JP2002053810A - 粉体塗料の調色方法 - Google Patents

粉体塗料の調色方法

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JP2002053810A
JP2002053810A JP2000237800A JP2000237800A JP2002053810A JP 2002053810 A JP2002053810 A JP 2002053810A JP 2000237800 A JP2000237800 A JP 2000237800A JP 2000237800 A JP2000237800 A JP 2000237800A JP 2002053810 A JP2002053810 A JP 2002053810A
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powder coating
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Shoichi Suzuki
祥一 鈴木
Yukiya Sato
幸哉 佐藤
Kazuhiko Nakayama
和彦 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉体塗料の調色工程を簡素化するための調色方
法として、2種以上の色彩の異なる粉体塗料を組み合わ
せて塗布しても、まだら感の少ない均一な色彩を有する
塗膜が得られる調色方法及び塗膜の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】2種以上の色彩の異なる粉体塗料を組み合
わせて目標色に調色する調色方法であって、組み合わせ
る粉体塗料の明度、配合重量比率及び体積平均粒径が、
式(I): 【数1】 〔Nは組み合わせる粉体塗料の数であり、2以上の整
数、L0 は目標色の色彩の明度、Li は組み合わせるi
番目の粉体塗料の明度、Wi は組み合わせるi番目の粉
体塗料の配合重量比率(0<Wi <1)、Di は組み合
わせるi番目の粉体塗料の体積平均粒径(μm)を示
す〕を満足する粉体塗料を組み合わせる、粉体塗料の調
色方法、並びに該調色方法により組み合わせた粉体塗料
を用いた塗膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2種以上の色彩の
異なる粉体塗料を組み合わせて目標色に調色する調色方
法及び塗膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、樹脂、硬化剤、添加剤等に
数色の着色剤を加え、混合した後、溶融混練し、その
後、冷却、粉砕、必要に応じて分級することにより製造
されている。一般に、このようにして製造された2種以
上の色彩の異なる粉体塗料を混合して塗布すると通常目
で見ても不均一(以下、まだら感という)と感じる。そ
のため、要求される色彩毎に塗料を用意せざるを得ず、
その品揃えは膨大な数にのぼっている。
【0003】これに対し、粉体塗料の調色工程を簡素化
するために、数種の着色粉体を組み合わせて、幅広い色
彩に調色する方法の開発が望まれている。
【0004】特表平4−504431号公報には、色の
違いが目では見分けることができない粒子径、最大粒径
が10μm以下の粉体を、異なった色の粒子の偏析を生
じないように造粒して一般の静電塗装機でも塗装可能と
する方法が提案されている。しかしながら、粉体塗料を
10μm以下に粉砕し、造粒するため製造工程が煩雑と
なる。
【0005】特開平11−293160号公報には、着
色剤を含有する複数色の透光性の粉体塗料と着色剤を含
有しないクリアな透光性の粉体塗料とをドライブレンド
調色する方法が提案されている。しかしながら、これら
透光性塗料では被塗装物の色の影響を受けやすい。
【0006】EP724611には、”bleedin
g”染料・顔料を含有する数種の着色熱硬化粉体塗料を
混ぜて特殊コートする方法が提案されている。しかしな
がら、使用する染料・顔料が”bleed”し易いた
め、得られる塗膜は溶剤により色落ちしやすく、また2
コート2ベイクが必要とされるため塗装工程が煩雑であ
る。
【0007】また、特許第2899966号公報には、
単独では250℃以下で熱硬化しないが、他種の粉体塗
料と混合塗布することにより250℃以下で熱硬化する
粉体塗料を用いる方法が提案されており、ある程度の効
果が得られているものの、さらなる改良が望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粉体塗料の
調色工程を簡素化するための調色方法として、2種以上
の色彩の異なる粉体塗料を組み合わせて塗布しても、ま
だら感の少ない均一な色彩を有する塗膜が得られる調色
方法及び塗膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術に鑑み、塗膜における色彩のまだら感とL* *
表色系における明度(L* 値) ムラ、彩度(C* 値) ム
ラ及び色相角度(h値) ムラとの関係を検討した結果、
図1に示すように、塗膜のまだら感は明度ムラに大きく
依存することを見出し、その知見を基にさらに明度ムラ
の大きさを決定する因子を検討して本発明を完成するに
至った。
【0010】即ち、本発明は、2種以上の色彩の異なる
粉体塗料を組み合わせて目標色に調色する調色方法であ
って、組み合わせる粉体塗料の明度、配合重量比率及び
体積平均粒径が、式(I):
【0011】
【数2】
【0012】〔Nは組み合わせる粉体塗料の数であり、
2以上の整数、L0 は目標色の色彩の明度、Li は組み
合わせるi番目の粉体塗料の明度、Wi は組み合わせる
i番目の粉体塗料の配合重量比率(0<Wi <1)、D
i は組み合わせるi番目の粉体塗料の体積平均粒径(μ
m)を示す〕を満足する粉体塗料を組み合わせる、粉体
塗料の調色方法、並びに該粉体塗料の調色方法により組
み合わせた粉体塗料を用いた塗膜の製造方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、組み合わせる粉体塗
料の明度、配合重量比率及び体積平均粒径が、式
(I):
【0014】
【数3】
【0015】〔Nは組み合わせる粉体塗料の数であり、
2以上の整数、L0 は目標色の色彩の明度、Li は組み
合わせるi番目の粉体塗料の明度、Wi は組み合わせる
i番目の粉体塗料の配合重量比率(0<Wi <1)、D
i は組み合わせるi番目の粉体塗料の体積平均粒径(μ
m)を示す〕を満足する粉体塗料を組み合わせることに
より、目標色に調色することができる。なお、本発明に
おける「目標色」とは、2種以上の粉体塗料を特定の割
合で混合して塗装し、焼き付けして得ようとする塗膜の
色彩を指し、L0 、Li は同一光源を用いて測定した値
とする。また、「色彩」とは、色相、明度及び彩度の3
属性の組み合わせを示す。
【0016】式(I)に示すように、組み合わせる粉体
塗料の明度、その配合重量比率及びその体積平均粒径が
特定の関係を満たすように粉体塗料を組み合わせて調色
することにより、2種以上の色彩の異なる粉体塗料を組
み合わせた場合であっても、まだら感の少ない均一な色
彩の塗膜が得られる。即ち、異なる色彩を有する粉体塗
料を組み合わせ、所望の色彩(目標色)に合わせる際に
は、組み合わせる粉体塗料の配合重量比率、その体積平
均粒径に加えて、それぞれの粉体塗料と目標色との明度
差が塗膜の色彩のまだら感に大きく影響することから、
これら3つの特性値の積を総和して得られる値が小さい
程、まだら感の少ない、均一な色彩の塗膜が得られる。
3つの特性値の積の総和が190以下、好ましくは13
0以下であると、得られる塗膜はまだら感が小さく、よ
り均一な色彩となる。式(I)を利用することにより、
例えば、目標色との明度差の大きい粉体塗料を組み合わ
せる場合であっても、かかる粉体塗料の配合重量比率を
少なくし、かつ体積平均粒径を小さくして使用すること
により、まだら感が少なく、均一な目標色に調色できる
ことが分かる。
【0017】さらに、本発明では、式(I)を利用して
調色することにより、数少ない原色粉体塗料から、幅広
い色彩の塗膜を得ることができ、粉体塗料の品揃えを減
少させることができる。即ち、彩度の高い有彩色の粉体
塗料の組み合わせにより色相を、無彩色の粉体塗料の組
み合わせにより明度をそれぞれ主に調整することによ
り、目標色の色彩に調色できることから、明度の調整の
容易な無彩色の粉体塗料と、彩度が高く、塗料間の明度
が大きく変わらない、複数の有彩色の粉体塗料の品揃え
により、中間色を含む幅広い色彩に調色することができ
る。従って、本発明では、品揃えの減少の観点から、1
種以上の無彩色の粉体塗料と1種以上の有彩色の粉体塗
料とを組み合わせて調色することが好ましい。無彩色の
粉体塗料には1種又は2種を用いることが好ましく、調
色に用いる無彩色の粉体塗料間の明度差は、L* 値にし
て、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、品
揃えの観点より5以上が好ましい。又、調色に用いる有
彩色の明度差は、30以下が好ましく、25以下がより
好ましい。なお、本発明において、無彩色の粉体塗料と
は、a* 値及びb* 値のいずれもが、−5より大きく+
5未満のものを、有彩色の粉体塗料とは、a* 値及びb
* 値の少なくとも一方が−5以下、+5以上のものをい
う。
【0018】なお、式(I)における明度とは、国際照
明委員会(CIE)で規格化され、JIS Z 872
9において採用されているL* * * 表色系(CIE
1976)により測定されるL* 値を指し、前記a*
及びb* 値とは同表色系における色度を指す。なお、L
* 値、a* 値及びb* 値は、測定値が物体の表面状態に
依存しない測色方法であるSCI方式(正反射方向を含
む測色方式)で測定した値とする。
【0019】また、式(I)における配合重量比率に
は、〔組み合わせるi番目の粉体塗料の重量/調色に用
いる粉体塗料の総重量〕の値(0<Wi <1)を用い
る。
【0020】本発明では、粉体塗料を組み合わせた際
に、式(I)を満足するように2種以上の粉体塗料を選
択するが、この選択は、粉体塗料の明度、配合重量比率
及び体積平均粒径を考慮して適宜選択すればよい。式
(I)を満足するか否かの判定は、ある組み合わせにつ
いて一度行えば、類似の組み合わせについては経験的に
判定することもできる。
【0021】本発明に用いられる粉体塗料としては、従
来より用いられている、樹脂、着色剤、好ましくはさら
に硬化剤を含有する粉体塗料を特に限定することなく用
いることができるが、被塗装物が有する色彩の影響を少
なくするために、組み合わせる粉体塗料の少なくとも1
種、好ましくは用いる粉体塗料の80重量%以上、より
好ましくは全ての粉体塗料が不透明性であるのが望まし
い。
【0022】本発明において、不透明性の粉体塗料と
は、塗装焼き付けして得られる塗膜の色彩が被塗装物
(下地)の色彩に影響を受けることのない性質を有する
粉体塗料、すなわち塗膜において充分な隠蔽性を得るこ
とができる粉体塗料をいい、具体的には、後述する無機
系顔料を含有する粉体塗料を用いることができる。
【0023】樹脂としては、従来より公知である樹脂が
特に限定されることなく使用可能である。例えば、ポリ
エチレン、ナイロン樹脂、塩化ビニルなどの非反応性樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂な
どの反応性樹脂等が挙げられ、これらは2種以上を混合
して用いてもよい。これらのなかでは、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂が好ましく、ポリエ
ステル樹脂及び/又はエポキシ樹脂を主成分として、結
着樹脂中、50〜100重量%含有することがより好ま
しい。
【0024】硬化剤としては、用いられる反応性樹脂の
官能基に対応した従来より公知である硬化剤が特に限定
されることなく使用可能である。例えば、トリレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート等のポリイ
ソシアネート系硬化剤;1,3,5−トリグリシジルイ
ソシアヌレート等のイソシアヌレート系硬化剤;ブロッ
クイソシアネート系硬化剤;ビスフェノールA型ジグリ
シジルエーテル等のエポキシ系硬化剤;アルコキシシラ
ン系硬化剤;ポリアジリジン系硬化剤;オキサゾリン系
硬化剤等が挙げられる。硬化剤の含有量は、樹脂中に存
在する官能基の量にもよるが、官能基の当量比で0.8
〜1.2の範囲が好ましい。
【0025】着色剤しては、通常、粉体塗料に使用され
るすべての無機系顔料と有機系顔料を用いることができ
る。無機系顔料としては、酸化チタン、べんがら、クロ
ムチタンイエロー、黄色酸化鉄、カーボンブラック等が
挙げられる。有機系顔料としては、アゾ系、ペリレン
系、縮合アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、フタロシアニ
ン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサン
系等の顔料が挙げられ、具体的には、アゾ系顔料として
はレーキレッド、ファストイエロー、ジスアゾイエロ
ー、パーマネントレッド等、ニトロ系顔料としてはナフ
トールイエロー等、ニトロソ系顔料としてはピグメント
グリーンB、ナフトールグリーン等、フタロシアニン系
顔料としてはフタロシアニンブルー、フタロシアニング
リーン等、アントラキノン系顔料としてはインダスレン
ブルー、ジアントラキノニルレッド等、キナクリドン系
顔料としてはキナクリドンレッド、キナクリドンバイオ
レット等、ジオキサン系顔料としてはカルバゾールジオ
キサジンバイオレット等が、それぞれ挙げられる。樹脂
100重量部に対する着色剤の含有量は、その種類によ
り異なるが、無機系顔料では、1〜60重量部、有機系
顔料では0.05〜30重量部が好ましい。
【0026】無機系顔料は、塗膜に隠蔽性を付与する効
果があり、単独で使用しても、また2種以上の無機系顔
料を組み合わせて使用しても、不透明性の粉体塗料が得
られる。しかし、有機系顔料は、顔料自体に、隠蔽性を
付与する効果が乏しいため、有機系顔料のみを着色剤と
して使用すると、得られる粉体塗料は透明性のものとな
る。従って、不透明性の粉体塗料の使用が好ましい本発
明において有機系顔料を使用する場合には、無機系顔料
とともに使用することが好ましい。特に、有機系顔料の
色相を損なうことなく、塗膜に隠蔽性を付与し得る点か
ら、有機系顔料と併用する無機系顔料としては、酸化チ
タンが好ましい。
【0027】粉体塗料には、必要に応じて、アクリレー
ト重合体等の流展剤、各種触媒や有機系スズ化合物等の
架橋促進剤、ベンゾイン等のワキ防止剤等の添加剤等が
含有されていてもよい。
【0028】本発明に用いられる粉体塗料は、例えば、
樹脂、硬化剤、着色剤、添加剤等を押出機等で溶融混練
し、冷却後、例えば、ハンマーミル、ジェット衝撃ミル
等の粉砕装置を用いて物理的粉砕を行い、ついで空気分
級機、マイクロン・クラッシファイアーなどの分級機を
用いて分級することにより調製することができる。ま
た、樹脂、硬化剤、着色剤等を、樹脂が溶解する溶媒に
分散させ、スプレードライ、相分離等の方法、または樹
脂を構成するモノマーに硬化剤、着色剤等を混合し、懸
濁重合、乳化重合する方法等も挙げられ、これらの粒子
を会合させて所望の粒径としてもよい。さらに、粉体塗
料の表面には、シリカ、アルミナ、チタニア又はジルコ
ニア等の流動性調整剤が添加されていてもよい。
【0029】粉体塗料の体積平均粒径は、流動性、塗着
効率及び保存性の観点から15μm以上、更には17μ
m以上、平滑性の観点から50μm以下、更には30μ
m以下が、それぞれ好ましいことから、15〜50μm
が好ましく、17μmを超え50μm以下がより好まし
く、17μmを超え30μm以下が特に好ましい。本発
明では、組み合わせる粉体塗料の少なくとも1種、好ま
しくは用いる粉体塗料の80重量%以上、より好ましく
は全ての粉体塗料が、前記体積平均粒径を有しているの
が望ましい。
【0030】本発明では、既製の色見本などを目標色と
して同じ色彩の塗膜を得るために、特定の原色から色彩
を合わせる場合、コンピューターカラーマッチング(C
CM)を用いて、色合わせ(調色)に必要な原色種、お
よび各原色の配合重量比率を設定することもできる。
【0031】本発明の調色方法により組み合わせた粉体
塗料を用いて塗膜を製造することができる。具体的に
は、例えば、本発明により組み合わせた2種以上の粉体
塗料を混合塗布して、焼き付けることにより、塗膜を形
成させることができる。本発明の調色方法を用いて得ら
れる塗膜は、目標色と同程度の明度を有し、かつまだら
感の少ない均一な色彩のものとなる。
【0032】本発明では、2種以上の粉体塗料を予め混
合した後に、塗布するのが好ましいが、2種以上の粉体
塗料を塗装機に連続的に供給しながら塗布する方法やそ
れぞれの粉体塗料に対応した塗装機を用いて塗布しても
よい。粉体塗料を混合する方法としては、ヘンシェルミ
キサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機で乾式混合す
る方法等の従来より知られている方法がすべて使用可能
である。なお、各粉体塗料の使用量は、目的とする塗膜
の色彩に応じて適宜選択される。
【0033】粉体塗料を塗布する方法は、特に限定され
ず、静電スプレー、電子ガン等を用いる塗布方法、流動
浸漬法、プラスチック溶射法等が挙げられ、これらのな
かでは、コロナ方式又は摩擦方式の静電スプレーを用い
る塗装方法が好ましい。
【0034】粉体塗料の焼き付けは、十分に硬化が終了
する条件であれば、特に限定されない。焼き付けの際の
温度、時間等は、粉体塗料に含有される樹脂の種類、組
み合わせた粉体塗料の混合物の硬化開始温度等によって
異なるため、一概には決定できないが、通常、120〜
200℃で、10〜30分程度が好ましい。なお、粉体
塗料の塗布及び焼き付けの手順については特に制限はな
いが、作業効率の点から1コート、1ベイクで行うのが
好ましい。
【0035】
【実施例】実施例1〜12、比較例1〜7 表1に示す発色性(L* 値、a* 値、b* 値)及び体積
平均粒径を有する原色粉体塗料を用いて、表2に示す発
色性を有する目標色への調色を行った。なお、粉体塗料
の体積平均粒径は、ポリ(n=4)オキシエチレンアル
キル(炭素数12〜14)エーテル硫酸エステルナトリ
ウム0.4gを含む蒸留水20mlに粉体塗料0.08
gを加え、超音波にて2分間処理後、マイクロトラック
HRA粒度分布測定装置model9320−X100
(日機装社製)を用いて測定した。
【0036】〔原色粉体塗料の製造例〕ポリエステル樹
脂「クリルコートCC−341」(ダイセルUCB社
製)50重量部、エポキシ樹脂「エピコート1004A
F」(油化シェルエポキシ社製)50重量部、表1に示
す使用量(重量部)の着色剤、流展剤「ディスパロンP
L540」(楠本化成社製)1重量部、ワキ防止剤とし
てベンゾイン1重量部及び硬化触媒としてフェニルイミ
ダゾリン0.1重量部を、スーパーミキサー(カワタ社
製)にて良く混合した後、ブッス・コニーダー(ブッス
社製)を使用して混練し、冷却したのち「パルペライザ
ーACM10A」(ホソカワミクロン製)で粉砕、分級
して粉体を得た。得られた粉体100重量部とシリカ
「R972」(日本アエロジル社製)0.3重量部とを
ヘンシェルミキサーで均一に混合し、粉体塗料を得た。
【0037】それぞれの粉体塗料の発色性は、各粉体塗
料を灰色のリン酸亜鉛処理鋼板に静電塗装し、その後1
80℃で20分焼き付けて得られた塗膜について、分光
測色計「CM3600d」(ミノルタ社製)を使用し、
F6光源、10°視野、SCI方式の測定条件にて測定
したものである。なお、これらの塗膜が示す発色性はす
べて下地の灰色に影響を受けることなく、十分な隠蔽性
を有していた。なお、実施例に示す測色値の測定条件は
すべて上記と同じである。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表1の原色粉体塗料から、目標色と同じ色
彩の塗膜を得るために必要な原色種および各原色の配合
重量比率については、コンピュータカラーマッチングシ
ステムを用いて算出した。この算出した配合重量比率に
基づき各原色粉体塗料を計量し、混合して調色した後、
灰色のリン酸亜鉛処理鋼板に静電塗装し、その後180
℃で20分焼き付けて、表3〜表5に示す塗膜を得た。
【0041】得られた塗膜の色彩の均一性については、
以下の評価基準にて評価した。 〔評価基準〕両目視力1.0の観察者が、塗膜から50
cm離れて塗膜を観察した際に、 ○:均−にみえる △:わずかにまだらに見える ×:まだらに見える
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】以上の結果より、実施例1〜12のよう
に、組み合わせる粉体塗料の明度特性、その配合重量比
率及びその体積平均粒径が特定の関係を満たすように粉
体塗料を組み合わせて調色することにより、2種以上の
色彩の異なる粉体塗料を用いても、まだら感の少ない均
一な色彩の塗膜を得ることができることが分かる。そし
て、比較例1〜7では、コンピュータカラーマッチング
により選択された粉体塗料の組み合わせであっても、本
発明での条件を満足していなければ、まだら感が生じる
ことが分かる。
【0046】
【発明の効果】本発明により、2種以上の色彩の異なる
粉体塗料を組み合わせて調色し、塗布した際にも、容易
にまだら感の少ない均一な色彩を有する塗膜を得ること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、まだら感と、明度(L* 値) ムラ、彩
度(C* 値) ムラ及び色相角度(h値) ムラとの関係を
示すグラフである。なお、横軸は塗膜の40mm×40
mm内の領域を0.1mm×0.1mmの領域で分割し
たときの16万箇所に対してすべての箇所を測色して得
られる、各色彩因子の分布の標準偏差である。
フロントページの続き (72)発明者 中山 和彦 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 4J038 CB021 CD031 CG001 DB001 DD001 DH001 KA03 KA08 LA06 MA02 PA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の色彩の異なる粉体塗料を組み
    合わせて目標色に調色する調色方法であって、組み合わ
    せる粉体塗料の明度、配合重量比率及び体積平均粒径
    が、式(I): 【数1】 〔Nは組み合わせる粉体塗料の数であり、2以上の整
    数、L0 は目標色の色彩の明度、Li は組み合わせるi
    番目の粉体塗料の明度、Wi は組み合わせるi番目の粉
    体塗料の配合重量比率(0<Wi <1)、Di は組み合
    わせるi番目の粉体塗料の体積平均粒径(μm)を示
    す〕を満足する粉体塗料を組み合わせる、粉体塗料の調
    色方法。
  2. 【請求項2】 体積平均粒径が15μmを超え、50μ
    m以下の粉体塗料を組み合わせる請求項1記載の調色方
    法。
  3. 【請求項3】 無彩色の粉体塗料と有彩色の粉体塗料と
    を組み合わせる請求項1又は2記載の調色方法。
  4. 【請求項4】 無彩色の粉体塗料を1種又は2種用いる
    請求項3記載の調色方法。
  5. 【請求項5】 粉体塗料を組み合わせた際に、式(I)
    を満足するように2種以上の粉体塗料を選択して組み合
    わせる請求項1〜4いずれか記載の調色方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載の粉体塗料の
    調色方法により組み合わせた粉体塗料を用いた塗膜の製
    造方法。
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