデックスB−100(商品名)、日本食品化工株式会社製)。
[(B)成分]
下記のB−1及びB−2を使用した。
・B−1:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(BIT)(商品名:ProxelBDN)
・B−2(比較例):5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(商品名:ケーソンCG−ICP)
・B−3(比較例):ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩、(商品名:Proxel IB(登録商標)(ロンザ社))
[(C)成分]
下記のC−1及びC−2を合成して使用した。
・C−1:化合物(C−III)、化合物(C−IV)及び化合物(C−V)((C−III)〜(C−V)式中、Rは炭素数15、17のアルキル基又はアルケニル基であり、不飽和部分のシス体/トランス体=75/25(質量比)である)をジメチル硫酸で4級化したものを含むもの(分子量798.6)。特開2003−12471号公報の実施例4に記載された手順に準拠し、下記合成方法によって合成したもの。
≪C−1の合成方法≫
ステアリン酸メチル45質量%とオレイン酸メチル35質量%とパルミチン酸メチル20質量%とを含む脂肪酸低級アルキルエステルの混合物(ライオン株式会社、パステルM180、パステルM181、パステルM16の混合物)782g(2.68モル)、トリエタノールアミン250g(1.68モル)、酸化マグネシウム0.52g、及び、25%水酸化ナトリウム水溶液2.06g(エステル交換触媒;前記脂肪酸低級アルキルエステル及びトリエタノールアミンの総質量に対する触媒使用量:0.10質量%)を、攪拌器、分縮器、冷却器、温度計、及び窒素導入管を備えた2Lの五ツ口フラスコに仕込んだ。窒素置換を行った後、窒素を0.52L/minの流量で流しておいた。1.5℃/minの速度で190℃まで昇温して、5時間反応させた。未反応メチルエステルが1質量%以下であることを確認し、反応を停止した。得られた生成物から触媒由来である脂肪酸塩をろ過除去し、中間体のアルカノールアミンエステルを得た。得られたアルカノールアミンの分子量は582であった。
得られたアルカノールアミンエステル(分子量582)300g(0.515モル)を、温度計、滴下ロート及び冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、窒素置換をした。その後、60℃に加熱し、ジメチル硫酸63.7g(0.505モル)を1時間かけて滴下した。反応熱による急激な温度上昇がないように温度を調整し、ジメチル硫酸滴下終了時点で、90℃に到達させた。そのまま90℃に保ち1.5時間攪拌した。反応終了後、約69gのエタノールを滴下しながら冷却して、C−1を含むエタノール溶液を得た。なお、すべての操作は窒素流通下で行った。
・C−2:化合物(C−III)、化合物(C−IV)及び化合物(C−V)((C−III)〜(C−V)式中、Rは炭素数15、17のアルキル基又はアルケニル基であり、不飽和部分のシス体/トランス体=75/25(質量比)である)をジメチル硫酸で4級化したものを含むもの(分子量802.6)。特開2003−12471号公報の実施例4に記載された手順に準拠し、下記合成方法によって合成したもの。
≪C−2の合成方法≫
ステアリン酸メチル30質量%とオレイン酸メチル40質量%とパルミチン酸メチル30質量%とを含む脂肪酸低級アルキルエステルの混合物(ライオン株式会社、パステルM180、パステルM181、パステルM16の混合物)782g(2.68モル)、トリエタノールアミン250g(1.68モル)、酸化マグネシウム0.52g、及び、25%水酸化ナトリウム水溶液2.06g(エステル交換触媒;前記脂肪酸低級アルキルエステル及びトリエタノールアミンの総質量に対する触媒使用量:0.10質量%)を、攪拌器、分縮器、冷却器、温度計、及び窒素導入管を備えた2Lの五ツ口フラスコに仕込んだ。窒素置換を行った後、窒素を0.52L/minの流量で流しておいた。1.5℃/minの速度で190℃まで昇温して、5時間反応させた。未反応メチルエステルが1質量%以下であることを確認し、反応を停止した。得られた生成物から触媒由来である脂肪酸塩をろ過除去し、中間体のアルカノールアミンエステルを得た。得られたアルカノールアミンエステルアミン価を測定し、分子量を求めると558であった。
得られたアルカノールアミンエステル(分子量558)300g(0.538モル)を、温度計、滴下ロート及び冷却器を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、窒素置換をした。その後、60℃に加熱し、ジメチル硫酸66.5g(0.527モル)を1時間かけて滴下した。反応熱による急激な温度上昇がないように温度を調整し、ジメチル硫酸滴下終了時点で、90℃に到達させた。そのまま90℃に保ち1.5時間攪拌した。反応終了後、約65gのエタノールを滴下しながら冷却して、C−2含むエタノール溶液を得た。なお、すべての操作は窒素流通下で行った。
[共通成分]
・香料
下表1に組成が示されるベース香料を使用した(下表1における右の数字は、香料中の各成分の添加量)。尚、配合量は、柔軟剤組成物において、0.8%とした。
Figure 0006929118
・カプセル香料(ジボダン社製 商品名:GREEN BREEZE CAPS)0.2%
・ノニオン界面活性剤:TDA600 2.5%
・酸化防止剤(BHT) 0.01%
・塩化カルシウム 0.02%
・塩酸:試薬
・水酸化ナトリウム:試薬
・イオン交換水:バランス
[繊維製品用処理剤組成物(液体柔軟剤組成物)の調製方法]
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、下記表2記載の通り調整し、次の手順により液体柔軟剤組成物を調整した。
まず、(C)成分、任意成分のBHTを予め溶解した香料ベース、ノニオン界面活性剤の一部を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、(B)成分(実施例3以外は、予め(A)成分に混ぜた分を差し引いた残分)をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。次に、(C)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(C)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合粒の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は、回転速度1500rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。しかる後、塩化カルシウム及び(A)成分(実施例3以外は、(B)成分の一部を予め(A)成分に混合したもの)を入れ、必要に応じて、塩酸(試薬2mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH3.0−3.5に調整し、更に全体質量が1000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の柔軟剤組成物を得た。
[評価方法]
得られた液体柔軟剤組成物について、以下の手順で「部屋干し消臭・防臭性」及び「保存品の臭気」について評価を行い、下記表2に結果を示した。
<部屋干し消臭・防臭性評価>
1.評価用布の前処理方法
市販の綿タオルを市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)により二槽式洗濯機(三菱電機製CW−C30A1−H)を用いて以下の前処理を3回行った。
前処理:洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水での洗浄10分と、続く注水すすぎ10分とからなるサイクルを2回。
2.洗濯時すすぎ工程での処理
前処理洗浄した綿タオルを30代男性に1週間使用してもらったものを試験布として用いた。処理は、二槽式洗濯機(三菱電機製CW−C30A1−H)を用いて、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で10分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比20倍、25℃の水道水使用)、3分間のすすぎに続いて、すすぎ2回目に、上記のとおり調製した各液体柔軟剤組成物にて3分間処理(綿タオル1Kgに対し、処理剤5mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。洗浄、すすぎの各工程間で脱水を1分間行った。処理後、濡れた状態で30℃、100%RHに6時間放置した。
3.消臭・防臭性の評価
上記の方法で放置したタオルを専門パネラー10名にて官能一対比較を行い、以下に示す評価基準により評価を行い、平均点を算出した。結果を下記の表2に示す。
<評価基準>
4:対照より非常に悪臭弱いレベル
3:対照よりかなり悪臭弱いレベル
2:対照よりやや悪臭臭気弱いレベル
1:対照に比べてどちらかというと悪臭臭気弱いレベル
0:対照:抗菌剤未配合(比較例1)と同等レベル
<判定基準>
1点以上を合格とした
<保存品の臭気評価>
上記のとおり調製した各液体柔軟剤組成物80mLを、100mL入るガラス容器に入れて密栓し、屋外に60日間保存、その後、各組成物の臭気を以下の判定基準で評価した。
<評価基準>
3点:5℃保存品と比べて臭気劣化はない。
2点:5℃保存品と比べて臭気劣化はややある。
1点:5℃保存品と比べて臭気劣化はある。
<判定基準>
2点以上を、商品価値上合格とした。
Figure 0006929118
表中、各成分の組成における数値は質量%を表す。

Claims (3)

  1. 以下の(A)及び(B)成分:
    (A)(A−1)であるデキストリン
    (A−1)内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカン
    B)2−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン、3−アミノ−5,7−ジブロモ−2,1−ベンゾイソチアゾール、3−クロロ−1,2−ベンゾイソチアゾールから選択される少なくとも1種のベンズイソチアゾリン系化合
    を含有し、
    (B)成分に対する(A)成分の量(A)/(B)が、50〜500である、
    繊維製品用処理剤組成物。
  2. (A)成分の配合量が、0.01〜10質量%である、請求項1に記載の繊維製品用処理剤組成物。
  3. カチオン性界面活性剤を更に含む、請求項1又は2に記載の繊維製品用処理剤組成物。
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