JP7005329B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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本発明は液体柔軟剤組成物に関する。詳細には、本発明は、機能性カプセルを分散した状態で含有しつつ、凍結復元性に優れ、更に繊維製品へ吸水性を付与することができる液体柔軟剤組成物に関する。
近年、液体柔軟剤の性能向上のために香料等の有益物質を高分子等で被覆してなる機能性カプセルが使用されている。最近では、カプセル化香料によって繊維製品へ残香性を付与する技術が使用されることもある。機能性カプセルを柔軟剤中で分散安定化させるために、枯渇効果等による構造粘性付与技術が採用されている(特許文献1~2)。この技術では高濃度の微粒子分散系であることが重要であるため、柔軟剤中に十分な濃度のカチオン界面活性剤が必要とされる。
しかし前記技術では、柔軟処理された繊維製品の吸水性低下と、柔軟剤の凍結復元性の低下(凍結復元後の増粘)が課題となっていた。
繊維製品の吸水性を向上させる技術としては、特定の第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤と脂肪酸とを組合せる技術(特許文献3)や、特定の2種類の第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤を組合せる技術(特許文献4)が知られている。
凍結復元後の柔軟剤の増粘を抑制する技術としては、特定の第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤とノニオン性界面活性剤とを組合せる技術(特許文献5)が知られている。
また、セルロース繊維を配合した柔軟剤も知られている(特許文献6~7)。
特開2017-40019号公報 特表2016-529406号公報 特開平6-228874号公報 特開2011-208345号公報 特開2006-207112号公報 特表2016-525591号公報 特開2010-90330号公報
しかしながら、機能性カプセルを分散安定化するのに十分な構造粘性を付与した際の柔軟剤の凍結復元性及び繊維製品の吸水性には未だ改善の余地があり、特に繊維製品の吸水性については未だ満足していない消費者が存在すると考えられる。
前記課題を本発明者は鋭意検討した結果、カチオン界面活性剤を用いて構造粘性を付与した柔軟剤においてセルロースナノファイバーとノニオン界面活性剤とを併用すると、凍結復元性や繊維製品の吸水性が損なわれないことを見いだした。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は下記〔1〕~〔8〕に関するものである。
〔1〕下記(A)~(C)成分:
(A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されていてもよい、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)セルロースナノファイバー、及び
(C)ノニオン界面活性剤
を含む、液体柔軟剤組成物。
〔2〕(A)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して5~30質量%である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔3〕更にカプセル化香料を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔4〕(C)成分が、アルコールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:10~100)である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載に記載の液体柔軟剤組成物。
〔5〕(B)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.01~5質量%である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
〔6〕(C)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.1~10質量%である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
〔7〕(B)成分の(A)成分に対する質量比((B)/(A))が0.001~0.2である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
〔8〕(C)成分の(A)成分に対する質量比((C)/(A))が0.01~0.5である、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
後記の実施例で示されるように、本発明に従う液体柔軟剤組成物は、機能性カプセルを分散した状態で含有しつつ、凍結復元性に優れ、更に繊維製品へ吸水性を付与することができる。したがって、本発明の液体柔軟剤組成物は、従来製品にはない付加価値を有する柔軟剤として有用である。
本発明の液体柔軟剤組成物は、下記(A)~(C)成分:
(A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されていてもよい、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)セルロースナノファイバー、及び
(C)ノニオン界面活性剤
を含む。
〔(A)成分〕
(A)成分は、「エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されていてもよい、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」である、カチオン界面活性剤である。
(A)成分は、繊維製品へ柔軟性(風合い)を付与する効果(すなわち、柔軟剤本来の機能)を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
炭素数10~26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)の炭素数は10~26であり、17~26が好ましく、19~24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性付与効果が良好であり、26以下であると液体柔軟剤組成物のハンドリング性が良好である。
長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央値を中心に分布していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても、構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されていてもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、その炭素鎖中に、エステル基及びアミド基からなる群から選択される少なくとも1種の分断基を有し、該分断基によって炭素鎖が分断されたものであってもよい。該分断基を有すると、生分解性が向上する等の点から好ましい。
該分断基を有する場合、1つの長鎖炭化水素基が有する分断基の数は1つであっても2つ以上であってもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、分断基によって1ヶ所が分断されていてもよく、2ヶ所以上が分断されていてもよい。分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、長鎖炭化水素基がその炭素鎖中に分断基を有する場合、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
アミン化合物としては、2級アミン化合物(長鎖炭化水素基の数が2個)又は3級アミン化合物(長鎖炭化水素基の数が3個)が好ましく、3級アミン化合物がより好ましい。
アミン化合物としては、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007005329000001
[式中、R1~R3はそれぞれ独立に、炭素数10~26の炭化水素基、-CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7~21の炭化水素基である。)、-(CH2nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7~21の炭化水素基である。)、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、
1~R3のうちの少なくとも1つは、炭素数10~26の炭化水素基、-CH2CH(Y)OCOR4、又は-(CH2nNHCOR5である。]
一般式(A1)中、R1~R3における炭素数10~26の炭化水素基の炭素数は、17~26が好ましく、19~24がより好ましい。該炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。該炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
-CH2CH(Y)OCOR4中、Yは水素原子又はCH3であり、水素原子が特に好ましい。R4は炭素数7~21の炭化水素基、好ましくは炭素数15~19の炭化水素基である。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
4の炭化水素基は、炭素数8~22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4のもととなる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。なかでも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10~0/100が好ましく、80/20~0/100がより好ましい。
4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60~100/0が好ましく、70/30~90/10が特に好ましい。
4のもととなる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10~60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10~60)などが挙げられる。中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)~(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10~0/100、より好ましくは80/20~0/100である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60~100/0、より好ましくは70/30~90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21~22の脂肪酸が1質量%未満である。
一般式(A1)における、基「-(CH2nNHCOR5」中、nは2又は3であり、3が特に好ましい。
5は炭素数7~21の炭化水素基、好ましくは炭素数15~19の炭化水素基である。一般式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
5としては、R4と同様のものが具体的に挙げられる。
一般式(A1)において、R1~R3のうち、少なくとも1つは長鎖炭化水素基(炭素数10~26の炭化水素基)、-CH2CH(Y)OCOR4、又は-(CH2nNHCOR5)であり、2つが長鎖炭化水素基であることが好ましい。
1~R3のうち、1つ又は2つが長鎖炭化水素基である場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH、又は-(CH2nNH2であり、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH、又は-(CH2nNH2であることが好ましい。ここで、炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。-CH2CH(Y)OHにおけるYは、-CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。-(CH2nNH2におけるnは、-(CH2nNHCOR5中のnと同様である。
一般式(A1)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(A1-1)~(A1-8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007005329000002

〔(A1-1)式中、R7及びR8はそれぞれ独立に、炭素数10~26の炭化水素基である。(A1-2)~(A1-8)の各式中、R9及びR10はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基である。〕
7及びR8における炭化水素基としては、前記一般式(A1)のR1~R3における炭素数10~26の炭化水素基と同様のものが挙げられる。
9及びR10における炭素数7~21の炭化水素基としては、前記一般式(A1)のR4における炭素数7~21の炭化水素基と同様のものが挙げられる。なお、式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。
アミン化合物の塩は、該アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸や、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
(A)成分は、アミン化合物の4級化物であってもよい。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキルや、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
(A)成分としては、
一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、
一般式(A1-1)~(A1-8)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、
一般式(A1-4)~(A1-6)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
特に、一般式(A1-4)で表される化合物の4級化物と、(A1-5)で表される化合物の4級化物と、(A1-6)で表される化合物の4級化物とを併用することが好ましい。
一般式(A1)及び(A1-1)~(A1-8)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、一般式(A1-2)で表される化合物(以下「化合物(A1-2)」という)と、一般式(A1-3)で表される化合物(以下「化合物(A1-3)」という)とを含む組成物は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物と、メチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性付与を良好にする観点から、「化合物(A1-2)/化合物(A1-3)」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性付与の観点から「化合物(A1-2)の4級化物/化合物(A1-3)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1-4)で表される化合物(以下「化合物(A1-4)」という)と、一般式(A1-5)で表される化合物(以下「化合物(A1-5)」という)と、一般式(A1-6)で表される化合物(以下「化合物(A1-6)」という)とを含む組成物は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、化合物(A1-4)、(A1-5)及び(A1-6)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性付与の観点から、化合物(A1-4)が1~60質量%、化合物(A1-5)が5~98質量%、化合物(A1-6)が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-4)が30~60質量%、化合物(A1-5)が10~55質量%、化合物(A1-6)が5~35質量%であることがより好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1-4)、(A1-5)及び(A1-6)の各4級化物の存在比率は、柔軟性付与の観点から質量比で、化合物(A1-4)の4級化物が1~60質量%、化合物(A1-5)の4級化物が5~98質量%、化合物(A1-6)の4級化物が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-4)の4級化物が30~60質量%、化合物(A1-5)の4級化物が10~55質量%、化合物(A1-6)の4級化物が5~35質量%であることがより好ましい。
なお、化合物(A1-4)、(A1-5)及び(A1-6)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30~99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
一般式(A1-7)で表される化合物(以下「化合物(A1-7)」という)及び一般式(A1-8)で表される化合物(以下「化合物(A1-8)」という)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物と、N-メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物より、J.Org.Chem.,26,3409(1960)に記載の公知の方法で合成したN-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-1,3-プロピレンジアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、「化合物(A1-7)/化合物(A1-8)」で表される存在比率が質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
またその4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1-7)の4級化物/化合物(A1-8)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
(A)成分は、1種類のアミン化合物、その塩又はその4級化物を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物、例えば、一般式(A1-4)~(A1-6)で表される化合物の混合物として用いてもよい。
(A)成分の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは5~30質量%、より好ましくは6~20質量%、さらに好ましくは7~16質量%である。(A)成分の含量が5質量%以上であるとより優れた構造粘性を得ることができ、30質量%以下であるとより優れた凍結復元性を得ることができる。
〔(B)成分〕
(B)成分はセルロースナノファイバーである。(B)成分は、液体柔軟剤組成物へ構造粘性と繊維製品への吸水性付与効果を与えるために配合する。
セルロースナノファイバーとは、セルロース含有材料を解繊して得られる繊維をいう。したがって、繊維形態を採らないセルロース材料(例えば、官能基付与により水に溶解するため繊維形態を採らないカルボキシメチルセルロース)はセルロースナノファイバーには該当しない。
セルロースナノファイバーは、微細セルロースや、微小繊維セルロースと呼ばれることもある。
原料であるセルロース含有材料は特に限定されないが、例えば、天然セルロース材料が挙げられる。
天然セルロース材料としては、例えば、植物、動物やバクテリア等で生合成されたもの(単離物を含む)が挙げられる。具体例としては、綿系パルプ(針葉樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンター、コットンリント等)、非木材系パルプ(麦わらパルプ、バガスパルプ等)、バクテリアセルロース(BC)、ホヤから単離されたセルロースや、海草から単離されたセルロース等が挙げられる。
セルロースナノファイバーの繊維径は特に制限されないが、好ましくは0.1~1000nmである。
セルロースナノファイバーの平均アスペクト比は特に制限されないが、好ましくは10~200000である。
(B)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類を併用してもよい。
(B)成分は、市場において容易に入手可能である。
(B)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.01~5質量%、より好ましくは0.05~3質量%、さらに好ましくは0.1~1質量%である。(B)成分の含量が0.01質量%以上であるとより優れた構造粘性と繊維製品への吸水性付与効果を得ることができ、5質量%以下であるとより優れた凍結復元性を得ることができる。
〔(C)成分〕
(C)成分はノニオン界面活性剤である。(C)成分は、液体柔軟剤組成物の凍結復元性及び分散安定性の向上のために配合する。
ノニオン界面活性剤としては、液体柔軟剤組成物に一般的に使用されているものを特に制限なく使用することができる。例えば、アルコール又は脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物等を用いることができる。
アルコール又は脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物において、アルコール及び脂肪酸の各炭素鎖部分は、分岐していてもよく直鎖であってもよく、又、不飽和があってもよい。また、炭素鎖に分布があってもよい。炭素鎖の炭素数は、好ましくは6~20、より好ましくは8~18である。炭素鎖が直鎖である場合には、その炭素数は好ましくは6~14、より好ましくは8~12、最も好ましくは10~12である。炭素鎖が分岐鎖である場合には、その炭素数は好ましくは6~18、より好ましくは9~18、最も好ましくは13である。
ノニオン界面活性剤の原料としては、エクソンモービル社製エクサール、BASF社製LUTENSOL(ルテンゾール)シリーズ、協和発酵工業製オキソコールや、Shell社製DOBANOLシリーズなどを使用することができる。ノニオン界面活性剤がアルコールのアルキレンオキシド付加物である場合には、1級アルコール及び2級アルコールのいずれも使用することができる。炭素数13のアルコールは、例えばドデセンを原料として製造されるが、その出発原料としてはブチレンでもプロピレンでもよい。
炭素鎖が不飽和基を含む場合、その炭素数は18であるものが特に好ましい。不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が25/75~100/0(質量比)であることが好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)が好ましいが、EOとともにプロピレンオキサイド(PO)またはブチレンオキサイド(BO)を付加したものであってもよい。EOの平均付加モル数としては10~100モルが好適であり、より好ましくは20~80モル、特に好ましくは40~70モルである。また、EOとともに付加するPO又はBOの平均付加モル数としては1~5が好適であり、より好ましくは1~3モルである。この際、EOを付加した後、PO又はBOを付加しても、あるいはPO又はBOを付加した後、EOを付加してもよい。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ノニルアルコールの平均EO9PO1付加物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、ラウリルアルコールの平均EO20モル付加物、ラウリルアルコールの平均EO30モル付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物、トリデシルアルコールの平均EO50モル付加物や、ラウリン酸の平均EO20モル付加物などが挙げられる。市販品としては、日本エマルジョン製エマレックスシリーズ、三洋化成製エマルミンシリーズ、ライオン化学製TDAシリーズ、日本触媒製ソフタノールシリーズや、BASF社製LUTESOLシリーズなどを使用することができる。
(C)成分は市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(C)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の含量は、配合目的を達成できる限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.5~8質量%、さらに好ましくは1~6質量%である。(C)成分の含量が0.1質量%以上であるとより優れた凍結復元性を得ることができ、10質量%以下であると液体柔軟剤組成物の粘度の上昇を抑えて、使用性の面で良好なものとすることができる。
繊維製品への吸水性付与の観点から、液体柔軟剤組成物における(B)成分の(A)成分に対する質量比((B)/(A))は、好ましくは0.001~0.2、より好ましくは0.01~0.15である。0.001以上であるとより優れた吸水性が得られ、0.2以下であると液体柔軟剤組成物の安定性を良好に保ちつつ優れた吸収性を得ることができる。
また、液体柔軟剤組成物の凍結復元性の観点から、液体柔軟剤組成物における(C)成分の(A)成分に対する質量比((C)/(A))は、好ましくは0.01~0.5、より好ましくは0.1~0.4である。0.01以上であるとより優れた凍結復元性が得られ、0.5以下であると液体柔軟剤組成物の安定性を良好に保ちつつ優れた凍結復元性を得ることができる。
〔任意成分〕
液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて前記(A)~(C)の必須成分以外の下記の任意成分を配合してもよい。
〔香料〕
香料は、繊維製品へ香気を付与するために配合される。
香料は、後記する機能性カプセルの芯物質として配合してもよく、カプセル化されていないフリーの香料(以下「フリー香料」ともいう)として配合してもよい。
香料の種類に特に制限はなく、液体柔軟剤組成物に一般的に使用される香料成分を、目的に応じて適宜選択することができる。香料は、1種類の香料成分であってもよく、複数種類の香料成分の混合物であってもよい。また、香料は、香料成分単独であってもよく、香料成分と他の成分(例えば、溶剤)とを含む香料組成物であってもよい。
香料成分の具体例としては、例えば、アルデヒド類、フェノール類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ハイドロカーボン類、ケトン類、ラクトン類、ムスク類、テルペン骨格を有する香料、天然香料、動物性香料などが挙げられる。
各香料の具体例は以下の通りである。
アルデヒド類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、エチルバニリン、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリンや、ヘリオナールなどが挙げられる。
フェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイゲノールや、イソオイゲノールなどが挙げられる。
アルコール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シトロネロール、ジハイドロミルセノール、ジハイドロリナロール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、サンダロール、サンタレックス、ターピネオール、テトラハイドロリナロール、メントール、ボルネオール、1-デカナール、バクダノールや、フェニルエチルアルコールなどが挙げられる。
エーテル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セドランバー、グリサルバ、メチルオイゲノールや、メチルイソオイゲノールなどが挙げられる。
エステル類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シス-3-ヘキセニルアセテート、シス-3-ヘキセニルプロピオネート、シス-3-ヘキセニルサリシレート、p-クレジルアセテート、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、アミルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、アミルサリシレート、ベンジルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、シトロネリルアセテート、デカハイドロ-β-ナフチルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エリカプロピオネート、エチルアセトアセテート、エリカアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ヘディオン、リナリルアセテート、β-フェニルエチルアセテート、ヘキシルサリシレート、スチラリルアセテート、ターピニルアセテート、ベチベリルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、マンザネートや、アリルヘプタノエートなどが挙げられる。
ハイドロカーボン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リモネン(特に、d-リモネン)、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、カンフェンや、テルピノーレン等が挙げられる。
ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、シス-ジャスモン、メチルヨノン、アリルヨノン、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、カルボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコンやマルトールなどが挙げられる。
ラクトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ドデカラクトン、クマリンや、アンブロキサンなどが挙げられる。
ムスク類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シクロペンタデカノライド、エチレンブラシレート、ガラクソライド、ムスクケトン、トナリッド、トナライドや、ニトロムスク類などが挙げられる。
テルペン骨格を有する香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゲラニオール(ゼラニオール)、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、ミント、シトロネラール、ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、テレピネロール、カルボン、ヨノン(例えばβ-ヨノン)、カンフェンや、ボルネオールなどが挙げられる。
天然香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オレンジ油、レモン油、ライム油、プチグレン油、ユズ油、ネロリ油、ベルガモット油、ラベンダー油、ラバンジン油、アビエス油、アニス油、ベイ油、ボアドローズ油、イランイラン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ペパーミント油、ハッカ油、スペアミント油、ユーカリ油、レモングラス油、パチュリ油、ジャスミン油、ローズ油、シダー油、ベチバー油、ガルバナム油、オークモス油、パイン油、樟脳油、白檀油、芳樟油、テレピン油、クローブ油、クローブリーフ油、カシア油、ナツメッグ油、カナンガ油や、タイム油などの精油が挙げられる。
動物性香料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、じゃ香、霊猫香、海狸香や、竜涎香などが挙げられる。
香料としては、アルデヒド類、ケトン類及びハイドロカーボン類の香料成分を含有する香料組成物が好ましい。この好ましい香料組成物の具体例としては、下記の香料成分を含むものが挙げられる。
〔アルデヒド類〕
ウンデシレンアルデヒド、ラウリルアルデヒド、アルデヒドC-12MNA、ミラックアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、オクタナール、リグストラール、リリアール、リラール、トリプラール、バニリン、エチルバニリン、ヘリオナール
〔ケトン類〕
α-ヨノン、β-ヨノン、メチル-β-ナフチルケトン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、シス-ジャスモン、メチルヨノン(メチルイオノン)、アリルヨノン(アリルイオノン)、カシュメラン、ジハイドロジャスモン、イソイースーパー、ベルトフィックス、イソロンジフォラノン、コアボン、ローズフェノン、ラズベリーケトン、ダイナスコン、マルトール

〔ハイドロカーボン類〕
リモネン、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、テルピノーレン
より好ましい香料組成物の具体例としては、α-アミルシンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、オクタナール、バニリン、エチルバニリン、ヘリオナール、β-ヨノン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、ラズベリーケトン、マルトール、リモネン、α-ピネン、β-ピネン及びミルセンを含むものが挙げられる。
更に好ましい香料組成物の具体例としては、α-アミルシンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、オクタナール、バニリン、ヘリオナール及びマルトールを含むものが挙げられる。
香料組成物が、香料成分としてアルデヒド類と、ケトン類と、ハイドロカーボン類とを含む場合、凍結復元性の観点で、これらの香料成分の総質量は、香料組成物の総質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。
香料組成物には、液体柔軟剤組成物(例えば、繊維製品用仕上げ剤組成物又は柔軟剤組成物)に一般的に使用される溶剤を配合してもよい。香料用溶剤としては、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート)、スクロースジアセテートヘキサイソブチレート、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル(BB)、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコール(DPG)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト-5(1,2-ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA-2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA-4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)や、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
溶剤の含量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.1~30質量%、好ましくは1~20質量%である。
香料組成物には、液体柔軟剤組成物(例えば、繊維製品用仕上げ剤組成物又は柔軟剤組成物)に一般的に使用される酸化防止剤を配合してもよい。香料用酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ジブチル-4-ヒドロキシトルエン(BHT)、t-ブチル-p-ヒドロキシアニソール(BHA)、p-メトキシフェノール、β-ナフトール、フェニル-α-ナフチルアミン、テトラメチルジアミノジフェニルメタン、γ-オリザノール、ビタミンE(α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、トリス(テトラメチルヒドロキシピペリジノール)・1/3クエン酸塩、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、クェルセチンや、4,4’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等が挙げられる。好ましくは2,6-ジ-t-ジブチル-4-ヒドロキシトルエンである。
酸化防止剤の含量は、香料組成物の総質量に対して、例えば0.001~10質量%、好ましくは0.01~5質量%である。
香料の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、フリー香料の場合、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.1~4質量%、好ましくは0.5~3質量%、より好ましくは0.5~2質量%である。0.1質量%以上であると残香性がより良好になり、5質量%以下であると、より良好な保存安定性を得ることができる。
〔機能性カプセル〕
機能性カプセルは、カプセル内に内包された芯物質に起因する様々な機能を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
機能性カプセルは、芯物質と、当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。
芯物質としては、液体柔軟剤組成物分野においてカプセル封入物質として一般的に用いられているものを特に制限なく用いることができる。具体例としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤、香味料、甘味料、ワックス、薬剤、肥料や、除草剤等が挙げられる。
芯物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
壁物質としては、液体柔軟剤組成物分野においてカプセル化材料として一般的に用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、ゼラチンや寒天等の天然系高分子、油脂やワックス等の油性膜形成物質、ポリアクリル酸系、ポリビニル系、ポリメタクリル酸系、メラミン系、ウレタン系等の合成高分子物質などを挙げることができ、それら1種を単独又は2種以上を適宜併用することができる。
香料を芯物質として用いた機能性カプセルは、カプセル化香料とも呼ばれる。カプセル化香料の具体例としては、フィルメニッヒ社製のBLUEFLOWERPOP「FFMHN2814」、ジボダン社製のGREEN BREEZE CAPS、ORCHARD GARDEN CAPS、RAINBOW CAPS、VELVET CAPS、AURORACAPS、およびCOSMICCAPS;IFF社製のUNICAP101、およびUNICAP503等が挙げられる。
冷感剤を芯物質として用いた機能性カプセルは、冷感カプセルとも呼ばれる。冷感カプセルの具体例としては、ウイルバー・エリス社製のMultiSal FreshCool等が挙げられる。
温感剤を芯物質として用いた機能性カプセルは、温感カプセルとも呼ばれる。温感カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンRMC-TOや、SALVONA Technologies社製のHydrosal Heatなどが挙げられる。
その他の機能性カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンNFHO-W(抗菌効果)、リケンレジン、RMC-HBP(防虫効果)およびRMC-PT(防虫効果)などが挙げられる。
機能性カプセルの粒子径は10μm~30μmであることが好ましい。粒子径が10μm~30μmの機能性カプセルは、衣類への吸着性に優れ、かつ、液体柔軟剤組成物中に安定に分散させることができる。
機能性カプセルは、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
機能性カプセルは、1種類の機能性カプセルを単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
機能性カプセルの含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.05~5質量%、より好ましくは0.1~3質量%である。
〔水溶性溶剤〕
水溶性溶剤は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合され得る。
水溶性溶剤としては、炭素数1~4のアルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
6-O-(C24O)y-(C36O)Z-H ・・・(X)
(式中、R6は、炭素数1~6、好ましくは2~4のアルキル基又はアルケニル基であり、yおよびzはそれぞれ平均付加モル数であり、yは1~10、好ましくは2~5であり、zは0~5、好ましくは0~2である。)
上記に挙げた中でも、エタノール、ブチルカルビトール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の含量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0.01~25質量%、さらに好ましくは0.1~20質量%である。
〔糖系化合物〕
糖系化合物は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合され得る。
糖系化合物としては、糖骨格の繰り返し単位の数(重合度)が1~40のものが好ましく、1~20が更に好ましく、1~5(すなわち、単糖及び重合度1超5以下のオリゴ糖)が特に好ましい。好ましい糖系化合物としては、単糖、二糖、オリゴ糖や糖アルコールが挙げられる。
糖の具体例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、タロース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、及び、天然多糖の部分加水分解から得られるオリゴ糖、並びに、これらの糖に置換基を導入した化合物(糖誘導体)が挙げられる。導入可能な置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アミン基、4級アンモニウム基や、カルボキシル基等が挙げられ、これらの中でも、特にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基が挙げられる。置換基としては、炭素数1~18のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1~12のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1~6のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1~3のアルキル基が最も好ましい。
糖としては、重合度が1~5の単糖及びオリゴ糖、並びに、重合度が1~5の単糖及びオリゴ糖において少なくとも一つの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物から選ばれる1種以上が好ましい。上記に挙げた中でも、凍結復元性の観点からは、トレハロースが好ましい。
糖アルコールとしては、エリトリトール、トレイトール、ペンチトール、ヘキシトール、ダルシトール、ソルビトール、マンニトール、ボレミトール、ペルセイユトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等が挙げられる。
糖系化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
糖系化合物の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01~10質量%、好ましくは0.05~7質量%、より好ましくは0.1~5質量%である。
〔染料及び/又は顔料〕
染料及び顔料は、それぞれ液体柔軟剤組成物の外観を向上するために配合され得る。
染料及び顔料共に、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。また、特開平6-123081号公報、特開平6-123082号公報、特開平7-18573号公報、特開平8-27669号公報、特開平9-250085号公報、特開平10-77576号公報、特開平11-43865号公報、特開2001-181972号公報や特開2001-348784号公報などに記載されている染料も用いることができる。
好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料又は反応性染料が好ましい。
染料及び顔料のそれぞれについて、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
染料及び顔料の各含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは1~50ppm、より好ましくは1~30ppmである。
〔防腐剤〕
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合され得る。
防腐剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-ブチル-3-イソチアゾロン、2-ベンジル-3-イソチアゾロン、2-フェニル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4,5-ジクロロイソチアゾロン、5-クロロ-2-メチル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましく、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましく、具体的には、ダウケミカル社製のケーソンCG-ICPなどが挙げられる。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3-オン、類縁化合物としてジチオ-2,2-ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが特に好ましく、具体的には、クラリアント(株)製のニッパサイド、(株)ロンザ製のプロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL、プロキセルLV、プロキセルCRL、プロキセルNBZ、プロキセルAMや、プロキセルB20などが挙げられる。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001~1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
〔紫外線吸収剤〕
紫外線吸収剤は、液体柔軟剤組成物を紫外線から保護するために配合され得る。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出することで、紫外線防御効果を発揮する成分である。
紫外線吸収剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリルや、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチルや、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p-メトキシケイ皮酸エチル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルや、p-メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸や、2、2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸や、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4-t-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
〔抗菌剤〕
抗菌剤は、液体柔軟剤組成物の保存性を高めるために配合され得る。
抗菌剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、ダイクロサン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、8-オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。これらの中でも、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド系化合物や、塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の含量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
前記の任意成分以外にも、液体柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上させるための酸化防止剤や還元剤、乳濁剤(ポリスチレンエマルジョンなど)、不透明剤、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、移染防止剤(ポリビニルピロリドンなど)、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤(4,4-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS-X)など)、染料固定剤、退色防止剤(1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンなど)、染み抜き剤、繊維表面改質剤(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼや、ケラチナーゼなどの酵素)、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与する成分(シルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液、具体的にはK-50、K-30、K-10、A-705、S-702、L-710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス))や、汚染防止剤(アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位とからなる非イオン性高分子化合物、例えば、互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRC-1など)などを適宜配合することができる。
〔水〕
液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む液体状の水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。なかでもイオン交換水が好適である。
〔液体柔軟剤組成物のpH〕
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の加水分解抑制の観点から、より酸性側のpHが好ましく、25℃におけるpHが1~6の範囲内であることが好ましく、1.5~5の範囲内であることがより好ましく、2~4の範囲内であることがさらに好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
〔液体柔軟剤組成物の粘度〕
液体柔軟剤組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、1000mPa・s未満であることが好ましい。
本発明における液体柔軟剤組成物の粘度とは、B型粘度計(例えば、ブルックフィールド社のアナログ粘度計T)の30rpmの粘度値(25℃)をいう。
保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。800mPa・s未満であると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。使用性の観点からは粘度の下限は特に制限されない。
液体柔軟剤組成物の粘度をコントロールする目的で、無機又は有機の水溶性塩類を用いることができる。具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウムや、クエン酸ナトリウム等を用いることができるが、中でも塩化カルシウム、塩化マグネシウムや、クエン酸ナトリウムが好ましい。
水溶性塩類の含量は、例えば、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0.001~1.0質量%、好ましくは0.005~0.8質量%、さらに好ましくは0.01~0.6質量%である。水溶性塩類は、液体柔軟剤組成物製造のどの工程で配合しても構わない。
〔液体柔軟剤組成物の製造方法〕
液体柔軟剤組成物の調製方法は特に限定されない。液体柔軟剤組成物の公知の調製方法、例えば、主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体柔軟剤組成物の調製方法と同様の方法により製造することができる。
例えば、(A)成分と(C)成分とフリー香料を含む油相と、水を含む水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後得られた乳化物に対し、(B)成分と、必要に応じて残りの(C)成分、粘度調節剤や、その他の成分を添加、混合することにより製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分,(C)成分,香料組成物と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製することができる。
水相は、水と、必要に応じて任意成分とを混合することにより調製できる。
尚、粘度調節剤(水溶性塩類)の添加方法は上記の添加方法に限定されず、水相へ添加してもよい。
〔液体柔軟剤組成物の使用方法〕
本発明の液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の液体柔軟剤組成物と同様の方法で使用することができる。例えば洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に本発明の液体柔軟剤組成物を溶解させて繊維製品を柔軟処理する方法や、該液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に繊維製品を入れて浸漬処理する方法がある。
前記のように液体柔軟剤組成物を水に希釈して使用する場合、浴比(繊維製品に対する液体柔軟剤組成物の質量比)は3~100倍、特に5~50倍であることが好ましい。具体的には、柔軟処理では、全使用水量に対し、(A)成分の濃度が好ましくは0.01ppm~1000ppm、さらに好ましくは0.1ppm~300ppmとなるような量で液体柔軟剤組成物を使用することができる。
本発明の液体柔軟剤組成物により処理され得る繊維製品は、特に制限されるものではなく、例えば、衣類、カーテン、ソファー、カーペット、タオル、ハンカチ、シーツ、マクラカバー等が挙げられる。その素材は、綿や絹、ウール等の天然繊維でもよいし、ポリエステル等の化学繊維でもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
〔(A)成分〕
下記のA-1を使用した。

A-1:特開2003-12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。
A-1は、一般式(A1-4)、(A1-5)及び(A1-6)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
〔(B)成分〕
下記のB-1~B-2を使用した。

B-1:セルロースナノファイバー(商品名:BiNFi-sセルロース。(株)スギノマシン製。)

B-2:セルロースナノファイバー(商品名:nanoforest。中越パルプ工業(株)製。)
〔(C)成分〕
下記のC-1~C-2を使用した。

C-1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(一級イソトリデシルアルコールの平均EO60モル付加物に相当)

C-2:ポリオキシエチレンラウリルエーテルEO30モル(ラウリルアルコールの平均EO30モル付加物に相当)
〔共通成分〕
共通成分として、下記の(D-1)~(D-2)を使用した。

(D-1)
〔フリー香料〕及び〔カプセル化香料〕
フリー香料として表1-1記載の香料組成物を用いた。
カプセル化香料は、芯物質として表1-1記載の香料組成物を用いたマイクロカプセルであった。
表1中の香料成分の値は、香料組成物の総質量に対する含量(質量%)である。
Figure 0007005329000003
〔水溶性溶剤〕
95%合成エタノール(純正化学)

〔防腐剤〕
イソチアゾロン液(ダウケミカル社製 商品名:ケーソンCG-ICP)

〔粘度調節剤〕
塩化カルシウム((株)トクヤマ製、商品名:粒状塩化カルシウム)
(D-1)の各成分の含量は、下記の表1-2に示すとおりであった。
Figure 0007005329000004
(D-2)
防腐剤としてベンズイソチアゾリン(クラリアント社製、商品名:ニッパサイド)を使用したことを除き、D-1と同じフリー香料、カプセル化香料、水溶性溶剤及び粘度調節剤を使用した。
(D-2)の各成分の含量は、下記の表2に示すとおりであった。
Figure 0007005329000005
〔液体柔軟剤組成物の調製方法〕
後記の表3に示す組成を有する液体柔軟剤組成物を調製した。表3中、各成分の数値の単位は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する質量%である。
表3中の「B/A」は、(B)成分の(A)成分に対する質量比を示す。更に表3中の「C/A」は、(C)成分の(A)成分に対する質量比を示す。
液体柔軟剤組成物を、ガラス容器(内径100mm、高さ150mm)と攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)とを用い、次の手順により調製した。
まず、(A)成分と、(C)成分と、フリー香料と水溶性溶剤とを混合攪拌して油相混合物を得た。一方、防腐剤をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから、油相混合物と(B)成分と粘度調節剤とカプセル化香料との合計量を差し引いた残部に相当した。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に2分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。
しかる後、(B)成分と粘度調節剤とカプセル化香料とを添加し、必要に応じて塩酸(試薬1mol/L、関東化学)又は水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5(25℃)に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物を得た。また、各液体柔軟剤組成物の粘度(B形粘度計、25℃)は約200Pa・sであった。
〔液体柔軟剤組成物の評価〕
調製した液体柔軟剤組成物を、「カプセル化香料の分散安定性」、「繊維製品への吸水性付与」及び「凍結復元性」について評価した。
〔カプセル化香料の分散安定性〕
軽量PSガラスビン(PS-No.11。田沼硝子工業所製)に液体柔軟剤組成物80mL入れて密栓し、25℃下で2ヶ月間保存したものを評価用サンプルとした。
評価用サンプルを、下記の4段階評価基準に従って、専門パネラーが目視評価した。

<評価基準>
4:保存前のサンプルと同等と認められるもの
3:わずかに浮遊が認められるもの
2:浮遊が認められるが、軽い振とうにより容易に再分散するもの
1:浮遊が認められ、ガラスビンへの付着もあり軽い振とうでは再分散が困難なもの

カプセル化香料の分散安定性を、専門パネラー8名の平均点(小数点第1位まで算出)に基づき、下記判定基準に従って判定した。商品価値上、○以上を好ましいものとした。

<判定基準>
◎:3点以上~4点未満
○:2点以上~3点未満
△:1点以上~2点未満
×:1点未満
〔繊維製品の吸水性〕
1.液体柔軟剤組成物を用いた繊維製品の処理
1-1.前処理
市販の綿タオル(東進社製)を、二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)中、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)を用いた前処理に付した(洗剤使用量:標準。浴比30倍。45℃の水道水。10分間の洗浄、続いて10分間の注水すすぎを2回)。この前処理を3回行った。

1-2.洗濯時すすぎ工程での処理
前処理した綿タオル1.0kgを、二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)中、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)を用いた洗浄処理に付した(洗剤使用量:標準。標準コース。浴比30倍。25℃の水道水。10分間)。洗浄処理後、1回目のすすぎを3分間行った。1回目のすすぎに続いて2回目のすすぎを3分間行った。2回目のすすぎの開始時に液体柔軟剤組成物を添加して3分間の柔軟処理(液体柔軟剤組成物:6.67mL。浴比20倍。25℃の水道水)を行った。洗浄及びすすぎの各処理間に脱水を1分間行った。
処理後、二槽式洗濯機から綿タオルを取出し、20℃、40%RHの恒温恒湿条件下で18時間乾燥させ、評価用処理布とした。

1-3.吸水性評価
JIS L1907(バイレック法)に準拠して、評価用処理布の一部を短冊状(1.5cm×24cm)に切り取り、垂直に吊り下げた状態で着色した水にその下端を浸し、5分間に吸水した高さ(吸水長)を測定した。測定は、25℃、35%RHの恒温調湿室にて行った。吸水長の平均値(n=3)を求め、下記基準に従って吸水性を評価した。商品価値上、○以上を好ましいものとした。

<評価基準>
◎:吸水長が40cm以上
○:吸水長が30cm以上40cm未満
△:吸水長が20cm以上30cm未満
×:吸水長が20cm未満
〔凍結復元性〕
軽量ガラスビン(PS-No.11。田沼硝子工業所製)に液体柔軟剤組成物80mL入れて密栓したものを評価用サンプルとした。
評価用サンプルを、-15℃で40時間保持(凍結)し、その後、25℃で8時間保持(溶解)するサイクルを3回繰り返した。
次いで、評価用サンプルの25℃における液状態を、下記評価基準に従って、専門パネラーが目視評価した。

<評価基準>
5:流動性が充分にあり、かつ耐久試験前と比較して変化がほとんど認められない。
4:耐久試験前と比較して粘度の上昇が認められるが、流動性は充分にある。
3:耐久試験前と比較して粘度の上昇が認められるが、流動性は認められる。
2:耐久試験前と比較して粘度が上昇し、あまり流動性がない。
1:耐久試験前と比較して粘度が著しく上昇し、ほとんど流動性がない。
0:耐久試験前と比較して粘度が著しく上昇し、流動性が全くない。

凍結復元性を、専門パネラー8名の平均点(小数点第1位まで算出)に基づき、下記判定基準に従って判定した。商品価値上、○以上を合格とした。

<判定基準>
◎:4.0以上
○:3.0以上、4.0点未満
△:2.0以上~3.0点未満
×:2.0点未満
本発明は、柔軟剤分野において利用可能である。
Figure 0007005329000006

Claims (5)

  1. 下記(A)~(C)成分:
    (A)エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されていてもよい、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (B)セルロースナノファイバー、及び
    (C)ノニオン界面活性剤
    を含
    (B)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.1~1質量%であり、
    (B)成分の(A)成分に対する質量比((B)/(A))が0.05~0.15であり、
    (C)成分の(A)成分に対する質量比((C)/(A))が0.1~0.4である、液体柔軟剤組成物。
  2. (A)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して5~30質量%である、請求項1に記載の液体柔軟剤組成物。
  3. 更にカプセル化香料を含む、請求項1又は2に記載の液体柔軟剤組成物。
  4. (C)成分が、アルコールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:10~100)である、請求項1~3のいずれか1項に記載に記載の液体柔軟剤組成物。
  5. (C)成分の含量が、液体柔軟剤組成物の総質量に対して0.1~10質量%である、請求項1~のいずれか1項に記載の液体柔軟剤組成物。
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