JP6565030B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
芯物質として香料組成物を含むマイクロカプセルを含有する液体柔軟剤組成物において、マイクロカプセルに内包する成分と液体製剤の比重とが異なる場合には、長期間保管するとマイクロカプセルが製剤中で浮遊または沈降してしまい、マイクロカプセル自体の凝集・固化・皮膜化などの不具合が生じることが知られている。このような課題に対して特許文献2は、従来の製造方法に比べて、格段に緩やかなせん断をかけ大きな会合体である液晶を形成し、次いで高いせん断によって会合体の大きさを適当なものとしてチキソトロピーを発揮させ、最後に香料組成物を含むマイクロカプセルを添加する事で、分散安定性に優れた組成物が得られることを開示している。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、製造直後の粘度のバラつきが大きく、また細やかな粘度コントロールを行うのは困難であることがわかった。香料組成物を芯物質とするマイクロカプセルは、内包香料により適切な粘度及びTI値が異なるため、細やかな粘度コントロールを必要とする。また、特許文献2に記載の方法で調製した組成物は、40℃の高温条件下でマイクロカプセルが浮遊することがわかった。
しかしながら、特許文献3〜5は、芯物質を含むマイクロカプセルの分散安定性については何ら言及していない。また、特許文献3〜5は、芯物質を含むマイクロカプセルを含有する組成物の粘度についても何ら言及していない。
特許文献6には、貯蔵安定性に優れた繊維製品処理剤組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献6は、芯物質を含むマイクロカプセルを用いた場合の課題については何ら言及していない。
従って、本発明は、製造直後の粘度のバラつきが少なく、マイクロカプセルの分散安定性、特に、高温保存後のマイクロカプセルの分散安定性に優れた液体柔軟剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、このような新規な知見に基づいて完成されたものである。
(A)エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)重量平均分子量1万〜200万の非イオン性グルカン、
(C)無機塩、及び
(D)マイクロカプセル
を含有し、(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比が8以上である、液体柔軟剤組成物が提供される。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(A)成分は、エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
長鎖炭化水素基の炭素数は、10〜26であり、17〜26が好ましく、19〜24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性が良好で、26以下であるとハンドリング性が良好である。長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央周辺に存在していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
該分断基を有する場合、1つの長鎖炭化水素基が有する分断基の数は1つであっても2つ以上であってもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、分断基によって1ヶ所が分断されていてもよく、2ヶ所以上が分断されていてもよい。分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、炭素鎖中に分断基を有する場合、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(A)成分としてのアミン化合物としては、2級アミン化合物又は3級アミン化合物が好ましく、3級アミン化合物がより好ましい。
−CH2CH(Y)OCOR4中、Yは水素原子又はCH3であり、水素原子が特に好ましい。R4は炭素数7〜21の炭化水素基、好ましくは炭素数15〜19の炭化水素基である。式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
R4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60〜100/0が好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10〜0/100、より好ましくは80/20〜0/100である。(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60〜100/0、より好ましくは70/30〜90/10である。(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21〜22の脂肪酸が1質量%未満である。
R9、R10における炭素数7〜21の炭化水素基としては、前記R4における炭素数7〜21の炭化水素基と同様のものが挙げられる。式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
本発明の柔軟剤組成物における(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性の観点から「化合物(A1−2)の4級化物/化合物(A1−3)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1−4)、(A1−5)、(A1−6)の各4級化物の存在比率は、柔軟性の観点から質量比で、化合物(A1−4)の4級化物が1〜60質量%、化合物(A1−5)の4級化物が5〜98質量%、化合物(A1−6)の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−4)の4級化物が30〜60質量%、化合物(A1−5)の4級化物が10〜55質量%、化合物(A1−6)の4級化物が5〜35質量%であることがより好ましい。また、化合物(A1−4)、(A1−5)、(A1−6)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30〜99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分は、重量平均分子量が1万から200万の範囲にある非イオン性グルカンである。グルカンとは、D−グルコピラノースの縮重合体であり、デンプン、グリコーゲン、デキストリン、セルロース等を含む。C1位の立体配置によりα−グルカンとβ−グルカンに分けられ、また、グリコシド結合の位置により1→3、1→4、1→6結合が区別される。本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての非イオン性グルカンは、重量平均分子量が1万から200万の範囲にある限り、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。また、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての非イオン性グルカンは、鎖状構造であってもよく、環状構造を有していてもよい。具体的には、(B)成分として、高分子デキストリン(三和澱粉工業株式会社 商品名:サンデック#30)や、環状構造を有し、かつ分岐構造を有する非イオン性グルカン、例えば、環状構造保有分岐状グルカン(特開2012−120471に記載)、高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製 商品名:クラスターデキストリン)等が用いられ得る。(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
尚、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としてのグルカンは、非イオン性の化合物であり、グルカンの一部が変性されたカチオン性を有するカチオン化デンプンやカチオン化セルロース等は(B)成分に該当しない。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンは、重量平均分子量が3万から100万程度であり、分子内に環状構造を1つ有し、さらにその環状部分に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のデキストリンを主に含む。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は10〜100個程度のグルコースで構成されており、この内分岐環状構造部分に、非環状の多数の分岐グルカン鎖からなる外分岐構造部分が結合している。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分の重合度は、10〜100の範囲である。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の重合度は、40以上である。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、平均で10〜20である。
より詳細には、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンである。本明細書において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104の記載を参酌して理解され得る。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンにおいて、その分岐頻度は、例えば8%以上である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの分岐頻度は、α−1,6分岐の割合によって示される。α−1,6分岐の割合は例えば約10%以上、約11%以上、約12%以上、約13%以上、約14%以上、約15%以上、約16%以上、約17%以上、約20%以上などであり得る。α−1,6分岐の割合に上限はないが、例えば、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下などであり得る。
なお、分岐頻度は、以下の式によって計算される:
分岐頻度(%)={(分岐数)/(分子全体のグルコース単位数)}×100
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカン中の環状構造部分の平均重合度は、好ましくは約10以上であり、より好ましくは約15以上であり、さらに好ましくは約20以上であり、また、好ましくは約500以下であり、より好ましくは約300以下であり、さらに好ましくは約100以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカン中の分岐構造部分の平均重合度は、好ましくは約40以上であり、より好ましくは約100以上であり、さらに好ましくは約300以上であり、さらにより好ましくは約500以上であり、また、好ましくは約4×103以下であり、より好ましくは約3×103以下であり、さらに好ましくは約2×103以下であり、さらにより好ましくは約1×103以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、1種類の重合度のものを単独で用いてもよいし、種々の重合度のものの混合物として用いてもよい。好ましくは、環状構造保有分岐状グルカンの重合度は、最大の重合度のものと最小の重合度のものとの重合度の比が約100以下、より好ましくは約50以下、さらにより好ましくは約10以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、好ましくは、分岐グルカン構造の一部が環を形成している。ここで、環状構造部分とはα−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、そして分岐構造部分とは、該環状構造部分に結合した非環状構造部分である。この分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、好ましくは約2以上であり、より好ましくは約4以上であり、さらに好ましくは約6以上であり、また、好ましくは約20以下であり、より好ましくは18以下であり、さらに好ましくは15以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの分岐の数(すなわち、α−1,6−グルコシド結合の数)は、好ましくは約10個以上であり、より好ましくは約15個以上であり、さらに好ましくは約20個以上であり、また、好ましくは約1000個以下であり、より好ましくは約800個以下であり、さらに好ましくは約500個以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンにおいては、α−1,6−グルコシド結合の数に対するα−1,4−グルコシド結合の数の比(「α−1,6−グルコシド結合の数」:「α−1,4−グルコシド結合の数」)は、好ましくは1:3〜1:13であり、より好ましくは1:4〜1:12であり、さらに好ましくは1:5〜1:10であり、さらに好ましくは1:5〜1:9である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、
i)基質である分岐状グルカンにブランチングエンザイムを作用させ、次いで4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させるか;
ii)基質である分岐状グルカンに4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させ、次いでブランチングエンザイムを作用させるか;または
iii)基質である分岐状グルカンにブランチングエンザイムおよび4−α−グルカノトランスフェラーゼを同時に作用させる
ことにより製造される。
より詳細には、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、特開2012−120471号に記載のものである。本明細書において、環状構造保有分岐状グルカンは、特開2012−120471号の記載を参酌して理解され得る。
また、(B)成分のグルカンの重量平均分子量は1万〜200万であり、好ましくは5万〜100万、より好ましくは10万〜50万である。(B)成分の平均分子量が1万よりも大きいと優れたマイクロカプセルの分散安定化効果を発揮し得る。一方、(B)成分の重量平均分子量が200万よりも大きいと、長期保存後、組成物の分離が生じる場合がある。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分である重量平均分子量が1万から200万の範囲にある非イオン性グルカンに代えて、α−シクロデキストリン(n=6)、β−シクロデキストリン(n=7)、γ−シクロデキストリン(n=8)などのグルコースが6〜8個結合した一般的なシクロデキストリンや低分子デキストリン(例えば、三和澱粉工業株式会社 商品名:サンデック#185N)を柔軟剤組成物中に配合しても、本発明の柔軟剤組成物と同等の優れたマイクロカプセルの分散安定化効果は得られない。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(C)成分は無機塩である。例えば、(C)成分である無機塩としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩化物、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩や、アンモニウム塩等が挙げられる。具体的には、(C)成分である無機塩として、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが好ましく、特に粘度バラつき抑制の点から塩化カルシウムと塩化マグネシウムが好ましい。
(C)成分である無機塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
本発明の柔軟剤組成物において、(C)成分の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.002〜0.4質量%、より好ましくは0.01〜0.15質量%、さらに好ましくは0.02〜0.1%である。但し、脂肪酸塩類などの界面活性剤にはナトリウム塩やカリウム塩が含まれているが、このような界面活性剤の使用によって組成物に混入する無機塩は、上記好ましい配合量において考慮しないものとする。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D)成分はマイクロカプセルである。マイクロカプセルは、芯物質と、当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。マイクロカプセルは様々な機能を付与する目的で使用され、芯物質としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤等を含み得る。このような芯物質の成分は、本発明の技術分野において周知の成分を用いることができる。
(D)成分であるマイクロカプセルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。(D)成分であるマイクロカプセルは、目的に応じて市販の製品から適宜選択することができるが、具体的には以下のものが挙げられる。
芯物質として冷感剤を含むマイクロカプセル、即ち冷感カプセルの具体例としては、SALVONA Technologies社製のMultiSal SalCool、HydroSal FreshCool、SalSphere SalCool、日華化学株式会社製のネオアージュAROMA−C、ウイルバー・エリス社製のMultisal Fresh Cool等が挙げられる。
芯物質として温感剤を含むマイクロカプセル、即ち温感カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンRMC−TO、SALVONA Technologies社製のHydrosal Heat等が挙げられる。
機能性カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンNFHO−W(抗菌効果)、リケンレジン、RMC−HBP(防虫効果)およびRMC−PT(防虫効果)などが挙げられる。
本発明の柔軟剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(D)成分以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、柔軟剤組成物において配合され得る公知の成分を適宜配合することができる。例えば、水、水溶性溶剤、ノニオン界面活性剤、香料組成物、シリコーン、染料及び/又は顔料、防腐剤、紫外線吸収剤、抗菌剤等を含有させることができる。
本発明の柔軟剤組成物は、好ましくは水性組成物であり、水を含むことが好ましい。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
ノニオン界面活性剤は、本発明の柔軟剤組成物が乳化物である場合に、主に、乳化物中での油溶性成分の乳化分散安定性を向上する目的で好ましく用いられ得る。特に、ノニオン界面活性剤を配合すると、商品価値上、充分なレベルの凍結復元安定性が確保されやすい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、多価アルコール、高級アルコール、高級アミン又は高級脂肪酸から誘導されるものを用いることができる。より具体的には、グリセリンまたはペンタエリスリトールに炭素数10〜22脂肪酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはペンタエリスリトール、炭素数10〜22のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(該アルキルの炭素数1〜3)エステル;エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド、エチレンオキシドの平均付加モル数が10〜100モルである硬化ヒマシ油などが挙げられる。中でも、炭素数10〜18のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が20〜80モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
本発明の柔軟剤組成物中のノニオン界面活性剤の含有量は、所望とする機能に応じて決定でき、例えば、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。ノニオン界面活性剤の含有量が下限値以上であると、乳化物中での油溶性成分の乳化分散安定性、乳化物の凍結復元安定性がより向上する。上限値以下であれば、液体柔軟剤組成物の粘度の上昇を抑えて、使用性の面で良好なものとすることができる。
本発明の柔軟剤組成物は、水に加えて、水溶性溶剤を含むことが好ましい。水溶性溶剤としては、低級(炭素数1〜4)アルコール、グリコールエーテル系溶剤及び多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
R11−O−(C2H4O)y−(C3H6O)z−H ・・・(X)
〔式中、R11は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキル基又はアルケニル基である。yおよびzは平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5、zは0〜5、好ましくは0〜2の数を示す。〕
一般式(X)で表わされる水溶性溶剤としては、例えば、ブチルカルビトールやジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
水溶性溶剤として、上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンが好ましい。
水溶性溶剤は、本発明の柔軟剤組成物中に好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0.01〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%配合される。
本発明の柔軟剤組成物中には、上記(D)成分の芯物質として含まれ得る香料組成物とは別に、フリーの香料組成物を配合することができる。本発明の柔軟剤組成物において、フリーの香料組成物として用いることのできる香料組成物は、繊維製品用処理剤組成物、繊維製品用仕上げ剤組成物又は柔軟剤組成物に一般的に使用される香料成分を1種類以上含む香料組成物であり得る。
前記香料成分の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
前記アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、ヘリオナールなどが挙げられる。
前記フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノール、イソオイゲノールなどが挙げられる。
前記アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バクダノール、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
前記エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
前記エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルプロピオネート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、p−クレジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ−β−ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネート、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
前記ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−イオノン、β−イオノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、シス−ジャスモン、メチルイオノン、アリルイオノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンなどが挙げられる。
前記ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ドデカラクトン、クマリン、アンブロキサンなどが挙げられる。
前記ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、ニトロムスク類などが挙げられる。
前記テルペン骨格を有する香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン、カンファー(樟脳)、ボルネオールなどが挙げられる。
前記天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油、タイム油などの精油が挙げられる。
前記動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香、竜涎香などが挙げられる。
これら溶剤の使用量は、香料組成物中に、例えば、0.1〜30質量%配合されるが、好ましくは1〜20質量%配合される。
ClogP値とは、化学物質について、1−オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値である。前記ClogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数・f値を積算して求めることができる(例えば、Clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger, Version 1,March 1994 参照)。
一般に、香料はClogP値が大きいほど疎水的であることから、ClogP値が小さい香料成分を多く含む香料組成物は、ClogP値が大きい香料成分を多く含む香料組成物よりも親水的な香料組成物であるといえる。
本発明の柔軟剤組成物において、フリーの香料組成物の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物全体の総質量に対して、0.01〜5質量%、好ましくは0.3〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。フリーの香料組成物の配合量が0.01質量%より少ないと香気が弱く、香り持続性効果が分かりにくい。フリーの香料組成物の配合量が5質量%より多いと高温での保存安定性が低下する場合がある。
香りの持続性(発香性)及び柔軟性を向上させる目的で、さらにシリコーン化合物を配合することができる。本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得るシリコーン化合物とは別に、フリーのシリコーン化合物を配合することができる。シリコーン化合物は、その種類に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいし、また、架橋していてもよい。また、シリコーン化合物は変性シリコーン化合物であってもよく、前記変性シリコーン化合物は、1種の有機官能基により変性されたものであってもよいし、2種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用することができ、また任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態でも使用することができる。
シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、アルキルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体などが挙げられる。なお、前記アルキルシロキサンのアルキル基の炭素数としては、1〜3が好ましく、また、前記ポリオキシアルキレンのアルキレン基の炭素数としては、2〜5が好ましい。これらの中でも、前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が好ましい。このようなポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物などが挙げられる。
前記一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを、白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。したがって、前記ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、前記ポリエーテル変性シリコーン中での存在量としては、30ppm以下(Si−Hの量として)であることが好ましい。
前記一般式(II)で表される線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。このようなポリエーテル変性シリコーンは、側鎖のポリオキシアルキレン鎖が長く、ポリシロキサン鎖の重合度が大きいものほど粘度が高くなるので、製造時の作業性改善及び水性組成物への配合を容易にするために、水溶性有機溶剤とのプレミックスの形で配合に供することが好ましい。該水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーンとしては、より具体的には、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製の、SH3772M、SH3775M、FZ−2166、FZ−2120、L−720、SH8700、L−7002、L−7001、SF8410、FZ−2164、FZ−2203、FZ−2208、信越化学工業(株)製の、KF352A、KF615A、X−22−6191、X−22−4515、KF−6012、KF−6004等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のTSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4452、TSF4460等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては商業的に入手できるものを使用することができ、例えば、アミノ変性シリコーンオイルとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SF―8417、BY16−892、BY16−890で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、KF−864、KF−860、KF−8004、KF−8002、KF−8005、KF−867、KF−861、KF−880、KF−867Sなどが挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンタイプのものとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SM8904、BY22−079、FZ−4671、FZ−4672で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、Polonシリーズで販売されているPolonMF−14、PolonMF−29、PolonMF−14D、PolonMF−44、PolonMF−14EC、PolonMF−52で販売されているもの、旭化成ワッカーシリコーン株式会社から、WACKER FC201、WACKER FC218で販売されているものがあげられる。
ジメチルシリコーンの動粘度としては、特に制限はなく、1〜100,000,000mm2/sが好ましく、10〜10,000,000mm2/sがより好ましく、100〜1,000,000mm2/sが更に好ましい。また、オイルであっても、エマルジョンであってもよい。
本発明の柔軟剤組成物の外観を向上する目的で染料及び/又は顔料を配合することができる。本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得る染料及び/又は顔料とは別に、フリーの染料及び/又は顔料を配合することができる。好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。
本発明の柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料、反応性染料が好ましく、その配合量は組成物全体に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
本発明の柔軟剤組成物に用いられる染料としては、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報又は特開2001−348784号公報などに記載されている染料を用いることもできる。
防腐剤は、主に、防腐力、殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために本発明の柔軟剤組成物において用いられ得る。本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得る防腐剤とは別に、フリーの防腐剤を配合することができる。
防腐剤としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、又はこれらの混合物などが挙げられる。中でも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)、又はこれらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
本発明の柔軟剤組成物中、防腐剤の配合量は、柔軟剤組成物の総量に対して、0.0001〜1質量%であることが好ましい。防腐剤の配合量が下限値未満であると、防腐剤の添加効果が得られにくく、上限値を超えると、保存安定性が低下するおそれがある。
紫外線吸収剤は、紫外線を防御する効果のある薬剤であり、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出する成分である。
紫外線吸収剤としては、例えば、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p−メトキシケイ皮酸エチル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、p−メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4−t−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
抗菌剤は、繊維上での菌の増殖を抑え、さらには微生物の分解物由来の嫌なにおいの発生を抑える効果を有する成分である。本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得る抗菌剤とは別に、フリーの抗菌剤を配合することができる。
抗菌剤としては、例えば、四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム)などの陽イオン殺菌剤、ダイクロサン、トリクロサン、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、8−オキシキノリン、ポリリジン等が挙げられる。
これら任意成分は、本発明の柔軟剤組成物において、上記(D)成分の芯物質として含まれ得るものとは別に配合することができる。
本発明の柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の分子中に含まれるエステル基の加水分解を抑制する目的で、pHを1〜6の範囲に調整することが好ましく、2〜4の範囲であることがより好ましい。pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
本発明の柔軟剤組成物の粘度は特に限定されないが、下記のように測定したTI(チキソトロピーインデックス)値が2.0以上を有し、さらに25℃における粘度が50〜300mpa・sであることが好ましい。
ここでTI値とは、25℃に調整された各組成物について、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)により、回転速度6rpmと60rpmのそれぞれの10回転後の粘度値から下記式に基づき、算出した値である。
TI値=(6rpm粘度値)/(60rpm粘度値)
また、25℃における粘度とは上記の回転数30rpm時の粘度である。このTI値はせん断速度(粘度計の回転数)と粘度の依存性を測定し、チキソトロピー性を表す指標として用いられている。
本発明の液体柔軟剤組成物では、チキソトロピー性を示すTI値の範囲が、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.0〜5.0未満、さらに好ましくは2.5〜4.0である。TI値が2.0以上の場合、優れたチキソトロピー性が得られ、(D)成分の分散安定性がより向上する。一方、5.0を越えると、チキソトロピー性が高まり(D)成分の分散安定性が良好になるものの、液体柔軟剤組成物の計量時に組成物をキャップに取り出しにくい等の不具合が生じる場合がある。
さらに、本発明の液体柔軟剤組成物は、上記の25℃における、粘度計の回転数が30rpm時の粘度が50〜300mpa・sの範囲内であると、(D)成分の分散安定性が良好となり、液体柔軟剤としての取り扱いやすさも良好となる。
本発明の柔軟剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(A)成分、(E)成分を含む油相と、(B)成分を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、得られた乳化物に(C)成分、(D)成分と必要に応じて他の成分を添加、混合することにより製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分、(E)成分と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
水相は、水と(B)成分と必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
尚、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分の添加方法は、上記記載の添加方法に限定されない。すなわち、(B)成分は、乳化物が得られた後、水溶液として添加、混合することにより製造することができる。(C)成分および(D)成分は、水相に添加することも可能である。また(E)成分は、油相と水相に分割して添加することもでき、全量水相に添加することも可能である。
本発明の柔軟剤組成物による衣類等の繊維製品の処理方法は特に制限されるものではなく、従来の使用方法と同様に用いることができる。例えば洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に本発明の柔軟剤組成物を溶解させて処理を行う、またはたらいのような容器を用い本発明の柔軟剤組成物を水に溶解させ、更に衣料を入れて浸漬処理する方法があるが、その場合は適度な濃度に希釈して使用される。その場合、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3〜100倍、特に5〜50倍であることが好ましい。具体的には、柔軟処理を行う際は、全使用水量に対し、(A)成分の濃度が0.01ppm〜1000ppmとなるような量で使用するのが好ましく、さらに好ましくは0.1ppm〜300ppmとなるような量で使用される。
本発明の柔軟剤組成物により処理され得る繊維製品は、特に制限されるものではなく、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツ、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
下記のA−1〜A−4を使用した。
・A−1:カチオン界面活性剤(特開2003−12471の実施例4に記載の化合物)
・A−2:カチオン界面活性剤(東南合成(株)製、商品名:HITEX RO16E)
・A−3:カチオン界面活性剤(Stepan製、商品名:Stepantex SE-88)
・A−4:カチオン界面活性剤(脂肪酸とメチルジエタノールアミンとのモル比1.5:1での反応生成物を塩化メチルで四級化して得られる、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロライドとN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N−ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロライドとの1:1モル混合物。)
下記のB−1〜B−5を使用した。
・B−1:高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製 商品名:クラスターデキストリン、重量平均分子量:40万)
・B−2:高分子デキストリン(三和澱粉工業株式会社 商品名:サンデック#30、重量平均分子量:10万)
・B−3(比較例):低分子デキストリン(三和澱粉工業株式会社 商品名: サンデック#185N、重量平均分子量:3000)
・B−4(比較例):βシクロデキストリン(東京化成工業株式会社)
・B−5(比較例):カチオン化デンプン(日本ルーブリゾール株式会社 商品名:SENSOMER CI−50)
以下のC−1及びC−2を使用した。
・C−1:塩化カルシウム((株)トクヤマ製 商品名:粒状塩化カルシウム)
・C−2:塩化マグネシウム(和光純薬(株) 商品名:塩化マグネシウム無水物99%)
以下のD−1及びD−2を使用した。
・D−1:カプセル香料(ジボダン社製 商品名:GREEN BREEZE CAPS)
・D−2:カプセル冷感剤(ウイルバー・エリス社製 商品名:Multisal Fresh Cool)
以下の任意成分を使用した。
<(E)成分>
・E−1:ノニオン界面活性剤(1級イソトリデシルアルコールのエチレンオキシド60モル付加物、BASF社製ルテンゾールTO3にエチレンオキサイドを付加させたもの)
・E−2:ノニオン界面活性剤(グリセリルモノステアレート、花王株式会社製 商品名:レオドールMS−50)
・E−3:ノニオン界面活性剤(ペンタエリスリトールテトラパルミテート、花王株式会社製 商品名:エキセパール PE−TP)
・F−1:エチレングリコール(三協化学株式会社)
・F−2:グリセリン(阪本薬品工業株式会社)
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、下記表3及び4に記載の通り調整して、次の手順により液体柔軟剤組成物及びベース組成物を調製した。まず、(A)成分、(E)成分、(G)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分1をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(B)成分(B成分を溶解するのに必要なイオン交換水を含む)、(C)成分、(D)成分の合計量を差し引いた残部に相当する。次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。しかる後、(C)成分、(B)成分、(D)成分、および(F)成分を添加した。尚、(B)成分は添加前にイオン交換水に溶解し、30%wt水溶液として用いた。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の柔軟剤組成物(実施例1〜11、13〜16及び比較例1〜6)を得た。
尚、実施例12では、(C)成分である塩化カルシウムを水相混合物中に添加したことを除いては上記と同じ方法で柔軟剤組成物を調製した。
上記のとおり調製した各液体柔軟剤組成物について、25℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)により、回転速度6rpmと60rpmのそれぞれの10回転後の粘度値から下記式に基づきTI値を算出した。
TI値=(6rpm粘度値)/(60rpm粘度値)
また、25℃における粘度を、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)を用いて回転速度30rpmの10回転後の粘度値として測定した。
尚、粘度及びTI値は、同組成を3回繰り返し調製して各々測定した値の平均値を算出した。結果を表3及び4に示す。
各液体柔軟剤組成物について、上記のとおり、3回繰り返し調製して最小と最大の粘度値の差を求め、以下の評価基準により評価を行った。
<評価基準>
4:粘度の差が20mPa・s未満
3:粘度の差が20mPa・s以上、50mPa・s未満
2:粘度の差が50mPa・s以上、100mPa・s未満
1:粘度の差が100mPa・s以上
<判断基準>
3点以上を合格とした。
上記のとおり調製した各液体柔軟剤組成物を軽量PSガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に100mL入れて密栓し、(D)成分(マイクロカプセル)の分散性を以下に示す5段階評価法により評価した。評価サンプルは同様に密栓したサンプルを40℃条件下で1ヶ月保管し、専門パネル10名により下記の基準に基づき目視評価を行った。分散安定性を10名の平均値で評価した。結果を表3及び4に示す。
<評価基準>
4:カプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離が認められない
3:極、わずかにカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離が認められるもの
2:わずかにカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離がやや認められるもの
1:はっきりとカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離が認められる
<判断基準>
3点以上を合格とした。
Claims (5)
- (A)エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)重量平均分子量1万〜200万の非イオン性グルカン、
(C)無機塩、及び
(D)マイクロカプセル
を含有し、(A)成分の含有量が8〜30質量%、(B)成分の含有量が0.2〜2質量%、(C)成分の含有量が0.002〜0.05質量%であり、(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比が8以上である、液体柔軟剤組成物。 - 前記非イオン性グルカンが、環状構造を有し、かつ分岐構造を有する、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
- 前記非イオン性グルカンが、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンである、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
- (C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比が16以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
- 25℃に調整された組成物について、回転速度6rpmと60rpmのそれぞれの10回転後の粘度値から下記式に基づき算出したTI値:
TI値=(6rpm粘度値)/(60rpm粘度値)
が2.0以上、及び/又は
25℃における回転速度30rpmの10回転後の粘度値が50〜300mpa・s
である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014250627A JP6565030B2 (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | 液体柔軟剤組成物 |
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---|---|---|---|
JP2014250627A JP6565030B2 (ja) | 2014-12-11 | 2014-12-11 | 液体柔軟剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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