JP6565030B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、液体柔軟剤組成物に関する。詳細には、本発明は、製造直後の粘度のバラつきが少なく、マイクロカプセルの分散安定性、特に、高温保存後のマイクロカプセルの分散安定性に優れた液体柔軟剤組成物に関する。
近年、柔軟剤の機能として香りの持続性を求める消費者が増えており、それに対し様々な手段が取られている。その一つに、香料組成物を内包したマイクロカプセルを活用した技術が知られている。例えば、特許文献1には、芯物質として香料組成物を含み、壁物質が高分子物質から構成されるマイクロカプセルと、シリコーン化合物とを含有する繊維製品用液体仕上げ剤組成物が開示されている。
芯物質として香料組成物を含むマイクロカプセルを含有する液体柔軟剤組成物において、マイクロカプセルに内包する成分と液体製剤の比重とが異なる場合には、長期間保管するとマイクロカプセルが製剤中で浮遊または沈降してしまい、マイクロカプセル自体の凝集・固化・皮膜化などの不具合が生じることが知られている。このような課題に対して特許文献2は、従来の製造方法に比べて、格段に緩やかなせん断をかけ大きな会合体である液晶を形成し、次いで高いせん断によって会合体の大きさを適当なものとしてチキソトロピーを発揮させ、最後に香料組成物を含むマイクロカプセルを添加する事で、分散安定性に優れた組成物が得られることを開示している。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、製造直後の粘度のバラつきが大きく、また細やかな粘度コントロールを行うのは困難であることがわかった。香料組成物を芯物質とするマイクロカプセルは、内包香料により適切な粘度及びTI値が異なるため、細やかな粘度コントロールを必要とする。また、特許文献2に記載の方法で調製した組成物は、40℃の高温条件下でマイクロカプセルが浮遊することがわかった。
特許文献3〜5には、芯物質を含むマイクロカプセルを含有する組成物及び当該組成物を製造する方法が開示載されている。特許文献3〜5には、当該文献に記載の方法で製造した組成物において、芯物質を含むマイクロカプセルの透過性特性が改善されることが記載されている。
しかしながら、特許文献3〜5は、芯物質を含むマイクロカプセルの分散安定性については何ら言及していない。また、特許文献3〜5は、芯物質を含むマイクロカプセルを含有する組成物の粘度についても何ら言及していない。
特許文献6には、貯蔵安定性に優れた繊維製品処理剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献6は、芯物質を含むマイクロカプセルを用いた場合の課題については何ら言及していない。
特開2008−7872号公報 特開2013−129922号公報 特表2013−525565号公報 特表2013−531079号公報 特表2013−531694号公報 特開2000−129570号公報
上述したとおり、従来技術では、製造直後の粘度のバラつきが少なく、マイクロカプセルの分散安定性、特に、高温保存後のマイクロカプセルの分散安定性に優れた液体柔軟剤組成物を提供することはできなかった。なお、これは、芯物質として香料組成物を含むマイクロカプセルを含有する組成物に限らず、香料組成物以外の成分を芯物質として含むマイクロカプセルを含有する組成物においても同様であった。
従って、本発明は、製造直後の粘度のバラつきが少なく、マイクロカプセルの分散安定性、特に、高温保存後のマイクロカプセルの分散安定性に優れた液体柔軟剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カチオン界面活性剤を含む液体柔軟剤組成物において、無機塩及び特定の平均分子量を有するグルカンを、特定の比率で配合することにより、製造直後の粘度のバラつきを少なくでき、かつ高温保存条件下におけるマイクロカプセルの分散安定化が可能になる事を見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、このような新規な知見に基づいて完成されたものである。
本発明の一態様において、
(A)エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)重量平均分子量1万〜200万の非イオン性グルカン、
(C)無機塩、及び
(D)マイクロカプセル
を含有し、(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比が8以上である、液体柔軟剤組成物が提供される。
後述の実施例で示されるように、本発明の一実施態様において、製造直後の粘度のバラつきが少なく、マイクロカプセルの分散安定性、特に、高温保存後のマイクロカプセルの分散安定性に優れた液体柔軟剤組成物が提供される。更に、本発明の一実施態様において、良好なチキソトロピー性が付与された液体柔軟剤組成物が提供される。
[(A)成分]
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(A)成分は、エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
長鎖炭化水素基の炭素数は、10〜26であり、17〜26が好ましく、19〜24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性が良好で、26以下であるとハンドリング性が良好である。長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央周辺に存在していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されていてもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、その炭素鎖中に、エステル基及びアミド基からなる群から選択される少なくとも1種の分断基を有し、該分断基によって炭素鎖が分断されたものであってもよい。該分断基を有すると、生分解性が向上する等の点から好ましい。
該分断基を有する場合、1つの長鎖炭化水素基が有する分断基の数は1つであっても2つ以上であってもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、分断基によって1ヶ所が分断されていてもよく、2ヶ所以上が分断されていてもよい。分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、炭素鎖中に分断基を有する場合、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(A)成分としてのアミン化合物としては、2級アミン化合物又は3級アミン化合物が好ましく、3級アミン化合物がより好ましい。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(A)成分としてのアミン化合物として、より具体的には、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006565030
〔式中、R1〜R3はそれぞれ独立に、炭素数10〜26の炭化水素基、−CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7〜21の炭化水素基である。)若しくは−(CH2nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7〜21の炭化水素基である。)、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH、又は−(CH2nNH2であり、R1〜R3のうちの少なくとも1つは、炭素数10〜26の炭化水素基、−CH2CH(Y)OCOR4又は−(CH2nNHCOR5である。〕
式(A1)中、R1〜R3における炭素数10〜26の炭化水素基の炭素数は、17〜26が好ましく、19〜24がより好ましい。該炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。該炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
−CH2CH(Y)OCOR4中、Yは水素原子又はCH3であり、水素原子が特に好ましい。R4は炭素数7〜21の炭化水素基、好ましくは炭素数15〜19の炭化水素基である。式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
4の炭化水素基は、炭素数8〜22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4のもととなる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。中でも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10〜0/100が好ましく、80/20〜0/100がより好ましい。
4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60〜100/0が好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。
4のもととなる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)〜(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10〜0/100、より好ましくは80/20〜0/100である。(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60〜100/0、より好ましくは70/30〜90/10である。(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21〜22の脂肪酸が1質量%未満である。
−(CH2nNHCOR5中、nは2又は3であり、3が特に好ましい。R5は炭素数7〜21、好ましくは15〜19の炭化水素基である。式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。R5としては、R4と同様のものが挙げられる。
1〜R3のうち、少なくとも1つは長鎖炭化水素基(炭素数10〜26の炭化水素基、−CH2CH(Y)OCOR4、又は−(CH2nNHCOR5)であり、2つが長鎖炭化水素基であることが好ましい。R1〜R3のうち、1つ又は2つが長鎖炭化水素基である場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH、又は−(CH2nNH2であり、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH、又は−(CH2nNH2であることが好ましい。これらのうち、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。−CH2CH(Y)OHにおけるYは、−CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。−(CH2nNH2におけるnは、−(CH2nNHCOR5中のnと同様である。
前記一般式(A1)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(A1−1)〜(A1−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006565030
〔式中、R7及びR8はそれぞれ独立に、炭素数10〜26の炭化水素基である。R9及びR10はそれぞれ独立に、炭素数7〜21の炭化水素基である。〕
7及びR8における炭化水素基としては、前記R1〜R3における炭素数10〜26の炭化水素基と同様のものが挙げられる。
9、R10における炭素数7〜21の炭化水素基としては、前記R4における炭素数7〜21の炭化水素基と同様のものが挙げられる。式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
本発明の柔軟剤組成物における(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。
アミン化合物の塩は、アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(A)成分としては、前記一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、前記一般式(A1−1)〜(A1−8)、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、(A1−4)〜(A1−6)、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、一般式(A1−2)で表される化合物(以下「化合物(A1−2)」)、一般式(A1−3)で表される化合物(以下「化合物(A1−3)」)は、上記脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物とメチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性を良好にする観点から、「化合物(A1−2)/化合物(A1−3)」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性の観点から「化合物(A1−2)の4級化物/化合物(A1−3)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1−4)で表される化合物(以下「化合物(A1−4)」)、一般式(A1−5)で表される化合物(以下「化合物(A1−5)」)、一般式(A1−6)で表される化合物(以下「化合物(A1−6)」)は、上記脂肪酸組成物または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、化合物(A1−4)、(A1−5)、(A1−6)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性の観点から、化合物(A1−4)が1〜60質量%、化合物(A1−5)が5〜98質量%、化合物(A1−6)が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−4)が30〜60質量%、化合物(A1−5)が10〜55質量%、化合物(A1−6)が5〜35質量%であることがより好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1−4)、(A1−5)、(A1−6)の各4級化物の存在比率は、柔軟性の観点から質量比で、化合物(A1−4)の4級化物が1〜60質量%、化合物(A1−5)の4級化物が5〜98質量%、化合物(A1−6)の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−4)の4級化物が30〜60質量%、化合物(A1−5)の4級化物が10〜55質量%、化合物(A1−6)の4級化物が5〜35質量%であることがより好ましい。また、化合物(A1−4)、(A1−5)、(A1−6)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30〜99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
一般式(A1−7)で表される化合物(以下「化合物(A1−7)」)、一般式(A1−8)で表される化合物(以下「化合物(A1−8)」)は、上記脂肪酸組成物とN−メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物より、J.Org.Chem.,26,3409(1960)に記載の公知の方法で合成したN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,3−プロピレンジアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、「化合物(A1−7)/化合物(A1−8)」で表される存在比率が質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。またその4級化物を用いる場合には4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1−7)の4級化物/化合物(A1−8)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
本発明の柔軟剤組成物において、(A)成分の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは8〜30質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。(A)成分の配合量が多いと、粘度及びTI値は上昇するが、配合量が多すぎると組成物の分離が生じる場合がある。一方、(A)成分が少なすぎると所望の粘度及びTI値まで上昇せず、(D)成分を分散安定化することができない場合がある。
[(B)成分]
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分は、重量平均分子量が1万から200万の範囲にある非イオン性グルカンである。グルカンとは、D−グルコピラノースの縮重合体であり、デンプン、グリコーゲン、デキストリン、セルロース等を含む。C1位の立体配置によりα−グルカンとβ−グルカンに分けられ、また、グリコシド結合の位置により1→3、1→4、1→6結合が区別される。本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての非イオン性グルカンは、重量平均分子量が1万から200万の範囲にある限り、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。また、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての非イオン性グルカンは、鎖状構造であってもよく、環状構造を有していてもよい。具体的には、(B)成分として、高分子デキストリン(三和澱粉工業株式会社 商品名:サンデック#30)や、環状構造を有し、かつ分岐構造を有する非イオン性グルカン、例えば、環状構造保有分岐状グルカン(特開2012−120471に記載)、高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製 商品名:クラスターデキストリン)等が用いられ得る。(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
尚、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としてのグルカンは、非イオン性の化合物であり、グルカンの一部が変性されたカチオン性を有するカチオン化デンプンやカチオン化セルロース等は(B)成分に該当しない。
環状構造を有し、かつ分岐構造を有する非イオン性グルカンは、特開平8−134104号に記載される方法や、Takataら、Carbohydrate Research、295、91−101、1996に記載の方法等により製造することができるが、これらに限定されるものではない。
高度分岐環状デキストリンとは、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンである。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンは、重量平均分子量が3万から100万程度であり、分子内に環状構造を1つ有し、さらにその環状部分に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のデキストリンを主に含む。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は10〜100個程度のグルコースで構成されており、この内分岐環状構造部分に、非環状の多数の分岐グルカン鎖からなる外分岐構造部分が結合している。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの重合度は50〜5000の範囲にある。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分の重合度は、10〜100の範囲である。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の重合度は、40以上である。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、平均で10〜20である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンは、例えば、デンプンを原料として、ブランチングエンザイムという酵素を作用させて製造される。原料であるデンプンは、グルコースがα−1、4−グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α−1,6−グルコシド結合によって複雑に分岐した構造をもつアミロペクチンからなり、アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。使用酵素であるブランチングエンザイムは、動植物、微生物に広く分布するグルカン鎖転移酵素であり、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
より詳細には、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンである。本明細書において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104の記載を参酌して理解され得る。
環状構造保有分岐状グルカンとは、環状構造と、α−1,6結合およびα−1,4結合に基づく少なくとも1つの分岐状構造とを有し、その環状構造を構成する糖鎖中に少なくとも1つのα−1,6結合が存在している構造を有するグルカンである。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンにおいて、その分岐頻度は、例えば8%以上である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの分岐頻度は、α−1,6分岐の割合によって示される。α−1,6分岐の割合は例えば約10%以上、約11%以上、約12%以上、約13%以上、約14%以上、約15%以上、約16%以上、約17%以上、約20%以上などであり得る。α−1,6分岐の割合に上限はないが、例えば、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下などであり得る。
なお、分岐頻度は、以下の式によって計算される:
分岐頻度(%)={(分岐数)/(分子全体のグルコース単位数)}×100
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの重量平均分子量は、好ましくは約3万以上であり、さらに好ましくは約5万以上であり、特に好ましくは約10万以上であり、また、好ましくは約50万以下であり、さらに好ましくは約30万以下であり、特に好ましくは約20万以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカン中の環状構造部分の平均重合度は、好ましくは約10以上であり、より好ましくは約15以上であり、さらに好ましくは約20以上であり、また、好ましくは約500以下であり、より好ましくは約300以下であり、さらに好ましくは約100以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカン中の分岐構造部分の平均重合度は、好ましくは約40以上であり、より好ましくは約100以上であり、さらに好ましくは約300以上であり、さらにより好ましくは約500以上であり、また、好ましくは約4×10以下であり、より好ましくは約3×10以下であり、さらに好ましくは約2×10以下であり、さらにより好ましくは約1×10以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの環状構造部分のα−1,6−グルコシド結合は少なくとも1個あればよく、例えば1個以上、5個以上、10個以上などであり得、例えば約200個以下、約50個以下、約30個以下、約15個以下、約10個以下などであり得る。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、1種類の重合度のものを単独で用いてもよいし、種々の重合度のものの混合物として用いてもよい。好ましくは、環状構造保有分岐状グルカンの重合度は、最大の重合度のものと最小の重合度のものとの重合度の比が約100以下、より好ましくは約50以下、さらにより好ましくは約10以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、好ましくは、分岐グルカン構造の一部が環を形成している。ここで、環状構造部分とはα−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、そして分岐構造部分とは、該環状構造部分に結合した非環状構造部分である。この分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、好ましくは約2以上であり、より好ましくは約4以上であり、さらに好ましくは約6以上であり、また、好ましくは約20以下であり、より好ましくは18以下であり、さらに好ましくは15以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの平均重合度は、好ましくは約50以上であり、より好ましくは約70以上であり、さらに好ましくは約100以上であり、最も好ましくは約150以上であり、また、好ましくは約5×10以下であり、より好ましくは約4×10以下であり、さらに好ましくは約3×10以下であり、最も好ましくは約2×10以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの分岐の数(すなわち、α−1,6−グルコシド結合の数)は、好ましくは約10個以上であり、より好ましくは約15個以上であり、さらに好ましくは約20個以上であり、また、好ましくは約1000個以下であり、より好ましくは約800個以下であり、さらに好ましくは約500個以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンにおいては、α−1,6−グルコシド結合の数に対するα−1,4−グルコシド結合の数の比(「α−1,6−グルコシド結合の数」:「α−1,4−グルコシド結合の数」)は、好ましくは1:3〜1:13であり、より好ましくは1:4〜1:12であり、さらに好ましくは1:5〜1:10であり、さらに好ましくは1:5〜1:9である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、
i)基質である分岐状グルカンにブランチングエンザイムを作用させ、次いで4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させるか;
ii)基質である分岐状グルカンに4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させ、次いでブランチングエンザイムを作用させるか;または
iii)基質である分岐状グルカンにブランチングエンザイムおよび4−α−グルカノトランスフェラーゼを同時に作用させる
ことにより製造される。
より詳細には、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、特開2012−120471号に記載のものである。本明細書において、環状構造保有分岐状グルカンは、特開2012−120471号の記載を参酌して理解され得る。
本発明の柔軟剤組成物において、(B)成分の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.05〜3質量%、さらに好ましくは0.2〜2質量%である。(B)成分の配合量が0.01質量%よりも多いと優れたマイクロカプセルの分散安定化効果を発揮し得る。(B)成分の配合量を5質量%よりも多く配合しても、マイクロカプセルの分散安定化効果は向上せず使用性が悪くなる場合がある。
また、(B)成分のグルカンの重量平均分子量は1万〜200万であり、好ましくは5万〜100万、より好ましくは10万〜50万である。(B)成分の平均分子量が1万よりも大きいと優れたマイクロカプセルの分散安定化効果を発揮し得る。一方、(B)成分の重量平均分子量が200万よりも大きいと、長期保存後、組成物の分離が生じる場合がある。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分である重量平均分子量が1万から200万の範囲にある非イオン性グルカンに代えて、α−シクロデキストリン(n=6)、β−シクロデキストリン(n=7)、γ−シクロデキストリン(n=8)などのグルコースが6〜8個結合した一般的なシクロデキストリンや低分子デキストリン(例えば、三和澱粉工業株式会社 商品名:サンデック#185N)を柔軟剤組成物中に配合しても、本発明の柔軟剤組成物と同等の優れたマイクロカプセルの分散安定化効果は得られない。
[(C)成分]
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(C)成分は無機塩である。例えば、(C)成分である無機塩としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩や、アンモニウム塩等が挙げられる。具体的には、(C)成分である無機塩として、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが好ましく、特に粘度バラつき抑制の点から塩化カルシウムと塩化マグネシウムが好ましい。
(C)成分である無機塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
本発明の柔軟剤組成物において、(C)成分の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.002〜0.4質量%、より好ましくは0.01〜0.15質量%、さらに好ましくは0.02〜0.1%である。但し、脂肪酸塩類などの界面活性剤にはナトリウム塩やカリウム塩が含まれているが、このような界面活性剤の使用によって組成物に混入する無機塩は、上記好ましい配合量において考慮しないものとする。
本発明の柔軟剤組成物における(B)成分と(C)成分の質量比率B/Cは、8以上であり、好ましくは10〜100、より好ましく16〜50である。質量比率B/Cが8よりも小さい場合、分散安定化効果が小さく、カプセル香料などの(D)成分の浮遊及び沈降といった問題が生じ得る。一方、質量比率B/Cが100よりも大きい場合、組成物の粘度が著しく増加し使用性が悪くなる場合がある。
[(D)成分]
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D)成分はマイクロカプセルである。マイクロカプセルは、芯物質と、当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。マイクロカプセルは様々な機能を付与する目的で使用され、芯物質としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤等を含み得る。このような芯物質の成分は、本発明の技術分野において周知の成分を用いることができる。
(D)成分であるマイクロカプセルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。(D)成分であるマイクロカプセルは、目的に応じて市販の製品から適宜選択することができるが、具体的には以下のものが挙げられる。
芯物質として香料を含むマイクロカプセル、即ちカプセル香料の具体例としては、フィルメニッヒ社製のBLUEFLOWERPOP「FFMHN2814」、ジボダン社製のGREEN BREEZE CAPS、ORCHARD GARDEN CAPS、RAINBOW CAPS、VELVET CAPS、AURORACAPS、およびCOSMICCAPS;IFF社製のUNICAP101、およびUNICAP503等が挙げられる。
芯物質として冷感剤を含むマイクロカプセル、即ち冷感カプセルの具体例としては、SALVONA Technologies社製のMultiSal SalCool、HydroSal FreshCool、SalSphere SalCool、日華化学株式会社製のネオアージュAROMA−C、ウイルバー・エリス社製のMultisal Fresh Cool等が挙げられる。
芯物質として温感剤を含むマイクロカプセル、即ち温感カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンRMC−TO、SALVONA Technologies社製のHydrosal Heat等が挙げられる。
機能性カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンNFHO−W(抗菌効果)、リケンレジン、RMC−HBP(防虫効果)およびRMC−PT(防虫効果)などが挙げられる。
(D)成分であるマイクロカプセルの壁物質は、高分子物質から構成され、衣類用柔軟剤や衣類用の洗剤等に含有されるカプセルに一般的に使用される材料を用いることができる。壁物質として、例えば、ゼラチン、寒天等の天然系高分子、油脂、ワックス等の油性膜形成物質、ポリアクリル酸系、ポリビニル系、ポリメタクリル酸系、メラミン系、ウレタン系等の合成高分子物質などを挙げることができ、それら1種を単独又は2種以上を適宜併用することができる。壁物質は、芯物質として香料を含むマイクロカプセルの場合、カプセルが破壊された際の発香性の観点から、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂或いは尿素−ホルムアルデヒド樹脂からなるアミノプラストポリマー、ポリアクリル酸系或いはポリメタクリル酸系ポリマーであることが好ましい。特に、特開2010−520928号に記載されているようなアミノプラストポリマーが好ましい。具体的には、ポリアミン由来の部分/芳香族ポリフェノール由来の部分/メチレン単位、ジメトキシメチレン及びジメトキシメチレンを有するアルキレンおよびアルキレンオキシ部分からなるターポリマーであることが好ましい。
本発明の柔軟剤組成物において、(D)成分の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.05〜5質量%である。なお、本明細書において、(D)成分の配合量は、本発明の柔軟剤組成物の総質量に対する、芯物質として含まれる成分としての量(質量%)である。
[任意成分]
本発明の柔軟剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(D)成分以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、柔軟剤組成物において配合され得る公知の成分を適宜配合することができる。例えば、水、水溶性溶剤、ノニオン界面活性剤、香料組成物、シリコーン、染料及び/又は顔料、防腐剤、紫外線吸収剤、抗菌剤等を含有させることができる。
<水>
本発明の柔軟剤組成物は、好ましくは水性組成物であり、水を含むことが好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
<ノニオン界面活性剤((E)成分)>
ノニオン界面活性剤は、本発明の柔軟剤組成物が乳化物である場合に、主に、乳化物中での油溶性成分の乳化分散安定性を向上する目的で好ましく用いられ得る。特に、ノニオン界面活性剤を配合すると、商品価値上、充分なレベルの凍結復元安定性が確保されやすい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、多価アルコール、高級アルコール、高級アミン又は高級脂肪酸から誘導されるものを用いることができる。より具体的には、グリセリンまたはペンタエリスリトールに炭素数10〜22脂肪酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはペンタエリスリトール、炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(該アルキルの炭素数1〜3)エステル;エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルである硬化ヒマシ油などが挙げられる。中でも、炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が20〜80モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
本発明の柔軟剤組成物中のノニオン界面活性剤の含有量は、所望とする機能に応じて決定でき、例えば、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。ノニオン界面活性剤の含有量が下限値以上であると、乳化物中での油溶性成分の乳化分散安定性、乳化物の凍結復元安定性がより向上する。上限値以下であれば、液体柔軟剤組成物の粘度の上昇を抑えて、使用性の面で良好なものとすることができる。
<水溶性溶剤((F)成分)>
本発明の柔軟剤組成物は、水に加えて、水溶性溶剤を含むことが好ましい。水溶性溶剤としては、低級(炭素数1〜4)アルコール、グリコールエーテル系溶剤及び多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
11−O−(C24O)y−(C36O)z−H ・・・(X)
〔式中、R11は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキル基又はアルケニル基である。yおよびzは平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5、zは0〜5、好ましくは0〜2の数を示す。〕
一般式(X)で表わされる水溶性溶剤としては、例えば、ブチルカルビトールやジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
水溶性溶剤として、上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンが好ましい。
水溶性溶剤は、本発明の柔軟剤組成物中に好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0.01〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%配合される。
<香料組成物((G)成分)>
本発明の柔軟剤組成物中には、上記(D)成分の芯物質として含まれ得る香料組成物とは別に、フリーの香料組成物を配合することができる。本発明の柔軟剤組成物において、フリーの香料組成物として用いることのできる香料組成物は、繊維製品用処理剤組成物、繊維製品用仕上げ剤組成物又は柔軟剤組成物に一般的に使用される香料成分を1種類以上含む香料組成物であり得る。
前記香料成分の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
前記アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、ヘリオナールなどが挙げられる。
前記フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノール、イソオイゲノールなどが挙げられる。
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バクダノール、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
前記エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
前記エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルプロピオネート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、p−クレジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ−β−ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネート、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
前記ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リモネン(特に、d−リモネン)、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
前記ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−イオノン、β−イオノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、シス−ジャスモン、メチルイオノン、アリルイオノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンなどが挙げられる。
前記ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ドデカラクトン、クマリン、アンブロキサンなどが挙げられる。
前記ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、ニトロムスク類などが挙げられる。
前記テルペン骨格を有する香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン、カンファー(樟脳)、ボルネオールなどが挙げられる。
前記天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油、タイム油などの精油が挙げられる。
前記動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香、竜涎香などが挙げられる。
香料には通常用いる溶剤を配合してもよい。香料用溶剤としては、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル(BB)、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコール(DPG)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
これら溶剤の使用量は、香料組成物中に、例えば、0.1〜30質量%配合されるが、好ましくは1〜20質量%配合される。
本発明の柔軟剤組成物において用いられるフリーの香料組成物中、香りのフレッシュ感と嗜好性の点から、ClogP値が1.0以上8.0以下である香料成分を、フリーの香料組成物の総質量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更により好ましくは80質量%以上、更に特に好ましくは90%以上含有することが望ましい。
ClogP値とは、化学物質について、1−オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値である。前記ClogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数・f値を積算して求めることができる(例えば、Clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger, Version 1,March 1994 参照)。
一般に、香料はClogP値が大きいほど疎水的であることから、ClogP値が小さい香料成分を多く含む香料組成物は、ClogP値が大きい香料成分を多く含む香料組成物よりも親水的な香料組成物であるといえる。
本発明の柔軟剤組成物において、好適に使用されるフリーの香料組成物中の香料成分として、具体的には、アルデヒド類として、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、エチルバニリン、ヘリオナール、ケトン類として、α−ヨノン、β−ヨノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、シス−ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコン、マルトール、ハイドロカーボン類として、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン、テルピノーレン、等が挙げられるが、本発明において用いられる香料成分がこれらに限定されるものではない。
本発明の柔軟剤組成物において、フリーの香料組成物の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物全体の総質量に対して、0.01〜5質量%、好ましくは0.3〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。フリーの香料組成物の配合量が0.01質量%より少ないと香気が弱く、香り持続性効果が分かりにくい。フリーの香料組成物の配合量が5質量%より多いと高温での保存安定性が低下する場合がある。
<シリコーン化合物>
香りの持続性(発香性)及び柔軟性を向上させる目的で、さらにシリコーン化合物を配合することができる。本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得るシリコーン化合物とは別に、フリーのシリコーン化合物を配合することができる。シリコーン化合物は、その種類に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいし、また、架橋していてもよい。また、シリコーン化合物は変性シリコーン化合物であってもよく、前記変性シリコーン化合物は、1種の有機官能基により変性されたものであってもよいし、2種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用することができ、また任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態でも使用することができる。
シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
これらの中でも、汎用性、消臭防臭効果の向上の観点から、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチルシリコーンなどが好ましく、効果、製造時の取り扱いの観点からは、特にポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、アルキルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体などが挙げられる。なお、前記アルキルシロキサンのアルキル基の炭素数としては、1〜3が好ましく、また、前記ポリオキシアルキレンのアルキレン基の炭素数としては、2〜5が好ましい。これらの中でも、前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が好ましい。このようなポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006565030
前記一般式(I)中、M、N、a、及びbは、平均重合度を表し、Rは、水素又はアルキル基を表す。ここで、Mは、10〜10,000であることが好ましく、100〜300がより好ましい。Nは、1〜1,000であることが好ましく、1〜100がより好ましい。更に、M>Nであることが好ましい。aは、2〜100であることが好ましく、2〜50がより好ましい。bは、0〜50であることが好ましく、0〜10がより好ましい。Rは、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを、白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。したがって、前記ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、前記ポリエーテル変性シリコーン中での存在量としては、30ppm以下(Si−Hの量として)であることが好ましい。
Figure 0006565030
前記一般式(II)中、A、B、h、及びiは、平均重合度であり、Rは、アルキル基を表し、R’は、水素又はアルキル基を表す。ここで、Aは、5〜10,000であることが好ましく、Bは、2〜10,000であることが好ましい。hは、2〜100であることが好ましく、iは、0〜50であることが好ましい。Rは、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましい。R’は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(II)で表される線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。このようなポリエーテル変性シリコーンは、側鎖のポリオキシアルキレン鎖が長く、ポリシロキサン鎖の重合度が大きいものほど粘度が高くなるので、製造時の作業性改善及び水性組成物への配合を容易にするために、水溶性有機溶剤とのプレミックスの形で配合に供することが好ましい。該水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、より具体的には、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の、SH3772M、SH3775M、FZ−2166、FZ−2120、L−720、SH8700、L−7002、L−7001、SF8410、FZ−2164、FZ−2203、FZ−2208、信越化学工業(株)製の、KF352A、KF615A、X−22−6191、X−22−4515、KF−6012、KF−6004等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のTSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4452、TSF4460等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては、ジメチルシリコーン骨格の末端あるいは側鎖にアミノ基を導入したシリコーンオイルであり、アミノ基以外に水酸基、アルキル基、フェニル基等の置換基が置換されていてもよい。また、オイルの形態でも良ければ、非イオン界面活性剤や陽イオン界面活性剤を乳化剤として乳化させたアミノ変性シリコーンエマルジョンの形態でも良い。好ましいアミノ変性シリコーンのオイルまたは、エマルジョンの場合の基油オイルは、次の一般式(III)で表される。
Figure 0006565030
前記一般式(III)中、R1、R6は互いに同一でも、異なっていてもよく、メチル基、水酸基、水素のいずれかを表す。R2は、−(CH2n−A1、及び−(CH2n−NHCO−(CH2m−A1のいずれかを表す。A1は、−N(R3)(R4)、及び−N+(R3)(R4)(R5)・X-のいずれかを表す。R3〜R5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、及び−(CH2n−NH2のいずれかを表す。X-は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン、及び硫酸エチルイオンのうちのいずれかを表す。m及びnの値は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、0〜12の整数を表す。p及びqの値は、ポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、pは0〜20000、好ましくは10〜10000、qは1〜500、好ましくは1〜100を表す。
本発明の柔軟剤組成物で用いるアミノ変性シリコーンのオイルの場合、25℃における動粘度が50〜20000mm2/sであることが好ましく、100〜10000mm2/sであることがより好ましい。動粘度がこの範囲にあると、高い風合い付与効果が発現されるとともに、製造性が良好であり、組成物の取り扱いも容易になるため好ましい。
アミノ変性シリコーンとしては商業的に入手できるものを使用することができ、例えば、アミノ変性シリコーンオイルとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SF―8417、BY16−892、BY16−890で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、KF−864、KF−860、KF−8004、KF−8002、KF−8005、KF−867、KF−861、KF−880、KF−867Sなどが挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンタイプのものとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SM8904、BY22−079、FZ−4671、FZ−4672で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、Polonシリーズで販売されているPolonMF−14、PolonMF−29、PolonMF−14D、PolonMF−44、PolonMF−14EC、PolonMF−52で販売されているもの、旭化成ワッカーシリコーン株式会社から、WACKER FC201、WACKER FC218で販売されているものがあげられる。
ジメチルシリコーンの動粘度としては、特に制限はなく、1〜100,000,000mm2/sが好ましく、10〜10,000,000mm2/sがより好ましく、100〜1,000,000mm2/sが更に好ましい。また、オイルであっても、エマルジョンであってもよい。
<染料及び/又は顔料>
本発明の柔軟剤組成物の外観を向上する目的で染料及び/又は顔料を配合することができる。本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得る染料及び/又は顔料とは別に、フリーの染料及び/又は顔料を配合することができる。好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。
本発明の柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましく、その配合量は組成物全体に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
本発明の柔軟剤組成物に用いられる染料としては、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報又は特開2001−348784号公報などに記載されている染料を用いることもできる。
<防腐剤>
防腐剤は、主に、防腐力、殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために本発明の柔軟剤組成物において用いられ得る。本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得る防腐剤とは別に、フリーの防腐剤を配合することができる。
防腐剤としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、又はこれらの混合物などが挙げられる。中でも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)、又はこれらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
本発明の柔軟剤組成物中、防腐剤の配合量は、柔軟剤組成物の総量に対して、0.0001〜1質量%であることが好ましい。防腐剤の配合量が下限値未満であると、防腐剤の添加効果が得られにくく、上限値を超えると、保存安定性が低下するおそれがある。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、紫外線を防御する効果のある薬剤であり、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出する成分である。
紫外線吸収剤としては、例えば、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p−メトキシケイ皮酸エチル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4−t−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
<抗菌剤>
抗菌剤は、繊維上での菌の増殖を抑え、さらには微生物の分解物由来の嫌なにおいの発生を抑える効果を有する成分である。本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得る抗菌剤とは別に、フリーの抗菌剤を配合することができる。
抗菌剤としては、例えば、四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム)などの陽イオン殺菌剤、ダイクロサン、トリクロサン、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、8−オキシキノリン、ポリリジン等が挙げられる。
前記の任意成分以外にも、本発明の柔軟剤組成物に配合され得る機能向上剤として、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、ポリビニルピロリドンなどの移染防止剤、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、4,4−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS−X)などの蛍光増白剤、染料固定剤、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジンなどの退色防止剤、染み抜き剤、繊維表面改質剤としてセルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ケラチナーゼなどの酵素、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与できるものとしてシルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液等が挙げられる。具体的には、K−50、K−30、K−10、A−705、S−702、L−710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス)、アルキレンテレフタレートおよび/またはアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位からなる非イオン高分子化合物、例えば互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRC−1などの汚染防止剤などを配合することができる。
これら任意成分は、本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得るものとは別に配合することができる。
[組成物のpH]
本発明の柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の分子中に含まれるエステル基の加水分解を抑制する目的で、pHを1〜6の範囲に調整することが好ましく、2〜4の範囲であることがより好ましい。pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
[組成物の粘度]
本発明の柔軟剤組成物の粘度は特に限定されないが、下記のように測定したTI(チキソトロピーインデックス)値が2.0以上を有し、さらに25℃における粘度が50〜300mpa・sであることが好ましい。
ここでTI値とは、25℃に調整された各組成物について、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)により、回転速度6rpmと60rpmのそれぞれの10回転後の粘度値から下記式に基づき、算出した値である。
TI値=(6rpm粘度値)/(60rpm粘度値)
また、25℃における粘度とは上記の回転数30rpm時の粘度である。このTI値はせん断速度(粘度計の回転数)と粘度の依存性を測定し、チキソトロピー性を表す指標として用いられている。
上記TI値はせん断速度が変わっても粘度の変化がない水のようなニュートン流体の場合、TI値=1となる。TI値が1より大きい場合は、せん断力が小さい方が、せん断力が大きい場合に比べ高い粘度を有することを示し、チキソトロピー性を有する液体となる。
本発明の液体柔軟剤組成物では、チキソトロピー性を示すTI値の範囲が、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.0〜5.0未満、さらに好ましくは2.5〜4.0である。TI値が2.0以上の場合、優れたチキソトロピー性が得られ、(D)成分の分散安定性がより向上する。一方、5.0を越えると、チキソトロピー性が高まり(D)成分の分散安定性が良好になるものの、液体柔軟剤組成物の計量時に組成物をキャップに取り出しにくい等の不具合が生じる場合がある。
さらに、本発明の液体柔軟剤組成物は、上記の25℃における、粘度計の回転数が30rpm時の粘度が50〜300mpa・sの範囲内であると、(D)成分の分散安定性が良好となり、液体柔軟剤としての取り扱いやすさも良好となる。
[製造方法]
本発明の柔軟剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(A)成分、(E)成分を含む油相と、(B)成分を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、得られた乳化物に(C)成分、(D)成分と必要に応じて他の成分を添加、混合することにより製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分、(E)成分と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
水相は、水と(B)成分と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
尚、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分の添加方法は、上記記載の添加方法に限定されない。すなわち、(B)成分は、乳化物が得られた後、水溶液として添加、混合することにより製造することができる。(C)成分および(D)成分は、水相に添加することも可能である。また(E)成分は、油相と水相に分割して添加することもでき、全量水相に添加することも可能である。
[用途・使用方法]
本発明の柔軟剤組成物による衣類等の繊維製品の処理方法は特に制限されるものではなく、従来の使用方法と同様に用いることができる。例えば洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に本発明の柔軟剤組成物を溶解させて処理を行う、またはたらいのような容器を用い本発明の柔軟剤組成物を水に溶解させ、更に衣料を入れて浸漬処理する方法があるが、その場合は適度な濃度に希釈して使用される。その場合、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3〜100倍、特に5〜50倍であることが好ましい。具体的には、柔軟処理を行う際は、全使用水量に対し、(A)成分の濃度が0.01ppm〜1000ppmとなるような量で使用するのが好ましく、さらに好ましくは0.1ppm〜300ppmとなるような量で使用される。
本発明の柔軟剤組成物により処理され得る繊維製品は、特に制限されるものではなく、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツ、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
下記のA−1〜A−4を使用した。
・A−1:カチオン界面活性剤(特開2003−12471の実施例4に記載の化合物)
・A−2:カチオン界面活性剤(東南合成(株)製、商品名:HITEX RO16E)
・A−3:カチオン界面活性剤(Stepan製、商品名:Stepantex SE-88)
・A−4:カチオン界面活性剤(脂肪酸とメチルジエタノールアミンとのモル比1.5:1での反応生成物を塩化メチルで四級化して得られる、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロライドとN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N−ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロライドとの1:1モル混合物。)
[(B)成分]
下記のB−1〜B−5を使用した。
・B−1:高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製 商品名:クラスターデキストリン、重量平均分子量:40万)
・B−2:高分子デキストリン(三和澱粉工業株式会社 商品名:サンデック#30、重量平均分子量:10万)
・B−3(比較例):低分子デキストリン(三和澱粉工業株式会社 商品名: サンデック#185N、重量平均分子量:3000)
・B−4(比較例):βシクロデキストリン(東京化成工業株式会社)
・B−5(比較例):カチオン化デンプン(日本ルーブリゾール株式会社 商品名:SENSOMER CI−50)
[(C)成分]
以下のC−1及びC−2を使用した。
・C−1:塩化カルシウム((株)トクヤマ製 商品名:粒状塩化カルシウム)
・C−2:塩化マグネシウム(和光純薬(株) 商品名:塩化マグネシウム無水物99%)
[(D)成分]
以下のD−1及びD−2を使用した。
・D−1:カプセル香料(ジボダン社製 商品名:GREEN BREEZE CAPS)
・D−2:カプセル冷感剤(ウイルバー・エリス社製 商品名:Multisal Fresh Cool)
[任意成分]
以下の任意成分を使用した。
<(E)成分>
・E−1:ノニオン界面活性剤(1級イソトリデシルアルコールのエチレンオキシド60モル付加物、BASF社製ルテンゾールTO3にエチレンオキサイドを付加させたもの)
・E−2:ノニオン界面活性剤(グリセリルモノステアレート、花王株式会社製 商品名:レオドールMS−50)
・E−3:ノニオン界面活性剤(ペンタエリスリトールテトラパルミテート、花王株式会社製 商品名:エキセパール PE−TP)
<(F)成分>
・F−1:エチレングリコール(三協化学株式会社)
・F−2:グリセリン(阪本薬品工業株式会社)
<(G)成分>
・G−1:表1に記載の香料組成物
Figure 0006565030
<共通成分>
・共通成分1:
Figure 0006565030
各成分の配合量の表記は、調製される液体柔軟剤組成物の総質量に対する各成分の質量%である。
[液体柔軟剤組成物の調製方法]
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、下記表3及び4に記載の通り調整して、次の手順により液体柔軟剤組成物及びベース組成物を調製した。まず、(A)成分、(E)成分、(G)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分1をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(B)成分(B成分を溶解するのに必要なイオン交換水を含む)、(C)成分、(D)成分の合計量を差し引いた残部に相当する。次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。しかる後、(C)成分、(B)成分、(D)成分、および(F)成分を添加した。尚、(B)成分は添加前にイオン交換水に溶解し、30%wt水溶液として用いた。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の柔軟剤組成物(実施例1〜11、13〜16及び比較例1〜6)を得た。
尚、実施例12では、(C)成分である塩化カルシウムを水相混合物中に添加したことを除いては上記と同じ方法で柔軟剤組成物を調製した。
[粘度及びTI値の測定]
上記のとおり調製した各液体柔軟剤組成物について、25℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)により、回転速度6rpmと60rpmのそれぞれの10回転後の粘度値から下記式に基づきTI値を算出した。
TI値=(6rpm粘度値)/(60rpm粘度値)
また、25℃における粘度を、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)を用いて回転速度30rpmの10回転後の粘度値として測定した。
尚、粘度及びTI値は、同組成を3回繰り返し調製して各々測定した値の平均値を算出した。結果を表3及び4に示す。
[粘度のバラつき評価]
各液体柔軟剤組成物について、上記のとおり、3回繰り返し調製して最小と最大の粘度値の差を求め、以下の評価基準により評価を行った。
<評価基準>
4:粘度の差が20mPa・s未満
3:粘度の差が20mPa・s以上、50mPa・s未満
2:粘度の差が50mPa・s以上、100mPa・s未満
1:粘度の差が100mPa・s以上
<判断基準>
3点以上を合格とした。
[(D)成分(マイクロカプセル)の分散安定性評価]
上記のとおり調製した各液体柔軟剤組成物を軽量PSガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に100mL入れて密栓し、(D)成分(マイクロカプセル)の分散性を以下に示す5段階評価法により評価した。評価サンプルは同様に密栓したサンプルを40℃条件下で1ヶ月保管し、専門パネル10名により下記の基準に基づき目視評価を行った。分散安定性を10名の平均値で評価した。結果を表3及び4に示す。
<評価基準>
4:カプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離が認められない
3:極、わずかにカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離が認められるもの
2:わずかにカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離がやや認められるもの
1:はっきりとカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離が認められる
<判断基準>
3点以上を合格とした。
Figure 0006565030
組成表中の数字は質量%を表す。尚、(D)成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する、芯物質として含まれる成分としての量(質量%)である。
Figure 0006565030
組成表中の数字は質量%を表す。尚、(D)成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する、芯物質として含まれる成分としての量(質量%)である。

Claims (5)

  1. (A)エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (B)重量平均分子量1万〜200万の非イオン性グルカン、
    (C)無機塩、及び
    (D)マイクロカプセル
    を含有し、(A)成分の含有量が8〜30質量%、(B)成分の含有量が0.2〜2質量%、(C)成分の含有量が0.002〜0.05質量%であり、(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比が8以上である、液体柔軟剤組成物。
  2. 前記非イオン性グルカンが、環状構造を有し、かつ分岐構造を有する、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
  3. 前記非イオン性グルカンが、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンである、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
  4. (C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比が16以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  5. 25℃に調整された組成物について、回転速度6rpmと60rpmのそれぞれの10回転後の粘度値から下記式に基づき算出したTI値:
    TI値=(6rpm粘度値)/(60rpm粘度値)
    が2.0以上、及び/又は
    25℃における回転速度30rpmの10回転後の粘度値が50〜300mpa・s
    である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
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