JP2001271271A - グラフト重合加工ポリエステル繊維成形品 - Google Patents

グラフト重合加工ポリエステル繊維成形品

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JP2001271271A
JP2001271271A JP2000078456A JP2000078456A JP2001271271A JP 2001271271 A JP2001271271 A JP 2001271271A JP 2000078456 A JP2000078456 A JP 2000078456A JP 2000078456 A JP2000078456 A JP 2000078456A JP 2001271271 A JP2001271271 A JP 2001271271A
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Nobuhiro Kuwabara
展宏 桑原
Seiji Ishida
誠治 石田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】洗濯耐久性に優れたアンモニア消臭性能を有
し、かつ吸湿発熱性に優れたポリエステル繊維成形品及
びそれらを含む製品を安全且つ効率的に提供する。 【解決手段】繊維断面の異形断面係数(繊維断面の内外
周長/(繊維断面積)1/2 )Rが4.5以上のポリエステル繊
維にエチレン性不飽和有機酸系化合物がグラフト重合さ
れ、20℃の65%RH環境下での吸湿率が5%以上で、かつア
ンモニア消臭性を有するグラフト重合加工ポリエステル
繊維成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン性不飽和
有機酸系化合物をグラフト重合して得られたポリエステ
ル繊維成形品に関し、洗濯耐久性に優れたアンモニア消
臭性能及び吸湿発熱性を有し、衣料・寝装品・生活資材
・インテリア等に好適なポリエステル繊維成形品であ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は多くの優れた特徴を
有している為に合成繊維として様々な用途を有してい
る。しかし、その反面、天然高分子素材と比較して、吸
湿性に乏しいため、帯電しやすく、油性汚れが落ちにく
い等の欠点を有するほか、タバコの火等により溶融して
孔が飽きやすいなどの欠点を有している。また、特に衣
料、寝装等の用途に用いる場合、吸水性、吸湿性がない
ためにべとつき、蒸し暑いといった欠点を有している。
また、従来のポリエステル繊維は天然高分子素材、特に
羊毛繊維などの動物性繊維と異なり、吸湿発熱性や保温
性を有するものではなかった。
【0003】これらの欠点を改良するためにポリエステ
ルに後加工で機能剤を付与する方法が提案されている
が、風合い硬化のため、高い性能がつけられないうえ、
洗濯耐久性も低い。また、ポリエステル高分子に吸湿性
機能剤をを製糸工程にて練り込む方法も提案されてい
る。この場合、風合いの硬化は避けられ、洗濯耐久性も
比較的よいが、添加量が増えると繊維の機械的特性が低
下するため、高い性能を付けるのが難しく、吸湿性機能
剤の含水成分が製糸工程で大きな問題になり工業的生産
が非常に難しくなる。また、重合段階で、ポリエステル
に様々な吸湿性のモノマーやポリマーを共重合させる方
法も提案されているが、高機能化のためにはその共重合
量を多くする必要があり、この場合、紡糸、延伸等の製
糸工程での安定生産が非常に困難になるうえ、ポリエス
テルの優れた機械的特性も低下する欠点がある。また、
繊維に後加工で親水性不飽和重合体をグラフト重合する
方法では、グラフト重合効率が低く、また、グラフト重
合が不均一になりやすい欠点があった。
【0004】一方、衣料・寝装品・生活資材・インテリ
ア等の分野では、汗や尿などから発せられるアンモニア
臭が問題となる場合がある。
【0005】ポリエステルにアンモニア消臭機能を付与
するためには、後加工でアンモニア消臭性の機能剤をバ
インダー樹脂で付与する方法が提案されているが、前記
同様、風合い硬化の問題があるうえに洗濯耐久性も低
い。また、本発明者等は、先に、グラフト重合により有
機酸系モノマーをポリエステルに反応させることによ
り、耐久性のあるアンモニア消臭性を付与することを可
能にしたが、高い吸湿発熱性を得ようと有機酸末端を金
属塩等に置換していくと、アンモニア消臭性能が低下し
てしまい、両性能を実現するためにグラフト重合率を高
くすると、ポリエステル繊維の機械的特性の低下や、グ
ラフト重合時のモノマーやキャリアの残存臭気等の問題
が起こり、高いアンモニア消臭性能と高吸湿発熱性とを
簡便に両立させることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、衣料・寝装
品・生活資材・インテリア等の用途に好適な高いアンモ
ニア消臭性能と高吸湿発熱性とを簡便に両立させること
ができるポリエステル繊維成形品を提供するものであ
り、エチレン性不飽和有機酸系化合物を効率的にグラフ
ト重合せしめ、洗濯耐久性に優れたアンモニア消臭性能
を有し、吸湿発熱性に優れたポリエステル繊維成形品を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)繊維断面の異形断面係数(繊維断面の内外周長/
(繊維断面積)1/2 )Rが4.5以上のポリエステル繊維に
エチレン性不飽和有機酸系化合物がグラフト重合され、
20℃の65%RH環境下での吸湿率が5%以上であり、かつア
ンモニア消臭性を有するグラフト重合加工ポリエステル
繊維成形品であり、さらに(2)JIS-L0217-103法によ
る繰り返し洗濯試験10回後の20℃65%RH環境下での吸湿
率が4%以上である前記(1)記載のポリエステル繊維成
形品である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリエステルと
は、繊維形成性のポリエステルであれば特に限定されな
いが、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタ
レンジカルボン酸を主たるカルボン酸成分とし、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、もしくはテトラ
メチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリ
エチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、あるいはポリエチレン2,6-ナフタレート等の
線状ポリエステルを主成分としたものが好ましく、特に
ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0009】また、本発明におけるポリエステルは、用
途によっては難燃性、易染性、制電性等の機能を有する
化合物が共重合されていも、ダル剤、無機粒子等の添加
剤が含まれていても構わない。
【0010】本発明におけるポリエステルの繊維断面の
形状は、繊維断面の内外周長/(繊維断面積)1/2で示さ
れる異形断面係数Rが、4.5以上である必要がある。より
具体的に示せば、中空率5%以上の中空断面や△断面、扁
平糸のように、表面積が大きく嵩高な繊維である。この
ような繊維は、ポリエステル紡糸時に、例えば、異形断
面のノズルを使うことにより作ることが出来る。
【0011】この異形断面係数Rが4.5以上であることに
より、グラフト重合加工して得られたポリエステル繊維
は、軽量で、かつ嵩高性で、さらに優れた吸湿性、吸湿
発熱性、アンモニア消臭機能、すなわち吸放湿速度、ア
ンモニア消臭速度が異形断面係数Rが小さい場合に比べ
て著しい向上が見られ、快適性能が飛躍的に向上するの
みならず、後述するようにグラフト加工が均一に、か
つ、効率よく行われるのである。それらの表面積効果を
より効率よく発揮させるためには、さらに短繊維の状態
でグラフト加工を行うことが望ましい。
【0012】本発明におけるポリエステル繊維成形品及
びそれらを含む製品とは、その成形品形態は、綿、ト
ウ、糸、織編物、不織布、敷物などの布帛などいずれで
もよい。
【0013】グラフト重合加工で得られた吸湿発熱性及
びアンモニア消臭性を有するポリエステル繊維成形品
は、それらのみでも良いが、製品の機械的特性やコスト
等を考慮に入れると、混繊、混紡、交織編、等の方法で
他の繊維と混合されるのが望ましい。また、吸湿発熱
性、アンモニア消臭機能性を考えると、製品中に10重量
%以上使用することが好ましい。
【0014】グラフト重合されるエチレン性不飽和有機
酸系化合物としては、アクリル酸、メタアクリル酸、マ
レイン酸、スチレンスルホン酸、クロトン酸、ブテント
リカルボン酸等が例示され、各々単独または混合物とし
てグラフト重合に用いられるが、特にアクリル酸及び/
またはメタクリル酸が好ましい。また、これらの化合物
の金属塩や不飽和有機酸以外のエチレン性不飽和単量体
を共存させても良い。
【0015】グラフト重合率(GT%)、すなわちポリエス
テル繊維成形物に対する、エチレン性不飽和有機酸の重
合による重合増加率は12%以上が望ましい。これよりも
グラフト率が低いと、目標とする吸湿発熱性もしくはア
ンモニア消臭機能性のいずれかの機能が十分発揮出来な
い。性能の点からより望ましくは15%以上である。グラ
フト重合率(GT%)は、反応前の絶乾重量(W0)からグラフ
ト重合し洗浄した後の絶乾重量(W1)への重量増加率から
計算できるものである。グラフト重合率(GT%)=(W1−W
0)×100/W0
【0016】グラフト重合方法は特に限定されるもので
はないが、疎水性ラジカル開始剤、アルキルフタルイミ
ド系化合物、界面活性剤及びエチレン性不飽和有機酸を
含む水性乳化中に、本発明における異形断面係数のポリ
エステル繊維成形品を浸漬、加熱処理する方法が好まし
い。これらの方法により、効率よく均一にグラフト重合
することができ、繊維物理特性の低下が少ない。
【0017】グラフト重合浴中におけるエチレン性不飽
和有機酸の濃度は、1〜10重量%が好ましい。このような
濃度で加工することにより、通常12%以上のグラフト重
合率を得ることが可能となる。
【0018】疎水性のラジカル開始剤としては、ベンゾ
ルパーオキサイド、トルイルパーオキサイド、芳香族ア
ルキルパーオキサイド系化合物、ジクロルベンゾイルパ
ーオキサイド、ジクロミルパーオキサイド、アゾビスイ
ソブチロニトリル、キュメンハイドロパーオキサイド、
過安息香酸、過安息香酸エステル等が挙げられる。な
お、疎水性のラジカル重合開始剤の使用量は、グラフト
重合浴に対して、0.01〜5.0重量%程度である。
【0019】アルキルフタルイミド系化合物とは、フタ
ルアミドのN基に脂肪族もしくは芳香族のアルキル基を
有する化合物であるが、加工処理後の製品への残存量、
臭気、安全性、取り扱い性を考えると、メチル、エチ
ル、プロピル、イソピロピル、ブチル、イソブチル等の
低分子量脂肪族アルキル基が望ましい。また、これらは
単独で用いても、数種類混合して用いても良い。
【0020】このアルキルフタルイミド系化合物の使用
量は、グラフト重量浴に対して、0.01〜2.0重量%が望ま
しい。これより少ないと、均一にグラフト重合が行われ
ず、重合率も上がらない。また、これ以上使用量を増や
しても、重合率は高くならず、最終製品に残存するアル
キルフタルイミドの量も多くなり、臭気が残り、消費特
性上好ましくない。また、安全性、処理コスト、反応性
の点から、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。
【0021】調整されたグラフト重合浴中にポリエステ
ル繊維成形品を浸漬して加熱処理するが、処理条件は通
常50℃から150℃で5分から3時間であり、好ましくは70
℃から130℃で30分から120分間である。雰囲気としては
窒素ガス雰囲気が好ましい。
【0022】さらにグラフト重合した後、塩基性アルカ
リ金属化合物と金属イオン封鎖剤を含む水溶液で、その
水溶液pHが8以上10未満になるまで処理することによ
り、高い吸湿発熱性能とアンモニア消臭性能の両性能を
得ることが出来る。
【0023】すなわち、これらの方法によりグラフト重
合されたポリエステル繊維成形品は、共重合したエチレ
ン不飽和有機酸の酸末端の一部をアルカリ金属塩化する
ことにより、高い吸湿発熱性能をえることが出来る。ま
た、不飽和有機酸の酸末端の一部はアルカリ金属塩化せ
ずに残す必要がある。残った酸末端により、アンモニア
消臭機能を得ることが出来る。これらの両性能を得るた
めには、グラフト重合した後の塩基性アルカリ金属化合
物と金属イオン封鎖剤を含む水溶液での処理において、
アルカリ添加量を徐々に追加するか、低濃度で数回に分
けて、処理液中のpHが8以上10未満の地点になるまで処
理する必要がある。水溶液pHが8未満の場合は十分な吸
湿性能が得られず、10以上になるとアンモニア消臭機能
が得られるだけでなく、繊維の機械的特性の低下も激し
く、製品として望ましくない。
【0024】このアルカリ金属塩化に用いる金属塩とし
ては、ナトリウム、リチウム、カリウム等が挙げられ、
塩基性アルカリ化合物としては、具体的には水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがアルカ
リ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン
酸-2-ナトリウム、リン酸-3-ナトリウムなどの無機弱酸
のアルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナト
リウムなどの有機弱酸のアルカリ金属塩、亜硫酸ナトリ
ウム、珪酸ナトリウム等の水に溶けてアルカリ性を示す
化合物であり、これらは単独または2種遺贈の混合物と
して用いられる。なお、該アルカリ金属化合物の使用濃
度は10g/Lの濃度で使用されるが、機械的性能上望まし
い。
【0025】本発明において、上記〔0022〕に記載のア
ルカリ金属化合物と共に用いられる金属イオン封鎖剤は
公知の物質が使用される。一般に金属イオン封鎖剤とし
ては、ピロリン酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウム、
トリメタリン酸ナトリウム、テトラメタリン酸ナトリウ
ム、ポリリン酸ナトリウム等の縮合リン酸塩類、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸の2ナトリウム塩、エチレンジア
ミンテトラ酢酸の4ナトリウム塩、エチレンジアミンテ
トラ酢酸の2アンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ
酢酸の4アンモニウム塩等のエチレンジアミンテトラ酢
酸塩、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン-N、N'N'-
トリ酢酸塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、グリコ
ールエーテルジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサンジア
ミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸類等が挙げられる。
これらの金属イオン封鎖剤の使用量は用水中に溶存する
多価金属イオンの量にもよるが、一般には0.01〜5.0g/L
の濃度で使用すれば十分である。
【0026】アルカリ金属化合物と金属イオン封鎖剤を
含む水溶液によるグラフト重合したポリエステル繊維成
形品のアルカリ金属塩化処理は、一般的には常温から10
0℃の範囲で行われる。
【0027】この方法により、20℃の65%RH環境下での
吸湿率が5%以上であり、且つ、吸湿発熱性能やアンモニ
ア消臭性能を有した軽量で嵩だか性を有したポリエステ
ル繊維形成品を得ることが出来る。
【0028】本発明におけるアンモニア消臭性とは、3L
のポリ容器に100ppmの濃度になるようになるようにアン
モニア水を滴下し、そのポリ容器にサンプルを3g入れ、
密閉し20分後のポリ容器中にアンモニア濃度が10ppm以
下にすることができる性能のことを言う。アンモニア濃
度はガステック社製のガス検知管を使用して測定する。
20分後に10ppmより高いアンモニア濃度であれば、実使
用において、臭気の吸収は不十分であり、十分な消臭性
能とは言えない。
【0029】これらの吸湿発熱性、アンモニア消臭機能
ポリエステル繊維成形品は、洗濯による性能低下も非常
に低く、JIS L0217-103法による繰り返し洗濯試験10回
後も20℃の65%RH環境下での4%以上で、アンモニア消臭
機能の低下が無く実用的に有用である。
【0030】本発明の方法により作られたポリエステル
繊維成形品は、吸湿性、吸湿発熱性能、且つ、アンモニ
ア消臭性能を兼ね備えており、従来ポリエステル繊維を
用いた場合に問題となっていたベトツキ、蒸し暑いとい
う点を改善することが出来た上、高度なアンモニア消臭
機能が付与されているため、衣料・寝装品・生活資材・
インテリア等に非常に優れた性能を発揮する。また、そ
の性能は実使用における洗濯後も継続され、多くの用途
に使うことが可能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施
例また比較例における吸湿性ポリエステル繊維成形品の
評価方法は以下の通りである。 (1)洗濯耐久性試験:JIS L0217-103法にて10回洗濯試
験する。 (2)グラフト重合率(GT%):反応前の絶乾重量(W0)からグ
ラフト重合し洗浄した後の絶乾重量(W1)への重量増加率
から計算した。 グラフト率(GT%)=(W1−W0)×100/W0 (3)吸湿率(M%):最終品の絶乾重量(S0)から20℃の65%RH
環境下で48時間放置した後の重量(S1)への重量増加量を
計算した。 吸湿率(M%)=(S1−S0)×100/S0 (4)アンモニア消臭性能:3Lのポリ容器に100ppmの濃度
になるようになるようにアンモニア水を滴下し、そのポ
リ容器にサンプルを3g入れ、密閉し20分後のポリ容器中
のアンモニア濃度をガステック社製のガス検知管を使用
して測定した。 (5)吸湿発熱性能:製品を絶乾(乾燥条件:105℃、3時間)
したのちデシケーターに入れて、このデシケーターを30
℃、相対湿度75%の環境に10時間以上置くことで布帛の
調温を行い、その後サンプルを取り出して、製品の表面
最高温度を日本電気三栄株式会社製THERMO TRACER TH
3100及びDETECTOR UNIT TH 3100で測定した。 (6)異形断面係数(R):市販の光学顕微鏡を用いて、繊維
の断面形状を撮影し、画像ソフトを用いて、繊維断面の
内外周長および繊維断面積を算出し、以下の式により計
算した。 異形断面係数(R)=繊維断面の内外周長/(繊維断面積)
1/2
【0032】(実施例1、実施例2、比較例1、比較例2) 吸湿性、吸湿発熱性能且つ吸湿発熱性繊維の製造方法:
グラフト重合浴の1/15重量の表1に示したポリエチレン
テレフタレート綿(6.6dtex-64mm)をベンゾルパーオ
キサイド0.1重量%、N-ブチルフタルイミド、炭酸ナトリ
ウム及びポリエチレングリコールとアニオン系の界面活
性剤よりなる乳化水溶液に、アクリル酸とメタクリル酸
の等量混合モノマーを加えてグラフト重合浴を調整した
溶液に浸漬した。そして、窒素ガス雰囲気下、100℃で1
時間グラフト重合を行った。次いで、80℃の熱水で10分
処理し、その後、炭酸ナトリウム3g/L及びジエチレンジ
アミンテトラ酢酸-4-ナトリウム塩0.5g/Lの水溶液を用
いて、70℃×10分の処理を処理液が所定のpHになるまで
繰り返し、その後、湯水洗を行い、乾燥機(140℃×10
分)を用いて乾燥させで最終製品を得た。この最終製品
はブロード織物とし、目付を100g/m2とした。
【0033】比較例3として、ポリエチレンテレフタレ
ート綿(6.6dtex-64mm)のグラフト加工を実施してい
ないものも、最終製品を得た。この最終製品は〔0032〕
と同様にブロード織物とし、目付を100g/m2とした。
【0034】上記、実施例1〜2及び比較例1〜3で得られ
た繊維製品について、異形断面度係数、グラフト重合
率、吸湿率(初期・洗濯後)、吸湿発熱最大温度(初期・
洗濯後)、アンモニア消臭性能、N-アルキルフタルイミ
ド残存量及び最終製品の臭気を調べた結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によると、吸湿性、吸湿発熱性及
びアンモニア消臭性能を兼ね備え、洗濯耐久性に優れた
ポリエステル繊維成形物が効率よく得られる。また、こ
れらの製品からの臭気は非常に少ないため、消費特性上
も好ましく、衣料・寝装品・生活資材・インテリア等へ
の活用に非常に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維断面の異形断面係数(繊維断面の内外
    周長/(繊維断面積)1/2 )Rが4.5以上のポリエステル繊
    維にエチレン性不飽和有機酸系化合物がグラフト重合さ
    れ、20℃の65%RH環境下での吸湿率が5%以上で、かつア
    ンモニア消臭性を有するグラフト重合加工ポリエステル
    繊維成形品。
  2. 【請求項2】 JIS-L0217-103法による繰り返し洗濯試
    験10回後の20℃の65%RH環境下での吸湿率が4%以上であ
    る請求項1記載のグラフト重合加工ポリエステル繊維成
    形品。
JP2000078456A 2000-03-21 2000-03-21 グラフト重合加工ポリエステル繊維成形品 Withdrawn JP2001271271A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102294859A (zh) * 2011-08-01 2011-12-28 中山大学 一种用于海水淡化的吸湿性材料及海水淡化装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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