JP2023051097A - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗濯脱水後の良好な残香性を保ちつつ瓶口の香り強度を適度に抑制できる液体柔軟剤組成物を提供することを目的とする。【解決手段】以下の(A)~(C)成分:(A)カチオン界面活性剤;(B)ウレタン骨格を有するノニオン性高分子;及び(C)25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を少なくとも1種類以上含む香料組成物であって、当該香料成分を10質量%以上含む香料組成物を含有し、(B)成分の含有量が0.01質量%より多く、(C)成分の含有量が0.1質量%~5質量%である、液体柔軟剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、液体柔軟剤組成物に関する。詳細には、洗濯脱水後の良好な残香性を保ちつつ瓶口の香り強度を適度に抑制できる液体柔軟剤組成物に関する。
近年、香りへの関心の高まりから、柔軟仕上げ剤には洗濯処理物の香りの強度や残香性が求められている。このような要望を達成するために、一般には香料の配合量を高めたり、特定の持続性のある香料を用いた処方が開発されている(特許文献1)。また、香料等の有益剤の送達効率を高める技術が知られている(特許文献2)。
特表平8-502522号公報 特表2010-529250号公報
しかしながら、従来の技術では、洗濯脱水後の衣類について残香性が向上する代わりに、瓶口での香り強度が強すぎて嗜好性が悪いという問題が発生し得る。従って、本発明の課題は、洗濯脱水後の良好な残香性を保ちつつ瓶口の香り強度を適度に抑制できる柔軟剤組成物を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、カチオン界面活性剤を柔軟基材として含む柔軟剤組成物に、ウレタン系のノニオン性高分子と特定の香料を配合することで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、例えば、下記〔1〕~〔3〕に関するものである。
〔1〕以下の(A)~(C)成分:
(A)カチオン界面活性剤;
(B)ウレタン骨格を有するノニオン性高分子;及び
(C)25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を少なくとも1種類以上含む香料組成物であって、当該香料成分を10質量%以上含む香料組成物
を含有し、(B)成分の含有量が0.01質量%より多く、(C)成分の含有量が0.1質量%~5質量%である、液体柔軟剤組成物。
〔2〕(C)成分中の前記香料成分の25℃における蒸気圧が0.005mmHg以上である、前記〔1〕に記載の液体柔軟剤組成物。
〔3〕(B)成分の含有量が、0.02質量%以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の液体柔軟剤組成物。
本発明の液体柔軟剤組成物によれば、洗濯脱水後の良好な残香性を保ちつつ瓶口の香り強度を適度に抑制できる。
[(A)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物において、(A)成分は、繊維製品へ柔軟性(風合い)を付与する効果(すなわち、柔軟剤本来の機能)を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
(A)成分は、具体的には、「エステル基(-COO-)及び/又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」である。中でも、分子内にエステル基又はアミド基で分断されている炭素数10~26の炭化水素基を少なくとも1つ有する第3級アミンの酸塩又はその4級化物が好ましい。
炭素数10~26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)の炭素数は、16~26が好ましく、18~24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性付与効果が良好であり、26以下であると液体柔軟剤組成物のハンドリング性が良好である。
長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央周辺に存在していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても、構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、分断基によって分断されている。分断は1ヶ所でもよく、2ヶ所以上であってもよい。分断基はエステル基(-COO-)又はアミド基(-NHCO-)である。長鎖炭化水素基が分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。なお、分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
「エステル基(-COO-)又はアミド基(-NHCO-)で分断されている、炭素数10~26の炭化水素基を分子内に1~3個有するアミン化合物(以下、本明細書において「アミン化合物」ということがある)」における長鎖炭化水素基の数は1~3個である。好ましくは2個(2級アミン化合物)又は3個(3級アミン化合物)であり、より好ましくは3個である。
アミン化合物としては、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023051097000001
(式中、R1~R3はそれぞれ独立に、-CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7~21の炭化水素基である)、-(CH2nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7~21の炭化水素基である)、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、
1~R3のうちの少なくとも1つは、-CH2CH(Y)OCOR4又は-(CH2nNHCOR5である。)
一般式(A1)における基「-CH2CH(Y)OCOR4」中、Yとしては水素原子が好ましい。
4としては、炭素数15~19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
4の炭化水素基は、炭素数8~22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4のもととなる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。中でも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10~0/100が好ましく、90/10~40/60がより好ましく、90/10~50/50が特に好ましい。
4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60~100/0が好ましく、70/30~90/10が特に好ましい。
4のもととなる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10~60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10~60)などが挙げられる。中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)~(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10~0/100、より好ましくは90/10~40/60、特に好ましくは90/10~50/50である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60~100/0、より好ましくは70/30~90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは70質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21~22の脂肪酸が1質量%未満である。
一般式(A1)における、基「-(CH2nNHCOR5」中、nとしては3が好ましい。
5としては、炭素数15~19の炭化水素基が好ましい。一般式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
5としては、R4と同様のものが具体的に挙げられる。
一般式(A1)において、R1~R3のうち、少なくとも1つは-CH2CH(Y)OCOR4又は-(CH2nNHCOR5)である。R1~R3のうち2つが、-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)であることが好ましい。
1~R3のうち、1つ又は2つが-CH2CH(Y)OCOR4及び/又は-(CH2nNHCOR5)である場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、-(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、炭素数1~4のアルキル基、-CH2CH(Y)OH、又は、-(CH2nNH2であることが好ましい。ここで、炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。-CH2CH(Y)OHにおけるYは、-CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。-(CH2nNH2におけるnは、-(CH2nNHCOR5中のnと同様である。
一般式(A1)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(A1-1)~(A1-7)で表される3級アミン化合物が挙げられる。
Figure 2023051097000002
((A1-1)~(A1-7)の各式中、R9はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基であり、(A1-6)~(A1-7)の各式中、R10はそれぞれ独立に、炭素数7~21の炭化水素基である。)
9及びR10における炭素数7~21の炭化水素基としては、前記一般式(A1)のR4における炭素数7~21の炭化水素基と同様のものが挙げられ、好ましくは、炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である。なお、式中にR9が複数存在するとき、該複数のR9は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
本発明の(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。塩としては、3級アミン化合物の塩が好ましい。
アミン化合物の塩は、該アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸や、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
(A)成分は、アミン化合物の4級化物であってもよい。4級化物としては、3級アミン化合物の4級化物が好ましい。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキルや、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
一般式(A1)及び(A1-1)~(A1-7)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、一般式(A1-1)で表される化合物(以下「化合物(A1-1)」と言う)及び一般式(A1-2)で表される化合物(以下「化合物(A1-2)」と言う)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物と、メチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性付与を良好にする観点から、「化合物(A1-1)/化合物(A1-2)」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性付与の観点から「化合物(A1-1)の4級化物/化合物(A1-2)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1-3)で表される化合物(以下「化合物(A1-3)」と言う)、一般式(A1-4)で表される化合物(以下「化合物(A1-4)」と言う)及び一般式(A1-5)で表される化合物(以下「化合物(A1-5)」と言う)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、化合物(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性付与の観点から、化合物(A1-3)が1~60質量%、化合物(A1-4)が5~98質量%、化合物(A1-5)が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-3)が30~60質量%、化合物(A1-4)が10~55質量%、化合物(A1-5)が5~35質量%であることがより好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1-3)、(A1-4)、(A1-5)の各4級化物の存在比率は、柔軟性付与の観点から質量比で、化合物(A1-3)の4級化物が1~60質量%、化合物(A1-4)の4級化物が5~98質量%、化合物(A1-5)の4級化物が0.1~40質量%であることが好ましく、化合物(A1-3)の4級化物が30~60質量%、化合物(A1-4)の4級化物が10~55質量%、化合物(A1-5)の4級化物が5~35質量%であることがより好ましい。
なお、化合物(A1-3)、(A1-4)、(A1-5)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30~99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
一般式(A1-6)で表される化合物(以下「化合物(A1-6)」と言う)及び一般式(A1-7)で表される化合物(以下「化合物(A1-7)と言う」)は、一般式(A1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物と、N-メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物より、J.Org.Chem.,26,3409(1960)に記載の公知の方法で合成したN-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-1,3-プロピレンジアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、「化合物(A1-6)/化合物(A1-7)」で表される存在比率が質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1-6)の4級化物/化合物(A1-7)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1~50/50となるように合成することが好ましい。
(A)成分としては、
一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、
一般式(A1-1)~(A1-7)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、
一般式(A1-3)~(A1-5)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
(A)成分は、1種類のアミン化合物、その塩又はその4級化物を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物、例えば、一般式(A1-3)~(A1-5)で表される化合物の混合物として用いてもよい。
(A)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、4~25質量%が好ましく、5~18質量%がより好ましく、6~15質量%が特に好ましく、9~12が最も好ましい。(A)成分の配合量が4質量%以上であると、柔軟剤としての機能を発揮しつつ、充分な香り持続性付与効果が得られる。(A)成分の配合量が25質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の保存安定性がより良好である。
[(B)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物に配合される(B)成分は、ウレタン骨格を有するノニオン性高分子である。本発明の液体柔軟剤組成物において、(B)成分は、瓶口の香り強度を適度に抑制するために配合される。
好ましくは、(B)成分は、分子末端に疎水基を有し、分子内部にウレタン骨格を有するノニオン性高分子である。これは、高分子の主鎖にウレタン結合を含む構造単位を繰り返し含むものである。分子末端とは、分子の両末端であり得る。特には、(B)成分は、分子両末端に疎水基を有し、分子内部に親水基とウレタン骨格を有するノニオン性高分子であり得る。このような(B)成分は、レオロジー調節剤であり得る。
(B)成分がレオロジー調節剤として機能する機構の一つは、会合体を形成することであり得る。例えば、(B)成分中の疎水基が、(A)成分が形成するベシクル粒子と会合し得((B)成分を介してベシクル粒子同士を繋ぐことで形成される構造を架橋構造と呼ぶ。)、及び/又は(B)成分中の疎水基同士が会合し得る。
(B)成分が有し得る疎水基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基等の、直鎖若しくは分岐鎖、又は環状の炭化水素基、置換されていてもよいアリール基やアリールアルキル基等が挙げられる。
(B)成分が有し得る親水基としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルケニレン等が挙げられる。
(B)成分は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
(B)成分の市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製のRHEOBYK-H 7625 VF(旧名称:OPTIFLO-H 7625 VF)、RHEOBYK-H 7500 VF(旧名称:OPTIFLO-H 7500 VF)、RHEOBYK-H 6500 VF(旧名称:OPTIFLO-H 6500 VF)、RHEOBYK-H 3300 VF(旧名称:OPTIFLO-H 3300 VF)、RHEOBYK-M 2600 VF(旧名称:OPTIFLO-M 2600 VF)、RHEOBYK-L 1400 VF(旧名称:OPTIFLO-L 1400 VF)、ダウケミカル日本株式会社製のアキュリン(Aculyn)44、Acusol 880、Acusol 882、及びBASF社製のRheovis PU1190、Rheovis PU1341が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(B)成分の製法の一例としては、ポリオールと過剰量のジイソシアネートを反応させて両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを形成させ、次いで、疎水基となる構造を有するモノアミン(例えば、1級モノ長鎖アミン)とジアミンの混合物を使用して(B)成分を製造することが挙げられる。用いられ得るポリオールとしては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられ、ポリオールは(B)成分における親水基を構成することとなる。用いられ得るモノアミンとしては、脂肪族アミン、アリール脂肪族アミン、及び芳香族アミン等が挙げられる。また、(B)成分は、ポリオールと、ジイソシアネートと、疎水基となる構造を有するアルコールとから製造することもできる。(B)成分の製法はこれらに限定されるものではない。
(B)成分の質量平均分子量は特に限定されないが、例えば、1,000~1,000,000であり、好ましくは2,000~500,000、より好ましくは5,000~300,000であり得る。
(B)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01質量%より多く、好ましくは0.02質量%以上である。また、(B)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、例えば、0.01質量%超2質量%以下であり、好ましくは0.02~2質量%であり、より好ましくは0.05~1質量%であり、更に好ましくは0.1~0.5質量%である。
[(C)成分]
本発明の液体柔軟剤組成物に配合される(C)成分は、25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を少なくとも1種類以上含む香料組成物であって、当該香料成分を10質量%以上含む香料組成物である。(C)成分の香料組成物において、25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を少なくとも1種類以上含み、当該香料成分を10質量%以上含む以外は、配合される香料成分の種類に特に制限はなく、柔軟剤組成物などの繊維製品用仕上げ剤組成物に一般的に使用される香料成分を、目的に応じて適宜選択することができる。
25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上の香料成分は、一定の揮発性を有するものと考えられ、瓶口の香気に影響しやすい。好ましくは、(C)成分の香料組成物中に10質量%以上含まれる上記香料成分は、25℃における蒸気圧が0.005mmHg以上であり、より好ましくは0.01mmHg以上である。また、好ましくは、(C)成分の香料組成物中に10質量%以上含まれる上記香料成分は、25℃における蒸気圧が20mmHg以下であり、より好ましくは10mmHg以下である。
香料成分の蒸気圧は、Antoine法、Modified Grain法、Mackay法等といった公知の方法により推定される。具体的な蒸気圧の推定値は、例えば、The Good Scents Company Information System(http://www.thegoodscentscompany.com/index.html)等から確認することができる。
カルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分は、一般に水難溶性であり、すすぎ水中に流されず衣類に残りやすい。
25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、本明細書において、香料成分の蒸気圧値は、The Good Scents Company Information System(http://www.thegoodscentscompany.com/index.html)より引用したものである。
<カルボニル類>
ボウルジオナール(0.009mmHg)、ヘキシルシンナムアルデヒド(0.001mmHg)、リリアール(0.005mmHg)、イソイースーパー(0.001mmHg)、ベンズアルデヒド(1.27mmHg)、ヘキシルシンナミックアルデヒド(0.001mmHg)、アルデヒド C-10(0.207mmHg)、アニスアルデヒド(0.039mmHg)、β-イオノン(0.017mmHg)、リナリルアセテート(0.116mmHg)、ベンジルアセテート(0.177mmHg)、ステアリルアセテート(0.203、メチルベンゾネート(0.38mmHg)、アリルヘキサノネート、cis-3-ヘキセニルアセテートmmHg)、ヘキシルアセテート(1.391mmHg)、エチル-2メチルブチレート(7.853mmHg)、マンザネート(2.906mmHg)、プレニルアセテート(3.987mmHg)、ヘキシルイソブチレート(0.41mmHg)、ベンゾフェノン(0.001mmHg)、ベンジルプロピオネート(0.065mmHg)、メチルアントラニル(0.016mmHg)、ネリルアセテート(0.026mmHg)、ヴェルドックス(0.103mmHg)
<エーテル類>
1,8-シネオール(1.9mmHg)、アンブロキサン(0.009mmHg)、α-ダマスコン(0.008mmHg)、γ-ウンデカラクトン(0.003mmHg)、γ-ノナラクトン(0.009mmHg)
本発明の液体柔軟剤組成物における(C)成分である香料組成物は、25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を、好ましくは20質量%~80質量%、より好ましくは30質量%~60質量%含む。
本発明の液体柔軟剤組成物における(C)成分である香料組成物は、25℃における蒸気圧が0.005mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%~80質量%、更に好ましくは30質量%~60質量%含む。
(C)成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.1質量%~5質量%であり、好ましくは0.3質量%~4質量%であり、より好ましくは0.5質量%~3質量%である。
25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01質量%~5質量%が好ましく、0.03質量%~4質量%がより好ましく、0.05質量%~3質量%が更に好ましい。
25℃における蒸気圧が0.005mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01質量%~5質量%が好ましく、0.03質量%~4質量%がより好ましく、0.05質量%~3質量%が更に好ましい。
本発明の液体柔軟剤組成物における瓶口の香り立ちが適度に抑制される機構の一つは、(B)成分と(C)成分の疎水性相互作用及び水素結合により、(C)成分の揮発を抑制することであり得る。例えば、(B)成分中の疎水性部分及び/又は疎水基が、(C)成分中の疎水性及び酸素原子を含む官能基であるカルボニル基及び/又はエーテル部位と疎水性相互作用及び水素結合により結合することで、(C)成分の揮発が抑制され得ると考えられる。
(C)成分は、液体柔軟剤組成物中では(A)成分と会合体を形成しているが、会合体から一部離脱していく(C)成分は、液中の(B)成分と結合することで空気中への拡散が抑制され得る。一方、大部分の(C)成分は(A)成分との会合体として存在し、洗濯のすすぎ工程においては衣類の繊維に効率よく吸着することで良好な残香性が得られる。
本発明の液体柔軟剤組成物における、(B)成分に対する(C)成分の質量比C/Bは、特に限定されないが、好ましくは0.05~100、より好ましくは0.05~50、更に好ましくは0.1~30である。C/Bが0.05~100の範囲にあると、瓶口の香り強度の抑制効果がより良好である。
[任意成分]
本発明の液体柔軟剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)~(C)成分以外にも、以下のような成分を含有してもよい。例えば、ノニオン界面活性剤、マイクロカプセル、水、両性界面活性剤、水溶性溶剤、糖系化合物、シリコーン化合物、染料及び/又は顔料、防腐剤、紫外線吸収剤、抗菌剤などを配合することができる。
<ノニオン界面活性剤>
本発明の液体柔軟剤組成物は、凍結復元性等の観点から、ノニオン界面活性剤を更に含有してもよい。
ノニオン界面活性剤は、本発明の柔軟剤組成物が乳化物である場合に、主に、乳化物中での油溶性成分の乳化分散安定性を向上する目的で好ましく用いられ得る。特に、ノニオン界面活性剤を配合すると、商品価値上、充分なレベルの凍結復元安定性が確保されやすい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、多価アルコール、高級アルコール、高級アミン又は高級脂肪酸から誘導されるものを用いることができる。より具体的には、グリセリンまたはペンタエリスリトールに炭素数10~22脂肪酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸エステルまたはペンタエリスリトール、炭素数10~22のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が10~100モルであるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキル(該アルキルの炭素数1~3)エステル;エチレンオキシドの平均付加モル数が10~100モルであるポリオキシエチレンアルキルアミン、炭素数8~18のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルポリグルコシド、エチレンオキシドの平均付加モル数が10~100モルである硬化ヒマシ油などが挙げられる。中でも、炭素数10~18のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数が20~80モルのポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
ノニオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。ノニオン界面活性剤としては、柔軟剤組成物の技術分野で使用されているもの適宜使用可能であり、市販の製品から適宜選択することができる。
ノニオン界面活性剤の配合量は特に限定されず、所望とする機能に応じて決定でき、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.1~4質量%、より好ましくは0.2~3質量%である。ノニオン界面活性剤の含有量が0.1質量%以上であると、凍結復元性が良好である。ノニオン界面活性剤の含有量が4.0質量%以下であると、マイクロカプセルの分散安定性がより向上する。
<マイクロカプセル>
本発明の液体柔軟剤組成物は、マイクロカプセルを更に含有してもよい。
マイクロカプセルは、芯物質と、当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。マイクロカプセルは様々な機能を付与する目的で使用され、芯物質としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤等を含み得る。このような芯物質の成分は、本発明の技術分野において周知の成分を用いることができる。
マイクロカプセルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。マイクロカプセルは、目的に応じて市販の製品から適宜選択することができるが、具体的には以下のものが挙げられる。
芯物質として香料を含むマイクロカプセル、即ちカプセル化香料の具体例としては、フィルメニッヒ社製のBLUEFLOWERPOP「FFMHN2814」、ジボダン社製のGREEN BREEZE CAPS、ORCHARD GARDEN CAPS、RAINBOW CAPS、VELVET CAPS、AURORACAPS、およびCOSMICCAPS;IFF社製のUNICAP101、およびUNICAP503等が挙げられる。
芯物質として冷感剤を含むマイクロカプセル、即ち冷感カプセルの具体例としては、SALVONA Technologies社製のMultiSal SalCool、HydroSal FreshCool、SalSphere SalCool、日華化学株式会社製のネオアージュAROMA-C、ウイルバー・エリス社製のMultisal Fresh Cool等が挙げられる。
芯物質として温感剤を含むマイクロカプセル、即ち温感カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンRMC-TO、SALVONA Technologies社製のHydrosal Heat等が挙げられる。
機能性カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンNFHO-W(抗菌効果)、リケンレジン、RMC-HBP(防虫効果)およびRMC-PT(防虫効果)などが挙げられる。
マイクロカプセルの壁物質は、高分子物質から構成され、衣類用柔軟剤や衣類用の洗剤等に含有されるカプセルに一般的に使用される材料を用いることができる。壁物質として、例えば、ゼラチン、寒天等の天然系高分子、油脂、ワックス等の油性膜形成物質、ポリアクリル酸系、ポリビニル系、ポリメタクリル酸系、メラミン系、ウレタン系等の合成高分子物質などを挙げることができ、それら1種を単独又は2種以上を適宜併用することができる。壁物質は、カプセルが破壊された際の発香性の観点から、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂或いは尿素-ホルムアルデヒド樹脂からなるアミノプラストポリマー、ポリアクリル酸系或いはポリメタクリル酸系ポリマーであることが好ましい。特に、特開2010-520928号公報に記載されているようなアミノプラストポリマーが好ましい。具体的には、ポリアミン由来の部分/芳香族ポリフェノール由来の部分/メチレン単位、ジメトキシメチレン及びジメトキシメチレンを有するアルキレンおよびアルキレンオキシ部分からなるターポリマーであることが好ましい。
マイクロカプセルは、好ましくは1~50μm、より好ましくは5~40μm、さらに好ましくは5~20μmの平均粒子径を有する。
マイクロカプセルの配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01~5質量%、より好ましくは0.01~4質量%、さらに好ましくは0.05~3質量%である。
なお、本明細書において、マイクロカプセルの配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する、芯物質として含まれる成分としての量(質量%)である。
<水>
本発明の液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水など、いずれも用いることができる。中でもイオン交換水が好適である。
水の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。配合量が50質量%以上であると、ハンドリング性がより良好となる。
<両性界面活性剤>
両性界面活性剤は、安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合され得る。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン、N-アルキルアミノ酸、N-アルケニルアミノ酸や、それらの塩などが挙げられる。
ベタインとしては、アルキルベタイン、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アミドスルホベタイン、イミダゾリニウムベタインや、ホスホベタイン等がある。
N-アルキルアミノ酸又はN-アルケニルアミノ酸は、窒素原子にアルキル基またはアルケニル基が結合し、さらに1つまたは2つの「-R-COOH」(式中、Rは2価の炭化水素基を示し、好ましくはアルキレン基であり、特に炭素数1~2であることが好ましい)で表される基が結合した構造を有する。「-R-COOH」が1つ結合した化合物においては、窒素原子にはさらに水素原子が結合している。「-R-COOH」が1つのものをモノ体、2つのものをジ体という。両性界面活性剤としては、これらモノ体、ジ体のいずれも用いることができる。N-アルキルアミノ酸及びN-アルケニルアミノ酸にそれぞれおいて、アルキル基及びアルケニル基は直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。
当該任意成分としての両性界面活性剤は、好ましくはスルホベタイン又はアミドスルホベタインであり、より好ましくは、下記一般式(IV)で表されるスルホベタイン又はその混合物である。
Figure 2023051097000003
(式中、
1'は炭素数9~23の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、
Wはエステル基又はアミド基であり、
rは1~4の整数であり、
2'は炭素数1~3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、
3'は-(CH2s-T又は-CH2CH(OH)CH2-T(式中、sは0~4であり、Tは-COO-、-SO3 -、-OSO3 -又は-O-である)であり、
4'はR1'-S-(CH2r-、R2'又はR3'である)。
一般式(IV)中、R1'の炭素数は好ましくは11~17である。R1'は脂肪酸残基であり、具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、エライジン酸、リノール酸や、エイコ酸等が挙げられる。
Wは、好ましくはエステル基である。
2'の具体例としては、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基や、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
3'におけるsは、好ましくは2~3である。
一般式(IV)で表されるスルホベタインの具体例としては、下記一般式(V)~(VII)で表されるスルホベタインを挙げることができる。これらの中でも(V)と(VI)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2023051097000004
(各式中、R1'の定義は、一般式(IV)のR1'と同じである)
一般式(VI)において、R1'は同一でもよく、異なっていてもよい。
1'の元となる脂肪酸組成のヨウ素価は、好ましくは0~100、より好ましくは0~70、更に好ましくは20~45である。
当該両性界面活性剤は市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
当該両性界面活性剤として、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。例えば、一般式(IV)で表されるスルホベタインの複数種類からなる混合物や、一般式(V)~(VII)で表されるスルホベタインの任意の組み合わせからなる混合物を用いることができる。
一般式(IV)で表されるスルホベタインの複数種類からなる混合物において、各スルホベタインを構成するアルケニル基に基づく幾何異性について、シス体の比率が25~95%、好ましくは40~90%であると、液体柔軟剤組成物の粘度を適度なものとすることができる。
両性界面活性剤の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01~3質量%、より好ましくは0.05~2質量%、さらに好ましくは0.1~1質量%である。配合量が0.01質量%以上であるとより良好な凍結復元性を得ることができ、3質量%以下であると高温下でより良好な保存安定性を得ることができる。
<水溶性溶剤>
水溶性溶剤は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合され得る。
水溶性溶剤としては、炭素数1~4のアルコール、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。
6-O-(C24O)y-(C36O)Z-H ・・・(X)
(式中、R6は、炭素数1~6、好ましくは2~4のアルキル基又はアルケニル基であり、yおよびzはそれぞれ平均付加モル数であり、yは1~10、好ましくは2~5であり、zは0~5、好ましくは0~2である。)
上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルや、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
水溶性溶剤の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0.01~25質量%、さらに好ましくは0.1~20質量%である。
<糖系化合物>
糖系化合物は、液体柔軟剤組成物の安定性の更なる向上、特に凍結復元性の更なる向上のために配合され得る。
糖系化合物としては、糖骨格の繰り返し単位の数(重合度)が1~40のものが好ましく、1~20が更に好ましく、1~5(すなわち、単糖及び重合度1超5以下のオリゴ糖)が特に好ましい。好ましい糖系化合物としては、単糖、二糖、オリゴ糖や糖アルコールが挙げられる。
糖の具体例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、リボース、マルトース、イソマルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、タロース、マルトトリオース、イソマルトトリオース、及び、天然多糖の部分加水分解から得られるオリゴ糖、並びに、これらの糖に置換基を導入した化合物(糖誘導体)が挙げられる。導入可能な置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アミン基、4級アンモニウム基や、カルボキシル基等が挙げられ、これらの中でも、特にアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基が挙げられる。置換基としては、炭素数1~18のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基が好ましく、炭素数1~12のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基がより好ましく、炭素数1~6のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1~3のアルキル基が最も好ましい。
糖としては、重合度が1~5の単糖及びオリゴ糖、並びに、重合度が1~5の単糖及びオリゴ糖において少なくとも一つの水酸基の水素原子がアルキル基で置換された化合物から選ばれる1種以上が好ましい。上記に挙げた中でも、凍結復元性の観点からは、トレハロースが好ましい。
糖アルコールとしては、エリトリトール、トレイトール、ペンチトール、ヘキシトール、ダルシトール、ソルビトール、マンニトール、ボレミトール、ペルセイユトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール等が挙げられる。
糖系化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
糖系化合物の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.01~10質量%、より好ましくは0.05~7質量%、さらに好ましくは0.1~5質量%である。
<シリコーン化合物>
シリコーン化合物は、繊維製品への柔軟性(風合い)付与効果の向上を主目的として配合され得る。
シリコーン化合物は、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。
シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいし、また、架橋していてもよい。また、シリコーン化合物は変性シリコーン化合物であってもよい。変性シリコーン化合物は、1種以上の有機官能基により変性されたものであってもよい。
シリコーン化合物は、オイルの状態で使用することができ、また任意の乳化剤によって分散された乳化物の状態でも使用することができる。
シリコーン化合物の具体例としては、例えば、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーンや、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
これらの中でも、汎用性や風合い付与効果の向上の観点からは、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンや、ジメチルシリコーンが好ましい。風合いの更なる向上効果や製造時の取り扱いの観点からは、ポリエーテル変性シリコーンやアミノ変性シリコーンが好ましい。
ジメチルシリコーンについて、その動粘度に特に制限はないが、1~100,000,000mm2/sが好ましく、10~10,000,000mm2/sがより好ましく、100~1,000,000mm2/sが更に好ましい。また、ジメチルシリコーンは、オイルであっても、エマルジョンであってもよい。
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、例えば、アルキルシロキサンとポリオキシアルキレンとの共重合体などが挙げられる。アルキルシロキサンのアルキル基の炭素数としては、1~3が好ましい。ポリオキシアルキレンのアルキレン基の炭素数としては、2~5が好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンや、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム又はブロック共重合体等)との共重合体が挙げられる。具体例としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2023051097000005
(式中、M、N、a及びbは、それぞれ独立して平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基である)
一般式(I)中、Mは、10~10,000、好ましくは100~300である。
Nは、1~1,000、好ましくは1~100である。更に、M>Nであることが好ましい。
aは、2~100であり、好ましくは2~50である。
bは、0~50であり、好ましくは0~10である。
Rは、水素又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(I)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えば、ポリオキシアルキレンアリルエーテル等の炭素-炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを、白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。この場合、生成物中に未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si-H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、前記ポリエーテル変性シリコーン中での存在量としては、30ppm以下(Si-Hの量として)であることが好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとして、下記一般式(II)で表される線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体も挙げられる。
Figure 2023051097000006
(式中、A、B、h及びiは、それぞれ平均重合度であり、Rはアルキル基であり、R’は水素又はアルキル基である。)
一般式(II)中、Aは5~10,000であり、
Bは、2~10,000であり、
hは、2~100であり、
iは、0~50である。
Rは、炭素数1~5のアルキル基であることが好ましい。
R’は、水素又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(II)で表される線状ポリシロキサン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。このようなポリエーテル変性シリコーンは、側鎖のポリオキシアルキレン鎖が長く、ポリシロキサン鎖の重合度が大きいものほど粘度が高くなるので、製造時の作業性改善及び水性組成物への配合を容易にするために、水溶性有機溶剤とのプレミックスの形で配合に供することが好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、より具体的には、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製のSH3772M、SH3775M、FZ-2166、FZ-2120、L-720、SH8700、L-7002、L-7001、SF8410、FZ-2164、FZ-2203や、FZ-2208、信越化学工業(株)製のKF352A、KF615A、X-22-6191、X-22-4515、KF-6012や、KF-6004等、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製のTSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4450、TSF4446、TSF4452や、TSF4460等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンは、ジメチルシリコーン骨格の末端あるいは側鎖にアミノ基を導入したものである。アミノ基以外に、水酸基、アルキル基やフェニル基等の置換基が導入されていてもよい。
アミノ変性シリコーンは、オイルの形態でも良く、ノニオン界面活性剤やカチオン界面活性剤を乳化剤として用いて乳化させたアミノ変性シリコーンエマルジョンの形態でも良い。
好ましいアミノ変性シリコーンのオイル、又はエマルジョンにおける基油オイルは、次の一般式(III)で表される化合物である。
Figure 2023051097000007
(式中、R1及びR6は互いに同一でも、異なっていてもよい、メチル基、水酸基又は水素であり、
2は、-(CH2n-A1、又は、-(CH2n-NHCO-(CH2m-A1(各式中、A1は、-N(R3)(R4)、-N+(R3)(R4)(R5)・X-(各式中、R3、R4及びR5は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~12のアルキル基、フェニル基又は-(CH2n-NH2(式中、nは0~12である)であり、X-は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸メチルイオン又は硫酸エチルイオンである)であり、m及びnの値は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、0~12の整数である)であり、
p及びqはそれぞれポリシロキサンの重合度を表し、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、pは0~20000、好ましくは10~10000であり、qは1~500、好ましくは1~100である。)
アミノ変性シリコーンのオイルは、25℃における動粘度が50~20000mm2/sであることが好ましく、100~10000mm2/sであることがより好ましい。動粘度がこの範囲にあると、高い風合い付与効果が発現されるとともに、製造性が良好となり、成物の取り扱いも容易になる。
アミノ変性シリコーンとしては商業的に入手できるものを使用することができる。
アミノ変性シリコーンオイルとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社からSF―8417、BY16-892や、BY16-890で販売されているもの、信越化学工業株式会社からKF-864、KF-860、KF-8004、KF-8002、KF-8005、KF-867、KF-861、KF-880や、KF-867Sで販売されているもの等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンエマルジョンタイプとしては、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社からSM8904、BY22-079、FZ-4671や、FZ-4672で販売されているもの、信越化学工業株式会社からPolonシリーズで販売されているPolonMF-14、PolonMF-29、PolonMF-14D、PolonMF-44、PolonMF-14ECや、PolonMF-52と、旭化成ワッカーシリコーン(株)からWACKER FC201で販売されているもの等があげられる。
シリコーン化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
シリコーン化合物の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、0.01~10質量%、好ましくは0.05~8質量%、より好ましくは0.1~5質量%である。
<染料及び/又は顔料>
染料及び顔料は、それぞれ液体柔軟剤組成物の外観を向上するために配合され得る。
染料及び顔料共に、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)などに記載されている。また、特開平6-123081号公報、特開平6-123082号公報、特開平7-18573号公報、特開平8-27669号公報、特開平9-250085号公報、特開平10-77576号公報、特開平11-43865号公報、特開2001-181972号公報や特開2001-348784号公報などに記載されている染料も用いることができる。
好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる、赤色、青色、黄色もしくは紫色系の水溶性染料の1種以上である。
液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、直接染料又は反応性染料が好ましい。
染料及び顔料のそれぞれについて、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。また、染料と顔料とを併用してもよい。
染料及び顔料の各配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは1~50ppm、より好ましくは1~30ppmである。
<防腐剤>
防腐剤は、主に、液体柔軟剤組成物の防腐力や殺菌力を強化し、長期保存中の防腐性を保つために配合され得る。
防腐剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、イソチアゾロン系の有機硫黄化合物、ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物、安息香酸類、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-ブチル-3-イソチアゾロン、2-ベンジル-3-イソチアゾロン、2-フェニル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4,5-ジクロロイソチアゾロン、5-クロロ-2-メチル-3-イソチアゾロン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや、これらの混合物などが挙げられる。なかでも、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンが好ましく、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンと2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンとの混合物がより好ましく、前者が約77質量%と後者が約23質量%との混合物やその希釈液(例えば、イソチアゾロン液)が特に好ましい。
ベンズイソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4,5-トリメチレン-4-イソチアゾリン-3-オン、類縁化合物としてジチオ-2,2-ビス(ベンズメチルアミド)や、これらの混合物などが挙げられる。中でも、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンが特に好ましい。
安息香酸類としては、安息香酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルや、パラオキシ安息香酸ベンジル等が挙げられる。
防腐剤の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.0001~1質量%である。0.0001質量%以上であると、防腐剤の配合効果が十分に得られ、1質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の高い保存安定性を十分に維持することができる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、液体柔軟剤組成物を紫外線から保護するために配合され得る。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、赤外線や可視光線等に変換して放出することで、紫外線防御効果を発揮する成分である。
紫外線吸収剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリルや、p-ジメチルアミノ安息香酸アミル等のアミノ安息香酸誘導体;サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸ジプロピレングリコール、サリチル酸オクチルや、サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体;ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p-メトキシケイ皮酸エチル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸-2-エチルヘキシルや、p-メトキシケイ皮酸ブチル等のケイ皮酸誘導体;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸や、2、2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ウロカニン酸や、ウロカニン酸エチル等のアゾール系化合物;4-t-ブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
紫外線吸収剤の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
<抗菌剤>
抗菌剤は、液体柔軟剤組成物の保存性を高めるために配合され得る。
抗菌剤としては、液体柔軟剤組成物分野において公知の成分を特に制限なく用いることができる。具体例としては、例えば、ダイクロサン、トリクロサン、塩化ベンザルコニウム、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、8-オキシキノリン、ビグアニド系化合物(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド)、塩酸クロロヘキシジンや、ポリリジン等が挙げられる。これらの中でも、塩化ベンザルコニウム、ビグアニド系化合物や、塩酸クロロヘキシジンが好ましい。
抗菌剤の配合量は特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対し、好ましくは0.001~5質量%である。
<(B)成分以外のレオロジー調節剤(増粘剤)>
(B)成分以外のレオロジー調節剤(増粘剤)は、液体柔軟剤組成物の粘度を調整したり、マイクロカプセル等の分散安定化のために配合され得る。具体例としては、ジェランガム、カラギーナンガム、キサンタンガム等のガム類、メタクリル酸アルキルエステル・アクリル酸共重合体(CARBOPOL AQUA30)や陽イオン性アクリルホモポリマー(Rheovis FRC)等のアクリル酸系ポリマー、微細セルロース、高度分岐環状デキストリン(クラスターデキストリン)等が挙げられる。
前記の任意成分以外にも、液体柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上させるための酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン)や還元剤、乳濁剤(ポリスチレンエマルジョンなど)、不透明剤、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤(例えば、ポリエーテル変性シリコーン)、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、移染防止剤(ポリビニルピロリドンなど)、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤(4,4-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニルジナトリウム(チバスペシャルティケミカルズ製チノパールCBS-X)など)、染料固定剤、退色防止剤(1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジンなど)、染み抜き剤、繊維表面改質剤(セルラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼや、ケラチナーゼなどの酵素)、抑泡剤、水分吸放出性など絹の風合い・機能を付与する成分(シルクプロテインパウダー、それらの表面改質物、乳化分散液、具体的にはK-50、K-30、K-10、A-705、S-702、L-710、FPシリーズ(出光石油化学)、加水分解シルク液(上毛)、シルクゲンGソルブルS(一丸ファルコス))や、汚染防止剤(アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンイソフタレート単位とポリオキシアルキレン単位とからなる非イオン性高分子化合物、例えば、互応化学工業製FR627、クラリアントジャパン製SRC-1など)などを適宜配合することができる。
[液体柔軟剤組成物のpH]
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、カプセル化香料の分散性の向上や保存経日に伴う(A)成分の加水分解を抑制する等の観点から、25℃におけるpHを1~6の範囲に調整することが好ましく、2~4の範囲内であることがより好ましく、2~3の範囲内であることがさらに好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ジメチルアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
[液体柔軟剤組成物の粘度]
液体柔軟剤組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、1000mPa・s未満であることが好ましい。
保存経日による粘度上昇を考慮すると、製造直後の粘度は800mPa・s未満であるのがより好ましく、500mPa・s未満であるのがさらに好ましい。800mPa・s未満であると、洗濯機への投入の際のハンドリング性等の使用性が良好である。使用性の観点からは粘度の下限は特に制限されない。
なお、本発明の液体柔軟剤組成物の粘度をコントロールする目的で、無機又は有機の水溶性塩類を用いることができる。具体的には、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウムや、クエン酸ナトリウム等を用いることができるが、中でも塩化カルシウム、塩化マグネシウムや、クエン酸ナトリウムが好ましい。これらの水溶性塩類は、カプセル化香料の分散性を損なわない量で配合することができ、その配合量は、例えば、液体柔軟剤組成物の総質量に対し0~0.5質量%、好ましくは0~0.3質量%、さらに好ましくは0~0.1質量%である。水溶性塩類は、液体柔軟剤組成物製造のどの工程で配合しても構わない。
上記粘度は、B型粘度計(例えば、ブルックフィールド社のアナログ粘度計T)を用いて25℃にて測定される値をいう。
[液体柔軟剤組成物の調製方法]
本発明の液体柔軟剤組成物の調製方法は特に限定されない。液体柔軟剤組成物の公知の調製方法、例えば、主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の柔軟剤組成物の調製方法と同様の方法により製造することができる。
例えば、(A)成分及び(C)成分を含む油相と、水相とを、(A)成分の融点以上の温度条件下で混合して乳化物を調製し、その後、得られた乳化物に(B)成分と必要に応じて他の成分を添加し、混合することにより製造することができる。
油相は、(A)成分の融点以上の温度で、(A)成分と、必要に応じてノニオン界面活性剤等の任意成分とを混合することにより調製することができる。
水相は、水と、必要に応じて防腐剤等の任意成分とを混合することにより調製することができる。
[液体柔軟剤組成物の使用方法]
本発明の液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の柔軟剤組成物と同様の方法で使用することができる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水へ本発明の液体柔軟剤組成物を溶解させて被洗物を柔軟処理する方法や、本発明の液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に被洗物を入れて浸漬処理する方法がある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。尚、実施例において成分配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
[(A)成分]
下記のA-1~A-3を使用した。
A-1:特開2003-12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。
A-1は、一般式(A1-3)、(A1-4)及び(A1-5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。
A-2:商品名「Stepantex SE-88」、ステパン(Stepan)社製。
A-3:カチオン界面活性剤(脂肪酸とメチルジエタノールアミンとのモル比1.5:1での反応生成物を塩化メチルで四級化して得られる、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロライドとN-(ステアロイル-オキシ-エチル)N-ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロライドとの1:1モル混合物。)。
A-3は、一般式(A1-1)及び(A1-2)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15~17のアルキル基及びアルケニル基である)を塩化メチルで4級化したものを含む組成物である。
[(B)成分]
下記のB-1~B-3を使用した。
B-1:商品名「RHEOBYK-H 7625 VF」、ビックケミー・ジャパン株式会社製。
B-2:商品名「RHEOBYK-H 7500 VF」、ビックケミー・ジャパン株式会社製。
B-3:商品名「RHEOBYK-H 6500 VF」、ビックケミー・ジャパン株式会社製。
また、比較例として、陽イオン性アクリルホモポリマー(増粘剤)であるB-4を使用した。
B-4(比較例):商品名「Rheovis FRC」、BASF社製。
[(C)成分]
下記のC-1~C-3を使用した。
C-1:下記表1に示される組成で香料成分を含む香料組成物
25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を53.6質量%含み、25℃における蒸気圧が0.005mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を40質量%含む。
Figure 2023051097000008
C-2:下記表2に示される組成で香料成分を含む香料組成物
25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を60.3質量%含み、25℃における蒸気圧が0.005mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を44.7質量%含む。
Figure 2023051097000009
C-3:下記表3に示される組成で香料成分を含む香料組成物
25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を39.8質量%含み、25℃における蒸気圧が0.005mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を18.3質量%含む。
Figure 2023051097000010
また、比較例として、C-4を使用した。
C-4(比較例):下記表4に示される組成で香料成分を含む香料組成物
25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を含まない。
Figure 2023051097000011
[任意成分]
<粘度コントロール剤>
D-1:塩化カルシウム(商品名「粒状塩化カルシウム」、株式会社トクヤマ製)
<カプセル化香料>
E-1:商品名「GREEN BREEZE CAPS」、ジボダン社製。
<ノニオン界面活性剤>
F-1:ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテルEO60モル(BASF社製ルテンゾールTO3にエチレンオキサイドを付加させたもの(EO60モルは、エチレンオキサイドの平均付加モル数が60であることを示す))。
<防腐剤>
G-1:1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(商品名「Nipacide BIT 20」、クラリアントジャパン株式会社製)
G-2:イソチアゾロン液(商品名「ケーソンCG-ICP」、ダウケミカル日本株式会社製)
[液体柔軟剤組成物の調製方法]
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、下記表5に記載の通り調整して、次の手順により柔軟剤組成物を調製した。下記表5中、各成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する配合量(質量%)である。(E-1)成分(カプセル化香料)の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する、香料としての配合量(質量%)である。
まず、(A)成分と(C)成分、及びノニオン界面活性剤を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、防腐剤をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(B)成分、防腐剤、カプセル化香料、粘度コントロール剤の合計量を差し引いた残部に相当する。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し、攪拌した。ここで、水相混合物の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで、1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間行った。得られた乳化物へ、(B)成分、カプセル化香料及び粘度コントロール剤を添加し、必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)又は水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(実施例1~11及び比較例1~3)を得た。
[液体柔軟剤組成物の評価方法]
<瓶口の香り強度の評価>
上記の「液体柔軟剤組成物の調製方法」により調製した各液体柔軟剤組成物を軽量ガラスビン(PS-No.11、田沼硝子工業所製)に80mL入れて密栓したものを25℃に調温した後、各サンプルの瓶口の香り強度を下記の5段階基準に準拠して官能評価した。専門パネラー5名の平均点(小数点第1位まで算出)により、下記判定基準で香り強度を判定した。平均値が2.5点以上3.5点以下点を○、2点以上2.5点未満または3.5点超4点以下を△、2点未満または4点を上回る場合を×とし、結果を下記表5における「瓶口の香り強度」の項で示した。商品価値上、○と△を合格とした。
(評価基準)
1:香りが弱すぎる
2:やや香りが弱い
3:ちょうどよい香り
4:やや香りが強い
5:香りが強すぎる
<洗濯脱水後の残香性の評価>
1.液体柔軟剤組成物を用いた綿タオルの処理
(評価用布の前処理)
市販の綿タオル(東進社製)に対して、市販洗剤「トッププラチナクリア」(ライオン社製)により、二槽式洗濯機(東芝製VH-30S)を用いて、以下の前処理を3回行った。
前処理:洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水での洗浄10分間と、続く注水すすぎ10分間とからなるサイクルを2回行った。
(液体柔軟剤組成物による処理)
前処理洗浄した綿タオル(東進社製)700gを、全自動洗濯機(TOSHIBA社製AW-8V2)を用いて、25℃の水道水で標準コース(すすぎ2回設定)、浴比30倍、市販洗剤「トップNANOX」(ライオン社製)標準使用量で洗濯を行った。上記の「液体柔軟剤組成物の調製方法」により調製した各液体柔軟剤組成物を、2回目のすすぎ開始時に添加した。洗濯終了後、綿タオルを取り出して処理布の残香性を以下のとおり評価した。
2.処理布の残香性評価
上記のとおり得られた綿タオルを一晩保管後、綿タオルの香気強度を下記の5段階基準に準拠して官能評価した。専門パネラー5名の平均点により、下記判定基準で残香性を判定した。平均値が4点以上を○、3点以上4点未満を△、3点未満を×とし、商品価値上、○と△を合格とした。
(評価基準)
1:香りをほとんど感じない
2:香りをわずかに感じる
3:香りをやや感じる
4:香りを強く感じる
5:香りをかなり強く感じる
Figure 2023051097000012

Claims (3)

  1. 以下の(A)~(C)成分:
    (A)カチオン界面活性剤;
    (B)ウレタン骨格を有するノニオン性高分子;及び
    (C)25℃における蒸気圧が0.001mmHg以上、かつカルボニル基及び/又はエーテル基を有する香料成分を少なくとも1種類以上含む香料組成物であって、当該香料成分を10質量%以上含む香料組成物
    を含有し、(B)成分の含有量が0.01質量%より多く、(C)成分の含有量が0.1質量%~5質量%である、液体柔軟剤組成物。
  2. (C)成分中の前記香料成分の25℃における蒸気圧が0.005mmHg以上である、請求項1記載の液体柔軟剤組成物。
  3. (B)成分の含有量が、0.02質量%以上である、請求項1又は2記載の液体柔軟剤組成物。
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