JP2023051095A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な消臭性能を有し、液分離及び斑状の外観を抑制できる液体柔軟剤組成物を提供する。【解決手段】(A)~(C)成分:(A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物;(B)特定の4級アンモニウム塩;(C)ウレタン骨格を有するノニオン性高分子を含有し、(B)成分の含有量が1質量%以下である液体柔軟剤組成物。前記(B)成分として、具体的にはヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化セチルピリジニウム等が示される。【選択図】なし

Description

本発明は、液体柔軟剤組成物に関する。詳細には、良好な消臭性能を有し、液分離及び斑上の外観を抑制できる液体柔軟剤組成物に関する。
近年、日本国内における柔軟剤の市場規模は拡大傾向にあり、なかでも消臭機能を有する柔軟剤のシェアは年々伸長している。一方、現在の消臭技術の多くは、香りによるマスキングに頼っており、スメルハラスメント等の問題が懸念されている。
そこで、香りに頼らない消臭技術が求められている。その従来技術の具体例として、特定のカチオン界面活性剤と4級アンモニウム塩とノニオン界面活性剤とを特定量で配合する技術や、特定の4級アンモニウム塩とβ-グルクロニダーゼ阻害物質とを配合する技術が知られている(特許文献1及び2)。また、液体柔軟剤分野では、凍結復元性の向上、カプセル化香料の分散性向上、日光への暴露による固形物析出の抑制や、透明な外観の維持を目的として4級アンモニウム塩を配合する技術が知られている(特許文献3~7)。
特開2019-131943号公報 特開2016-65341号公報 特開2015-4145号公報 特開2015-34371号公報 特開2013-133547号公報 特開2014-125692号公報 特開2019-94581号公報
香りに頼らない消臭技術としては、洗濯乾燥中の菌の増殖を抑制すべく、抗菌剤を活用することなどが考えられる。しかしながら、柔軟性を付与するカチオン界面活性剤と消臭性・抗菌性を付与する抗菌剤(特定の4級アンモニウム塩)を組み合わせた場合、液分離や斑状の外観が生じるなど、製剤の安定性と性能との両立が非常に困難という課題を新たに見出した。
そこで、本発明は、良好な消臭性能を有し、液分離及び斑状の外観を抑制できる液体柔軟剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、カチオン界面活性剤を主剤とし、特定の4級アンモニウム塩を含む液体柔軟剤組成において、ウレタン系のノニオン性高分子を配合することで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、例えば、下記〔1〕~〔7〕に関するものである。
〔1〕以下の(A)~(C)成分:
(A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物;
(B)下記(B-1)成分及び(B-2)成分から選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩;
(B-1)成分
一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩
Figure 2023051095000001
(式中、R1は炭素数8~18の炭化水素基であり、R2、R3及びR4は独立して炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、Xは陰イオンを表す。)
(B-2)成分
一般式(B2)で表される4級アンモニウム塩
Figure 2023051095000002
(式中、R5は炭素数8~18の炭化水素基であり、Xは陰イオンを表す。)
及び
(C)ウレタン骨格を有するノニオン性高分子
を含有し、(B)成分の含有量が1質量%以下である、液体柔軟剤組成物。
〔2〕(A)成分の含有量が4質量%以上13質量%未満である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔3〕(D)高度分岐環状デキストリンを更に含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔4〕(B-1)成分を含有する場合、式(B1)中のR1が炭素数12~16の炭化水素基であり、(B-2)成分を含有する場合、式(B2)中のR5が炭素数12~16の炭化水素基である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
〔5〕(B-1)成分を含有する場合、(B-1)成分の含有量が0.01~1質量%であり、(B-2)成分を含有する場合、(B-2)成分の含有量が0.001~0.5質量%である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
〔6〕(C)成分の含有量が0.001~0.1質量%である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
〔7〕(E)1~5質量%のノニオン界面活性剤を更に含有する、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
本発明の液体柔軟剤組成物によれば、良好な消臭性をもたらし、液分離及び斑状の外観を抑制することができる。斑上の外観は、液体柔軟剤組成物の保管後に目視で確認できる液体の状態であり、単なる液分離とは異なる指標である。
以下、本発明について詳述する。
[(A)成分]
(A)成分は、「エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」であるカチオン界面活性剤である。
(A)成分は柔軟基材であり、繊維製品へ柔軟性(風合い)を付与する効果を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合する。
炭素数10~26の炭化水素基(以下、「長鎖炭化水素基」ともいう)の炭素数は、17~26が好ましく、18~24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性付与効果が良好であり、26以下であると液体柔軟剤組成物のハンドリング性が良好である。
長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央周辺に存在していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても、構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、分断基によって分断されている。分断は1ヶ所でもよく、2ヶ所以上であってもよい。好ましくは1ヶ所である。
分断基はエステル基(-COO-)又はアミド基(-NHCO-)である。長鎖炭化水素基が分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
「エステル基(-COO-)又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物(以下、本明細書において「アミン化合物」ということがある)」における長鎖炭化水素基の数は1~3個である。好ましくは2個(2級アミン化合物)又は3個(3級アミン化合物)であり、より好ましくは3個である。
アミン化合物としては、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023051095000003
(式中、R1~R3はそれぞれ独立に、-CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7~21の炭化水素基である)、-(CH2nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7~21の炭化水素基である)、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、
1~R3のうちの少なくとも1つは、-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5である。)
一般式(A1)における基「-CH2CH(Y)OCOR4」中、Yとしては水素原子が好ましい。
4としては、炭素数15~19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
4の炭化水素基は、炭素数8~22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4の素となる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。なかでも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10~0/100が好ましく、90/10~40/60より好ましく、90/10~70/30が特に好ましい。
4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60~100/0が好ましく、70/30~90/10が特に好ましい。
4の素となる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10~60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10~60)などが挙げられる。なかでも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)~(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10~0/100、より好ましくは90/10~40/60、特に好ましくは90/10~70/30である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60~100/0、より好ましくは70/30~90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21~22の脂肪酸が1質量%未満である。
一般式(A1)における、基「-(CH2nNHCOR5」中、nとしては3が好ましい。
5としては、炭素数15~19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
5としては、R4と同様のものが具体的に挙げられる。
一般式(A1)において、R1~R3のうち、少なくとも1つは-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)である。R1~R3のうち2つが、-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)であることが好ましい。
1~R3のうち、1つ又は2つが-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)である場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH、又は、-(CH2nNH2であることが好ましい。ここで、炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。-CH2CH(Y)OHにおけるYは、-CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。-(CH2nNH2におけるnは、-(CH2nNHCOR5中のnと同様である。
一般式(A1)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(A1-1)~(A1-7)で表される3級アミン化合物が挙げられる。
Figure 2023051095000004
((A1-1)~(A1-7)の各式中、R9はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基であり、(A1-6)~(A1-7)の各式中、R10はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基である。)
9及びR10における炭素数7~21の炭化水素基としては、前記一般式(A1)のR4における炭素数7~21の炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である。なお、一般式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。
アミン化合物の塩は、アミン化合物を酸で中和することにより得られる。中和に用いる酸は有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸や、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は公知の方法により実施できる。
アミン化合物の4級化物は、アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキルや、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は公知の方法により実施できる。
一般式(A1)及び(A1-1)~(A1-7)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、一般式(A1-1)で表される化合物(以下「化合物(A1-1)」という)及び一般式(A1-2)で表される化合物(以下「化合物(A1-2)」という)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物と、メチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性付与を良好にする観点から、「化合物(A1-1)/化合物(A1-2)」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性付与の観点から「化合物(A1-1)の4級化物/化合物(A1-2)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1-3)で表される化合物(以下「化合物(A1-3)」という)、一般式(A1-4)で表される化合物(以下「化合物(A1-4)」という)及び一般式(A1-5)で表される化合物(以下「化合物(A1-5)」という)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、化合物(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性付与の観点から、化合物(A1-3)が1~60質量%、化合物(A1-4)が5~98質量%、化合物(A1-5)が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-3)が30~60質量%、化合物(A1-4)が10~55質量%、化合物(A1-5)が5~35質量%であることがより好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1-3)、(A1-4)、(A1-5)の各4級化物の存在比率は、柔軟性付与の観点から質量比で、化合物(A1-3)の4級化物が1~60質量%、化合物(A1-4)の4級化物が5~98質量%、化合物(A1-5)の4級化物が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-3)の4級化物が30~60質量%、化合物(A1-4)の4級化物が10~55質量%、化合物(A1-5)の4級化物が5~35質量%であることがより好ましい。
なお、化合物(A1-3)、(A1-4)、(A1-5)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30~99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
一般式(A1-6)で表される化合物(以下「化合物(A1-6)」という)及び一般式(A1-7)で表される化合物(以下「化合物(A1-7)という」)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物と、N-メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物より、J.Org.Chem.,26,3409(1960)に記載の公知の方法で合成したN-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-1,3-プロピレンジアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、「化合物(A1-6)/化合物(A1-7)」で表される存在比率が質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
またその4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1-6)の4級化物/化合物(A1-7)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
(A)成分としては、
一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、
一般式(A1-1)~(A1-7)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、
一般式(A1-3)~(A1-5)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
(A)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか、又は調製可能である。
(A)成分は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用(例えば、一般式(A1-3)~(A1-5)で表される化合物の混合物)してもよい。
(A)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは4質量%以上13質量%未満、より好ましくは6~12質量%、更に好ましくは8~12質量%である。(A)成分の配合量が4質量%以上であると、より良好な柔軟性付与が可能であり、(A)成分の配合量が13質量%未満であると、液体柔軟剤組成物の増粘が抑制されてより良好な安定性の担保が可能となる。
[(B)成分]
(B)成分は、下記(B-1)成分及び(B-2)成分から選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩である。本発明の液体柔軟剤組成物において、(B)成分は、消臭性・抗菌性付与のために配合される。
<(B-1)成分>
(B-1)成分は、一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩である。
Figure 2023051095000005
(式中、R1は炭素数8~18の炭化水素基であり、R2、R3及びR4は独立して炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、Xは陰イオンを表す。)
式(B1)において、R1は、好ましくは炭素数12~16の炭化水素基であり、更に好ましくは炭素数16の炭化水素基である。R1の炭化水素基は飽和でも不飽和でもよく、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
式(B1)において、R2、R3及びR4の具体例としては、メチル基、エチル基やヒドロキシエチル基が挙げられ、好ましくはメチル基である。
式(B1)において、Xとしては、メチル硫酸、臭素や塩素等が挙げられ、塩素が好ましい。
(B-1)成分は、公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか、又は調製可能である。
(B-1)成分の具体例としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(B-2)成分は、一般式(B2)で表される4級アンモニウム塩である。
Figure 2023051095000006
(式中、R5は炭素数8~18の炭化水素基であり、Xは陰イオンを表す。)
式(B2)において、R5は、好ましくは炭素数8~18のアルキル基又はアルケニル基であり、より好ましくは炭素数12~18のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数16のアルキル基である。
(B-2)成分は、公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか、又は調製可能である。
(B-2)成分の具体例としては、塩化セチルピリジニウムが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(B)成分は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、1質量%以下であり、好ましくは0.001~1質量%である。(B)成分の配合量が1質量%以下であると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果が良好である。(B)成分の配合量が0.001質量%以上であると、より良好な消臭効果・抗菌効果の付与が可能である。
(B-1)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01~1質量%、より好ましくは0.1~0.8%、更に好ましくは0.1~0.5%である。(B-1)成分の配合量が0.01質量%以上であると、より良好な消臭効果・抗菌効果の付与が可能である。(B-1)成分の配合量が1質量%以下であると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果が良好である。
(B-2)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~0.5質量%、より好ましくは0.01~0.3質量%、更に好ましくは0.02~0.2質量%である。(B-2)成分の配合量が0.001質量%以上であると、より良好な消臭効果・抗菌効果の付与が可能である。(B-2)成分の配合量が0.5質量%以下であると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果がより向上する。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(B)成分に対する(A)成分の質量比A/Bは、特に限定されないが、好ましくは10~1000である。A/Bが10~1000の範囲にあると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に保持しつつ、より高い消臭性が得られる。ある一定量の(B)成分が液体柔軟剤組成物中に配合されると、ベシクル膜に作用し、安定性への影響が考えられ得ることから、A/Bが大きいほど液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に得ることができる。一方で、(B)成分の配合量が多い、即ち、A/Bが小さいほど消臭性はより良好になる。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(B-1)成分に対する(A)成分の質量比A/B-1は、特に限定されないが、好ましくは10~200であり、より好ましくは20~100であり、更に好ましくは20~50である。A/B-1が10~200の範囲にあると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に保持しつつ、より高い消臭性が得られる。ある一定量の(B-1)成分が液体柔軟剤組成物中に配合されると、ベシクル膜に作用し、安定性への影響が考えられ得ることから、A/B-1が大きいほど液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に得ることができる。一方で、(B-1)成分の配合量が多い、即ち、A/B-1が小さいほど消臭性はより良好になる。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(B-2)成分に対する(A)成分の質量比A/B-2は、特に限定されないが、好ましくは20~1000であり、より好ましくは30~500であり、更に好ましくは50~250である。A/B-2が20~1000の範囲にあると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に保持しつつ、より高い消臭性が得られる。ある一定量の(B-2)成分が液体柔軟剤組成物中に配合されると、ベシクル膜に作用し、安定性への影響が考えられ得ることから、A/B-2が大きいほど液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に得ることができる。一方で、(B-2)成分の配合量が多い、即ち、A/B-2が小さいほど消臭性はより良好になる。
[(C)成分]
(C)成分は、ウレタン骨格を有するノニオン性高分子である。本発明の液体柔軟剤組成物において、(C)成分は、液分離及び斑状の外観を抑制する効果を付与するために配合される。また、(C)成分は、構造粘性付与のためにも配合され得る。
(C)成分は、好ましくは、分子末端に疎水基を有し、分子内部にウレタン骨格を有するノニオン性高分子である。これは、高分子の主鎖にウレタン結合を含む構造単位を繰り返し含むものである。分子末端とは、分子の両末端であり得る。特には、(C)成分は、分子両末端に疎水基を有し、分子内部に親水基とウレタン骨格を有するノニオン性高分子であり得る。このような(C)成分は、レオロジー調節剤であり得る。
(C)成分がレオロジー調節剤として機能する機構の一つは、会合体を形成することであり得る。例えば、(C)成分中の疎水基が、(A)成分が形成するベシクル粒子と会合し得((C)成分を介してベシクル粒子同士を繋ぐことで形成される構造を架橋構造と呼ぶ。)、及び/又は(C)成分中の疎水基同士が会合し得る。
(C)成分が有し得る疎水基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基等の、直鎖若しくは分岐鎖、又は環状の炭化水素基、置換されていてもよいアリール基やアリールアルキル基等が挙げられる。
(C)成分が有し得る親水基としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルケニレン等が挙げられる。
(C)成分は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
(C)成分の市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のRHEOBYK-H 7625 VF(旧名称:OPTIFLO-H 7625 VF)、RHEOBYK-H 7500 VF(旧名称:OPTIFLO-H 7500 VF)、RHEOBYK-H 6500 VF(旧名称:OPTIFLO-H 6500 VF)、RHEOBYK-H 3300 VF(旧名称:OPTIFLO-H 3300 VF)、RHEOBYK-M 2600 VF(旧名称:OPTIFLO-M 2600 VF)、RHEOBYK-L 1400 VF(旧名称:OPTIFLO-L 1400 VF)、ダウケミカル日本株式会社製のアキュリン(Aculyn)44、Acusol 880、Acusol 882、及びBASF社製のRheovis PU1190、Rheovis PU1341が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(C)成分の製法の一例としては、ポリオールと過剰量のジイソシアネートを反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを形成させ、次いで、疎水基となる構造を有するモノアミン(例えば、1級モノ長鎖アミン)とジアミンの混合物を使用して(C)成分を製造することが挙げられる。用いられ得るポリオールとしては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられ、ポリオールは(C)成分における親水基を構成することとなる。用いられ得るモノアミンとしては、脂肪族アミン、アリール脂肪族アミン、及び芳香族アミン等が挙げられる。また、(C)成分は、ポリオールと、ジイソシアネートと、疎水基となる構造を有するアルコールとから製造することもできる。(C)成分の製法はこれらに限定されるものではない。
(C)成分の質量平均分子量は特に限定されないが、例えば、1,000~1,000,000であり、好ましくは2,000~500,000、より好ましくは5,000~300,000であり得る。
(C)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類を併用してもよい。
(C)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~0.1質量%、より好ましくは0.002~0.05質量%、更に好ましくは0.003~0.03質量%である。(C)成分の配合量が0.001質量%以上であると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果がより向上し、(C)成分の配合量が0.1質量%以下であると、使用性がより良好になる。本発明において、(C)成分の配合量はこのようにごく少量でも優れた効果が得られる点で有利である。
また、下記(D)成分を液体柔軟剤組成物に更に配合する場合には、(C)成分の配合量を更に減らしても、液分離及び斑状の外観を抑制する効果を良好に得ることができる。例えば、下記(D)成分を液体柔軟剤組成物に更に配合する場合、(C)成分の配合量は、0超~0.1質量%であってよく、好ましくは0超~0.05質量%、より好ましくは0.001~0.03質量%であり得る。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(C)成分に対する(B)成分の質量比B/Cは、特に限定されないが、好ましくは1~500である。ある一定量の(C)成分が液体柔軟剤組成物中に配合されると、ベシクル粒子同士の凝集性を抑制し、安定性が改善する方向に働くことから、B/Cが小さいほど液分離及び斑状の外観を抑制する効果がより良好であり、B/Cが大きいほど使用性がより良好である。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(C)成分に対する(B-1)成分の質量比B-1/Cは、特に限定されないが、好ましくは1~300であり、より好ましくは5~200であり、更に好ましくは10~100である。B-1/Cが1~300の範囲にあると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に保持しつつ、使用性も良好となる。ある一定量の(C)成分が液体柔軟剤組成物中に配合されると、ベシクル粒子同士の凝集性を抑制し、安定性が改善する方向に働くことから、B-1/Cが小さいほど液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に得ることができる。一方で、(C)成分の配合量が少ない、即ち、B-1/Cが大きいほど使用性はより良好になる。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(C)成分に対する(B-2)成分の質量比B-2/Cは、特に限定されないが、好ましくは1~100であり、より好ましくは2~50であり、更に好ましくは3~30である。B-2/Cが1~100の範囲にあると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に保持しつつ、使用性も良好となる。ある一定量の(C)成分が液体柔軟剤組成物中に配合されると、ベシクル粒子同士の凝集性を抑制し、安定性が改善する方向に働くことから、B-2/Cが小さいほど液分離及び斑状の外観を抑制する効果をより良好に得ることができる。一方で、(C)成分の配合量が少ない、即ち、B-2/Cが大きいほど使用性はより良好になる。
[(D)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(D)成分として高度分岐環状デキストリンを更に含有してもよい。本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分は、液分離及び斑状の外観を抑制する効果の更なる向上、消臭性の更なる向上、及び/又は構造粘性付与のために配合され得る。
高度分岐環状デキストリンとは、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンであって、ここで、内分岐環状構造部分とは、α-1,4-グルコシド結合とα-1,6-グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である、グルカンである。
本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンは、重量平均分子量が3万から100万程度であり、分子内に環状構造を1つ有し、さらにその環状部分に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のデキストリンを主に含む。
本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は、10~100個程度のグルコースで構成されており、この内分岐環状構造部分に、非環状の多数の分岐グルカン鎖からなる外分岐構造部分が結合している。
例えば、本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンの重合度は50~5000の範囲にある。
例えば、本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分の重合度は、10~100の範囲である。
例えば、本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の重合度は、40以上である。
例えば、本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、平均で10~20である。
本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンは、例えば、デンプンを原料として、ブランチングエンザイムという酵素を作用させて製造される。原料であるデンプンは、グルコースがα-1,4-グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α-1,6-グルコシド結合によって複雑に分岐した構造をもつアミロペクチンからなり、アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。使用酵素であるブランチングエンザイムは、動植物、微生物に広く分布するグルカン鎖転移酵素であり、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
より詳細には、本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンは、特開平8-134104に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンである。本明細書において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8-134104の記載を参酌して理解され得る。
具体例としては、本発明の液体柔軟剤組成物において、(D)成分として配合され得る高度分岐環状デキストリンは、グリコ栄養食品株式会社製「クラスターデキストリン」(商品名)である。
(D)成分の配合量は、特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01~2質量%、より好ましくは0.1~2質量%、更に好ましくは0.5~1.5質量%である。(D)成分の配合量が0.01質量%以上であると、液分離及び斑状の外観を抑制する効果がより向上し、(D)成分の配合量が2質量%以下であると、凍結復元性、分散安定性、及び/又は使用性がより良好になる。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(D)成分に対する(C)成分の質量比C/Dは、特に限定されないが、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.001~0.1、更に好ましくは0.003~0.05である。C/Dが大きいほど液分離及び斑状の外観を抑制する効果がより良好であり、C/Dが小さいほど使用性がより良好である。
[(E)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物は、(E)成分としてノニオン界面活性剤を更に含有してもよい。本発明の液体柔軟剤組成物において、(E)成分は、構造粘性付与及び/又は凍結復元後の粘度安定性向上のために配合され得る。
ノニオン界面活性剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。例としては、多価アルコール、高級アルコール、高級アミン又は高級脂肪酸から誘導されるものを使用できる。より具体的には、グリセリンまたはペンタエリスリトールに炭素数10~22の脂肪酸がエステル結合してなるグリセリン脂肪酸エステルまたはペンタエリスリトール;炭素数10~22のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数が10~100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(該アルキルの炭素数1~3)エステル;EOの平均付加モル数が10~100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン;炭素数8~18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド;EOの平均付加モル数が10~100モルである硬化ヒマシ油等が挙げられる。なかでも、炭素数10~18のアルキル基を有し、EOの平均付加モル数が20~80モル(好ましくは40~80モル、更に好ましくは50~70モル)のポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、一級イソトリデシルアルコール(炭素数13)にEOを平均60モル付加したもの、ラウリルアルコール(炭素数12)にEOを平均40モル付加したものや、ラウリルアルコール(炭素数12)にEOを平均20モル付加したもの等が挙げられる。
(E)成分は公知物質であり、市場で容易に入手可能であるか、又は調製可能である。
(E)成分は、1種類を単独で用いてもよく、複数種類を併用してもよい。
(E)成分の配合量は、特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは1質量%以上3質量%未満、より好ましくは1.5質量%以上3質量%未満、更に好ましくは1.5質量%以上2.5質量%以下である。(E)成分の配合量が1質量%以上であると、構造粘性を付与でき、かつ凍結復元後の粘度安定性も向上し得る。(E)成分の配合量が3質量%未満であると、使用性がより向上する。
[その他の任意成分]
本発明の液体柔軟剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)~(E)成分以外にも、以下のような成分を含有してもよい。例えば、香料、水溶性溶剤、機能性カプセル、水、粘度調節剤、防腐剤などを配合することができる。
<香料>
香料は、液体柔軟剤組成物への香りつけ、更には同組成物による処理後の繊維製品への香りつけのために配合する。
香料は、後述のカプセル化香料(機能性カプセル)に芯物質として含まれる香料とは別の、カプセルに内包されていない香料(フリー香料)である。
香料としては柔軟剤分野で汎用されている香料を特に制限なく使用できるが、使用できる香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に記載されている。
なお、香料成分として使用される化合物のなかには、悪臭受容体のアンタゴニストとして作用するものがある。液体柔軟剤組成物の消臭効果を高めるために、例えば、特開2017-101224号公報、特開2015-193643号公報や、特表2020-500589号公報等に記載の嗅覚受容体のアンタゴニストを香料として使用してもよい。
香料は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用(フリー香料組成物)してもよい。香料組成物に用いる香料成分に特に制限はなく目的に応じて適宜選択できる。
香料としては、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料や、動物性香料などが挙げられる。各香料の具体例は以下の通りである。
アルデヒド類としては、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナール等が挙げられる。
フェノール類としては、オイゲノールや、イソオイゲノール等が挙げられる。
アルコール類としては、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1-デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコール等が挙げられる。
エーテル類としては、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノール等が挙げられる。
エステル類としては、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルプロピオネート、シス-3-ヘキセニルサリシレート、p-クレジルアセテート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート(ジヒドロメチルジャスモネート)、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ-β-ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β-フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエート等が挙げられる。
ハイドロカーボン類としては、リモネン(特に、d-リモネン)、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
ケトン類としては、α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、シス-ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンや、マルトール等が挙げられる。
ラクトン類としては、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサン等が挙げられる。
ムスク類としては、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類等が挙げられる。
テルペン骨格を有する香料としては、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ-ヨノン)、カンフェンや、ボルネオール等が挙げられる。
天然香料としては、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油等の精油が挙げられる。
動物性香料としては、じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香等が挙げられる。
香料が香料組成物である場合、ClogP値が5以上の香料成分の含量が、香料組成物の全質量に対して、好ましくは25質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。前記の含量であると、より良好な香りの持続性が得られる。
ClogP値が5以上の香料成分の種類は特に制限されないが、好ましい例として、ハバノライド(5.0)、アンブロキサン(5.3)、トナライド(6.3)、ヘキシルサリシレート(5.1)、ガラクソライド(6.1)、ムスコン(6.0)、エキサルトリド(6.2)、イソイースーパー(5.2)、ベルトフィックス(アセチルセドレン)(5.0)、セドリルメチルエーテル(5.1)等が挙げられる(カッコ内の数値は、ClogP値を表す)。なかでも、ハバノライド、アンブロキサン、ガラクソライド、イソイースーパーや、トナライドがより好ましい。
ClogP値とは、化学物質について、1-オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1-オクタノール/水分配係数Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値である。
ClogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数・f値を積算して求めることができる(例えば、Clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger, Version 1,March 1994 参照)。
一般に、香料はClogP値が大きいほど疎水的であることから、ClogP値が小さい香料成分を多く含む香料組成物は、ClogP値が大きい香料成分を多く含む香料組成物よりも親水的な香料組成物であるといえる。
香料組成物には、液体柔軟剤に一般的に使用される溶剤を配合してもよい。香料用溶剤としては、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル(BB)、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコール(DPG)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト-5(1,2-ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA-2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA-4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)や、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
溶剤の含量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.1~30質量%、好ましくは1~20質量%である。
香料組成物には、液体柔軟剤に一般的に使用される酸化防止剤を配合してもよい。香料用酸化防止剤としては、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、t-ブチル-p-ヒドロキシアニソール(BHA)、p-メトキシフェノール、β-ナフトール、フェニル-α-ナフチルアミン、テトラメチルジアミノジフェニルメタン、γ-オリザノール、ビタミンE(α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、トリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)・1/3クエン酸塩、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、クェルセチンや、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等が挙げられる。好ましくは3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)である。
酸化防止剤の含量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.001~10質量%、好ましくは0.01~5質量%である。
香料の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.3~2質量%、更に好ましくは0.5~1質量%である。香料の含量が0.3質量%以上であるとより高い配合効果が得られ、1質量%以下であると優れた分離安定性が得られる。
<水溶性溶剤>
水溶性溶剤は、液体柔軟剤組成物の安定性(特に凍結復元性)を更に向上させるために配合する。
水溶性溶剤としては、炭素数1~4のアルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
4-O-(C24O)y-(C36O)Z-H ・・・(X)
(式中、R4は、炭素数1~6、好ましくは2~4のアルキル基又はアルケニル基であり、yおよびzはそれぞれ平均付加モル数であり、yは1~10、好ましくは2~5であり、zは0~5、好ましくは0~2である。)
上記に挙げたなかでも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
水溶性溶剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01~4質量%、更に好ましくは0.01~3質量%、特に好ましくは0.1~3質量%である。
<機能性カプセル>
機能性カプセルは、カプセル内に内包された芯物質に起因する様々な機能を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合する。
機能性カプセルは、芯物質と当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。
芯物質としては、液体柔軟剤分野でカプセル封入物質として一般的に用いられているものを特に制限なく使用できる。具体例としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤、香味料、甘味料、ワックス、薬剤、肥料や、除草剤等が挙げられる。
芯物質は、単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
壁物質としては、液体柔軟剤組成物分野でカプセル化材料として一般的に用いられているものを特に制限なく使用できる。具体例としては、ゼラチンや寒天等の天然系高分子や、油脂やワックス等の油性膜形成物質や、ポリアクリル酸系、ポリビニル系、ポリメタクリル酸系、メラミン系、ウレタン系等の合成高分子物質等を挙げることができ、それら1種を単独又は2種以上を適宜併用することができる。
香料を芯物質とするカプセル化香料の具体例としては、フィルメニッヒ社製のBLUEFLOWERPOP「FFMHN2814」;ジボダン社製のGREEN BREEZE CAPS、ORCHARD GARDEN CAPS、RAINBOW CAPS、VELVET CAPS、AURORACAPS及びCOSMICCAPSや;IFF社製のUNICAP101及びUNICAP503等が挙げられる。
冷感剤を芯物質とする冷感カプセルの具体例としては、SALVONA Technologies社製のMultiSal SalCool、HydroSal FreshCool、SalSphere SalCoolや、日華化学株式会社製のネオアージュAROMA-C等が挙げられる。
温感剤を芯物質とする温感カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンRMC-TOや、SALVONA Technologies社製のHydrosal Heat等が挙げられる。
他の具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンNFHO-W(抗菌効果)や、リケンレジンRMC-HBP(防虫効果)及びRMC-PT(防虫効果)等が挙げられる。
機能性カプセルの平均粒子径は10~30μmであることが好ましい。前記粒子径を有する機能性カプセルは、衣類への吸着性に優れ、かつ液体柔軟剤組成物中に安定に分散することができる。
機能性カプセルは単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
機能性カプセルの含量は配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.0001~1質量%である。
<水>
液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水や、蒸留水等を使用できる。なかでもイオン交換水が好適である。
水の含量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。含量が50質量%以上であると、ハンドリング性がより良好となる。
<粘度調節剤>
粘度調節剤は液体柔軟剤組成物の使用性を更に向上するために配合する。
粘度調節剤の具体例としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウムや、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも塩化カルシウム、塩化マグネシウムや、クエン酸ナトリウムが好ましい。
粘度調節剤は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
粘度調節剤の含量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.001~0.5質量%、好ましくは0.003~0.2質量%、より好ましくは0.005~0.1質量%である。である。
<防腐剤>
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合する。
防腐剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としてはイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-ブチル-3-イソチアゾロン、2-ベンジル-3-イソチアゾロン、2-フェニル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4,5-ジクロロイソチアゾロン、5-クロロ-2-メチル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましく、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3-オン、類縁化合物としてジチオ-2,2-ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤は単一種類を使用してもよく、複数種類を併用してもよい。
防腐剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001~1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
前述の任意成分以外にも、液体柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上させるための酸化防止剤や還元剤、乳濁剤(ポリスチレンエマルジョンなど)、不透明剤、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、移染防止剤(ポリビニルピロリドンなど)、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤(4,4-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS-X)など)、染料固定剤、退色防止剤(1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンなど)、染み抜き剤、繊維表面改質剤(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼや、ケラチナーゼなどの酵素)、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与する成分(シルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液、具体的にはK-50、K-30、K-10、A-705、S-702、L-710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス))や、汚染防止剤(アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位とからなる非イオン性高分子化合物、例えば、互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRC-1など)等を適宜配合できる。
[液体柔軟剤組成物のpH]
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の加水分解を抑制する観点から、25℃におけるpHを、好ましくは1~6、更に好ましくは2~4の範囲に調整する。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩等を使用できる。
[液体柔軟剤組成物の粘度]
液体柔軟剤組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、1000mPa・s未満であることが好ましい。
保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。800mPa・s未満であると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。使用性の観点からは粘度の下限は特に制限されない。任意成分として上記した粘度調節剤を用いて粘度を調節することができる。
上記粘度は、B型粘度計(例えば、ブルックフィールド社のアナログ粘度計T)を用いて25℃にて測定される値をいう。
[液体柔軟剤組成物の調製方法]
液体柔軟剤組成物は、公知の方法、例えば主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体柔軟剤組成物の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(A)成分、(B)成分、(E)成分及び香料を含む油相と、水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、得られた乳化物に、(C)成分と必要に応じて(D)成分などの他の成分を添加、混合することにより、液体柔軟剤組成物を製造できる。
[液体柔軟剤組成物の使用方法]
液体柔軟剤組成物を用いた繊維製品の処理方法は特に制限されず、従来の液体柔軟剤と同様に使用できる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に液体柔軟剤組成物を溶解させて処理を行う、又はたらいのような容器中で液体柔軟剤組成物を水に溶解させ、更に繊維製品を入れて浸漬処理する方法がある。いずれの場合も適度な濃度に希釈して使用するが、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3~100倍、特に5~50倍であることが好ましい。具体的には、全使用水量に対して、(A)成分の濃度が好ましくは0.01ppm~1000ppm、さらに好ましくは0.1ppm~300ppmとなるような量で使用される。
液体柔軟剤組成物で処理可能な繊維製品の種類は特に限定されず、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツや、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
下記のA-1及びA-2を使用した。
A-1:特開2003-12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。
A-1は、一般式(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
A-2:商品名「Stepantex SE-88」、ステパン(Stepan)社製。
[(B)成分]
下記のB-1及びB-2を使用した。
B-1:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業株式会社製)
B-2:塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業株式会社製)
[(C)成分]
下記のC-1~C-4を使用した。
C-1:商品名「RHEOBYK-H 7625 VF」、ビックケミー・ジャパン株式会社製
C-2:商品名「RHEOBYK-H 3300 VF」、ビックケミー・ジャパン株式会社製
C-3:商品名「RHEOBYK-M 2600 VF」、ビックケミー・ジャパン株式会社製
C-4:商品名「RHEOBYK-L 1400 VF」、ビックケミー・ジャパン株式会社製
[任意成分]
<高度分岐環状デキストリン>
D-1:商品名「クラスターデキストリン」、グリコ栄養食品株式会社製
<ノニオン界面活性剤>
E-1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(一級イソトリデシルアルコール(C13)の平均EO60モル付加物)
<共通成分>
・粘度調節剤 0.01質量%
(塩化カルシウム:商品名「粒状塩化カルシウム」、株式会社トクヤマ製)
・防腐剤 20ppm
(1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン:商品名「Nipacide BIT 20」、クラリアントジャパン社製)
・カプセル化香料 0.2質量%*
(商品名「GREEN BREEZE CAPS」、ジボダン株式会社製)
・フリー香料 1質量%*
(下記表1に示される組成で香料成分を含む香料組成物)
*液体柔軟剤組成物の総質量に対する、香料としての配合量(質量%)
Figure 2023051095000007
[液体柔軟剤組成物の調製方法]
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、下記表2及び前記共通成分の項に記載の通り調整して、次の手順により柔軟剤組成物を調製した。下記表2中、並びに粘度調節剤及び防腐剤に関して、各成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する配合量(質量%)である。
まず、(A)成分、(B)成分、ノニオン界面活性剤、香料を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、防腐剤をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(C)成分、高度分岐環状デキストリン、防腐剤、カプセル化香料、粘度調節剤の合計量を差し引いた残部に相当する。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。得られた乳化物へ、(C)成分、高度分岐環状デキストリン、カプセル化香料及び粘度調節剤を添加し、必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)又は水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(実施例1~22及び比較例1~4)を得た。
[液体柔軟剤組成物の評価方法]
<部屋干し臭抑制効果の評価>
一般家庭に存在する生乾き臭が気になる使い古しのタオルを評価布とし、部屋干し臭抑制効果を検証した。評価布を、二槽式洗濯機(パナソニック株式会社製NA-W40G2)を用いて、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で10分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比20倍、25℃の水道水使用)、1回目のすすぎ(3分間)を行い、続く2回目のすすぎ時に、上記の「液体柔軟剤組成物の調製方法」により調製した各液体柔軟剤組成物にて3分間の柔軟処理(試験布1.5kgに対して、液体柔軟剤組成物10mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。柔軟処理後、脱水し、25℃、相対湿度100%RHの室内に干して6時間乾燥(部屋干し)を行った。その後、6名の専門パネラーがそれぞれ6時間乾燥(部屋干し)後の家庭回収タオルの臭いを嗅ぐという官能評価を行った。具体的には、専門パネラーが、部屋干し後の家庭回収タオルのそれぞれの臭いを嗅ぎ、下記6段階の臭気強度表示に従って採点した。6名の平均値(小数点第1位まで算出)を算出し、下記判定基準に従い評価した。結果を下記表2における「消臭性」の項で示した。商品価値上、○以上のものを合格とした。
(臭気強度表示)
0点: 異臭が全くしない。
1点: 異臭がやっと感知できる程度に感じられる。
2点: 異臭が弱く感じられる。
3点: 異臭がやや強く感じられる。
4点: 異臭が強く感じられる。
5点: 異臭が強烈に感じられる。
(判定基準)
◎◎: 1点未満
◎: 1点以上、1.5点未満
○: 1.5点以上、2点未満
×: 2点以上
<液分離及び斑状の外観を抑制する効果の評価>
上記の「液体柔軟剤組成物の調製方法」により調製した各液体柔軟剤組成物を軽量ガラスビン(PS-No.11、田沼硝子工業所製)に80mL入れて密栓したものを評価用サンプルとし、以下の耐久試験を行った。
評価用サンプルを40℃12時間静置保管後、そのまま5℃12時間静置保管する作業を3回繰り返し、その後、5℃で6時間静置する耐久試験を実施した。耐久試験終了後の液状態を目視で観察し、下記評価基準により評価した。専門パネラー8人の平均点(小数点第1位まで算出)を算出し、下記の判定基準に従い評価した。結果を下記表2における「分離・斑抑制」の項で示した。商品価値上、○以上のものを合格とした。
(評価基準)
4点: 相分離/斑状の外観は見られず、保存前のサンプルと比較して同等
3点: 上層または下層に非常に薄い半透明層が確認できるが、斑状の外観は見られない
2点: 上層または下層にわずかに半透明層が確認でき、斑状の外観がわずかに確認できる
1点: 上層または下層に明らかに半透明層が確認でき、斑状の外観が明らかに確認できる
0点: 上層または下層に明らかに透明層が確認でき、斑状の外観が明らかに確認できる
(判定基準)
◎◎: 4点
◎: 3点以上、4点未満
○: 2点以上、3点未満
×: 2点未満
Figure 2023051095000008

Claims (7)

  1. 以下の(A)~(C)成分:
    (A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物;
    (B)下記(B-1)成分及び(B-2)成分から選ばれる少なくとも1種の4級アンモニウム塩;
    (B-1)成分
    一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩
    Figure 2023051095000009
    (式中、R1は炭素数8~18の炭化水素基であり、R2、R3及びR4は独立して炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数1~3のヒドロキシアルキル基であり、Xは陰イオンを表す。)
    (B-2)成分
    一般式(B2)で表される4級アンモニウム塩
    Figure 2023051095000010
    (式中、R5は炭素数8~18の炭化水素基であり、Xは陰イオンを表す。)
    及び
    (C)ウレタン骨格を有するノニオン性高分子
    を含有し、(B)成分の含有量が1質量%以下である、液体柔軟剤組成物。
  2. (A)成分の含有量が4質量%以上13質量%未満である、請求項1記載の液体柔軟剤組成物。
  3. (D)高度分岐環状デキストリンを更に含有する、請求項1又は2記載の液体柔軟剤組成物。
  4. (B-1)成分を含有する場合、式(B1)中のR1が炭素数12~16の炭化水素基であり、(B-2)成分を含有する場合、式(B2)中のR5が炭素数12~16の炭化水素基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  5. (B-1)成分を含有する場合、(B-1)成分の含有量が0.01~1質量%であり、(B-2)成分を含有する場合、(B-2)成分の含有量が0.001~0.5質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  6. (C)成分の含有量が0.001~0.1質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
  7. (E)1~5質量%のノニオン界面活性剤を更に含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
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