JP4706816B2 - 液体柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体柔軟剤組成物に関し、より詳しくは、衣料などの繊維製品に使用する繊維製品用液体仕上げ剤として使用することによって、繊維製品に優れた柔軟性、帯電防止性を付与でき、更に、衣類の生乾きなどで生じる臭いを抑制できる液体柔軟剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、洗濯後の繊維製品に柔軟性を付与することを目的として、ジアルキルジメチル型4級塩が用いられているが、これらを用いた柔軟剤組成物は、木綿に対する柔軟性能は良好であるものの、化繊に対する柔軟性能は不充分であり、また、帯電防止性能も十分とは言えないレベルであった。これを解決する手段として、特開昭52−5394号公報にはモノ及びジ長鎖アルキルアルキレンジアミン静電気抑制剤及び第4級アンモニウム系柔軟剤を含有する布類状態調節組成物が記載されている。しかしながら、これらのアミンを含有する柔軟仕上剤は、帯電防止性能は第4級アンモニウム塩を含有する柔軟仕上剤に比べ比較的良いが、柔軟性や弾力性は未だ充分ではなかった。
【0003】
また、最近、生分解性を向上させる目的で、分子内にエステル基を含む柔軟剤基材が用いられており、例えば特開平6−184934号公報には、エステル基を含む特定の柔軟剤基材と両性化合物を組み合わせることにより、帯電防止性を向上させる手段が開示されている。しかしながら、この柔軟剤組成物は、柔軟性能は良好であるものの、帯電防止性能は未だ不充分なものであった。
【0004】
一方、衣類の生乾きなどで生じる臭いを抑制できる液体柔軟剤組成物に関しては、特開2001−192968号公報に開示されているが、殺菌成分を配合しているため、肌の弱い人が使用した場合には問題を生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、各種の繊維に対して優れた柔軟性、帯電防止性を付与でき、衣類の生乾きなどで生じる臭いを抑制できる柔軟剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、上記効果の他に、洗濯ジワを抑制することができる柔軟剤組成物を提供することを第二の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、分子内にエステル基を少なくとも1つ有するアミン化合物、その中和塩、その4級化物又はその混合物と、分子内に少なくとも1つのエステル基又はアミド基と1又は2個の炭素数10〜20の長鎖アルキル基、アルケニル基を有するベタイン、長鎖アルキル基、アルケニル基を含まないベタインを組み合わせることにより、上記課題を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記(a)、(b)及び(c)を、(a)/{(b)+(c)}=2〜100(質量比)となるように含有してなることを特徴とする液体柔軟剤組成物。
(a)分子中に少なくとも1つのエステル基を含有し、且つ1〜3個の長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基を含有するアミン化合物、その中和塩、その4級化物又はその混合物。
(b)分子中に少なくとも1つのエステル基又はアミド基を含有し、且つ1又は2個の炭素数10〜20のアルキル又はアルケニル基を含有する下記一般式(I)で示されるベタイン又はその混合物。
【0008】
【化3】
(但し、上記式中、R1は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を表わし、Sはエステル基又はアミド基を表わし、pは1〜4の整数である。R2は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R3は−(CH2)q−Tであり、qは0〜4である。Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-で示される基である。R4はR1−S−(CH2)p−、R2又はR3である。)
【0009】
【化4】
(c)下記一般式(II)で示されるベタイン。
(但し、上記式中、R5はU−(CH2)p−である。Uは水素原子、ヒドロキシル基又はアミノ基であり、pは1〜4の整数である。R6は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R7は−(CH2)q−Tであり、qは0〜4である。Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-で示される基である。R8はR5、R6又はR7である。)
【0010】
ここで、上記液体柔軟剤組成物が更に、(d)1種以上のシリコーンを組成物全体に対して0.1〜10質量%含有するものであると、より好適である。
【0011】
以下、本発明をより詳細に説明すると、本発明の液体柔軟剤組成物は、(a)特定のアミン化合物、その中和塩、その4級化物又はその混合物、(b)長鎖アルキル基、アルケニル基を含有する特定のベタイン又はその混合物、(c)長鎖アルキル基、アルケニル基を含有しない特定のベタイン又はその混合物を含有するものである。
【0012】
ここで、本発明に用いる(a)成分は、分子中に少なくとも1つのエステル基を含有し、且つ1〜3個の長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基を含有するアミン化合物、その中和塩又はその4級化物であり、アルキル基、アルケニル基の炭素数は、長鎖であればよく、5〜21、特に9〜19が好適である。このような特定のアミン化合物、その中和物又はその4級化物としては、例えば、下記一般式(IIIa)〜(IIIg)で表されるアミン化合物、その中和物又はその4級化物を挙げることができる。これらの中でも特に(IIIc)〜(IIIe)がより好ましい。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
ここで、上記式(IIIa)〜(IIIg)中、R9は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数が好ましくは5〜21、より好ましくは9〜19の飽和又は不飽和炭化水素基(アルキル基又はアルケニル基)であり、R9の元の脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、エイコ酸等が挙げられる。
【0016】
また、上記R9は、飽和炭化水素基(アルキル基)又は不飽和炭化水素基(アルケニル基)のみが存在するようなものであってもよく、あるいは両者が併存するようなものであっても良いが、R9の元となる脂肪酸組成のヨウ素価は0〜100、好ましくは0〜70、更に好ましくは20〜45が好適である。また、(a)成分中の不飽和炭化水素基(アルケニル基)のシス体、トランス体比におけるシス体の比率は液体柔軟剤組成物物の粘度を適度なものに仕上げるため、25%〜95%が好適であり、より好ましくは40〜90%である。
【0017】
ここで、アミン化合物の中和は、通常の酸を用いて行うことができ、酸としては、具体的には塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸、メチル硫酸、エチル硫酸等の有機酸を挙げることができる。
【0018】
また、アミン化合物の4級化物は、過アルキル化法により長鎖アルキル基を有する3級アミンに更にアルキル基を結合することにより得ることができる。過アルキル化剤としては、ジメチル硫酸又は塩化ベンジルを使用することができる。また、これらの過アルキル化剤の代わりに、沃化メチル、塩化メチル、塩化エチル、臭化ブチル等の低級ハロゲン化アルキル、ジエチル硫酸、ジメチル炭酸又はエピクロロヒドリン等を使用してもよい。
【0019】
本発明の(a)成分としては、上記のアミン化合物又はその中和物あるいは4級化物を、1種単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0020】
本発明の液体柔軟剤組成物における上記(a)成分のアミン化合物、その中和物又は4級化物の配合量は、特に制限されるものではないが、各種繊維に十分な柔軟性を付与するという観点及び液体柔軟剤組成物の粘度を適度なものとするという観点から、本発明の液体柔軟剤組成物中に3〜30質量%配合するのが好適であり、より好ましくは3〜20質量%配合される。配合量が少なすぎると、繊維に十分な柔軟性を付与するためには多量の柔軟剤組成物を使用する必要があるため使用性が悪くなる場合があり、多すぎると、液体柔軟剤組成物の粘度が高くなり過ぎて良好な使用性が得られない場合がある。なお、混合物を配合する場合は、上記好適な配合量は、合計量による。
【0021】
本発明で用いる(b)成分は、分子中に少なくとも1つのエステル基又はアミド基を含有し、且つ1又は2個の炭素数10〜20、好ましくは12〜18、より好ましくは14〜18のアルキル基又はアルケニル基を含有し、下記一般式(II)で示されるベタインあるいはその混合物である。
【0022】
【化7】
【0023】
ここで、上記式中、R1は炭素数10〜20、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基を表わし、R1の元の脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、エイコ酸等が挙げられる。また、Sはエステル基又はアミド基を表わし、pは1〜4の整数である。R2は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、具体的には、例えばメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基などを挙げることができる。R3は−(CH2)q−Tであり、qは0〜4、好ましくは2〜3である。Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-で示される基である。R4はR1−S−(CH2)p−、R2又はR3である。
【0024】
上記(b)成分の具体例としては、下記一般式(Ia)〜(If)で表されるベタインを挙げることができる。これらの中でも(Ic)〜(Id)がより好ましい。
【0025】
【化8】
【0026】
但し、上記式(Ia)〜(If)において、R1は飽和炭化水素(アルキル)基又は不飽和炭化水素(アルケニル)基のみが存在するようなものであってもよく、あるいは両者が併存するようなものであってもよいが、R1の元となる脂肪酸組成のヨウ素価としては、0〜100、好ましくは0〜70、更に好ましくは20〜45が好適である。
【0027】
また、上記(b)成分中の不飽和炭化水素(アルケニル)基のシス体、トランス体比におけるシス体の比率は、柔軟剤組成物の粘度を適度なものに仕上げることを考慮すれば、25〜95%、好ましくは40〜90%が好適である。
【0028】
本発明の液体柔軟剤組成物における上記(b)成分のベタインの配合量は、特に制限されるものではないが、通常、組成物全量に対して0.01〜5質量%配合するのが好適であり、より好ましくは0.1〜4質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。配合量が少なすぎると、静電気防止性能が悪く、不快臭の抑制効果も小さい場合があり、多すぎると液体柔軟剤組成物の粘度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
【0029】
本発明で用いる(c)成分は長鎖アルキル基、アルケニル基を含まないベタインであり、下記一般式(II)で示されるベタインである。
【0030】
【化9】
【0031】
ここで、上記式中、R5はU−(CH2)p−である。Uは水素原子、ヒドロキシル基又はアミノ基であり、pは1〜4、好ましくは2〜3の整数である。R6は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。R7は−(CH2)q−Tであり、qは0〜4、好ましくは2〜3である。Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-で示される基である。R8はR5、R6又はR7である。)
【0032】
上記(c)成分の具体例として、下記一般式(IIa)〜(IIf)で表されるベタインを挙げることができる。これらの中でも(IIc)〜(IId)が特に好ましい。
【0033】
【化10】
【0034】
本発明の液体柔軟剤組成物における上記(c)成分のベタインの配合量は、特に制限されるものではないが、通常、組成物全量に対して0.01〜5質量%配合するのが好適であり、より好ましくは0.05〜4質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。配合量が少なすぎると静電気防止性能が悪く、不快臭の抑制効果も小さい場合があり、多すぎると液体柔軟剤組成物の粘度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
【0035】
また、上記(b)成分と上記(c)成分との配合量の合計は、本発明の液体柔軟剤組成物全量に対して0.03〜5質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%であると好適である。配合量がこの範囲にあると、柔軟性能を損なうことなく、良好な帯電防止性能を付与でき、不快臭抑制効果も付与できる。
【0036】
また、本発明で用いる上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分の配合比率は、質量比で、(a)/{(b)+(c)}=2〜100、好ましくは2〜50であり、更に好ましくは3〜35である。上記(a)成分の割合が小さすぎと、十分な柔軟性能を発揮できず、大きすぎると液体柔軟剤組成物の粘度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
【0037】
また、上記(b)成分と上記(c)成分との比率が、1/99〜99/1、好ましくは15/85〜99/1、更に好ましくは30/70〜95/5であると、好適である。(b)成分の割合が大きすぎても、小さすぎても液体柔軟剤組成物の粘度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
【0038】
本発明の液体柔軟剤組成物は、上記成分に加えて、更に、(d)成分としてシリコーンを配合すると、より好適であり、上記シリコーンとしては、変性シリコーンであっても未変性シリコーンであってもよい。
【0039】
本発明の(d)成分として用いられる未変性シリコーンとしては、架橋型を含めた高分子量の未変性シリコーンが好適であり、より具体的には、重量平均分子量が100,000〜500,000,000、好ましくは500,000〜500,000,000、より好ましくは500,000〜100,000,000のものが好適である。また、変性シリコーンとしては、アミノ変性シリコーン、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミド・ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、重量平均分子量が3,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000の範囲のものが好適である。いずれの場合も主鎖の末端は、メチル基、ヒドロキシル基、水素原子であることが望ましい。これらの中でも、特にポリエーテル変性シリコーンがより好ましく、中でも下記一般式(IV)で示されるポリエーテル変性シリコーンであると、特に好ましい。
【0040】
【化11】
(但し、上記式中、−Zは、それぞれ独立に−R、−O−R、−OH、−O−X−R、−O−X−Hである。Rは同一でも異なっていてもよく、いずれも飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭素数1〜4の炭化水素基であり、Xはポリオキシアルキレン基である。−Yは、−R10−O−X−R11又は−O−X−R11であり、R10は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基である。Lは0〜50、Mは1〜1000、Nは10〜10000である。但し、ポリオキシアルキレン基X中のポリオキシエチレン鎖部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10〜60質量%である)。
【0041】
上記一般式(IV)において、−Zは、−R、−OHが好ましい。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和炭化水素基が好ましく、中でもメチル基が好ましい。R10は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などの飽和炭化水素基が好ましく、中でもプロピレン基が好ましい。R11が炭化水素基である場合には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和炭化水素基が好ましい。特に好ましいR11は、水素原子又はメチル基である。
【0042】
また、上記一般式(IV)において、Xはポリオキシアルキレン基を表す。Xは、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等であってもよく、あるいはオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位又はオキシブチレン単位などが、ブロック状あるいはランダムに配列してたものであっても構わない。但し、X中のポリオキシエチレン鎖部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10〜60質量%であり、好ましくは15〜45質量%であり、更に好ましくは20〜35質量%である。また、ポリオキシアルキレン基Xの質量を基準とするポリオキシエチレン鎖の部分の質量割合は、50〜100質量%であるのが好ましく、65〜100質量%であるのがより好ましい。
【0043】
更に、上記一般式(IV)において、L、M及びNは、いずれも各繰返し単位の数の平均値を表し、Lは0〜50、好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜3であり、Mは1〜1000、好ましくは1〜300、更に好ましくは1〜50であり、Nは10〜10000、好ましくは20〜3000、更に好ましくは20〜500である。なお、一般式(IV)で表される変性シリコーンは、各繰返し単位がブロック状に配列しているブロックコポリマーの構造を有するものであってもよく、あるいは、各繰返し単位がランダムに配列しているランダムコポリマーの構造を有するものであってもよい。
【0044】
上記一般式(IV)で表される変性シリコーンの製造方法は、特に限定されるものではない。ポリオキシアルキレン基を有するシリコーンは、Si−H基を有するシリコーンとポリオキシアルキレン又は炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとの付加反応により製造することができる。製造の際、ポリオキシアルキレン又は炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレン、環状シリコーンなどの未反応原料、エタノール、イソプロピルアルコールなどの製造時に用いる溶剤、白金系などの触媒が微量残存するが本発明の効果に影響を与えない。
【0045】
本発明で用いる上記(d)成分の動粘度は、乳化物でない場合には、ハンドリング性の観点から25℃で100〜1,000,000mm2/sのものが好ましく、更に好ましくは100〜10,000mm2/sである。また、乳化物の形態で用いる場合には、シリコーン自体の粘度は100,000以上であることが好ましく、乳化物の粘度としては25℃で2,000mPa・s以下であることが好ましい。なお、変性度合い及び変性種類の異なるシリコーンを2種以上併用しても効果には悪影響を与えない。また、上記(d)成分としてポリオキシアルキレン基を含有するものを用いると、柔軟剤組成物で処理した衣類の帯電防止能がより良好となり、特に上記一般式(IV)で表される変性シリコーンを用いると、繊維製品により好ましい柔軟性を付与し、且つ洗濯シワを低減する効果もより良好となる。
【0046】
本発明の液体柔軟剤組成物に上記(d)成分を配合する場合、その配合量は、特に制限されるものではないが、通常、本発明の柔軟剤組成物中に好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜10質量%配合される。配合量が0.5質量%未満では洗濯ジワを抑制する効果が不充分となる場合があり、10質量%を超えると柔軟剤組成物の粘性が高くなる場合がある。
【0047】
本発明の液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分に加えて、更に、粘度安定剤、性能向上剤として非イオン界面活性剤、炭化水素を添加することができる。特に、組成物中での分散性を向上する目的でアルコール又はアミン又は脂肪酸にアルキレンオキシド付加した非イオン界面活性剤を用いることができる。炭素鎖部分は、分岐していても直鎖でもよく、不飽和があってもよい。また、炭素鎖に分布があってもよい。炭素鎖は短鎖でも長鎖でもよいが、好ましくは炭素数が6〜20、より好ましくは8〜18である。炭素鎖が直鎖である場合には、炭素数が6〜14のものが好ましく、より好ましくは8〜12である。炭素鎖が分岐鎖である場合には、炭素数が6〜17のものが好ましく、より好ましくは9〜17、最も好ましくは13である。原料としては、エクソン化学(株)製エクサール、BASF社製Lutensol TO、協和発酵工業(株)オキソコールC13などを使用することができる。
【0048】
また、特にアルコールのアルキレンオキシド付加物の場合には、1級アルコールでも2級アルコールでも使用できるが、1級アルコールを用いたほうが組成物の分散性が良好である。炭素数が13のアルコールは、ドデセンを原料に製造されるが、その出発原料としてはブチレンでもプロピレンでもよい。
【0049】
炭素鎖が不飽和基を含む場合には、炭素数は18であるものが好ましく、不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が25/75〜100/0(質量比)であることが好ましい。
【0050】
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)が好ましいが、エチレンオキサイドと共に、プロピレンオキサイド(PO)又はブチレンオキサイド(BO)を付加してもよい。EOの平均付加モル数としては、10〜100モルであり、好ましくは20〜80モル、特に好ましくは30〜60モルである。また、EOとともに付加するPO又はBOの平均付加モル数としては、0〜5であり、好ましくは0〜3モルである。この際、EOを付加した後、PO又はBOを付加しても、あるいはPO又はBOを付加した後、EOを付加してもよい。
【0051】
アルキレンオキシド付加型の非イオン性界面活性剤として、より具体的には、ノニルアルコールの平均EO9PO1付加物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、ラウリルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO40モル付加物、牛脂アルキルアミンの平均EO60付加物、牛脂アルキルアミンの平均EO60付加物、オレイルアミンの平均EO50付加物、ラウリン酸の平均EO20モル付加物などが挙げられる。日本エマルジョン株式会社のエマレックスシリーズ、三洋化成株式会社のエマルミンシリーズ、ライオン化学株式会社のTDAシリーズ、エソミンシリーズ、(株)日本触媒製ソフタノール300等のソフタノールシリーズ、BASF社製Lutensolシリーズ等を使用することができる。本発明の柔軟剤組成物に上記アルキレンオキシド付加型の非イオン性界面活性剤を配合する場合、好適な配合量は0〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.3〜3質量%である。
【0052】
その他の非イオン界面活性剤として、グリセリンと脂肪酸とのエステル化物(モノ体、ジ体の混合物)、炭素数6〜18のアルキルポリグルコシド、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪酸アミド、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等、糖類とのエステル及びエトキシ化エステルを用いることができる。HLB値が5〜20の範囲内であるものが好ましく、8〜16のものが特に好ましい。
【0053】
また、上記炭化水素として、例えば流動パラフィンなどの常温で液体である炭化水素を組成物中に0〜2.0質量%用いることもできる。
【0054】
更に、組成物の粘度をコントロールする目的で無機又は有機の水溶性塩類を用いることができる。このような水溶性塩類としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、グリコール酸カリウム、乳酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムである。好適な配合量は、0〜3質量%、好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0〜1質量%である。塩の添加は組成物製造のどの工程で入れても構わない。但し、組成物の上記(a)成分の濃度が高い場合に、粘度を低く抑えるためには、塩濃度を高くし、2回以上に分けて添加するのが好ましい。特に好ましくは、組成物製造中に0〜0.5質量%、製造後に0〜0.5質量%添加することであり、製造中の添加量より製造後の添加量を多くすることである。
【0055】
溶剤としては、組成物製造に関してのハンドリング性向上や、低温安定化、組成物の透明化のために、炭素数が1〜10のアルコールを配合することができる。また、特に上記(a)成分のハンドリング性を向上させるために、上記(a)成分の反応溶媒、スラリー溶剤として用いられることもあり、組成物製造の際、持ちこまれてしまう場合もある。具体的には、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、トリメチルペンタンジオール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、2−フェノキシエタノール、2−フェニルエタノールなどである。組成物中には、1種以上の組み合わせで用いることもできる。組成物中の配合量は、通常、0〜15質量%が好適である。低級のアルコールについては、安息香酸デナトリウム、8−アセチル化蔗糖、ブルシン、オレンジ、シトラスなどの変性剤で変性されているものも使用することができる。
【0056】
また、組成物の透明化のためには、特表2000−505155号公報に記載されたモノオール、C6ジオール、C7ジオール、オクタンジオール異性体、ブタンジオール誘導体、トリメチルペンタンジオール異性体、エチルメチルペンタンジオール異性体、プロピルペンタンジオール異性体、ジメチルヘキサンジオール異性体、エチルヘキサンジオール異性体、メチルヘプタンジオール異性体、オクタンジオール異性体、ノナンジオール異性体、アルキルグリセリルエーテル、ジ(ヒドロキシアルキル)エーテル、アリールグリセリルエーテル、芳香族グリセリルエーテル、脂環式ジオールや誘導体、C3〜C7ジオールアルコキシル化誘導体、芳香族ジオール、不飽和ジオールを配合すると、好適である。特に好ましい主溶剤には、1,2−ヘキサンジオールや2−エチル−1,3−ヘキサンジオールのようなヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのようなペンタンジオールを使用することができる。組成物中使用量は0〜40質量%、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは12〜25質量%が好適である。
【0057】
更に、本発明の液体柔軟剤組成物は、外観を向上する目的で、任意の染料及び/又は顔料を配合することができる。好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる水溶性染料の1種以上である。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)等に記載されている。液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、反応性染料が好ましく、その配合量は1〜50ppm、好ましくは1〜30ppmが好適である。
【0058】
そしてまた、本発明の液体柔軟剤組成物には、芳香のために香料を添加することができる。使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)、「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)及び「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,AlluredPub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
【0059】
本発明の液体柔軟剤組成物は、上記(a)成分のアミン化合物等の繊維に対する吸着性を向上させ、エステル基の加水分解を抑制する目的で、pHを1.0〜6.0の範囲にすることが好ましく、好ましくはpH1.5〜5.5、更に好ましくはpH2.0〜4.5の範囲である。pH調整には、任意の無機又は有機の酸及びアルカリを使用することができ、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸などのカルボン酸、アクリル酸などの高分子アクリル酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、トリポリリン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−シアノエチル)アミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、2,3−ジヒドロキシ−N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン等の短鎖アミン化合物又はそれらのアルキレンオキシド付加物、窒素に連結する炭素数が8〜36の長鎖アミン化合物又はそれらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられ、また、上記記載の塩も用いることができる。更に、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩なども使用することができる。これらの中でも、塩酸、硫酸、メチル硫酸、水酸化ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが特に好ましい。
【0060】
また、キレート剤や酸化防止剤や還元剤を配合することにより、上記(a)成分及び柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上させることができる。具体的には、ヒドロキシエタンジホスホン酸(ライオン(株)フェリオックスCY−115)、エチレンジアミンテトラホスホン酸(モンサント社Dequest2041)、D−2000、2010、2066などのホスホン酸系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、クエン酸、カプトカテキュ酸、トリポリリン酸、エチレンジアミンジコハク酸、メチルグリシンジ酢酸、イミノジコハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、アスパラギン酸、ポリグリオキシ酸、ポリアスパラギン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸マレイン酸共重合体(ポリマーの分子量は任意)及びそれらのナトリウム等の塩などのキレート剤が挙げられる。また、特表2000−505155号公報に記載された化合物も使うことができる。
【0061】
上記酸化防止剤の例としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸プロピルの混合物、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル、及びクエン酸の混合物、三級ブチルヒドロキノン、天然のトコフェロール、没食子酸の長鎖エステル(C8〜C22)、例えば没食子酸ドデシル、チバスペシャルティケミカル(株)から入手可能なイルガノックス系化合物、好ましくはイルガノックス3125、イルガノックス1425、イルガノックス3114及びそれらの混合物、また、クエン酸及び/又はクエン酸イソプロピル、モンサントから入手可能な1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)という化学名をもつデクエスト2010、コダックから入手可能な4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンスルホン酸/ナトリウム塩という化学名をもつタイロンのような他のキレート化剤との混合物が含まれる。上記キレート剤は、組成物中に好ましくは0〜3質量%、酸化防止剤は0〜1質量%、還元剤は0〜3質量%使用することができる。使用に際しては、上記(a)成分の製造の際、製造後、また、組成物の製造前後など、本発明の効果を妨げない範囲で任意の場所に添加することができる。
【0062】
そして更に、本発明の液体柔軟剤組成物には、防腐力、殺菌力を強化する目的で以下の化合物の1種又は2種以上を併用して用いることができる。
【0063】
1)イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、3−イソチアゾロン基を含む抗微生物性の有機防腐・殺菌剤が好ましい。これらの化合物は、1981年5月5日発行のLewisらの米国特許第4,265,899号明細書に開示されている。その例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及びそれらの混合物が挙げられる。より好ましい防腐・殺菌剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物であり、さらに好ましくは約77質量%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと約23質量%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物である。ローム・アンド・ハース社のケーソンCG/ICP(約1.5質量%水溶液)、純正化学社製のジュンサイド1(約5質量%水溶液)などジュンサイドシリーズなど市販されているものを使用することができる。
【0064】
2)ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられ、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用でき、それらを任意の混合比で使用することができる。このような化合物としては、アビシア(株)製のプロキセルシリーズ〔BDN(有効分33質量%)、BD20(有効分20質量%)、XL−2(有効分10質量%)、GXL(有効分20質量%)、LV(有効分20質量%)、TN(有効分60質量%)〕、デニサイドBIT/NIPA等の市販品を用いることができる。
【0065】
3)5−ブロモー5−ニトロー1,3−ジオキサン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、5−クロロー5−ニトロー1,3−ジオキサン又は2−クロロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールであり、Henkel社製BronidoxL、Inolex社製Bronopol、吉富製薬社製ブロノポール、ブーツ社製マイアサイドBTなどの市販品を用いることができる。
【0066】
4)安息香酸類又はフェノール化合物としては、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、3−メチル−3−イソプロピルフェノール、o−フェニルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、レゾルシン、クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルーp−クレゾール等を使用することができる。
【0067】
5)長鎖基の総炭素数が40以下のカチオン界面活性物質も使用することができる。具体的には、長鎖基の炭素鎖長が8〜20のモノアルキル型カチオン界面活性剤、牛脂由来及び/又はパーム油由来アルキルアンモニウム塩、それらの部分水添したもの、それらの水添したもの、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム塩などが挙げられる。また、長鎖基の炭素鎖長が8〜14のジアルキル型カチオン界面活性剤、ジデシルジメチルアンモニウム塩なども挙げられる。更に、長鎖基の炭素鎖長が、4〜10のトリアルキル型カチオン界面活性剤、トリオクチルメチルアンモニウム塩、トリヘキシルメチルアンモニウム塩なども挙げられる。
【0068】
上記1)〜3)の化合物は、組成物全量に対して0〜0.1質量%配合されるのが好ましく、更に好ましい配合量は、0.00001〜0.03質量%、より好ましくは0.00005〜0.02質量%である。上記4)〜5)の化合物は、組成物全量に対して0〜3質量%配合されるのが好ましく、更に好ましい配合量は、0.01〜1.5質量%である。
【0069】
また、上記1)〜5)の化合物の2種以上を併用することにより防腐力、殺菌力を強化することができ、高価な上記化合物の使用量を削減することもできる。ケーソンCG/ICP、プロキセルシリーズBDN、マイアサイドBT、安息香酸、ジデシルジメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩の2種以上を併用することが特に好ましく、その配合量は0〜2質量%が好ましく、より好ましくは0.00001〜1質量%、更に好ましくは0.00005〜0.5質量%である。
【0070】
上記1)〜3)の化合物は、安定化のために、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウムなどの金属イオンと塩酸、硝酸、硫酸などの酸やプロピレングリコール、ジプロピレングリコールの存在下で組成物に添加されることが好ましい。
【0071】
また、防腐・殺菌力を向上する目的で更に以下の化合物の一種以上を組成物に対して0〜0.5質量%、好ましくは0〜0.1質量%用いることができる。具体的には、ピリチオンナトリウム、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオン、ジメチロールジメチルヒダントイン、DMDMヒダントイン(Lonza社製Glydant又はGlydan Plus)、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素(一般にジアゾリジニル尿素名で発売されている)、N,N’’−メチレンビス{N’−[1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素}、一般にイミダゾリジニル尿素として知らているものなどのイミダゾリジンジオン化合物、ポリメトキシド二環性オキサゾリジン化合物。ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどの低分子量アルデヒド、一般式HCl・NH2−(CH2)3−[−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH−C(=NH・HCl)−NH−(CH2)3−]x−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH・CNを有するポリヘキサメチレンビグアニドとしても知られているポリアミノプロピルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、クロルヘキシジンとして一般に知られている1,1’−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)、酢酸及びジグルコン酸など塩である二グルコン酸塩やその二酢酸塩、アビシア(株)製Proxel IBなど市販されているもの、1−(3−クロラリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、例えばDow ChemicalからDowicil 200 の商品名で発売されているもの、デヒドロ酢酸、一般にプロパミジンイセチオネートとして知られている4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシプロパンジイセチオネート、一般にヘキサミジンイセチオネートとして知られている4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシヘキサンジイセチオネート、12−(4’−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバミド等などのイミダゾール系又はチアゾール系抗菌剤、クロロブタノールとして一般に知られいる1,1,1−トリクロロ−2−メチルプロパン−2−オール、クロロブタノール、4,4’−(トリメチレンジオキシ)ビス−(3−ブロモベンズアミジン)ジジイセチオネート又はジブロモプロパミジン、ジブロモプロハミジンなど、3,4,4’−トリクロロカルバニリド又はトリクロカルバンとしても知られるN−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、トリクロサンとして−般的に知られている2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、商品名としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製チノサンHP100等、塩化亜鉛などの亜鉛化合物などが挙げられる。
【0072】
本発明の柔軟剤剤組成物には、更に上記成分に加えて、通常柔軟剤組成物に配合される公知の成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。以下、このような成分について述べる。
【0073】
カチオン界面活性剤は家庭用柔軟剤の主基材として用いられており、炭素鎖長が8〜24の2鎖型の長鎖カチオン界面活性剤、炭素鎖長が8〜24の1鎖型の長鎖カチオン界面活性剤、炭素鎖長が8〜24の3鎖型の長鎖カチオン界面活性を用いることができる。上記カチオン界面活性剤には、上記(a)成分以外のアミン、アミン塩、4級アンモニウム塩が含まれる。上記カチオン界面活性剤の製造原料は、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和高級脂肪酸のほか、牛脂、豚脂、パーム油、大豆油、パーム核油、オリーブ油等の天然油脂を分解、精製して得られる脂肪酸、脂肪酸メチルエステルなどの脂肪酸短鎖エステルなどに由来するものである。また、不飽和基を有するものについては、硬化又は部分硬化したものでも構わない。
【0074】
これらの中でも特に、長鎖基は、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、牛脂脂肪酸、部分硬化牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、部分硬化パーム脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸由来のものが好ましい。長鎖基は、飽和型でも不飽和型でも、両者の混合物であっても構わない。組成物製造時の取り扱いやすさからは、長鎖基中に不飽和基が入っていることが好ましい。但し、処理したあとの繊維のぬめり感を高めるためには飽和型の比率を高くすることが好ましい。不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよい。但し、通常は、シス体/トランス体の比率が25/75〜100/0(質量比)であることが用いることが多い。長鎖基1個あたりに2つ以上の不飽和基を含むものを用いることができるが、香気安定性の面から10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることが好ましい。
【0075】
ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、硬化牛脂ジメチルアンモニウムクロライド、部分硬化パームジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルアミン塩酸塩、ココナットアミンアセテート、アルキルアミンアセテート、アルキルジメチルフェニルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。なお、上記カチオン活性剤の製造に使用できる脂肪酸又は/及び脂肪酸メチルエステルは以下の化合物製造の際にも使用することができる。
【0076】
アニオン性界面活性剤の例としては高級アルコール硫酸エステル塩、エトキシ化高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、エトキシ化アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩、エトキシ化高級アルコールリン酸塩等が挙げられる。
【0077】
粘度コントロール、安定化剤として、水溶性無機塩、高分子化合物、ヒドロトロープ、尿素、製造時のハンドリング性向上剤としてアルコール類、シクロデキストリン類などの芳香時間コントロール剤、ポリスチレンのエマルジョンなどの乳濁剤、不透明剤、機能向上剤として、吸放水性コントロール剤としてのポリウレタン及びそのエマルジョン、風合い及び平滑性向上としての高融点ポリエチレン及びそのエマルジョン、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、ポリビニルピロリドンなどの移染防止剤、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤、チバスペシャルティケミカルズ(株)製Ciba(登録商標)TINOSORB(登録商標)FR,FD、CIBAFAST(登録商標)、ベンゾチアゾール系の紫外線吸収剤、染料固定剤、褪色防止剤、染み抜き剤、酵素、セルロース誘導体、抑泡剤などを配合することができる。
【0078】
本発明の液体柔軟剤組成物を収める容器は、特に制限されるものではないが、以下の計量キャップ、ノズルキャップ本体からなる容器が好適に使用することができる。この際、計量キャップの材質の代表例としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの材質のものが選ばれ、内容積は10〜80mLが望ましい。計量キャップの断面形状は円状が一般的であるが、四角形、六角形、八角形などの多角形でも良い。また、必要に応じて内面又は外面に容量表示のための刻印又は印刷、又はすべり止めのためのローレットを施すことができる。また、顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッピング剤などを含むこともできる。
【0079】
また、ノズルキャップは本体の口筒に組みつくキャップ体であって、筒形状の組み付き筒内に、それを上下に隔てる隔壁を設け、この隔壁に内容物を注出する注出口を有する。ここで用いられる部材の材質は高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの材質のものが選ばれる。また、顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッピング剤などを含むこともできる。
【0080】
容器本体は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの材質のものが選ばれる。本体の横断面形状は円状、楕円状などいずれでもよいが、内容量は200〜3000mL程度のものが使用される。把手、ラベルなどを付与して使用性を向上することもできる。また、顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッピング剤などを含むこともできる。
【0081】
また、本発明の液体柔軟剤組成物は、多層フィルムからなる収納袋に収納しても好適である。ここで、図1を用いて本発明の液体柔軟剤組成物を好適に収納し得る収納袋を説明するが、図1は、本発明の液体柔軟剤組成物を好適に収納し得る収納袋の一態様を示すものであって、これに制限されるものではない。
【0082】
図1の自立性収納袋1は、プラスチックフィルムをヒートシールして形成されたシール部2に、収納袋本体3と切除部4とを分画する切断誘導線5を有すると共に収納袋本体の液剤収容部6から前記切断誘導線5を越える位置まで延びる管状の閉路7を有している。この閉路7は、切断誘導線5に沿って切除部4を切断したとき切断誘導線5の位置を注出口9とする液剤の注出路8を形成する。注出路8は、外側に膨出した筒状になっており、移液が容易に行えるようになっている。また、注出路近傍には、リブ11が存在し、移液時に詰め替え用容器が折れ曲がって注出路が閉塞するのを防ぐ役割を果たしている。
【0083】
また、注出路8の少なくとも注出口9近傍が、その上下に形成されているシール部2a、2aを伴って収納袋本体3から突出するように形成されている。注ぎ口10の形状は、特に限定されない。注出路の位置は、容器上部の特に角が好ましい。注ぎ口はハサミで切れる、又は手で切れる、どちらの方法を備えた収納袋でも構わない。手で切れる場合は、フィルムの構成で対応したり、又は炭酸ガスレーザーによる少なくとも1本の連続の切れ目線ないし、不連続のミシン目状切れ目線であってもよい。また、注ぎ口にパイプを備え付けたものでも構わない。
【0084】
多層フィルムを構成する材料としては、内容物の性状安定性・香気安定性、収納袋の強度、経済性、容器使用性の点から、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコール共重合体及びポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができる。多層フィルムは2種以上を用いるが、また同一のフィルムを2層以上用いることもできる。この中でも特に、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートの内から2種以上を組み合わせて使用することが望ましい。多層フィルムを使用して、収納袋を製造する場合、各層に使用するフィルムをラミネートし、ヒートシールする方法によることができるが、特定の成型方法に限定されるものではない。
【0085】
収納袋の厚さは、内容物の性状安定性・香気安定性、包装体の強度、経済性の点から、20〜400μmの範囲内であるのが好ましい。20μmより小さいと包装体の強度が弱くなり、輸送中の落下などにより内容物が洩れる恐れが生じる場合がある。また、400μmより大きいと、経済的でなく環境への負荷が大きいばかりでなく、包装体全体が硬くなり消費者が使用する際に使用性が劣る場合がある。
【0086】
本発明の液体柔軟剤組成物の調製方法については特に制限がなく、種々の方法を用いることができ、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び必要に応じて任意成分を、水又は水性溶媒中に溶解あるいは分散させることにより、調製することができるが、特に特開平2−68137号、特開平5−32788号、特開平5−32789号、特開平10−237762号公報に記載されている方法が好ましい。即ち、第4級アンモニウム塩型カチオン活性剤などの(a)〜(d)成分を含む油相に、水相の一部を添加するか、あるいは水相の一部に該油相を添加して、カチオン活性剤の液晶相を形成させ、次いで該液晶相と残りの水相を混合して液晶相を転相させる方法により、本発明の液体柔軟剤組成物を調製することができる。
【0087】
また、本発明の柔軟剤組成物は、通常の洗濯において洗浄終了後の濯ぎの際に使用される。但し、洗浄工程なしに柔軟剤組成物単独で使用してもかまわない。洗濯工程における洗剤は、アニオン性主体の洗剤でも、非イオン性主体の洗剤でもよく、その他界面活性剤、機能向上剤を含んでいても良く、国内外で市販されている洗剤すべての濯ぎ工程において使用することができる。洗濯機種に特に制限はなく、市販されている全てに使用することができる。繊維製品の仕上げを行う際の使用濃度は、繊維製品への柔軟性付与の観点から、濯ぎ工程で洗濯浴に満たされる繊維製品の仕上げを行う際の水量に対し、(a)成分の濃度が5ppm〜300ppmとなるような量で使用するのが望ましい。より好ましくは10ppm〜100ppmである。但し、使用者が洗濯機種、繊維製品の量、水量などを考慮して、好みの量に調整するのがもっとも好ましい。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、衣料などの繊維製品に使用する繊維製品用液体仕上げ剤として使用することによって、繊維製品に優れた柔軟性、帯電防止性を付与でき、更に、衣類の生乾きなどで生じる臭いを抑制できる液体柔軟剤組成物が得られる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0090】
[実施例1〜58及び比較例1〜8]
表1〜5に示す成分a〜dを表17〜19に示す量と、任意成分としてイソトリデシルアルコールエチレンオキシド付加物(平均40モル付加)を1質量%、塩化カルシウム((株)トクヤマ社製)を0.5質量%、エチレングリコール(三菱化学製)を4質量%、表6〜16に示す香料組成物Aを0.6質量%、一般99合成無変性アルコール(日本エタノール(株)製)を2質量%、ポリエチレングリコール(質量平均分子量1500)を0.2質量%、アシッドレッド138を10ppm、ジブチルヒドロキシトルエンを300ppm、ヒドロキシエタンジホスホン酸を50ppm、ケーソンCG(ローム&ハース社製)100ppm、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(ビーエーエスエフジャパン(株)社製:マイアサイドファーマBP)を50ppm、及びpH調整剤(硫酸、水酸化ナトリウム)を合計配合量が100質量%となるようにバランス量の精製水に乳化分散させて柔軟剤組成物を調製した。なお上記質量%は特に記載が無い場合には組成物中の質量%を表わす。得られた柔軟剤組成物について、繊維に対する柔軟性付与効果、帯電防止効果、不快臭抑制効果、洗濯ジワ抑制効果を下記評価方法に従って評価した。結果を表17〜19に併記する。なお、上記配合量は、ケーソンCG、2−プロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールについては有り姿での配合量を示し、その他の成分は純分換算での配合量を示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
(d)成分
<シリコーン>
シリコーンとして、次の表4に示すシリコーンd−1〜d−6、及び表5に示すシリコーンd−7〜d−12を使用した。
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】
【表9】
【0101】
【表10】
【0102】
【表11】
【0103】
【表12】
【0104】
【表13】
【0105】
【表14】
【0106】
【表15】
【0107】
【表16】
【0108】
【表17】
【0109】
【表18】
【0110】
【表19】
【0111】
<仕上げ剤組成物(液体柔軟剤組成物)の評価方法>
(1)仕上げ剤(液体柔軟剤組成物)による仕上げ処理
市販の綿タオルとアクリルジャージを市販洗剤「トップ」(ライオン(株)社製)により電気洗濯機を用いて3回前処理を行なったものを試験布として用いた(洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、洗浄10分→注水すすぎ10分を2回)。綿タオル700g(約9枚)とアクリルジャージ300gを市販洗剤「トップ」(ライオン(株)社製)で洗浄し(標準使用量、浴比30倍、25℃の水道水使用、10分)、すすぎ2回目に表17〜19に示す仕上げ剤組成物(液体柔軟剤組成物)を水量30Lに対して10g加えて衣料の仕上げ処理(浴比30倍、25℃の水道水使用、3分)を行った(但し実施例13、比較例5、7、8は30g加えた)。その後、20℃、40%RHの条件で24時間自然乾燥し、以下の柔軟性と帯電防止性能の評価を行った。
【0112】
(2)柔軟性の評価は、比較例1に記載の組成物を同様に分散させた組成物を使用して処理した綿タオルを対照として専門パネラー10人による官能一対比較を行ない、以下に示す評価基準で評価を行った。
【0113】
<評価基準>
+2:対照よりはっきり柔らかい
+1:対照よりやや柔らかい
0 :対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや柔らかい
−2:対照の方がはっきり柔らかい
結果は10人のパネラーの平均値を示した。
【0114】
(3)帯電防止性能の評価は柔軟剤で処理したアクリルジャージを20℃、40%RH下で24時間放置し、STATIC HONESTMETER TYPES−5109(SHISHIDO&CO.LTD)を用いて以下の条件で評価を行なった(JIS L−1094A)。
【0115】
印下電圧:10mV
帯電させた時間:30秒
この時、電圧が半分になるまでの時間を測定し、半減期とした。この半減
期を
30秒以内 ◎
60秒以内 ○
120秒以内 △
120秒超 ×
として評価した。
【0116】
(4)不快臭抑制の評価は以下の手順で行なった。(1)と同様に柔軟剤処理を行なった。その後、25℃、70%RHの条件で12時間乾燥し、乾燥後の臭いを10人のパネラーにより以下の評価基準で評価を行った。
【0117】
<評価基準>
ほとんどにおいがしない :0点
僅かに臭いがするが気にならない:1点
臭いがする :2点
はっきりと臭いがする :3点
結果は10人のパネラーの平均点を示した。
【0118】
(5)洗濯ジワの抑制効果
市販のダンガリーシャツ(綿100%)を市販洗剤「トップ」(ライオン(株)社製)により電気洗濯機を用いて2回予備洗浄(洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、、洗浄10分→注水すすぎ10分を2回)を行なった。その後、室温でハンガーにかけて乾燥させた。これをアイロンがけを行ない、まずしわを取り除いた。次いで、このダンガリーシャツ2枚を洗濯ネットにいれ、「トップ」(ライオン(株)社製)により2槽式電気洗濯機を用いて洗浄(浴比30倍、25℃の水道水使用、10分)を行なった。すすぎ3回目に表17〜19に示す仕上げ剤組成物(液体柔軟剤組成物)を水量30Lに対して20g加えて衣料の仕上げ処理を行った(浴比30倍、25℃の水道水使用、3分)。その後、洗濯ネットから衣類を取り出し、1枚づつ10分間脱水した。衣料をハンガーに掛け、20℃、40%RHの条件で自然乾燥し、以下の評価を行った。
【0119】
表17中の比較例1の組成物を使用して仕上げ処理したダンガリーシャツを対照として専門パネラー10人による官能一対比較を行ない、以下に示す基準で評価を行った。
【0120】
<評点>
+2:対照よりはっきり乾燥後のシワが少ない
+1:対照よりやや乾燥後のシワが少ない
0 :対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや乾燥後のシワが少ない
−2:対照の方がはっきり乾燥後のシワが少ない
結果は10人のパネラーの平均値を示した。
【0121】
[実施例59〜77]
成分a〜dと表20に示す成分とを表21〜23に示す量と、さらにジブチルヒドロキシトルエン300ppm、ヒドロキシエタンジホスホン酸50ppm、ケーソンCG(ローム&ハース社製)100ppm、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(ビーエーエスエフジャパン(株)社製:マイアサイドファーマBP)を50ppmを共通成分として、合計配合量が100質量%となるようにバランス量の精製水に乳化分散させて、硫酸又は水酸化ナトリウムで表中のpHとなるように調整し、柔軟剤組成物を得た。各柔軟剤組成物について、上述した方法により、柔軟性能と帯電防止性、不快臭抑制力、しわ軽減の評価を行った。結果を表21〜23に併記する。なお、上記成分と、表20に記載した成分の配合量は、ケーソンCG、2−プロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールについては有り姿での配合量を示し、その他の成分は純分換算での配合量を示す。
【0122】
【表20】
【0123】
【表21】
【0124】
【表22】
【0125】
【表23】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体柔軟剤組成物を好適に収容し得る収納袋の一態様を示す概略平面図である。
【符号の簡単な説明】
1 収納袋
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体柔軟剤組成物に関し、より詳しくは、衣料などの繊維製品に使用する繊維製品用液体仕上げ剤として使用することによって、繊維製品に優れた柔軟性、帯電防止性を付与でき、更に、衣類の生乾きなどで生じる臭いを抑制できる液体柔軟剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、洗濯後の繊維製品に柔軟性を付与することを目的として、ジアルキルジメチル型4級塩が用いられているが、これらを用いた柔軟剤組成物は、木綿に対する柔軟性能は良好であるものの、化繊に対する柔軟性能は不充分であり、また、帯電防止性能も十分とは言えないレベルであった。これを解決する手段として、特開昭52−5394号公報にはモノ及びジ長鎖アルキルアルキレンジアミン静電気抑制剤及び第4級アンモニウム系柔軟剤を含有する布類状態調節組成物が記載されている。しかしながら、これらのアミンを含有する柔軟仕上剤は、帯電防止性能は第4級アンモニウム塩を含有する柔軟仕上剤に比べ比較的良いが、柔軟性や弾力性は未だ充分ではなかった。
【0003】
また、最近、生分解性を向上させる目的で、分子内にエステル基を含む柔軟剤基材が用いられており、例えば特開平6−184934号公報には、エステル基を含む特定の柔軟剤基材と両性化合物を組み合わせることにより、帯電防止性を向上させる手段が開示されている。しかしながら、この柔軟剤組成物は、柔軟性能は良好であるものの、帯電防止性能は未だ不充分なものであった。
【0004】
一方、衣類の生乾きなどで生じる臭いを抑制できる液体柔軟剤組成物に関しては、特開2001−192968号公報に開示されているが、殺菌成分を配合しているため、肌の弱い人が使用した場合には問題を生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、各種の繊維に対して優れた柔軟性、帯電防止性を付与でき、衣類の生乾きなどで生じる臭いを抑制できる柔軟剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、上記効果の他に、洗濯ジワを抑制することができる柔軟剤組成物を提供することを第二の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、分子内にエステル基を少なくとも1つ有するアミン化合物、その中和塩、その4級化物又はその混合物と、分子内に少なくとも1つのエステル基又はアミド基と1又は2個の炭素数10〜20の長鎖アルキル基、アルケニル基を有するベタイン、長鎖アルキル基、アルケニル基を含まないベタインを組み合わせることにより、上記課題を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記(a)、(b)及び(c)を、(a)/{(b)+(c)}=2〜100(質量比)となるように含有してなることを特徴とする液体柔軟剤組成物。
(a)分子中に少なくとも1つのエステル基を含有し、且つ1〜3個の長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基を含有するアミン化合物、その中和塩、その4級化物又はその混合物。
(b)分子中に少なくとも1つのエステル基又はアミド基を含有し、且つ1又は2個の炭素数10〜20のアルキル又はアルケニル基を含有する下記一般式(I)で示されるベタイン又はその混合物。
【0008】
【化3】
(但し、上記式中、R1は炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を表わし、Sはエステル基又はアミド基を表わし、pは1〜4の整数である。R2は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R3は−(CH2)q−Tであり、qは0〜4である。Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-で示される基である。R4はR1−S−(CH2)p−、R2又はR3である。)
【0009】
【化4】
(c)下記一般式(II)で示されるベタイン。
(但し、上記式中、R5はU−(CH2)p−である。Uは水素原子、ヒドロキシル基又はアミノ基であり、pは1〜4の整数である。R6は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、R7は−(CH2)q−Tであり、qは0〜4である。Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-で示される基である。R8はR5、R6又はR7である。)
【0010】
ここで、上記液体柔軟剤組成物が更に、(d)1種以上のシリコーンを組成物全体に対して0.1〜10質量%含有するものであると、より好適である。
【0011】
以下、本発明をより詳細に説明すると、本発明の液体柔軟剤組成物は、(a)特定のアミン化合物、その中和塩、その4級化物又はその混合物、(b)長鎖アルキル基、アルケニル基を含有する特定のベタイン又はその混合物、(c)長鎖アルキル基、アルケニル基を含有しない特定のベタイン又はその混合物を含有するものである。
【0012】
ここで、本発明に用いる(a)成分は、分子中に少なくとも1つのエステル基を含有し、且つ1〜3個の長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基を含有するアミン化合物、その中和塩又はその4級化物であり、アルキル基、アルケニル基の炭素数は、長鎖であればよく、5〜21、特に9〜19が好適である。このような特定のアミン化合物、その中和物又はその4級化物としては、例えば、下記一般式(IIIa)〜(IIIg)で表されるアミン化合物、その中和物又はその4級化物を挙げることができる。これらの中でも特に(IIIc)〜(IIIe)がより好ましい。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
ここで、上記式(IIIa)〜(IIIg)中、R9は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ炭素数が好ましくは5〜21、より好ましくは9〜19の飽和又は不飽和炭化水素基(アルキル基又はアルケニル基)であり、R9の元の脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、エイコ酸等が挙げられる。
【0016】
また、上記R9は、飽和炭化水素基(アルキル基)又は不飽和炭化水素基(アルケニル基)のみが存在するようなものであってもよく、あるいは両者が併存するようなものであっても良いが、R9の元となる脂肪酸組成のヨウ素価は0〜100、好ましくは0〜70、更に好ましくは20〜45が好適である。また、(a)成分中の不飽和炭化水素基(アルケニル基)のシス体、トランス体比におけるシス体の比率は液体柔軟剤組成物物の粘度を適度なものに仕上げるため、25%〜95%が好適であり、より好ましくは40〜90%である。
【0017】
ここで、アミン化合物の中和は、通常の酸を用いて行うことができ、酸としては、具体的には塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、安息香酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、アクリル酸、メチル硫酸、エチル硫酸等の有機酸を挙げることができる。
【0018】
また、アミン化合物の4級化物は、過アルキル化法により長鎖アルキル基を有する3級アミンに更にアルキル基を結合することにより得ることができる。過アルキル化剤としては、ジメチル硫酸又は塩化ベンジルを使用することができる。また、これらの過アルキル化剤の代わりに、沃化メチル、塩化メチル、塩化エチル、臭化ブチル等の低級ハロゲン化アルキル、ジエチル硫酸、ジメチル炭酸又はエピクロロヒドリン等を使用してもよい。
【0019】
本発明の(a)成分としては、上記のアミン化合物又はその中和物あるいは4級化物を、1種単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0020】
本発明の液体柔軟剤組成物における上記(a)成分のアミン化合物、その中和物又は4級化物の配合量は、特に制限されるものではないが、各種繊維に十分な柔軟性を付与するという観点及び液体柔軟剤組成物の粘度を適度なものとするという観点から、本発明の液体柔軟剤組成物中に3〜30質量%配合するのが好適であり、より好ましくは3〜20質量%配合される。配合量が少なすぎると、繊維に十分な柔軟性を付与するためには多量の柔軟剤組成物を使用する必要があるため使用性が悪くなる場合があり、多すぎると、液体柔軟剤組成物の粘度が高くなり過ぎて良好な使用性が得られない場合がある。なお、混合物を配合する場合は、上記好適な配合量は、合計量による。
【0021】
本発明で用いる(b)成分は、分子中に少なくとも1つのエステル基又はアミド基を含有し、且つ1又は2個の炭素数10〜20、好ましくは12〜18、より好ましくは14〜18のアルキル基又はアルケニル基を含有し、下記一般式(II)で示されるベタインあるいはその混合物である。
【0022】
【化7】
【0023】
ここで、上記式中、R1は炭素数10〜20、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基を表わし、R1の元の脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、エイコ酸等が挙げられる。また、Sはエステル基又はアミド基を表わし、pは1〜4の整数である。R2は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、具体的には、例えばメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基などを挙げることができる。R3は−(CH2)q−Tであり、qは0〜4、好ましくは2〜3である。Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-で示される基である。R4はR1−S−(CH2)p−、R2又はR3である。
【0024】
上記(b)成分の具体例としては、下記一般式(Ia)〜(If)で表されるベタインを挙げることができる。これらの中でも(Ic)〜(Id)がより好ましい。
【0025】
【化8】
【0026】
但し、上記式(Ia)〜(If)において、R1は飽和炭化水素(アルキル)基又は不飽和炭化水素(アルケニル)基のみが存在するようなものであってもよく、あるいは両者が併存するようなものであってもよいが、R1の元となる脂肪酸組成のヨウ素価としては、0〜100、好ましくは0〜70、更に好ましくは20〜45が好適である。
【0027】
また、上記(b)成分中の不飽和炭化水素(アルケニル)基のシス体、トランス体比におけるシス体の比率は、柔軟剤組成物の粘度を適度なものに仕上げることを考慮すれば、25〜95%、好ましくは40〜90%が好適である。
【0028】
本発明の液体柔軟剤組成物における上記(b)成分のベタインの配合量は、特に制限されるものではないが、通常、組成物全量に対して0.01〜5質量%配合するのが好適であり、より好ましくは0.1〜4質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。配合量が少なすぎると、静電気防止性能が悪く、不快臭の抑制効果も小さい場合があり、多すぎると液体柔軟剤組成物の粘度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
【0029】
本発明で用いる(c)成分は長鎖アルキル基、アルケニル基を含まないベタインであり、下記一般式(II)で示されるベタインである。
【0030】
【化9】
【0031】
ここで、上記式中、R5はU−(CH2)p−である。Uは水素原子、ヒドロキシル基又はアミノ基であり、pは1〜4、好ましくは2〜3の整数である。R6は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。R7は−(CH2)q−Tであり、qは0〜4、好ましくは2〜3である。Tは−COO-、−SO3 -、−OSO3 -又は−O-で示される基である。R8はR5、R6又はR7である。)
【0032】
上記(c)成分の具体例として、下記一般式(IIa)〜(IIf)で表されるベタインを挙げることができる。これらの中でも(IIc)〜(IId)が特に好ましい。
【0033】
【化10】
【0034】
本発明の液体柔軟剤組成物における上記(c)成分のベタインの配合量は、特に制限されるものではないが、通常、組成物全量に対して0.01〜5質量%配合するのが好適であり、より好ましくは0.05〜4質量%、更に好ましくは0.1〜3質量%である。配合量が少なすぎると静電気防止性能が悪く、不快臭の抑制効果も小さい場合があり、多すぎると液体柔軟剤組成物の粘度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
【0035】
また、上記(b)成分と上記(c)成分との配合量の合計は、本発明の液体柔軟剤組成物全量に対して0.03〜5質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%であると好適である。配合量がこの範囲にあると、柔軟性能を損なうことなく、良好な帯電防止性能を付与でき、不快臭抑制効果も付与できる。
【0036】
また、本発明で用いる上記(a)成分、上記(b)成分、上記(c)成分の配合比率は、質量比で、(a)/{(b)+(c)}=2〜100、好ましくは2〜50であり、更に好ましくは3〜35である。上記(a)成分の割合が小さすぎと、十分な柔軟性能を発揮できず、大きすぎると液体柔軟剤組成物の粘度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
【0037】
また、上記(b)成分と上記(c)成分との比率が、1/99〜99/1、好ましくは15/85〜99/1、更に好ましくは30/70〜95/5であると、好適である。(b)成分の割合が大きすぎても、小さすぎても液体柔軟剤組成物の粘度が高くなるなどの問題が生じる場合がある。
【0038】
本発明の液体柔軟剤組成物は、上記成分に加えて、更に、(d)成分としてシリコーンを配合すると、より好適であり、上記シリコーンとしては、変性シリコーンであっても未変性シリコーンであってもよい。
【0039】
本発明の(d)成分として用いられる未変性シリコーンとしては、架橋型を含めた高分子量の未変性シリコーンが好適であり、より具体的には、重量平均分子量が100,000〜500,000,000、好ましくは500,000〜500,000,000、より好ましくは500,000〜100,000,000のものが好適である。また、変性シリコーンとしては、アミノ変性シリコーン、アミノ・ポリエーテル変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミド・ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルキル・ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられ、重量平均分子量が3,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000の範囲のものが好適である。いずれの場合も主鎖の末端は、メチル基、ヒドロキシル基、水素原子であることが望ましい。これらの中でも、特にポリエーテル変性シリコーンがより好ましく、中でも下記一般式(IV)で示されるポリエーテル変性シリコーンであると、特に好ましい。
【0040】
【化11】
(但し、上記式中、−Zは、それぞれ独立に−R、−O−R、−OH、−O−X−R、−O−X−Hである。Rは同一でも異なっていてもよく、いずれも飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭素数1〜4の炭化水素基であり、Xはポリオキシアルキレン基である。−Yは、−R10−O−X−R11又は−O−X−R11であり、R10は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基であり、R11は水素原子又は炭素数1〜4の飽和あるいは不飽和の直鎖又は分岐の炭化水素基である。Lは0〜50、Mは1〜1000、Nは10〜10000である。但し、ポリオキシアルキレン基X中のポリオキシエチレン鎖部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10〜60質量%である)。
【0041】
上記一般式(IV)において、−Zは、−R、−OHが好ましい。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和炭化水素基が好ましく、中でもメチル基が好ましい。R10は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などの飽和炭化水素基が好ましく、中でもプロピレン基が好ましい。R11が炭化水素基である場合には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和炭化水素基が好ましい。特に好ましいR11は、水素原子又はメチル基である。
【0042】
また、上記一般式(IV)において、Xはポリオキシアルキレン基を表す。Xは、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等であってもよく、あるいはオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位又はオキシブチレン単位などが、ブロック状あるいはランダムに配列してたものであっても構わない。但し、X中のポリオキシエチレン鎖部分の質量割合は、分子全体の質量を基準として10〜60質量%であり、好ましくは15〜45質量%であり、更に好ましくは20〜35質量%である。また、ポリオキシアルキレン基Xの質量を基準とするポリオキシエチレン鎖の部分の質量割合は、50〜100質量%であるのが好ましく、65〜100質量%であるのがより好ましい。
【0043】
更に、上記一般式(IV)において、L、M及びNは、いずれも各繰返し単位の数の平均値を表し、Lは0〜50、好ましくは0〜10、更に好ましくは0〜3であり、Mは1〜1000、好ましくは1〜300、更に好ましくは1〜50であり、Nは10〜10000、好ましくは20〜3000、更に好ましくは20〜500である。なお、一般式(IV)で表される変性シリコーンは、各繰返し単位がブロック状に配列しているブロックコポリマーの構造を有するものであってもよく、あるいは、各繰返し単位がランダムに配列しているランダムコポリマーの構造を有するものであってもよい。
【0044】
上記一般式(IV)で表される変性シリコーンの製造方法は、特に限定されるものではない。ポリオキシアルキレン基を有するシリコーンは、Si−H基を有するシリコーンとポリオキシアルキレン又は炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンとの付加反応により製造することができる。製造の際、ポリオキシアルキレン又は炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレン、環状シリコーンなどの未反応原料、エタノール、イソプロピルアルコールなどの製造時に用いる溶剤、白金系などの触媒が微量残存するが本発明の効果に影響を与えない。
【0045】
本発明で用いる上記(d)成分の動粘度は、乳化物でない場合には、ハンドリング性の観点から25℃で100〜1,000,000mm2/sのものが好ましく、更に好ましくは100〜10,000mm2/sである。また、乳化物の形態で用いる場合には、シリコーン自体の粘度は100,000以上であることが好ましく、乳化物の粘度としては25℃で2,000mPa・s以下であることが好ましい。なお、変性度合い及び変性種類の異なるシリコーンを2種以上併用しても効果には悪影響を与えない。また、上記(d)成分としてポリオキシアルキレン基を含有するものを用いると、柔軟剤組成物で処理した衣類の帯電防止能がより良好となり、特に上記一般式(IV)で表される変性シリコーンを用いると、繊維製品により好ましい柔軟性を付与し、且つ洗濯シワを低減する効果もより良好となる。
【0046】
本発明の液体柔軟剤組成物に上記(d)成分を配合する場合、その配合量は、特に制限されるものではないが、通常、本発明の柔軟剤組成物中に好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜10質量%配合される。配合量が0.5質量%未満では洗濯ジワを抑制する効果が不充分となる場合があり、10質量%を超えると柔軟剤組成物の粘性が高くなる場合がある。
【0047】
本発明の液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分に加えて、更に、粘度安定剤、性能向上剤として非イオン界面活性剤、炭化水素を添加することができる。特に、組成物中での分散性を向上する目的でアルコール又はアミン又は脂肪酸にアルキレンオキシド付加した非イオン界面活性剤を用いることができる。炭素鎖部分は、分岐していても直鎖でもよく、不飽和があってもよい。また、炭素鎖に分布があってもよい。炭素鎖は短鎖でも長鎖でもよいが、好ましくは炭素数が6〜20、より好ましくは8〜18である。炭素鎖が直鎖である場合には、炭素数が6〜14のものが好ましく、より好ましくは8〜12である。炭素鎖が分岐鎖である場合には、炭素数が6〜17のものが好ましく、より好ましくは9〜17、最も好ましくは13である。原料としては、エクソン化学(株)製エクサール、BASF社製Lutensol TO、協和発酵工業(株)オキソコールC13などを使用することができる。
【0048】
また、特にアルコールのアルキレンオキシド付加物の場合には、1級アルコールでも2級アルコールでも使用できるが、1級アルコールを用いたほうが組成物の分散性が良好である。炭素数が13のアルコールは、ドデセンを原料に製造されるが、その出発原料としてはブチレンでもプロピレンでもよい。
【0049】
炭素鎖が不飽和基を含む場合には、炭素数は18であるものが好ましく、不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が25/75〜100/0(質量比)であることが好ましい。
【0050】
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド(EO)が好ましいが、エチレンオキサイドと共に、プロピレンオキサイド(PO)又はブチレンオキサイド(BO)を付加してもよい。EOの平均付加モル数としては、10〜100モルであり、好ましくは20〜80モル、特に好ましくは30〜60モルである。また、EOとともに付加するPO又はBOの平均付加モル数としては、0〜5であり、好ましくは0〜3モルである。この際、EOを付加した後、PO又はBOを付加しても、あるいはPO又はBOを付加した後、EOを付加してもよい。
【0051】
アルキレンオキシド付加型の非イオン性界面活性剤として、より具体的には、ノニルアルコールの平均EO9PO1付加物、一級イソノニルアルコールの平均EO40モル付加物、一級イソデシルアルコールの平均EO20モル付加物、ラウリルアルコールの平均EO20モル付加物、一級イソへキサデシルアルコールの平均EO60モル付加物、一級イソトリデシルアルコールの平均EO40モル付加物、牛脂アルキルアミンの平均EO60付加物、牛脂アルキルアミンの平均EO60付加物、オレイルアミンの平均EO50付加物、ラウリン酸の平均EO20モル付加物などが挙げられる。日本エマルジョン株式会社のエマレックスシリーズ、三洋化成株式会社のエマルミンシリーズ、ライオン化学株式会社のTDAシリーズ、エソミンシリーズ、(株)日本触媒製ソフタノール300等のソフタノールシリーズ、BASF社製Lutensolシリーズ等を使用することができる。本発明の柔軟剤組成物に上記アルキレンオキシド付加型の非イオン性界面活性剤を配合する場合、好適な配合量は0〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.3〜3質量%である。
【0052】
その他の非イオン界面活性剤として、グリセリンと脂肪酸とのエステル化物(モノ体、ジ体の混合物)、炭素数6〜18のアルキルポリグルコシド、エトキシ化アルキルフェノール、エトキシ化多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪酸アミド、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等、糖類とのエステル及びエトキシ化エステルを用いることができる。HLB値が5〜20の範囲内であるものが好ましく、8〜16のものが特に好ましい。
【0053】
また、上記炭化水素として、例えば流動パラフィンなどの常温で液体である炭化水素を組成物中に0〜2.0質量%用いることもできる。
【0054】
更に、組成物の粘度をコントロールする目的で無機又は有機の水溶性塩類を用いることができる。このような水溶性塩類としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、グリコール酸カリウム、乳酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムである。好適な配合量は、0〜3質量%、好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0〜1質量%である。塩の添加は組成物製造のどの工程で入れても構わない。但し、組成物の上記(a)成分の濃度が高い場合に、粘度を低く抑えるためには、塩濃度を高くし、2回以上に分けて添加するのが好ましい。特に好ましくは、組成物製造中に0〜0.5質量%、製造後に0〜0.5質量%添加することであり、製造中の添加量より製造後の添加量を多くすることである。
【0055】
溶剤としては、組成物製造に関してのハンドリング性向上や、低温安定化、組成物の透明化のために、炭素数が1〜10のアルコールを配合することができる。また、特に上記(a)成分のハンドリング性を向上させるために、上記(a)成分の反応溶媒、スラリー溶剤として用いられることもあり、組成物製造の際、持ちこまれてしまう場合もある。具体的には、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、トリメチルペンタンジオール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン、2−フェノキシエタノール、2−フェニルエタノールなどである。組成物中には、1種以上の組み合わせで用いることもできる。組成物中の配合量は、通常、0〜15質量%が好適である。低級のアルコールについては、安息香酸デナトリウム、8−アセチル化蔗糖、ブルシン、オレンジ、シトラスなどの変性剤で変性されているものも使用することができる。
【0056】
また、組成物の透明化のためには、特表2000−505155号公報に記載されたモノオール、C6ジオール、C7ジオール、オクタンジオール異性体、ブタンジオール誘導体、トリメチルペンタンジオール異性体、エチルメチルペンタンジオール異性体、プロピルペンタンジオール異性体、ジメチルヘキサンジオール異性体、エチルヘキサンジオール異性体、メチルヘプタンジオール異性体、オクタンジオール異性体、ノナンジオール異性体、アルキルグリセリルエーテル、ジ(ヒドロキシアルキル)エーテル、アリールグリセリルエーテル、芳香族グリセリルエーテル、脂環式ジオールや誘導体、C3〜C7ジオールアルコキシル化誘導体、芳香族ジオール、不飽和ジオールを配合すると、好適である。特に好ましい主溶剤には、1,2−ヘキサンジオールや2−エチル−1,3−ヘキサンジオールのようなヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのようなペンタンジオールを使用することができる。組成物中使用量は0〜40質量%、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは12〜25質量%が好適である。
【0057】
更に、本発明の液体柔軟剤組成物は、外観を向上する目的で、任意の染料及び/又は顔料を配合することができる。好ましくは、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染・酸性媒染染料から選ばれる水溶性染料の1種以上である。添加できる染料の具体例は、染料便覧(有機合成化学協会編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)等に記載されている。液体柔軟剤組成物の保存安定性や繊維に対する染着性の観点からは、分子内に水酸基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基から選ばれる少なくとも1種類の官能基を有する酸性染料、反応性染料が好ましく、その配合量は1〜50ppm、好ましくは1〜30ppmが好適である。
【0058】
そしてまた、本発明の液体柔軟剤組成物には、芳香のために香料を添加することができる。使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)、「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)、「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)、「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)及び「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,AlluredPub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
【0059】
本発明の液体柔軟剤組成物は、上記(a)成分のアミン化合物等の繊維に対する吸着性を向上させ、エステル基の加水分解を抑制する目的で、pHを1.0〜6.0の範囲にすることが好ましく、好ましくはpH1.5〜5.5、更に好ましくはpH2.0〜4.5の範囲である。pH調整には、任意の無機又は有機の酸及びアルカリを使用することができ、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸などのカルボン酸、アクリル酸などの高分子アクリル酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、トリポリリン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−シアノエチル)アミン、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、2,3−ジヒドロキシ−N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン等の短鎖アミン化合物又はそれらのアルキレンオキシド付加物、窒素に連結する炭素数が8〜36の長鎖アミン化合物又はそれらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられ、また、上記記載の塩も用いることができる。更に、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩なども使用することができる。これらの中でも、塩酸、硫酸、メチル硫酸、水酸化ナトリウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが特に好ましい。
【0060】
また、キレート剤や酸化防止剤や還元剤を配合することにより、上記(a)成分及び柔軟剤組成物の香気や色調の安定性を向上させることができる。具体的には、ヒドロキシエタンジホスホン酸(ライオン(株)フェリオックスCY−115)、エチレンジアミンテトラホスホン酸(モンサント社Dequest2041)、D−2000、2010、2066などのホスホン酸系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、クエン酸、カプトカテキュ酸、トリポリリン酸、エチレンジアミンジコハク酸、メチルグリシンジ酢酸、イミノジコハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、アスパラギン酸、ポリグリオキシ酸、ポリアスパラギン酸、ポリアクリル酸、アクリル酸マレイン酸共重合体(ポリマーの分子量は任意)及びそれらのナトリウム等の塩などのキレート剤が挙げられる。また、特表2000−505155号公報に記載された化合物も使うことができる。
【0061】
上記酸化防止剤の例としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸プロピルの混合物、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル、及びクエン酸の混合物、三級ブチルヒドロキノン、天然のトコフェロール、没食子酸の長鎖エステル(C8〜C22)、例えば没食子酸ドデシル、チバスペシャルティケミカル(株)から入手可能なイルガノックス系化合物、好ましくはイルガノックス3125、イルガノックス1425、イルガノックス3114及びそれらの混合物、また、クエン酸及び/又はクエン酸イソプロピル、モンサントから入手可能な1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(エチドロン酸)という化学名をもつデクエスト2010、コダックから入手可能な4,5−ジヒドロキシ−m−ベンゼンスルホン酸/ナトリウム塩という化学名をもつタイロンのような他のキレート化剤との混合物が含まれる。上記キレート剤は、組成物中に好ましくは0〜3質量%、酸化防止剤は0〜1質量%、還元剤は0〜3質量%使用することができる。使用に際しては、上記(a)成分の製造の際、製造後、また、組成物の製造前後など、本発明の効果を妨げない範囲で任意の場所に添加することができる。
【0062】
そして更に、本発明の液体柔軟剤組成物には、防腐力、殺菌力を強化する目的で以下の化合物の1種又は2種以上を併用して用いることができる。
【0063】
1)イソチアゾロン系の有機硫黄化合物としては、3−イソチアゾロン基を含む抗微生物性の有機防腐・殺菌剤が好ましい。これらの化合物は、1981年5月5日発行のLewisらの米国特許第4,265,899号明細書に開示されている。その例としては、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−ブチル−3−イソチアゾロン、2−ベンジル−3−イソチアゾロン、2−フェニル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4,5−ジクロロイソチアゾロン、5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾロン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン及びそれらの混合物が挙げられる。より好ましい防腐・殺菌剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物であり、さらに好ましくは約77質量%の5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと約23質量%の2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの水溶性混合物である。ローム・アンド・ハース社のケーソンCG/ICP(約1.5質量%水溶液)、純正化学社製のジュンサイド1(約5質量%水溶液)などジュンサイドシリーズなど市販されているものを使用することができる。
【0064】
2)ベンズイソチアゾリン系の有機硫黄化合物としては、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられ、類縁化合物としてジチオ−2,2−ビス(ベンズメチルアミド)なども使用でき、それらを任意の混合比で使用することができる。このような化合物としては、アビシア(株)製のプロキセルシリーズ〔BDN(有効分33質量%)、BD20(有効分20質量%)、XL−2(有効分10質量%)、GXL(有効分20質量%)、LV(有効分20質量%)、TN(有効分60質量%)〕、デニサイドBIT/NIPA等の市販品を用いることができる。
【0065】
3)5−ブロモー5−ニトロー1,3−ジオキサン、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、5−クロロー5−ニトロー1,3−ジオキサン又は2−クロロ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールであり、Henkel社製BronidoxL、Inolex社製Bronopol、吉富製薬社製ブロノポール、ブーツ社製マイアサイドBTなどの市販品を用いることができる。
【0066】
4)安息香酸類又はフェノール化合物としては、安息香酸又はその塩、サリチル酸又はその塩、パラヒドロキシ安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、3−メチル−3−イソプロピルフェノール、o−フェニルフェノール、2−イソプロピル−5−メチルフェノール、レゾルシン、クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルーp−クレゾール等を使用することができる。
【0067】
5)長鎖基の総炭素数が40以下のカチオン界面活性物質も使用することができる。具体的には、長鎖基の炭素鎖長が8〜20のモノアルキル型カチオン界面活性剤、牛脂由来及び/又はパーム油由来アルキルアンモニウム塩、それらの部分水添したもの、それらの水添したもの、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム塩などが挙げられる。また、長鎖基の炭素鎖長が8〜14のジアルキル型カチオン界面活性剤、ジデシルジメチルアンモニウム塩なども挙げられる。更に、長鎖基の炭素鎖長が、4〜10のトリアルキル型カチオン界面活性剤、トリオクチルメチルアンモニウム塩、トリヘキシルメチルアンモニウム塩なども挙げられる。
【0068】
上記1)〜3)の化合物は、組成物全量に対して0〜0.1質量%配合されるのが好ましく、更に好ましい配合量は、0.00001〜0.03質量%、より好ましくは0.00005〜0.02質量%である。上記4)〜5)の化合物は、組成物全量に対して0〜3質量%配合されるのが好ましく、更に好ましい配合量は、0.01〜1.5質量%である。
【0069】
また、上記1)〜5)の化合物の2種以上を併用することにより防腐力、殺菌力を強化することができ、高価な上記化合物の使用量を削減することもできる。ケーソンCG/ICP、プロキセルシリーズBDN、マイアサイドBT、安息香酸、ジデシルジメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩の2種以上を併用することが特に好ましく、その配合量は0〜2質量%が好ましく、より好ましくは0.00001〜1質量%、更に好ましくは0.00005〜0.5質量%である。
【0070】
上記1)〜3)の化合物は、安定化のために、亜鉛、銅、カルシウム、マグネシウムなどの金属イオンと塩酸、硝酸、硫酸などの酸やプロピレングリコール、ジプロピレングリコールの存在下で組成物に添加されることが好ましい。
【0071】
また、防腐・殺菌力を向上する目的で更に以下の化合物の一種以上を組成物に対して0〜0.5質量%、好ましくは0〜0.1質量%用いることができる。具体的には、ピリチオンナトリウム、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオン、ジメチロールジメチルヒダントイン、DMDMヒダントイン(Lonza社製Glydant又はGlydan Plus)、N−[1,3−ビス(ヒドロキシメチル)2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]−N,N’−ビス(ヒドロキシメチル)尿素(一般にジアゾリジニル尿素名で発売されている)、N,N’’−メチレンビス{N’−[1−(ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素}、一般にイミダゾリジニル尿素として知らているものなどのイミダゾリジンジオン化合物、ポリメトキシド二環性オキサゾリジン化合物。ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドなどの低分子量アルデヒド、一般式HCl・NH2−(CH2)3−[−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH−C(=NH・HCl)−NH−(CH2)3−]x−(CH2)3−NH−C(=NH)−NH・CNを有するポリヘキサメチレンビグアニドとしても知られているポリアミノプロピルビグアニド、ポリアミノプロピルビグアニド、クロルヘキシジンとして一般に知られている1,1’−ヘキサメチレンビス(5−(p−クロロフェニル)ビグアニド)、酢酸及びジグルコン酸など塩である二グルコン酸塩やその二酢酸塩、アビシア(株)製Proxel IBなど市販されているもの、1−(3−クロラリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド、例えばDow ChemicalからDowicil 200 の商品名で発売されているもの、デヒドロ酢酸、一般にプロパミジンイセチオネートとして知られている4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシプロパンジイセチオネート、一般にヘキサミジンイセチオネートとして知られている4,4’−ジアミジノ−α,ω−ジフェノキシヘキサンジイセチオネート、12−(4’−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバミド等などのイミダゾール系又はチアゾール系抗菌剤、クロロブタノールとして一般に知られいる1,1,1−トリクロロ−2−メチルプロパン−2−オール、クロロブタノール、4,4’−(トリメチレンジオキシ)ビス−(3−ブロモベンズアミジン)ジジイセチオネート又はジブロモプロパミジン、ジブロモプロハミジンなど、3,4,4’−トリクロロカルバニリド又はトリクロカルバンとしても知られるN−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、トリクロサンとして−般的に知られている2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、商品名としては、チバスペシャルティケミカルズ(株)製チノサンHP100等、塩化亜鉛などの亜鉛化合物などが挙げられる。
【0072】
本発明の柔軟剤剤組成物には、更に上記成分に加えて、通常柔軟剤組成物に配合される公知の成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。以下、このような成分について述べる。
【0073】
カチオン界面活性剤は家庭用柔軟剤の主基材として用いられており、炭素鎖長が8〜24の2鎖型の長鎖カチオン界面活性剤、炭素鎖長が8〜24の1鎖型の長鎖カチオン界面活性剤、炭素鎖長が8〜24の3鎖型の長鎖カチオン界面活性を用いることができる。上記カチオン界面活性剤には、上記(a)成分以外のアミン、アミン塩、4級アンモニウム塩が含まれる。上記カチオン界面活性剤の製造原料は、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和高級脂肪酸のほか、牛脂、豚脂、パーム油、大豆油、パーム核油、オリーブ油等の天然油脂を分解、精製して得られる脂肪酸、脂肪酸メチルエステルなどの脂肪酸短鎖エステルなどに由来するものである。また、不飽和基を有するものについては、硬化又は部分硬化したものでも構わない。
【0074】
これらの中でも特に、長鎖基は、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、牛脂脂肪酸、部分硬化牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、部分硬化パーム脂肪酸、硬化パーム油脂肪酸由来のものが好ましい。長鎖基は、飽和型でも不飽和型でも、両者の混合物であっても構わない。組成物製造時の取り扱いやすさからは、長鎖基中に不飽和基が入っていることが好ましい。但し、処理したあとの繊維のぬめり感を高めるためには飽和型の比率を高くすることが好ましい。不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよい。但し、通常は、シス体/トランス体の比率が25/75〜100/0(質量比)であることが用いることが多い。長鎖基1個あたりに2つ以上の不飽和基を含むものを用いることができるが、香気安定性の面から10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることが好ましい。
【0075】
ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、硬化牛脂ジメチルアンモニウムクロライド、部分硬化パームジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルアミン塩酸塩、ココナットアミンアセテート、アルキルアミンアセテート、アルキルジメチルフェニルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。なお、上記カチオン活性剤の製造に使用できる脂肪酸又は/及び脂肪酸メチルエステルは以下の化合物製造の際にも使用することができる。
【0076】
アニオン性界面活性剤の例としては高級アルコール硫酸エステル塩、エトキシ化高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、エトキシ化アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩、エトキシ化高級アルコールリン酸塩等が挙げられる。
【0077】
粘度コントロール、安定化剤として、水溶性無機塩、高分子化合物、ヒドロトロープ、尿素、製造時のハンドリング性向上剤としてアルコール類、シクロデキストリン類などの芳香時間コントロール剤、ポリスチレンのエマルジョンなどの乳濁剤、不透明剤、機能向上剤として、吸放水性コントロール剤としてのポリウレタン及びそのエマルジョン、風合い及び平滑性向上としての高融点ポリエチレン及びそのエマルジョン、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、ポリビニルピロリドンなどの移染防止剤、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、蛍光増白剤、チバスペシャルティケミカルズ(株)製Ciba(登録商標)TINOSORB(登録商標)FR,FD、CIBAFAST(登録商標)、ベンゾチアゾール系の紫外線吸収剤、染料固定剤、褪色防止剤、染み抜き剤、酵素、セルロース誘導体、抑泡剤などを配合することができる。
【0078】
本発明の液体柔軟剤組成物を収める容器は、特に制限されるものではないが、以下の計量キャップ、ノズルキャップ本体からなる容器が好適に使用することができる。この際、計量キャップの材質の代表例としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの材質のものが選ばれ、内容積は10〜80mLが望ましい。計量キャップの断面形状は円状が一般的であるが、四角形、六角形、八角形などの多角形でも良い。また、必要に応じて内面又は外面に容量表示のための刻印又は印刷、又はすべり止めのためのローレットを施すことができる。また、顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッピング剤などを含むこともできる。
【0079】
また、ノズルキャップは本体の口筒に組みつくキャップ体であって、筒形状の組み付き筒内に、それを上下に隔てる隔壁を設け、この隔壁に内容物を注出する注出口を有する。ここで用いられる部材の材質は高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの材質のものが選ばれる。また、顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッピング剤などを含むこともできる。
【0080】
容器本体は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの材質のものが選ばれる。本体の横断面形状は円状、楕円状などいずれでもよいが、内容量は200〜3000mL程度のものが使用される。把手、ラベルなどを付与して使用性を向上することもできる。また、顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、スリッピング剤などを含むこともできる。
【0081】
また、本発明の液体柔軟剤組成物は、多層フィルムからなる収納袋に収納しても好適である。ここで、図1を用いて本発明の液体柔軟剤組成物を好適に収納し得る収納袋を説明するが、図1は、本発明の液体柔軟剤組成物を好適に収納し得る収納袋の一態様を示すものであって、これに制限されるものではない。
【0082】
図1の自立性収納袋1は、プラスチックフィルムをヒートシールして形成されたシール部2に、収納袋本体3と切除部4とを分画する切断誘導線5を有すると共に収納袋本体の液剤収容部6から前記切断誘導線5を越える位置まで延びる管状の閉路7を有している。この閉路7は、切断誘導線5に沿って切除部4を切断したとき切断誘導線5の位置を注出口9とする液剤の注出路8を形成する。注出路8は、外側に膨出した筒状になっており、移液が容易に行えるようになっている。また、注出路近傍には、リブ11が存在し、移液時に詰め替え用容器が折れ曲がって注出路が閉塞するのを防ぐ役割を果たしている。
【0083】
また、注出路8の少なくとも注出口9近傍が、その上下に形成されているシール部2a、2aを伴って収納袋本体3から突出するように形成されている。注ぎ口10の形状は、特に限定されない。注出路の位置は、容器上部の特に角が好ましい。注ぎ口はハサミで切れる、又は手で切れる、どちらの方法を備えた収納袋でも構わない。手で切れる場合は、フィルムの構成で対応したり、又は炭酸ガスレーザーによる少なくとも1本の連続の切れ目線ないし、不連続のミシン目状切れ目線であってもよい。また、注ぎ口にパイプを備え付けたものでも構わない。
【0084】
多層フィルムを構成する材料としては、内容物の性状安定性・香気安定性、収納袋の強度、経済性、容器使用性の点から、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアルコール共重合体及びポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができる。多層フィルムは2種以上を用いるが、また同一のフィルムを2層以上用いることもできる。この中でも特に、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートの内から2種以上を組み合わせて使用することが望ましい。多層フィルムを使用して、収納袋を製造する場合、各層に使用するフィルムをラミネートし、ヒートシールする方法によることができるが、特定の成型方法に限定されるものではない。
【0085】
収納袋の厚さは、内容物の性状安定性・香気安定性、包装体の強度、経済性の点から、20〜400μmの範囲内であるのが好ましい。20μmより小さいと包装体の強度が弱くなり、輸送中の落下などにより内容物が洩れる恐れが生じる場合がある。また、400μmより大きいと、経済的でなく環境への負荷が大きいばかりでなく、包装体全体が硬くなり消費者が使用する際に使用性が劣る場合がある。
【0086】
本発明の液体柔軟剤組成物の調製方法については特に制限がなく、種々の方法を用いることができ、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び必要に応じて任意成分を、水又は水性溶媒中に溶解あるいは分散させることにより、調製することができるが、特に特開平2−68137号、特開平5−32788号、特開平5−32789号、特開平10−237762号公報に記載されている方法が好ましい。即ち、第4級アンモニウム塩型カチオン活性剤などの(a)〜(d)成分を含む油相に、水相の一部を添加するか、あるいは水相の一部に該油相を添加して、カチオン活性剤の液晶相を形成させ、次いで該液晶相と残りの水相を混合して液晶相を転相させる方法により、本発明の液体柔軟剤組成物を調製することができる。
【0087】
また、本発明の柔軟剤組成物は、通常の洗濯において洗浄終了後の濯ぎの際に使用される。但し、洗浄工程なしに柔軟剤組成物単独で使用してもかまわない。洗濯工程における洗剤は、アニオン性主体の洗剤でも、非イオン性主体の洗剤でもよく、その他界面活性剤、機能向上剤を含んでいても良く、国内外で市販されている洗剤すべての濯ぎ工程において使用することができる。洗濯機種に特に制限はなく、市販されている全てに使用することができる。繊維製品の仕上げを行う際の使用濃度は、繊維製品への柔軟性付与の観点から、濯ぎ工程で洗濯浴に満たされる繊維製品の仕上げを行う際の水量に対し、(a)成分の濃度が5ppm〜300ppmとなるような量で使用するのが望ましい。より好ましくは10ppm〜100ppmである。但し、使用者が洗濯機種、繊維製品の量、水量などを考慮して、好みの量に調整するのがもっとも好ましい。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、衣料などの繊維製品に使用する繊維製品用液体仕上げ剤として使用することによって、繊維製品に優れた柔軟性、帯電防止性を付与でき、更に、衣類の生乾きなどで生じる臭いを抑制できる液体柔軟剤組成物が得られる。
【0089】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0090】
[実施例1〜58及び比較例1〜8]
表1〜5に示す成分a〜dを表17〜19に示す量と、任意成分としてイソトリデシルアルコールエチレンオキシド付加物(平均40モル付加)を1質量%、塩化カルシウム((株)トクヤマ社製)を0.5質量%、エチレングリコール(三菱化学製)を4質量%、表6〜16に示す香料組成物Aを0.6質量%、一般99合成無変性アルコール(日本エタノール(株)製)を2質量%、ポリエチレングリコール(質量平均分子量1500)を0.2質量%、アシッドレッド138を10ppm、ジブチルヒドロキシトルエンを300ppm、ヒドロキシエタンジホスホン酸を50ppm、ケーソンCG(ローム&ハース社製)100ppm、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(ビーエーエスエフジャパン(株)社製:マイアサイドファーマBP)を50ppm、及びpH調整剤(硫酸、水酸化ナトリウム)を合計配合量が100質量%となるようにバランス量の精製水に乳化分散させて柔軟剤組成物を調製した。なお上記質量%は特に記載が無い場合には組成物中の質量%を表わす。得られた柔軟剤組成物について、繊維に対する柔軟性付与効果、帯電防止効果、不快臭抑制効果、洗濯ジワ抑制効果を下記評価方法に従って評価した。結果を表17〜19に併記する。なお、上記配合量は、ケーソンCG、2−プロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールについては有り姿での配合量を示し、その他の成分は純分換算での配合量を示す。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
(d)成分
<シリコーン>
シリコーンとして、次の表4に示すシリコーンd−1〜d−6、及び表5に示すシリコーンd−7〜d−12を使用した。
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】
【表6】
【0098】
【表7】
【0099】
【表8】
【0100】
【表9】
【0101】
【表10】
【0102】
【表11】
【0103】
【表12】
【0104】
【表13】
【0105】
【表14】
【0106】
【表15】
【0107】
【表16】
【0108】
【表17】
【0109】
【表18】
【0110】
【表19】
【0111】
<仕上げ剤組成物(液体柔軟剤組成物)の評価方法>
(1)仕上げ剤(液体柔軟剤組成物)による仕上げ処理
市販の綿タオルとアクリルジャージを市販洗剤「トップ」(ライオン(株)社製)により電気洗濯機を用いて3回前処理を行なったものを試験布として用いた(洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、洗浄10分→注水すすぎ10分を2回)。綿タオル700g(約9枚)とアクリルジャージ300gを市販洗剤「トップ」(ライオン(株)社製)で洗浄し(標準使用量、浴比30倍、25℃の水道水使用、10分)、すすぎ2回目に表17〜19に示す仕上げ剤組成物(液体柔軟剤組成物)を水量30Lに対して10g加えて衣料の仕上げ処理(浴比30倍、25℃の水道水使用、3分)を行った(但し実施例13、比較例5、7、8は30g加えた)。その後、20℃、40%RHの条件で24時間自然乾燥し、以下の柔軟性と帯電防止性能の評価を行った。
【0112】
(2)柔軟性の評価は、比較例1に記載の組成物を同様に分散させた組成物を使用して処理した綿タオルを対照として専門パネラー10人による官能一対比較を行ない、以下に示す評価基準で評価を行った。
【0113】
<評価基準>
+2:対照よりはっきり柔らかい
+1:対照よりやや柔らかい
0 :対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや柔らかい
−2:対照の方がはっきり柔らかい
結果は10人のパネラーの平均値を示した。
【0114】
(3)帯電防止性能の評価は柔軟剤で処理したアクリルジャージを20℃、40%RH下で24時間放置し、STATIC HONESTMETER TYPES−5109(SHISHIDO&CO.LTD)を用いて以下の条件で評価を行なった(JIS L−1094A)。
【0115】
印下電圧:10mV
帯電させた時間:30秒
この時、電圧が半分になるまでの時間を測定し、半減期とした。この半減
期を
30秒以内 ◎
60秒以内 ○
120秒以内 △
120秒超 ×
として評価した。
【0116】
(4)不快臭抑制の評価は以下の手順で行なった。(1)と同様に柔軟剤処理を行なった。その後、25℃、70%RHの条件で12時間乾燥し、乾燥後の臭いを10人のパネラーにより以下の評価基準で評価を行った。
【0117】
<評価基準>
ほとんどにおいがしない :0点
僅かに臭いがするが気にならない:1点
臭いがする :2点
はっきりと臭いがする :3点
結果は10人のパネラーの平均点を示した。
【0118】
(5)洗濯ジワの抑制効果
市販のダンガリーシャツ(綿100%)を市販洗剤「トップ」(ライオン(株)社製)により電気洗濯機を用いて2回予備洗浄(洗剤標準使用量、浴比30倍、45℃の水道水、、洗浄10分→注水すすぎ10分を2回)を行なった。その後、室温でハンガーにかけて乾燥させた。これをアイロンがけを行ない、まずしわを取り除いた。次いで、このダンガリーシャツ2枚を洗濯ネットにいれ、「トップ」(ライオン(株)社製)により2槽式電気洗濯機を用いて洗浄(浴比30倍、25℃の水道水使用、10分)を行なった。すすぎ3回目に表17〜19に示す仕上げ剤組成物(液体柔軟剤組成物)を水量30Lに対して20g加えて衣料の仕上げ処理を行った(浴比30倍、25℃の水道水使用、3分)。その後、洗濯ネットから衣類を取り出し、1枚づつ10分間脱水した。衣料をハンガーに掛け、20℃、40%RHの条件で自然乾燥し、以下の評価を行った。
【0119】
表17中の比較例1の組成物を使用して仕上げ処理したダンガリーシャツを対照として専門パネラー10人による官能一対比較を行ない、以下に示す基準で評価を行った。
【0120】
<評点>
+2:対照よりはっきり乾燥後のシワが少ない
+1:対照よりやや乾燥後のシワが少ない
0 :対照とほぼ同じ
−1:対照の方がやや乾燥後のシワが少ない
−2:対照の方がはっきり乾燥後のシワが少ない
結果は10人のパネラーの平均値を示した。
【0121】
[実施例59〜77]
成分a〜dと表20に示す成分とを表21〜23に示す量と、さらにジブチルヒドロキシトルエン300ppm、ヒドロキシエタンジホスホン酸50ppm、ケーソンCG(ローム&ハース社製)100ppm、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(ビーエーエスエフジャパン(株)社製:マイアサイドファーマBP)を50ppmを共通成分として、合計配合量が100質量%となるようにバランス量の精製水に乳化分散させて、硫酸又は水酸化ナトリウムで表中のpHとなるように調整し、柔軟剤組成物を得た。各柔軟剤組成物について、上述した方法により、柔軟性能と帯電防止性、不快臭抑制力、しわ軽減の評価を行った。結果を表21〜23に併記する。なお、上記成分と、表20に記載した成分の配合量は、ケーソンCG、2−プロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールについては有り姿での配合量を示し、その他の成分は純分換算での配合量を示す。
【0122】
【表20】
【0123】
【表21】
【0124】
【表22】
【0125】
【表23】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体柔軟剤組成物を好適に収容し得る収納袋の一態様を示す概略平面図である。
【符号の簡単な説明】
1 収納袋
Claims (2)
- 下記(a)、(b)及び(c)を、(a)/{(b)+(c)}=2〜100(質量比)となるように含有してなることを特徴とする液体柔軟剤組成物。
(a)分子中に少なくとも1つのエステル基を含有し、且つ1〜3個の長鎖アルキル基又は長鎖アルケニル基を含有するアミン化合物、その中和塩、その4級化物又はその混合物。
(b)分子中に少なくとも1つのエステル基又はアミド基を含有し、且つ1又は2個の炭素数10〜20のアルキル又はアルケニル基を含有するベタイン又はその混合物。
(c)下記一般式(II)で示されるベタイン。
- 更に、(d)1種以上のシリコーンを含有する請求項1記載の液体柔軟剤組成物。
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