JP2019214799A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性付与効果、低温安定性及び凍結復元性に優れた液体柔軟剤を提供する。【解決手段】下記成分:(A)エステル基、エーテル基及びアミド基からなる群より選ばれる1種以上の基により分断されていてもよい炭素数10〜24の炭化水素基を分子内に1個以上含有するアミン化合物、その中和物及びその4級化物からなる群から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤、(B)平均粒子径が100〜1000nmである、アミノ変性シリコーン乳化物、(C−1)炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイドを平均2〜30モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び(C−2)炭素数9〜18の直鎖又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイドを平均40〜100モルを付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有する、液体柔軟剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は液体柔軟剤組成物に関する。詳細には、本発明は、優れた柔軟性付与効果に加え、優れた低温安定性及び凍結復元性を奏する液体柔軟剤組成物に関する。
近年、柔軟剤の機能として香りの持続性を求める消費者が増えている。一方で、柔軟剤の基本機能である繊維への柔軟性付与(繊維の肌触りの向上)も重要視されている。
柔軟性付与機能を高める策として、シリコーンを使用する技術が知られている(特許文献1〜4)。
特開2014−185403号公報 特開2017−25422号公報 特開2010−37691号公報 特開2007−75813号公報
しかしながら、柔軟剤の基本機能である繊維への柔軟性付与効果は更なる向上が求められていた。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、特定範囲の平均粒子径を有するアミノ変性シリコーン乳化物と特定種類のノニオン界面活性剤とを併用すると柔軟性付与効果が向上し、加えて低温安定性と凍結復元性も向上することを見いだした。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔9〕に関するものである。
〔1〕液体柔軟剤組成物であって、下記成分:
(A)エステル基、エーテル基及びアミド基からなる群より選ばれる1種以上の基により分断されていてもよい炭素数10〜24の炭化水素基を分子内に1個以上含有するアミン化合物、その中和物及びその4級化物からなる群から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤、
(B)平均粒子径が100〜1000nmである、アミノ変性シリコーン乳化物、
(C−1)炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイドを平均2〜30モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び
(C−2)炭素数9〜18の直鎖又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイドを平均40〜100モルを付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル
を含有する、液体柔軟剤組成物。

〔2〕2種類の(C−1)成分を含む、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。

〔3〕(B)成分が(C−1)成分で乳化されている、前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤組成物。

〔4〕(B)成分の平均粒子径が400〜700nmである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。

〔5〕(B)成分のアミノ変性シリコーンの動粘度(25℃)が100〜20000mm2/sである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。

〔6〕(B)成分のアミノ変性シリコーンのアミノ当量が400〜8000g/molである、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。

〔7〕(B)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.1〜10質量%である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。

〔8〕(A)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して5〜30質量%である、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。

〔9〕(C−1)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.01〜2質量%である、前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
後述の実施例で示されるように、本発明の液体柔軟剤組成物は、優れた柔軟性付与効果を奏し、更に低温安定性及び凍結復元性にも優れている。
したがって、本発明は従来の柔軟剤にはない付加価値を有する製品として有用である。
〔(A)成分〕
(A)成分は「エステル基、エーテル基及びアミド基からなる群より選ばれる1種以上の基により分断されていてもよい炭素数10〜24の炭化水素基を分子内に1個以上含有するアミン化合物、その中和物及びその4級化物からなる群から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤」である。
(A)成分は、主に、(B)成分と一緒になって、液体柔軟剤組成物に柔軟性付与機能を与えるために配合される。
(A)成分は、炭素数10〜24の炭化水素基を分子内に1個以上含有するアミン化合物、その中和物及びその4級化物からなる群より選ばれ、かつ、カチオン界面活性剤として機能するものである。
アミン化合物中、炭化水素基は窒素原子に結合しており、窒素原子へ結合している炭化水素基の数は1〜3である。
炭化水素基の炭素数は、10〜24、好ましくは12〜22、特に好ましくは14〜18である。
また炭化水素基は、エステル基、エーテル基及びアミド基からなる群より選ばれる1種以上の基により分断されていてもよい。エステル基、エーテル基及びアミド基の中ではエステル基が特に好ましい。分断する基の数は、分断する基がエステル基又はアミド基である場合は、炭化水素基1つにつき1つである。分断する基がエーテル基である場合は、炭化水素基1つにつき1つである。なお、分断基が有する炭素原子は、炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
中和物とは、上述のアミン化合物を酸で中和することによって得られる化合物である。中和に用いる酸としては、塩酸、硫酸、メチル硫酸や、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる。中和物はアミン塩の形であることが好ましい。
中和物の製造は、予め酸で中和したアミン化合物を水で分散させる、液状若しくは固体状のアミン化合物の酸水溶液中への投入、又は、アミン化合物と酸との水中への同時投入等により行うことができる。
4級化物とは、上述のアミン化合物のうち、窒素原子へ結合している炭化水素基の数が3であるもの(3級アミン)を4級化剤で処理することによって得られる化合物である。4級化剤としては、塩化メチルやジメチル硫酸等が挙げられる。
(A)成分として、下記一般式(A-I)〜(A-VII)のいずれかで表されるアミン化合物、その中和物又はその4級化物を例示することができる。
Figure 2019214799
上記(A-I)〜(A-VII)の各式中、R1は同一又は異なっていてもよい炭素数15〜17の炭化水素基(別言すれば、炭素数16〜18の脂肪酸からカルボキシル基を除くことで誘導される残基)である。炭化水素基はアルキル基であってもよく、アルケニル基であってもよい。R1を誘導する脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、直鎖脂肪酸や分岐脂肪酸があげられる。不飽和脂肪酸の場合、シス体とトランス体が存在するが、その質量比が、シス体/トランス体=25/75〜100/0であることが好ましく、40/60〜80/20であることが特に好ましい。
1を誘導する好ましい脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガトレイン酸、エイコセン酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。より好ましくは、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸及びリノレン酸の混合物であって、飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の質量比が95/5〜50/50、シス体/トランス体の質量比が40/60〜80/20、ヨウ素価が10〜50、炭素数18の脂肪酸含量が混合物総質量に対して80質量%以上、かつ、リノール酸及びリノレン酸の合計量が混合物総質量に対して2質量%以下である混合物である。
(A)成分として、一般式(A-I)で表される化合物と一般式(A-II)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記の脂肪酸混合物又はそのメチルエステル化物と、メチルジエタノールアミンとを縮合反応させることにより合成することができる。その際、液体柔軟剤組成物中における分散安定性を良好にする観点から、各化合物の質量比が(A-II)/(A-I)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(A-I)で表される化合物の4級化物と一般式(A-II)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸を用いることができるが、分子量が小さく4級化のために必要な量を少なくできる塩化メチルが好ましい。その際、液体柔軟剤組成物中における分散安定性を良好にする観点から、各4級化物の質量比が(A-II)の4級化物/(A-I)の4級化物=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、(A-I)で表される化合物と(A-II)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((A-I)の4級化物+(A-II)の4級化物)と未反応物((A-I)で表される化合物+(A-II)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
(A)成分として、一般式(A-III)で表される化合物と、一般式(A-IV)で表される化合物と、一般式(A-V)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記脂肪酸組成物又はそのメチルエステル化物と、トリエタノールアミンとを縮合反応させることにより合成することができる。その際、液体柔軟剤組成物中における分散安定性を良好にする観点から、各化合物の質量比が[(A-IV)+(A-V)]/(A-III)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(A-III)で表される化合物の4級化物と一般式(A-IV)で表される化合物の4級化物と一般式(A-V)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルやジメチル硫酸などを用いることができるが、4級化反応の反応性の観点からジメチル硫酸が好ましい。その際、液体柔軟剤組成物中における分散安定性を良好にする観点から、各4級化物の質量比が[(A-IV)+(A-V)]/(A-III)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、一般式(A-III)で表される化合物と、一般式(A-IV)で表される化合物と、一般式(A-V)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((A-III)の4級化物+(A-IV)の4級化物+(A-V)の4級化物)と未反応物((A-III)で表される化合物+(A-IV)で表される化合物+(A-V)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
(A)成分として、一般式(A-VI)で表される化合物と一般式(A-VII)で表される化合物とを含む組成物を用いる場合、当該組成物は、上記脂肪酸組成物とN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,3−プロピレンジアミン(J. Org. Chem., 26, 3409(1960)に記載の方法にしたがいN−メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物とから合成)とを縮合反応させることにより合成することができる。風合い付与効果を良好にする観点から、各化合物の質量比が(A-VII)/(A-VI)=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
一般式(A-VI)で表される化合物の4級化物と一般式(A-VII)で表される化合物の4級化物とを含む組成物を用いる場合、4級化剤として塩化メチルを用いることができる。その際、風合い付与効果を良好にする観点から、各4級化物の質量比が(A-VII)の4級化物/(A-VI)の4級化物=99/1〜50/50となる様に合成することが好ましい。
上記の4級化反応では、未反応物(すなわち、(A-VI)で表される化合物と(A-VII)で表される化合物)が残留する。その際、4級化物に含まれるエステル基の加水分解に対する安定性の観点から、4級化物((A-VI)の4級化物+(A-VII)の4級化物)と未反応物((A-VI)で表される化合物+(A-VII)で表される化合物)の質量比が4級化物/未反応物=99/1〜70/30となる様に合成することが好ましい。
上述の組成物のなかでは、一般式(A-III)で表される化合物の4級化物と、一般式(A-IV)で表される化合物の4級化物と、一般式(A-V)で表される化合物の4級化物とを含む組成物がより好ましい。
この場合、柔軟剤としての機能をより高める観点から、組成物中における各4級化物の含量は、組成物の総質量に対して、(A-III)で表される化合物の4級化物が5〜98質量%、(A-IV)で表される化合物の4級化物が1〜60質量%、(A-V)で表される化合物の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましい。より好ましくは、組成物の総質量に対して、(A-III)で表される化合物の4級化物が10〜55質量%、(A-IV)で表される化合物の4級化物が30〜60質量%、(A-V)で表される化合物の4級化物が5〜35質量%である。
(A)成分は市場で容易に入手可能であるか、又は公知の方法で合成可能である。
(A)成分は1種類を単独で用いてもよく2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。2種類以上の(A)成分を含む混合物として用いる場合、窒素原子に結合した炭化水素基の数が2又は3であるアミン化合物の含量が、混合物の総質量に対して50質量%以上であると、柔軟剤としての機能をより高めることができるので好ましい。
(A)成分の含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して好ましくは5〜50質量%、より好ましくは8〜20質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。50質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の液粘度増加によるハンドリング性低下を抑制できる。5質量%以上であると、十分な柔軟性付与機能を得ることができる。
〔(B)成分〕
(B)成分は「平均粒子径が100〜1000nmである、アミノ変性シリコーン乳化物」である。
(B)成分は、主に、(A)成分と一緒になって、液体柔軟剤組成物へ柔軟性付与機能を与えるために配合される。
乳化物を構成するアミノ変性シリコーンは、ジメチルシリコーン骨格の両末端あるいは側鎖にアミノ基を導入してなる化合物である。
好ましいアミノ変性シリコーンは次の一般式(B):
Figure 2019214799
(式中、Rは、それぞれ独立して、―H、―OH、−CH3及び−Si(CH33からなる群より選ばれ、Xは、―(CH2a―NH2、または、―(CH2a―NH(CH2bNH2であり(aは0〜3の整数であり、bは1〜3の整数である)、nは1〜10,000であり、mは1〜1000である。)で表される、側鎖Xにアミノ基を導入してなる化合物である。
アミノ変性シリコーンの動粘度(25℃)は、好ましくは100〜20000mm2/s、より好ましくは500〜10000mm2/sである。25℃での動粘度が100〜20000mm2/sの範囲であると、より高い柔軟性付与機能が得られ、かつ、液体柔軟剤組成物の製造性及び取扱性が容易になる。
動粘度は、オストワルト型粘度計で測定することができる。
アミノ変性シリコーンのアミノ当量は、好ましくは400〜8000g/mol、より好ましくは500〜5000g/mol、更に好ましくは1200〜4000g/molである。アミノ当量が400〜8000g/molの範囲であると、十分な配合効果を得ることができる。
アミノ当量は、アミノ変性シリコーンの重量平均分子量を当該アミノ変性シリコーンに含まれる窒素原子数で割ることにより求めることができる。窒素原子数は元素分析により求めることができる。
(B)成分はアミノ変性シリコーンの乳化物である。乳化物は市販品であってもよく、アミノ変性シリコーンオイルを乳化剤で乳化したものであってもよい。
アミノ変性シリコーンオイルは商業的に入手できるものを使用することができる。シリコーンオイルとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社から商品名:SF―8417、BY16−849、BY16−892、FZ−3785又はBY16−890で販売されているものや、信越化学工業株式会社から商品名:KF−864、KF−860、KF−880、KF−8004、KF−8002、KF−867又はKF−869、KF−861、KF―8610で販売されているもの等があげられる。
(B)成分は、アミノ変性シリコーンオイルを乳化剤で乳化して調製できる。
乳化は公知の乳化剤、例えばノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤や、アニオン界面活性剤等を用いて実施できる。乳化剤は、好ましくはノニオン界面活性剤及び/又はカチオン界面活性剤であり、より好ましくは後記の(C−1)成分である。
乳化剤が(C−1)成分である場合、アミノ変性シリコーンオイルと(C−1)成分とを混合し、これを公知のホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサーや、万能混合機などの乳化機で乳化して(B)成分を調製できる。例えば、アミノ変性シリコーンオイルと(C−1)成分とを混合し、水を加え、更に攪拌を行うことで(B)成分を調製できる。この調製方法では、必要に応じて溶剤やpH調整剤を使用してもよい。場合により、フェノキシエタノール、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテルとアミノ変性シリコーンオイルとを予め混合して乳化してもよい。
乳化剤がカチオン界面活性剤の場合、カチオン界面活性剤は(A)成分と同じでも、異なる化合物でもよく、好ましくは、分子内に炭素数8〜18の炭化水素基を1つ、あるいは2つ有する4級アンモニウム塩であり、具体的には塩化ステアリルトリメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
乳化物の粒子径は、乳化剤の種類及び配合量、温度や、攪拌速度等で適宜制御できる。
アミノ変性シリコーン乳化物の平均粒子径は100〜1000nm、好ましくは150〜800nm、さらに好ましくは400〜700nmである。平均粒子径が100nm以上であると高い柔軟性付与機能が得られる。柔軟性付与機能の観点からは粒子径の上限は制限されないが、平均粒子径が1000nm以下であると、乳化物自体の安定性を良好に維持できる。
乳化物の粒子径は、動的・静的光散乱測定装置を用いて測定できる。
(B)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは1〜3質量%である。0.1質量%以上であると、(B)成分の配合効果を充分に発現させることができる。10質量%以下であると、粘度安定性の著しい上昇が抑えられる上に、製造コストの上昇を抑制することができる。
(B)成分と(A)成分との配合比について、柔軟性付与機能の観点で(A)成分リッチであることが好ましい。(A)成分と(B)成分との質量比((A)/(B))は2/1〜50/1であることがより好ましく、2/1〜10/1であることがより好ましい。
〔(C−1)成分〕
(C−1)成分は「炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイドを平均2〜25モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル」(ノニオン界面活性剤)である。
(C−1)成分は、主に、液体柔軟剤組成物中で(B)成分を均一に分散させるために配合される。したがって、(C−1)成分は、(B)成分の調製にあたり乳化剤(ノニオン界面活性剤)として使用したもののみからなることが好ましい。
(C−1)成分を構成するアルコールの炭素数は8〜16である。アルコールの炭素数が8〜16であると、(C−1)成分の配合効果を充分に発現させることができる。
(C−1)成分を構成するアルコールは、直鎖及び分岐鎖のいずれであってもよい。直鎖及び分岐鎖は、アルコールを構成するアルキル基の構造を指し、アルキル基が炭化水素基の枝分かれ構造を有する場合を分岐鎖とする。
(C−1)成分を構成するアルコールは、1級アルコールであってもよく、2級アルコールであってもよい。1級アルコールとは、水酸基が結合する炭素原子が第1炭素原子であるアルコールをいう。2級アルコールとは、水酸基が結合する炭素原子が第2炭素原子であるアルコールをいう。
(C−1)成分は、上述のアルコールへエチレンオキサイドが付加された構造を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルである。エチレンオキサイドの平均付加モル数は2〜25であり、好ましくは4〜23ある。エチレンオキサイドの平均付加モル数が2〜25の範囲内であると、(C−1)成分の配合効果を充分に発現させることができる。
(C−1)成分は市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(C−1)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよいが、2種類以上を併用すると液体柔軟剤組成物の低温安定性を更に向上できるので好ましい。
(C−1)成分の含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.1〜1質量%である。配合量が0.01〜2質量%であると、(C−1)成分の配合効果を充分に発現させることができる。
なお、(B)成分の調製で使用した乳化剤が(C−1)に該当する場合、当該乳化剤は(C−1)成分の含量にカウントする。
(C−1)成分と(B)成分との配合比について、(C−1)成分と(B)成分との質量比((C−1)/(B))が0.02〜0.5であると、(B)成分を液体柔軟剤組成物中により均一に分散させることができるので好ましい。
〔(C−2)成分〕
(C−2)成分は「炭素数9〜18の直鎖又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイドを平均40〜100モルを付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル」(ノニオン界面活性剤)である。
(C−2)成分は、主に、液体柔軟剤組成物の安定性を高めるために配合される。
(C−2)成分を構成するアルコールの炭素数は9〜18、好ましくは9〜16、より好ましくは9〜15である。アルコールの炭素数が9〜18であると、(C−2)成分の配合効果を充分に発現させることができる。
(C−2)成分を構成するアルコールは、直鎖及び分岐鎖のいずれであってもよい。直鎖及び分岐鎖は、アルコールを構成するアルキル基の構造を指し、アルキル基が炭化水素基の枝分かれ構造を有する場合を分岐鎖とする。分岐鎖アルコールを用いると、液体柔軟剤組成物の保存安定性をより高めることができるので好ましい。
(C−2)成分を構成するアルコールは、1級アルコールであってもよく、2級アルコールであってもよい。1級アルコールとは、水酸基が結合する炭素原子が第1炭素原子であるアルコールをいう。2級アルコールとは、水酸基が結合する炭素原子が第2炭素原子であるアルコールをいう。
(C−2)成分は、上述のアルコールへエチレンオキサイドが付加された構造を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルである。エチレンオキサイドの平均付加モル数は40〜100であり、好ましくは40〜70ある。エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100の範囲内であると、(C−2)成分の配合効果を充分に発現させることができる。
(C−2)成分は市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(C−2)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(C−2)成分の含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは1〜3質量%である。含量が0.01〜5質量%であると、(C−2)成分の配合効果を充分に発現させることができる。
〔任意成分〕
液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて前記(A)、(B)、(C−1)及び(C−2)の必須成分以外の下記の任意成分を配合してもよい。
〔(D)成分〕
(D)成分は無機塩である。無機塩は、主に、液体柔軟剤組成物の粘度を調節し、更に液体柔軟剤組成物へより高い安定性を付与するために配合される。
無機塩としては、液体柔軟剤組成物へ配合できることが知られているものを特に制限なく用いることができる。好ましい無機塩としては、アルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金属塩化物が挙げられる。より好ましい無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが挙げられる。
無機塩は、ハンドリング性の観点で水溶性無機塩であることが好ましい。水溶性無機塩とは、20℃下、100gの脱イオン水に10g以上溶解する無機塩をいう。水溶性無機塩の具体例としては、塩化カルシウムや塩化マグネシウム等が挙げられる。
無機塩としては商業的に入手できるものを使用することができる。
(D)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(D)成分の含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.01〜3質量%、好ましくは0.01〜2質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。含量が0.01〜3質量%であると、(D)成分の配合効果を充分に発現させることができる。
(D)成分と(A)成分と(B)成分との配合比について、(A)成分と(B)成分と合計に対する(D)成分の質量比((D)/((A)+(B)))が0.005〜0.05であると、液体柔軟剤組成物の保存中にカチオン界面活性剤((A)成分)中のエステル部分が加水分解することを抑制し、液体柔軟剤組成物の柔軟性付与効果をより高くすることができるので好ましい。
〔(E)成分〕
(E)成分は香料である。香料は液体柔軟剤組成物自体及び/又は繊維製品に香気を付与するために配合される。
香料としては、液体柔軟剤組成物へ配合できることが知られているものを特に制限なく用いることができる。例えば、使用できる香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.Iand II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に記載されている。
下記の香料成分(E−1)、(E−2)、(E−3)及び(E−4)は、本発明の液体柔軟剤組成物で処理した繊維(衣類)の乾燥後の残香感を高めることができるので好ましい。

(E−1):アンブロキサン、ボアザンブレンフォルテ、アンバーコア、カラナール及びアンブリノールからなる群から選択される少なくとも1種の香料成分
(E−2):パチョリオイル、ジャバノール、ポリサントール及びイソボルニルシクロヘキサノールからなる群から選択される少なくとも1種の香料成分
(E−3):イソイースーパー及びベルトフィックスからなる群から選択される少なくとも1種の香料成分
(E−4):クマリン、9−デセノール及びダマスコン類(例えば、α−ダマスコン、β−ダマスコン及びδ−ダマスコン)からなる群から選択される少なくとも1種の香料成分

(E−1)〜(E−4)は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記の成分がそのまま使用されていても良いし、最終的に上記成分が放出される形態(例えば、香料前駆体やカプセル香料等)のものでも良い。
香料成分のその他の具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
炭化水素系の香料成分として、例えばリモネン、α−ピネン、β−ピネン、ターピノレンなどが挙げられる。
アルコール系の香料成分として、例えばリナロール、ゲラニオール、シトロネロール、ジヒドロミルセノール、ターピネオール、l−メントール、ボルネオール、フェニルエチルアルコール、チモール、オイゲノールなどが挙げられる。
エーテル系の香料成分として、例えば1,8−シネオール、ローズオキサイド、アネトール、エストラゴールなどが挙げられる。
アルデヒド系の香料成分として、例えばウンデシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、リラール、デュピカール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、リリアール、ヘリオトロピン、ヘリオナール、バニリンなどが挙げられる。
ケトン系の香料成分として、例えばα−イオノン、β−イオノン、α−イソメチルイオノン、ダイナスコン、マルトール、ジヒドロジャスモン、シスジャスモン、ラズベリーケトンなどが挙げられる。
エステル系の香料成分として、例えば酢酸シス−3−ヘキセニル、酢酸リナリル、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸トリシクロデセニル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、2−メチル酢酸エチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、メチルフェニルグリシド酸エチル、フルテートなどが挙げられる。
ラクトン系の香料成分として、例えばγ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトンなどが挙げられる。
ムスク系の香料成分としては、例えばガラクソリド(Galaxolide)、シクロペンタデカノリド、エチレンブラシレート、6−アセチルヘキサテトラリン、ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピランなどが挙げられる。
(E)成分は市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(E)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(E)成分の含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜1質量%である。
〔(F)成分〕
(F)成分は防腐剤である。防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力及び殺菌力を強化して、長期保存中の防腐性を保つために配合することができる。
防腐剤としては、当該技術分野で知られているものを特に制限なく用いることができる。具体的には、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物の例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物(例えば、商品名:ケーソンCG/ICP)が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物の例としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンや、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンや、類縁化合物としてのジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。
安息香酸類の例としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.001〜1質量%であることが好ましい。配合量が0.001〜1質量%であると、防腐剤の配合効果を充分に発現させることができる。
〔高度分岐環状デキストリン〕
高度分岐環状デキストリンは、(A)成分の加水分解を更に抑制することや、保存後の液体柔軟剤組成物で処理した繊維(特に肌着)の肌触りを高めることや、更に繊維へ消臭性及び防臭性を付与するために配合することができる。
高度分岐環状デキストリンとは、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重量平均重合度が50から10000の範囲にあるグルカンをいう。
内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有するグルカンは、高度分岐環状デキストリン又はクラスターデキストリンとも呼ばれている物質である。
高度分岐環状デキストリンは、1つの内分岐環状構造部分に複数(例えば、100個)の非環状のグルコース鎖(外分岐構造部分)が結合した構造を有している。
内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分をいう。高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は10〜100個程度のグルコースで構成されている。すなわち、内分岐環状構造部分の重合度は10〜100の範囲である。
外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分をいう。高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分を構成する非環状グルコース鎖における平均重合度は10〜20である。但し、1本の非環状グルコース鎖における重合度は40以上であってもよい。
高度分岐環状デキストリンにおけるグルコースの重量平均重合度は50〜10000、具体的には50〜5000の範囲、更に具体的には2500程度である。
また、本発明における高度分岐環状デキストリンの分子量は3万〜100万程度の範囲である。
かかる構造及び重合度(分子量)を有する高度分岐環状デキストリンは、グルコースの重合度が6〜8の一般的なシクロデキストリンであるα−シクロデキストリン(重合度6)、β−シクロデキストリン(重合度7)や、γ−シクロデキストリン(重合度8)とは相違する物質である。
高度分岐環状デキストリンは、例えば、デンプンを原料として、ブランチングエンザイムという酵素を作用させて製造することができる。
原料であるデンプンは、グルコースがα−1、4−グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α−1,6−グルコシド結合によって複雑に分岐した構造をもつアミロペクチンからなる。アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。
使用酵素であるブランチングエンザイムは、動植物や微生物中に広く見いだされるグルカン鎖転移酵素である。ブランチングエンザイムは、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
高度分岐環状デキストリンの具体例としては、特開平8−134104号公報に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンが挙げられる。本発明において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104号公報の記載を参酌して理解され得る。
高度分岐環状デキストリンは前述の通り製造することができ、また、市場において容易に入手可能である。高度分岐環状デキストリンの市販品としては、グリコ栄養食品株式会社の「クラスターデキストリン」(登録商標)が挙げられる。
高度分岐環状デキストリンは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
高度分岐環状デキストリンの含量は配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜5質量%、さらに好ましくは0.1〜2質量%である。配合量が0.01質量%以上であると、配合効果(特に、繊維への消臭性及び防臭性の付与効果)を充分に発現させることができる。配合量が10質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の粘度上昇を抑制して、容器からの排出性や、洗濯機の投入口への入れやすさ等の使用性を良好に保つことができる。
〔染料及び/又は顔料〕
染料及び/又は顔料は、液体柔軟剤組成物の外観を向上するために配合できる。
染料及び顔料としては、当該技術分野で汎用の染料及び顔料を特に制限なく用いることができる。添加できる染料の具体例は、例えば、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。
液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性をより向上させる観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料が好ましく、赤色系又は黄色系の水溶性染料がより好ましい。赤色系の水溶性染料としてはアシッドレッドが挙げられる。黄色系の水溶性染料としてはアシッドイエローが挙げられる。
染料及び顔料はそれぞれ1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
染料及び/又は顔料の含量は配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001〜0.005質量%、より好ましくは0.0001〜0.003質量%である。
〔水〕
液体柔軟剤組成物は、好ましくは液体の水性組成物であり、水を含むことが好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、純水や、蒸留水等を特に制限なく用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
水の含量は特に制限されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。配合量が50質量%以上であると、液体柔軟剤組成物のハンドリング性を良好なものとすることができる。
〔紫外線吸収剤〕
紫外線吸収剤は、主に、紫外線による変色防止から液体柔軟剤組成物を防御するために配合する。
紫外線吸収剤とは、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出する成分である。
紫外線吸収剤としては、当該技術分野で知られているものを特に制限なく用いることができる。具体的には、アミノ安息香酸誘導体(例えば、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリルや、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル等)、サリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチルや、サリチル酸ミリスチル等)、ケイ皮酸誘導体(ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p−メトキシケイ皮酸エチル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルや、p−メトキシケイ皮酸ブチル等)、ベンゾフェノン誘導体(例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸や、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等)、アゾール系化合物(例えば、ウロカニン酸や、ウロカニン酸エチル等)や、4−t−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は、配合効果を発現させることができる量である限り特に限定されない。
〔抗菌剤〕
抗菌剤は、処理した繊維上での菌の増殖を抑え、更には微生物の分解物由来の嫌なにおいの発生を抑えるために配合することができる。
抗菌剤とは、処理した繊維上での菌の増殖を抑え、更には微生物の分解物由来の嫌なにおいの発生を抑える効果を有する成分である。
抗菌剤としては、当該技術分野で知られているものを特に制限なく用いることができる。具体例としては、四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド)などのカチオン性殺菌剤、ダイクロサン、トリクロサン、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、8−オキシキノリンや、ポリリジン等が挙げられる。
抗菌剤の配合量は、配合効果を発現させることができる量である限り特に限定されない。
〔その他の任意成分〕
本発明の液体柔軟剤組成物には、前述の任意成分以外の成分を任意に配合することができる。具体例としては、液体柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上させるための酸化防止剤や還元剤、乳濁剤(ポリスチレンエマルジョンなど)、不透明剤、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、移染防止剤(ポリビニルピロリドンなど)、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤(4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS−X)など)、染料固定剤、退色防止剤(1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンなど)、染み抜き剤、繊維表面改質剤(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼや、ケラチナーゼなどの酵素)、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与する成分(シルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液、具体的にはK−50、K−30、K−10、A−705、S−702、L−710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス))や、汚染防止剤(アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位とからなる非イオン性高分子化合物、例えば、互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRN−100など)などが挙げられる。
〔液体柔軟剤組成物のpH〕
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の加水分解をより抑制する等の観点から、25℃におけるpHが1〜6の範囲内であることが好ましく、2〜4の範囲内であることがより好ましい。
pH調整を行う場合、pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
〔液体柔軟剤組成物の粘度〕
液体柔軟剤組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、1000mPa・s未満であることが好ましい。
保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。製造直後の粘度が800mPa・s未満であると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。使用性の観点からは粘度の下限は特に制限されない。
液体柔軟剤組成物の粘度とは、B型粘度計(TOKIMEC社製、B型粘度計)を用いて25℃にて測定される値をいう。
〔液体柔軟剤組成物の製造方法〕
液体柔軟剤組成物の製造方法は特に限定されない。液体柔軟剤組成物の公知の製造方法、例えば、主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造することができる。
例えば、(A)成分、(C−2)成分及び(E)成分を含む油相と、水を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下(例えば、50〜60℃)で混合して乳化物を調製し、その後、(D)成分と、(C−1)成分で乳化して得られた(B)成分とを添加して、混合することにより液体柔軟剤組成物を製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分と(C−2)成分とを混合し、必要に応じてその他の成分とを更に混合することにより調製することができる。
水相は、水と、必要に応じてその他成分とを混合することにより調製できる。
(B)成分の添加時期は特に制限されないが、(C−1)成分で乳化して得た(B)成分を上記油相と水相との乳化物へ添加すると、(B)成分を液体柔軟剤組成物中により均一に分散させることができ、更に液体柔軟剤組成物の低温安定性がより向上するので好ましい。なお、(B)成分は水相へ添加してもよい。
(D)成分の添加時期は特に制限されないが、水相と油相との混合後に得られる乳化物へ添加することが好ましい。
(C−2)成分の添加時期は特に制限されないが、油相調製時に添加することが好ましい。
(C−1)成分の添加時期は特に制限されないが、前述した(B)成分である乳化物を調製する際に添加することが好ましい。
なお、(C−1)成分で乳化して得られた(B)成分を油相と水相からなる乳化分散物に添加する場合は、40℃以下で添加することが望ましい。40℃以下で添加すると液体柔軟剤組成物の初期外観をより向上させることができる。
(E)成分を添加する場合、添加時期は特に制限されないが、油相調製時に添加することが好ましい。
高度分岐環状デキストリンを添加する場合、添加時期は特に制限されないが、水相に溶解させるか、油相と水相により乳化分散させた後に、水に溶解させた高度分岐環状デキストリン成分を添加することが好ましい。
染料及び/又は顔料を添加する場合、添加時期は特に制限されないが、水相に溶解させることが好ましい。
最も好ましい製造方法としては、(A)成分及び(C−2)成分を含む油相を、水相(水溶性物質が溶解していてもよい)で乳化分散させて乳化物を調製し、その後(D)成分と、(C−1)成分で乳化して得た(B)成分を添加する工程を含む方法が挙げられる。この製造方法では添加工程を40℃以下、好ましくは5〜35℃で行うことが好ましい。
〔液体柔軟剤組成物の使用方法〕
液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の液体柔軟剤と同様の方法で使用できる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水へ液体柔軟剤組成物を溶解させて繊維製品を処理する方法や、液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に繊維製品を入れて浸漬処理する方法がある。
なお、洗濯のすすぎ回数に関わらず、本発明の液体柔軟剤組成物は充分な処理効果を発揮することができる。
液体柔軟剤組成物の使用量は使用目的を達成できる量であれば特に制限されないが、例えば、衣料に対し、(A)+(B)成分の衣料1gに対する濃度が、0.05%〜0.5%となるような量で使用するのが好ましい。
処理対象となる繊維製品の種類に特に制限なく、綿等の天然繊維製品や、ポリエステル等の化学繊維製品のいずれに対しても、充分な処理効果を発揮することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において、各成分の配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
実施例及び比較例の液体柔軟剤組成物の調製に用いた成分及び調製方法を以下に説明する。
〔(A)成分〕
下記の成分を使用した。

A−1:カチオン界面活性剤(特開2003−12471の実施例4に記載の化合物)
A−1は、一般式(A-III)で表される化合物の4級化物と一般式(A-IV)で表される化合物の4級化物と一般式(A-V)で表される化合物(各式中、R1は炭素数15又は17のアルキル基又はアルケニル基であり、飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の質量比が60/40であり、不飽和部分のシス体/トランス体=75/25(質量比)である)をジメチル硫酸で4級化したものを含むもの(分子量798.6)。
〔(B)成分〕
下記の成分を使用した。
シリコーンオイルの乳化手順は後記する。乳化物の平均粒子径は下記の手順で求めた。
乳化物を純水で100倍希釈したものを測定サンプルとし、乳化物が水中に分散した後に測定を実施した。測定は、ALV−CGS3(動的・静的光散乱測定装置)を用い、波長532nm、RI1332、Visc0.89、温度298.15K、Angle90°の条件にて行った。データをキュムラント法で解析して平均粒子径を算出した。

B−1−1:アミノ変性シリコーンのオイル KF−864(信越化学工業(株)社製)の乳化物(平均粒子径:500nm)。
KF−864は、側鎖変性タイプのアミノ変性シリコーンのオイル(25℃における動粘度:1700mm2/s。アミノ当量:3800g/mol。一般式(B)で表される化合物)であった。

B−1−2:KF−864の乳化物(平均粒子径:100nm)。

B−1−3:KF−864の乳化物(平均粒子径:200nm)。

B−1−4:KF−864の乳化物(平均粒子径:800nm)。

B−1−5:KF−864の乳化物(平均粒子径:1000nm)。

B−2:アミノ変性シリコーンのオイル KF−861(信越化学工業(株)社製)の乳化物(平均粒子径:500nm)。
KF−861は、側鎖変性タイプのアミノ変性シリコーンのオイル(25℃における動粘度:3500mm2/s。アミノ当量:2000g/mol。一般式(B)で表される化合物)であった。

B’−1:ジメチルシリコーン KF−96−5000CS(信越化学工業(株)社製)の乳化物(平均粒子径:500nm)。
KF−96−5000CSはアミノ変性シリコーンではないので、B’−1は比較例で使用した。

B’−2:KF−864の乳化物(平均粒子径:30nm)。
B’−2は乳化物の粒子径が30nmであるので、比較例で使用した。

B’−3:KF−864の未乳化物
B’−3は乳化物ではないので、比較例で使用した。
〔(C−1)成分〕
下記の成分を使用した。

C−1−1:炭素数10の直鎖アルコールにエチレンオキサイドを23モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均付加モル数:23)(花王(株)製、エマルゲン123P)

C−1−2:炭素数11の分岐鎖アルコールにエチレンオキサイドを8モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均付加モル数:8)(花王(株)製、エマルゲン1108)

C−1−3:炭素10の直鎖アルコールにエチレンオキサイドを4モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均付加モル数:4)(花王(株)製、エマルゲン104P)
〔(C−2)成分〕
下記の成分を使用した。

C−2−1:1級イソトリデシルアルコール(炭素数13)にエチレンオキシドを60モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均付加モル数:60)(BASF社製のルテンゾールTO3にエチレンオキサイドを付加させたもの)

C−2―2:1級イソトリデシルアルコール(炭素数13)にエチレンオキシドを40モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル(平均付加モル数:40)(BASF社製のルテンゾールTO3にエチレンオキサイドを付加させたもの)
〔(D)成分〕
下記の成分を使用した。

D−1:塩化カルシウム(和光純薬株式会社製)
〔(E)成分〕
下記表の組成を有する香料組成物E−1を使用した。表中の数値は、香料組成物の総質量に対する香料の含量(単位:質量%)である。

Figure 2019214799
〔(F)成分〕
下記の成分を使用した。

F−1:1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(クラリアントジャパン株式会社。商品名:Nipacide BIT 20)

F−2:イソチアゾロン液(Rohm&Haas社。商品名:ケーソンCG−ICP)
〔液体柔軟剤組成物の調製〕
後記の表1に示す組成を有する液体柔軟剤組成物を調製した。表1中、各成分の数値の単位は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する質量%である。各液体柔軟剤組成物のpH(25℃)は2.5、粘度は20〜40mPa・sの範囲内であった。また、表1中、「(C−1)/(B)」は、(C−1)成分と(B)成分との質量比((C−1)/(B))を示す。

〔実施例1〜18及び20、並びに比較例1、2及び4〕
本例では、(B)成分調製用の乳化剤として(C−1)成分を使用した。シリコーンオイルと(C−1)成分とを室温下で高速混合し、イオン交換水を添加し、更に10分間攪拌することで乳化物を調製した。イオン交換水は、シリコーンオイル含量が乳化物の総質量に対して30質量%となるように加えた。
各乳化物の粒子径の制御は、高速混合の回転数の調節により行った。
得られた(B)成分を用い、以下の手順にて液体柔軟剤組成物を調製した。
(A)成分、(C−2)成分及び(E)成分を、(A)成分の融点以上の温度下で混合して油相を得た。別途、イオン交換水と(F)成分とを混合して水相を得た。油相と水相とを、(A)成分の融点以上の温度下で混合して乳化物を得た。得られた乳化物に(D)成分と(B)成分とを30℃下で添加し、混合して液体柔軟剤組成物を得た。

〔実施例19〕
本例では、(B)成分調製用の乳化剤として塩化ステアリルトリメチルアンモニウム塩、を使用した。シリコーンオイルと塩化ステアリルトリメチルアンモニウム塩とを室温下で高速混合し、イオン交換水を添加し、更に10分間攪拌することで乳化物を調製した。イオン交換水は、シリコーンオイル含量が乳化物の総質量に対して30質量%となるように加えた。
得られた(B)成分を用い、以下の手順にて液体柔軟剤組成物を調製した。
(A)成分、(C−1)成分、(C−2)成分及び(E)成分を、(A)成分の融点以上の温度下で混合して油相を得た。別途、イオン交換水と(F)成分とを混合して水相を得た。油相と水相とを、(A)成分の融点以上の温度下で混合して乳化物を得た。得られた乳化物に(D)成分と(B)成分とを添加し、混合して液体柔軟剤組成物を得た。

〔比較例3〕
本例では、シリコーンオイル(B−3)を乳化せずに使用した。
(A)成分、(B−3)成分、(C−1)成分、(C−2)成分、及び(E)成分を、(A)成分の融点以上の温度下で混合して油相を得た。別途、水と(F)成分とを混合して水相を得た。油相と水相とを、(A)成分の融点以上の温度下で混合して乳化物を得た。得られた乳化物に(D)成分を添加し、混合して液体柔軟剤組成物を得た。
調製した各液体柔軟剤組成物を、柔軟性付与効果、低温安定性及び凍結復元性について評価した。
〔柔軟性付与効果〕
(評価用布の前処理)
市販のストッキング(Tabio社製)を、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン(株)製)により二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、前処理(標準洗剤使用量、浴比30倍、45℃の水道水での洗浄10分間と、続く注水すすぎ10分間とのサイクルを2回)を3回行った。

(評価用布の柔軟処理)
前処理洗浄したストッキング700gを、全自動洗濯機(東芝製AW−8V2)中、市販洗剤「トップNANOX」(ライオン(株)製)を用い洗濯処理に付した(洗剤使用量:標準。標準コース(すすぎ2回設定)。浴比30倍。25℃の水道水)。2回目のすすぎ開始時に液体柔軟剤組成物を自動投入した。洗濯終了後、ストッキングを取出し、20℃、40%RHの恒温恒湿条件で一晩保管し、翌日に下記の評価を行った。

(評価)
液体柔軟剤組成物の柔軟性付与効果を、保管後のストッキングのすべりやすさを指標に評価した。具体的には、柔軟処理によりストッキングにもたらされたすべりやすさについて、専門パネラー5名が官能一対比較を行った。対照には、ライオン(株)製「ふんわりソフラン」を用いて上記と同様に柔軟処理したストッキングを使用した。評価は、以下の基準に従って実施した。専門パネラー5名の評価点数の平均点をとり、平均点4.5点以上を◎、3.5点以上4.5点未満を○、3.0点以上3.5点未満を△、3.0点未満を×とした。結果を表1の「肌触り」欄に示す。◎、○、△を合格であると判定した。

<評価基準>
5:対照よりもかなりすべりやすい
4:対照よりもややすべりやすい
3:対照と同等
2:対照よりもややすべりにくい
1:対照よりもかなりすべりにくい
〔低温安定性〕
液体柔軟剤組成物100mlをガラス瓶に入れて密栓し、5℃の恒温槽にて3ヶ月間保管した。保存後の外観を、以下の基準に従い評価した。結果を表1の「低温安定性」欄に示す。外観上問題がない○と△を合格と判定した。

<評価基準>
○:外観上問題はない(均一)
△:分離がうっすら見られる
×:分離が見られる
〔凍結復元性〕
軽量ガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に液体柔軟剤組成物80mL入れて密栓したものを評価用サンプルとした。
評価用サンプルを、−15℃で40時間保持(凍結)し、その後25℃で8時間保持(溶解)する凍結溶解サイクルを3回繰り返した。
前記凍結溶解サイクルに付した後の評価用サンプルを、全自動洗濯機(東芝製AW−8V2)の自動投入口に30g入れて洗濯処理を行った(標準コース(すすぎ2回設定)。浴比30倍。25℃の水道水)。
洗濯終了後の投入口の状態を、下記基準に従って、専門パネラー8名が目視評価した。

<評価基準>
3点:投入口に何も残らず、問題なく使用できる
2点:投入口にわずかに液体柔軟剤組成物が残っているが、問題ない
1点:投入口に液体柔軟剤組成物が残っており、自動投入ができていない

凍結復元性(凍結復元後の使用性)を、専門パネラー8名の平均点(小数点第1位まで算出)に基づき、下記基準に従って判定した。結果を表1の「凍結復元後の使用性」欄に示す。商品価値上、○及び△を合格とした。

<判定基準>
○:2.5点以上3点未満
△:2点以上2.5点未満
×:2点未満
本発明は柔軟剤分野において利用可能である。
Figure 2019214799

Claims (9)

  1. 液体柔軟剤組成物であって、下記成分:
    (A)エステル基、エーテル基及びアミド基からなる群より選ばれる1種以上の基により分断されていてもよい炭素数10〜24の炭化水素基を分子内に1個以上含有するアミン化合物、その中和物及びその4級化物からなる群から選ばれる1種以上のカチオン界面活性剤、
    (B)平均粒子径が100〜1000nmである、アミノ変性シリコーン乳化物、
    (C−1)炭素数8〜16の直鎖又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイドを平均2〜30モル付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び
    (C−2)炭素数9〜18の直鎖又は分岐鎖のアルコールに、エチレンオキサイドを平均40〜100モルを付加してなるポリオキシエチレンアルキルエーテル
    を含有する、液体柔軟剤組成物。
  2. 2種類の(C−1)成分を含む、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
  3. (B)成分が(C−1)成分で乳化されている、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
  4. (B)成分の平均粒子径が400〜700nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  5. (B)成分のアミノ変性シリコーンの動粘度(25℃)が100〜20000mm2/sである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  6. (B)成分のアミノ変性シリコーンのアミノ当量が400〜8000g/molである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  7. (B)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.1〜10質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  8. (A)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して5〜30質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  9. (C−1)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.01〜2質量%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
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