JP6494460B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、このような新規な知見に基づいて完成されたものである。
(A)エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
(B)カプセル化香料
(C)カプセルに内包されていない香料組成物であって、該香料組成物の全質量に対して、ClogP値が5以上の香料成分を25質量%以上含む香料組成物、及び
(D)水溶性高分子化合物
本発明の一実施態様によれば、カプセル化香料の分散性及び香りの持続性に優れた液体柔軟剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、カプセル化香料の分散性に優れ、かつ配合成分による塗装はがれの悪化を抑制した液体柔軟剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、カプセル化香料の分散性及び香りの持続性に優れ、かつ配合成分による塗装はがれの悪化を抑制した液体柔軟剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、フリー香料として疎水性の高いものを用い、かつ、カプセル化香料の分散性を向上しながらも、塗装はがれの悪化を抑制した液体柔軟剤組成物を提供することができる。
本発明の一実施態様によれば、フリー香料として疎水性の高いものを用い、かつ、カプセル化香料の分散性及び香りの持続性を向上しながらも、塗装はがれの悪化を抑制した液体柔軟剤組成物を提供することができる。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(A)成分は、エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。(A)成分は、繊維製品等に柔軟性を付与するとともに、カプセル化香料((B)成分)の分散性を向上させるために配合される。
長鎖炭化水素基の炭素数は、10〜26であり、17〜26が好ましく、19〜24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性が良好で、26以下であるとハンドリング性が良好である。長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央周辺に存在していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
該分断基を有する場合、1つの長鎖炭化水素基が有する分断基の数は1つであっても2つ以上であってもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、分断基によって1ヶ所が分断されていてもよく、2ヶ所以上が分断されていてもよい。分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、炭素鎖中に分断基を有する場合、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(A)成分としてのアミン化合物としては、2級アミン化合物又は3級アミン化合物が好ましく、3級アミン化合物がより好ましい。
−CH2CH(Y)OCOR4中、Yは水素原子又はCH3であり、水素原子が特に好ましい。R4は炭素数7〜21の炭化水素基、好ましくは炭素数15〜19の炭化水素基である。式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
R4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60〜100/0が好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10〜0/100、より好ましくは80/20〜0/100である。(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60〜100/0、より好ましくは70/30〜90/10である。(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21〜22の脂肪酸が1質量%未満である。
R9、R10における炭素数7〜21の炭化水素基としては、前記R4における炭素数7〜21の炭化水素基と同様のものが挙げられる。式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
本発明の柔軟剤組成物における(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性の観点から「化合物(A1−2)の4級化物/化合物(A1−3)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1−4)、(A1−5)、(A1−6)の各4級化物の存在比率は、柔軟性の観点から質量比で、化合物(A1−4)の4級化物が1〜60質量%、化合物(A1−5)の4級化物が5〜98質量%、化合物(A1−6)の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−4)の4級化物が30〜60質量%、化合物(A1−5)の4級化物が10〜55質量%、化合物(A1−6)の4級化物が5〜35質量%であることがより好ましい。また、化合物(A1−4)、(A1−5)、(A1−6)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30〜99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(B)成分のカプセル化香料は、液体柔軟剤組成物で処理した繊維製品の香り立ちをより良好にする、香りの持続性を高める、又は、繊維製品使用時の摩擦による発香効果を付与するために配合される。
カプセル化香料は、芯物質と、当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。
香料組成物は、液体柔軟剤組成物分野において用いられているものを特に制限はなく用いることができ、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、衣類用柔軟剤や衣類用の洗剤等に一般的に使用されるエッセンシャルオイル、アブソリュート、並びに、炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、アセタール類、ケタール類及びニトリル類等の合成香水成分等が挙げられる。
香料組成物に配合される好ましい香料成分の例は、特開2010−520928号公報に記載されており、例えば、Agrumex、Aldron、Ambrettolide、Ambroxan、ケイ皮酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、Boisambrene、セドロール、酢酸セドリル、Celestolide/Crysolide、Cetalox、シトロネリルエトキサレート、Fixal、Fixolide、Galaxolide、Guaiacwood Acetate、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、ヘキシルケイ皮アルデヒド、サリチル酸ヘキシル、IsoE Super、安息香酸リナリル、ケイ皮酸リナリル、フェニル酢酸リナリル、Javanol、メチルセドリルケトン、Moskene、Musk、Musk Ketone、Musk Tibetine、Musk Xylol、Myraldyl Acetate、酢酸ネロリジル、Novalide、Okoumal、カプリル酸パラクレシル、フェニル酢酸パラクレシル、Phantolid、ケイ皮酸フェニルエチル、サリチル酸フェニルエチル、Rose Crystals、Rosone、Sandela、テトラデカニトリル、Thibetolide、Traseolide、Trimofix O、2−メチルピラジン、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、アセトフェノン、アルコールC6(以下において、表記法Cnは、n個の炭素原子および1つのヒドロキシル官能を有するすべての物質を含む)、アルコールC8、アルデヒドC6(以下において、表記法Cnは、n個の炭素原子および1つのアルデヒド官能を有するすべての異性体を包含する)、アルデヒドC7、アルデヒドC8、アルデヒドC9、ノネニルアルデヒド(nonenylic aldehyde)、グリコール酸アリルアミル、カプロン酸アリル、酪酸アミル、アルデヒドアニシック(anisique)、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、酪酸ベンジル、ギ酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル、ベンジルメチルエーテル、プロピオン酸ベンジル、Bergamyl Acetate、酢酸ブチル、樟脳、3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセノン、ケイ皮アルデヒド、シス−3−ヘキセノール、酢酸シス−3−ヘキセニル、ギ酸シス−3−ヘキセニル、イソ酪酸シス−3−ヘキセニル、プロピオン酸シス−3−ヘキセニル、チグリン酸シス−3−ヘキセニル、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、クミンアルデヒド、シクラールC、酢酸(シクロヘキシルオキシ)−2−プロペニルエステル、ダマセノン、アルファ−ダマスコン、ベータ−ダマスコン、ギ酸デカヒドロベータ−ナフチル、マロン酸ジエチル、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジヒドロテルピネオール、アントラニル酸ジメチル、ジメチルベンジルカルビノール、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、ジメチルオクテノン、ジメトール(Dimetol)、ジミルセトール、エストラゴール、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、ヘプタン酸エチル、エチルリナロール、サリチル酸エチル、酪酸エチル2−メチル、オイカリプトール、オイゲノール、酢酸フェンキル、フェンキルアルコール、4−フェニル−2,4,6−トリメチル1,3−ジオキサン、2−オクチン酸メチル、4−イソプロピルシクロヘキサノール、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、酢酸スチルアリル、ゲラニルニトリル、酢酸ヘキシル、アルファ−イオノン、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、イソ−シクロシトラール、ジヒドロイソジャスモン、イソ−メントン、イソ−ペンチレート、イソ−プレゴール、シスジャスモン、左旋性カルボン、フェニルアセトアルデヒドグリセリルアセタール、カルビン(carbinic)酸3−ヘキセニルメチルエーテル、1−メチル−シクロヘキサ−1,3−ジエン、リナロール、リナロールオキシド、ペンタン酸2−エチルエチルエステル、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、メントール、メントン、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、安息香酸メチル、アルファ−メチルケイ皮アルデヒド、メチルヘプテノン、メチルヘキシルケトン、メチルパラクレゾール、酢酸メチルフェニル、サリチル酸メチル、ネラール、ネロール、4−tert−ペンチル−シクロヘキサノン、パラ−クレゾール、酢酸パラ−クレシル、パラ−t−ブチルシクロヘキサノン、パラ−トルイルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、酢酸フェニルエチル、フェニルエチルアルコール、酪酸フェニルエチル、ギ酸フェニルエチル、イソ酪酸フェニルエチル、プロピオン酸フェニルエチル、酢酸フェニルプロピル、フェニルプロピルアルデヒド、テトラヒドロ−2,4−ジメチル−4−ペンチル−フラン、4−メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)テトラヒドロピラン、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム、プロピオン酸スチルアリル、スチレン、4−メチルフェニルアセトアルデヒド、テルピネオール、テルピノレン、テトラヒドロ−リナロール、テトラヒドロ−ミルセノール、トランス−2−ヘキセナール、酢酸ベルジルやViridine等が挙げられる。
香料組成物には、1種類の香料成分を配合してもよく、2種類以上の香料成分を配合してもよい。
なお、(B)成分の香料組成物と、下記(C)成分の香料組成物とは同一であってよく、異なっていてもよい。(B)成分として揮発性の高い香料成分を用い、(C)成分として揮発性の低い香料成分を用いると、香りの持続効果をより高めることができる。
カプセル化香料が破壊された際の発香性の観点から、壁物質は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂或いは尿素−ホルムアルデヒド樹脂からなるアミノプラストポリマー、ポリアクリル酸系或いはポリメタクリル酸系ポリマーであることが好ましい。特開2010−520928号公報に記載されているようなアミノプラストポリマーが特に好ましい。具体的には、ポリアミン由来の部分/芳香族ポリフェノール由来の部分/メチレン単位、ジメトキシメチレン及びジメトキシメチレンを有するアルキレンおよびアルキレンオキシ部分からなるターポリマーであることが好ましい。
(B)成分は、1種類のカプセル化香料を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(B)成分の配合量((B)成分中の香料の量としての配合量)は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、香料の量として、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。(B)成分の配合量が0.01質量%以上であると、香気が強く、より良好な香り持続性を得ることができる。(B)成分の配合量が3質量%以下であると、塗装はがれの悪化がより抑制される。
本発明の液体柔軟剤組成物は、繊維製品に香気を付与するために、上記(B)成分の芯物質として含まれる香料組成物とは別に、(C)成分として、カプセルに内包されていない香料組成物(フリーの香料組成物)を更に含む。
本発明の液体柔軟剤組成物に配合される(C)成分は、液体柔軟剤組成物に一般的に使用される香料成分を1種類以上含む香料組成物から、目的に応じて適宜選択することができるが、(C)成分としての香料組成物の全質量に対して、ClogP値が5以上の香料成分を25質量%以上含有する。
香料成分の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
各香料の具体例は以下の通りである。
アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC−12MNA、ミラックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナールなどが挙げられる。
フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノールや、イソオイゲノールなどが挙げられる。
アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1−デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルプロピオネート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、p−クレジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ−β−ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β−フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リモネン(特に、d−リモネン)、α−ピネン、β−ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α−ヨノン、β−ヨノン、メチル−β−ナフチルケトン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、ダマセノン、シス−ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンやマルトールなどが挙げられる。
ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、γ−ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサンなどが挙げられる。
ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類などが挙げられる。
テルペン骨格を有する香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ−ヨノン)、カンフェンや、ボルネオールなどが挙げられる。
天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油などの精油が挙げられる。
動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香などが挙げられる。
ClogP値が5以上の香料成分としては、特に種類は制限されないが、好ましい例として、アンブロキサン(5.3)、トナライド(6.3)、ヘキシルサリシレート(5.1)、ガラクソライド(6.1)、ムスコン(6.0)、エキサルトリド(6.2)、イソイースーパー(5.2)、ベルトフィックス(アセチルセドレン)(5.0)、セドリルメチルエーテル(5.1)等が挙げられる(カッコ内の数値は、ClogP値を表す)。中でも、より好ましくは、アンブロキサン、ガラクソライド、イソイースーパー、トナライドである。
ClogP値とは、化学物質について、1−オクタノール中及び水中の平衡濃度の比を表す1−オクタノール/水分配係数Pを、底10に対する対数logPの形態で表した値である。ClogP値は、f値法(疎水性フラグメント定数法)により、化合物の化学構造をその構成要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数・f値を積算して求めることができる(例えば、Clog 3 Reference Manual DaylightSoftware 4.34,Albert Leo,David Weininger, Version 1,March 1994 参照)。
一般に、香料はClogP値が大きいほど疎水的であることから、ClogP値が小さい香料成分を多く含む香料組成物は、ClogP値が大きい香料成分を多く含む香料組成物よりも親水的な香料組成物であるといえる。
溶剤の配合量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%である。
酸化防止剤の配合量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D)成分は、水溶性高分子化合物である。ここで、「水溶性」とは、25℃の水1000gに対し、対象とする高分子化合物1gを加え、攪拌した後、25℃24時間静置した時に、外観上沈殿や層分離などがみられない溶液となるものをいう。ここで、「高分子化合物」とは、重量平均分子量が3000〜500万である化合物を意味する。
本発明の柔軟剤組成物において、(D)成分を配合することにより、カプセル化香料の柔軟剤組成物中での分散性を向上させることができ、かつ塗装はがれの悪化を抑制することができる。(D)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
(D)成分である水溶性高分子化合物の具体例としては、以下の(D−1)〜(D−3)が挙げられる。
本発明の柔軟剤組成物に含まれ得る(D−1)成分は、重量平均分子量が1万から200万の範囲にある非イオン性グルカンである。グルカンとは、D−グルコピラノースの縮重合体であり、デンプン、グリコーゲン、デキストリン、セルロース等を含む。C1位の立体配置によりα−グルカンとβ−グルカンに分けられ、また、グリコシド結合の位置により1→3、1→4、1→6結合が区別される。本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての非イオン性グルカンは、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。また、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての非イオン性グルカンは、鎖状構造であってもよく、環状構造を有していてもよい。具体的には、本発明の柔軟剤組成物において、(D−1)成分として、高分子デキストリン(三和澱粉工業株式会社 商品名:サンデック#30)や、環状構造を有し、かつ分岐構造を有する非イオン性グルカン、例えば、環状構造保有分岐状グルカン(特開2012−120471に記載)、高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製 商品名:クラスターデキストリン)等が用いられ得る。(D−1)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
環状構造を有し、かつ分岐構造を有する非イオン性グルカンは、特開平8−134104号に記載される方法や、Takataら、Carbohydrate Research、295、91−101、1996に記載の方法等により製造することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての高度分岐環状デキストリンは、重量平均分子量が3万から100万程度であり、分子内に環状構造を1つ有し、さらにその環状部分に多数のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のデキストリンを主に含む。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は10〜100個程度のグルコースで構成されており、この内分岐環状構造部分に、非環状の多数の分岐グルカン鎖からなる外分岐構造部分が結合している。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分の重合度は、10〜100の範囲である。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の重合度は、40以上である。
例えば、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、平均で10〜20である。
より詳細には、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンである。本明細書において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104の記載を参酌して理解され得る。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカンにおいて、その分岐頻度は、例えば8%以上である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの分岐頻度は、α−1,6分岐の割合によって示される。α−1,6分岐の割合は例えば約10%以上、約11%以上、約12%以上、約13%以上、約14%以上、約15%以上、約16%以上、約17%以上、約20%以上などであり得る。α−1,6分岐の割合に上限はないが、例えば、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下などであり得る。
なお、分岐頻度は、以下の式によって計算される:
分岐頻度(%)={(分岐数)/(分子全体のグルコース単位数)}×100
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカン中の環状構造部分の平均重合度は、好ましくは約10以上であり、より好ましくは約15以上であり、さらに好ましくは約20以上であり、また、好ましくは約500以下であり、より好ましくは約300以下であり、さらに好ましくは約100以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカン中の分岐構造部分の平均重合度は、好ましくは約40以上であり、より好ましくは約100以上であり、さらに好ましくは約300以上であり、さらにより好ましくは約500以上であり、また、好ましくは約4×103以下であり、より好ましくは約3×103以下であり、さらに好ましくは約2×103以下であり、さらにより好ましくは約1×103以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、1種類の重合度のものを単独で用いてもよいし、種々の重合度のものの混合物として用いてもよい。好ましくは、環状構造保有分岐状グルカンの重合度は、最大の重合度のものと最小の重合度のものとの重合度の比が約100以下、より好ましくは約50以下、さらにより好ましくは約10以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、好ましくは、分岐グルカン構造の一部が環を形成している。ここで、環状構造部分とはα−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状構造部分であり、そして分岐構造部分とは、該環状構造部分に結合した非環状構造部分である。この分岐構造部分の各単位鎖の重合度は、好ましくは約2以上であり、より好ましくは約4以上であり、さらに好ましくは約6以上であり、また、好ましくは約20以下であり、より好ましくは18以下であり、さらに好ましくは15以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカンの分岐の数(すなわち、α−1,6−グルコシド結合の数)は、好ましくは約10個以上であり、より好ましくは約15個以上であり、さらに好ましくは約20個以上であり、また、好ましくは約1000個以下であり、より好ましくは約800個以下であり、さらに好ましくは約500個以下である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカンにおいては、α−1,6−グルコシド結合の数に対するα−1,4−グルコシド結合の数の比(「α−1,6−グルコシド結合の数」:「α−1,4−グルコシド結合の数」)は、好ましくは1:3〜1:13であり、より好ましくは1:4〜1:12であり、さらに好ましくは1:5〜1:10であり、さらに好ましくは1:5〜1:9である。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、
i)基質である分岐状グルカンにブランチングエンザイムを作用させ、次いで4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させるか;
ii)基質である分岐状グルカンに4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させ、次いでブランチングエンザイムを作用させるか;または
iii)基質である分岐状グルカンにブランチングエンザイムおよび4−α−グルカノトランスフェラーゼを同時に作用させる
ことにより製造される。
より詳細には、本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分としての環状構造保有分岐状グルカンは、特開2012−120471号に記載のものである。本明細書において、環状構造保有分岐状グルカンは、特開2012−120471号の記載を参酌して理解され得る。
本発明の柔軟剤組成物に含まれる(D−1)成分である非イオン性グルカンに代えて、α−シクロデキストリン(n=6)、β−シクロデキストリン(n=7)、γ−シクロデキストリン(n=8)などのグルコースが6〜8個結合した一般的なシクロデキストリンを柔軟剤組成物中に配合しても、本発明の柔軟剤組成物と同等の優れたカプセル化香料の分散安定化効果及び塗装はがれの悪化を抑制する効果は得られない。
本発明の柔軟剤組成物に含まれ得る(D−2)成分は、ポリエチレンイミン又はその誘導体である。ポリエチレンイミンの誘導体には、例えば、ポリエチレンイミンのアミド誘導体やアルコキシル化ポリエチレンイミン、アルキルポリエチレンイミン、4級化ポリエチレンイミン等が含まれる。(D−2)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
具体的には、本発明の柔軟剤組成物において、(D−2)成分として、ポリエチレンイミンのアミド誘導体であるLupasol SK(BASF製)や、ポリエチレンイミンであるLupasol PS(BASF製)等が用いられ得る。
また、(D−2)成分の重量平均分子量は、好ましくは3000〜300万、より好ましくは1万〜250万、さらに好ましくは10万〜200万である。(D−2)成分の重量平均分子量が3000以上であると、カプセル化香料の分散安定化効果が良好に得られ、(D−2)成分の重量平均分子量が300万以下であると、液体柔軟剤組成物の使用性がより良好になる。
本発明の柔軟剤組成物において、(D−2)成分の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。(D−2)成分の配合量が0.01質量%以上であると、カプセル化香料の分散性をより向上させることができ、かつ塗装はがれの悪化をより抑制することができる。(D−2)成分の配合量が8質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の使用性がより良好になる。
本発明の柔軟剤組成物に含まれ得る(D−3)成分は、カチオン性(メタ)アクリル系ポリマー、即ち、カチオン性官能基を有する(メタ)アクリル系ポリマーである。(D−3)成分におけるカチオン性官能基としては、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム基等が挙げられ、中でも、3級アミノ基及び4級アンモニウム基が好ましい。
(D−3)成分を構成する単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(メトキシメチル)アクリルアミド、下記式(d−1)で表される化合物、下記式(d−2)で表される化合物、ジアルキルジアリルアンモニウム塩等が挙げられる。
クリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピルクロライド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドクロライドが好ましい。
Xaのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
ジアルキルジアリルアンモニウム塩を重合させた場合、通常、環化重合により、5員環または6員環構造を有する繰り返し単位が形成される。
本発明の柔軟剤組成物において、(D−3)成分の配合量は特に限定されないが、柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.05〜1質量%、より好ましくは0.1〜0.8質量%、さらに好ましくは0.2〜0.5質量%である。(D−3)成分の配合量が0.05質量%以上であると、カプセル化香料の分散性をより向上させることができ、かつ塗装はがれの悪化をより抑制することができる。(D−3)成分の配合量が1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の使用性がより良好になる。
本発明の柔軟剤組成物において、(D)成分全体の総質量に対する、(C)成分中のClogP値が5以上の香料成分の総質量の比は、特に限定されないが、2.5以下が好ましく、1以下がより好ましく、0.6以下が最も好ましい。この配合比が2.5以下であると、塗装はがれの悪化をより抑制することができる。
本発明の柔軟剤組成物は、(E)成分として、ノニオン界面活性剤を更に含み得る。本発明の柔軟剤組成物に(E)成分を配合することにより、液体柔軟剤組成物の保存安定性(特に、凍結復元性)をより向上させることができ、カプセル化香料の組成物中での分散性をより向上させることができる。
(E)成分としては、液体柔軟剤組成物分野において公知のノニオン界面活性剤を特に制限なく用いることができる。例えば、アルコール又は脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物を用いることができる。
アルコール及び脂肪酸の各炭素鎖部分は、分岐していても直鎖でもよく、不飽和があってもよい。また、炭素鎖に分布があってもよい。炭素鎖の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは8〜18である。炭素鎖が直鎖である場合には、その炭素数は好ましくは6〜14、より好ましくは8〜12、最も好ましくは10〜12である。炭素鎖が分岐鎖である場合には、その炭素数は好ましくは6〜18、より好ましくは9〜18、最も好ましくは13である。
ノニオン界面活性剤の原料としては、エクソンモービル社製エクサール、BASF社製LUTENSOL(ルテンゾール)シリーズ、協和発酵工業製オキソコール、HoechstAG社製GENAPOLシリーズや、Shell社製DOBANOLシリーズなどを使用することができる。ノニオン界面活性剤がアルコールのアルキレンオキシド付加物である場合には、1級アルコール及び2級アルコールのいずれも使用することができる。炭素数13のアルコールは、例えばドデセンを原料として製造されるが、その出発原料としてはブチレンでもプロピレンでもよい。
炭素鎖が不飽和基を含む場合、その炭素数は18であるものが特に好ましい。不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が25/75〜100/0(質量比)であることが好ましい。
(E)成分の具体例としては、ノニルアルコールの平均EO9PO1付加物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、ラウリルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物、トリデシルアルコールの平均EO50モル付加物や、ラウリン酸の平均EO20モル付加物などが挙げられる。市販品としては、日本エマルジョン製エマレックスシリーズ、三洋化成製エマルミンシリーズ、ライオン化学製TDAシリーズ、日本触媒製ソフタノールシリーズや、BASF社製LUTESOLシリーズなどを使用することができる。
本発明の柔軟剤組成物において、(D)成分に対する(E)成分の質量比は、特に限定されないが、20以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下が最も好ましい。この質量比が20以下であると、塗装はがれの悪化をより抑制することができる。
本発明の液体柔軟剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(E)成分以外にも、以下のような成分を含有してもよい。例えば、水、両性界面活性剤、水溶性溶剤、糖系化合物、染料及び/又は顔料、防腐剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、シリコーン化合物等を配合することができる。
本発明の液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
水の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。配合量が50質量%以上であると、ハンドリング性がより良好となる。
<両性界面活性剤>
両性界面活性剤は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合し得る。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン、N−アルキルアミノ酸、N−アルケニルアミノ酸や、それらの塩などが挙げられる。
ベタインとしては、アルキルベタイン、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アミドスルホベタイン、イミダゾリニウムベタインや、ホスホベタイン等がある。
N−アルキルアミノ酸又はN−アルケニルアミノ酸は、窒素原子にアルキル基またはアルケニル基が結合し、さらに1つまたは2つの「−R−COOH」(式中、Rは2価の炭化水素基を示し、好ましくはアルキレン基であり、特に炭素数1〜2であることが好ましい)で表される基が結合した構造を有する。「−R−COOH」が1つ結合した化合物においては、窒素原子にはさらに水素原子が結合している。「−R−COOH」が1つのものをモノ体、2つのものをジ体という。両性界面活性剤としては、これらモノ体、ジ体のいずれも用いることができる。N−アルキルアミノ酸及びN−アルケニルアミノ酸にそれぞれおいて、アルキル基及びアルケニル基は直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。
両性界面活性剤は、好ましくはスルホベタイン又はアミドスルホベタインであり、より好ましくは、下記一般式(IV)で表されるスルホベタイン又はその混合物である。
R1'は炭素数9〜23の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、
Wはエステル基又はアミド基であり、
rは1〜4の整数であり、
R2'は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、
R3'は−(CH2)s−T又は−CH2CH(OH)CH2−T(式中、sは0〜4であり、Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-である)であり、
R4'はR1'−S−(CH2)r−、R2'又はR3'である)。
Wは、好ましくはエステル基である。
R2'の具体例としては、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基や、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R3'におけるsは、好ましくは2〜3である。
R1'の元となる脂肪酸組成のヨウ素価は、好ましくは0〜100、より好ましくは0〜70、更に好ましくは20〜45である。
両性界面活性剤として、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。例えば、一般式(IV)で表されるスルホベタインの複数種類からなる混合物や、一般式(V)〜(VII)で表されるスルホベタインの任意の組み合わせからなる混合物を用いることができる。
一般式(IV)で表されるスルホベタインの複数種類からなる混合物において、各スルホベタインを構成するアルケニル基に基づく幾何異性について、シス体の比率が25〜95%、好ましくは40〜90%であると、液体柔軟剤組成物の粘度を適度なものとすることができる。
水溶性溶剤は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合され得る。
水溶性溶剤としては、炭素数1〜4のアルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
R6−O−(C2H4O)y−(C3H6O)Z−H ・・・(X)
(式中、R6は、炭素数1〜6、好ましくは2〜4のアルキル基又はアルケニル基であり、yおよびzはそれぞれ平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5であり、zは0〜5、好ましくは0〜2である。)
上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0.01〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%である。
糖系化合物は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合され得る。
糖系化合物としては、糖骨格の繰り返し単位の数(重合度)が1〜40のものが好ましく、1〜20が更に好ましく、1〜5(すなわち、単糖及び重合度1超5以下のオリゴ糖)が特に好ましい。好ましい糖系化合物としては、単糖、二糖、オリゴ糖や糖アルコールが挙げられる。
糖の具体例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、タロース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、及び、天然多糖の部分加水分解から得られるオリゴ糖、並びに、これらの糖に置換基を導入した化合物(糖誘導体)が挙げられる。導入可能な置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アミン基、4級アンモニウム基や、カルボキシル基等が挙げられ、これらの中でも、特にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基が挙げられる。置換基としては、炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が最も好ましい。
糖としては、重合度が1〜5の単糖及びオリゴ糖、並びに、重合度が1〜5の単糖及びオリゴ糖において少なくとも一つの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物から選ばれる1種以上が好ましい。上記に挙げた中でも、凍結復元性の観点からは、トレハロースが好ましい。
糖アルコールとしては、エリトリトール、トレイトール、ペンチトール、ヘキシトール、ダルシトール、ソルビトール、マンニトール、ボレミトール、ペルセイユトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等が挙げられる。
糖系化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
糖系化合物の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜7質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
染料及び顔料は、それぞれ液体柔軟剤組成物の外観を向上するために配合され得る。
染料及び顔料共に、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。また、特開平6−123081号公報、特開平6−123082号公報、特開平7−18573号公報、特開平8−27669号公報、特開平9−250085号公報、特開平10−77576号公報、特開平11−43865号公報、特開2001−181972号公報や特開2001−348784号公報などに記載されている染料も用いることができる。
好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料又は反応性染料が好ましい。
染料及び顔料のそれぞれについて、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
染料及び顔料の各配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは1〜50ppm、より好ましくは1〜30ppmである。
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合され得る。
防腐剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンが好ましく、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001〜1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
紫外線吸収剤は、液体柔軟剤組成物を紫外線から保護するために配合され得る。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出することで、紫外線防御効果を発揮する成分である。
紫外線吸収剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、p−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリルや、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチルや、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p−メトキシケイ皮酸エチル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルや、p−メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸や、2、2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸や、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4−t−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001〜5質量%である。
抗菌剤は、液体柔軟剤組成物の保存性を高めるために配合され得る。
抗菌剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、ダイクロサン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、8−オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。これらの中でも、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド系化合物や、塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001〜5質量%である。
シリコーン化合物は、香りの持続性(発香性)及び柔軟性をより向上させる目的で配合され得る。
本発明の液体柔軟剤組成物に配合され得るシリコーン化合物の種類に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいし、また、架橋していてもよい。また、シリコーン化合物は変性シリコーン化合物であってもよく、前記変性シリコーン化合物は、1種の有機官能基により変性されたものであってもよいし、2種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用することができ、また任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態でも使用することができる。
シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
これらの中でも、汎用性、消臭防臭効果の向上の観点から、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチルシリコーンなどが好ましく、効果、製造時の取り扱いの観点からは、特にポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが好ましい。
好ましいアミノ変性シリコーンのオイルまたは、エマルジョンの場合の基油オイルは、次の一般式(III)で表される。
アミノ変性シリコーンとしては商業的に入手できるものを使用することができ、例えば、アミノ変性シリコーンオイルとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SF−8417、BY16−892、BY16−890で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、KF−864、KF−860、KF−8004、KF−8002、KF−8005、KF−867、KF−861、KF−880、KF−867Sなどが挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンタイプのものとしては、東レ・ダウコーニング株式会社から、SM8904、BY22−079、FZ−4671、FZ−4672で販売されているもの、信越化学工業株式会社から、Polonシリーズで販売されているPolonMF−14、PolonMF−29、PolonMF−14D、PolonMF−44、PolonMF−14EC、PolonMF−52が挙げられる。
本発明の柔軟剤組成物に含まれるシリコーン化合物の配合量としては、特に限定されないが、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜8質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。シリコーン化合物を0.01質量%以上配合することで香りの発香性は高まるが、10質量%以上配合しても効果は高まらない傾向にある。
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、カプセル化香料の分散性の向上や保存経日に伴う(A)成分の加水分解を抑制する等の観点から、25℃におけるpHが1〜6の範囲内であることが好ましく、2〜4の範囲内であることがより好ましく、2〜3の範囲内であることがさらに好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
液体柔軟剤組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、1000mPa・s未満であることが好ましい。
保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。800mPa・s未満であると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。使用性の観点からは粘度の下限は特に制限されない。
なお、本発明の液体柔軟剤組成物の粘度をコントロールする目的で、無機又は有機の水溶性塩類を用いることができる。具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウムや、クエン酸ナトリウム等を用いることができるが、中でも塩化カルシウム、塩化マグネシウムや、クエン酸ナトリウムが好ましい。これらの水溶性塩類は、カプセル化香料の分散性を損なわない量で配合することができ、その配合量は、例えば、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0〜0.5質量%、好ましくは0〜0.3質量%、さらに好ましくは0〜0.1質量%である。水溶性塩類は、液体柔軟剤組成物製造のどの工程で配合しても構わない。
本発明における液体柔軟剤組成物の粘度とは、B型粘度計(例えば、ブルックフィールド社のアナログ粘度計T)を用いて25℃にて測定される値をいう。
本発明の液体柔軟剤組成物の調製方法は特に限定されない。液体柔軟剤組成物の公知の調製方法、例えば、主剤として陽イオン界面活性剤を用いる従来の柔軟剤組成物の調製方法と同様の方法により製造することができる。
例えば、(A)成分、(C)成分、任意に(E)成分を含む油相と、(D)成分を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、(B)成分を得られた乳化物に添加して、混合することにより製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分と、(C)成分と、任意に(E)と、必要に応じて他の任意成分とを混合することにより調製することができる。
水相は、(D)成分と、水と、必要に応じて他の任意成分とを混合することにより調製することができる。
(B)成分の配合時期は特に制限されないが、油相と水相との混合後に得られる乳化物へ添加(後添加)することが好ましい。後添加すると、乳化物調製時にかかる剪断力によるカプセル化香料のカプセル壁の崩壊による芯物質の放出を抑制することができる。
(D)成分の配合時期は特に制限されないが、予め水相に混合せずに、油相と水相との混合後に得られる乳化物へ添加(後添加)することもできる。
(E)成分の配合時期は特に制限されないが、油相に一部を添加しておき当該油相と水相との混合後に得られる乳化物へ残部を添加することが好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の柔軟剤組成物と同様の方法で使用することができる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水へ本発明の液体柔軟剤組成物を溶解させて被洗物を柔軟処理する方法や、本発明の液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に被洗物を入れて浸漬処理する方法がある。
本発明の柔軟剤組成物により処理され得る繊維製品は、特に制限されるものではなく、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツ、マクラカバー等が挙げられる。その素材も、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
下記のA−1〜A−4を使用した。
・A−1:カチオン界面活性剤(特開2003−12471の実施例4に記載の化合物)
A−1は、一般式(A1−4)、(A1−5)及び(A1−6)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15〜17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
・A−2:カチオン界面活性剤(東南合成(株)製、商品名:HITEX RO16E)
・A−3:カチオン界面活性剤(Stepan製、商品名:Stepantex SE-88)
・A−4:ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(東京化成工業製)
下記のB−1〜B−2を使用した。
・B−1:GREEN BREEZE CAPS(GIVAUDAN社製)
・B−2:RAINBOW CAPS(GIVAUDAN社製)
B−1及びB−2のいずれも、香料組成物を芯物質とし、メラミン−ホルムアルデヒド系樹脂をカプセル壁とするカプセル化香料である。
下記のD−1〜D−5を使用した。
・D−1:高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製 商品名:クラスターデキストリン、重量平均分子量:40万)
・D−2:高分子デキストリン(三和澱粉工業株式会社 商品名:サンデック#30、重量平均分子量:10万)
・D−3(比較):βシクロデキストリン(東京化成工業株式会社製、重量平均分子量:1135)
・D−4:カチオン性(メタ)アクリル系ポリマー(BASF製 商品名:Rheovis FRC)
・D−5:ポリエチレンイミン(BASF製 商品名:Lupasol PS、重量平均分子量:75万)
下記のE−1〜E−2を使用した。
・E−1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(BASF社製ルテンゾールTO3にエチレンオキサイドを付加させたもの(EO60モルは、エチレンオキサイドの平均付加モル数が60であることを示す))
・E−2:ポリオキシエチレンラウリルエーテルEO20モル(日本エマルション株式会社製(EO20モルは、エチレンオキサイドの平均付加モル数が20であることを示す))
防腐剤:イソチアゾロン液(ダウケミカル社製 商品名:ケーソンCG−ICP)
0.01%
粘度コントロール剤:塩化カルシウム((株)トクヤマ製 商品名:粒状塩化カルシウム) 0.03%
水溶性溶剤:95%合成エタノール(純正化学製) 2%
各成分の配合量の表記は、調製される液体柔軟剤組成物の総質量に対する各成分の質量%である。
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、下記表2に記載の通り調整して、次の手順により柔軟剤組成物を調製した。
まず、(A)成分(A−1〜A−3成分)、(C)成分、(E)成分、水溶性溶剤を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分であるイソチアゾロン液をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、共通成分であるイソチアゾロン液の合計量を差し引いた残部に相当する。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。しかる後、(B)成分、(D)成分、(E)成分の残部、A−4成分、共通成分である塩化カルシウムを添加し、必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(実施例1〜20及び比較例1〜9)を得た。
上記のとおり調製した液体柔軟剤組成物について、以下の手順で「香りの持続性」、「(B)成分の分散性」、「塗装はがれ」の評価を行った。
<1.液体柔軟剤組成物を用いた綿タオルの処理>
(評価用布の前処理)
市販の綿タオル(東進社製)について、前処理として、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)により、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、以下の前処理を3回行った。
前処理:洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、洗浄10分→注水すすぎ10分を2回。
上記のとおり前処理した綿タオル(東進社製)1.0kgを、二槽式洗濯機(東芝製VH−30S)を用いて、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)で10分間洗浄し(標準使用量、標準コース、浴比30倍、25℃の水道水使用)、その後、1回目のすすぎを3分間行った。1回目のすすぎに続いて2回目のすすぎを3分間行った。この2回目のすすぎの開始時に、上記のとおり調製した液体柔軟剤組成物を添加して、3分間の柔軟処理(仕上げ剤6.67mL、浴比20倍、25℃の水道水使用)を行った。洗浄、すすぎの各工程間で脱水を1分間行った。
処理後、二槽式洗濯機から綿タオルを取出し、平均気温25℃、30ラングレーの日光照射下で8時間乾燥させたものを評価用処理布とした。
上記のとおり処理した評価用処理布を、乾燥後、20℃40%RH条件下で1日間保管した後の香気強度を、下記の6段階臭気強度表示法に準拠し官能評価した。専門パネラー8人の平均点により、下記判定基準で香り持続性を判定した。商品価値上、○以上を合格とした。結果を下記表2に示す。
<6段階臭気強度表示法>
0:無臭
1:やっと検知できる程度の香り
2:何の香りか分かる程度の香り
3:楽に感知できる香り
4:強い香り
5:強烈な香り
<判定基準>
◎◎◎:3.0点以上
◎◎:2.5点以上3.0点未満
◎:2.0点以上2.5点未満
○:1.5点以上2.0点未満
△:1.0点以上1.5点未満
×:1.0点未満
上記のとおり調製した液体柔軟剤組成物を軽量PSガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に80mL入れて密栓し、(B)成分の分散性を以下に示す5段階評価法により評価を行った。評価サンプルは同様に密栓したサンプルを25℃条件下で3ヶ月間保管し、専門パネラー8名により下記の基準に基づき目視評価を行った。結果を8名の平均値で表した。商品価値上、○以上が好ましい。結果を下記表2に示す。
<評価基準>
4:保存前のサンプルと同等と認められる。
3:わずかに浮遊が認められる。
2:浮遊が認められるが、軽い振とうにより容易に再分散する。
1:浮遊が認められ、ガラスビンへの付着もあり軽い振とうでは再分散が困難。
<判定基準>
◎◎◎:3.5点以上
◎◎:3.0点以上3.5点未満
◎:2.5点以上3.0点未満
○:2.0点以上2.5点未満
△:1.5点以上2.0点未満
×:1.5点未満
(評価用板の作製)
市販の水性ニス「水性二ス 透明クリアー」(和信ペイント株式会社製)を木板「アガチス板」(ホルツマーケット製)に刷毛を用いて満遍なく塗布し、20℃40%RHにて3時間乾燥させ、この作業を3度繰り返し、評価用板とした。
(塗装はがれ評価)
上記方法で作製した木板の水性ニス塗装表面に、上記のとおり調製した液体柔軟剤組成物を500μl滴下し、20℃45%RHで12時間乾燥させた。その後、水で濡らし固く絞った綿タオルにて、乾燥した液体柔軟剤組成物をよく拭き取った。拭き取った後の木板の状態を目視観察および手触りにより、下記評価基準で評価し、以下の基準に従って塗装はがれ度合いを専門パネラー8人の平均点から判定した。商品価値上、○以上を合格とした。結果を下記表2に示す。
<評価基準>
5:液体柔軟剤組成物滴下前の状態と同様、まったく変化が認められない。
4:ごくわずかに塗装はがれが認められる。
3:わずかに塗装はがれが認められる。
2:塗装はがれが認められる。
1:かなりの塗装はがれが認められる。
0:水性二ス塗装前の木板の表面が完全に露出している。
<判定基準>
◎◎◎:4.0点以上
◎◎:3.5点以上4.0点未満
◎:3.0点以上3.5点未満
○:2.0点以上3.0点未満
△:1.0点以上2.0点未満
×:1.0点未満
Claims (7)
- 以下の(A)〜(D)成分:
(A)エステル基及び/又はアミド基で分断されていてもよい炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)カプセル化香料、
(C)カプセルに内包されていない香料組成物であって、該香料組成物の全質量に対して、ClogP値が5以上の香料成分を25質量%以上含む香料組成物、及び
(D)水溶性高分子化合物
を含有する液体柔軟剤組成物。 - (D)成分が、非イオン性グルカン、ポリエチレンイミン又はその誘導体、及びカチオン性(メタ)アクリル系ポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
- (D)成分の総質量に対する、(C)成分中のClogP値が5以上の香料成分の総質量の比が、2.5以下である、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
- (E)ノニオン界面活性剤を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
- (D)成分に対する(E)成分の質量比が、20以下である、請求項4に記載の液体柔軟剤組成物。
- (A)成分の含有量が5〜30質量%、(B)成分の含有量が香料の量として0.01〜3質量%、(C)成分の含有量が0.01〜5質量%、(D)成分の含有量が0.01〜8質量%、(E)成分の含有量が0質量%より多く5質量%以下である、請求項4又は5に記載の液体柔軟剤組成物。
- 25℃におけるpHが1〜6である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
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