JP2014125518A - 洗濯用消臭剤及び繊維製品用の洗浄剤組成物 - Google Patents

洗濯用消臭剤及び繊維製品用の洗浄剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】被洗物に対する消臭効果をより高められる洗濯用消臭剤を提供する。
【解決手段】(A)成分:高度分岐環状デキストリンと、(B)成分:セルロース誘導体とを含有することよりなる。洗濯用消臭剤と、界面活性剤とを含有することよりなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、洗濯用消臭剤及び繊維製品用の洗浄剤組成物に関する。
近年、清潔志向の高まりから、繊維製品用の洗浄剤組成物には、繊維製品に付着した汚れを除去すること(洗浄効果)に加え、繊維製品から発生する不快な臭気を除去したり(除臭効果)、繊維製品からの不快な臭気が発生するのを防止したりすること(防臭効果)が求められている(以下、除臭効果及び防臭効果を合わせて消臭効果という)。
繊維製品から発せられる不快な臭気は、繊維製品に付着した微生物が、繊維製品の乾燥中や保管中に増殖することに起因することが多い。
昨今の生活スタイルの変化に伴い、夜に洗濯を行い、洗濯をした衣類等(被洗物)を室内で乾かすという部屋干しを行う家庭が増えている。部屋干しは、風通しが悪いために被洗物が乾きにくく、被洗物に付着した微生物が増殖しやすい。
近年、一般家庭には、節水型の洗濯機が普及してきている。節水型の洗濯機を用いた洗濯は、浴比(被洗物の量に対する洗浄液の量の割合)が小さい。このため、繊維製品用の洗浄剤組成物には、より高い洗浄力や消臭効果が求められている。
こうした問題に対し、例えば、特定のポリグリセリルモノエーテルとプロテアーゼとを含有する衣料用洗浄剤組成物が提案されている(特許文献1)。
また、例えば、水溶性抗菌性化合物と、シトラール、フェニルアセトアルデヒド等の特定の化合物と、α−イオノン、ベンジルベンゾエート等の特定の化合物と、非イオン性界面活性剤とを特定の比率で含有する液体洗浄剤組成物が提案されている(特許文献2)。
特開2009−161596号公報 特開2001−254099号公報
しかしながら、繊維製品用の洗浄剤組成物には、消臭効果のさらなる向上が求められている。
そこで、本発明は、被洗物に対する消臭効果をより高められる洗濯用消臭剤を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、高度分岐環状デキストリンとセルロース誘導体とを併用することで、被洗物に対する消臭効果を飛躍的に高められることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の洗濯用消臭剤は、(A)成分:高度分岐環状デキストリンと、(B)成分:セルロース誘導体とを含有することを特徴とする。
本発明の繊維製品用の洗浄剤組成物は、前記の本発明の洗濯用消臭剤と、界面活性剤とを含有することを特徴とする。
本発明の洗濯用消臭剤によれば、被洗物に対する消臭効果をより高められる。
(洗濯用消臭剤)
本発明の洗濯用消臭剤は、(A)成分:高度分岐環状デキストリンと、(B)成分:セルロース誘導体とを含有する。
洗濯用消臭剤は、単独でもしくは他の洗浄剤等と共に、又は後述する洗浄剤組成物として、衣類等の繊維製品である被洗物の洗濯に用いられる。
洗濯用消臭剤の剤形は、液体でもよいし、粒状、シート状、タブレット状等の固体でもよい。あるいは、液体又は固体の洗濯用消臭剤が水溶性フィルムで包装されたものでもよい。
液体の洗濯用消臭剤(以下、液体消臭剤ということがある)の場合、(A)成分と(B)成分とが共に分散媒中に混在した一液型でもよいし、(A)成分を含有する第一の液体と、(B)成分を含有する第二の液体とからなる二液型でもよい。
固体の洗濯用消臭剤(以下、固体消臭剤ということがある)の場合、(A)成分と(B)成分とが混合されていてもよいし、(A)成分と(B)成分とが各々別個の粒状物として用意されたものでもよい。
<(A)成分:高度分岐環状デキストリン>
(A)成分は高度分岐環状デキストリンである。(A)成分は、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有するグルカンである。内分岐環状構造部分は、α−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とで形成される環状のグルカン鎖であり、外分岐構造部分は、内分岐環状構造部分に結合した非環状のグルカン鎖で構成される。このような(A)成分は、クラスターデキストリンとも呼ばれる。
(A)成分は、分子内に内分岐環状構造部分を1つ有し、この内分岐環状構造部分に多数の非環状のグルカン鎖が結合した重量平均重合度2500程度のものを主に含む。
(A)成分の重合度は、50〜10000が好ましく、50〜5000がより好ましい。
(A)成分の分子量は、例えば、3万〜100万が好ましい。
(A)成分の内分岐環状構造部分の重合度は、例えば、10〜100が好ましい。
(A)成分の外分岐構造部分の重合度は、例えば、40以上が好ましい。
(A)成分の外分岐構造部分を構成する各グルカン鎖の重合度は、例えば、平均で10〜20が好ましい。
(A)成分は、例えば、デンプンを原料として、ブランチングエンザイムという酵素を作用させて製造される。
原料であるデンプンは、グルコースがα−1,4−グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α−1,6−グルコシド結合によって分岐した構造をもつアミロペクチンとからなる。アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。
ブランチングエンザイムは、動植物、微生物に広く分布するグルカン鎖転移酵素であり、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
(A)成分としては、特開平8−134104号公報に記載された、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有し、重合度が50〜10000の範囲にあるグルカンが挙げられる。(A)成分は、上記の通り特定の構造を有し、かつ重合度(分子量)が大きいものであり、α−シクロデキストリン(グルコース単位=6)、β−シクロデキストリン(グルコース単位=7)、γ−シクロデキストリン(グルコース単位=8)等、グルコースが6〜8個結合した一般的なシクロデキストリンとは異なる。
(A)成分としては、クラスターデキストリン(登録商標、グリコ栄養食品株式会社製)が挙げられる。
<(B)成分:セルロース誘導体>
(B)成分はセルロース誘導体であり、水溶性及び水不溶性のいずれでもよく、水を加えた際に粘稠性を有するものが好ましい。(B)成分は、被洗物への(A)成分の吸着を促進して、被洗物に対する消臭効果をより高めると考えられる。
(B)成分としては、陰イオン性のセルロース誘導体、非イオン性のセルロース誘導体、陽イオン性のセルロース誘導体が挙げられる。
陰イオン性のセルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、及びこれらの塩等が挙げられ、中でも、被洗物への消臭効果のさらなる向上を図る観点からCMC又はその塩(CMC(塩))が好ましい。これらの陰イオン性のセルロース誘導体は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
CMC(塩)としては、例えば、パルプを原料とし、これを苛性ソーダで処理した後、モノクロール酢酸を反応させて得られる陰イオン性の水溶性のセルロースエーテルが好適に挙げられる。
CMC(塩)としては、例えば、下記一般式(b1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014125518
((b1)式中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、又はカルボキシメチル基(CHCOOH)もしくはその塩を示し、nは単位モノマーの重合数を表す数である。)
(b1)式中のnは、単位モノマーの重合数を表す。nは、特に限定されず、CMC(塩)に求める重量平均分子量に応じて決定される。
CMC(塩)を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
CMC(塩)としては、CMC、CMCナトリウム塩が好ましい。
これらのCMC(塩)は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
CMC(塩)の重量平均分子量は、20万以上が好ましく、30万〜100万がより好ましく、30万〜70万がさらに好ましい。洗濯用消臭剤が液体消臭剤である場合、CMC(塩)の重量平均分子量が上記上限値超では、液体消臭剤の粘度が高くなるため製造性、使用性が低下するおそれがある。洗濯用消臭剤が固体消臭剤である場合、CMC(塩)の重量平均分子量が上記上限値以下であれば、水へのCMC(塩)の溶解性が高まる。CMC(塩)の重量平均分子量が上記下限値未満では、被洗物への(A)成分の吸着量が低下し、消臭効果が低下するおそれがある。
CMC(塩)の重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)−示差屈折率検出装置(RI)システムを用いて下記条件にて測定され、ポリエチレングリコール換算の値として算出された値である。
≪測定条件≫
溶離液:0.1M−NaNO
流速:1ml/min。
試料:0.02〜0.3質量%。
溶媒:0.1M−NaNO
試料注入量:200μL。
送液ポンプ:Shodex DS−4(昭和電工株式会社製)。
デガッサー:ERC3115(株式会社イーアールシー製)。
カラム:Shodex SB−806MHQ(昭和電工株式会社製)。
示差屈折率検出器:Shodex RI−71(昭和電工株式会社製)。
CMC(塩)のエーテル化度は0.2〜1が好ましく、0.2〜0.7がより好ましい。エーテル化度が上記下限値未満では、被洗物への(A)成分の吸着量が低下して、消臭効果が低下するおそれがある。エーテル化度が上記上限値超では、マイナス電荷が強くなり、CMC(塩)と被洗物との斥力が強くなりすぎる。このため、エーテル化度が上記上限値超では、被洗物への(A)成分の吸着量が低下して、消臭効果が低下するおそれがある。
なお、エーテル化度とは、グルコース環単位当たり、カルボキシメチル基又はその塩で置換された水酸基の平均個数(該グルコース環の持つ3つの水酸基の内、いくつがカルボキシメチル基又はその塩により置換されたかを示すもので、最大3となる)を意味する。
CMC(塩)の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、10〜1500μmが好ましく、10〜500μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましい。平均粒子径が上記範囲内であれば、水への溶解に優れ、洗濯用消臭剤を粒状物とした際に、固化を良好に抑制できる。
CMC(塩)としては、例えば、ダイセル化学工業株式会社製のCMCダイセル1110、1120、1130、1140、1150、1160、1180、1190、1220、1230、1240、1250、1260、1280、1290、1330、1350、1380、2200、2260、2280、2450、2340(以上、商品名)等、日本製紙ケミカル株式会社製のサンローズF10LC、F600LC、F1400LC、F10MC、F150MC、F350HC、F1400MC、F1400MG等のサンローズFシリーズ、サンローズA02SH、A20SH、A200SH等のサンローズAシリーズ、SLD−F1(以上、商品名)等が挙げられる。中でも、CMCダイセル1130、1180、1190、サンローズF1400LC、F1400MC、サンローズSLD−F1、サンローズSLD−FMが好ましい。
非イオン性のセルロース誘導体としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルブチルセルロース(HPBC)やこれらの塩等が挙げられ、中でも、被洗物への消臭効果のさらなる向上を図る観点からHPMC又はその塩(HPMC(塩))が好ましい。これらの非イオン性のセルロース誘導体は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
HPMC(塩)は、セルロース骨格を有する化合物で、その水酸基の水素原子の一部がメチル基又はヒドロキシプロピル基に置換された化合物である。HPMCとしては、例えば、下記一般式(b2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2014125518
((b2)式中、mは単位モノマーの重合数を表す数であり、R10、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、又は−(CHCH(CH)O)H(ヒドロキシプロピル基)である。lは、グルコース環単位当たりの平均として0.15〜0.25の数である。)
HPMC(塩)を構成する塩としては、CMC(塩)を構成する塩と同様である。HPMC(塩)としては、HPMCが好ましい。これらのHPMC(塩)は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(b2)式中のmは、単位モノマーの重合数を表す。mは、特に限定されず、HPMC(塩)に求める重量平均分子量に応じて決定される。
HPMC(塩)の重量平均分子量は、10万〜100万が好ましい。上記下限値以上であれば、HPMC(塩)が被洗物により吸着しやすくなり、被洗物への(A)成分の吸着量を高めて、消臭効果をより高められる。上記上限値以下であれば、HPMC(塩)の水への溶解性が高まる。
HPMC(塩)の重量平均分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)−多角度レーザー光散乱検出装置(MALLS)システムにより測定された値である。
HPMC(塩)中のメトキシル基は、19〜30質量%が好ましく、19〜24質量%がより好ましい。上記下限値以上であれば水への溶解性が高まり、上記上限値以下であれば、被洗物への(A)成分の吸着量をより高めて、消臭効果のさらなる向上を図れる。
HPMC(塩)中のヒドロキシプロポキシル基は、4〜12質量%が好ましく、6〜10質量%がより好ましい。上記下限値以上であれば水への溶解性が高まり、上記上限値以下であれば、被洗物への(A)成分の吸着量をより高めて、消臭効果のさらなる向上を図れる。
以上のように、HPMC(塩)は、構造の違いにより親水−疎水のバランスが変化するため、メトキシル基とヒドロキシプロポキシル基の量が上記範囲内であれば、消臭効果の更なる向上を図れる。
メトキシル基又はヒドロキシプロポキシル基の量(質量%)とは、それぞれのグルコース環単位当たりに付加したメトキシル基又はヒドロキシプロポキシル基の質量%の平均値を示す。
HPMC(塩)としては、例えば、信越化学工業株式会社製のメトローズ60SH4000、60SH10000、60SH30000、65SH400、65SH1500、65SH4000、65SH15000、90SH400、90SH4000、90SH15000、90SH30000、90SH100000(以上、商品名)、ハーキュレス社製のベネセルMP943、MP914、MP342C、MP333C、MP812、MP824、MP814、MP824、MP844、MP874(以上、商品名)、ハーキュレス社製のコンビゼルHG4M、HG10M、HF400、HF4M、HF15M、HK400、HK4M、HK15M、LK25M、LK40M、LK55M、LK70M(以上、商品名)等が挙げられ、中でも、メトローズの90SHシリーズ、ベネセルのMP8シリーズ、コンビゼルのHKシリーズ、LKシリーズが好ましい。
陽イオン性のセルロース誘導体としては、いわゆるカチオン化セルロースが挙げられる。(B)成分としてカチオン化セルロースを用いることで、被洗物に柔軟性を付与できる。
カチオン化セルロースは、例えば、セルロースに酸化エチレンを付加させて得られるヒドロキシエチルセルロースと、カチオン化剤のグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドとを反応させることによって製造される。
カチオン化セルロースの重量平均分子量は、10万〜200万が好ましく、40万〜160万がより好ましい。重量平均分子量が上記下限値以上であれば、カチオン化セルロースが被洗物に吸着しやすくなり、被洗物への(A)成分の吸着量を高めて、消臭効果をより高められる。重量平均分子量が上記上限値以下であれば、水へのカチオン化セルロースの溶解性が高まる。
カチオン化セルロースの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される。
カチオン化セルロースのカチオン化度は、0.4〜1.2質量%が好ましく、0.4〜0.8質量%がより好ましい。
カチオン化度は、その値が大きいほどカチオン化セルロースの陽イオン性が強まり、水溶性が高くなることを意味する。つまりカチオン化度は、被洗物とカチオン化セルロースとの吸着性に関係する物性である。
本発明では、カチオン化度が上記下限値以上であれば、適度な強さの陽イオン性が得られ、カチオン化セルロースが被洗物に吸着しやすくなり、被洗物への(A)成分の吸着量を高めて、消臭効果をより高められる。カチオン化度が上記上限値以下であれば、陽イオン性の強さが適度に抑えられて水溶性が高くなりすぎない。つまり、被洗物に吸着したカチオン化セルロースが、濯ぎ等によって流されることを防止でき、被洗物へのカチオン化セルロースの吸着量が良好に保たれ、(A)成分の消臭効果を持続させることできる。
「カチオン化度」は、カチオン化セルロース分子中に占める窒素の含有率(質量%)を意味し、グルコース環単位当たりの窒素原子の割合を示す。なお、該窒素原子はカチオン化剤に由来する。
カチオン化セルロースとしては、下記一般式(b3)で表される繰返し単位を有する化合物、即ち、(ハロゲン)−O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
Figure 2014125518
((b3)式中、sは単位モノマーの重合数を表す数であり、R20、R21及びR22はそれぞれ独立に水素原子又は下記一般式(b3−1)で示される置換基である。p、q、rは、それぞれオキシエチレン基の平均繰返し数を示す数である。)
Figure 2014125518
((b3−1)式中、Xはハロゲン原子を示す]
(b3−1)式中、Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
(b3)式で表される化合物において、グルコース環単位当たりのオキシエチレン基(EO)置換度は、0.3〜3.0が好ましく、0.7〜2.5がより好ましく、1.0〜1.6がさらに好ましい。(オキシエチレン基(EO)は(b3)式中の(CHCHO)である)。
「EO置換度」は、セルロース原料のグルコース環単位当たり、EOで置換された水酸基の平均個数(該グルコース環の持つ3つの水酸基の内、いくつにEOが付加されたかを示すもので、最大3となる。)を示す。EO置換度が0.3以上であれば、分子同士の相互作用が少なく、溶解性が高まる。
(b3)式で表される化合物において、グルコース環単位当たりのEO平均繰返し数(p+q+r)は、0.4〜5が好ましく、特に洗浄力の向上、再汚染防止効果を高める観点から、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
カチオン化セルロースは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
カチオン化セルロースの市販品としては、例えば、ライオンケミカル株式会社製のレオガードGPS(カチオン化度1.8質量%)、レオガードGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードGP0(カチオン化度1.8質量%)、レオガードLP(カチオン化度1.0質量%)、レオガードKGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードMGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードMLP(カチオン化度0.6質量%)、東邦化学工業株式会社製のカチナールHC−100(カチオン化度1.0〜2.0質量%)、カチナールHC−200(カチオン化度1.0〜2.0質量%)、カチナールLC−100(カチオン化度0.5〜1.5質量%)、カチナールLC−200(カチオン化度0.5〜1.5質量%)、ダウケミカル社製のUCARE Polymer LR400(カチオン化度0.8〜1.1質量%)、UCARE Polymer LR30M(カチオン化度0.8〜1.1質量%)(以上、商品名)等が挙げられる。
なお、上記市販品におけるグレードの相違は、セルロースの分子量、EOの平均繰返し数やカチオン化度等が異なることによる。
上記の(B)成分の中でも、陰イオン性のセルロース誘導体、陽イオン性のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロースがより好ましい。
洗濯用消臭剤中、(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下、A/B比ということがある)は、0.5〜3が好ましく、1〜2.5がより好ましく、1.3〜2がさらに好ましい。A/B比が上記範囲内であれば、(A)成分と(B)成分との量のバランスが好適となり、十分量の(A)成分を被洗物に付着させて、消臭効果のさらなる向上を図れる。
洗濯用消臭剤中の(A)成分と(B)成分との合計量は、洗濯用消臭剤の剤形等を勘案して適宜決定される。固体消臭剤であれば、例えば、1質量%以上が好ましく、5質量%以上が好ましく、100質量%でもよい。液体消臭剤であれば、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
<洗濯用消臭剤の任意成分>
洗濯用消臭剤は、必要に応じて、(A)〜(B)成分以外の任意成分(以下、消臭剤任意成分ということがある)を含有してもよい。
消臭剤任意成分としては、水等の分散媒、pH調整剤、香料、水溶性溶剤等が挙げられる。pH調整剤は、後述する洗浄剤任意成分のpH調整剤と同様であり、香料は、後述する洗浄剤任意成分の香料と同様である。水溶性溶剤は、後述する洗浄剤任意成分の水溶性溶剤と同様である。
<洗濯用消臭剤の製造方法>
洗濯用消臭剤は、剤形に応じて、常法に準じて製造される。
液体消臭剤の製造方法としては、水等の分散媒に、(A)〜(B)成分及び必要に応じて消臭剤任意成分を加え、攪拌する方法が挙げられる。
固体消臭剤の製造方法としては、(A)〜(B)成分及び必要に応じて消臭剤任意成分を粉体混合したり、(A)〜(B)成分及び必要に応じて消臭剤任意成分を造粒したりして粒状物を得る方法、得られた粒状物を任意の剤形に成形する方法等が挙げられる。
<洗濯用消臭剤の使用方法>
洗濯用消臭剤の使用方法としては、例えば、洗濯用消臭剤を単独で、又は公知の洗浄剤や漂白剤や柔軟剤と共に水に入れ、洗濯機で被洗物を洗浄する方法、洗濯用消臭剤を分散した水で濯ぐ方法等が挙げられる。あるいは、後述する洗浄剤組成物として、被洗物の洗濯に用いられてもよい。
被洗物としては、例えば、衣料、布帛、シーツ、カーテン、絨毯等の繊維製品が挙げられる。
(繊維製品用の洗浄剤組成物)
本発明の繊維製品用の洗浄剤組成物は、洗濯用消臭剤と界面活性剤とを含有する。
洗浄剤組成物は、液体でもよいし、粒状、タブレット、ブリケット、シート又はバー等の固体でもよい。
液体の洗浄剤組成物(以下、液体洗浄剤ということがある)の場合、洗濯用消臭剤と界面活性剤とが共に分散媒中に混在した一液型でもよいし、洗濯用消臭剤を含有する第一の液体と、界面活性剤を含有する第二の液体とからなる二液型でもよい。
固体の洗浄剤組成物(以下、固体洗浄剤ということがある)の場合、洗濯用消臭剤と界面活性剤とが混合されていてもよいし、洗濯用消臭剤と界面活性剤とが各々別個の粒状物として用意されたものでもよい。
<洗濯用消臭剤>
洗浄剤組成物中の洗濯用消臭剤の含有量は、洗濯用消臭剤中の(A)成分又は(B)成分の含有量を勘案して決定される。
洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量は、例えば、0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。上記下限値未満では、被洗物に対する消臭効果が低下するおそれがあり、上記上限値超としても、被洗物に対する消臭効果のさらなる向上を図れないおそれがある。
洗浄剤組成物中の(B)成分の含有量は、剤形等を勘案して適宜決定され、例えば、0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜3質量%がより好ましく、0.5〜2質量%がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、被洗物への(A)成分の吸着を促進して、被洗物に対する消臭効果をより高められ、被洗物から脱離した汚れが被洗物に再付着するのを良好に防止できる。加えて、(B)成分がカチオン化セルロースであれば、被洗物に良好な柔軟性を付与できる。洗浄剤組成物が液体洗浄剤の場合、(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、洗浄剤組成物の粘度を適度なものにでき、製造性や使用性を高められる。洗浄剤組成物が粒状物の場合、(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、洗浄剤組成物の流動性が良好となって、製造性や使用性を高められる。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等、従来公知の界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸のメチル、エチルもしくはプロピルエステル(α−SF又はMES)塩。α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩としては、特に限定されず、従来、洗浄剤組成物に使用されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のいずれも好適に使用することができる。α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩としては、下記一般式(I)の化合物が挙げられる。
Figure 2014125518
(I)中、R30は、炭素数8〜20、好ましくは炭素数14〜16の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数8〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基である。
31は、直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。
31の炭素数は、1〜6であり、1〜3が好ましい。R31としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、洗浄力のさらなる向上を図る観点から、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
Mは、対イオンを表し、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられ、中でもアルカリ金属塩が好ましい。
(2)脂肪酸の平均炭素数が10〜20の高級脂肪酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩。
(3)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(5)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(6)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(8)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(9)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(10)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(11)長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
上記の陰イオン性界面活性剤の中でも、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(MES)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、AOS、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)が好ましく、炭素数14〜16のアルキル基を有するMES、炭素数10〜14のアルキル基を有するLAS、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩がより好ましい。
これらの陰イオン性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは炭素数8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した、例えば下記一般式(II)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
40CO(OA)OR41 ・・・(II)
((II)式中、R40COは、炭素数6〜22、好ましくは炭素数8〜18の脂肪酸残基を示し、R41は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級(主鎖の炭素数1〜4)アルキル基を示す。OAは、オキシエチレン基、オキシプロピレン基等の炭素数2〜4、好ましくは炭素数2〜3のオキシアルキレン基を表し、uはオキシアルキレン基の平均繰返し数を示す数である。)
(II)式中のuは、例えば、3〜30であり、好ましくは5〜20である。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
上記の非イオン性界面活性剤の中でも、(1)の非イオン性界面活性剤が好ましく、炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルがより好ましく、融点が50℃以下のものがさらに好ましい。融点が50℃以下の非イオン性界面活性剤の中でも、HLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキシドとプロピレンオキシドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等がより好ましい。これらの非イオン性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、非イオン性界面活性剤のHLBは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
また、融点は、JIS K0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。
「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。中でも、単鎖アルキルとしては、炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは炭素数2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系の両性界面活性剤、アミドベタイン系の両性界面活性剤等が挙げられ、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好ましい。
洗浄剤組成物に用いられ界面活性剤としては、被洗物の白さ維持の観点からは、陰イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤から選択される1種以上が好ましく、洗濯用消臭剤の効果を高めるためには陰イオン性界面活性剤を主体とすることが好ましい。
洗浄剤組成物中の界面活性剤の含有量は、剤形等を勘案して適宜決定される。洗浄剤組成物が粒状物であれば、洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量は、例えば、10〜30質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。
<洗浄剤組成物の任意成分>
洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、洗濯用消臭剤、界面活性剤以外に、洗浄性ビルダー、香料、色素、蛍光増白剤、酵素、酵素安定剤、(A)〜(B)成分を除くポリマー類、ケーキング防止剤、消泡剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、pH調整剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白活性化触媒、水、水溶性溶剤等の任意成分(洗浄剤任意成分ということがある)を含有してもよい。
洗浄性ビルダーは、無機ビルダー、有機ビルダーに大別される。
無機ビルダーとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、結晶性層状珪酸ナトリウム(例えば、クラリアントジャパン株式会社製の[Na−SKS−6](δ−NaO・2SiO))等の結晶性アルカリ金属珪酸塩、非晶質アルカリ金属珪酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物、アルミノ珪酸塩等が挙げられる。
アルミノ珪酸塩としては、結晶質、非晶質(無定形)のいずれも用いることができる。カチオン交換能の点から結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩としては、ゼオライトが好適に用いられ、該ゼオライトとしては、A型、X型、Y型、P型いずれも使用できる。
中でも、無機ビルダーとしては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、結晶性アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属塩化物、アルミノ珪酸塩が好ましく、炭酸カリウム、結晶性アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属塩化物、結晶性アルカリ金属塩化物が好ましい。
炭酸カリウムを用いる場合、洗浄剤組成物中の炭酸カリウムの含有量は、溶解性向上の効果の点から、1〜15質量%が好ましく、2〜12質量%がより好ましく、5〜12質量%がさらに好ましい。
結晶性アルカリ金属珪酸塩を用いる場合、洗浄剤組成物中の結晶性アルカリ金属珪酸塩の含有量は、洗浄力を高める観点から、0.5〜40質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
アルカリ金属塩化物を用いる場合、洗浄剤組成物中のアルカリ金属塩化物の含有量は、溶解性向上の効果の点から、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩を用いる場合、洗浄剤組成物中の結晶性アルミノ珪酸塩の含有量は、洗浄力及び流動性等の粉体物性の点で、1〜40質量%が好ましく、2〜30質量%が特に好ましい。
有機ビルダーとしては、例えば、ニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体又は共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体の塩;デンプン、セルロース、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物等の多糖類誘導体等が挙げられる。中でも、有機ビルダーとしては、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩が好ましく、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、重量平均分子量が1000〜80000のアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアクリル酸塩、重量平均分子量が800〜1000000(好ましくは5000〜200000)のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩(例えば、特開昭54−52196号公報に記載のもの)がより好ましい。
上述の洗浄性ビルダーは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。洗浄力、洗浄液中での汚れ分散性を改善する目的から、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体塩等の有機ビルダーと、ゼオライト等の無機ビルダーとを併用するのが好ましい。
洗浄剤組成物中の洗浄性ビルダーの含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定される。
香料は、香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物(香料組成物)である。
香料としては、例えば特開2002−146399号公報、特開2003−89800号公報に記載のもの等を用いることができる。
洗浄剤組成物中の香料の含有量は、0.001〜2質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。
色素としては、染料、顔料のいずれも使用できる。保存安定性の点から、顔料が好ましく、酸化物等、耐酸化性を有する化合物が特に好ましい。かかる化合物としては、酸化チタン、酸化鉄、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、群青、紺青、シアニンブルー、シアニングリーン等が挙げられる。これらの色素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
蛍光増白剤としては、例えば、4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等の蛍光増白剤が挙げられる。市販の蛍光増白剤としては、例えば、ホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(以上、商品名;住友化学株式会社製)、チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(以上、商品名;チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)、Lemonite CBUS−3B(以上、商品名;Khyati Chemicals社製)等が挙げられる。これらの中ではチノパールCBS−X、チノパールAMS−GXが好ましい。
これらの蛍光増白剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
洗浄剤組成物中の蛍光増白剤の含有量は、0.001〜1質量%が好ましい。
酵素は、酵素の反応性から、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類、及びイソメラーゼ類に分類される。本発明においてはいずれの酵素も適用できる。中でも、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ等が好ましい。
プロテアーゼとしては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA又はB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA又はB等が挙げられる。プロテアーゼの市販品としては、サビナーゼ、アルカラーゼ、カンナーゼ、エバラーゼ、デオザイム(以上、商品名;ノボザイムズ社製);API21(商品名;昭和電工株式会社製);マクサカル、マクサペム(以上、商品名;ジェネンコア社製);プロテアーゼK−14又はK−16(特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼ)等を挙げることができる。
エステラーゼとしては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類、ホスホターゼ類等が挙げられる。
リパーゼとしては、リポラーゼ、ライペックス(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、リポサム(商品名;昭和電工株式会社製)等の市販のリパーゼ等を挙げることができる。
セルラーゼとしては、セルザイム(商品名;ノボザイムズ社製);アルカリセルラーゼK、アルカリセルラーゼK−344、アルカリセルラーゼK−534、アルカリセルラーゼK−539、アルカリセルラーゼK−577、アルカリセルラーゼK−425、アルカリセルラーゼK−521、アルカリセルラーゼK−580、アルカリセルラーゼK−588、アルカリセルラーゼK−597、アルカリセルラーゼK−522、CMCアーゼI、CMCアーゼII、アルカリセルラーゼE−II、及びアルカリセルラーゼE−III(以上、特開昭63−264699号公報に記載のセルラーゼ)等が挙げられる。
アミラーゼとしては、市販のステインザイム、ターマミル、デュラミル(以上、商品名;ノボザイムズ社製)等を挙げることができる。
これらの酵素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、洗浄剤組成物が粒状物である場合、酵素は別途安定な粒子として造粒したものが、洗剤生地(粒子)にドライブレンドされることが好ましい。
洗浄剤組成物中の酵素の含有量は、0.3〜2質量%が好ましい。
酵素安定剤としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオール、蟻酸、ホウ素化合物等が挙げられ、中でも、四ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム等が好ましい。
酵素安定剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
洗浄剤組成物中の酵素安定剤の含有量は、0.05〜2質量%が好ましい。
(A)〜(B)成分を除くポリマー類としては、平均分子量が200〜200000のポリエチレングリコールや重量平均分子量1000〜100000のアクリル酸及び/又はマレイン酸のポリマー、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等が挙げられる。これらのポリマー類を含有することで、洗浄剤組成物は再汚染防止効果を高めたり、粒状物を高密度化できる。
また、汚れ放出剤として、テレフタル酸とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位とのコポリマーや、テレフタル酸とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位とのターポリマー等が挙げられる。
色移り防止効果を付与するため、ポリビニルピロリドン等を用いてもよい。
これらのポリマー類の中でも、平均分子量1500〜7000のポリエチレングリコールが好ましい。
これらのポリマー類は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
洗浄剤組成物中のポリマー類の含有量は、0.05〜5質量%が好ましい。
ケーキング防止剤としては、例えば、パラトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等が挙げられる。ケーキング防止剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
消泡剤としては、例えば、シリコーン系又はシリカ系のものが挙げられる。
消泡剤は、特開平3−186307号公報4頁左下欄に記載の方法を用いて、消泡剤造粒物とされてもよい。具体的には、まず、日澱化学株式会社製マルトデキストリン(酵素変性デキストリン)100gに消泡成分としてダウコーニング社製シリコーン(コンパウンド型、PSアンチフォーム)を20g添加し混合し、均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50質量%、ポリエチレングリコール(PEG−6000、融点58℃)25質量%及び中性無水芒硝25質量%を70〜80℃で混合後、不二パウダル株式会社製押出し造粒機(型式EXKS−1)により造粒し、造粒物を得る。
消泡剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
還元剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。
金属イオン捕捉剤は、水道水中の微量金属イオン等を捕捉し、金属イオンの繊維(被洗浄物)への吸着を抑制する効果を有する。
金属イオン捕捉剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、グリコールエチレンジアミン6酢酸等のアミノポリ酢酸類;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP−H)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、ヒドロキシエタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、ヒドロキシメタンホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキシエチルイミノジ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸誘導体又はその塩;ジグリコール酸、酒石酸、シュウ酸、グルコン酸等の有機酸類又はその塩等が挙げられる。
上記金属イオン捕捉剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
洗浄剤組成物中の金属イオン捕捉剤の含有量は、性能を損なわない範囲で用いるよう配慮が必要となる。
洗浄剤組成物のpHは、特に限定されないが、洗浄剤組成物が固形洗浄剤の場合、洗浄性能の点から、洗浄剤組成物の1質量%水溶液におけるpHが好ましくは8以上、該1質量%水溶液におけるpHがより好ましくは9〜11である。前記pHが8以上であることにより、洗浄効果をより高められる。
洗浄剤組成物のpHを制御するための技術としては、通常アルカリ剤によってpH調整が行われる。アルカリ剤としては、前記洗浄性ビルダーに記載のアルカリ性製剤の他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
例えば、水への溶解性及びアルカリ度の点から、炭酸ナトリウムと珪酸ナトリウムと水との割合が55/29/16(質量比)の混合物であるNABION15(商品名、ローディア社製)を用いるのが好ましい。
また、前記の1質量%水溶液のpHが高くなりすぎないように、酸等を用いて上記pHの範囲に調整してもよい。
かかる酸としては、前記金属イオン捕捉剤、リン酸2水素カリウム等のアルカリ金属リン酸2水素塩、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸、又はそれらのポリカルボン酸、炭酸水素ナトリウム、硫酸、塩酸等を使用することができる。
pH調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
また、洗浄時に被洗物に付着していた汚れに由来するpHの低下を防止するために、pH緩衝剤を用いてもよい。
漂白剤としては、過酸化水素、過炭酸ナトリウム等の過炭酸塩等の酸素系漂白剤;次亜塩素酸ナトリウム、二酸化チオ尿素等の塩素系漂白剤が挙げられ、中でも、酸素系漂白剤が好ましく、過炭酸塩がより好ましく、過炭酸ナトリウムが最も好ましい。過炭酸ナトリウムの市販品としては、日本パーオキサイド株式会社製のPC−W(商品名);浙江金科化工股▲分▼有限公司(Zhejiang Jinke Chemicals Co.,Ltd.)製のSPCC(商品名);OCI社(韓国)製のCOP130(商品名);浙江迪希化工有限公司(Zhejiang DC Chemical CO.,Ltd.)製の過炭酸ナトリウムが好適なものとして挙げられる。
洗浄剤組成物中の漂白剤の含有量は、1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。上記上限値超としても漂白効果が飽和する場合があり、上記下限値未満では十分な漂白効果が得られない場合があるためである。
漂白活性化剤としては、好ましくは有機過酸前駆体が用いられる。
有機過酸前駆体としては、テトラアセチルエチレンジアミン、炭素数8〜12のアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸、炭素数8〜12のアルカノイルオキシ安息香酸又はそれらの塩が挙げられ、このうち、4−デカノイルオキシ安息香酸、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。これらの漂白活性化剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
漂白活性化剤は、漂白活性化剤を含有する粒子として配合することができる。漂白活性化剤を含有する粒子は、公知の製造方法で製造できる。製造方法としては、例えば、押出造粒法や、ブリケット機を用いた錠剤形状による造粒法が挙げられる。具体的には、有機過酸前駆体粒子は、次の製造方法により得ることができる。ポリエチレングリコール(重量平均分子量3000〜20000、好ましくは4000〜6000)等、常温で固体のバインダー物質を加熱溶融した中に、有機過酸前駆体とオレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩等の界面活性剤の粉末を分散する。その後、押出成型機等により押し出して、直径1mm程度のヌードル状とし、さらに長さ0.5〜3mm程度に粉砕することで漂白活性化剤粒子を得られる。こうして得られた漂白活性化剤粒子は、高嵩密度粒状洗剤組成物での分級を防止する観点から好適に使用できる。界面活性剤の粉末としては、アルキル鎖長14のα−オレフィンスルホン酸塩が好ましい。
漂白活性化触媒としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、銅、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロム、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、タングステン、モリブデン等の遷移金属原子と配位子とが、窒素原子や酸素原子等を介して錯体を形成したものである。漂白活性化触媒に含まれる遷移金属としては、コバルト、マンガン等が好ましく、マンガンがより好ましく、特に、特開2004−189893号公報記載の漂白活性化触媒が好ましい。
漂白活性化触媒は漂白活性化触媒を含有する粒子として配合することができる。漂白活性化触媒を含有する粒子は、公知の造粒法で製造できる。例えば押出造粒法、ブリケット機を用いた錠剤形状による造粒法により製造することができる。
水は、液体洗浄剤の分散媒として用いられる。水としては、水道水、イオン交換水、純水、蒸留水等、いずれも用いることができ、中でも、イオン交換水が好適である。
水溶性溶剤としては、低級(炭素数1〜4)アルコール、グリコールエーテル系溶剤及び多価アルコールからなる群から選択される1種以上が好ましい。水溶性溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び下記一般式(III)で表される化合物から選択される溶媒成分が好ましい。
50−O−(CO)−(CO)−H ・・・(III)
(III)式中、R50は、炭素数1〜6、好ましくは炭素数2〜4のアルキル基又はアルケニル基である。yはオキシエチレン基の平均繰返し数を表す数であり、1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。zはオキシプロピレン基の平均繰返し数を表す数であり、0〜5が好ましく、0〜2がより好ましい。
(III)式で表される水溶性溶剤としては、例えば、ブチルカルビトールやジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
上述した水溶性溶剤の中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンが好ましい。
<洗浄剤組成物の製造方法>
洗浄剤組成物は、常法に準じて製造される。
例えば、液体洗浄剤の製造方法としては、水等の分散媒に、(A)〜(B)成分、界面活性剤及び必要に応じて洗浄剤任意成分を加え、攪拌する方法が挙げられる。
固体洗浄剤の製造方法としては、(A)〜(B)成分、界面活性剤及び必要に応じて洗浄剤任意成分を粉体混合したり、(A)〜(B)成分及び必要に応じて任意成分を造粒したりして粒状物を得る方法、得られた粒状物を任意の剤形に成形する方法等が挙げられる。
<洗浄剤組成物の使用方法>
洗浄剤組成物の使用方法(洗浄方法は)、一般的な洗浄剤組成物の使用方法と同様である。例えば、洗浄剤組成物を被洗物と共に水に入れ、洗濯機で洗浄する方法、固体洗浄剤を水に分散した洗浄液又は液体洗浄剤を被洗物に直接塗布する方法、液体洗浄剤を水に溶解して洗浄液とし、この洗浄液に被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を被洗物に塗布し、適宜放置した後、洗濯機等を用いて洗浄してもよい。
被洗物としては、例えば、衣料、布帛、シーツ、カーテン、絨毯等の繊維製品が挙げられる。
上述の通り、本発明によれば、(A)成分を含有するため、被洗物に対する消臭効果を発揮できる。
加えて、(B)成分を含有することで、被洗物への(A)成分の吸着を(B)成分が促進して、被洗物に対する消臭効果をより高められる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分:高度分岐環状デキストリン>
A−1:高度分岐環状デキストリン(クラスターデキストリン(商品名)、純分90質量%、グリコ栄養食品株式会社製)。表中、CCDと記載。
<(A’)成分:(A)成分の比較品>
A’−1:α−シクロデキストリン(特級、純分98質量%、純正化学株式会社製)。表中、α−CDと記載。
A’−2:β−シクロデキストリン(特級、純分98質量%、純正化学株式会社製)。表中、β−CDと記載。
<(B)成分:セルロース誘導体>
B−1:カルボキシメチルセルロース(CMCダイセル1190(商品名)、純分100質量%、重量平均分子量82万、エーテル化度0.65、ダイセル工業株式会社製)。表中、CMC(MW=82万)と記載。
B−2:カルボキシメチルセルロース(サンローズSLD−F1(商品名)、純分100質量%、重量平均分子量30万、エーテル化度0.3、日本製紙ケミカル株式会社製)。表中、CMC(MW=30万)と記載。
B−3:カチオン化セルロース、純分91質量%、重量平均分子量90万、カチオン化度0.6質量%。下記の合成方法で合成されたもの。表中、CCと記載。
≪B−3の合成方法≫
ヒドロキシエチルセルロース(住友精化株式会社製、商品名:LF−15、1質量%水溶液粘度(25℃):700〜1300mPa・s)30gに、イソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15の混合溶媒300gと、25質量%水酸化ナトリウム水溶液4.5gとを加え、これを30分間攪拌して混合液を得た。混合液の上澄み150gを抜き出した。
上澄みを除去した混合液を50℃とし、ここにカチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(阪本薬品工業株式会社製、商品名:SY−GTA80、有効濃度:73質量%水溶液)4gを加え、3時間反応させた。10質量%塩酸イソプロピルアルコール溶液を反応液に加え、pH6に調整し、カチオン化セルローススラリーを得た。カチオン化セルローススラリーを遠心脱水し、乾燥(70〜80℃)して、カチオン化セルロースLF(B−3)を得た。
B−4:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ90SH30000(商品名)、純分100質量%、重量平均分子量65万、メトキシル基22質量%、ヒドロキシプロポキシル基8質量%、信越化学工業株式会社製)。表中、HPMCと記載。
<任意成分>
MES・・・炭素数16:炭素数18=80:20(質量比)の脂肪酸メチルエステルスルフォネートのナトリウム塩(ライオン株式会社製、純分70質量%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)。
LAS・・・LAS−H(直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライオン株式会社製、商品名:ライポンLH−200(純分96質量%))を、濃度48質量%水酸化カリウム水溶液で中和したもの(表中の配合量は、LAS−K(カリウム)としての質量%を示す)。
石鹸・・・炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン株式会社製、純分:67質量%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12=11.7質量%、C14=0.4質量%、C16=29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)=0.7質量%、C18F1(オレイン酸)=56.8質量%、C18F2(リノール酸)=1.2質量%、分子量;289)。
非イオン性界面活性剤・・・ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製;炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)のエチレンオキシド平均15モル付加体(純分90質量%)。
ゼオライト・・・A型ゼオライト、シルトンB(商品名、水澤化学株式会社製;純分80質量%)。
MA剤・・・アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩(商品名:アクアリックTL−400、株式会社日本触媒製;純分40質量%水溶液)。
亜硫酸Na・・・無水亜硫酸曹達(神州化学株式会社製)。
硫酸Na・・・中性無水芒硝(日本化学工業株式会社製)。
炭酸K・・・炭酸カリウム(粉末)(平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm、旭硝子株式会社製)。
炭酸Na・・・粒灰(平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm、旭硝子株式会社製)。
蛍光造白剤・・・チノパールCBS−X(商品名、チバスペシャルティケミカルズ製)/チノパールAMS−GX(商品名、チバスペシャルティケミカルズ製)=3/1(質量比)の混合物。
香料・・・特開2002−146399号公報の[表11]〜[表18]に示された香料組成物A。
酵素・・・サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX100T(ノボザイムズ製)/ステインザイム12T(ノボザイムズ製)=5/1/4(質量比)の混合物。
色素・・・群青(Ultramarine Blue、大日精化工業株式会社製)。
重曹・・・炭酸水素ナトリウム(SODIUM BICARBONATE FOOD GRADE COARSE GRANULAR(商品名)、炭酸水素根72.6質量%、平均粒子径300μm、粒子径150μm未満の粒子の含有量=3質量%、粒子径600μm以上の粒子は含まない、Penrice社製)。
過炭酸Na・・・被覆炭酸ナトリウム粒子。炭酸ナトリウム85質量%、アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩3質量%、ラウリン酸7質量%、水、その他残部からなる表面処理無機粒子。以下の調製方法により調製されたもの。
≪被覆炭酸ナトリウム粒子の調製方法≫
<第一工程>
鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのプローシェアーミキサー(大平洋機工株式会社製)に、炭酸ナトリウムを投入し(充填率30容積%)、主軸150rpmで撹拌を開始した(チョッパー回転数:1015rpm、ブレード先端速度(周速):6.9m/s)。撹拌開始10秒後に、MA剤を噴霧角115度の加圧ノズル(フラットノズル)で180秒間噴霧添加し、造粒・被覆操作を行った。なお、第一工程で調製した粒子において、該粒子全量に対する水分量が10質量%を超えていた場合には、上記装置に熱風を導入して乾燥し、水分量を10質量%以下に調整した。
<第二工程>
引き続き、プローシェアーミキサーの撹拌を継続しつつ、ラウリン酸を噴霧角60度の加圧ノズル(フルコーンノズル)で180秒間噴霧添加し、被覆操作を行った。そして、引き続き、30秒間撹拌を続けて粒子を得た。
<第三工程>
次いで、第二工程で得られた粒子を、流動層(製品名:Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20、株式会社パウレックス製)に充填した後、15℃の空気を流動層内に送り、20℃に冷却した冷却粒子を得た。
流動層内風速は、流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整した。得られた冷却粒子を、目開き2000μmの篩を用いて分級し、目開き2000μmの篩を通過する被覆炭酸ナトリウム粒子を得た。
漂白活性化剤・・・4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム。下記合成方法で合成されたもの。
≪漂白活性化剤の合成方法≫
予め脱水処理した4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(関東化学株式会社製、試薬)3000g(15.3mol)をN,N−ジメチルホルムアミド(関東化学株式会社製、試薬)9000g中に分散し、スターラーで撹拌しながらラウリン酸クロライド(東京化成工業株式会社製、試薬)3347g(15.3mol)を50℃で30分かけて滴下した。滴下終了から3時間後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧下(0.5〜1mmHg(66.7〜133.3Pa))、100℃で留去した。アセトン(関東化学株式会社製、試薬)で洗浄した後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶を行って精製し、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの結晶を得た。収率は90質量%であった。
合成した4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部、PEG(ポリエチレングリコール#6000M(商品名)、ライオン株式会社製)20質量部、炭素数14のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム粉末品(リポランPJ−400(商品名)、ライオン株式会社製)5質量部の割合で、合計5000gをエクストルード・オーミックスEM−6型(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)に投入し、混練押出して、径が0.8mmφのヌードル状の押出品を得た。この押出品(60℃)と、A型ゼオライト粉末5質量部とをフィッツミルDKA−3型(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)に供給し、粉砕して平均粒子径約700μmの漂白活性化剤の造粒物を得た。
(実施例1−1〜1−9、比較例1−1〜1−8)
表1〜2の組成に従い、原料を混合して、各例の液体消臭剤を得た。得られた液剤消臭剤について、消臭効果(試験I)を評価し、その結果を表中に示す。なお、表中の配合量は、純分換算値である。
<消臭効果(試験I)>
ぬれた顔を15回拭いたハンドタオルを、相対湿度95%RH、27℃で5日間静置して、汚れた被洗物が蒸れた状態で放置され悪臭を発生している状態のモデル布とした。汚れと臭いが付着している部分を中心に、各モデル布を直径20cmの円形に切取り、これを4等分し、その内の1片をハンドタオル毎に採取した。同様の操作を計10枚のハンドタオルについて行い、合計10片を1セットとする評価用汚染布とした。
洗浄試験機(Terg−O−Tometer)に、水道水(15℃、4°DH硬水)900mLと、10片の評価用汚染布と、衣料用液体洗浄剤(ライオン株式会社製、「トップクリアリキッド」)0.6mLと、洗浄時の浴比を合わせるためのチャージ布(綿メリヤス布)10gとを入れ、120rpmで10分間洗浄した(浴比20倍)。
評価用汚染布に含まれる洗浄液の質量が、評価用汚染布と同じ質量になるまで脱水した後、水道水(15℃、4°DH硬水)900mLで3分間濯いだ。次いで、各例の液体消臭剤0.1mLを水道水900mLに加えた濯ぎ水で3分間濯ぎ、その後、脱水した(以上、洗濯処理)。
洗濯処理を施した後、10片の評価用汚染布の中から、専門評価者6名がそれぞれ任意に1片の評価用汚染布を選択し、選択した評価用汚染布について、下記に示す六段階臭気強度表示法に従って、官能試験によって採点した。
≪六段階臭気強度表示法≫
5点:強烈なにおい。
4点:強いにおい。
3点:楽に感知できるにおい。
2点:何のにおいか判る弱いにおい。
1点:やっと感知できるにおい。
0点:無臭。
6名が採点した点数の内、最高点と最低点とを除外した4名分の平均点を求め、この平均点を下記評価基準に分類して、消臭効果(試験I)を評価した。評価基準において、4点以上のものについて、消臭効果に優れると判断した。
≪評価基準≫
9点:0.25点未満。
8点:0.25点以上、0.5点未満。
7点:0.5点以上、1.0点未満。
6点:1.0点以上、1.5点未満。
5点:1.5点以上、2.0点未満。
4点:2.0点以上、2.5点未満。
3点:2.5点以上、3.0点未満。
2点:3.0点以上、3.5点未満。
1点:3.5点以上。
Figure 2014125518
Figure 2014125518
表1〜2に示す通り、本発明を適用した実施例1〜9の消臭効果(試験I)の評価は、4点以上であった。
一方、(A)成分を含有しない比較例1−1、1−7、1−8の消臭効果(試験I)の評価は、1点以下であった。
(B)成分を含有しない比較例1−2の消臭効果(試験I)の評価は3点であった。
(A)成分に換えて(A’)成分を用いた比較例1−3〜1−6の消臭効果(試験I)の評価は、1〜2点であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、被洗物に対する消臭効果をより高められることが判った。
(実施例2−1〜2−19、比較例2−1〜2−8)
表3〜4の組成に従い、以下の調製方法により各例の粒状物の洗浄剤組成物を得た。なお、表中に配合量の記載のないものは、配合しなかった。
撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、60℃に調整した。これにMES及び非イオン性界面活性剤を除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。MA剤(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)を添加し、10分間撹拌した。ゼオライトの一部(表中の配合量の内の4.5質量%に相当)、炭酸Na、炭酸K及び硫酸Naを添加し、20分間撹拌して、水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した。向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で、噴霧乾燥用スラリーを噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm、水分5質量%の噴霧乾燥粒子を得た(第一工程)。
MESの水性スラリー(水分25質量%)に、非イオン性界面活性剤の一部(MES100質量部に対して25質量)を添加し、水分が11質量%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MES及び非イオン性界面活性剤の混合濃縮物を得た。
第一工程で得た噴霧乾燥粒子と、第二工程で得られた混合濃縮物と、ゼオライトの一部(表中の配合量の内の2質量%相当量)と、非イオン性界面活性剤の一部(第二工程で用いた非イオン性界面活性剤量と、表中の配合量から0.5質量%相当量(噴霧添加用)とを除く量)と、蛍光増白剤と水とを連続ニーダー(株式会社栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、水分6質量%の混合物を得た(第二工程)。
穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル株式会社製、EXDFJS−100型)を用いて、第二工程で得た混合物を押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレットを得た。
得られたペレットに粉砕助剤としてのゼオライトの一部(表中の配合量の内の5質量%に相当)を添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン株式会社製、DKA−3)を用いて粉砕して(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)、含界面活性剤粉末を得た(第三工程)。
第三工程で得られた含界面活性剤粉末と、過炭酸Naと、亜硫酸Naと、重曹と、ゼオライトの残部(表中の配合量の内の1.5質量%に相当)とを水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、非イオン性界面活性剤の残部(表中の配合量の内の0.5質量%に相当)及び香料を噴霧しつつ、1分間転動して、含界面活性剤粉末の表面改質を行った。
水平円筒型転動混合機に、(A)成分及び/又(A’)成分と、(B)成分と、酵素と、漂白活性化剤とを添加し、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、5分間混合した。
次いで、前記の水平円筒型転動混合機で得られた混合粉末をベルトコンベアにて0.5m/sで移送しながら(混合粉末層の高さ30mm、層幅300mm)、色素を定量フィードし、各例の洗浄剤組成物を得た(平均粒子径530μm、嵩密度0.84g/cm、安息角45°)を得た(第四工程)。
得られた洗浄剤組成物について、消臭効果(試験II)及び洗浄力を評価し、その結果を表中に示す。
<消臭効果(試験II)>
家庭で半年間使用した手拭タオル10枚をそれぞれ通常生活で7日間使用したものに対して、洗濯機(JW−Z23A型、ハイアール社製)の通常コースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水、浴比15倍)を行った。その際、各例の洗浄剤組成物の洗濯機への投入量を25g/水道水30Lとして洗濯処理をした。
なお、浴比合わせには、新品の肌シャツ(綿100%、BVD製)を用いた。浴比合わせの肌シャツは、全自動洗濯機(パナソニック株式会社製、NA−F70SD1)のおまかせコースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水)を5回行ったものである。その際、市販の合成洗剤トップ(ライオン株式会社製)を25g/水道水30Lとして、洗濯処理を行った。
洗浄処理が施された手拭タオルを24℃、相対湿度90%RHの室内に8時間吊るして、乾燥した。乾燥した手拭タオル10枚について、6名の専門評価者が官能により下記六段階臭気強度表示法に従って、官能試験によって採点した。
≪六段階臭気強度表示法≫
5点:強烈なにおい。
4点:強いにおい。
3点:楽に感知できるにおい。
2点:何のにおいか判る弱いにおい。
1点:やっと感知できるにおい。
0点:無臭。
6名が採点した点数の内、最高点と最低点とを除外した4名分の平均点を求め、この平均点を下記評価基準に分類して、消臭効果(試験II)を評価した。評価基準において、4点以上のものについて、消臭効果に優れると判断した。
≪評価基準≫
9点:0.25点未満。
8点:0.25点以上、0.5点未満。
7点:0.5点以上、1.0点未満。
6点:1.0点以上、1.5点未満。
5点:1.5点以上、2.0点未満。
4点:2.0点以上、2.5点未満。
3点:2.5点以上、3.0点未満。
2点:3.0点以上、3.5点未満。
1点:3.5点以上。
<洗浄力>
洗浄力の評価用の布(洗浄力評価布)として、湿式人工汚染布(財団法人洗濯科学協会製、オレイン酸28.3質量%、トリオレイン15.6質量%、コレステロールオレート12.2質量%、流動パラフィン2.5質量%、スクアレン2.5質量%、コレステロール1.6質量%、ゼラチン7.0質量%、泥29.8質量%及びカーボンブラック0.5質量%の混合物が付着したもの)を5×5cmに裁断したものを用意した。
白色布として、肌シャツ(BVD社製、綿100%、G0134TS)及びストレッチブロードシャツ(ユニクロ製、ポリエステル/綿/ポリウレタン=62/32/4)を前処理し、5×5cmに裁断したものを用意した。
チャージ布として、肌シャツ(BVD社製、綿100%、G0134TS)を前処理し、3×3cmに裁断したものを用意した。
白色布又はチャージ布の前処理は二槽式洗濯機(VH-30S、株式会社東芝製)を用い、白色布又はチャージ布1kgを、POEアルキルエーテル(ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12−16のアルキル基をもつアルコール)のエチレンオキシド平均15モル付加体)0.025質量%を含む洗浄液(50℃)で15分間洗浄した。1分間脱水した後、再度同様に洗浄し、脱水した。洗浄後、50℃の水道水30Lで白色布又はチャージ布を15分間濯ぎ、1分間脱水する操作を5回繰り返し、その後、風乾した。
ラウンドリーテスター(FI-301、テスター産業株式会社製)を用い、ラウンドリーテスターのステンレス製試料瓶(500±50mL)に、洗浄液200mLと、被洗物である洗浄力評価布10枚、白色布を各5枚及びチャージ布とを入れ、40rpm、25℃で25分間洗浄した。洗浄液は、各例の洗浄剤組成物の濃度が0.15質量%となるように、洗浄剤組成物を25℃の3°DH硬水に分散したものである。チャージ布の量は、浴比が10倍となる量である。
次いで、1分間脱水し被洗物と25℃の3°DH硬水200mLとをラウンドリーテスターの試料瓶に入れ、40rpm、25℃で3分間濯いだ。この濯ぎ処理を2回繰り返した。
濯ぎ処理が施された被洗物を1分間脱水した後、洗浄力評価布をアイロンで乾燥後、反射率を色差計(日本電色工業株式会社製、分光式色差計 SE2000)を用いて測定し、下記(i)式で表されるクベルカムンクの式により洗浄率を求めた(少数点以下を四捨五入した)。なお、表中の洗浄率は、洗浄力評価布10枚の平均値である。
洗浄率(%)=(汚染布のK/S−洗浄布のK/S)/(汚染布のK/S−未汚染布のK/S)×100 ・・・(i)
(i)式中、K/Sは、(1−R/100)/(2R/100)である(ただし、Rは未汚染布、汚染布、洗浄布の反射率(%)を示す。)。
((i)式中、汚染布とは、上記湿式人工汚染布、洗浄布とは、該汚染布を洗浄した後の布、未汚垢布とは、汚れを付けていない元の白布(原布)をそれぞれ表し、Kは吸光係数、Sは散乱係数、Rは絶対反射率をそれぞれ表す。)
Figure 2014125518
Figure 2014125518
表3〜4に示すように、本発明を適用した実施例2−1〜2−19は、いずれも消臭効果(試験II)の評価が4点以上、洗浄率が85%以上であった。
一方、(A)〜(B)成分を含有しない比較例2−1の消臭効果(試験II)の評価は、0点であった。
(B)成分を含有しない比較例2−2の消臭効果(試験II)の評価は、3点であった。
(A)成分に換えて(A’)成分を用い、(B)成分を含有しない比較例2−3〜2−4の消臭効果(試験II)の評価は、2点であった。
(A)成分に換えて(A’)成分を用いた比較例2−5〜2−8の消臭効果(試験II)の評価は、1点であった。
これらの結果から、本発明を適用することで、被洗物に対する消臭効果をより高められることが判った。

Claims (2)

  1. (A)成分:高度分岐環状デキストリンと、(B)成分:セルロース誘導体とを含有する洗濯用消臭剤。
  2. 請求項1に記載の洗濯用消臭剤と、界面活性剤とを含有する繊維製品用の洗浄剤組成物。
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