JP2000226767A - 高吸湿、アンモニア消臭性ポリエステル繊維成形品およびその製造法 - Google Patents

高吸湿、アンモニア消臭性ポリエステル繊維成形品およびその製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衣料・寝装品・生活資材・インテリア等に適
し、洗濯耐久性にすぐれた高吸湿性で、かつアンモニア
消臭性を有するポリエステル繊維成形品を提供する。 【解決手段】 エチレン性不飽和有機酸によるグラフト
重合率が8%以上で、20℃×65%RH環境下での吸
湿率が5%以上、アンモニア消臭性能を有した高吸湿、
アンモニア消臭性ポリエステル繊維成形品及びその製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維成形品とは、
わた、トウ、糸、織物、編物、不織布や衣料、敷物、イ
ンテリア、寝装品などである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は多くの優れた特徴を
有している為に、合成繊維として極めて広い用途を有し
ている。しかしその反面、天然高分子繊維素材と比較し
て、吸湿性に乏しいため、帯電しやすく、油性汚れが落
ちにくい等の欠点を有するほか、タバコの火等により溶
融して孔が飽きやすいなどの欠点を有している。また、
特に衣料、寝装等の用途に用いる場合、吸水性、吸湿性
がないためにべとつき、蒸し暑いと言った欠点を有して
いる。
【0003】従来これらの欠点を改良するためにポリエ
ステルに後加工で吸湿性の機能剤を付与する方法が提案
されているが、風合い硬化のため、高い性能が付けられ
ない上、洗濯耐久性も低い。また、ポリエステルポリマ
ー中に吸湿性機能剤を製糸工程で練り込む方法も提案さ
れているが、この場合、風合いの硬化は避けられ、洗濯
耐久性も比較的良いが、添加量が増えると機械的特性が
低下するため、高い性能を付与することが難しく、吸湿
性機能剤の含水成分が、製糸工程での大きな問題になり
生産が非常に難しくなる。また、重合段階でポリエステ
ルに様々な吸湿性のモノマーやポリマーを共重合させる
方法も提案されている。これらの方法を用いれば、洗濯
耐久性は非常にすぐれるが、その共重合量を多くする
と、紡糸、延伸等の製糸工程での生産技術が非常に困難
になる上、ポリエステルのすぐれた機械的特性も低下す
る。さらに、後加工工程にて親水性不飽和単量体をグラ
フト重合する方法が提案されている。しかしながら、一
般に疎水性高分子成形品にアクリル酸、メタクリル酸の
ような親水性不飽和単量体をグラフト重合する場合、グ
ラフト重合効率が著しく低く、また不均一になりやすい
欠点を有している。
【0004】一方、衣料・寝装品・生活資材・インテリ
ア材等の分野では、汗や尿などから発せられるアンモニ
ア臭が問題になる場合がある。
【0005】ポリエステルにアンモニア消臭機能を付与
するためには、後加工でアンモニア消臭性の機能剤を付
与する方法が提案されているが、前記同様、風合い固化
の問題がある上に洗濯耐久性も低い。また、グラフト重
合により有機酸系モノマーをポリエステルに共重合する
ことにより、耐久性のあるアンモニア消臭性を付与させ
ることもできるが、高い吸湿性を得ようと有機酸末端を
金属塩等に置換していくと、アンモニア消臭性能が低下
する。その為、両性能を実現するためにはグラフト重合
率を高くする必要があるが、機械的特性の低下や、グラ
フト重合時のモノマーやキャリヤーの残存臭気等の問題
がおこるため実現は難しく、アンモニア消臭性と高吸湿
性を両立させた製品は今まで作られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、衣料
・寝装品・生活資材・インテリア等に適した、洗濯耐久
性にすぐれた高吸湿性・アンモニア消臭性ポリエステル
繊維及びそれらを含む製品を安全かつ効率的に提供する
事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、(1)
20℃×65%RH環境下での吸湿率が5%以上で、か
つアンモニア消臭性能を有する高吸湿、アンモニア消臭
性ポリエステル繊維であり、さらに(2)ポリエステル繊
維成形品のエチレン性不飽和の有機酸のグラフト重合率
が8%以上で、かつグラフト重合により導入された酸基
の一部がアルカリ金属塩化されている前記(1)記載の高
吸湿、消臭性ポリエステル繊維成形品、(3)JIS L
0217−103法による繰返し洗濯試験10回後の2
0℃×65%RH環境下での吸湿率が4%以上で、アン
モニア消臭性能の低下のない前記(1)〜(2)記載の高吸
湿、アンモニア消臭性ポリエステル繊維形成品、(4)疎
水性ラジカル開始剤、フタルイミド系化合物及びエチレ
ン性不飽和有機酸を含む水性乳化液中にポリエステル繊
維成形品を浸漬、加熱処理しグラフト重合した後、塩基
性アルカリ金属化合物と金属イオン封鎖剤を含む水性液
で、その水溶液pHが8以上10未満になるまで処理す
る前記(1)記載の高吸湿、アンモニア消臭性ポリエステ
ル繊維の製造法である。
【0008】本発明によると、高い吸湿性とアンモニア
消臭性を兼ね備え、洗濯耐久性にすぐれたポリエステル
繊維成形物が効率よく得られる。また、これらの製品か
らの臭気は非常に少ないため、消費特性上も好ましく、
衣料・寝装品・生活資材・インテリア等への活用に非常
に有用である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルと
は、繊維形成性のポリエステルであれば特に限定はされ
ないが、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸を主たるカルボン酸成分とし、
エチレングリコール、プロピレングリコール、もしくは
テトラメチレングリコールを主たるグリコール成分とす
るポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレ
フタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、あるいはポリエチレン2,6−ナフ
タレート等の線状ポリエステルを主成分としたものが好
ましく、特にポリエチレンテレフタレートが望ましい。
【0010】また、当該ポリエステルは、用途によって
は難燃性、易染性、制電性等の機能性を有する化合物等
が共重合されていても、ダル剤、無機粒子等の添加剤が
含まれていても構わない。
【0011】本発明におけるポリエステル繊維成形品
は、その形態はわた、トウ、糸、織編物、不織布、敷物
などいずれでもよく、そのいづれの状態でも加工でき
る。
【0012】得られた高吸湿、アンモニア消臭性ポリエ
ステル繊維成形品はそれらのみでも良いが、製品の機械
的特性やコスト等を考慮に入れると、混繊、混紡、交織
編、積層等の方法で混用されるのが望ましい。また、吸
湿性、アンモニア消臭性の点から、混率は10%以上が
好ましい。
【0013】グラフト重合されるエチレン性不飽和有機
酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、スチレンスルホン酸、クロトン酸、ブテント
リカルボン酸等が例示され、各々単独または混合物とし
てグラフト重合に用いられるが、特にアクリル酸及び/
又はメタクリル酸が好ましい。また、不飽和有機酸以外
のエチレン性不飽和単量体を共存させても良い。これら
の不飽和単量体の例としては、不飽和有機酸エステル
類、これらのフッ素や臭素の置換体、リンや硫黄含有化
合物など各種の機能性を付与できる化合物が挙げられ
る。
【0014】グラフト重合率(GT%)、すなわちポリ
エステル繊維成形物に対する、エチレン性不飽和有機酸
の重合による重量増加率は、8%以上が望ましい。これ
よりもグラフト重合率が低いと、20℃×65%RH環
境下における吸湿率5%以上の吸湿性もしくはアンモニ
ア消臭性のいずれかの機能が十分発揮できない。性能の
点からグラフト重合率は、より望ましくは10%以上、
さらに望ましくは15%以上である。グラフト重合率
(GT%)は反応前の絶乾重量(W0)からグラフト重
合し洗浄した後の絶乾重量(W1)への重量増加率から
計算できる。 グラフト率(GT%)=(W1−W0)×100/W0
【0015】グラフト重合方法は特に限定される物では
ないが、疎水性ラジカル開始剤、N−アルキルフタルイ
ミド系化合物、界面活性剤及びエチレン性不飽和有機酸
を含む水性乳化液中にポリエステル繊維成形品を浸漬、
加熱処理する方法が望ましい。これらの方法を用いるこ
とにより、効率よく均一にグラフト重合することがで
き、繊維物理特性の低下が少ない。
【0016】グラフト重合浴中におけるエチレン性不飽
和有機酸の濃度は0.5重量%以上10重量%以下が好
ましく、より好ましくは1〜5重量%である。このよう
な濃度で加工することにより、これらのモノマー濃度が
10重量%を超えると非グラフト重合体である副生成重
合体が多くなる傾向があるが、通常2〜100%のグラ
フト率を得ることが可能となる。
【0017】また、疎水性ラジカル開始剤としては、ベ
ンゾイルパーオキサイド、トルイルパーオキサイド、芳
香族アルキルパーオキサイド系化合物、ジクロルベンゾ
イルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、キュメンハイドロパーオキサイ
ド、過安息香酸、過安息香酸エステル等があげられる。
なお、疎水性ラジカル重合開始剤の使用量は、グラフト
重合浴に対して、0.01重量%以上5重量%以下程度
である。
【0018】フタルイミド系化合物とはフタルイミド基
を有する化合物であり、フタルイミドのN基に脂肪族も
しくは芳香族のアルキル基を有するN置換フタルイミド
化合物が好ましく、加工処理後の製品への残存量、臭
気、安全性、取り扱い性を考えると、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等の低分
子量脂肪族アルキル基を有するN−アルキルフタルイミ
ド系化合物がより望ましい。また、これらの化合物は単
独で用いても、数種類混合して用いても良い。
【0019】フタルイミド系化合物の使用量は、グラフ
ト重合浴に対し、0.01重量%以上2.0重量%以下
が望ましい。これより少ないと、均一にグラフト重合が
行われず、重合率も上がらない。また、これ以上使用量
を増やしても、重合率は高くならず、最終製品に残存す
るN−アルキルフタルイミドの量も多くなり、臭気が残
り、消費特性上好ましくない。また、安全性、処理液コ
スト、反応性の点から、より好ましくは0.1重量%以
上1.0重量%以下である。
【0020】これらの加工により得られた吸湿性ポリエ
ステル繊維成形品及びそれらを含む製品中に残存するフ
タルイミド系化合物の量は2000ppm以下である事
が望ましい。これ以上残存量が多くなると臭気が残るだ
けでなく、消費特性上も好ましくない。これらは、最終
製品5gを充てん管に入れ、180℃で15分間熱処理
し、発生したガスをクロロホルムで抽出し、ガスクロマ
トグラフィーを用いて測定することができる。また、最
終製品におけるフタルイミド系化合物の量を2000p
pmにするためには、フルタルイミドの使用量にもよる
が、反応後の製品乾燥もしくは成形工程にて、140℃
以上の温度で処理してやればよい。
【0021】本発明で重合浴の安定化のために使用でき
る界面活性剤としては、非イオン型界面活性剤、アニオ
ン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤、両性界面活性
剤、非イオンアニオン型界面活性剤、非イオンカチオン
型界面活性剤などが用いられ、これらは単独又は場合に
よっては2種以上の併用で用いられるが、乳化系の安定
性及びグラフト重合の効率の面からは、非イオン系界面
活性剤、非イオンアニオン型界面活性剤又は非イオン型
界面活性剤とアニオン型活性剤の混合物が好ましい。
【0022】かくして調整されたグラフト重合浴中にポ
リエステル繊維成形品を浸漬して加熱処理するが、処理
条件は通常50℃から150℃で5分から3時間であ
り、好ましくは70℃から130℃で30から120分
間である。雰囲気としては窒素ガス雰囲気が好ましい。
【0023】さらにグラフト重合した後、塩基性アルカ
リ金属化合物と金属イオン封鎖剤を含む水性液で、その
水溶液pHが8以上10未満になるまで処理する事によ
り、高い吸湿性とアンモニア消臭性の両性能を得ること
ができる。
【0024】すなわち、これらの方法によりグラフト重
合されたポリエステル繊維成形品は、共重合したエチレ
ン不飽和有機酸の酸末端基の一部をアルカリ金属塩化す
る事により、高い吸湿性能を得ることができる。また、
不飽和有機酸の酸末端基の一部はアルカリ金属塩化せず
に残す必要がある。残った酸末端基により、アンモニア
消臭性能を得ることができる。これらの両特性を得るた
めには、グラフト重合した後の塩基性アルカリ金属化合
物と金属イオン封鎖剤を含む水性液での処理において、
アルカリ添加量を徐々に追加するか、低濃度で数回の処
理に分けて、処理液中のpHが8以上10未満になるま
で処理することが好ましい。水溶液pHが8未満の場合
は、吸湿性能が得にくくなり、10以上になるとアンモ
ニア消臭性能が得にくくなる傾向があり、繊維の機械的
特性の低下する傾向がある。
【0025】このアルカリ金属塩化に用いる金属塩とし
ては、ナトリウム、リチウム、カリウム等があげられ、
塩基性アルカリ金属化合物としては、具体的には水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのア
ルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
リン酸−2−ナトリウム、リン酸−3−ナトリウムなど
無機弱酸のアルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、プロピオ
ン酸ナトリウムなど有機弱酸のアルカリ金属塩、亜硫酸
ナトリウム、珪酸ナトリウム等の水に溶けてアルカリ性
を示す化合物であり、これらは単独または2種以上の混
合物として用いられる。なお、該アルカリ金属化合物の
使用濃度は10g/Lの濃度で使用されるのが、機械的
性能上望ましい。
【0026】本発明において、上記のアルカリ金属化合
物と共に用いられる金属イオン封鎖剤は公知の物質が使
用される。一般に金属イオン封鎖剤としては、ピロリン
酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウム、トリメタリン酸
ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウム、ポリリン酸
ナトリウム等の縮合リン酸塩類、エチレンジアミンテト
ラ酢酸の2ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸
の4ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸の2ア
ンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸の4アンモ
ニア塩等のエチレンジアミンテトラ酢酸塩、N−ヒドロ
キシエチルエチレンジアミン−N、N’N’−トリ酢酸
類、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、グリコールエー
テルジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサンジアミンテト
ラ酢酸、ニトリロトリ酢酸類等があげられる。これらの
金属イオン封鎖剤の使用量は用水中に溶存する多価金属
イオンの量にもよるが、一般には0.01g/L〜5g
/Lの濃度で使用すれば十分である。
【0027】アルカリ金属化合物と金属イオン封鎖剤を
含む水溶液によるグラフト重合したポリエステル繊維成
形品のアルカリ金属塩化処理は、一般には常温から10
0℃の範囲の温度で行われる。
【0028】この方法により、20℃×65%RH環境
下での吸湿率が5%以上であり、なおかつアンモニア消
臭性能を有した高吸湿、アンモニア消臭性ポリエステル
繊維形成品を得ることができる。この場合のアンモニア
消臭性能とは、3Lのポリ容器に100ppmの濃度に
なるようにアンモニア水を滴下し、そのポリ容器にサン
プルを3g入れ、密閉し20分後のポリ容器中のアンモ
ニア濃度が10ppm以下になるような、性能のことを
言う。アンモニア濃度は(株)ガステック社製のガス検
知管を使用して測定する。20分後に10ppmより高
いアンモニア濃度であれば、実使用において、臭気の吸
収は不十分であり十分なアンモニア消臭性能とはいえな
い。
【0029】本発明のポリエステル繊維成形品の20℃
×65%RH環境下での吸湿率は、好ましくは7%以
上、より好ましくは10%以上である。本発明の高吸
湿、アンモニア消臭性ポリエステル繊維形成品は洗濯に
よる、性能低下も非常に低く、JIS L0217−1
03法による繰返し洗濯試験10回後も20℃×65%
RH環境下での吸湿率が4%以上で、アンモニア消臭性
能の低下がほとんど無く、実用上非常に有用である。
【0030】本発明の方法により作られた、ポリエステ
ル繊維形成品は高吸湿性とアンモニア消臭性を兼ね備え
ており、従来ポリエステル繊維を用いた場合に問題とな
っていたべとつき、蒸し暑いという点を改善することが
できた上に、高度なアンモニア消臭機能が付与されてい
るため、衣料・寝装品・生活資材・インテリア等に非常
にすぐれた性能を発揮する。また、その性能は実使用に
おける洗濯後も継続され、多くの用途に使うことが可能
である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施
例における吸湿性ポリエステル繊維成形品の評価方法は
以下の通りである。 (1)洗濯耐久性試験:JIS L0217−103法
にて10回洗濯試験する。 (2)グラフト重合率(GT%):反応前の絶乾重量
(W0)からグラフト重合し洗浄した後の絶乾重量(W
1)への重量増加率から計算した。 グラフト率(GT%)=(W1−W0)×100/W0 (3)吸湿率(M%):最終品の絶乾重量(S0)から
環境温湿度下で48時間放置した後の重量(S1)への
重量増加量から計算した。 吸湿率(M%)=(S1−S0)×100/S0 (4)アンモニア消臭性:3Lのポリ容器に100pp
mの濃度になるようにアンモニア水を滴下し、そのポリ
容器にサンプルを3g入れ、密閉し20分後のポリ容器
中のアンモニア濃度を(株)ガステック社製のガス検知
管を使用して測定した。
【0032】(実施例1〜5、比較例1)ベンゾイルパ
ーオキサイド、N−ブチルフタルイミドおよびポリエチ
レングリコールとアニオン系の界面活性剤よりなる乳化
水性液を調整し、該乳化液にアクリル酸とメタクリル酸
の等量混合モノマーを加え、さらに炭酸ナトリウムによ
ってpH3.3にpH調整してグラフト重合浴を得た。
N−ブチルフタルイミドとモノマーのグラフト重合浴中
濃度は表1に示した。ベンゾイルパーオキサイドはグラ
フト重合浴に対して0.1重量%使用した。この重合浴
の1/15重量のポリエチレンテレフタレートフィラメ
ント加工糸編物(75d/36f)を重合液に浸漬し
て、窒素ガス雰囲気下、100℃で1時間グラフト重合
を行った。次いで、80℃の熱水で10分処理し、その
後、炭酸ナトリウム3g/Lおよびジエチレンジアミン
テトラ酢酸−4−ナトリウム塩0.5g/Lの水溶液を
用いて、70℃×10分の処理を処理液が所定のpHに
なるまで数回繰り返し、その後、湯水洗を行い、乾燥機
(140℃×10分)を用いて乾燥させ最終製品を得
た。
【0033】(実施例2)実施例1において、ポリエチ
レンテレフタレートフィラメント加工糸編物に代えて、
重合浴の1/10重量のポリエチレンテレフタレート綿
(6dー64mm)を使用する以外は実施例1と同様に
して最終製品を得た。
【0034】上記実施例および比較例で得られた繊維製
品について、グラフト重合率、吸湿率、アンモニア消臭
性、N−アルキルフタルイミド残存量、および最終製品
の臭気を調べた。この結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、衣料・寝装品・生活資
材・インテリア材等に適し、洗濯耐久性にすぐれた高吸
湿性・アンモニア消臭性ポリエステル繊維成形品及びそ
れらを含む製品を得る事ができる。また、それらおよび
それらを含む製品からの臭気は非常に少なく、洗濯後も
高い性能を維持出来る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L033 AA07 AC07 AC10 AC15 BA09 BA12 BA48 BA55 BA99 DA02 4L035 EE05 EE20 FF01 FF04 FF05 GG06 4L047 AA21 AB03 AB10 CB07 CB10 CC01 CC06 CC16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃×65%RH環境下での吸湿率が
    5%以上で、かつアンモニア消臭性能を有する高吸湿、
    アンモニア消臭性ポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】 ポリエステル繊維成形品のエチレン性不
    飽和の有機酸のグラフト重合率が8%以上で、かつグラ
    フト重合により導入された酸基の一部がアルカリ金属塩
    化されている請求項1記載の高吸湿、消臭性ポリエステ
    ル繊維成形品。
  3. 【請求項3】 JIS L0217−103法による繰
    返し洗濯試験10回後の20℃×65%RH環境下での
    吸湿率が4%以上で、アンモニア消臭性能の低下のない
    請求項1記載の高吸湿、アンモニア消臭性ポリエステル
    繊維形成品。
  4. 【請求項4】 疎水性ラジカル開始剤、フタルイミド系
    化合物、界面活性剤及びエチレン性不飽和有機酸を含む
    水性乳化液中にポリエステル繊維成形品を浸漬、加熱処
    理しグラフト重合した後、塩基性アルカリ金属化合物と
    金属イオン封鎖剤を含む水性液で、その水溶液pHが8
    以上10未満になるまで処理する請求項1記載の高吸
    湿、アンモニア消臭性ポリエステル繊維の製造法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002069844A (ja) * 2000-08-21 2002-03-08 Nippon Sanmou Senshoku Kk 改質ポリエステル繊維およびその製造方法

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