JP7350634B2 - 繊維製品処理剤組成物 - Google Patents
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Description
このようなマイクロカプセルとして特許文献1には、芯物質として引火点が50~130℃の範囲内の香料組成物を含有するカプセル化香料が記載されている。また、特許文献2には、高揮発性香料等の揮発成分と、それよりも高融点で相溶性がある添加剤を含有するマイクロカプセルが記載されている。
<(A)成分>
一般式(A1)で表される第3級アミン、その酸塩、及び前記アミンの4級化物から選ばれる少なくとも1種の化合物
<(B)成分>
下記(1)及び(2)の条件を満たす香料化合物(B1)並びに下記(3)及び(4)の条件を満たす香料化合物(B2)を含有する香料組成物であって、(B1)を25質量%以上85質量%以下及び(B2)を15質量%以上30質量%以下含有し、(B1)としてγ-ウンデカラクトン及び2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリルを含有し、γ-ウンデカラクトンを香料組成物中6質量%以上含有するか、又は2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリルを香料組成物中5質量%以上含有する、香料組成物。
(1)logKowの値が2.00以上5.00以下
(2)蒸気圧の値が0.01Pa以上3.63Pa以下
(3)logKowの値が3.00以上
(4)蒸気圧の値が3.63Pa超
本発明の繊維製品処理剤組成物は、衣類等の繊維製品に、塗布、噴霧などの方法で接触させることにより、繊維製品、とりわけ綿などの親水性繊維製品の内部に(B)成分の香料化合物を保留し、発汗時など繊維製品が水で膨潤した際に乾燥時と比較して著しい香り強度の変化を実感させることができるものと推察される。
本発明の繊維製品処理剤組成物の応用として、本発明の繊維製品処理剤組成物により、繊維が水で膨潤した際の発香応答を向上させる方法が提供される。
本発明における(A)成分は、一般式(A1)で表される第3級アミン、その酸塩、及び前記アミンの4級化物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
(i)エステル基、アミド基、及びエーテル基から選ばれる1種以上で分断されている総炭素数12以上、好ましくは14以上、そして、28以下、好ましくは26以下の飽和炭化水素基
(ii)エステル基、アミド基、及びエーテル基から選ばれる1種以上で分断されている総炭素数12以上、好ましくは14以上、そして、28以下、好ましくは26以下の二重結合を1個以上有する不飽和炭化水素基
(iii)上記基(i)及び基(ii)が混在するもの
脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルは必要に応じて、通常油脂便覧等で知られているような脂肪酸を用いてもよく、不飽和結合への水素添加反応、不飽和結合の異性化反応、又は蒸留操作、ボトムカット、トップカットによるアルキル鎖長の調整、あるいは複数の脂肪酸の混合により得たものを用いることが出来る。
(a1)成分:下記一般式(A2)で表される第3級アミン化合物、及びその酸塩。
(a2)成分:下記一般式(A2)で表される第3級アミン化合物の4級化物。
〔R1-C(=O)-O-(CpH2pO)r-CqH2q〕mN(R2)3-m (A2)
〔式中、
R1は炭素数11以上23以下の炭化水素基であり、
R2は炭素数1以上3以下の炭化水素基及び総炭素数4以上6以下のHO-(CpH2pO)r-CqH2q基から選ばれる基であり、
mは1以上3以下の数であり、p及びqはそれぞれ独立して2又は3の数であり、rは0又は1の数である。
同一分子内にR1、R2、p、q、rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。また、R1-C(=O)-O-(CpH2pO)r-CqH2qの総炭素数は12以上28以下である。〕
R1の具体的な例としては、炭素数13以上21以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数13以上21以下の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基が好ましく、炭素数13以上21以下の直鎖のアルキル基、及び炭素数13以上21以下の直鎖のアルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(A2)中のrは、繊維製品の柔軟化の点から、0又は1の数であり、0が好ましい。
R2は、吸水性の観点から、HO-(CpH2pO)r-CqH2q基、更にHO-C2H4基が好ましい。
mは、吸水性の観点から1以上2以下が好ましい。
アルキル基からなる化合物とアルケニル基からなる化合物との割合は原料となる脂肪酸又は脂肪酸エステルの組成によって決めることができる。アルキル基の量とアルケニル基の量の調整は、アルケニル基を有する原料の水素添加、又はR1がアルケニル基である化合物の水素添加により行うことができる。
(a1)成分を構成する第3級アミン化合物が酸塩として存在する場合の酸としては、無機酸又は有機酸が挙げられる。
無機酸としては、塩酸、及び硫酸が挙げられる。
有機酸としては、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸、炭素数1以上10以下の1価又は多価のカルボン酸、及び炭素数1以上20以下の1価又は多価のスルホン酸が挙げられる。有機酸の具体例としては、メチル硫酸、エチル硫酸、p-トルエンスルホン酸、(o-、m-、p-)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、グリコール酸、クエン酸、安息香酸、及びサリチル酸が挙げられる。
前記脂肪酸としては、パーム核油由来、ヤシ油由来、牛脂、菜種油、ひまわり油由来の脂肪酸を用いることができ、脂肪酸比率を調製したものであってもよく、由来の違う脂肪酸を併用して用いてもよい。
〔式中、R3は炭素数1以上3以下の炭化水素基から選ばれる基であり、nは1以上3以下の数、p、q、rは、前記一般式(A2)と同じ意味を表す。〕
エステル交換反応の例としては、例えば、特開平7-138211号公報の段落〔0013〕~段落〔0016〕に記載の方法を適用することができる。
本発明における(B)成分は、下記(1)及び(2)の条件を満たす香料化合物(B1)並びに下記(3)及び(4)の条件を満たす香料化合物(B2)を含有する香料組成物であって、(B1)を25質量%以上85質量%以下及び(B2)を15質量%以上30質量%以下含有し、(B1)としてγ-ウンデカラクトン及び2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリルを含有し、γ-ウンデカラクトンを香料組成物中6質量%以上含有するか、又は2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリルを香料組成物中5質量%以上含有する、香料組成物である。
(1)logKowの値が2.00以上5.00以下
(2)蒸気圧の値が0.01Pa以上3.63Pa以下
(3)logKowの値が3.00以上
(4)蒸気圧の値が3.63Pa超
ダマセノン、δ-ダマスコン、α-メチル-β-(p-t-ブチルフェニル)‐プロピオンアルデハイド、β-イオノン、ミルラアルデヒド、エチル トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン-2-カルボキシレート、シトロネロール、ゲラニオール、α-イオノン、パチョリアルコール、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチルジヒドロジャスモネート
前記(3)及び(4)の条件を満たす香料化合物(B2)は、(4)の条件では、蒸気圧の値は3.63Pa超、そして、好ましくは1000Pa以下、より好ましくは500Pa以下、更に好ましくは250Pa以下である。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、水を含有する。水は、本発明の繊維製品処理剤組成物の残部であるが、水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
本発明の繊維製品処理剤組成物、特に液体柔軟剤組成物は、更に以下に示す成分を含有することが好ましい。
<(C)成分:非イオン性界面活性剤>
本発明の繊維製品処理剤組成物は、(C)成分として、非イオン性界面活性剤を含有してもよい。ただし、後述する(F)成分は(C)成分から除くものとする。
Rc1-A-〔(Rc2O)x-Rc3〕y (C1)
〔式中、Rc1は、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基であり、Rc2は、炭素数2又は3のアルキレン基、好ましくはエチレン基であり、Rc3は、炭素数1以上3以下のアルキル基又は水素原子であり、xは2以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、そして、100以下、好ましくは80以下、より好ましくは60以下の数であり、Aは-O-、-COO-、-CON<又は-N<であり、Aが-O-又は-COO-の場合yは1であり、Aが-CON<又は-N<の場合yは2である。〕
Rc1-O-(C2H4O)k-H (C1-1)
〔式中、Rc1は前記Rc1と同義である。kは8以上、好ましくは10以上、そして、100以下、好ましくは60以下の数である。〕
Rc1-O-[(C2H4O)s(C3H6O)t]-H (C1-2)
〔式中、Rc1は前記Rc1と同義である。s及びtはそれぞれ独立に2以上、好ましくは5以上であり、そして、40以下の数であり、(C2H4O)と(C3H6O)はランダム又はブロック付加体であってもよい。(C2H4O)と(C3H6O)は結合順序を問わない。〕
(C)成分は、繊維製品処理剤組成物の粘度を低下させることができることから、繊維製品処理剤組成物の各成分の混合から充填までの製造を容易にすることができる。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、保存安定性を向上させる観点から(D)成分として、無機塩を含有することができる。
無機塩としては、保存安定性を向上させる観点から、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、繊維製品処理剤組成物のpHを調整する観点から、(A)成分を第3級アミンの酸塩とするための酸剤の他に、(E)成分として酸剤を含有することができる。
酸剤としては、無機酸及び有機酸が挙げられ、無機酸の具体例としては、塩酸、及び硫酸が挙げられる。有機酸の具体例としては、炭素数1以上10以下の1価又は多価のカルボン酸、又は炭素数1以上20以下の1価又は多価のスルホン酸、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸が挙げられる。より具体的には、メチル硫酸、エチル硫酸、p-トルエンスルホン酸、(o-、m-、p-)キシレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、グリコール酸、エチレンジアミン4酢酸、クエン酸、安息香酸、及びサリチル酸が挙げられる。
これらの中でも、塩酸、及び炭素数1以上10以下の1価又は多価のカルボン酸から選ばれる酸剤が好ましく、塩酸、及びクエン酸から選ばれる酸剤がより好ましい、繊維製品処理剤組成物の長期保存後の香り立ちの観点から更に好ましくは塩酸が好ましい。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、(F)成分として、水不溶性のシリコーン化合物を含有してもよい。本明細書における(F)成分の「水不溶性」とは、20℃のイオン交換水1Lに溶解するシリコーン化合物の量が1g以下であることをいう。
なお、(F)成分における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値である。
また、本発明の繊維製品処理剤組成物が(F)成分を含有する場合、(F)成分に対する(A)成分の質量比[(A)成分/(F)成分]は、組成物の泡立ち抑制の観点からは、好ましくは10以上、より好ましくは50以上、更に好ましくは100以上であり、そして、好ましくは1500以下、より好ましくは1000以下である。
また、本発明の繊維製品処理剤組成物が(F)成分を含有する場合、その含有量は、組成物の泡立ち抑制の観点からは、組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上であり、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、保存安定性や粘度の観点から、(G)成分として、水溶性有機溶剤を含有することができる。(G)成分としては、柔軟剤などの処理剤に配合することが知られている水溶性の有機溶剤が挙げられる。本発明の水溶性有機溶剤とは、100gの20℃の脱イオン水に対して20g以上溶解するものをいう。具体的には、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、イソプロパノール、エタノール等を挙げることができる。好ましくはエチレングリコール、エタノールである。
本発明の繊維製品処理剤組成物、例えば液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、更に、(A)成分以外の界面活性剤、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、脂肪酸、BHT等の酸化防止剤、消泡剤、プロキセル等の商品名で知られている防腐剤、染料、顔料、紫外線吸収剤等の他の成分を任意成分として添加することができる。
本発明の繊維製品処理剤組成物、例えば液体柔軟剤組成物は、30℃におけるpHが、吐出性を高める観点から、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上、更に好ましくは、2.7以上、より更に好ましくは2.9以上、そして、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.8以下、更に好ましくは4.5以下、より更に好ましくは4.2以下、より更に好ましくは4.0以下である。pHは、「JIS K 3362;2008の項目8.3に従って30℃において測定する。pHは、アルカリ剤や前述の酸剤等のpH調整剤により調整することができる。
本発明の繊維製品処理剤組成物は、繊維製品用柔軟剤組成物として好適である。
本発明の繊維製品処理剤組成物で処理する繊維製品を構成する繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維(ベンゾエートなど)、ポリフルオロエチレン系繊維(ポリテトラフルオロエチレンなど)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(綿、もめん、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
繊維は木綿繊維を含む繊維であることが好ましい。
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。本発明の繊維製品用処理剤組成物で処理した後の繊維の風合いの向上効果が、より実感しやすい観点から、繊維製品は木綿繊維を含む繊維製品であることが好ましい。繊維製品中の木綿繊維の含有量は、より繊維の柔らかさが向上する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。
本発明の繊維製品処理剤組成物を用いて、繊維製品を処理する方法としては、本発明の繊維製品処理剤組成物及び水を含有する処理液を繊維製品に接触させる方法が挙げられる。前記処理液に繊維製品を浸漬させる方法が好ましい。例えば、本発明の繊維製品処理剤組成物を用いて、繊維製品の洗濯工程における濯ぎの段階で該処理剤組成物を濯ぎ水に添加する方法が挙げられる。
<(A)成分>
(a-1):下記合成例a-1で得られた反応混合物
(a-2):下記合成例a-2で得られた反応混合物
トリエタノールアミンとR1COOHで表される脂肪酸を、反応モル比(脂肪酸/トリエタノールアミン)=1.65/1でエステル化反応させ、一般式(A1)で表されるアミン化合物を含むエステル化反応物を得た。エステル化反応物中には、未反応の脂肪酸(組成は後述の通り)が5質量%含まれていた。エステル化反応物中のアミン化合物のアミンに対して、メチル基が0.96当量となるように、ジメチル硫酸で4級化反応を行った後、エタノールを10質量%添加した。
パルミチン酸:45質量%
ステアリン酸:25質量%
不飽和基を1つ有する炭素数18の脂肪酸:27質量%
不飽和基を2つ有する炭素数18の脂肪酸:3質量%
上記組成は、原料に使用した脂肪酸をガスクロマトグラフィーで組成分析し、各脂肪酸の面積%を質量%とみなしたものである。前記不飽和基のシス/トランス体の質量比は85/15(1H-NMRによる積分比)である。
N-メチルジエタノールアミンとR1COOHで表される脂肪酸を、反応モル比(脂肪酸/トリエタノールアミン)が1.9/1で、エステル化反応させ、一般式(A1)で表されるアミン化合物を含むエステル化反応物を得た。
エステル化反応物中には、未反応の脂肪酸(組成は後述の通り)が5質量%含まれていた。エステル化反応物中のアミン化合物のアミンに対して、10質量%のエタノールを添加し均一に混合した後、前記アミンに対してメチル基が0.98等量となるように、塩化メチルで4級化反応を行った。
4級化率は89%であった。
パルミチン酸:10質量%
ステアリン酸:60質量%
炭素数18で、不飽和基を1つ有する脂肪酸:30質量%
前記組成は、原料に使用した脂肪酸をガスクロマトグラフィーで組成分析し、各脂肪酸の面積%を質量%とみなした。前記不飽和基のシス/トランス体比は1/1(1H-NMRによる、積分比)である。
実施例の香料組成物〔(B)成分〕として下記(b-1)から(b-3)の3種、比較例の香料組成物〔(B’)成分〕として下記(b-4)及び(b-5)の2種の調合香料を調製した。
(c-1):ラウリルアルコールにエチレンオキサイドを平均30モル付加させた化合物 すなわち、一般式(C1-1)においてRc1が直鎖の炭素数12のアルキル基であって酸素原子と結合するRc1の炭素原子が第1級炭素原子であり、kが30である非イオン性界面活性剤
(d-1)成分:塩化カルシウム
(f-1):下記合成例f-1で製造した、ジメチルポリシロキサンの水性エマルジョン。
[合成例f-1の製造]
平均付加モル数5モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル5gを、ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度500,000mm2/s)300gに高せん断力をかけながら添加し、更に10分間、高せん断力で攪拌し続けた。その後、イオン交換水を30g添加し、次に平均付加モル数2モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム2g、平均付加モル数40モルのポリオキシエチレンミリスチルエーテル15gを加え、更に高せん断力下、攪拌を30分間続け、その後、水を248g加えて攪拌し、ジメチルポリシロキサンの水性エマルジョン〔(f-1)〕を得た。(f-1)中の乳化粒子の体積平均粒径は500nmであった。また、(f-1)中のジメチルポリシロキサンの含有量は50質量%であった。体積平均粒径は水性エマルジョンをエタノール中に分散させ、電気泳動光散乱光度計(大塚電子(株)製、型式ELS-8000)を用いて、20℃で測定した。
(g-1):プロピレングリコール
(h-1)成分:メチルグリシン二酢酸3ナトリウム
(i-1):下記合成例i-1で得られたN-(3-アルカノイルアミノプロピル)-N,N-ジメチルアミン
〔合成例i-1:(i-1)の製造〕
牛脂硬化脂肪酸組成を有する混合脂肪酸とN-アミノプロピル-N,N-ジメチルアミンとを脂肪酸/アミン=0.95/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応して、N-(3-アルカノイルアミノプロピル)-N,N-ジメチルアミンを得た。
・(J1)成分
(j1-1):Si(O-Geranyl)4
なお、(j1-1)における「Geranyl」は、ゲラニオール(1級アリルアルコール性香料、logP2.4)から水酸基を1個除いた基を表す。
(j1-2):Si(O-Rasp)(O-Folrosia)3
なお、(j1-2)における「Rasp」は、ラズベリーケトン(フェノール性香料、logP1.1)からフェノール性水酸基を1個除いた基を表し、「Folrosia」は、フォルロージア(4-イソプロピルシクロヘキサノール、2級アルコール性香料、logP2.7)から水酸基を1個除いた基を、それぞれ表す。
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン27.08g(0.13mol)、ゲラニオール72.30g(0.47mol)及び2.8質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.485mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら110~120℃で2時間撹拌した。
2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら117~120℃で更に4時間撹拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ゲラニオールのケイ酸エステル香料前駆体を含む76.92gの黄色油状物を得た。
500mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン83.32g(0.40mol)、ラズベリーケトン59.11g(0.44mol)、フォルロージア153.062g(1.08mol)及び5.275質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.50gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら150℃で約2時間撹拌を行った。
2時間後、槽内の圧力を徐々に4kPaまで下げ、エタノールを留出させながら150℃で更に15時間撹拌した。その後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ラズベリーケトンとフォルロージアのモル比1:3のケイ酸エステル化合物を含む202.63gの黄色油状物を得た。
(j2-1):ラウリン酸とエチルバニリンとのエステル
(j2-2):ラウリン酸とエチルマルトールとのエステル
窒素雰囲気下、300mLの四つ口フラスコに、ラウリン酸クロリド8.95g(0.041mol)、ジクロロメタン40mLを入れ、0℃に冷却した。一方、100mLの滴下ロートに、エチルバニリン6.80g(0.041mol)、トリエチルアミン4.35g(0.043mol)、ジクロロメタン40mLを入れた。滴下ロートより反応温度が-5℃~0℃に保たれるようフラスコに40分かけて滴下を行った。滴下終了後、室温(25℃)で2時間撹拌を行った。フラスコに飽和塩化アンモニウム水溶液10mLを添加し、反応を停止した。ジエチルエーテル150mLを添加し、生成した白色固体をろ過で除去し、ろ液を分液ロートに移した。分液ロートにイオン交換水100mLを添加し、ジエチルエーテル50mLで水層から3回抽出を行った。抽出溶液を集め、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで溶液を乾燥した。溶媒を減圧除去後、淡黄色固体のラウリン酸とエチルバニリンとのエステル14.20g(収率99%)を得た。最終物はNMR及びIRを用いて目的の化合物が製造できているか確認された。
窒素雰囲気下、300mLの四つ口フラスコに、ラウリン酸クロリド10.00g(0.046mol)、ジクロロメタン45mLを入れ、0℃に冷却した。一方、100mLの滴下ロートに、エチルマルトール6.41g(0.046mol)、トリエチルアミン4.86g(0.048mol)、ジクロロメタン45mLを入れた。滴下ロートより反応温度が-5℃~0℃に保たれるようフラスコに30分かけて滴下を行った。滴下終了後、室温(25℃)で1時間撹拌を行った。フラスコに飽和塩化アンモニウム水溶液10mLを添加し、反応を停止した。ジエチルエーテル150mLを添加し、生成した白色固体をろ過で除去し、ろ液を分液ロートに移した。分液ロートにイオン交換水100mLを添加し、ジエチルエーテル50mLで水層から3回抽出を行った。抽出溶液を集め、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで溶液を乾燥した。溶媒を減圧除去後、淡黄色固体のラウリン酸とエチルマルトールとのエステル14.74g(収率100%)を得た。同様に最終物はNMR及びIRを用いて目的の化合物が製造できているか確認された。
(j3-1):下記製造例j-3-1で得られた、香料含有マイクロカプセルスラリー
(j3-2):下記製造例j-3-2で得られた、香料含有マイクロカプセルスラリー
ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体(デモールEP、固形分25%、花王株式会社)1.7gを塩酸で中和後、更にイオン交換水で希釈することにより、固形分3%、pH4.3の水溶液を得た。次に、前記ジイソブチレン-無水マレイン酸共重合体水溶液100gに、アルコール系香料化合物としてゲラニオール、ターピネオール及びテトラヒドロリナロールを香料1000質量部あたり、90質量部含有している表4の組成の(J3)用香料)を36g加え、ホモミキサーを用いて乳化し、これを50℃に昇温した。次に、部分メチロール化メラミン樹脂(商品名Cymel385、固形分80%、CytecIndustries Inc製)を12g、イオン交換水35gを混合した水溶液を滴下した。これを50℃で2時間保持し、更に70℃で1時間保持し、更に80℃で3時間保持し、封入を完了させた。その後、放冷することによって、平均粒径7μm、有効分30質量%のマイクロカプセルスラリーを得た。
イオン交換水240gを1L4つ口フラスコに加えた。4つ口フラスコには2本の滴下ロートを接続し、1本の滴下ロートにはアクリル酸98.8g(和光純薬工業株式会社製)、アクリルアミド20.0gを混合した液(モノマー液)を入れておき、もう1本の滴下ロートにはV-50(和光純薬工業株式会社製、2,2-アゾビス(2-メチルプロピオアミジン)ジヒドロクロライド)3.75gをイオン交換水75gで希釈した液(開始剤液)を入れた。この装置を210kPaまで減圧し、窒素で常圧に戻す作業を3回繰り返すことにより、脱気した。フラスコ内を70℃に加熱後、モノマー液を3.7g/分、開始剤液を1.3g/分となるように滴下し、滴下後更に2時間熟成後、反応液を冷却した。反応液300gをアセトン800gに滴下することにより、ポリマーの再沈殿を行なった。得られたポリマーを60kPaの減圧下80℃で48時間乾燥し、アクリル酸-アクリルアミド共重合体52gを得た。重量平均分子量は17万であった。
(k-1)成分:プロキセルBDN(アーチ・ケミカル・ジャパン社製)
液体繊維製品処理剤組成物のpHを調整するため、必要に応じて適宜、水酸化ナトリウム、クエン酸、又は塩酸を使用した。
表5、表6、表7、表8に示す配合組成となるように各成分を混合することにより、液体繊維製品処理剤組成物を調製した。具体的には、以下の通りである。なお、表中の組成の質量%は、有効分の質量%である。表5~8の液体繊維製品処理剤組成物は、それぞれ、液体柔軟剤組成物として好適である。
次に、5℃のウォーターバスを用いて、混合液の温度が30±2℃になるまで冷却した。これに、場合により(J2)成分、(J3)成分と、(B)成分、(D)成分を順次投入し、5分間撹拌した。更に、できあがり質量(200g)となるようにイオン交換水を加え、5分間撹拌して液体繊維製品処理剤組成物を得た。
得られた液体繊維製品処理剤組成物について可視光透過率を測定した。具体的には、測定セルとして光路長10mmのガラスセルを使用し、対照セルにイオン交換水を入れ、紫外可視分光光度計(島津製作所製のUV-2500PC)を用いて測定した。実施例及び比較例で得られた液体繊維製品処理剤組成物の可視光線透過率(波長660nm)は、全て10%未満であり、乳濁型液体繊維製品処理剤組成物であった。
あらかじめ、市販の弱アルカリ性洗剤(花王株式会社、アタック)を用いて、肌着(グンゼ株式会社、紳士用丸首半袖シャツ、Lサイズ)17枚を株式会社日立製作所製全自動洗濯機NW-6CYで5回洗浄を繰り返し、室内乾燥することによって過分の薬剤を除去した。1回ごとの洗浄条件は、洗剤濃度0.0667質量%、水道水47L、水温20℃、洗浄10分、ためすすぎ2回、脱水6分とした。
評価は下記基準で行い、6人の評価の平均値を評価結果とした。
<評価基準>
3:香り強度の差異が大きい
2:香り強度の差異が小さい
1:香り強度の差異を感じない
Claims (6)
- 下記(A)成分を1質量%以上14質量%以下、下記(B)成分を0.1質量%以上5質量%以下、及び水を含有する繊維製品処理剤組成物。
<(A)成分>
一般式(A1)で表される第3級アミン、その酸塩、及び前記アミンの4級化物から選ばれる少なくとも1種の化合物
〔式中、Ra1基は、エステル基、アミド基、及びエーテル基から選ばれる1種以上で分断されていてもよい、総炭素数12以上28以下の炭化水素基であり、Ra2基及びRa3基はそれぞれ独立に、Ra1基、炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基、及び炭素数4以上6以下のヒドロキシアルキルエーテルアルキレン基から選ばれる基である。〕
<(B)成分>
下記(1)及び(2)の条件を満たす香料化合物(B1)並びに下記(3)及び(4)の条件を満たす香料化合物(B2)を含有する香料組成物であって、(B1)を25質量%以上85質量%以下及び(B2)を15質量%以上30質量%以下含有し、(B1)としてγ-ウンデカラクトン及び2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリルを含有し、γ-ウンデカラクトンを香料組成物中6質量%以上含有するか、又は2-シクロヘキシリ
デン-2-フェニルアセトニトリルを香料組成物中5質量%以上含有する、香料組成物。
(1)logKowの値が2.00以上5.00以下
(2)25℃における蒸気圧の値が0.01Pa以上3.63Pa以下
(3)logKowの値が3.00以上
(4)25℃における蒸気圧の値が3.63Pa超 - (B)成分の前記条件(1)及び(2)を満たすγ-ウンデカラクトン、2-シクロヘキシリデン-2-フェニルアセトニトリル以外の香料化合物(B1)が、下記の群(b1)か
ら選ばれる香料化合物である、請求項1に記載の繊維製品処理剤組成物
<群(b1)>
ダマセノン、δ-ダマスコン、α-メチル-β-(p-t-ブチルフェニル)‐プロピオンアルデハイド、β-イオノン、ミルラアルデヒド、エチル トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デ
カン-2-カルボキシレート、シトロネロール、ゲラニオール、α-イオノン、パチョリア
ルコール、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、メチルジヒドロジャスモネート - (B)成分中、前記条件(1)及び(2)を満たす香料化合物(B1)を5種類以上含有する請求項1又は2に記載の繊維製品処理剤組成物
- (B)成分中、前記群(b1)から選ばれる香料化合物(B1)を3種類以上含有する請求項3に記載の繊維製品処理剤組成物
- 請求項1~4の何れか1項に記載の繊維製品処理剤組成物及び水を含有する処理液で繊維製品を処理した後、乾燥させることで、乾燥後の含水時における香りの実効感の高い繊維製品を作製する方法。
- 前記処理液での繊維製品の処理を、浸漬又は噴霧により行う、請求項5に記載の方法。
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