JP5173509B2 - 粒状洗剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒状洗剤組成物及びその製造方法に関する。
近年、着用する衣類は、衣類の形状や繊維の構造の違いだけでなく、染料の違い等もあり、これらの組み合わせにより、様々な風合いや色合いを有した衣類が増える傾向にある。
衣類の色合いについては、繰り返しの洗浄により退色する傾向が見られる。そこで従来より、洗浄時の退色を抑えるための方法が検討されてきた。
具体的には、例えば、マロン酸及びマロン酸アミドを除く、pKaが18以下のCH酸性を有する化合物からなる変退色防止剤及びこれを含有する洗浄剤組成物を用いる方法(特許文献1参照。)。更に、低分子量のポリエチレンイミンを含有させた、粒状洗濯洗浄剤組成物を用いる方法(特許文献2参照。)等が挙げられる。
特開2000−129568号公報 特開平8−53698号公報
ところで、従来、形状や使用されている繊維が普段着と異なる衣類、所謂おしゃれ着を家庭の洗濯機で洗浄することは難しかった。しかし、昨今の洗濯機の大型化に伴い、普段着と共におしゃれ着を家庭で洗浄することが可能となった。そこで、おしゃれ着を普段着と共に洗浄後、外に干すことが増えている。
ところが、家庭の洗濯機で洗浄を行い、洗浄後、外に干して日光に当てて乾燥させると、日光により衣類(被洗物)が退色しやすい傾向にある。従って、このように洗濯環境が家庭に移っても、被洗物を新品のような外観に保つ技術が望まれている。
しかしながら、特許文献1で開示されている洗浄剤組成物は、水道水で被洗物を累積洗浄する際の変退色を防止するものであり、洗浄後、外に干した際の日光による退色については考慮されていない。また、特許文献2で開示されている粒状洗濯洗浄剤組成物についても、日光による被洗物の退色を防ぐには不十分であるという問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、被洗物を家庭で洗浄する際、外に干しても日光による退色を抑制することが可能な、光退色抑制効果を有した粒状洗剤組成物及びその製造方法を得ることを目的とする。
本発明の粒状洗剤組成物は、下記(A)〜(C)に示す成分を含有することを特徴とする。
(A)成分:界面活性剤。
(B)成分:キトサン。
(C)成分:カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種又は2種以上よりなる成分。
本発明の粒状洗剤組成物において、前記カチオン化セルロースのカチオン化度が0.4〜1.2質量%であると好ましい。
本発明の粒状洗剤組成物の製造方法は、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分等による原料の一部を混合・攪拌して噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を得る噴霧乾燥工程と、該噴霧乾燥粒子と該原料の残りの一部を捏和・混練して混練物を得る捏和混練工程と、該混練物を切断・粉砕した後、該原料の残りを加えて造粒し、粒状洗剤組成物を得る造粒工程とを有し、前記(B)成分が、前記噴霧乾燥工程、前記捏和混練工程のいずれか又は双方にて配合される製造方法であると好ましい。
本発明の粒状洗剤組成物によれば、被洗物を家庭で洗浄する際、外に干しても日光による退色が起きにくく、洗濯後の被洗物を新品のような外観に保つことができる。
また、本発明の製造方法によれば日光による退色の抑制効果がより顕著な本発明の粒状洗剤組成物を得ることが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粒状洗剤組成物は、界面活性剤((A)成分)、キトサン((B)成分)並びに、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種又は2種以上よりなる成分((C)成分)を含有することを特徴とする。
[粒状洗剤組成物]
<(A)成分>
(A)成分の界面活性剤としては、通常洗剤組成物に用いられる界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤)を用いることができる。
アニオン界面活性剤としては、たとえば、以下の(1)〜(12)に示すものを挙げることができる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖または分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LASまたはABS)。
(2)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(4)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩またはアルケニル硫酸塩(AS)。
(5)アルキレンオキサイドを平均0.5〜10モル付加した、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルエーテル硫酸塩または炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルエーテル硫酸塩(AES);ただし、該アルキレンオキサイドとしては、好ましくは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、またはエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とが混在したもの(モル比でEO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)が挙げられる。
(6)アルキレンオキサイドを平均3〜30モル付加した、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルフェニルエーテル硫酸塩または炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルフェニルエーテル硫酸塩;ただし、該アルキレンオキサイドとしては、好ましくは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、またはEOとPOとが混在したもの(モル比でEO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)が挙げられる。
(7)アルキレンオキサイドを平均0.5〜10モル付加した、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を有するアルキルエーテルカルボン酸塩または炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基を有するアルケニルエーテルカルボン酸塩;ただし、該アルキレンオキサイドとしては、好ましくは、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、またはEOとPOとが混在したもの(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)が挙げられる。
(8)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(9)炭素数8〜20の飽和もしくは不飽和α−スルホ脂肪酸塩またはそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩(α−SFまたはMES)。
(10)長鎖モノアルキルリン酸塩、長鎖ジアルキルリン酸塩または長鎖セスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンジアルキルリン酸塩またはポリオキシエチレンセスキアルキルリン酸塩。
(12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
上記のアニオン界面活性剤は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。なかでも、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が好ましい。
上記アニオン界面活性剤のなかでも、LASまたはABS、α−SFまたはMES、石鹸が好ましく、LAS、MES、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(以上、好ましくは、ナトリウム塩またはカリウム塩)がより好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、たとえば、以下の(1)〜(8)に示すものを挙げることができる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは炭素数8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレンアルケニルエーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテルが好適なものとして挙げられる。
ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられ、第1級アルコールが好ましい。また、アルキル基またはアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
(2)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルまたはポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、たとえば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
CO(OA)OR ・・・(I)
[式中、RCOは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し;OAは、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイド(たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)の付加単位を示し;qはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。Rは炭素数1〜3の置換基を有していてもよい低級(炭素数1〜4の)アルキル基を示す。]
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
上記のノニオン界面活性剤のなかでも、(1)のノニオン界面活性剤が好ましく、そのなかでも炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルまたはポリオキシアルキレンアルケニルエーテルが特に好ましい。
また、融点が50℃以下で、HLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。
これらのノニオン界面活性剤は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、上記の「融点」とは、JIS K 0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
また、上記の「HLB」とは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
カチオン界面活性剤としては、たとえば、以下の(1)〜(3)に示すものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。
一方、「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。なかでも、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
両性界面活性剤としては、たとえばイミダゾリン系の両性界面活性剤、アミドベタイン系の両性界面活性剤等を挙げることができる。
具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好適なものとして挙げられる。
本発明において、上記(A)成分(アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤)は、1種又は2種以上混合して用いることができる。
(A)成分は、本発明の粒状洗剤組成物中、1〜50質量%含有されていると好ましく、5〜30質量%含有されているとより好ましく、10〜30質量%含有されていると更に好ましい。
(A)成分の含有量が1質量%以上であれば、十分な洗浄力を得ることができ、50質量%以下であれば、粉体の流動性が良好であり、製造性が向上する傾向にある。
<(B)成分>
本発明において(B)成分であるキトサンは被洗物に日光に対する光退色抑制効果を付与するために用いる。
キトサンとは、キチンを脱アセチル化して得るものであり、本発明で用いるキトサンは、脱アセチル化度が45%以上のものであると好ましい。中でも、脱アセチル化度が60%以上であると好ましく、70%以上であると更に好ましく、80%以上であると特に好ましい。
脱アセチル化度が45%以上であるキトサンは、脱アセチル化されたアミンの存在量が多くなり酸化防止能が向上することにより、日光による退色を抑制する効果が向上すると考えられる。
なお、「脱アセチル化度」とは、キチンを脱アセチル化してキトサンを得た際のキトサンの純度を示す。
脱アセチル化度は、以下の一般的なコロイド滴定法により測定することが可能である。
0.5質量%酢酸水溶液にキトサンの濃度が0.5質量%となるようにキトサンを溶解し試料溶液とする。該試料溶液に指示薬としてトルイジンブルーを添加したのち、ポリビニル硫酸カリウム水溶液によるコロイド滴定法を行う。
なお、本発明の粒状洗剤組成物に用いるキトサンの質量平均分子量は特に限定されない。
(B)成分は、本発明の粒状洗剤組成物中、0.05〜10質量%含有されていると好ましく、0.1〜5質量%含有されているとより好ましく、0.2〜3質量%含有されていると更に好ましい。
(B)成分の含有量が0.05質量%以上であれば、十分に日光による退色を抑制する効果を得ることができる。一方(B)成分の含有量が10質量%以下であれば、洗剤として必要な他の成分の配合量を充分確保することが可能である。
(B)成分、キトサンの具体的な例としては、(株)キミカから販売されているキミカキトサンLLWP、LL−80、MP、F、F2P、S、SX2、LL、L、M、H、B0;大日精化工業(株)から販売されているダイキトサンH、M、PVL、VL、100D、100D(VL)といったフレーク品およびそれらの粉砕品、ダイキトサンFP、FP−S、FPスラリーといったペースト・スラリー品;日本化薬フードテクノ(株)から販売されているキトサミンシリーズ;北海道曹達(株)から販売されているキトサンMA−1、MC−2W、HA−1、HC−2W;片倉チッカリン(株)から販売されているキトサンCTF、CTA−1;コグニス社から販売されているHYDAGEN HCMF、DCMF(以上、商品名)などが挙げられる。
<(C)成分>
本発明において、(C)成分は特定のセルロース誘導体であり、詳しくは、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
本発明において(C)成分は、被洗物へのキトサンの吸着を促進させるために用いる。
(カチオン化セルロース)
本発明の粒状洗剤組成物で用いる、カチオン化セルロースの質量平均分子量は、10万〜200万であることが好ましく、40万〜160万であることがより好ましい。
質量平均分子量が10万以上であれば、カチオン化セルロースが被洗物に吸着しやすくなり、カチオン化セルロースがキトサンとセルロース構造類似的に相互作用し、キトサンの被洗物への吸着性を促進させると推定される。一方、質量平均分子量が200万以下であれば、カチオン化セルロースの水への溶解性がより良好となる。
カチオン化セルロースの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定することができる。
カチオン化セルロースのカチオン化度は、0.4〜1.2質量%であることが好ましく、0.4〜0.8質量%であることがより好ましい。
ここで、「カチオン化度」とは、カチオン化セルロース分子中に占める窒素の含有率(質量%)を意味し、グルコース環単位当たりの窒素原子の割合を示す。なお、該窒素原子はカチオン化剤に由来する。
カチオン化度は、その値が大きいほどカチオン化セルロースのカチオン性が強まり、水溶性が高くなることを意味する。つまりカチオン化度は、被洗物とカチオン化セルロースとの吸着性に関係する物性である。
本発明では、カチオン化セルロースのカチオン化度が0.4質量%以上であると、適度な強さのカチオン性が得られ、カチオン化セルロースの被洗物への吸着性がより良好となる。更にこのとき、カチオン化セルロースがキトサンに対しセルロース構造類似的に相互作用していると考えられる。このようなカチオン化セルロースの作用によって、被洗物へのキトサンの吸着を促進できる。一方、カチオン化度が1.2質量%以下であると、カチオン性の強さが適度に抑えられて水溶性が高くなりすぎない。つまり、吸着したカチオン化セルロースが、濯ぎ等によって流されることを防ぐことができる。従って、被洗物へのカチオン化セルロースの吸着性が良好に保たれ、キトサンの効果を持続させることが可能と考えられる。
以上のような、カチオン化セルロースは、たとえば、セルロースに酸化エチレンを付加させて得られるヒドロキシエチルセルロースと、カチオン化剤のグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドとを反応させることによって製造することができる。
カチオン化セルロースの好適なものとしては、下記一般式(II)で表される繰返し単位を有する高分子化合物、すなわち、(ハロゲン)−O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
Figure 0005173509
[式(II)中、αは単位モノマーの重合数;R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は下記一般式(III)で示される置換基である。l、m、nは、それぞれエチレンオキシドの平均付加モル数を示す。]
Figure 0005173509
[式(III)中、Xはハロゲン原子を示す]
前記一般式(III)中、Xはハロゲン原子を示し、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記一般式(II)で表される化合物において、グルコース環単位当たりのエチレンオキシド(EO)置換度は、0.3〜3.0であることが好ましく、0.7〜2.5であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。(エチレンオキシド(EO)は一般式(II)にて示される[CHCHO]である。)。
ここで、「EO置換度」とは、セルロース原料のグルコース環単位当たり、EOで置換された水酸基の平均個数(該グルコース環の持つ3つの水酸基のうち、いくつにEOが付加されたかを示すもので、最大3となる。)を示す。EO置換度は0.3以上であれば、分子同士の相互作用が少なく、溶解性が高いので好ましい。
前記式(II)で表される化合物において、グルコース環単位当たりのEO平均付加モル数は、l+m+n=0.4〜5であることが好ましく、特に洗浄力の向上、再汚染(汚れの再付着)の抑制の効果が良好なことから、l+m+nの下限値が1であるとより好ましく、上限値が3であると特に好ましい。
本発明において、カチオン化セルロースは、上記カチオン化セルロースを1種または2種以上を混合して用いることができる。
粒状洗剤組成物中のカチオン化セルロースの含有量は、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.3〜1.5質量%であることがより好ましい。
粒状洗剤組成物中、カチオン化セルロースの含有量が0.1質量%以上であれば、キトサン併用時、被洗物へのキトサンの吸着を促進することができ、本発明の粒状洗剤組成物の光退色抑制効果を促進させることが可能である。一方、3質量%以下であれば、洗濯後の被洗物への白色粉状物の付着が殆どみられない。
また、カチオン化セルロースを配合することにより、柔軟性や風合いの面での改善効果も同時に得られる。
カチオン化セルロースとして具体的には、ライオンケミカル(株)から販売されているレオガードGPS(カチオン化度1.8質量%)、レオガードGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードGP0(カチオン化度1.8質量%)、レオガードLP(カチオン化度1.0質量%)、レオガードKGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードMGP(カチオン化度1.8質量%)、レオガードMLP(カチオン化度0.6質量%);東邦化学工業(株)から販売されているカチナールHC−100(カチオン化度1.0〜2.0質量%)、カチナールHC−200(カチオン化度1.0〜2.0質量%)、カチナールLC−100(カチオン化度0.5〜1.5質量%)、カチナールLC−200(カチオン化度0.5〜1.5質量%);ダウケミカル社から販売されているUCARE Polymer LR400(カチオン化度0.8〜1.1質量%)、UCARE Polymer LR30M(カチオン化度0.8〜1.1質量%)(以上、商品名)等の市販のものが好適なものとして挙げられる。
なお、上記市販のものにおけるグレードの相違は、セルロースの分子量、EOの平均付加モル数、およびカチオン化度等が異なることによる。
(カルボキシメチルセルロース)
本発明の粒状洗剤組成物で用いる、カルボキシメチルセルロースの質量平均分子量は、10万以上であると好ましく、30万以上であるとより好ましく、80万以上であると更に好ましい。なお。上限値は、120万である事が好ましい。
質量平均分子量が該範囲の下限以上、特に30万以上であることにより、カルボキシルメチルセルロースが被洗物に吸着しやすくなり、カルボキシルメチルセルロースがキトサンに対しセルロース構造類似的に相互作用し、キトサンの被洗物への吸着性を向上させることが可能となるものと考えられる。一方、120万以下であれば、カルボキシメチルセルロース自身の溶解性がより良好となる。
カルボキシメチルセルロースの質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
カルボキシメチルセルロースのエーテル化度は、0.2〜1.3が好ましく、0.3〜0.8がさらに好ましい。
ここで、「エーテル化度」とは、グルコース環単位当たり、カルボキシメチル基又はその塩で置換された水酸基の平均個数(該グルコース環の持つ3つの水酸基のうち、いくつがカルボキシメチル基又はその塩により置換されたかを示すもので、最大3となる。)を示す。
エーテル化度は、カルボキシメチルセルロースの被洗物への吸着、キトサンとの相互作用の度合い、水への溶解性に関係のある物性である。本発明では、エーテル化度が0.2以上であると、水への溶解性が良好となり、キトサンと構造類似的に相互作用し効率的にキトサンと共に被洗物に吸着することができる。一方、エーテル化度が1.3以下であると、被洗物への吸着量を落とすことなく、キトサンと構造類似的に相互作用し吸着する。
以上のような、カルボキシメチルセルロースとしては、たとえば、セルロースとしてパルプを原料として、これを苛性ソーダで処理した後、モノクロル酢酸を反応させて得られるアニオン性の水溶性セルロースエーテルが好適に挙げられる。具体的には下記一般式(IV)で示すことが可能である。
Figure 0005173509
[式(IV)中、αは単位モノマーの重合数;R、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はカルボキシメチル基(CHCOOX;Xは水素原子又は金属原子)]
前記一般式(IV)中、Xは水素原子又は金属原子であり、水への溶解性の面で好ましくは1価の金属原子であり、より好ましくはナトリウムである。
本発明において、カルボキシメチルセルロースは、上記カルボキシメチルセルロースを1種または2種以上混合して用いる事ができる。
粒状洗剤組成物中のカルボキシメチルセルロースの含有量は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であるとより好ましく、1.0〜3質量%であると更に好ましい。
粒状洗剤組成物中のカルボキシメチルセルロースの含有量が0.1質量%以上であれば、キトサン併用時、被洗物へのキトサンの吸着を促進することができ、本発明の粒状洗剤組成物の光退色抑制効果を促進させることが可能である。一方、10質量%以下であると、粉体の流動性が良好となり、製造性の面で良好である。
また、カルボキシメチルセルロースを配合することにより、再汚染防止効果も同時に得られる。
カルボキシメチルセルロースとして具体的には、ダイセル化学工業(株)から販売されているCMCダイセル1110、1120、1140、1160、1180、1190、1220、1240、1260、1280、2200、2260、2280、2450、2340等;日本製紙ケミカル(株)から販売されているサンローズF10LC、F600LC、F1400LC、F10MC、F150MC、F1400MC、F1400MGなどのサンローズFシリーズ、A02SH、A20SH、A200SHなどのサンローズAシリーズ、SLD‐F1(以上、商品名)が挙げられる。
上記の中でも、CMCダイセル1180、1190、1280、サンローズF1400LC、サンローズA20SH 、サンローズ SLD‐F1が特に好ましい。
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
本発明の粒状洗剤組成物で用いる、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの質量平均分子量は、好ましくは10万以上、より好ましくは30万以上、更に好ましくは35万以上である。一方、質量平均分子量の上限値は、好ましくは100万である。
質量平均分子量が10万以上であれば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが被洗物に吸着しやすくなり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがキトサンに対しセルロース構造類似的に相互作用し、キトサンの被洗物への吸着性を促進させることが可能となるものと考えられる。一方、質量平均分子量が100万以下であれば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水への溶解性を得ることができる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースの分子量は、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)−多角度レーザー光散乱検出装置(MALLS)システムにより測定することができる。
本発明の粒状洗剤組成物で用いる、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、メトキシル基が19〜30質量%であると好ましく、19〜24質量%であると更に好ましい。また、ヒドロキシプロポキシル基が4〜12質量%であると好ましく、6〜10質量%であると更に好ましい。
メトキシル基が19質量%以上であれば水への溶解性が良好であり、30質量%以下であれば被洗物への吸着性およびキトサンとの構造相関的な相互作用が良好である。また、ヒドロキシプロポキシル基が4質量%以上であれば水への溶解性が良好であり、12質量%以下であれば被洗物への吸着性およびキトサンとの構造相関的な相互作用が良好である。
以上のように、構造の違いにより親水・疎水バランスが変化するため、この構造の範囲内ではヒドロキシプロピルメチルセルロースの被洗物への吸着性と水溶性のバランスが良好であり、キトサンの吸着性促進効果を得ることができる。
ここで、「メトキシル基」及び「ヒドロキシプロポキシル基」の質量%とは、それぞれのグルコース環単位あたりに付加した、メトキシル基、ヒドロキシプロポキシル基の質量%の平均値を示す。
以上のような、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、セルロース骨格を有する化合物で、その水酸基の水素原子の一部がメチル基、またはヒドロキシプロピル基に置換された誘導体のことである。具体的には下記一般式(V)で示すことが可能である。
Figure 0005173509
[式(V)中、αは単位モノマーの重合数;R、R10及びR11はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、又は‐(CHCH(CH)O)H(ヒドロキシプロピル基;pはグルコース単位あたりの平均として0.15〜0.25)を示す。]
本発明において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、上記ヒドロキシプロピルメチルセルロースを1種又は2種以上混合して用いることができる。
粒状洗剤組成物中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、0.1〜10質量%であると好ましく、0.5〜5質量%であるとより好ましく、1.0〜3質量%であると更に好ましい。
粒状洗剤組成物中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量が0.1質量%以上であれば、キトサン併用時、被洗物へのキトサンの吸着を促進することができ、本発明の粒状洗剤組成物の光退色抑制効果を促進させることが可能である。一方、10質量%以下であると、粉体の流動性が良好となり、製造性の面で良好である。
以上のように、本発明において使用できるヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、具体的には、信越化学工業(株)から商品名メトローズで販売されている60SH4000、60SH10000、60SH30000、65SH400、65SH1500、65SH4000、65SH15000、90SH400、90SH4000、90SH15000、90SH30000、90SH100000、ハーキュレス社から商品名ベネセルで販売されているMP943、MP914、MP342C、MP333C、MP812、MP824、MP814、MP824、MP844、MP874、ハーキュレス社から商品名コンビゼルで販売されているHG4M、HG10M、HF400、HF4M、HF15M、HK400、HK4M、HK15M、LK25M、LK40M、LK55M、LK70Mなどが使用できる。このうち、特にメトローズの90SHシリーズ、ベネセルのMP8シリーズ、コンビゼルのHKシリーズ、LKシリーズが好ましい。
<任意成分>
(洗浄性ビルダー)
洗浄性ビルダーとしては、無機ビルダーおよび有機ビルダーが挙げられる。
無機ビルダーとしては、たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩;結晶性層状珪酸ナトリウム[たとえば、クラリアントジャパン社製の商品名「Na−SKS−6」(δ−NaO・2SiO)等の結晶性アルカリ金属珪酸塩]、非晶質アルカリ金属珪酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;結晶性アルミノ珪酸塩、無定形アルミノ珪酸塩、炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属珪酸塩の複合体(たとえば、Rhodia社の商品名「NABION15」)等が挙げられる。
上記無機ビルダーの中でも、炭酸ナトリウム、アルミノ珪酸塩、または溶解性向上の効果を併せ持つものとしてカリウム塩(炭酸カリウム、硫酸カリウム等)もしくはアルカリ金属塩化物(塩化カリウム、塩化ナトリウム等)が好ましい。
アルミノ珪酸塩としては、結晶性、非晶質(無定形)のいずれのものも用いることができ、カチオン交換能の点から結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。
結晶性アルミノ珪酸塩としては、A型、X型、Y型、P型ゼオライト等が好適に配合でき、平均一次粒子径は0.1〜10μmが好ましい。粒状洗剤組成物中の結晶性アルミノ珪酸塩の含有量は、1〜40質量%が好ましく、洗浄性能および流動性等の粉体物性の点から2〜30質量%が特に好ましい。
炭酸カリウムを配合する場合、その含有量は、溶解性向上の効果の点から、粒状洗剤組成物中に、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%、さらに好ましくは5〜12質量%である。
アルカリ金属塩化物を配合する場合、その含有量は、溶解性向上の効果の点から、粒状洗剤組成物中に、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。
結晶性アルカリ金属珪酸塩を配合する場合、その含有量は、洗浄性能の点から、粒状洗剤組成物中に、好ましくは0.5〜40質量%、より好ましくは1〜25質量%、さらに好ましくは3〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%である。
有機ビルダーとしては、たとえばニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノまたはジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩;ポリアクリル酸塩、アクリル酸−アリルアルコール共重合体の塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸の塩;ヒドロキシアクリル酸重合体、多糖類−アクリル酸共重合体等のアクリル酸重合体または共重合体の塩;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体または共重合体の塩;デンプン、アミロース、ペクチン等の多糖類酸化物等が挙げられる。
上記有機ビルダーの中でも、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩が好ましい。特に、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、質量平均分子量が1000〜80000のアクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアクリル酸塩、質量平均分子量が800〜1000000(好ましくは5000〜200000)のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩(たとえば、特開昭54−52196号公報に記載のもの)が好適である。
有機ビルダーの含有量は、粒状洗剤組成物中、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%、特に好ましくは2〜5質量%である。
上記洗浄性ビルダーは、1種単独で、または2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記洗浄性ビルダーの中でも、洗浄力、洗濯液中での汚れ分散性が向上することから、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体の塩、ポリアセタールカルボン酸の塩等の有機ビルダーと、ゼオライト等の無機ビルダーとを併用することが好ましい。
粒状洗剤組成物中の洗浄性ビルダーの含有量は、充分な洗浄性能を付与する点から、10〜80質量%が好ましく、20〜75質量%がより好ましい。
(蛍光増白剤)
蛍光増白剤としては、たとえば4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)−ビフェニル塩、4,4’−ビス−(4−クロロ−3−スルホスチリル)−ビフェニル塩、2−(スチリルフェニル)ナフトチアゾール誘導体、4,4’−ビス(トリアゾール−2−イル)スチルベン誘導体、ビス−(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体等が挙げられる。
上記蛍光増白剤は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粒状洗剤組成物中の蛍光増白剤の含有量は、0.001〜1質量%が好ましい。
市販品として具体的には、ホワイテックスSA、ホワイテックスSKC(以上、商品;住友化学(株)製);チノパールAMS−GX、チノパールDBS−X、チノパールCBS−X(以上、商品名;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製);LemoniteCBUS−3B(以上、商品名;Khyati Chemicals製)等が好適なものとして挙げられる。なかでも、チノパールCBS−X、チノパールAMS−GXがより好ましい。
(酵素)
酵素としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類、およびイソメラーゼ類が挙げられ、本発明においてはいずれも適用できる。
なかでも、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ等が好ましい。
プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼAまたはB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼAまたはB等が挙げられる。
市販品としては、サビナーゼ、アルカラーゼ、カンナーゼ、エバラーゼ、デオザイム(以上、商品名;ノボザイムズ社製);API21(商品名、昭和電工(株)製);マクサカル、マクサペム(以上、商品名;ジェネンコア社製);プロテアーゼK−14またはK−16(特開平5−25492号公報に記載のプロテアーゼ)等を挙げることができる。
エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類、ホスホターゼ類等が挙げられる。
リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、ライペックス(以上、商品名;ノボザイムズ社製)、リポサム(商品名、昭和電工(株)製)等の市販のリパーゼ等を挙げることができる。
セルラーゼとしては、たとえば市販品のセルザイム(商品名、ノボザイムズ社製);アルカリセルラーゼK、アルカリセルラーゼK−344、アルカリセルラーゼK−534、アルカリセルラーゼK−539、アルカリセルラーゼK−577、アルカリセルラーゼK−425、アルカリセルラーゼK−521、アルカリセルラーゼK−580、アルカリセルラーゼK−588、アルカリセルラーゼK−597、アルカリセルラーゼK−522、CMCアーゼI、CMCアーゼII、アルカリセルラーゼE−II、およびアルカリセルラーゼE−III(以上、特開昭63−264699号公報に記載のセルラーゼ)等が挙げられる。
アミラーゼとしては市販のターマミル、デュラミル(ノボザイムズ社製)等を挙げることができる。
上記酵素は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、酵素は、別途安定な粒子として造粒したものを、洗剤生地(粒子)にドライブレンドした状態で使用することが好ましい。
(酸素安定剤)
酵素安定剤としては、たとえばカルシウム塩、マグネシウム塩、ポリオール、蟻酸、ホウ素化合物等を配合することができる。なかでも、4ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム等が好ましい。
酵素安定剤は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粒状洗剤組成物中の酵素安定剤の含有量は、0.05〜2質量%が好ましい。
(ポリマー類)
本発明の粒状洗剤組成物においては、粒状洗剤組成物粒子を高密度化する場合に使用されるバインダーもしくは粉体物性調整剤として、または疎水性微粒子(汚れ)に対する再汚染防止効果を付与するため、平均分子量が200〜200000のポリエチレングリコール、質量平均分子量1000〜100000のアクリル酸および/またはマレイン酸ポリマーの塩、ポリビニルアルコール等を配合することができる。
また、汚れ放出剤としてテレフタル酸に由来する繰返し単位と、エチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールに由来する繰返し単位とのコポリマー、またはターポリマー等を配合することができる。
また、色移り防止効果を付与するため、ポリビニルピロリドン等を配合することができる。
かかるポリマー類は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粒状洗剤組成物中の上記ポリマー類の含有量は、0.05〜5質量%が好ましい。
(ケーキング防止剤)
ケーキング防止剤としては、パラトルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、微粉末シリカ、粘土、酸化マグネシウム等を配合することができる。
(消泡剤)
消泡剤としては、従来公知の、たとえばシリコーン/シリカ系のものを挙げることができる。また、かかる消泡剤は、下記消泡剤造粒物として用いてもよい。
消泡剤造粒物は以下のようにして得ると好ましい。
まず、マルトデキストリン(商品名、日澱化学株式会社製;酵素変性デキストリン)100gに、消泡剤成分としてシリコーン(コンパウンド型、商品名:PSアンチフォーム、ダウコーニング社製)20gを添加し混合して均質混合物を得る。次に、得られた均質混合物50質量%、ポリエチレングリコール(PEG−6000,融点58℃)25質量%、および中性無水芒硝25質量%を70〜80℃で混合した後、押出し造粒機(型式EXKS−1、不二パウダル株式会社製)により造粒し、消泡剤造粒物を得る(特開平3−186307号公報参照)。
(還元剤)
還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等が挙げられる。
(金属イオン補足剤)
金属イオン捕捉剤は、水道水中の微量金属イオン等を捕捉し、金属イオンの繊維(被洗物)への吸着を抑制する効果を有する。
金属イオン捕捉剤としては、前記洗浄性ビルダーに包含されるものの他に、グリコールエチレンジアミン6酢酸等のアミノポリ酢酸類;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP−H)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、ヒドロキシエタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、ヒドロキシメタンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、2−ヒドロキシエチルイミノジメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体またはその塩;ジグリコール酸、シュウ酸等の有機酸類またはその塩等が挙げられる。
上記金属イオン捕捉剤は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
粒状洗剤組成物中の金属イオン捕捉剤の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜3質量%である。0.1質量%以上であれば、水道水中の金属イオンを捕捉する効果が向上する。一方、5質量%以下であれば、金属イオンを捕捉する効果が充分に得られる。
(pH調整剤)
本発明の粒状洗剤組成物は、そのpHが特に制限されるものではないが、洗浄性能の点から、粒状洗剤組成物の1質量%水溶液におけるpHが8以上であることが好ましく、該1質量%水溶液におけるpHが9〜11であることがより好ましい。前記pHが8以上であることにより、洗浄効果が発揮されやすくなる。
粒状洗剤組成物のpHを制御するための技術としては、通常アルカリ剤によってpH調整が行われており、前記洗浄性ビルダーに記載のアルカリ剤のほか、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
具体的には、たとえば、水への溶解性およびアルカリ度の点から、炭酸ナトリウムと珪酸ナトリウムと水との割合が55/29/16(質量比)の混合物であるNABION15(商品名、ローディア社製)を用いるのが好ましい。
また、粒状洗剤組成物のpHが高くなりすぎることを防止するために、酸等を用いて上記pHの範囲に調整することもできる。
かかる酸としては、前記金属イオン捕捉剤、リン酸2水素カリウム等のアルカリ金属リン酸2水素塩、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸、またはそれらのポリカルボン酸、クエン酸、炭酸水素ナトリウム、硫酸、塩酸等を使用することができる。
また、洗浄時に繊維の汚れに由来する酸成分によるpHの低下を防止するための緩衝剤の使用も可能である。
上記pH調整剤は、1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(香料)
本発明における香料とは、香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物(香料組成物)である。
かかる香料としては、たとえば特開2002−146399号公報、特開2003−89800号公報に記載のもの等を用いることができる。
粒状洗剤組成物中の香料の含有量は、0.001〜2質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。
(色素)
本発明においては、粒状洗剤組成物の外観を良好にするために、染料、顔料等の各種色素を用いることができる。なかでも、保存安定性の点から顔料が好ましく、耐酸化性を有するものが特に好ましい。
かかる色素としては、たとえば酸化物等が挙げられ、好ましくは、酸化チタン、酸化鉄、銅フタロシアニン、コバルトフタロシアニン、群青、紺青、シアニンブルー、シアニングリーン等が挙げられる。
[粒状洗剤組成物の効果]
以上のように、本発明の粒状洗剤組成物は、上記(A)成分、(B)成分及び、(C)成分を含有している。
ここで、(B)成分であるキトサンは、日光に対する光退色抑制効果を有している。
日光による退色は、水道水中の残留塩素が被洗物上に残っていることで起こると予測され、この被洗物上の残留塩素を除去する必要があると考えられる。(B)成分であるキトサンには、水道水中の残留塩素を吸着する性質があると思われ、この性質によって日光による退色を抑制する効果を得られると考えられる。
更に、(C)成分を添加するとキトサンの被洗物への吸着を促進することが可能となる。これは、(C)成分が被洗物への吸着性を有しており、更にキトサンとセルロース構造類似的に相互作用するためであると考えられる。本発明では(B)成分と(C)成分とを併用することで、濯ぎなどの洗浄過程を経ても、被洗物上にキトサンが存在し、残留塩素を吸着することを可能としていると予測される。また、キトサンに吸着された残留塩素は、日光の下で乾燥をしても吸着されたままであるので、日光に対する光退色抑制効果を持続させることが可能であると考えられる。
[粒状洗剤組成物の製造方法]
本発明の粒状洗剤組成物の製造方法は、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分等による原料の一部を混合・攪拌して噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を得る噴霧乾燥工程と、該噴霧乾燥粒子と該原料の残りの一部を捏和・混練して混練物を得る捏和混練工程と、該混練物を切断・粉砕した後、該原料の残りを加えて造粒し、粒状洗剤組成物を得る造粒工程とを有すると好ましい。
具体例の一つとして、以下のような製造方法が考えられる。
<噴霧乾燥工程>
まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を調整する。これに、(A)成分、(B)成分及び(C)成分等による原料の一部を添加し、撹拌する。このようにして、噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて噴霧乾燥し、水分を含有する噴霧乾燥粒子を得る。
<捏和混練工程>
次に、上記噴霧乾燥粒子及び原料の残りの一部を、連続ニーダーに投入し、捏和し、界面活性剤含有混練物を得る。
<造粒工程>
得られた界面活性剤含有混練物を、押し出しつつカッターで切断し、長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得る。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に、粉砕助剤としての粒子状ゼオライトを添加し、冷風共存下で粉砕する。
更に、水平円筒型転動混合機等で、微粉ゼオライトを加え、必要に応じてノニオン界面活性剤や香料等を噴霧しつつ転動させ、表面改質をして界面活性剤含有粒子を調製する。
最後に、水平円筒型転動混合機等により、上記界面活性剤含有粒子及び原料の残りを混合し粒状洗剤組成物を製造する。
以上の製造方法において、(B)成分の配合は特に限定はされず、噴霧乾燥工程にて、アルカリ成分やビルダー成分と共にスラリーで予備混合して噴霧乾燥により粒子にしたり、捏和混練工程にて、捏和時に添加して噴霧乾燥粒子と混練したり、造粒工程にて、原料粉体のまま後混合で添加することができる。
特に、噴霧乾燥工程で噴霧乾燥により粒子中に内在させる、若しくは、捏和混練工程で捏和時に添加して噴霧乾燥粒子と混練すると、本発明の粒状洗剤組成物中にキトサンが均一に分散するのでより良好な効果が得られ好ましい。
以上の製造方法において、(C)成分の配合は特に限定はされず、噴霧乾燥工程にて、アルカリ成分やビルダー成分と共にスラリーで予備混合して噴霧乾燥により粒子にしたり、捏和混練工程にて、捏和時に添加して噴霧乾燥粒子と混練したり、造粒工程にて、原料粉体のまま後混合で添加することができる。
特に、効果の均一性の観点から、噴霧乾燥工程で噴霧乾燥により粒子中に内在させる、若しくは、捏和混練工程で捏和時に添加して噴霧乾燥粒子と混練することがより好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
また、実施例及び比較例で用いた使用原料における各物性は、以下の方法で測定した。
[物性測定方法]
<(B)成分>
(粘度)
0.5質量%酢酸水溶液中に(B)成分の各試料を濃度が0.5質量%となるようにして溶解し、20℃で2時間撹拌後、恒温槽中で20℃に保ちながらB型粘度計を用い、No.2ローター、30rpmの条件で2分後の回転粘度(mPa・s)を測定した。
(脱アセチル化度)
0.5質量%酢酸水溶液中に(B)成分の各試料を濃度が0.5質量%となるようにして溶解し、その後、指示薬としてトルイジンブルー溶液を用い、ポリビニル硫酸カリウム水溶液でコロイド滴定し、脱アセチル化度(%)を算出した。
(質量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて以下の測定条件で各試料(0.05%溶液)を測定し、分子量既知のプルランを用い算出した。
移動相:0.5M酢酸/酢酸ナトリウム緩衝溶液
流量:1.0ml/min
試料濃度:0.02〜0.3質量%(溶媒:0.5M酢酸/酢酸ナトリウム緩衝溶液)
注入量:200μl
送液ポンプ:Shodex DS−4(昭和電工製)
デガッサー:ERC3115(ERC社製)
カラム温度:40℃
カラム:Shodex OHpack SB‐G+SB‐806HG+SB‐805HG(昭和電工製)
RI検出器:Shodex RI−71(昭和電工製)
標準物質:Shodex Pullulan;P−5、P−10、P−20、P−50、P−100、P−200、P−400、P−800(昭和電工製)
<(C)成分>
(質量平均分子量:カチオン化セルロース)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により以下の条件で測定した。
移動相:0.3M NaClO、0.02% NaN水溶液
流速:1.0ml/min
試料濃度:0.05〜0.1質量%(0.3M NaClO、0.02% NaN水溶液)
注入量:300μl
送液ポンプ:Shodex DS−4(昭和電工製)
デガッサー:ERC3115(ERC社製)
カラム温度:40℃
カラム:TSKgel α-M×2+α2500(東ソー製)
プレカラム:TSKguardcolumnα(東ソー製)
RI検出器:Shodex RI−71(昭和電工製)
標準物質:ポリエチレンオキシド(ポリマースタンダードサービス社製)
(質量平均分子量:ヒドロキシプロピルメチルセルロース)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)−多角度レーザー光散乱検出装置(MALLS)システムにより以下の条件で測定した。
移動相:0.1M NaNO
流速:1.0ml/min
試料濃度:0.02〜0.3質量%(溶媒:0.1M NaNO
注入量:200μl
送液ポンプ:Shodex DS−4(昭和電工製)
デガッサー:ERC3115(ERC社製)
カラム温度:40℃
カラム:Shodex SB−806MHQ(昭和電工製)
光散乱検出器:DOWN DSP−F(Wyat Technologie社製)
RI検出器:Shodex RI−71(昭和電工製)
MALLSによる質量平均分子量測定は、dn/dc値(比屈折率)によるZimmPlot法により行った。
(質量平均分子量:カルボキシメチルセルロース)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により以下の条件で測定した。
移動相:0.1M NaNO
流速:1.0ml/min
試料濃度:0.02〜0.3質量%(溶媒:0.1M NaNO
注入量:200μl
送液ポンプ:Shodex DS−4(昭和電工製)
デガッサー:ERC3115(ERC社製)
カラム温度:40℃
カラム:Shodex SB−806MHQ(昭和電工製)
光散乱検出器:DOWN DSP−F(Wyat Technologie社製)
RI検出器:Shodex RI−71(昭和電工製)
標準物質:ポリエチレングリコール(ポリマースタンダードサービス社製)
(カチオン化セルロースのカチオン化度)
日本公定書協会編「化粧品原料基準第二法注解II−1984−第5刷」(1992年)の1433頁に記されている窒素定量法に従い、分解装置としてミクロケルダール窒素分解器電熱式(ME−6型;柴田科学製)、蒸留装置として窒素蒸留装置(B−323型;BUCHI(柴田科学)製)を使用し、ケルダール法にて算出した。
(カルボキシメチルセルロースのエーテル化度)
絶乾した各原料(カルボキシメチルセルロースナトリウム;CMC−Na)約0.7gを磁製ルツボ中で700〜800℃に加熱して灰化する。この灰化物の入ったルツボごとビーカーに入れ水に浸し、灰化物を完全に溶出する。これを0.1Nの硫酸でフェノールフタレイン指示薬により中和滴定し、0.1Nの硫酸所要量(ml)を求める。0.1Nの硫酸所要量より、以下の計算式(1)及び(2)に基づいて算出する。計算式(1)中、fは0.1N硫酸の力価を示す。
A=(0.1Nの硫酸の所要量(ml)×f)÷CMC−Na採取量(g)・・・(1)
エーテル化度=162×A÷(10000−80×A)・・・(2)
(ヒドロキシプロピルメチルセルロースのメトキシル基およびヒドロキシプロポキシル基の質量%)
ゴーバー(J.G.Gobler)、サンセル(E.P.Samsel)、ビーバー(G.H.Beaber)著、タランタ(Talanta)、1962年、9474頁に記載されているZeisel−GCによる手法に準じて測定した。
[使用原料]
<(A)成分>
(A−1:MES−1)
炭素数14のアシル基を有する化合物と、炭素数16のアシル基を有する化合物との混合割合が質量比で18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(MES)の水溶液(ライオン(株)製;AI濃度=70質量%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等である。)。
ここで、「AI」とは、MES中に含まれる、界面活性剤としての機能を有する化合物を示す。MES中には、通常、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩のほか、副生物としてα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩が含まれる。α−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩も、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩と同様、界面活性剤としての機能を有している。したがって、AI濃度は、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩と、副生物の1つであるα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩との合計の濃度を意味する。
(A−2:MES−2)
炭素数16のアシル基を有する化合物と、炭素数18のアシル基を有する化合物との混合割合が質量比で8:2のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩の水溶液(ライオン(株)製;AI濃度=70質量%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等である。)。
(A−3:石鹸)
炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67質量%、タイター:40〜45℃;脂肪酸組成:C12 11.7質量%、C14 0.4質量%、C16 29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)0.7質量%、C18F1(オレイン酸)56.8質量%、C18F2(リノール酸)1.2質量%;分子量:289)。
(A−4:LAS)
直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸[ライオン(株)製、ライポンLH−200(LAS−H 純分96質量%)]を用いて界面活性剤組成物を調製する際、該ライポンLH−200を48質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和した化合物と、該ライポンLH−200を48質量%水酸化カリウム水溶液で中和した化合物とを質量比2:1で混合したもの。表中の配合量は、これら混合物としての値(質量%)を示す。
(A−5:ノニオン界面活性剤)
ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製;炭素数12〜16のアルキル基を有するアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90質量%)。
<(B)成分>
(B−1:キトサンA)
HYDAGEN HCMF(粘度65mPa・s、脱アセチル化度85%、質量平均分子量約50万、コグニス社製)
(B−2:キトサンB)
キミカキトサンMP(粘度150mPa・s、脱アセチル度80%、質量平均分子量約150万、株式会社キミカ製)
(B−3:キトサンC)
キミカキトサンL(粘度60mPa・s、脱アセチル化度80%、質量平均分子量約50万、株式会社キミカ製)
(B−4:キトサンD)
ダイキトサンM(粘度400mPa・s、脱アセチル化度85%、質量平均分子量約380万、大日精化工業株式会社製)
(B−5:キトサンE)
ダイキトサンH(粘度800mPa・s、脱アセチル化度85%、質量平均分子量約550万、大日精化工業株式会社製)
(B−6:キトサンF)
ダイキトサン100D(粘度80mPa・s、脱アセチル化度99%、質量平均分子量約70万、大日精化工業株式会社製)
<(C)成分>
(C−1:カチオン化セルロースLF)
ヒドロキシエチルセルロース(住友精化製、商品名:LF−15、1質量%水溶液粘度(25℃):700〜1300mPa・s)30g(100質量部)に、イソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15となる混合溶媒300g(1000質量部)と、更に25質量%水酸化ナトリウム水溶液4.5g(15質量部)とを加えて混合した。次いで、30分間撹拌混合して、混合溶媒の上澄み150g(500質量部)を抜き出した。
その後、50℃まで昇温させ、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(阪本薬品工業製、商品名:SY−GTA80、有効濃度:73質量%水溶液)4g(13質量部)を加えて、3時間反応させた。その後、10質量%塩酸イソプロピルアルコール溶液を加えてpH6に調整し、カチオン化セルローススラリーを得た。
そして、遠心脱水し、乾燥(70〜80℃)を経て、カチオン化セルロースLF(質量平均分子量約90万、カチオン化度0.6質量%、固形分91質量%)を得た。
(C−2:カチオン化セルロースAX)
ヒドロキシエチルセルロース(住友精化製、商品名:AX−15、1質量%水溶液粘度(25℃):1500〜3000mPa・s)30g(100質量部)に、イソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15となる混合溶媒300g(1000質量部)と、更に25質量%水酸化ナトリウム水溶液5g(16.5質量部)とを加えて混合した。次いで、30分間撹拌混合して、混合溶媒の上澄み150g(500質量部)を抜き出した。
その後、50℃まで昇温させ、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(阪本薬品工業製、商品名:SY−GTA80、有効濃度:73質量%水溶液)3g(10質量部)を加えて、3時間反応させた。その後、10質量%塩酸イソプロピルアルコール溶液を加えてpH6に調整し、カチオン化セルローススラリーを得た。
そして、遠心脱水し、乾燥(70〜80℃)を経て、カチオン化セルロースAX(質量平均分子量約160万、カチオン化度0.6質量%、固形分91質量%)を得た。
(C−3:カチオン化セルロースLP)
カチオン化セルロースとして、レオガードLP(質量平均分子量約100万、カチオン化度1.0質量%、ライオンケミカル(株)製)を用いた。
(C−4:カチオン化セルロースMGP)
カチオン化セルロースとして、レオガードMGP(質量平均分子量約160万、カチオン化度1.8質量%、ライオンケミカル(株)製)を用いた。
(C−5:CMC−1)
カルボキシメチルセルロースとして、CMCダイセル1190(質量平均分子量約82万、エーテル化度0.70、ダイセル化学工業(株)製)を用いた。
(C−6:CMC−2)
カルボキシメチルセルロースとして、CMCダイセル1130(質量平均分子量約30万、エーテル化度0.70、ダイセル化学工業(株)製)を用いた。
(C−7:CMC−3)
カルボキシメチルセルロースとして、サンローズ SLD−F1(質量平均分子量約30万、エーテル化度0.30、日本製紙ケミカル(株)製)を用いた。
(C−8:HPMC−1)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとして、メトローズ90SH30000(質量平均分子量約65万、メトキシル基が22%、ヒドロキシプロポキシル基が8%、信越化学工業(株)製)を用いた。
(C−9:HPMC−2)
ヒドロキシプロピルメチルセルロースとして、メトローズ90SH4000(質量平均分子量約30万、メトキシル基が22%、ヒドロキシプロポキシル基が8%、信越化学工業(株)製)を用いた。
<共通成分>
(1)ゼオライト:A型ゼオライト・シルトンB(商品名、水澤化学(株)製;純分80質量%)。
(2)MA剤:アクリル酸/無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩(商品名:アクアリックTL−400、日本触媒(株)製;純分40質量%水溶液)。
(3)亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)。
(4)硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)。
(5)炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製;平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm)。
(6)炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm)。
(7)香料:特開2002−146399号公報 [表11]〜[表18]に示す香料組成物A。
(8)酵素:サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX100T(ノボザイムズ製)/ステインザイム12T(ノボザイムズ製)=5/1/4(質量比)の混合物。
以下の実施例及び比較例にて粒状洗剤組成物に配合される、共通成分(前記(1)〜(8))の配合量を表1に示す。
Figure 0005173509
[粒状洗剤組成物の製造方法(I)]
表2又は3に示す組成に従って、下記に示す調製方法により、実施例1〜5及び7〜23並びに比較例1〜5の粒状洗剤組成物を製造した。
<噴霧乾燥工程>
まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これに、MES、ノニオン界面活性剤を除く(A)成分を添加し、10分間撹拌した。続いて、MA剤、硫酸ナトリウムおよび必要に応じて(B)成分をそれぞれ添加した(該添加の段階を「原料投入1」と称する)。さらに、10分間撹拌した後、ゼオライトの一部(0.5質量%相当量(対界面活性剤含有粒子、以下同じ。)の捏和時添加用、5.0質量%相当量の粉砕助剤用、2.1質量%相当量の表面被覆用の各ゼオライトを除く。)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および亜硫酸ナトリウムをそれぞれ添加した。さらに、20分間撹拌して水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、水分を約5質量%含有する噴霧乾燥粒子を得た。
<捏和混練工程>
原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られた(A)成分の一部であるMESの水性スラリー(水分濃度25質量%)に、ノニオン界面活性剤の一部(MESに対して25質量%)を添加し、水分が11質量%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤との混合濃縮物を得た。
上記噴霧乾燥粒子、必要に応じて上記混合濃縮物、2.0質量%相当量のゼオライト、必要に応じて1.0質量%相当量の噴霧添加用を除く残りのノニオン界面活性剤、水および必要に応じて(B)成分及び(C)成分を、連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し(該投入の段階を「原料投入2」と称する)、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。
<造粒工程>
得られた界面活性剤含有混練物を、穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)、長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に、粉砕助剤としての粒子状ゼオライト(平均粒子径180μm)3.2質量%相当量を添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で、直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5質量%相当量の微粉ゼオライトを加え、必要に応じて1.0質量%相当量のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し、表面改質して界面活性剤含有粒子を調製した。
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)を用いて、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、界面活性剤含有粒子、酵素および必要に応じて(B)成分等を5分間混合し(該混合の段階を「原料投入3」と称する)、各例の粒状洗剤組成物を製造した。
(実施例1〜3)
上記製造方法(I)に従い、表2に示す(B)成分及び(C)成分を「原料投入2」の段階で所定量投入し、粒状洗剤組成物を製造した。
(実施例4)
上記製造方法(I)に従い、表2に示す(B)成分を「原料投入3」の段階で、表2に示す(C)成分を「原料投入2」の段階で所定量投入して混合し、粒状洗剤組成物を製造した。
(実施例5)
上記製造方法(I)に従い、表2に示す(B)成分を「原料投入1」の段階で、表2に示す(C)成分を「原料投入2」の段階で、所定量投入して混合し、粒状洗剤組成物を製造した。
(実施例7〜23)
上記製造方法(I)に従い、表2又は表3に示す(B)成分及び(C)成分を「原料投入2」の段階で所定量投入し、粒状洗剤組成物を製造した。
(比較例1)
上記製造方法(I)に従い、表3に示すように(B)成分及び(C)成分を配合せず、粒状洗剤組成物を製造した。
(比較例2)
上記製造方法(I)に従い、表3に示す(C)成分を「原料投入2」の段階で所定量投入し、且つ、表3に示すように(B)成分を配合せず、粒状洗剤組成物を製造した。
(比較例3)
上記製造方法(I)に従い、表3に示す(B)成分を「原料投入2」の段階で所定量投入し、且つ、表3に示すように(C)成分を配合せず、粒状洗剤組成物を製造した。
(比較例4、5)
上記製造方法(I)に従い、表3に示す(C)成分を「原料投入2」の段階で所定量投入し、且つ、表3に示すように(B)成分を配合せず、粒状洗剤組成物を製造した。
[粒状洗剤組成物の製造方法(II)]
表2に示す組成に従って、下記に示す調製方法により、実施例6の粒状洗剤組成物を製造した。
(実施例6)
<噴霧乾燥工程>
まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これに、(A)成分を添加し、10分間撹拌した。続いて、MA剤、硫酸ナトリウムおよび(B)成分をそれぞれ添加した。さらに、10分間撹拌した後、ゼオライトの一部(0.5質量%相当量(対界面活性剤含有粒子、以下同じ。)の捏和時添加用、5.0質量%相当量の粉砕助剤用、2.1質量%相当量の表面被覆用の各ゼオライトを除く。)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および亜硫酸ナトリウムをそれぞれ添加した。さらに、20分間撹拌して水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、水分を約5質量%含有する噴霧乾燥粒子を得た。
<捏和混練工程>
上記噴霧乾燥粒子、2.0質量%相当量のゼオライト、水および(C)成分を、連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。
<造粒工程>
前記界面活性剤含有混練物を、穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)、長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に、粉砕助剤としての粒子状ゼオライト(平均粒子径180μm)3.2質量%相当量を添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で、直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に、水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5質量%相当量の微粉ゼオライトを加え、1分間転動し、表面改質して界面活性剤含有粒子を調製した。
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)を用いて、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、界面活性剤含有粒子、酵素等の成分を5分間混合し、粒状洗剤組成物を製造した。
[光退色抑制効果試験]
(前処理)
プリントスターTシャツ(丸首半袖ヘビーウエイトTシャツ、カラー“025グリーン”、トムス株式会社製)1kg、二槽式洗濯機(製品名:CW−C30A1−H1形、三菱電機株式会社製)を使用し、50℃の水道水を用い、市販の洗剤トップ(ライオン(株)製)を標準使用濃度(水道水30Lに対して洗剤トップ20g、すなわち667ppm)および浴比30倍で、「15分間洗浄後、5分間脱水」の洗浄・脱水の操作を2度繰り返した後、「15分間流水濯ぎ後、5分間脱水」の濯ぎ・脱水の操作を5回繰り返し、その後、室温で吊り干しすることにより乾燥して前処理を施し、試験に供した。
なお、前処理後のプリントスターTシャツ(グリーン)の、後の洗浄処理において、キセノンロングライフ・フェードメーターにて照射を行う予定の4箇所について直径3cmのサイズにて、色差計(Spectrophotometer SE2000T(日本電色工業(株)製)を用いて測定を行い、平均値をプリントスターTシャツ(グリーン)の色の初期値とした。
B.V.D肌シャツ(丸首半袖Tシャツ、品番G0134TS)1kgにおいても同様の前処理を施した。
(洗浄処理)
洗濯機としてミニ全自動洗濯機(製品名:JW−Z23A、Haier社製)を使用し、該ミニ全自動電気洗濯機の槽内に、水温25℃の水道水12Lを溜め、各実施例及び比較例で製造した粒状洗剤組成物10gをそれぞれ溶解した後、合計600gの衣類(プリントスターTシャツ(グリーン)、B.V.D肌シャツ3.5枚)を投入し、標準コースで洗浄を行った。脱水後、取り出し太陽光に類似した分光分布を有するキセノンロングライフ・フェードメーター(型式FAL−25AX−HC・B・EC、スガ試験機(株)、以下「キセノンランプ」と記載する。)を用い、キセノンランプからの距離を25cm、温度40〜50℃、湿度50%に保ち、キセノンランプを中心として回転させながら1回あたり積算放射照度2500KJ/mとなるよう、事前に初期値を測定した4箇所に照射した。
この洗浄・キセノンランプ照射の工程を5回繰り返した後、色差計(Spectrophotometer SE2000T(日本電色工業(株)製)を用い、洗浄・キセノンランプ照射の工程を5回繰り返した後の色の状態について事前に初期値を測定したのと同じ4箇所を測定し、平均値を求め、これを洗浄処理後のプリントスターTシャツ(グリーン)の色とした。
前記初期値と前記洗浄処理後の色とを比較して退色度合いを算出した(ΔE値)。
比較例1にて処理したグリーンTシャツの退色度変化を100%として、何%退色が抑制できたかを計算した。
なお、該試験における上記キセノンランプによる積算放射照度2500KJ/mの5回繰り返しは、大体夏場の吊干し1日分程度にあたる照度である。
キセノンランプによる試験では、若干の測定触れ・退色ムラが生じることからも、計算により得られた退色度に対して、以下の基準にて判定を行い、結果を表2及び3に示した。
(評価基準)
◎◎:比較例1の退色度に対し、退色抑制効果が20%以上であったもの。
◎:比較例1の退色度に対し、退色抑制効果が15%以上、20%未満であったもの。
○:比較例1の退色度に対し、退色抑制効果が10%以上、15%未満であったもの。
△:比較例1の退色度に対し、退色抑制効果が5%以上、10%未満であったもの。
×:比較例1の退色度に対し、退色抑制効果が5%以下であったもの。
Figure 0005173509
実施例1〜11では、粒状洗剤組成物が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有しているので、光退色抑制効果を得られている。
中でも、実施例4は(B)成分であるキトサンを造粒工程(「原料投入3」)にて行っており、(B)成分が均一に配合されにくく、多少効果が劣る傾向にあった。
また、実施例6〜11より、キトサンの物性は、光退色抑制効果に影響を与えないと考えられる。
Figure 0005173509
実施例12〜23では、粒状洗剤組成物が、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有しているので、光退色抑制効果を得られている。
実施例12〜14及び表2中の実施例2について比較すると、(B)成分であるキトサンの配合量は、光退色抑制効果に影響を与えると考えられ、キトサンが0.2質量%以上配合されているとより良い結果が得られている。
実施例15〜23及び表2中の実施例2について比較すると、(C)成分としてカチオン化セルロースを用いると最も良い効果が得られるといえる。
実施例15〜17及び表2中の実施例2について比較すると、カチオン化セルロースを用いた場合では、特定のカチオン化度の範囲であるほどより高い効果が得られているといえる。また、実施例18〜20よりカルボキシメチルセルロースは分子量が大きいと添加量が少なくても同様の効果が得られ、好ましいといえる。更に、実施例21〜23よりヒドロキプロピルメチルセルロースについては、添加量が多く、かつ分子量が大きいほうがより良い効果が得られるといえる。
比較例1にて製造した粒状洗剤組成物は(B)成分及び(C)成分を含有しておらず、光退色抑制効果を得ることができなかった。
比較例3にて製造した粒状洗剤組成物は、(A)成分及び(B)成分を含有しており、(B)成分のキトサンにより光退色抑制効果を多少得られるが、(C)成分が配合されていないので、被洗物にキトサンが吸着し難く、十分な光退色抑制効果を得られていない。
比較例2、4及び5にて製造した粒状洗剤組成物は、(A)成分及び(C)成分を含有している。つまり、光退色抑制効果を有する(B)成分が含まれておらず、光退色抑制効果を得ることができなかった。

Claims (3)

  1. 下記(A)〜(C)に示す成分を含有する粒状洗剤組成物。
    (A)成分:界面活性剤。
    (B)成分:キトサン。
    (C)成分:カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれる1種又は2種以上よりなる成分。
  2. 前記カチオン化セルロースのカチオン化度が0.4〜1.2質量%である、請求項1記載の粒状洗剤組成物。
  3. 前記1又は2に記載の粒状洗剤組成物の製造方法であって、
    前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分等による原料の一部を混合・攪拌して噴霧乾燥して噴霧乾燥粒子を得る噴霧乾燥工程と、
    該噴霧乾燥粒子と該原料の残りの一部を捏和・混練して混練物を得る捏和混練工程と、
    該混練物を切断・粉砕した後、該原料の残りを加えて造粒し、粒状洗剤組成物を得る造粒工程とを有し、
    前記(B)成分が、前記噴霧乾燥工程、前記捏和混練工程のいずれか又は双方にて配合される製造方法。
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