JP7106359B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
その他、液体柔軟剤に関し、保存中の増粘を抑制する技術(特許文献3)、臭気抑制機能を付与する技術(特許文献4~5)、香りの劣化を抑制する技術(特許文献6)や、柔軟性付与効果を維持する技術(特許文献7)が知られている。
〔1〕液体柔軟剤組成物であって、下記(A)~(D)成分:
(A)エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)ノニオン界面活性剤、
(C)ClogP値が3.0以上の溶剤、並びに
(D)機能性カプセルを含み、
(C)成分の含量が、前記液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.1質量%以上である、液体柔軟剤組成物。
〔2〕(A)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対し3~30質量%であり、
(B)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.8~10質量%であり、
(C)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.1~5質量%である、
前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔3〕(B)成分の(A)成分に対する質量比((B)/(A))が0.10~1.0であり、
(B)成分の(C)成分に対する質量比((B)/(C))が1~30である、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔4〕(C)成分が、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソブチルミリステート、イソブチルパルミテート、及びベンジルベンゾエートからなる群より選ばれる、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
〔5〕(B)成分が、ラウリルアルコールの平均EO10~100モル付加物、又は、一級イソトリデシルアルコールの平均EO10~100モル付加物である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
従って、本発明は従来製品にはない付加価値を有する液体柔軟剤として有用である。
(A)成分は「エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」であるカチオン界面活性剤である。
(A)成分は、柔軟性付与効果及び構造粘性を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合する。
炭素数10~26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)の炭素数は、10~26であり、17~26が好ましく、19~24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性が良好で、26以下であるとハンドリング性が良好である。長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央周辺に存在していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
該分断基を有する場合、1つの長鎖炭化水素基が有する分断基の数は1つであっても2つ以上であってもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、分断基によって1ヶ所が分断されていてもよく、2ヶ所以上が分断されていてもよい。分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、炭素鎖中に分断基を有する場合、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
(A)成分であるアミン化合物としては、2級アミン化合物又は3級アミン化合物が好ましく、3級アミン化合物がより好ましい。
-CH2CH(Y)OCOR4中、Yは水素原子又はCH3であり、水素原子が特に好ましい。R4は炭素数7~21の炭化水素基、好ましくは炭素数15~19の炭化水素基である。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
R4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60~100/0が好ましく、70/30~90/10が特に好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10~0/100、より好ましくは80/20~0/100である。(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60~100/0、より好ましくは70/30~90/10である。(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21~22の脂肪酸が1質量%未満である。
R9、R10における炭素数7~21の炭化水素基としては、前記R4における炭素数7~21の炭化水素基と同様のものが挙げられる。式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
アミン化合物の塩は、アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
例えば、一般式(A1-2)で表される化合物(以下「化合物(A1-2)」)、一般式(A1-3)で表される化合物(以下「化合物(A1-3)」)は、上記脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物とメチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性を良好にする観点から、「化合物(A1-2)/化合物(A1-3)」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性の観点から「化合物(A1-2)の4級化物/化合物(A1-3)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1-4)、(A1-5)、(A1-6)の各4級化物の存在比率は、柔軟性の観点から質量比で、化合物(A1-4)の4級化物が1~60質量%、化合物(A1-5)の4級化物が5~98質量%、化合物(A1-6)の4級化物が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-4)の4級化物が30~60質量%、化合物(A1-5)の4級化物が10~55質量%、化合物(A1-6)の4級化物が5~35質量%であることがより好ましい。また、化合物(A1-4)、(A1-5)、(A1-6)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30~99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
(B)成分はノニオン界面活性剤である。
(B)成分は構造粘性及び凍結復元性を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合する。
(B)成分としては、液体柔軟剤分野で公知の物質を特に制限なく使用できる。例えば、アルコール又は脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物を使用できる。
アルコール及び脂肪酸の各炭素鎖部分は直鎖でも分岐鎖よく、不飽和基を含んでいてもよい。また、炭素鎖に分布があってもよい。炭素鎖の炭素数は、好ましくは6~20、より好ましくは8~18である。炭素鎖が直鎖である場合、その炭素数は好ましくは6~14、より好ましくは8~12、最も好ましくは10~12である。炭素鎖が分岐鎖である場合、その炭素数は好ましくは6~18、より好ましくは9~18、最も好ましくは13である。
(B)成分の原料としては、エクソンモービル社製エクサール、BASF社製LUTENSOL(ルテンゾール)シリーズ、協和発酵工業製オキソコールや、Shell社製DOBANOLシリーズなどを使用できる。
(B)成分がアルコールのアルキレンオキサイド付加物である場合、1級アルコール及び2級アルコールのいずれも使用できる。炭素数13のアルコールは、例えばドデセンを原料として製造されるが、その出発原料としてはブチレンでもプロピレンでもよい。
炭素鎖が不飽和基を含む場合、その炭素数は18であるものが特に好ましい。不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が25/75~100/0(質量比)であることが好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)が好ましいが、EOと共にプロピレンオキサイド(PO)又はブチレンオキサイド(BO)を付加したものであってもよい。EOの平均付加モル数としては10~100モルが好適であり、より好ましくは20~80モル、特に好ましくは40~70モルである。また、EOとともに付加するPO又はBOの平均付加モル数としては1~5が好適であり、より好ましくは1~3モルである。この際、EOを付加した後、PO又はBOを付加しても、あるいはPO又はBOを付加した後、EOを付加してもよい。
(C)成分はClogP値が3.0以上の溶剤である。
(C)成分は、構造粘性を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合する。
(C)成分のClogP値は、3.0以上、好ましくは3.0~9.0、より好ましくは3.2~6.0である。ClogP値が3.0以上であるとベシクル粒子(前記(A)、(B)成分(一部)及び(C)成分を含む乳化物における分散質)の粒子径が大きくなり、液体柔軟剤組成物の構造粘性が向上する。ClogP値が9.0以下であると、ベシクル粒子中の(B)成分との良好な相溶性によりベシクル粒子の大きな粒子径、ひいては液体柔軟剤組成物のより高い構造粘性が得られる。
「ClogP値」とは疎水性の指標であり、CLogP法により計算できる。
(C)成分としては、液体柔軟剤(例えば液体柔軟剤用の香料組成物)において溶剤として使用可能であり、かつ、ClogP値が3.0以上の物質を使用できる。
尚、液体柔軟剤組成物が後記するフリー香料組成物((E)成分)を含む場合、(E)成分用の溶剤の全部又は一部(好ましくは全部)として(C)成分を使用してもよい。
(C)成分は、長鎖脂肪酸と直鎖型若しくは分岐型アルコールとから構成される脂肪酸エステル、又は芳香環を有するエステルが好ましい。具体例としては、イソプロピルミリステート(7.2)、イソプロピルパルミテート(8.2)、イソブチルミリステート(7.7)、イソブチルパルミテート(8.8)や、ベンジルベンゾエート(4.4)が挙げられる(物質名に続く括弧内の数値はClogP値である)。なかでも、イソプロピルミリステート及びベンジルベンゾエートが好ましい。
尚、機能性カプセルが(C)成分に該当する物質を含む場合、カプセル中に局在する前記物質は構造粘性向上に寄与しないので、前記(C)成分の含量の計算には含めない。
一方、(E)成分(フリー香料組成物)が(C)成分に該当する物質を含む場合、当該物質は構造粘性向上に寄与するので、前記(C)成分の含量の計算に含める。
(D)成分は機能性カプセルである。
(D)成分は、カプセル内に内包された芯物質に起因する様々な機能を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
機能性カプセルは、芯物質と当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。
芯物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
冷感剤を芯物質とする冷感カプセルの具体例としては、SALVONA Technologies社製のMultiSal SalCool、HydroSal FreshCool、SalSphere SalCoolや、日華化学株式会社製のネオアージュAROMA-C等が挙げられる。
温感剤を芯物質とする温感カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンRMC-TOや、SALVONA Technologies社製のHydrosal Heat等が挙げられる。
忌避剤を芯物質とする忌避カプセルの具体例としては、大和化学工業社製のトルアミド系化合物を使用したアニンセンCLC-3600Sや、ピペリジン系化合物を使用したアニンセンPCR-U等が挙げられる。
他の具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンNFHO-W(抗菌効果)や、リケンレジンRMC-HBP(防虫効果)及びRMC-PT(防虫効果)等が挙げられる。
液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(A)~(D)の必須成分以外の下記の任意成分を配合してもよい。
(E)成分は、カプセル化されていないフリーの香料(以下「フリー香料」ともいう)である。
(E)成分は、液体柔軟剤組成物の残香性向上や、繊維製品への香気付与のために配合される。
(E)成分としては、液体柔軟剤分野で香料として一般的に用いられている香料成分を特に制限なく使用できる。(E)成分は、目的に応じて適宜選択することができ、単一種類でもよく、複数種類の組み合わせであってもよい。
具体例としては、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料や、動物性香料等が挙げられる。各香料の具体例を以下に示す。
〔アルデヒド類〕
ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナール等。
〔フェノール類〕
オイゲノールや、イソオイゲノール等。
〔アルコール類〕
シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1-デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコール等
〔エーテル類〕
セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノール等。
〔エステル類〕
シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルプロピオネート、シス-3-ヘキセニルサリシレート、p-クレジルアセテート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ-β-ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β-フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエート等。
〔ハイドロカーボン類〕
リモネン(特に、d-リモネン)、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等。
〔ケトン類〕
α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、シス-ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンやマルトール等。
〔ラクトン類〕
γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサン等。
〔ムスク類〕
シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類等。
〔テルペン骨格を有する香料〕
ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ-ヨノン)、カンフェンや、ボルネオール等。
〔天然香料〕
オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油等の精油が挙げられる。
〔動物性香料〕
じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香等。
〔アルデヒド類〕
ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、エチルバニリン、ヘリオナール
〔ケトン類〕
α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、シス-ジャスモン、メチルヨノン(メチルイオノン)、アリルヨノン(アリルイオノン)、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコン、マルトール
〔ハイドロカーボン類〕
リモネン、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、テルピノーレン
前記のとおり、香料用溶剤の全部又は一部は(C)成分であってもよい。(C)成分以外の香料用溶剤としては、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、ジプロピレングリコール(DPG)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト-5(1,2-ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA-2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA-4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)や、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
香料組成物用溶剤の含量は、フリー香料組成物の総質量に対して、例えば0.1~30質量%、好ましくは1~20質量%である。
香料組成物用溶剤の全部又は一部が(C)成分である場合、(C)成分の含量は、フリー香料組成物の総質量に対して、例えば0.1~30質量%、好ましくは0.2~20質量%である。
酸化防止剤の含量は、フリー香料組成物の総質量に対して、例えば0.001~10質量%、好ましくは0.01~5質量%である。
液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために(C)成分以外の水溶性溶剤も配合され得る。
水溶性溶剤としては、炭素数1~4のアルコール、グリコールエーテル系溶剤、及び多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
R6-O-(C2H4O)y-(C3H6O)Z-H ・・・(X)
(式中、R6は、炭素数1~6、好ましくは2~4のアルキル基又はアルケニル基であり、yおよびzはそれぞれ平均付加モル数であり、yは1~10、好ましくは2~5であり、zは0~5、好ましくは0~2である。)
上記に挙げた中でも、エタノール、ブチルカルビトール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の含量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0.01~25質量%、さらに好ましくは0.1~20質量%である。
糖系化合物は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合され得る。
糖系化合物における糖骨格の繰り返し単位の数(重合度)は、好ましくは1~40、更に好ましくは1~20、特に好ましくは1~5(すなわち、単糖及び重合度1超5以下のオリゴ糖)である。好ましい糖系化合物としては、単糖、二糖、オリゴ糖や糖アルコールが挙げられる。
糖系化合物の具体例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、タロース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、及び、天然多糖の部分加水分解から得られるオリゴ糖、並びに、これらの糖に置換基を導入した化合物(糖誘導体)が挙げられる。導入可能な置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アミン基、4級アンモニウム基や、カルボキシル基等が挙げられる。なかでも、炭素数1~18のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1~12のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1~6のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1~3のアルキル基が最も好ましい。
糖系化合物としては、単糖及び重合度が1~5のオリゴ糖、並びに、前記単糖及びオリゴ糖の少なくとも一つの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物から選ばれる1種以上が好ましい。凍結復元性の観点からは、トレハロースが好ましい。
糖アルコールとしては、エリトリトール、トレイトール、ペンチトール、ヘキシトール、ダルシトール、ソルビトール、マンニトール、ボレミトール、ペルセイユトール、キシリトール、マルチトールや、ラクチトール等が挙げられる。
糖系化合物は、単一種類を使用してもよく、複数種類を組み合わせて使用してもよい。
糖系化合物の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01~10質量%、好ましくは0.05~7質量%、より好ましくは0.1~5質量%である。
染料及び顔料は、それぞれ液体柔軟剤組成物の外観を向上するために配合され得る。
染料及び顔料共に、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。また、特開平6-123081号公報、特開平6-123082号公報、特開平7-18573号公報、特開平8-27669号公報、特開平9-250085号公報、特開平10-77576号公報、特開平11-43865号公報、特開2001-181972号公報や特開2001-348784号公報などに記載されている染料も使用できる。
好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
染料及び顔料のそれぞれについて、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
染料及び顔料の各配合量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは1~50ppm、より好ましくは1~30ppmである。
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合され得る。
防腐剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類や、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-ブチル-3-イソチアゾロン、2-ベンジル-3-イソチアゾロン、2-フェニル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4,5-ジクロロイソチアゾロン、5-クロロ-2-メチル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましく、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましく、具体例としてはダウケミカル社製のケーソンCG-ICP等が挙げられる。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3-オン、類縁化合物としてジチオ-2,2-ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが特に好ましく、具体例としてはクラリアント(株)製のニッパサイドや、(株)ロンザ製のプロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL、プロキセルLV、プロキセルCRL、プロキセルNBZ、プロキセルAM、プロキセルB20などが挙げられる。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001~1質量%である。含量が0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
紫外線吸収剤は、液体柔軟剤組成物を紫外線から保護するために配合され得る。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出することで、紫外線防御効果を発揮する成分である。
紫外線吸収剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、例えば、p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリルや、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチルや、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p-メトキシケイ皮酸エチル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルや、p-メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸や、2、2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸や、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4-t-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
抗菌剤は、液体柔軟剤組成物の保存性を高めるために配合され得る。
抗菌剤としては、液体柔軟剤分野で公知の成分を特に制限なく使用できる。具体例としては、例えば、ダイクロサン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、8-オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。これらの中でも、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド系化合物や、塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
前記の任意成分以外にも、液体柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上させるための酸化防止剤や還元剤、乳濁剤(ポリスチレンエマルジョンなど)、不透明剤、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、移染防止剤(ポリビニルピロリドンなど)、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤(4,4-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS-X)など)、染料固定剤、退色防止剤(1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンなど)、染み抜き剤、繊維表面改質剤(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼや、ケラチナーゼなどの酵素)、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与する成分(シルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液、具体的にはK-50、K-30、K-10、A-705、S-702、L-710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス))や、汚染防止剤(アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位とからなる非イオン性高分子化合物、例えば、互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRC-1など)等を適宜配合できる。
液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む液体状の水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。なかでもイオン交換水が好適である。
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の加水分解抑制の観点から、より酸性側のpHが好ましく、25℃におけるpHが1~6の範囲内であることが好ましく、1.5~5の範囲内であることがより好ましく、2~4の範囲内であることがさらに好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
液体柔軟剤組成物は、(D)成分を安定に分散できる構造粘性を有しているが、その粘度は使用性の観点から1000mPa・s未満であることが好ましい。
保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。800mPa・s未満であると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。使用性の観点からは粘度の下限は特に制限されない。
液体柔軟剤組成物の粘度を調節する目的で、無機又は有機の水溶性塩類や高度分岐環状デキストリン等を使用できる。水溶性塩類の具体例としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウムや、クエン酸ナトリウム等が挙げられるが、なかでも塩化カルシウム、塩化マグネシウムや、クエン酸ナトリウムが好ましい。粘度調節剤の配合量は、例えば、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.001~1.0質量%、好ましくは0.005~0.8質量%、さらに好ましくは0.01~0.6質量%である。水溶性塩類は、液体柔軟剤組成物製造のどの工程で配合しても構わない。
液体柔軟剤組成物の粘度とは、B型粘度計(例えば、ブルックフィールド社のアナログ粘度計T)の30rpmの粘度値(25℃)をいう。
液体柔軟剤組成物の製造方法は特に限定されない。公知の製造方法、例えば、主剤としてカチオン界面活性剤を用いた公知の製造方法と同様の方法により製造できる。
例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(E)成分を含む油相と、水を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、得られた乳化物に対して(D)成分と、必要に応じて残りの(B)成分、粘度調節剤、その他の成分を添加し混合することで製造できる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(E)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することで調製できる。
水相は、水と、必要に応じて任意成分とを混合することで調製できる。
尚、粘度調節剤の添加方法は、上記の添加方法に限定されない。すなわち、粘度調節剤は水相へ添加することも可能である。
液体柔軟剤組成物を用いた繊維製品の処理方法は特に制限されず、従来の液体柔軟剤と同様に使用できる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に液体柔軟剤組成物を溶解させて処理を行う、又はたらいのような容器中で液体柔軟剤組成物を水に溶解させ、更に繊維製品を入れて浸漬処理する方法がある。いずれも場合も適度な濃度に希釈して使用するが、浴比(繊維製品に対する処理液の重量比)は3~100倍、特に5~50倍であることが好ましい。具体的には、全使用水量に対して、(A)成分の濃度が好ましくは0.01ppm~1000ppm、さらに好ましくは0.1ppm~300ppmとなるような量で使用される。
液体柔軟剤組成物で処理可能な繊維製品の種類は特に限定されず、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツや、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
尚、実施例及び比較例において、各成分の配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
下記のA-1を使用した。
A-1:特開2003-12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。A-1は、一般式(A1-4)、(A1-5)及び(A1-6)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
下記のB-1~B-2を使用した。
B-1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物に相当)
B-2:ポリオキシエチレンラウリルエーテルEO30モル(ラウリルアルコールの平均EO30モル付加物に相当)
下記のC-1~C-3を使用した。
C-1:イソプロピルミリステート(ClogP値:7.2。25℃における蒸気圧:0.00033mm/Hg)(東京化成工業株式会社製)
C-2:ベンジルベンゾエート(ClogP値:4.4。25℃における蒸気圧:0.00025mm/Hg)(東京化成工業株式会社製)
C-3:ジプロピレングリコール(ClogP値:-0.6)(東京化成工業株式会社製)
〔(D)成分〕
下記のD-1~D-2を使用した。
D-1:GreenBreeze(Givaudan社製のカプセル化香料)
D-2:アニンセンPCR-U(大和化学工業社製の忌避カプセル)
表1記載の組成を有するフリー香料組成物E-1を用いた。表1の香料成分の値は、香料組成物の総質量に対する含量(質量%)である。なお、アルデヒド類、ケトン類及びハイドロカーボン類の各香料成分の総質量は、E-1の総質量に対して40質量%であった。また、E-1は(C)成分に該当する物質を含んでいなかった。
下記のF-1~F-2を使用した。
〔共通成分(F―1)〕
〔水溶性溶剤〕
95%合成エタノール(純正化学)(ClogP値:-0.2)
〔防腐剤〕
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(クラリアントジャパン株式会社製。商品名:Nipacide BIT20)
〔粘度調節剤〕
塩化カルシウム((株)トクヤマ製、商品名:粒状塩化カルシウム)
(F-1)の各成分の含量を表2-1に示す。
〔水溶性溶剤〕
95%合成エタノール(純正化学)
〔防腐剤〕
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(クラリアントジャパン株式会社製。商品名:Nipacide BIT20)
〔粘度調節剤〕
高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製。商品名:クラスターデキストリン)
塩化カルシウム((株)トクヤマ製。商品名:粒状塩化カルシウム)
(F-2)の各成分の含量を表2-2に示す。
後記の表3に示す組成を有する液体柔軟剤組成物を調製した。表3中、各成分の数値の単位は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する質量%である。
表3中の「(B)/(A)」は、(B)成分の(A)成分に対する質量比を示す。更に表3中の「(B)/(C)」は、(B)成分の(C)成分に対する質量比を示す。
液体柔軟剤組成物を、ガラス容器(内径100mm、高さ150mm)と攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)とを用い、次の手順により調製した。
まず、(A)成分、(C)成分、(E)成分、(B)成分の一部(総量に対し2.0質量%及び水溶性溶剤を混合攪拌して油相混合物を得た。
一方、防腐剤をバランス用イオン交換水に溶解して水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物と(B)成分の残部、(D)成分、及び粘度調節剤の合計量を差し引いた残部に相当した。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に2分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。
しかる後、(B)成分の残部、(D)成分及び粘度調節剤を添加し、必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)又は水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH3.0(25℃)に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物を得た。
調製した液体柔軟剤組成物を、「機能性カプセルの分散性」、「凍結復元性」及び「機能性カプセルの効果」について評価した。
軽量PSガラスビン(PS-No.11。田沼硝子工業所製)に液体柔軟剤組成物80mLを入れて密栓し、25℃下で3ヶ月間保存したものを評価用サンプルとした。
評価用サンプルを、下記の4段階評価基準に従って、専門パネラーが目視評価した。
<評価基準>
4:保存前のサンプルと同等と認められるもの
3:わずかに浮遊が認められるもの
2:浮遊が認められるが、軽い振とうにより容易に再分散するもの
1:浮遊が認められ、ガラスビンへの付着もあり軽い振とうでは再分散が困難なもの
機能性カプセルの分散安定性を、専門パネラー8名の平均点(小数点第1位まで算出)に基づき、下記判定基準に従って判定した。結果を表3の「カプセル分散性」欄に示す。商品価値上、○以上を好ましいものとした。
<判定基準>
◎:3点以上~4点
○:2点以上~3点未満
△:1点以上~2点未満
×:0点~1点未満
軽量ガラスビン(PS-No.11。田沼硝子工業所製)に液体柔軟剤組成物80mLを入れて密栓したものを評価用サンプルとした。
評価用サンプルを、-15℃で40時間保持(凍結)し、その後、25℃で8時間保持(溶解)するサイクルを3回繰り返した。
次いで、評価用サンプルの25℃における液状態を、下記評価基準に従って、専門パネラーが目視評価した。
<評価基準>
5:流動性が充分にあり、かつ耐久試験前と比較して変化がほとんど認められない。
4:耐久試験前と比較して粘度の上昇が認められるが、流動性は充分にある。
3:耐久試験前と比較して粘度の上昇が認められるが、流動性は認められる。
2:耐久試験前と比較して粘度が上昇し、あまり流動性がない。
1:耐久試験前と比較して粘度が著しく上昇し、ほとんど流動性がない。
0:耐久試験前と比較して粘度が著しく上昇し、流動性が全くない。
凍結復元性を、専門パネラー8名の平均点(小数点第1位まで算出)に基づき、下記判定基準に従って判定した。結果を表3の「凍結復元性」欄に示す。商品価値上、○以上を合格とした。
<判定基準>
◎:4.0以上
○:3.0以上、4.0点未満
△:2.0以上~3.0点未満
×:2.0点未満
1.液体柔軟剤組成物を用いた綿タオルの処理
1-1.前処理
市販の綿タオル(東進社製)を、二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)中、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)を用いた前処理に付した(洗剤使用量:標準。浴比30倍。45℃の水道水。10分間の洗浄、続いて10分間の注水すすぎを2回)。この前処理を3回行った。
前処理した綿タオル1.0kgを、二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)中、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)を用いた洗浄処理に付した(洗剤使用量:標準。標準コース。浴比30倍。25℃の水道水。10分間)。洗浄処理後、1回目のすすぎを3分間行った。1回目のすすぎに続いて2回目のすすぎを3分間行った。2回目のすすぎの開始時に、〔機能性カプセルの分散性〕欄に記載の25℃で3ヶ月保存後のサンプルの液体の中心からスポイトで吸い取った液体柔軟剤組成物を添加して3分間の柔軟処理(液体柔軟剤組成物:6.67mL。浴比20倍。25℃の水道水)を行った。洗浄及びすすぎの各処理間に脱水を1分間行った。
処理後、二槽式洗濯機から綿タオルを取出し、20℃、40%RHの恒温恒湿条件下で24時間乾燥させ、評価用処理布とした。
上記処理後、綿タオルの香気強度を下記の6段階臭気強度表示法に準拠して専門パネラーが官能評価した。
<6段階臭気強度表示法>
0:無臭。
1:やっと検知できる程度の香り。
2:何の香りか分かる程度の香り。
3:楽に感知できる香り。
4:強い香り。
5:強烈な香り。
機能性カプセルの残香性(香り持続性)を、専門パネラー8人の平均点(小数点第1位まで算出)に基づき、下記判定基準に従って判定した。結果を表3の「残香性」欄に示す。商品価値上、○以上を合格とした。
<判定基準>
◎:3.0点以上
○:2.0点以上3.0点未満。
△:1.0点以上2.0点未満。
×:1.0点未満。
屋内(室温25℃)にて、30cm×30cm×30cmの籠にヒトスジシマカ雌10頭を入れた。籠の中に、忌避剤入りカプセルを含む液体柔軟剤で処理していない綿タオル(ブランク)を巻き付けた腕を挿入し、30秒間に皮膚露出部分に係留するヒトスジシマカの数(A)をカウントとした。
前記1-2に従い液体柔軟剤組成物で処理した綿タオルを腕に巻き付けた後、ブランクと同様にヒトスジシマカ雌10頭が入った籠に腕を挿入し、30秒間に皮膚露出部分に係留するヒトスジシマカの数(B)をカウントした。
AおよびBの値から、忌避率(%)を下記式により算出した。
忌避率(%)=(A-B)/A×100
結果を表3の「忌避効果」欄に示す。商品価値上、○以上を合格とした。
<評価基準>
◎:忌避率60%以上
○:忌避率40%以上60%未満
△:忌避率20%以上40%未満
×:忌避率20%未満
Claims (4)
- 液体柔軟剤組成物であって、下記(A)~(D)成分:
(A)エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)ラウリルアルコールの平均EO10~100モル付加物、及び、一級イソトリデシルアルコールの平均EO10~100モル付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種のノニオン界面活性剤、
(C)イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソブチルミリステート、イソブチルパルミテート、及びベンジルベンゾエートからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、並びに
(D)機能性カプセルを含み、
(C)成分の含量が、前記液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.1質量%以上である、液体柔軟剤組成物。 - (B)成分の(C)成分に対する質量比((B)/(C))が1~45である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
- (A)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対し3~30質量%であり、
(B)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.8~10質量%であり、
(C)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.1~5質量%である、
請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。 - (B)成分の(A)成分に対する質量比((B)/(A))が0.10~1.0であり、
(B)成分の(C)成分に対する質量比((B)/(C))が1~30である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の液体柔軟剤組成物。
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