JP7477986B2 - 繊維製品処理剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維製品処理剤組成物に関し、更には液体柔軟剤組成物に関する。
洗濯時や衣類乾燥時、及び衣類を着用する時の香りに対する消費者の関心は高まっており、香りに関連する内容を訴求した液体柔軟剤や香り付け剤の市場は著しく伸長している。香りを感じる場面の中でも衣類の着用時の香りは特に関心が高く、衣類を着用している一日中香りを実感させることを可能にする機能性材料、及びそれらを含有する繊維製品処理剤の開発が活発に行われている。
特許文献1には融点30℃以上の油脂と香料組成物との混合物を水に乳化させることで得られる香料を含有する乳化物粒子を用いる繊維製品処理剤組成物が開示されており、香料持続性に優れることが開示されている。
また、特許文献2には、香気を長時間持続させることを目的として、二塩基酸モノエステル及び/又は二塩基酸ジエステルと、エチレングリコール又はプロピレングリコールとの混合物等を用いる衣類にも使用できる徐放性香料組成物が開示されている。
一方、着用時の残香性の向上をもたらす従来技術として、香料のマイクロカプセル化や香料を前駆体化して配合する試みがなされている。香料のマイクロカプセルは、芯物質の香料を壁材で包んだ粒子状物質であり、その役割は芯物質の香料を保護し、カプセルに物理的な力が加わった際にカプセルの壁が破れて芯物質の香料を放出するものである。
このような香料のマイクロカプセルとして特許文献3には、芯物質として引火点が50~130℃の範囲内の香料組成物を含有するカプセル化香料が記載されている。また特許文献3には、高揮発性香料等の揮発成分と、それよりも高融点で相溶性がある添加剤を含有するマイクロカプセルが記載されている。
また特許文献4には、通常の香料持続性に加えて、衣類着用者の発汗時の優れたニオイ立ちの実現を目的として、特定の第3級アミン化合物及びその酸塩と、その4級化物とから選ばれる1種以上を含む(A)成分、logP値が2.0以上6.0以下である香料化合物を90質量%以上含有する香料を内包したマイクロカプセルからなる(B)成分、特定の香料と特定の脂肪酸エステル又は脂肪酸ジエステルとのエステルである香料前駆体からなる(C)成分、及び水を含有し、30℃におけるpHが2.5以上4.0以下である、液体柔軟剤組成物が開示されている。
また、特許文献5には、香料化合物のケイ酸エステル化合物及び特定香料を含有し、布地上の香料の寿命を改善する繊維製品処理剤組成物が開示されている。特許文献6にはケイ酸エステル化合物と特定の高残香性香料を含有する柔軟剤用香料組成物が開示されている。ケイ酸エステル化合物は吸湿によりエステル結合が加水分解されて香料を放出する性質を有する。
特開2012-72539号公報 特開2003-313580号公報 特開2006-249326号公報 特開2017-008446号公報 特開2009-256818号公報 特開2011-063674号公報
近年、香りの嗜好性は多岐に渡っており、持続的に繊維製品から芳香させるための技術はいくらか提案されているが、繊維製品処理剤に添加した香料の繊維製品への吸着は難しく、繊維製品表面に留まるため、匂いは直ぐに空気中に拡散してしまう。基剤によっては乾燥中になくなってしまう。
また香料のマイクロカプセル化や香料の前駆体化は香りの実効感発現に優れるが使用できる香料種には制限があるため、より多くの嗜好性を満たすためには限界があることが課題である。そのため、香料のマイクロカプセル化や香料の前駆体化に依存しないフリーな香料を用い良好な香り立ちを実現することが望ましい。
またケイ酸エステル化合物を用いた芳香技術は、アルコール系香料に制限されるため、他の香料成分では成立しない。また香りが制限され、広がりが感じにくい。
更に繊維製品処理剤を長期保存することで、繊維製品処理剤に添加した香料の水中での分散性が低下するため、賦香性が著しく低下する
本発明は、従来技術とは異なった切り口の技術であって、処理された繊維製品の着用時に、特には処理された繊維製品が発汗等で、水で湿潤した際に良好な香り立ちを示し、更には長期保存後の賦香性の低下が少ない繊維製品処理剤組成物を提供する。
本発明は、下記(A)成分を0.1質量%以上5質量%以下、下記(B)成分を1.0質量%以上15質量%以下、及び水を含有し、30℃におけるpHが2.5以上4.0以下である、繊維製品処理剤組成物に関する。
(A)成分:下記香料化合物(A1)から選ばれる香料化合物を、少なくとも5種類含む香料組成物であって、香料化合物(A1)の含有量が香料組成物中、5質量%以上65%質量以下である香料組成物。
(A1)γ-ウンデカラクトン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、ダマセノン、δ-ダマスコン、α-メチル-β-(p-t-ブチルフェニル)-プロピオンアルデヒド、β-イオノン、ミルラアルデヒド、エチルトリシクロ〔5.2.1.0-2,6〕デカン-2-カルボキシレート、シトロネロール、ゲラニオール、α-イオノン、パチョリアルコール、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチルジヒドロジャスモネート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、サリチル酸アミル、γ-メチルイオノン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、ネロリンヤラヤラ、フェニルヘキサノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト〔2,1-b〕フラン、γ-ノナラクトン、メチルβ-ナフチルケトン、オイゲノール、リラール、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、イソ-ダマスコン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、γ-デカラクトン、α-メチル-3,4-メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド、7-メチル-3,5-ジヒドロ-2H-ベンゾジオキセピノン、トリシクロデシニルアセテート、トリシクロデシニルプロピオネート、2-ペンチルオキシグリコール酸アリル
(B)成分:下記一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩化合物であって、アシル基を脂肪酸と見做した場合に、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の割合が、アシル基を構成している全脂肪酸の60質量%以上100質量%以下である4級アンモニウム塩化合物。
〔式中、R1b、R2b、R3bは、それぞれ独立して、炭素数16以上22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基)、又は水素原子である。但し、R1b、R2b、R3bの少なくとも1つはアシル基である。R4bは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、Xは陰イオンである。〕
本発明によれば、処理された繊維製品の着用時に、特には処理された繊維製品が発汗等で、水で湿潤した際に良好な香り立ちを示し、複数の香料を同等に使用できることから、バリエーションに富む香りの広がりが感じられ、更には長期保存後の賦香性の低下が少ない繊維製品処理剤組成物が提供される。
<(A)成分>
本発明における(A)成分は、下記香料化合物(A1)から選ばれる香料化合物を少なくとも5種類含む香料組成物である。
(A1)γ-ウンデカラクトン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、ダマセノン、δ-ダマスコン、α-メチル-β-(p-t-ブチルフェニル)-プロピオンアルデヒド、β-イオノン、ミルラアルデヒド、エチルトリシクロ〔5.2.1.0-2,6〕デカン-2-カルボキシレート、シトロネロール、ゲラニオール、α-イオノン、パチョリアルコール、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチルジヒドロジャスモネート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒド、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、プロピオン酸トリシクロデセニル、サリチル酸アミル、γ-メチルイオノン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、ネロリンヤラヤラ、フェニルヘキサノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト〔2,1-b〕フラン、γ-ノナラクトン、メチルβ-ナフチルケトン、オイゲノール、リラール、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、イソ-ダマスコン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル、γ-デカラクトン、α-メチル-3,4-メチレンジオキシヒドロシンナミックアルデヒド、7-メチル-3,5-ジヒドロ-2H-ベンゾジオキセピノン、トリシクロデシニルアセテート、トリシクロデシニルプロピオネート、2-ペンチルオキシグリコール酸アリル
本発明者らは、繊維製品処理剤組成物で処理した繊維製品と接触した際に、繊維への吸収ないし吸着性及び残留性に優れる香料を探索した結果、logKowが2.00以上5.00以下という水親和性を有し、且つ25℃の蒸気圧が0.01以上3.69以下である揮発が比較的低いという点で共通性を有する香料化合物が繊維内部に浸透し易いことを見出し、そのうち特に前記した香料化合物(A1)が有効であることを見出した。
本発明において、logKow(logP)値とは、水と1-オクタノールに対する有機化合物の親和性を示す係数である。1-オクタノール/水分配係数logKowは、1-オクタノールと水の2液相平衡系における、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数値で示される。logKow(logP)値は、構造をフラグメント(原子/官能基)に分け、各原子団の値を合計して(構造補正係数を用いる場合もある)推定値を出す「フラグメント定数」法によって算出できる。本発明では、米国環境保護庁(EPA)から入手できる化学物質の物性推算ソフトウェアの1つであるEPIsuiteversion 4.11により計算したlogKow値を用いる。
本発明において、25℃における蒸気圧とは、実測値又は沸点からの蒸気圧推定によって求めたものであり、化学物質が室温で固体である場合には融点から推定される。蒸気圧は、幾つかの公知の方法(Antoine法、Modified Grain法、Mackay法等)によって推定されるが、本発明においては、米国環境保護庁(EPA)から入手できる、EPI suiteに組み込まれているMPBPWINを用いて算出した値であって、Antoine法によって算出される値とGrain法によって算出される値の平均値が、「選択されている値(Selected VP)」として算出結果に表示されている場合は、その平均値を、特に「選択されている値(Selected VP)」としての表示がない場合は、Modified Grain法によって算出された値を用いる。
香料化合物(A1)のlogKowと蒸気圧(Pa;25℃)の値を併せて表1に示す。
また前記の香料化合物(A1)の中でも、下記の香料化合物(a1)の香料化合物が好ましい。
(a1)γ-ウンデカラクトン、ダマセノン、δ-ダマスコン、β-イオノン、ミルラアルデヒド、エチルトリシクロ〔5.2.1.0-2,6〕デカン-2-カルボキシレート、シトロネロール、ゲラニオール、α-イオノン、パチョリアルコール、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチルジヒドロジャスモネート、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸トリシクロデセニル、γ-メチルイオノン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト〔2,1-b〕フラン、γ-ノナラクトン、リラール、イソ-ダマスコン、γ-デカラクトン、トリシクロデシニルアセテート、トリシクロデシニルプロピオネート、2-ペンチルオキシグリコール酸アリ
香料化合物(a1)は、logKow及び蒸気圧の条件を満たす香料化合物(A1)の中でも、繊維が膨潤した際の香り立ちの認知の易化の観点で、より好ましい。香料化合物(a1)は、いずれかを単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
このうち(A)成分の香料組成物を調合する上で、香り認知の観点から、香料化合物(a1)で挙げられたγ-ウンデカラクトン、ダマセノン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、イソ-ダマスコン、トリシクロデシニルアセテート
トリシクロデシニルプロピオネート、エチルトリシクロ〔5.2.1.0-2,6〕デカン-2-カルボキシレート、γ-デカラクトン、2-ペンチルオキシグリコール酸アリルの中から少なくとも1種を必須成分として含有することがより好ましい。
本発明の(A)成分の香料組成物は、前記した香料化合物(A1)から少なくとも5種類、好ましくは9種以上、より好ましくは10種以上の香料化合物を含む香料組成物であり、香料化合物(A1)の含有量が香料組成物中、5%質量以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは質量20%以上、そして、65質量%以下、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
また本発明の(A)成分の香料組成物は、logKowが3.00以上、且つ25℃における蒸気圧が3.69Paを超える香料化合物(A2)を併用することが好ましい。
香料化合物(A2)としては、例えば、リモネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、酢酸シトロネリル、酢酸p,t-ブチルシクロヘキシル、酢酸o,t-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、ヘプタン酸アリル、テトラヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、リナロール、ノナナール、デカナール、酢酸ゲラニル、カプロン酸アリル、酢酸ターピニル、1,8-シネオール、シトロネリルニトリル、エチル 2-メチルバレレート、α-ピネン、β-ピネン、ヘキサン酸アリルが挙げられる。
香料化合物(A2)のlogKowと蒸気圧(Pa;25℃)の値を併せて表2に示す。
香料化合物(A2)は、水を媒体として繊維を処理する場合、具体的には液体柔軟剤組成物として用いる場合において、繊維への吸着性、且つ乾燥するまでの間に繊維上に香料化合物を一定量残存させる観点から、logKowの値が3.00以上、また、親水性の高い繊維内部への浸透性の観点から、logKowの値が好ましくは5.00以下の香料化合物が好適である。
香料化合物(A2)は、微量吸着させるだけでも香り認知に十分な気相濃度を担保できる揮発性が必要であることから、蒸気圧の値が3.69Paを超え、また、処理後から乾燥するまでの間における繊維上の香料化合物の残存性の観点から、蒸気圧の値が好ましくは1000Pa以下の香料化合物が好適である。
香料化合物(A2)は、logKowの値が3.00以上、好ましくは3.5以上、より好ましくは4.0以上、そして、好ましくは5.00以下であり、蒸気圧の値は3.69Paを超え、そして、好ましくは1000Pa以下、より好ましくは500Pa以下、更に好ましくは250Pa以下である。
香料化合物(A2)は、香り立ちが特徴的且つ揮発性が大きいことから、溶液のボトル口の香り立ちや繊維処理直後の香り立ちに寄与度が高いものである。一方で、乾燥過程で繊維へ吸着した分の大半が揮散してしまうために、処理後の繊維の香り立ちへの寄与度は小さいが、これらの香料化合物は繊維の内部に微量存在しており、発汗時など水分を含んで繊維が膨潤状態になった際には揮散して香料化合物(A1)と調和して、よりボトル口に近い嗜好性の高い香りを感じることができる。
(A)成分の香料組成物は、香料化合物(A1)、香料化合物(A2)以外の香料化合物として、香料化合物(A1)以外のlogKowが2.00以上5.00以下であり、且つ25℃における蒸気圧が0.01Pa以上3.63Pa以下の香料化合物を含有することができる。
また(A)成分の香料組成物には香り創作の自由度を向上するという観点から、繊維製品処理剤に使用することが知られている化合物を含有することができる。香料化合物(A1)、(A2)以外の香料化合物としては、例えば、オクタナール、酢酸ヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸シクロヘキシル、サリチル酸シス-3-ヘキセニル、イソEスーパー、メチルアンスラニレート、エチレンブラシレート、アンブレットリド、バニリン、エチルバニリン、イソオイゲノール、ラズベリーケトン、クマリン、ヘリオトロピン、1- (スピロ〔4.5〕デカン-7-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン、1-(スピロ〔4.5〕デカン-6-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン、セドリルメチルエーテル、ジャバノール(ジボダン社製)、アセチルセドリン、トリプラール、エチルブチレート、エチル-2-メチルブチレート、2-(2-(4-メチル)-3-シクロヘキシニル-(1)プロピルシクロペンタノン、シクラメンアルデヒドが挙げられる。
繊維が膨潤した際の香り立ちと溶液のボトル口の香り立ちや繊維処理直後の香り立ちを両立させる観点から、(A)成分の香料組成物中の香料化合物(A1)と香料化合物(A2)の合計の割合は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、そして、香りの嗜好性の観点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは75質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
香料化合物(A2)は、蒸気圧が高いため、香り認知に十分な気相濃度を担保するためには繊維上に微量の香料化合物(A2)が残存していればよい。
しかし、処理後から乾燥するまでの間に繊維上の多くの香料化合物が揮散してしまうことから、(A)成分の香料組成物は、香料化合物(A2)を、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、また含水時の過度の香り立ちの防止及び香りの持続性の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下含有する。
(A)成分の香料組成物は、繊維製品処理剤に溶解ないし分散しやすいように香料の業界で知られている希釈剤や保留剤という溶剤で希釈したものとして用いてもよい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシ-3-メチルブタノール、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ベンジル、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、アジピン酸ジイソブチル、水添アビエチン酸メチル等が挙げられる。
しかしながら、本発明における香料組成物の配合量を計算する際には香料の希釈に使用される溶剤を含まず算出を行うが、溶剤を用いる場合、(A)成分と溶剤との合計に対する溶剤の量は、(A)成分中、好ましくは0質量%以上20質量%以下である。
(A)成分の香料組成物は、繊維処理剤組成物の溶媒中に溶解ないし分散しているが、本発明の繊維製品処理剤組成物には、(A)成分以外に、マイクロカプセル化した香料粒子、特開2009-256818号公報に記載のケイ酸エステル香料を別途配合してもよい。これらの香料前駆体やマイクロカプセル香料は、本発明の(A)成分の濃度規定に含まれないものとする。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、洗濯処理、乾燥後に残存する香料量の観点から、(A)成分を、0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、そして、保存安定性及び他の香料添加剤とのバランスの観点から、5質量%以下、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.8質量%以下含有する。
<(B)成分>
本発明の(B)成分は、下記一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩化合物であって、アシル基を脂肪酸と見做した場合に、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の割合が、アシル基を構成している全脂肪酸の60質量%以上100質量%以下である4級アンモニウム塩化合物である。
〔式中、R1b、R2b、R3bは、それぞれ独立して、炭素数16以上22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基)、又は水素原子である。但し、R1b、R2b、R3bの少なくとも1つはアシル基である。R4bは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、Xは陰イオンである。〕
本発明の繊維製品処理剤組成物は、高温下での長期保存においても香料の揮発性、特には吸湿時の発香性を低下させない。その理由は必ずしも明らかではないが、不飽和脂肪酸を由来とする液状性の高い4級アンモニウム化合物である(B)成分の性質に起因すると推定される。
更に(B)成分は、繊維への吸着性に優れることから、(A)成分の繊維製品への接触性を高めること、また不飽和脂肪酸に由来する構造を有することから液状性が高いため、繊維製品の乾燥時に固化しにくく、香料の揮発抑制が期待できる。
本発明の(B)成分は、アシル基を脂肪酸と見做した場合に、アシル基を構成する全脂肪酸中、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の割合が、60質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、そして、100質量%以下、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である4級アンモニウム塩化合物である。
(B)成分は、アシル基を脂肪酸と見做した場合に、アシル基を構成している全脂肪酸中、オレイン酸の割合が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは65質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは75質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である4級アンモニウム塩化合物である。
(B)成分のアシル基を構成する脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸以外に、ステアリン酸、パルミチン酸及びエライジン酸を挙げることができる。
(B)成分はトリエタノールアミン脂肪酸エステルの4級化物であることから、アシル化度が1、2又は3の3つの異なる4級化合物から構成されるものである。
(B)成分の平均アシル化率は、組成物の保存安定性の観点及び残香持続性の観点から、好ましくは1.3以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.95以下である。平均アシル化度は、脂肪酸とトリエタノールアミンとの反応比率及び4級化の際のアルキル化剤との反応比率や反応条件によって調製することができる。
本発明では(B)成分を構成するそれぞれの割合は以下の比率が好ましい。
アシル化度が1の化合物、すなわち一般式(B1)中のR1bがアシル基であり、R2b及びR3bが水素原子である化合物(b1)〔以下、(b1)成分という〕の割合は、一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。
アシル化度が2の化合物、すなわち一般式(B1)中のR1b及びR2bがアシル基であり、R3bが水素原子である化合物(b2)〔以下、(b2)成分という〕の割合は、一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、そして、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは65質量%以下である。
アシル化度が3の化合物、すなわち一般式(B1)中のR1b、R2b及びR3bがアシル基である化合物(b3)〔以下、(b3)成分という〕の割合は、一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
(b2)成分と(b3)成分は香料の繊維製品への吸着に有効な成分であるが、繊維製品処理剤組成物の保存安定性に影響を与える。そのために、(B)成分は、(b1)成分を適度に残した組成であることが好ましい。更には、前記の割合を満たした上で、(B)成分中の(b2)成分の含有量が(b3)成分よりも多いこと、より好ましくは(b2)成分の含有量(質量%)と(b3)成分の含有量(質量%)との差が、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上あることである。
一般式(B1)中、R4bはメチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(B1)中、Xは、クロロイオン等のハロゲンイオン、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1以上3以下のアルキル基が1個以上3個以下置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンから選ばれる陰イオンが好ましく、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸エステルイオンがより好ましく、メチル硫酸エステルイオン又はエチル硫酸エステルイオンがより好ましい。
本発明に用いる(B)成分は、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸の比率が規定濃度の脂肪酸とトリエタノールアミンを脱水エステル化反応させる方法(脱水エステル化法という)、又は脂肪酸低級アルキルエステル(低級アルキルはメチル基、エチル基、プロピル基)とトリエタノールアミンをエステル交換反応させる方法(エステル交換法という)により得られたエステル化反応物を、アルキル化剤で4級化反応させることで得ることができる。本発明の(B)成分の(b1)成分~(b3)成分の割合を満たす混合物を得るには、例えば、脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステル:トリエタノールアミンのモル比を、好ましくは1.3:1以上、より好ましくは1.5:1以上、そして、好ましくは2.0:1以下、より好ましくは1.95:1以下の比率で反応させたトリエタノールアミン脂肪酸エステルの混合物を4級化反応させることで得ることができる。
なお、(B)成分を得るのに選択水素化反応を行った場合には不飽和結合の幾何異性体の混合物が形成するが、本発明の(B)成分では、シス/トランス(モル比)が、好ましくは25/75以上、より好ましくは50/50以上、そして、好ましくは100/0以下、より好ましくは95/5以下が好適である。
脱水エステル化法においてはエステル化反応温度を140℃以上230℃以下で縮合水を除去しながら反応させることが好ましい。反応を促進させる目的から通常のエステル化触媒を用いても差し支えなく、例えば硫酸、燐酸などの無機酸、酸化錫、酸化亜鉛などの無機酸化物、テトラプロポキシチタンなどのアルコラートなどを選択することができる。反応の進行はJISK0070-1992に記載の方法で酸価(AV)及び鹸化価(SV)を測定することで確認を行い、好適にはAVが10mgKOH/g以下、好ましくは6mgKOH/g以下となった時、エステル化反応を終了する。得られるエステル化合物の混合物は、SVが好ましくは110mgKOH/g以上、より好ましくは130mgKOH/g以上、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは190mgKOH/g以下である。
エステル交換法においては、反応は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、そして、好ましくは150℃以下の温度で生成する低級アルコールを除去しながら行う。反応促進のために水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリや、メチラート、エチラートなどのアルコキシ触媒を用いることも可能である。反応の進行はガスクロマトグラフィーなどを用いて脂肪酸低級アルキルエステルの量を直接定量することが好適であり、未反応脂肪酸低級アルキルエステルが仕込みの脂肪酸低級アルキルエステルに対してガスクロマトグラフィーチャート上で10面積%以下、特に6面積%以下で反応を終了させることが好ましい。得られるエステル化合物の混合物は、SVが好ましくは110mgKOH/g以上、より好ましくは130mgKOH/g以上、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは190mgKOH/g以下である。
次にこのようにして得られたエステル化合物の4級化を行うが、4級化に用いられるアルキル化剤としては、メチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が好適である。アルキル化剤として、メチルクロリドを用いる場合には、特に溶媒を使用する必要はないが、溶媒を使用する場合は、エタノールやイソプロパノールなどの溶媒を、エステル化合物に対して10質量%以上50質量%以下程度混合した溶液をチタン製のオートクレーブなどの加圧反応器に仕込み、密封下30℃以上120℃以下の反応温度でメチルクロリドを圧入させて反応させる。このときメチルクロリドの一部が分解し塩酸が発生する場合があるため、アルカリ剤を少量加えることで反応が効率よく進むため好適である。メチルクロリドとエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してメチルクロリドを1倍当量以上1.5倍当量以下用いることが好適である。
ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸とエステル化合物との反応モル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を好ましくは0.9倍当量以上、より好ましくは0.95倍当量以上、そして、好ましくは1.1倍当量以下、より好ましくは0.99倍当量以下用いる。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、(B)成分の製造時に生成されるその他反応生成物を含有してもよい。例えば、4級化されなかった未反応アミンとして、具体的には脂肪酸トリエステル構造体のアミンと脂肪酸ジエステル構造体のアミンがあり、製法によっては、脂肪酸トリエステル構造体のアミンと脂肪酸ジエステル構造体のアミンとを合計して、(B)成分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下含む反応生成物が得られる。一方、脂肪酸モノエステル構造体のアミンは4級化し易いことから、通常、反応生成物中の含有量は(B)成分100質量部に対して0.5質量部以下である。更には脂肪酸エステル化されなかったトリエタノールアミン及びトリエタノールアミンの4級化物は合計で(B)成分100質量部に対して0.5質量部以上3質量部以下含有され、このうち90質量%以上は4級化物である。また未反応脂肪酸が含まれることもある。(B)成分を含む反応生成物を用いる場合は、本発明の効果を損なわない限り、このような未反応成分や副反応成分が繊維製品処理剤組成物中に含まれていてもよい。
(B)成分として(b1)成分、(b2)成分及び(b3)成分を含む混合物を用いる場合、該混合物中の(b1)成分、(b2)成分、(b3)成分、アミン化合物の割合等は、高速液体クロマトグラフ(HPLCと言う場合もある)を用い、検出器として荷電荷粒子検出器(Charged Aerosol Detection、CADと言う場合もある)を使用して求めることができる。CADを用いた測定方法については「荷電化粒子検出器Corona CADの技術と応用」(福島ら Chromatography, Vol.32 No.3(2011))を参考にすることができる。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、(A)成分の香料組成物の繊維製品への吸着性を向上させる目的から、(B)成分を、1.0質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、そして、湿潤時の発香を妨げない程度の繊維製品への吸水性付与の観点から、15質量%以下、好ましくは10質量%以下含有する。本発明の繊維製品処理剤組成物を柔軟剤組成物として使用する場合は、(B)成分以外の第4級アンモニウム化合物(C)を柔軟主基剤として併用することが好ましい。(C)成分については後述する。
<水>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、水を含有する。水は、本発明の繊維製品処理剤組成物の残部であるが、水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
<繊維製品処理剤組成物の30℃におけるpH>
本発明の繊維製品処理剤組成物の30℃におけるpHは、2.5以上4.0以下であり、繊維製品処理剤組成物による処理後の繊維製品の発香性及び残香性の観点、及び保存安定性の観点から、好ましくは2.8以上、より好ましくは3.0以上、そして、好ましくは3.5以下である。
本発明の繊維製品処理剤組成物のpHは、「JISK 3362;2008の項目8.3に従って30℃において測定する。pHの調整は、アルカリ剤や後述する酸剤等のpH調整剤により調整することができる。
<その他の成分>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、更に以下に示す成分を含有することが好ましい。
<(C)成分>
本発明の繊維製品処理剤組成物を柔軟剤組成物として使用する場合は、(C)成分として、(B)成分以外の4級アンモニウム塩化合物を用いることが好ましい。(C)成分は、前記一般式(C1)で示される4級アンモニウム化合物であって、アシル基を構成する脂肪酸組成が異なる以外は、同様にして得られる4級アンモニウム塩化合物が好ましい。具体的には、下記一般式(C1)で表される4級アンモニウム塩化合物であって、アシル基を脂肪酸と見做した場合に不飽和脂肪酸の割合が、アシル基を構成している全脂肪酸の50質量%以下、更に40質量%以下である4級アンモニウム塩化合物が好ましい。該4級アンモニウム塩化合物の不飽和脂肪酸の割合の下限値は、アシル基を構成している全脂肪酸の10質量%以上であってよい。
〔式中、R1c、R2c、R3cは、それぞれ独立して、炭素数16以上22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基)、又は水素原子であり、但し、R1c、R2c、R3cの少なくとも1つはアシル基であり、R4cは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、Xは陰イオンである。〕
1c、R2c、R3cのアシル基を構成する脂肪酸は、牛脂、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、ナタネ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油から選ばれる油脂をケン化して得られる脂肪酸組成のものが好適であり、特に柔軟性能の点から牛脂、パーム油及びヒマワリ油から得られる脂肪酸組成のものが良好である。また、これらは炭素-炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基を多量に含有するため、例えば特開平4-306296号公報に記載されているような晶析や、特開平6-41578号公報に記載されているようにメチルエステルを減圧蒸留する方法、あるいは特開平8-99036号公報に記載の選択水素化反応を行うことで炭素-炭素不飽和結合を2つ以上含有する脂肪酸の割合を制御する方法などにより製造することができる。例えば硬化牛脂は牛脂由来の脂肪酸を水素添加により飽和にしたものであり、一部を硬化させたものとして半硬化という表現をする場合もある。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(C)成分を含有する場合、その含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、そして、保存安定性の観点から、好ましくは14質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下である。
本発明の繊維製品処理剤組成物において、(B)成分及び(C)成分の合計含有量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更により好ましくは14質量%以下、そして、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは6.5質量%以上である。
本発明の液体繊維製品処理剤組成物は、(B)成分と(C)成分を併用する場合、(B)成分の含有量と(C)成分の含有量との質量比(B)/(C)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.06以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1以上、より更に好ましくは1.5以上、より更に好ましくは2以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは3以下である。
<(D)成分>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、(D)成分として、香料化合物を内包したマイクロカプセル、又は香料前駆体を含有することができる。
(D)成分は、(A)成分と併用することで、従来よりも自由度の高い香料設計が可能となる。(D)成分には、徐放性香料として特開2014-125685号公報記載のケイ酸エステル化合物や特表平8-502522号公報記載のアルコール系香料化合物と、脂肪族モノカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸とのエステル化合物やカプセル香料として特開2015-200047号公報記載のマイクロカプセル香料を用いることができる。
本発明の液体繊維製品処理剤組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量は、好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.45質量%以上、そして、好ましくは質量0.65%以下、より好ましくは0.6質量%以下、更に好ましくは0.55質量%以下である。なお、(D)成分が香料前駆体を含む場合、(D)成分の含有量は、(D)成分の香料前駆体を構成する香料化合物の質量にて計算する。
本発明の液体繊維製品処理剤組成物が(D)成分を含有する場合、(A)成分と(D)成分の合計含有量は、繊維製品に対して十分に賦香する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、そして、保存安定性及び香りの強度の嗜好性のバランスの観点から、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下である。
なお、(D)成分が香料前駆体を含む場合、前記合計の含有量における(D)成分の質量は、(D)成分の香料前駆体を構成する香料化合物の質量にて計算する。
本発明の繊維製品処理剤組成物、特に液体柔軟剤組成物は、更に以下に示す成分を含有することが好ましい。
<(E)成分:非イオン性界面活性剤>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、(E)成分として、非イオン性界面活性剤を含有してもよい。
(E)成分としては、炭素数8以上20以下のアルキル基又はアルケニル基とオキシアルキレン基とを有する非イオン性界面活性剤が好ましく、下記一般式(E1)で表される非イオン性界面活性剤がより好ましい。
1e-A-〔(R2eO)-R3e (E1)
〔式中、R1eは、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基であり、R2eは、炭素数2又は3のアルキレン基、好ましくはエチレン基であり、R3eは、炭素数1以上3以下のアルキル基又は水素原子であり、xは2以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、そして、100以下、好ましくは80以下、より好ましくは60以下の数であり、Aは-O-、-COO-、-CON<又は-N<であり、Aが-O-又は-COO-の場合yは1であり、Aが-CON<又は-N<の場合yは2である。〕
一般式(E1)の化合物の具体例としては、以下の式(E1-1)~(E1-3)で表される化合物を挙げることができる。
1e-O-(CO)-H (E1-1)
〔式中、R1eは前記R1eと同義である。kは8以上、好ましくは10以上、そして、100以下、好ましくは60以下の数である。〕
1e-O-[(CO)(CO)]-H (E1-2)
〔式中、R1eは前記R1eと同義である。s及びtはそれぞれ独立に2以上、好ましくは5以上であり、そして、40以下の数であり、(CO)と(CO)はランダム又はブロック付加体であってもよい。(CO)と(CO)の結合順序を問わない。〕
(式中、R1e及びR3eは前記の意味を示す。Aは-N<又は-CON<であり、u及びvはそれぞれ独立に0以上40以下の数であり、u+vは5以上60以下、好ましくは40以下の数である。)
本発明では、(E)成分として、一般式(E1-1)で表される非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
(E)成分は、繊維製品処理剤組成物の粘度を低下させることができることから、繊維製品処理剤組成物の各成分の混合から充填までの製造を容易にすることができる。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、より更に好ましくは2質量%以上、そして、組成物の相分離抑制の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下である。
<(F)成分:多価アルコールと脂肪酸とのエステル>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、保存安定性を改善する観点から(F)成分として、多価アルコールと脂肪酸とのエステルを含有してもよい。
多価アルコールと脂肪酸とのエステルとしては、炭素数3以上6以下であり、かつ3価以上6価以下の多価アルコールと、炭素数12以上22以下の脂肪酸とのエステル化合物が好ましい。
より具体的には、炭素数が好ましくは3以上、より好ましくは4以上、そして、好ましくは6以下であり、かつ、好ましくは3価以上、より好ましくは4価以上で、そして、好ましくは6価以下である多価アルコールと、炭素数が好ましくは12以上、より好ましくは14以上、更に好ましくは16以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下の脂肪酸とのエステル化合物である。
(F)成分を構成する多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-ペンタトリオール、エリスリトール、アラビトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール、キシリトール及びマンニトールから選ばれる1種以上が好ましく、ペンタエリスリトール及びソルビタンから選ばれる1種以上がより好ましい。
(F)成分を構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、及びパルミチン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、及びリノレン酸等の不飽和脂肪酸、パーム油脂肪酸、及び硬化パーム油脂肪酸の植物油由来の脂肪酸、牛脂脂肪酸及び硬化牛脂脂肪酸等の動物油由来の脂肪酸から選ばれる1種以上が好ましく、飽和脂肪酸、植物油由来の脂肪酸、及び動物油由来の脂肪酸から選ばれる1種以上がより好ましく、ステアリン酸、硬化パーム油脂肪酸、及び硬化牛脂脂肪酸から選ばれる1種以上が更に好ましい。
本発明における(F)成分としては、ペンタエリスリトールと炭素数16以上22以下の脂肪酸とのエステル化合物、及びソルビタンと炭素数16以上22以下の脂肪酸とのエステル化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(F)成分を含有する場合、(F)成分の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは0.7質量%以上、そして、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
<(G)成分:(B)成分及び(C)成分以外の陽イオン性界面活性剤、並びに両性界面活性剤から選ばれる界面活性剤>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、(G)成分として、(B)成分及び(C)成分以外の陽イオン性界面活性剤(以下、(G1)成分ともいう)、並びに両性界面活性剤(以下、(G2)成分ともいう)から選ばれる界面活性剤を含有することができる。
〔(G1)成分:(B)成分及び(C)成分以外の陽イオン性界面活性剤〕
本発明においては、液体繊維製品処理剤組成物の保存安定性を向上させる観点から、(G1)成分として、(B)成分及び(C)成分以外の陽イオン性界面活性剤を用いることができる。
(G1)成分の具体例としては、窒素原子に結合する基のうち、1つ又は2つが炭素数10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基であり、残りがヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1以上4以下のアルキル基、ベンジル基、好ましくはメチル基である第3級アミン化合物及びその酸塩、並びに前記第3級アミン化合物の4級化物が挙げられる。これらの中でも、繊維製品処理剤組成物に殺菌効果を付与する観点から、炭素数10以上22以下のアルキル基又はアルケニル基を1つ有し、ベンジル基を1つ有する陽イオン性界面活性剤が好ましい。
前記化合物の4級化に用いるアルキル化剤としては、(B)成分において記載した化合物を用いることができる。
(G1)成分としては、下記(I)~(IV)から選ばれる1種以上の陽イオン性界面活性剤が好ましく、更に(II)~(IV)から選ばれる陽イオン性界面活性剤が好ましい。
(I)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上22以下のジ長鎖アルキル又はアルケニルジメチルアンモニウム塩、
(II)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上22以下のモノ長鎖アルキル又はアルケニルトリメチルアンモニウム塩、
(III)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が10以上22以下のモノ長鎖アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩
(IV)式(G1)で示されるアミン化合物の酸塩
〔式中、R1gは炭素数13以上19以下のアルキル基又は炭素数13以上19以下のアルケニル基であり、R2gは炭素数1以上6以下のアルキレン基であり、R3g、R4gはそれぞれ独立して炭素数1以上3以下のアルキル基である。〕
前記一般式(G1)で示されるアミン化合物の酸塩の酸としては、無機酸又は有機酸が挙げられる。無機酸としては、塩酸、及び硫酸が挙げられる。有機酸としては、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸、炭素数1以上10以下の1価又は多価のカルボン酸、及び炭素数1以上20以下の1価又は多価のスルホン酸が挙げられる。有機酸の具体例としては、メチル硫酸、エチル硫酸、p-トルエンスルホン酸、(o-、m-、p-)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、グリコール酸、クエン酸、安息香酸、及びサリチル酸が挙げられる。
(G1)成分としては、具体的には塩化ジデシルジメチルアンモニウム塩、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム塩、塩化ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、及び塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジメチルアミノプロピルステアリルアミド酸塩、ジメチルアミノプロピルパルミチルアミド酸塩を挙げることができる。
〔(G2)成分:両性界面活性剤〕
本発明においては、(G2)成分として、両性界面活性剤を用いることもできる。
(G2)成分としては、一般的に液体柔軟剤組成物に配合することができるものであれば特に制限はなく、例えば、アルキル(炭素数12以上22以下)アミドプロピルカルボベタイン、アルキル(炭素数12以上22以下)アミドプロピルスルホベタイン、アルキル(炭素数12以上22以下)カルボベタイン、アルキル(炭素数12以上22以下)スルホベタイン、アルキル(炭素数10以上18以下)ジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(G)成分を含有する場合、(G)成分の含有量は、繊維製品処理剤組成物の粘度を低下させる観点、及び殺菌性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上、そして、保存安定性や柔軟効果の低下を抑制する観点から、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。
<(H)成分:無機塩>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、保存安定性を向上させる観点から(H)成分として、無機塩を含有することができる。
無機塩としては、保存安定性を向上させる観点から、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(H)成分を含有する場合、その含有量は、繊維製品処理剤組成物の分散性を向上させる観点から、組成物中、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上、そして、繊維製品処理剤組成物の保存安定性を向上する観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である。
<(I)成分:シリコーン化合物>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、(I)成分として、水不溶性のシリコーン化合物を含有してもよい。本明細書における(I)成分の「水不溶性」とは、20℃のイオン交換水1Lに溶解するシリコーン化合物の量が1g以下であることをいう。
(I)成分の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、4級アンモニウム変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、カルボキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン変性ジメチルポリシロキサン、及びフッ素変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン化合物が挙げられる。
(I)成分としては、重量平均分子量が好ましくは1千以上、より好ましくは3千以上、更に好ましくは5千以上であり、そして、好ましくは100万以下であり、25℃における粘度が好ましくは2mm/s以上、より好ましくは500mm/s以上、更に好ましくは1千mm/s以上であり、そして、好ましくは100万mm/s以下である、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサン、アミド変性ジメチルポリシロキサン、及びポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン、好ましくはポリオキシエチレン)変性ジメチルポリシロキサンから選ばれる1種以上が好ましい。
なお、(I)成分における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
アミノ変性ジメチルポリシロキサンのアミノ当量(アミノ当量とは窒素原子1個当たりの分子量)は、好ましくは1,500g/mol以上、より好ましくは2,500g/mol以上、更に好ましくは3,000g/mol以上、そして、好ましくは40,000g/mol以下、より好ましくは20,000g/mol以下、更に好ましくは10,000g/mol以下である。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(I)成分を含有する場合、(B)成分の含有量と(I)成分の含有量との質量比(B)/(I)は、繊維の仕上がり感としてさっぱり感を与える観点からは、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、そして、好ましくは60以下、より好ましくは50以下である。
また、本発明の繊維製品処理剤組成物が(I)成分を含有する場合、(B)成分の含有量と(I)成分の含有量との質量比(B)/(I)は、泡立ち抑制の観点からは、好ましくは10以上、より好ましくは50以上、更に好ましくは100以上、より更に好ましくは200以上、そして、好ましくは1500以下、より好ましくは1000以下、更に好ましくは800以下、より更に好ましくは600以下である。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(I)成分を含有する場合、(I)成分の含有量は、繊維製品の仕上り感として、さっぱり感を与える観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、そして、分散性の観点から、好ましくは5質量%以下である。
また、本発明の繊維製品処理剤組成物が(I)成分を含有する場合、(I)成分の含有量は、泡立ち抑制の観点からは、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、であり、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
<(J)成分:酸剤>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、繊維製品処理剤組成物のpHを調整する観点から、酸剤を含有することができる。
酸剤としては、無機酸及び有機酸が挙げられ、無機酸の具体例としては、塩酸、及び硫酸が挙げられる。有機酸の具体例としては、炭素数1以上10以下の1価又は多価のカルボン酸、又は炭素数1以上20以下の1価又は多価のスルホン酸、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸が挙げられる。より具体的には、メチル硫酸、エチル硫酸、p-トルエンスルホン酸、(o-、m-、p-)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、グリコール酸、エチレンジアミン4酢酸、クエン酸、安息香酸、及びサリチル酸が挙げられる。
これらの中でも、塩酸、及び炭素数1以上10以下の1価又は多価のカルボン酸から選ばれる酸剤が好ましく、塩酸、及びクエン酸から選ばれる酸剤がより好ましい。
本発明の繊維製品処理剤組成物が酸剤を含有する場合、その含有量は適宜調整することができ、pHが前記範囲になる範囲であって、保存安定性を損なわない程度が好ましい。
<(K)成分:脂肪酸>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、柔軟効果を向上させる観点から、(B)成分及び又は(C)成分の製造に用いた脂肪酸や(J)成分としての脂肪酸の他に、(K)成分として、脂肪酸を含有してもよい。
脂肪酸は、(B)成分及び又は(C)成分の合成時の未反応物や、(B)成分及び又は(C)成分の分解物として含有してもよい。
脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸、及びベヘニン酸等の炭素数12以上22以下の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びリノール酸から選ばれる脂肪酸がより好ましい。
本発明の液体繊維製品処理剤組成物が(K)成分を含有する場合、(K)成分の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
<(L)成分:水溶性有機溶剤>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、保存安定性や粘度の観点から(L)成分として、水溶性有機溶剤を含有することができる。
水溶性有機溶剤としては、繊維製品処理剤組成物に用いられる一般的な水溶性有機溶剤が挙げられる。なお、(L)成分における「水溶性有機溶剤」とは、20℃の脱イオン水100gに対して20g以上溶解する有機溶剤をいう。
水溶性有機溶剤の具体例としては、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、イソプロパノール、及びエタノール等を挙げることができる。これらの中でも、エチレングリコール、エタノール、及びプロピレングリコールから選ばれる水溶性有機溶剤が好ましい。
本発明の液体繊維製品処理剤組成物が他の成分によって、十分に安定化され粘度が低い場合は、(L)成分である水溶性有機溶剤を含有しなくてもよい。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(L)成分を含有する場合、(L)成分の含有量は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、そして、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上である。
<(M)成分:キレート剤>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、繊維製品処理剤組成物の長期保存時の色相変化や染料の褪色及び香りの変質を抑制する観点から、(M)成分として、キレート剤を用いることが好ましい。なお、本発明における(M)成分は前記酸剤としての機能も有していてもよい。
キレート剤の具体例としては、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸、エチレンジアミン四酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、L-グルタミン酸-N,N-二酢酸、N-2-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、クエン酸、コハク酸、及びそれらの塩が挙げられる。塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
本発明の繊維製品処理剤組成物が(M)成分を含有する場合、(M)成分の含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上であり、そして、好ましくは2質量%以下、より好ましく1.5質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下である。
<(N)成分:その他の成分>
本発明の繊維製品処理剤組成物においては、基材の劣化を抑制する観点から、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)等の酸化防止剤を用いることができ、また、審美や長期保存時の着色を防ぐ観点から、繊維製品処理剤組成物において一般的に用いられる染料及び顔料を用いることもできる。更に、プロキセルの商品名で市販されている防菌、防黴剤を用いることもできる。また、安息香酸及びその塩も防菌、防黴剤として用いることもできる。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、繊維製品用として好適であり、繊維製品としては、衣料、布帛、寝具、タオル等が挙げられる。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、乳濁型の繊維製品処理剤組成物であってよい。ここで、乳濁型の繊維製品処理剤組成物は、波長660nmの可視光の透過率が10%未満であるものが挙げられる。当該透過率は、具体的には、後述の実施例の方法で測定されたものである。
実施例及び比較例で使用した成分を以下に示す。
<(A)成分>
(A)成分の香料組成物として、(a1-1)から(a1-14)の14種、(A’)成分((A)成分の比較成分)の香料組成物として (a2-1)~(a2-4)の4種の調合香料を調製した。香料組成物の詳細を表3A~表3Dに示す。
<(B)成分>
〔合成例b-1:(b-1)の製造〕
トリエタノールアミンとRCOOHで表される脂肪酸を、反応モル比(脂肪酸/トリエタノールアミン)が1.87/1で、エステル化反応させ、エステル化反応物を得た。
エステル化反応物中には、未反応の脂肪酸(組成は後述の通り)が1.0質量%含まれていた。エステル化反応物中のアミン化合物のアミンに対して、メチル基が0.96等量となるように、ジメチル硫酸で4級化反応を行った後、エタノールを添加した。
得られた反応物をHPLC法で各成分の組成比を分析し、臭化テトラオクチルアンモニウムを内部標準物質として使用し定量した結果、得られた反応物は、(B)成分である(b-1)成分を66質量%、エタノール15質量%、未反応アミン塩(メチル硫酸塩として)17質量%、未反応脂肪酸1質量%、微量のトリエタノールアミン4級化物及びその他微量成分を含み、このうち一般式(B1)において、R1bがアシル基であり、R2b及びR3bが水素原子であり、Rがメチル基であって、Xがメチル硫酸である化合物[以下(b1-1)という場合がある]が(b-1)成分中22質量%、一般式(B1)において、R1b及びR2bがアシル基であり、R3bが水素原子であり、R4bがメチル基であって、Xがメチル硫酸である化合物[以下(b1-2)という場合がある]が(b-1)成分中58質量%、一般式(B1)において、R1b、R2b及びR3bがアシル基であり、R4bがメチル基であって、Xがメチル硫酸である化合物[以下(b1-3)という場合がある]が(b-1)成分中20質量%であった。また4級化率は80質量%であった。
なお(b-1)を製造するための反応に用いたRCOOHの組成を以下に示す。
オレイン酸:80質量%
リノール酸:10質量%
リノレン酸:2質量%
ステアリン酸:2質量%
パルミチン酸:6質量%
前記組成は、原料に使用した脂肪酸をガスクロマトグラフィーで組成分析し、各脂肪酸の面積%を質量%とみなした。
なお配合表の数値は(b-1)成分濃度に換算している。
<(C)成分>
〔合成例c-1:(c-1)の製造〕
(C)成分として一般式(C1)で示される4級アンモニウム塩化合物であってアシル基を構成する脂肪酸組成が(B)成分と異なる4級アンモニウム塩化合物を調製した。すなわちトリエタノールアミンとのRCOOHで表される脂肪酸を、反応モル比(脂肪酸/トリエタノールアミン)が1.65/1で、エステル化反応させ、エステル化反応物を得た。
エステル化反応物中には、未反応の脂肪酸(組成は後述の通り)が5質量%含まれていた。エステル化反応物中のアミン化合物のアミンに対して、メチル基が0.96等量となるように、ジメチル硫酸で4級化反応を行った後、エタノールを添加した。以上の様にして(C)成分である一般式(C1)で示される4級アンモニウム塩化合物のうち(B)成分とアシル基の脂肪酸組成の異なる4級アンモニウム塩化合物[以下(c-1)という]を含有する反応物を調製した。
得られた反応物をHPLC法で各成分の組成比を分析し、臭化テトラオクチルアンモニウムを内部標準物質として使用し定量した結果、得られた反応物は、一般式(C1)で示され(B)成分とアシル基の脂肪酸組成の異なる化合物である(c-1)成分を75質量%、エタノール10質量%、未反応アミン(メチル硫酸塩として)12質量%、未反応脂肪酸2%、微量のトリエタノールアミン4級化物及びその他微量成分を含み、(c-1)成分のうち一般式(C1)において、R1cがアシル基であり、R2c及びR3cが水素原子であり、R4cがメチル基であって、Xがメチル硫酸である化合物[以下(c1-1)という場合がある]が(c-1)成分中28量%、一般式(C1)において、R1c及びR2cがアシル基であり、R3cが水素原子であり、R4cがメチル基であって、Xがメチル硫酸である化合物[以下(c1-2)という場合がある]が(c-1)成分中56質量%、一般式(C1)において、R1c、R2c及びR3cがアシル基であり、R4cがメチル基であって、Xがメチル硫酸である化合物[以下(c1-3)という場合がある]が(c-1)成分中16質量%であった。また4級化率は80質量%であった。
なお(c-1)を製造するための反応に用いたRCOOHの組成を以下に示す。
パルミチン酸:45質量%
ステアリン酸:25質量%
オレイン酸:27質量%
リノール酸:3質量%
前記組成は、原料に使用した脂肪酸をガスクロマトグラフィーで組成分析し、各脂肪酸の面積%を質量%とみなした。なお配合表の数値は(c-1)成分濃度に換算している。
<(D)成分>
・(D1)成分
(d1-1):Si(O-Geranyl)
なお、(d1-1)における「Geranyl」は、ゲラニオール(1級アリルアルコール性香料、logP2.4)から水酸基を1個除いた基を表す。
前記(d1-1)は、下記合成例d1-1により合成した。
(合成例d1-1:Si(O-Geranyl)の合成)
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン27.08g(0.13mol)、ゲラニオール72.30g(0.47mol)及び2.8質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.485mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら110~120℃で2時間撹拌した。
2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら117~120℃でさらに4時間撹拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ゲラニオールのケイ酸エステル香料前駆体を含む76.92gの黄色油状物を得た。
・(D2)成分
(d2-1):ラウリン酸とエチルバニリンとのエステル
前記(d2-1)については、下記合成例d2-1により合成した。
〔合成例d2-1:ラウリン酸とエチルバニリンとのエステルの製造〕
窒素雰囲気下、300mLの四つ口フラスコに、ラウリン酸クロリド8.95g(0.041mol)、ジクロロメタン40mLを入れ、0℃に冷却した。一方、100mLの滴下ロートに、エチルバニリン6.80g(0.041mol)、トリエチルアミン4.35g(0.043mol)、ジクロロメタン40mLを入れた。滴下ロートより反応温度が-5℃~0℃に保たれるようフラスコに40分かけて滴下を行った。滴下終了後、室温(25℃)で2時間撹拌を行った。フラスコに飽和塩化アンモニウム水溶液10mLを添加し、反応を停止した。ジエチルエーテル150mLを添加し、生成した白色固体をろ過で除去し、ろ液を分液ロートに移した。分液ロートにイオン交換水100mLを添加し、ジエチルエーテル50mLで水層から3回抽出を行った。抽出溶液を集め、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで溶液を乾燥した。溶媒を減圧除去後、淡黄色固体のラウリン酸とエチルバニリンとのエステル14.20g(収率99%)を得た。最終物はNMR及びIRを用いて目的の化合物が製造できているか確認された。
・(D3)成分
(d3-1):下記製造例d3-1で得られた、香料含有マイクロカプセルスラリー
〔製造例d3-1:(d3-1)の製造〕
ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体(デモールEP、固形分25%、花王株式会社)1.7gを塩酸で中和後、更にイオン交換水で希釈することにより、固形分3%、pH4.3の水溶液を得た。次に、前記ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体水溶液100gに、アルコール系香料化合物としてゲラニオール、ターピネオール及びテトラヒドロリナロールを香料1000質量部あたり、90質量部含有している表1の組成の(C3)用香料)を36g加え、ホモミキサーを用いて乳化し、これを50℃に昇温した。次に、部分メチロール化メラミン樹脂(商品名Cymel385、固形分80%、Cytec Industries Inc製)を12g、イオン交換水35gを混合した水溶液を滴下した。これを50℃で2時間保持し、さらに70℃で1時間保持し、さらに80℃で3時間保持し、封入を完了させた。その後、放冷することによって、平均粒径7μm、有効分30質量%のマイクロカプセルスラリーを得た。
<(E)成分>
(e-1):ラウリルアルコールにエチレンオキサイドを平均30モル付加させた化合物、すなわち、一般式(E1-1)においてR1eが直鎖の炭素数12のアルキル基であって酸素原子と結合するR1eの炭素原子が第1級炭素原子であり、kが30である非イオン性界面活性剤
<(G)成分>
(g-1)成分:ジメチルアミノプロピルステアリルアミド酸塩
<(H)成分>
(h-1)成分:塩化カルシウム
<(I)成分>
(i-1):下記合成例i-1で製造した、ジメチルポリシロキサンの水性エマルジョン。
[合成例i-1の製造]
平均付加モル数5モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル5gを、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度500,000mm/s)300gに高せん断力をかけながら添加し、さらに10分間、高せん断力で攪拌し続けた。その後、イオン交換水を30g添加し、次に平均付加モル数2モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム2g、平均付加モル数40モルのポリオキシエチレンミリスチルエーテル15gを加え、さらに高せん断力下、攪拌を30分間続け、その後、水を248g加えて攪拌し、ジメチルポリシロキサンの水性エマルジョン〔(i-1)〕を得た。(i-1)中の乳化粒子の体積平均粒径は500nmであった。また、(i-1)中のジメチルポリシロキサンの含有量は50質量%であった。体積平均粒径は水性エマルジョンをエタノール中に分散させ、電気泳動光散乱光度計(大塚電子(株)製、型式ELS-8000)を用いて、20℃で測定した。
<(L)成分>
(l-1):プロピレングリコール
(l-2):エチレングリコール
<(M)成分>
(m-1)成分:メチルグリシン二酢酸3ナトリウム
<(N)成分>
(n-1)成分:プロキセルBDN(アーチ・ケミカル・ジャパン社製)
<pH調整剤>
繊維製品処理剤組成物のpHを調整するため、必要に応じて適宜、水酸化ナトリウム又は(J)成分であるクエン酸、塩酸を使用した。
<実施例及び比較例>
〔繊維製品処理剤組成物の調製〕
表4、表5及び表6に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、繊維製品処理剤組成物を調製した。具体的には、以下の通りである。なお、表中の組成の質量%は、有効分の質量%である。
300mLビーカーに、繊維製品処理剤組成物のできあがり量が200gとなるのに必要な量の85質量%に相当する量のイオン交換水と、場合により(I)成分、(L)成分、(M)成分、(N)成分、及びpH調整剤とを入れ、ウォーターバスを用いてイオン交換水の温度を60±2℃に調温した。水層中に添加した成分がイオン交換水中に均一に溶解するように、必要に応じて撹拌羽根を用いて撹拌することにより混合液を得た。なお、撹拌羽根としては、直径が5mmの撹拌棒の回転中心軸を基準として、長辺が90度方向になるように配置された撹拌羽根であって、羽根の数3枚、羽根の長辺/短辺=3cm/1.5cm、回転面に対して45度の角度で羽根が設置されたものを用いた。
60±2℃の温度に調温した混合液を、前記撹拌羽根で撹拌(300r/m)した。これに、65℃で加熱溶解させた(B)成分及び、場合により(C)成分、(E)成分、及び(G)成分を3分間掛けて投入し、投入終了後、15分間撹拌した。
次に、5℃のウォーターバスを用いて、混合液の温度が30±2℃になるまで冷却した。これに、(A)成分又は(A’)成分、場合により(H)成分、及び(D)成分を順次投入し、5分間撹拌した。更に、できあがり質量(200g)となるようにイオン交換水を加え、5分間撹拌して繊維製品処理剤組成物を得た。
得られた繊維製品処理剤組成物について可視光透過率を測定した。具体的には、測定セルとして光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れ、紫外可視分光光度計(島津製作所製のUV-2500PC)を用いて測定した。実施例及び比較例で得られた繊維製品処理剤組成物の可視光線透過率(波長660nm)は、全て10%未満であり、乳濁型の繊維製品処理剤組成物であった。
<粘度変化評価方法>
表4~6に示す繊維製品処理剤組成物30gを、容器(ガラス製広口規格ビンNo.6)に充填し、組成物の温度を30℃に調整した。B型粘度計(型番;TVB-10東機産業株式会社製、No.2のローターを使用、60r/min)を用いて、前記温度で繊維製品処理剤組成物の粘度測定を開始し、1分後の値を読み取った(粘度の単位は「mPa・s」)。これを初期粘度とした。また、表4~6に示す繊維製品処理剤組成物30gを、保存容器(ガラス製広口規格ビンNo.6)に充填した。繊維製品処理剤組成物を充填した保存容器を、50±2℃で10週間静置保存した。次いで、25±2℃で24時間静置した繊維製品処理剤組成物について、同様に粘度を測定した。これを保存後粘度とした。結果を表4~6に示す。この評価では、初期粘度は50mPa・s以下が好ましい。また、保存後粘度は150mPa・s以下が好ましい。
<香り評価>
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王株式会社、アタック)を用いて、肌着(グンゼ株式会社、紳士用丸首半袖シャツ、Lサイズ)17枚を株式会社日立製作所製全自動洗濯機NW-6CYで5回洗浄を繰り返し、室内乾燥することによって過分の薬剤を除去した。1回ごとの洗浄条件は、洗剤濃度0.0667質量%、水道水47L、水温20℃、洗浄10分、ためすすぎ2回、脱水6分とした。
香り評価には、繊維製品処理剤組成物を保存容器(ガラス製広口規格ビンNo.6)に充填した後に、50±2℃で10週間静置保存し、次いで、25±2℃で24時間静置した繊維製品処理剤組成物を使用し評価を行った。
パナソニック株式会社製電気バケツN-BK2-Aに、4Lの水道水に上記保存条件を経た繊維製品処理剤組成物を0.867g(10g/肌着1.5kg)投入し、さらに上述の方法で洗濯した肌着1枚を入れて、5分間撹拌した。その後、液体柔軟剤組成物で仕上げた肌着を株式会社日立製作所製二槽式洗濯機の脱水槽で3分脱水を行ってから、20℃、40%RHの部屋にハンガーで吊るして24時間乾燥した。
香りの実効感
香りを評価する専門のパネラー5人がそれぞれ20℃、40%RHの部屋にて用意した肌着1枚を着用し、アイロン用スプレー容器を用いて水を軽くスプレーして、5分静置した後に香りの強度と香りの表現幅を評価した。評価は、下記基準で行い、5人の評価の平均値を評価結果とした。
<香りの強さの評価基準>
3:香りを感じる
2:弱く香りを感じる
1:微弱に香りを感じる
<香りの表現力>
3:バリエーションに富む豊かな香り
2:すこしバリエーションに富む香り
1:平坦な香り


Claims (6)

  1. 下記(A)成分を0.1質量%以上5質量%以下、下記(B)成分を1.0質量%以上15質量%以下、及び水を含有し、30℃におけるpHが2.5以上4.0以下である、繊維製品処理剤組成物。
    (A)成分:下記香料化合物(A1)から選ばれる香料化合物を、7種類以上含む香料組成物であって、香料化合物(A1)の含有量が香料組成物中、5質量%以上65%質量以下である香料組成物。
    (A1)γ-ウンデカラクトン、ダマセノン、δ-ダマスコン、β-イオノン、ミルラアルデヒド、エチルトリシクロ〔5.2.1.0-2,6〕デカン-2-カルボキシレート、シトロネロール、ゲラニオール、α-イオノン、パチョリアルコール、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチルジヒドロジャスモネート、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸トリシクロデセニル、γ-メチルイオノン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト〔2,1-b〕フラン、γ-ノナラクトン、リラール、イソ-ダマスコン、γ-デカラクトン、トリシクロデシニルアセテート、トリシクロデシニルプロピオネート、2-ペンチルオキシグリコール酸アリル
    (B)成分:下記一般式(B1)で表される4級アンモニウム塩化合物であって、アシル基を脂肪酸と見做した場合に、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸の割合が、アシル基を構成している全脂肪酸の60質量%以上100質量%以下である4級アンモニウム塩化合物。

    〔式中、R1b、R2b、R3bは、それぞれ独立して、炭素数16以上22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基)、又は水素原子である。但し、R1b、R2b、R3bの少なくとも1つはアシル基である。R4bは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、Xは陰イオンである。〕
  2. (B)成分を1.0質量%以上10質量%以下含有する、請求項1に記載の繊維製品処理剤組成物。
  3. 更に、(C)成分として、(B)成分以外の4級アンモニウム塩化合物を含有する、請求項1又は2に記載の繊維製品処理剤組成物。
  4. (C)成分が、下記一般式(C1)で表される4級アンモニウム塩化合物であって、アシル基を脂肪酸と見做した場合に不飽和脂肪酸の割合が、アシル基を構成している全脂肪酸の50質量%以下である4級アンモニウム塩化合物である、請求項3に記載の繊維製品処理剤組成物。

    〔式中、R1c、R2c、R3cは、それぞれ独立して、炭素数16以上22以下の脂肪酸からOHを除いた残基(アシル基)、又は水素原子であり、但し、R1c、R2c、R3cの少なくとも1つはアシル基であり、R4cは炭素数1以上3以下のアルキル基であり、Xは陰イオンである。〕
  5. 更に(D)成分として、香料化合物を内包したマイクロカプセル、又は香料前駆体を含有する、請求項1~4の何れか1項に記載の繊維製品処理剤組成物。
  6. 香料化合物(A1)として、下記の香料化合物を2種以上含む、請求項1~5の何れか1項に記載の繊維製品処理剤組成物。
    γ-ウンデカラクトン、ダマセノン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、イソ-ダマスコン、トリシクロデシニルアセテート、トリシクロデシニルプロピオネート、エチルトリシクロ〔5.2.1.0-2,6〕デカン-2-カルボキシレート、γ-デカラクトン、2-ペンチルオキシグリコール酸アリル
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