JP2005177541A - 積層塗膜の形成方法、積層塗膜および塗装物 - Google Patents

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Abstract

【課題】光輝材の光輝感と粒子感が抑制され、落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜を与える意匠性塗膜形成方法及びその塗装物を提供する。
【解決手段】カラーベース塗料、カラークリヤー塗料を順次塗装し硬化させて積層塗膜を得る。カラーベース塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料および微小鱗片状顔料が2〜120質量部、着色顔料/微小鱗片状顔料質量比が90/10〜10/90、カラークリヤー塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料が0.01〜3質量部であり、カラーベース塗料を塗装し硬化させてなる塗膜のマンセルバリューをVB、マンセルクロマをCB、カラーベース塗膜にカラークリヤー塗料を塗装し硬化させてなる2層塗膜のマンセルバリューをVT、マンセルクロマをCTとしたとき、以下の関係が満足される:VB≦6、CB≦10、VT≦0.8VB、CT≦0.8CB
【選択図】 なし

Description

本発明は、たとえば自動車、オートバイ、家電製品およびその部品等を対象とする工業塗装用として好適な、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜を与える意匠性の積層塗膜形成法、およびこの方法により塗装された塗装物に関する。
高い意匠性が必要とされる自動車の塗装においては、光輝性材料を含有する光輝性塗料組成物を用いた高彩度の塗膜が必要とされている。特に、光輝性材料の特徴を生かした高光輝性、高粒子感を備えた高彩度の塗膜の要求が高く、この要求を達成すべく意匠性の開発が行われている。
例えば、着色性を有する光輝性顔料および着色顔料を含有する光輝性ベースを形成した後、着色顔料を含有するカラークリヤー塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法において、(a)着色性を有する光輝性顔料の色相Hが、マンセル色相環100に対して光輝性ベース塗膜中の着色顔料色のマンセル表色系における色相Hを0とし、右廻り+50、左廻り−50で表示した際に、+25〜+50、または−25〜−50の色相範囲であること、および(b)カラークリヤー塗膜中の着色顔料色のマンセル表示系における色相Hが、H−10≦H≦H+10にあり、光輝性ベース塗膜のマンセル表色系における彩度Cが、3以上、かつ光輝性ベース塗膜とカラークリヤー塗膜色との複合塗膜のマンセル表示系における彩度CとCとの関係が、C/C≧1.2である光輝性塗膜形成方法が提案されている(特許文献1:特許請求の範囲)。しかし、この方法では、複合して形成された塗膜の彩度の向上、立体感のある光輝感を発現する塗膜は得られるが、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜は得られない。
特開2001−232283号公報
また、ビヒクルと、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料と着色マイカ顔料、干渉マイカ顔料、着色アルミニウム顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料および金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料から選ばれた少なくとも1種類の光輝性顔料とを含有する光輝性ベース塗料組成物であって、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料のマンセル表示系における色相Hが、マンセル色相環100に対し光輝材性顔料の色相Hを0とし、左廻り+50、右廻り−50で示した際に、+25〜+50または−25〜−50の色相範囲にある光輝性ベース塗料組成物を基材に塗装して光輝性塗膜を形成し、このベース塗膜層の上に、ビヒクルと、着色顔料とを含有するカラークリヤー塗料組成物であって、着色顔料のマンセル表示系における色相Hが、マンセル色相環100に対して光輝性顔料の色相Hを0とし、左廻り+50、右廻り−50で示した際に、H−10≦H≦H+10の色相範囲にあるカラークリヤーを塗装してカラークリヤー塗膜層を形成することを特徴とする光輝性複層塗膜の形成方法が提案されている(特許文献2: 請求項1)。しかし、この方法は、光輝性ベースコート内の光輝材の光輝性が十分発現するように各光輝材の色相を規定するとともにカラークリヤーでその光輝材の光輝性を生かし、彩度を高めるところに特徴がある。したがって、この方法では、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜は得られない。
特開2001−232284号公報
また、下地層の上にカラーベース層を形成し、その上にカラークリヤー層を形成して成る塗膜構造であって、表面粗さが±2μ以下のカラーベース層と100分割マンセル色相環において、カラーベース層の着色材の色に対し±10の範囲内にある色相を有し、層内からの反射率が0.1%以下である染料入りカラークリヤー層をもつ塗膜構造が提案されている(特許文献3:請求項1)。しかし、この方法では、染料入りのカラークリヤーを用いるため経時でのカラークリヤーの色相の光安定性が問題となる。また、低明度、高彩度で且つ純粋で、深み感、透明感が向上した塗膜構造は得られるが、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜は得られない。
特許番号第2921809号
また、着色アルミフレーク顔料を含有するカラーベース塗膜層を形成した後、該カラーベース塗膜層上に光輝性クリヤー塗膜層を形成し、さらに、該光輝性クリヤー塗膜層上にトップクリヤー塗膜層を形成する光輝性塗膜形成方法が提案されている(特許文献4:請求項1)。この方法は、3コート系であり、塗装工程が2コート系と比較し1工程多いので、コスト高となる。また、3コートとしたことにより、彩度が高く深みがあり、光輝感、粒子感が強い塗膜は得られるが、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜は得られない。
特開2001−179171号公報
また、光輝性ベース塗膜、カラークリヤーベース塗膜、クリヤートップ塗膜を形成する工程において、マンセル色相環100に対して光輝性ベース塗膜の色相をマンセル表示系における色相0とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、カラークリヤーベース塗膜のマンセル表示における色相Hが、0〜+20、または、0〜−20の色相範囲にすることを特徴とする光輝性塗膜形成方法が提案されている(特許文献5:特許請求の範囲)。しかし、この方法では、高耐候性で着色性を有する輝度感が強く、深み感のある光輝感を有する塗膜は得られるが、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜は得られない。
特開2001−273332号公報
本発明の課題は、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜を与える意匠性塗膜形成方法、およびこの方法により塗装された塗装物を提供することである。
本発明者らは、これらの問題点を解決するために鋭意研究を進めた結果、被塗物表面に、カラーベース塗料、およびカラークリヤー塗料を塗装し硬化させる工程において、カラーベース塗膜とカラークリヤー塗膜からなる複合塗膜の明度、彩度を調整することにより、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
本発明は、カラーベース塗料、カラークリヤー塗料を順次塗装し、硬化させて積層塗膜を得る方法であって、
カラーベース塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料および微小鱗片状顔料が2〜120質量部、着色顔料/微小鱗片状顔料の質量比が90/10〜10/90、カラークリヤー塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料が0.01〜3質量部であり、
カラーベース塗料を塗装し硬化させてなる塗膜のマンセルバリューをVB、マンセルクロマをCB、カラーベース塗膜にカラークリヤー塗料を塗装し硬化させてなる2層塗膜のマンセルバリューをVT、マンセルクロマをCTとしたとき、以下の関係が満足されることを特徴とする。
VB≦6
CB≦10
VT≦0.8VB
CT≦0.8CB
また、本発明は、前記方法により形成されたことを特徴とする、積層塗膜に係るものである。
また、本発明は、基材と、この基材上に形成された前記積層塗膜とを備えていることを特徴とする、塗装物に係るものである。
好適な実施形態においては、カラーベース塗料に含まれる着色顔料とカラークリヤー塗料に含まれる着色顔料との一方または双方が、有機顔料、無機顔料であり、微小鱗片状顔料がアルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆合成マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆板状酸化鉄、グラファイト、ステンレスフレーク、金属チタンフレーク顔料、板状硫化モリブデン、板状塩化ビスマス、ホログラム顔料およびコレスティク液晶ポリマーから選ばれた1種あるいは2種以上を選択できる。
本発明の効果として、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜を得ることができる。
以下に、本発明の構成について詳述する。
本発明のカラーベース塗料は、着色顔料と微小鱗片状顔料を配合してなる塗料であって、微小鱗片状顔料の光輝感と粒子感を発現させる。
また、本発明のカラークリヤー塗料は、着色顔料からなる塗料であって、カラーベース塗膜上にカラークリヤーを形成した場合、微小鱗片状顔料の光輝感と粒子感を抑える効果があり、かつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性が発現する。
ここで述べるマンセルバリュー、マンセルクロマは、マンセルシステムによる色表示を行う場合に用いられる尺度であり、それぞれ、明度、彩度を意味する。例えば、「カラーコーディネーションの基礎」(2002年9月20日発行第2版、東京商工会議所)51〜54ページに詳しく述べられている。
ここで使用するマンセルバリュー、マンセルクロマの値は、DATA
PROCESSOR DP−300(商品名、ミノルタ株式会社製)を用いて測定した際に得られる値である。
カラーベース塗膜のマンセルバリューVBは6以下とし、好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。また、マンセルクロマCBは10以下とし、好ましくは8以下、さらに好ましくは6以下である。
マンセルバリューVBが6を超えるか、またはマンセルクロマCBが10を超える場合、更にマンセルバリューVBが6を超えかつマンセルクロマCBが10を超える場合、ベースコートの明度および/または彩度が高くなり、ベースコートの光輝感および粒子感の発現が不十分となり、光輝材の光輝感と粒子感が低い塗膜となり、好ましくない。
また、カラーベース塗膜にカラークリヤー塗料を塗装し硬化させた複合塗膜のマンセルバリューVTは0.8VB以下であり、好ましくは0.6VB以下、さらに好ましくは0.4VB以下である。また、カラーベース塗膜にカラークリヤー塗料を塗装し硬化させた塗膜のマンセルクロマCTは0.8CB以下であり、好ましくは0.6CB以下、さらに好ましくは0.4CB以下である。
VTが0.8VBを超え、および/またはCTが0.8CBを超える場合、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されず落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られない。
カラーベース塗料に使用される着色顔料としては、従来から塗料用として使用される顔料が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられる。また、無機顔料としては、例えば、黄色酸化鉄、べんがら、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
また、微小鱗片状顔料であるアルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料は、平均粒子径は2〜30μm、好ましくは4〜30μm、さらに好ましくは5〜25μmであり、平均厚さは0.01〜2.5μm、好ましくは0.02〜1.5μmであり、1種または2種以上を使用することができる。
上記アルミニウムフレーク顔料は塗膜に隠蔽性および金属調のメタリック感を付与する顔料であり、アルミニウムフレークをステアリン酸のような脂肪酸とともにボールミルで粉砕処理する通常の方法によって調整されたリーフィングまたはノンリーフィング系のアルミニウムフレークであってよい。さらに基体のアルミニウムフレークに有機着色顔料または無機着色顔料を薄片状にコーティングした着色アルミニウムフレーク顔料を用いてもよい。
また、他の微小鱗片状顔料として、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆合成マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆板状酸化鉄、グラファイト、ステンレスフレーク、金属チタンフレーク顔料、板状硫化モリブデン、板状塩化ビスマス、板状酸化鉄、およびコレステリック液晶ポリマー等が挙げられ、平均粒子径は2〜70μm、好ましくは4〜60μm、さらに好ましくは5〜50μmであり、平均厚さは0.1〜2.5μm、好ましくは0.2〜2.0μmである。
上記金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆合成マイカ顔料は天然もしくは合成のマイカ粉末(雲母粉末)に、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料は酸化アルミニウム粉末に、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料はシリカ粉末に、また金属酸化物被覆板状酸化鉄は、板状酸化鉄粉末に、TiO、Fe、SnO、ZrO等の金属酸化物により被覆されたものである。
カラーベース塗料に含有される着色顔料および微小鱗片状顔料は、樹脂固形分100質量部に対して2〜120質量部、好ましくは2〜100質量部、さらに好ましくは2〜50質量部である。2質量部未満の場合は、第1カラーベース塗膜の下地の隠蔽が不十分となり、120質量部を越す場合は、塗膜外観の低下が生ずるため好ましくない。
また、着色顔料/微小鱗片状顔料の質量比は90/10〜10/90、好ましくは70/30〜10/90、さらに好ましくは50/50〜10/90である。着色顔料と微小鱗片状顔料の比率において、微小鱗片状顔料の比が10未満の場合は、光輝材の光輝性および粒子感の発現が不十分となり好ましくない。また、微小鱗片状顔料の比が90をこえる場合は、カラーベース塗膜が下地を隠蔽するのに塗装回数が増え好ましくない。
上記複合塗膜を形成するカラークリヤー塗料に使用される着色顔料は、従来から塗料用として使用される顔料が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられる。また、無機顔料としては、例えば、黄色酸化鉄、べんがら、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。さらに、耐候性に影響が出ない程度に、染料を使用することも可能である。
ここで、カラークリヤー塗料に含有される着色顔料は、樹脂固形分100質量部に対して0.01〜3質量部、好ましくは0.01〜2質量部、さらに好ましくは0.01〜1質量部である。着色顔料が3質量部を超える場合は、光輝材の光輝性および粒子感が得られないので好ましくない。
カラーベース塗料に用いる熱硬化性樹脂成分としては、架橋性官能基を有し、アクリル系モノマーと他のエチレン系不飽和モノマーと共重合させてなるアクリル樹脂、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られるポリエステル樹脂、多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて変性させて得られるアルキド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これらは、2種以上を組み合わせて使用することもできる。架橋剤は、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート樹脂、ブロックイソシアネート樹脂、アミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、多価カルボン酸系樹脂等から選ばれ、これらは、2種以上を組み合わせて使用することもできる。これらの熱硬化性樹脂成分と架橋剤は混合して使用され、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。
カラーベース塗料の塗膜形成用樹脂と架橋剤の割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量部、架橋剤が10〜50質量部であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量部であり、架橋剤が15〜40質量部である。架橋剤が10質量部未満では(塗膜形成用樹脂が90質量部を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量部を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量部未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
本発明のカラーベース塗料の塗料組成物の形態としては特に限定されず、溶剤型、水分散型、水溶型、粉体型のいずれであっても良いが、好ましくは溶剤型である。溶剤型の場合は、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等の有機溶剤で溶解または分散した液状の状態で使用される。
本発明の積層塗膜の意匠性塗膜形成方法および塗装物に関しては、基材にカラーベース塗料を塗装し、カラークリヤー塗料を塗装した後、塗膜を硬化させて意匠性塗膜を形成するものである。
上記基材としては、限定されるものでなく、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属類、ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料、木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等が挙げられる。
上記基材にベースコート塗料を塗装するに先立ち、必要に応じて、化成処理、下塗り塗装、中塗り塗装等を施しておいてもよい。
本発明の意匠性塗膜形成方法および塗装物に関しては、まず、微小鱗片状顔料を光輝材とした光輝感および粒子感のあるカラーベース塗膜を形成し、しかる後に、カラークリヤー塗膜を形成し、複合塗膜とすることにより、光輝材の光輝感および粒子感が抑制され落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜となる。
カラーベースの塗装膜厚は特に制限はないが、一般に3〜30μmの範囲で塗装される。
カラークリヤー塗料の塗料組成物の形態としては特に限定されず、溶剤型、水分散型、水溶型、粉体型のいずれであっても良いが、好ましくは溶剤型である。溶剤型の場合は、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等の有機溶剤で溶解または分散した、公知の熱硬化性樹脂組成物を配合した液状塗料である。
カラークリヤー塗料に用いる熱硬化性樹脂成分としては、従来公知の材料が使用できる。例えば、架橋性官能基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等から選ばれる基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート樹脂、ブロックイソシアネート樹脂等から選ばれる架橋剤から構成される樹脂成分が挙げられる。また、架橋反応がカルボキシル基(ブロックされたカルボキシル基を含む)とエポキシ基によるものおよびシラノール基の自己縮合やシラノール基とヒドロキシル基の架橋剤反応によるものなども挙げられる。
カラークリヤー塗料は、硬化した状態のカラーベース塗膜上に塗装しても良いし、未硬化状態のカラーベース塗膜上にウェットオンウェットで塗装しても良い。塗装方法はエアースプレー、エアレススプレー、静電塗装等の方法で行うことができる。特に限定しないがクリヤーの塗装膜厚は硬化塗膜として一般に15〜60μmの範囲が好ましい。
カラーベース塗料、およびカラークリヤー塗料に使用される熱硬化性樹脂成分の架橋性官能基としては、架橋剤と架橋反応が可能な従来公知のものが使用される。例えば、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基、ヒドロキシル基、ブロック化カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シクロカーボネート基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、アミノメチロール基、アルキル化アミノメチロール基、アセタール基、ケタール基等が挙げられる。
カラーベース塗料、およびカラークリヤー塗料には、上記成分の他に、塗料や塗膜の性能を改善することを目的として、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加することができる。
基材上にカラーベース塗料、およびカラークリヤー塗料を塗装し、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜を形成する方法として、この順に2層をウェットオンウェットで塗装し、ついで2層を同時に硬化させる2コート1ベーク、カラーベース塗料を硬化させた後、カラークリヤー塗料を塗装し硬化させる2コート2ベークが挙げられる。常温から160℃の範囲で架橋硬化させることが可能である。常温から100℃では、2液ウレタン塗料の使用が好ましく、100℃から160℃では、たとえば、1液型のアクリルメラミン塗料の使用が好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
これらの塗料の塗装方法は、霧化式塗装機を用い、エアースプレー、エアレススプレー、静電塗装等の公知の塗装方法で行うことができる。
以下に本発明を製造例、実施例、比較例により更に具体的に説明する。特に明記しない限り「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。また、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(製造例1(樹脂溶液の製造))
温度計、かきまぜ機、還流用コンデンサーおよびモノマー滴下装置を備えたガラス製の2リットルフラスコに300部のキシレンを仕込み、徐々に昇温して還流状態にする。還流状態に保ちながら、スチレン75部、メチルメタクリレート140部、ブチルメタクリレート149部、ブチルアクリレート50部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート75部、アクリル酸10部とパーブチルZ(日本油脂株式会社製、t−ブチルペルオキシベンゾエート、重合開始剤)1部の混合溶液を、3時間を要して滴下装置から滴下した。滴下終了後3時間還流状態に保ち、ついでパーブチルZ 0.5部およびキシレン10部を混合し、滴下装置から滴下した。さらに、2時間還流温度に保ち反応を続けた後、酢酸ブチル189.5部を加え室温まで冷却して、水酸基価65mgKOH/g、不揮発分50%の水酸基含有アクリル樹脂溶液(a)を得た。
(カラーベース塗料(A−1)の作成)

表1中、A−1に示す着色顔料、ピグメントブラックFW200ビーズ 0.8%、イルガジンDPPレッド 0.5%、製造例1で得られたアクリル樹脂溶液(a)の一部である10%をこの比率になるようにアトライターに仕込み、最大粒子径10μm以下になるまで分散し、ミルベースとした。次に、表1中、A−1に示す微小鱗片状顔料、シラリックT60−21WNTソラリスレツド 3%およびイリオジン504WNTレッド 3%を酢酸ブチル 20%で顔料粒子が均一になるまで溶解した溶解ベースに、上記ミルベースを11.3%加え、さらに残りの成分を加えカラーベース塗料(A−1)を作成した。
(カラーベース塗料(A−2)〜(A−18)の作成)
カラーベース塗料(A−1)の作成と同様にして、表1〜3に示すカラーベース塗料(A−2)〜(A−18)を作成した。
(カラーベース塗料(A−19)の作成)

表3中、A−22に示す着色顔料、ピグメントブラックFW200ビーズ 0.4%、イルガジンDPPレッド 1%、製造例1で得られたアクリル樹脂溶液(a)の一部である10%をこの比率になるようにアトライターに仕込み、最大粒子径10μm以下になるまで分散し、ミルベースとした。次に、表3中、A−19に示す微小鱗片状顔料、シラリックT60−21WNTソラリスレツド 3%およびイリオジン504WNTレッド 3%を酢酸ブチル 20%で顔料粒子が均一になるまで溶解した溶解ベースに、上記ミルベースを11.4%加え、さらにポリイソシアネート樹脂溶液であるスミジュールN75 6.57%を含む残りの成分を加えカラーベース塗料(A−19)を作成した。
Figure 2005177541
Figure 2005177541
Figure 2005177541
(カラークリヤー塗料(C−1)の作成)

表4中、C−1に示す着色顔料、モナーク1300 0.12%、シアニンブルーG314 0.1%、製造例1で得られたアクリル樹脂溶液(a)の一部である10%をこの比率になるようにアトライターに仕込み、最大粒子径10μm以下になるまで分散し、ミルベースとした。該ミルベースを10.22%に、残りの成分を加え、カラークリヤー塗料(C−1)を作成した。
(カラークリヤー塗料(C−2)〜(C−6)の作成)
カラークリヤー塗料(C−1)の作成と同様にして、表4に示す比率で配合し、カラークリヤー塗料(C−2)〜(C−6)を作成した。
(カラークリヤー塗料(C−7)の作成

表4中、C−7に示す着色顔料、モナーク1300 0.12%、シアニンブルーG314 0.1%、製造例1で得られたアクリル樹脂溶液(a)の一部である10%をこの比率になるようにアトライターに仕込み、最大粒子径10μm以下になるまで分散し、ミルベースとした。該ミルベースを10.22%に、残りの成分およびポリイソシアネート樹脂 11.99%を加えカラークリヤー塗料(C−7)を作成した。
Figure 2005177541
表1〜4において、添字は以下のものを示す。
1):商品名、メルク社製、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料(平均粒子径=17.1μm、金属酸化物:TiO)、ゴールド色、不揮発分=100%
2):商品名、メルク社製、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料(平均粒子径=18.6μm、金属酸化物:TiO)、レッド色、不揮発分=100%
3):商品名、メルク社製、金属酸化物被覆マイカ顔料(平均粒子径=18.7μm、金属酸化物:Fe)、レッド色、不揮発分=100%
4):商品名、東洋アルミニウム株式会社製、アルミニウム顔料(平均粒子径=16μm)、不揮発分=71%
5):商品名、三井サイテック株式会社製、混合アルキル化メラミン樹脂、不揮発分=100%
6):商品名、デグサ社製、カーボンブラック、無機顔料
7):商品名、石原産業株式会社製、二酸化チタン、無機顔料
8):商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製、レッド顔料、有機顔料
9):商品名、山陽色素株式会社製、ブルー顔料、有機顔料
10):商品名、BASF社製、イエロー顔料、無機顔料
11):商品名、住友バイエルウレタン株式会社製、ポリイソシアネート樹脂、不揮発分=75%、イソシアネート含有量=16.5%
12):商品名、キャボット社製、カーボンブラック、無機顔料
(外観評価板の作成)
ブリキ板上に、「ハイエピコNo.500シーラーホワイト」(日本油脂BASFコーティングス株式会社製、商品名)を硬化後膜厚が30μmになるようにエアースプレー塗装し、5分セット後140℃で20分間焼付け、硬化させて中塗板を作成した。
(実施例1)
上記中塗り塗板上に、表1に示すカラーベースト塗料(A−1)100部をトルエン50部、酢酸ブチル50部からなる希釈シンナーで希釈したものを、エアースプレーにて塗装し、カラーベース塗膜とした。25度で5分セット後、該カラーベース塗面上にカラークリヤー塗料(C−1)100部をトルエン50部、酢酸ブチル50部からなる希釈シンナーで希釈したものを、エアースプレーにて塗装した。
25℃で10分セット後、該複層塗膜を140℃で20分間焼付け硬化させて塗板を作成した。該複層塗膜の硬化後の膜厚は、カラーベース塗膜は10μm、カラークリヤー塗膜は30μmであった。
(実施例2〜7)
実施例1と同様にして、表5に示す実施例2〜7の塗板を作成した。
(実施例8)
予め準備した中塗り塗板上に、表3に示すカラーベース塗料(A−19)100部をトルエン50部、酢酸ブチル50部からなる希釈シンナーで希釈したものを、エアースプレーにて塗装し、カラーべース塗膜とした。該カラーベース塗料は、ウレタン硬化剤としてスミジュールN−75(商品名、住友バイエルウレタン株式会社、固形分=75%、イソシアネート含有量=16.5%)を使用した2液ウレタン塗料である。25℃(常温)で5分セット後、該カラーベース塗面上に表4に示すカラークリヤー塗料(C−7)100部をトルエン50部、酢酸ブチル50部からなる希釈シンナーで希釈したものを、エアースプレーにて塗装した。該カラークリヤー塗料は、ウレタン硬化剤としてスミジュールN−75(商品名、住友バイエルウレタン株式会社、固形分=75%、イソシアネート含有量=16.5%)を使用した2液ウレタン塗料である。塗装後、25℃で3日間常温放置した。該複層塗膜の硬化後の膜厚は、カラーベース塗膜は15μm、カラークリヤー塗膜は30μmであった。
(実施例9〜15)
実施例1と同様にして、表6に示す実施例9〜15の塗板を作成した。
(比較例1〜9)
実施例1と同様にして、表7及び表8に示す比較例1〜9の塗板を作成した。
実施例1〜15および比較例1〜9の塗板について次に示す基準で各項目を評価した。
(下地の隠蔽)
◎:下地を完全に隠蔽している。
○:下地を隠蔽し実用上問題ない。
△:下地がすけて見える。
×:下地が完全にすける。
(カラーベースの光輝感と粒子感)
◎:光輝感および粒子感が充分ある。
○:実用上問題のない光輝感と粒子感がある。
△:光輝感および粒子感が不十分である。
×:光輝感および粒子感がない。
(カラークリヤーでのカラーベースの光輝感と粒子感の抑制)
◎:光輝感と粒子感が充分抑制されている。
○:光輝感と粒子感が実用上問題ない程度に抑制されている。
△:効果が不十分である。
×:効果がない。
(光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある複合塗膜)
◎:光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影がある。
○:実用上問題ない程度に光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影がある。
△:効果が不充分である。
×:効果がない。
(塗膜外観)
◎:問題ない。
○:吸い込みあるいはチカチカがわずかにある。
△:吸い込みあるいはチカチカがわかる。
×:吸い込みあるいはチカチカが簡単にわかる。
以上の評価基準に従い、実施例1〜15および比較例1〜9の塗板を評価し、表5〜8にまとめた。
Figure 2005177541
Figure 2005177541
Figure 2005177541
Figure 2005177541
表5、表6に示すように、カラーベース塗膜のVBが6以下、CBが10以下であり、カラーベース塗膜にカラークリヤー塗料を塗装し硬化させてなるVTが0.8VB以下、CTが0.8CB以下にあり、カラーベース塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料および微小鱗片状顔料が2〜120質量部、着色顔料/微小鱗片状顔料の質量比が90/10〜10/90、カラークリヤー塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料が0.01〜3質量部であり、カラーベース塗料、クリヤー塗料を順次塗装し、硬化させることにより、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られる。

表5の実施例1および2は、カラーベース塗膜のVBが3以下、CBが6以下、カラーベース塗膜にカラークリヤー塗料を塗装し硬化させてなる塗膜のVTが0.4VB以下、CTが0.4CB以下であり、また、カラーベース塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料が50質量部以下、着色顔料/微小鱗片状顔料比が50/50〜10/90、カラークリヤー塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料が1.0質量部以下の場合である。両者とも光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られた。
表5の実施例3〜5は、実施例1および2と比較し、カラーベースのマンセルクロマCBを実施例3と4では7.5、実施例5では8.2にした場合である。この場合も光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られた。
表5の実施例6,7は、実施例1および2と比較し、カラーベースのマンセルバリューVBを実施例6では3.4、実施例7では5.5にした場合である。この場合も光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られた。
表5の実施例8は、実施例2の場合において、カラーベース、カラークリヤー共にウレタン塗料にした場合である。樹脂系および硬化条件が変わっても、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られた。
表6の実施例9,10はカラーベースにおいて樹脂固形分100質量部に対して着色顔料および微小鱗片状顔料が、75質量部(実施例9)、110質量部(実施例10)に変えた場合である。

また、実施例11は、着色顔料/微小鱗片状顔料=78.08/21.92に、実施例12は着色顔料/微小鱗片状顔料=53.7/46.3に変えた場合である。いずれの場合も、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られた。
実施例13〜15は、カラーベース塗料は同一とし、カラークリヤー塗料中の樹脂固形分100質量部に対する着色顔料の比率を変えた場合である。カラークリヤー塗料中の樹脂固形分100質量部に対する着色顔料は、実施例13では0.4質量部、実施例14では1.2質量部、実施例15では2.2質量部である。いずれの場合も、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られた。
しかし、表7の比較例1〜3に示すように、カラーベースのマンセルバリューVB、マンセルクロマCBにおいてVBで6を超える場合および/またはCBで10を超える場合、カラーベースの光輝感および粒子感が不十分となり、カラークリヤーが塗装されると光輝感および粒子感が抑えられ過ぎ、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られない。
比較例4に示すように、カラーベース塗料の樹脂固形分100質量部に対する顔料比が1質量部の場合は、下地の隠蔽が出来ないこと、また、光輝材量が少なく、カラーベースの光輝感および粒子感が不十分となり、カラークリヤーが塗装されると光輝感および粒子感が抑えられ過ぎ、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られない。
比較例5は、カラーベース塗料の樹脂固形分100に対する顔料比が130の場合である。この場合は、カラーベースの光輝感および粒子感が強く、カラークリヤー塗料を塗装してもカラーベースの光輝感および粒子感の抑制が不十分となり、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られない。また外観も悪く好ましくない。
比較例6は、カラーベース塗料中の着色顔料/微小鱗片状顔料の質量比が94/6の場合である。この場合、カラーベース塗料中の微小鱗片状顔料が少なく、十分な光輝感および粒子感が得られない。また、カラークリヤーが塗装されると、光輝感および粒子感が抑えられ過ぎ、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られない。
比較例7は、カラーベース塗料中の着色顔料/微小鱗片状顔料の質量比が4/96の場合である。この場合、カラーベースの光輝感および粒子感が得られるものの、カラークリヤーを塗装しても、カラーベースの光輝感および粒子感の抑制が困難となり、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られない。
比較例8は、カラークリヤー塗料中の樹脂固形分100質量部に対する着色顔料が0.007質量部の場合であり、VT=0.94VB,CT=0.96CBの場合である。この場合、カラーベースの光輝感および粒子感が得られるものの、カラークリヤーを塗装しても、カラーベースの光輝感および粒子感の抑制が不十分となり、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られない。
比較例9は、カラークリヤー塗料中の樹脂固形分100質量部に対して着色顔料が3.5質量部の場合である。
この場合は、カラークリヤーの色調が強くなり過ぎ、カラーベースの光輝感および粒子感が過度に抑制され、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜が得られない。
以上述べたように、本発明によれば、光輝材の光輝感と粒子感が抑制されかつ落ち着いた色調および陰影のある光輝性塗膜を与える意匠性の高い塗膜を形成できる。

Claims (4)

  1. カラーベース塗料、カラークリヤー塗料を順次塗装し、硬化させて積層塗膜を得る方法であって、
    前記カラーベース塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料および微小鱗片状顔料が2〜120質量部、着色顔料/微小鱗片状顔料の質量比が90/10〜10/90であり、前記カラークリヤー塗料において樹脂固形分100質量部に対して着色顔料が0.01〜3質量部であり、
    カラーベース塗料を塗装、硬化させてなる塗膜のマンセルバリューをVB、マンセルクロマをCB、カラーベース塗膜にカラークリヤー塗料を塗装し硬化させてなる2層塗膜のマンセルバリューをVT、マンセルクロマをCTとしたとき、以下の関係が満足されることを特徴とする、積層塗膜の形成方法。
    VB≦6
    CB≦10
    VT≦0.8VB
    CT≦0.8CB
  2. 前記カラーベース塗料に含まれる前記着色顔料と前記カラークリヤー塗料に含まれる前記着色顔料との少なくとも一方が、有機顔料と無機顔料との少なくとも一方を含有しており、前記微小鱗片状顔料が、アルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆合成マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆板状酸化鉄、グラファイト、ステンレスフレーク、金属チタンフレーク顔料、板状硫化モリブデン、板状塩化ビスマス、ホログラム顔料およびコレスティク液晶ポリマーからなる群より選ばれた一種以上からなることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 請求項1または2記載の方法により形成されたことを特徴とする、積層塗膜。
  4. 基材と、この基材上に形成された請求項3記載の積層塗膜とを備えていることを特徴とする、塗装物。
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