JPWO2021100238A1 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

被塗物上に、第1着色塗料(X)、第2着色塗料(Y)及びクリヤ塗料(Z)を順次塗装し、得られる3層の複層塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程を含む複層塗膜形成方法であって、第1着色塗膜の明度L*値が、30〜60の範囲内であり、第2着色塗膜の波長400nm以上700nm以下の光線透過率が、15%以上30%未満の範囲内であり、前記第1着色塗膜のL*C*h表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のL*C*h表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|が0〜30の範囲内であることを特徴とする複層塗膜形成方法。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年11月22日に出願された、日本国特許出願第2019−211244号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。本発明は、複層塗膜形成方法に関する。
自動車等の工業製品の外装色において、彩度が高く、深み感に優れた塗色は、高級感があり誘目性に優れた塗色として、ユーザーからの要求が大きい塗色の一つとなっている。
このような彩度が高く深み感に優れた塗色を得る方法として、第1着色塗料、透明性を有する第2着色塗料及びクリヤ塗料を順次塗装する複層塗膜形成方法が開示されている。
例えば特許文献1には、被塗装物表面に、着色成分及び/又は光輝材を含有する第1塗料を塗布して第1塗膜を形成する工程;第1塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、塗料中の樹脂固形分に対して0.01〜1重量%の着色成分を含有する第2塗料を塗布して第2塗膜を形成する工程;さらに、第2塗膜を焼き付け硬化せずに、その上に、クリア塗料を塗布してクリア塗膜を形成する工程を含んでなる高意匠性多層塗膜形成方法が開示されている。しかしながら、この方法では、形成される塗膜の彩度は高いが、深み感が不十分だったり、色ムラ及び膜厚の変動による色変動を生じたりする場合があった。
特開2001−314807号公報
本発明の目的は、上述の不具合を解消し、彩度が高く深み感に優れ、かつ色ムラ及び膜厚変動による色変動が抑制された複層塗膜を形成できる複層塗膜形成方法を提供することにある。
本発明は以下の項に記載の主題を包含する。
項1.工程(1):光輝性顔料及び着色顔料を含有する第1着色塗料(X)を塗装して第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):該第1着色塗膜上に、着色顔料を含有する第2着色塗料(Y)を塗装して第2着色塗膜を形成する工程、及び、
工程(3):該第2着色塗膜上に、クリヤ塗料(Z)を塗装してクリヤ塗膜を形成する工程、及び、
工程(4):前記工程(1)で形成された第1着色塗膜、前記工程(2)で形成された第2着色塗膜及び前記工程(3)で形成されたクリヤ塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程を含む複層塗膜形成方法であって、
前記第1着色塗膜の明度L値が、30〜60の範囲内であり、
前記第2着色塗膜の波長400nm以上700nm以下の光線透過率が、10%以上30%未満の範囲内であり、
前記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|が0〜30の範囲内であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
項2.前記複層塗膜形成方法により得られる複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))が225〜315の範囲内である項1に記載の複層塗膜形成方法。
項3.前記第1着色塗料(X)中の着色顔料、及び前記第2着色塗料(Y)中の着色顔料が、フタロシアニン系顔料を含有する項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
項4.前記第1着色塗料(X)に含まれる光輝性顔料が、着色アルミニウム顔料を含有する項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
項5.前記第2着色塗料(Y)が、着色顔料を0.1〜10%の範囲内の顔料質量濃度(PWC)で含有する項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
項6.前記第2着色塗料(Y)が、さらに光輝性顔料を含有する項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
項7.前記第2着色塗料(Y)が、光輝性顔料を1.2〜5%の範囲内の顔料質量濃度(PWC)で含有する項6に記載の複層塗膜形成方法。
本発明の複層塗膜形成方法によれば、彩度が高く深み感に優れ、かつ色ムラ及び膜厚変動による色変動が抑制された複層塗膜を形成することができる。
工程(1)
本発明の方法によれば、まず、工程(1)として、第1着色塗料(X)が塗装され、第1着色塗膜が形成される。第1着色塗料(X)は、隠蔽力を付与し、形成される複層塗膜の色相を決定する塗料であって、光輝性顔料及び着色顔料を含有する。
また、上記第1着色塗膜は、Lh表色系における明度Lが、30〜60の範囲内であることを特徴とする。
「Lh表色系」は、1976年に国際照明委員会で規定され且つJIS Z 8781−4(2013)においても採用されているL表色系を極座標表示したものであって、L値は明度を表し、C値は原点からの距離としての彩度を表し、そしてh値はL表色系におけるa赤方向の軸を0°として、ここから反時計方向の色相に対して移動した色相角度を表す。
本明細書において、上記明度L値、彩度C値及び色相角度h値は、積分球型の分光測色計(正反射光を除くモード)にて測定した反射率から計算された値である。
上記積分球型の分光測色計の例としては、「CR−400」、「CR−410」(商品名、コニカミノルタ社製)等が挙げられる。
上記第1着色塗膜の、Lh表色系における明度Lの上限は、60以下であれば特に限定されないが、例えば、50以下が好ましく、45以下がより好ましい。上記第1着色塗膜の、Lh表色系における明度Lの下限は、30以上であれば特に限定されないが、例えば、32以上が好ましく、35以上がより好ましい。上記第1着色塗膜の明度L値の範囲は、32〜50の範囲内であることが好ましく、35〜45の範囲内であることがより好ましい。得られる複層塗膜の彩度及び深み感の向上並びに色ムラ及び膜厚変動による色変動の抑制等の観点から、上記第1着色塗膜の明度L値が上記の範囲をとることが好ましい。
また、上記第1着色塗膜の色相角度h値(h(X))は、膜厚変動による色変動の抑制等の観点から、225〜315の範囲内であることが好ましく、240〜310の範囲内であることがより好ましく、255〜305の範囲内であることがさらに好ましい。
上記第1着色塗料(X)に含有される光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム顔料、蒸着金属フレーク顔料、光干渉性顔料等を挙げることができる。なかでも、得られる複層塗膜の深み感等の観点から、アルミニウム顔料を使用することが好ましい。また、該アルミニウム顔料は鱗片状であることが好ましい。これらの顔料は1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
上記アルミニウム顔料は、通常、アルミニウムをボールミル又はアトライターミル中で粉砕媒液の存在下、粉砕助剤を用いて粉砕、摩砕して製造される。粉砕助剤としては、例えば、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸等の高級脂肪酸のほか、脂肪族アミン、脂肪族アミド、脂肪族アルコールが使用される。粉砕媒液としては、例えば、ミネラルスピリット等の脂肪族系炭化水素が使用される。
上記アルミニウム顔料は、粉砕助剤の種類によって、リーフィングタイプとノンリーフィングタイプに大別することができる。リーフィングタイプは、塗料組成物に配合すると塗装して得られた塗膜の表面に配列(リーフィング)し、金属感の強い仕上がりが得られ、熱反射作用を有し、防錆力を発揮するものであるため、タンク・ダクト・配管類及び屋上ル−フィングをはじめ各種建築材料等に利用されることが多い。前記第1着色塗料(X)においては得られる複層塗膜の深み感等の観点から、ノンリーフィングタイプのアルミニウム顔料を使用することが好ましい。
上記アルミニウム顔料の大きさは、平均粒径が5〜30μmの範囲内のものを使用することが、得られる複層塗膜の深み感の観点から好ましく、より好ましくは平均粒子径が7〜25μmの範囲内のもの、特に好ましくは8〜23μmの範囲内のものである。厚さは0.05〜5μmの範囲内のものを使用することが好ましい。ここでいう平均粒径は、マイクロトラック粒度分布測定装置 MT3300(商品名、日機装社製)を用いてレーザー回折散乱法によって測定した体積基準粒度分布のメジアン径を意味する。厚さは、該アルミニウム顔料を含む塗膜断面を顕微鏡にて観察して厚さを画像処理ソフトを使用して測定し、100個以上の測定値の平均値として定義するものとする。
第1着色塗料(X)が、上記アルミニウム顔料を含有する場合、該アルミニウム顔料の顔料質量濃度(PWC)は、特に限定されないが、好ましい実施形態において、得られる複層塗膜の深み感の観点から、該第1着色塗料(X)中の固形分を基準として、1〜50%、好ましくは3〜40%、さらに好ましくは5〜20%である。
また、得られる複層塗膜の膜厚変動による色変動の抑制及び色ムラの抑制の観点から、上記アルミニウム顔料の少なくとも一種として、着色アルミニウム顔料を使用することが好ましい。
上記着色アルミニウム顔料としては、典型的には、基材の鱗片状アルミニウムの表面に着色層を形成せしめたものを使用することができる。
該着色アルミニウム顔料としては、例えば、鱗片状アルミニウムの表面に、二重結合を有する1種以上のカルボン酸を熱重合した、1個以上の二重結合と2個以上のカルボキシル基とを有する熱重合体を介して着色顔料を化学吸着させたもの;着色顔料を化学吸着させた上にさらにラジカル重合性不飽和カルボン酸及びラジカル重合性二重結合を3個以上有するモノマーよりなるポリマーによって被覆させたものを挙げることができる。
ここで、ラジカル重合性不飽和カルボン酸とは、ラジカル重合性不飽和基を1つ以上有するカルボン酸を示す。本明細書において、ラジカル重合性不飽和基とは、ラジカル重合しうる不飽和基を意味する。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
ここで着色顔料は、着色アルミニウム顔料の色相を決定するものであり、公知の有機顔料又は無機顔料の中から適宜選択して用いることができる。具体的には、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料等の有機顔料を使用することができる。なかでも、得られる複層塗膜の色相及び彩度の観点から、フタロシアニン系顔料を使用することが好ましい。
また、上記着色アルミニウム顔料としては、上記鱗片状アルミニウム表面に着色顔料を被覆せしめたものの他に、鱗片状アルミニウム表面に気相法又は液相法により酸化鉄等の金属酸化物を被覆せしめたものも使用することができる。
着色アルミニウム顔料の大きさは、平均粒径が5〜30μmの範囲内のものを使用することが、得られる複層塗膜の膜厚変動による色変動の抑制及び色ムラの抑制の観点から好ましく、より好ましくは平均粒子径が7〜25μmの範囲内のもの、特に好ましくは8〜23μmの範囲内のものである。厚さは0.05〜5μmの範囲内のものを使用することが好ましい。
第1着色塗料(X)が、上記着色アルミニウム顔料を含有する場合、該着色アルミニウム顔料の顔料質量濃度(PWC)は、特に限定されないが、好ましい実施形態において、得られる複層塗膜の膜厚変動による色変動の抑制及び色ムラの抑制の観点から、該第1着色塗料(X)中の固形分を基準として、0.1〜30%、好ましくは0.5〜20%、さらに好ましくは1〜10%である。
また、得られる複層塗膜の彩度及び深み感の向上並びに膜厚変動による色変動の抑制及び色ムラの抑制の観点から、上記アルミニウム顔料として、着色アルミニウム顔料及び未着色アルミニウム顔料を併用することが好ましい。
上記アルミニウム顔料として、着色アルミニウム顔料及び未着色アルミニウム顔料を併用する場合、該着色アルミニウム顔料及び未着色アルミニウム顔料の含有割合は、特に限定されないが、好ましい実施形態において、得られる複層塗膜の彩度及び深み感の向上並びに膜厚変動による色変動の抑制及び色ムラの抑制の観点から、着色アルミニウム顔料/未着色アルミニウム顔料の質量比で95/5〜1/99、好ましくは90/10〜10/90、さらに好ましくは80/20〜10/90の範囲内である。
前記蒸着金属フレーク顔料は、典型的には、ベース基材上に金属膜を蒸着させ、ベース基材を剥離した後、蒸着金属膜を粉砕することにより得られる。上記基材としては、例えばフィルム等を挙げることができる。
上記金属の材質としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等が挙げられる。なかでも特に入手しやすさ及び取扱いやすさ等の観点から、アルミニウム又はクロムが好適である。なお、上記金属の材質として上記アルミニウムを使用する蒸着アルミニウムフレーク顔料は、前記アルミニウム顔料として使用することができる。
前記光干渉性顔料としては、典型的には、天然マイカ、人工マイカ、ガラス、シリカ、酸化鉄及び酸化アルミニウムを始めとする各種金属酸化物等の透明乃至半透明な鱗片状基材の表面に、該基材とは屈折率が異なる金属酸化物が被覆された光輝性顔料が挙げられる。光干渉性顔料は単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
天然マイカとは、鉱石のマイカ(雲母)を粉砕した鱗片状基材である。人工マイカとは、SiO、MgO、Al、KSiF、NaSiF等の工業原料を加熱し、約1500℃の高温で熔融し、冷却して結晶化させて合成したものであり、天然のマイカと比較した場合において、不純物が少なく、大きさ及び厚さが均一なものである。人工マイカの基材としては具体的には、フッ素金雲母(KMgAlSiO10F)、カリウム四ケイ素雲母(KMg2.5AlSiO10F)、ナトリウム四ケイ素雲母(NaMg2.5AlSiO10F)、Naテニオライト(NaMgLiSiO10F)、LiNaテニオライト(LiMgLiSiO10F)等が挙げられる。
前記基材を被覆する金属酸化物としては、酸化チタン、酸化鉄等を挙げることができ、該金属酸化物の厚さの違いによって、光干渉性顔料は種々の異なる干渉色を発現することができる。
光干渉性顔料としては具体的には、下記に示す金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料等を挙げることができる。
金属酸化物被覆マイカ顔料は、天然マイカ又は人工マイカを基材とし、該基材表面を金属酸化物で被覆した顔料である。
金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料は、アルミナフレークを基材とし、基材表面を金属酸化物で被覆した顔料である。アルミナフレークとは、鱗片状(薄片状)酸化アルミニウムを意味し、通常は、無色透明なものである。該アルミナフレークは酸化アルミニウム単一成分である必要はなく、他の金属の酸化物を含有するものであってもよい。
金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料とは、鱗片状のガラスを基材とし、基材表面を金属酸化物で被覆した顔料である。該金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料は、基材表面が平滑なため、強い光の反射が生じる。
金属酸化物被覆シリカフレーク顔料は、典型的には、表面が平滑で且つ厚さが均一な基材である鱗片状シリカを金属酸化物で被覆した顔料である。
前記第1着色塗料(X)に含有される着色顔料としては、例えば、酸化チタン顔料、酸化鉄顔料、チタンイエロー顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料、カーボンブラック顔料等が挙げられる。これらの着色顔料は、それぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、得られる複層塗膜の色相及び彩度の観点から、フタロシアニン系顔料を使用することが好ましい。
上記第1着色塗料(X)に含有される着色顔料の顔料質量濃度(PWC)は、得られる複層塗膜の色相及び彩度の観点から、該第1着色塗料(X)中の固形分を基準として、1〜50%、好ましくは3〜40%、さらに好ましくは5〜20%である。
第1着色塗料(X)には、通常、ビヒクルとして樹脂成分を含有することができる。樹脂成分としては、熱硬化性樹脂組成物を用いることが好ましく、具体的には、例えば、水酸基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等の基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロックされたものも含む)等の架橋剤を含んでなる熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。これらは有機溶剤及び/又は水等の溶媒中に溶解又は分散させて使用することができる。該樹脂組成物中における基体樹脂と架橋剤の割合には特に制限はないが、通常、架橋剤は、基体樹脂固形分総量に対して、10〜100質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%の範囲内で使用することができる。
第1着色塗料(X)には、さらに必要に応じて、水もしくは有機溶剤等の溶媒、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種塗料用添加剤、体質顔料等を適宜配合することができる。
第1着色塗料(X)は、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレー等の方法により塗装することができる。第1着色塗膜の膜厚は、特に限定されないが、得られる複層塗膜の彩度及び深み感の向上並びに色ムラの抑制の観点から、硬化塗膜に基づいて1〜40μm程度が好ましく、より好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは5〜20μm程度である。
第1着色塗料(X)の固形分含有率は特に限定されないが、例えば、10〜65質量%、好ましくは15〜55質量%、さらに好ましくは20〜50質量%の範囲である。また、第1着色塗料(X)の粘度を、塗装に適した範囲、通常、B型粘度計を用いて20℃において回転数6rpmで測定したときの粘度が500〜5000mPa・sの範囲内となるように、水及び/又は有機溶剤を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
上記第1着色塗膜は、後記の第2着色塗料(Y)を塗装する前に、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件で前記プレヒート、エアブロー等を行うことができる。プレヒートの温度は、40〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましく、60〜80℃が更に好ましい。プレヒートの時間は、30秒間〜15分間が好ましく、1〜10分間がより好ましく、2〜5分間が更に好ましい。また、上記エアブローは、例えば、被塗物の塗装面に、常温又は25℃〜80℃の温度に加熱された空気を、30秒間〜15分間吹き付けることにより行うことができる。
工程(2)
本発明の方法によれば、次に、工程(1)で形成された第1着色塗膜上に、第2着色塗料(Y)が塗装され、第2着色塗膜が形成される。第2着色塗料(Y)は、形成される複層塗膜の彩度を高めて、深み感を向上させる塗料であって、着色顔料を必須成分として含有するものである。
また、上記第2着色塗膜の波長400nm以上700nm以下の光線透過率は、15%以上30%未満の範囲内である。該光線透過率が、15%以上であることにより、得られる複層塗膜の彩度に優れる。また、該光線透過率が、30%未満であることにより、得られる複層塗膜の深み感が優れる。なかでも、第2着色塗膜の波長400nm以上700nm以下の光線透過率は、得られる複層塗膜の彩度及び深み感の観点から、17〜29%であることが好ましく、20〜28%であることがさらに好ましい。
ここで、上記第2着色塗膜の波長400nm以上700nm以下の光線透過率は、以下の方法により測定することが出来る。
まず、ポリプロピレン板上に、第2着色塗料(Y)を塗装し硬化させる。次に、硬化させて得られた塗膜を剥離して回収し、分光光度計を用いて、波長400nm以上700nm以下の範囲における光線透過率を測定する。本発明において、「波長400nm以上700nm以下の範囲における光線透過率」とは、波長400nm以上700nm以下の範囲における光線透過率の平均値を意味する。上記分光光度計としては、例えば、「UV−2700」(商品名、島津製作所製)等を使用することができる。
上記第2着色塗料(Y)に含有される着色顔料としては、酸化チタン顔料、酸化鉄顔料、チタンイエロー等の複合酸化物顔料等の無機顔料;アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、インジゴ系顔料等の有機顔料;カーボンブラック顔料等の中から任意のものを1種もしくはそれ以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、得られる複層塗膜の色相及び彩度の観点から、フタロシアニン系顔料を使用することが好ましい。
上記第2着色塗料(Y)に含有される着色顔料の顔料質量濃度(PWC)は、特に限定されないが、好ましい実施形態において、得られる複層塗膜の彩度及び深み感の観点から、該第2着色塗料(Y)中の固形分を基準として、0.1〜10%、好ましくは1〜9%、さらに好ましくは3〜8%である。
また、第2着色塗料(Y)は、さらに光輝性顔料を含有していることが好ましい。
上記光輝性顔料としては、前記工程(1)の説明欄にて記載した光輝性顔料を使用することができる。
上記光輝性顔料としては、得られる複層塗膜の色ムラの抑制の観点から、光干渉性顔料であることが好ましく、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料であることがより好ましい。
上記光輝性顔料の大きさは、平均粒径が5〜30μmの範囲内のものを使用することが、得られる複層塗膜の色ムラの抑制の観点から好ましく、より好ましくは平均粒子径が7〜25μmの範囲内のもの、特に好ましくは8〜23μmの範囲内のものである。厚さは0.05〜5μmの範囲内のものを使用することが好ましい。
上記第2着色塗料(Y)が光輝性顔料を含有する場合、該光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)は、特に限定されないが、好ましい実施形態において、得られる複層塗膜の色ムラの抑制の観点から、該第2着色塗料(Y)中の固形分を基準として、1.2〜5%、好ましくは1.3〜4%、さらに好ましくは1.5〜3%である。
第2着色塗料(Y)には、通常、ビヒクルとして樹脂成分を含有することができる。樹脂成分としては、熱硬化性樹脂組成物を用いることが好ましく、具体的には、例えば、水酸基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等の基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物(ブロックされたものも含む)等の架橋剤を含んでなる熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。これらは有機溶剤及び/又は水等の溶媒中に溶解又は分散させて使用することができる。該樹脂組成物中における基体樹脂と架橋剤の割合には特に制限はないが、通常、架橋剤は、基体樹脂固形分総量に対して、10〜100質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%の範囲内で使用することができる。
第2着色塗料(Y)には、さらに必要に応じて、水もしくは有機溶剤等の溶媒、レオロジーコントロール剤、顔料分散剤、沈降防止剤、硬化触媒、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種塗料用添加剤、体質顔料等を適宜配合することができる。
第2着色塗料(Y)は、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレー等の方法により塗装することができ、得られる複層塗膜の彩度及び深み感の観点から、第2着色塗膜の膜厚は、特に限定されないが、好ましい実施形態において、硬化塗膜に基づいて1〜30μm程度、より好ましくは3〜20μm程度、さらに好ましくは5〜15μm程度である。
第2着色塗料(Y)の固形分含有率は特に限定されないが、好ましい実施形態において、10〜65質量%、好ましくは15〜55質量%、さらに好ましくは20〜50質量%の範囲内である。また、第2着色塗料(Y)の粘度を、塗装に適した範囲、通常、B型粘度計を用いて20℃において回転数6rpmで測定したときの粘度が500〜5000mPa・sの範囲内となるように、水及び/又は有機溶剤を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
上記第2着色塗膜は、後記のクリヤ塗料(Z)を塗装する前に、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件で前記プレヒート、エアブロー等を行うことができる。プレヒートの温度は、40〜100℃が好ましく、50〜90℃がより好ましく、60〜80℃が更に好ましい。プレヒートの時間は、30秒間〜15分間が好ましく、1〜10分間がより好ましく、2〜5分間が更に好ましい。また、上記エアブローは、例えば、被塗物の塗装面に、常温又は25℃〜80℃の温度に加熱された空気を、30秒間〜15分間吹き付けることにより行うことができる。
工程(3)
本発明の方法によれば、上記の如くして第2着色塗料(Y)を塗装して得られた第2着色塗膜上に、クリヤ塗料(Z)を塗装して、クリヤ塗膜を形成する。
本発明の方法において使用するクリヤ塗料(Z)としては、それ自体既知のクリヤ塗料を制限なく使用することができる。具体的には例えば基体樹脂及び架橋剤からなる樹脂成分を必須成分とし、さらに必要に応じて、塗料用添加剤、水もしくは有機溶剤等の溶媒等を配合してなる無色もしくは有色の透明塗膜を形成する液状もしくは粉体状のクリヤ塗料を挙げることができる。
基体樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シラノール基、エポキシ基等の架橋性官能基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン含有樹脂等の樹脂が挙げられる。架橋剤としては、該基体樹脂の官能基と反応しうる官能基を有する化合物又は樹脂、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物又は樹脂、カルボキシル基含有化合物又は樹脂、酸無水物、アルコキシシリル基含有化合物又は樹脂等が挙げられる。
該樹脂成分中における基体樹脂と架橋剤の割合には特に制限はないが、通常、架橋剤は、基体樹脂固形分総量に対して、10〜100質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%の範囲内で使用することができる。
クリヤ塗料(Z)には、必要に応じて、水、有機溶剤等の溶媒、硬化触媒、消泡剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、沈降防止剤等の塗料用添加剤を適宜配合することができる。
クリヤ塗料(Z)には、また、塗膜の透明性を損なわない範囲内において、着色顔料を適宜使用することができる。着色顔料としては、インク用又は塗料用としてそれ自体既知の顔料を単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。その配合量は、使用される着色顔料の種類等により異なるが、クリヤ塗料中の樹脂成分の固形分総量に対して、通常、30質量%以下、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%の範囲内とすることができる。
クリヤ塗料(Z)は、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレー等の方法により塗装することができ、クリヤ塗膜の膜厚は、特に限定されないが、好ましい実施形態において、硬化塗膜に基づいて10〜60μm程度、より好ましくは15〜50μm程度、さらに好ましくは20〜40μm程度である。
クリヤ塗料(Z)の固形分含有率は特に限定されないが、好ましい実施形態において、10〜65質量%、好ましくは15〜55質量%、
さらに好ましくは20〜50質量%の範囲内である。また、クリヤ塗料(Z)の粘度を、塗装に適した範囲、通常、フォードカップNo.4粘度計において、20℃で15〜60秒程度、特に20〜50秒程度の範囲内となるように、水及び/又は有機溶剤を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
工程(4)
本発明の方法によれば、前記工程(1)で形成された第1着色塗膜、前記工程(2)で形成された第2着色塗膜及び前記工程(3)で形成されたクリヤ塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる。
なかでも、省エネルギー化等の観点から、上記第1着色塗膜、上記第2着色塗膜及びクリヤ塗膜は、同時に加熱することが好ましい。
加熱は公知の手段により行うことができ、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用できる。加熱温度は好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜140℃の範囲内である。加熱時間は、特に制限されないが、好ましくは10〜40分間、より好ましくは20〜30分間の範囲内である。
基材
本発明の方法を適用することができる基材には特に制限はなく、例えば、鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム等の金属からなる部材;これら金属の合金からなる部材;これらの金属によるメッキ又は蒸着が施された部材;ガラス、プラスチック、各種素材の発泡体等からなる部材等を挙げることができ、なかでも、自動車車体を構成する鋼材及びプラスチック材料が適しており、特に鋼材が適している。これらの部材には、必要に応じて適宜、脱脂処理、表面処理等の処理を施すことができる。
また、上記部材に下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜を形成した後、基材として用いることもでき、本発明においては、そのようにすることが好ましい。
下塗り塗膜は、部材表面を隠蔽したり、部材に防食性及び防錆性等を付与するために部材表面に適用されるものであり、下塗り塗料を塗装し硬化させることによって形成することができる。この下塗り塗料は、特に限定されるものではなく、それ自体既知のもの、例えば、電着塗料、溶剤型プライマー等を用いることができる。
また、中塗り塗膜は、部材表面及び下塗り塗膜のような下地を隠蔽したり、下地と上塗り塗膜との間の付着性向上、塗膜への耐チッピング性の付与等のために下地に適用されるものであり、部材表面及び下塗り塗膜のような下地表面に、中塗り塗料を塗装し硬化させることによって形成することができる。この中塗り塗料は、特に限定されるものではなく、それ自体既知のものを使用することができ、例えば、熱硬化性樹脂組成物及び着色顔料等を含有してなる有機溶剤系又は水系の中塗り塗料を好適に使用することができる。
本発明の方法において、基材として、下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が形成された部材を用いる場合には、予め下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜を加熱し硬化させた後に、工程(1)の、第1着色塗料(X)を塗装することができる。また、下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が未硬化の状態で、第1着色塗料(X)を塗装することもできる。なかでも、省エネルギー化の観点から、中塗り塗膜が未硬化の状態で、第1着色塗料(X)を塗装することが好ましい。
複層塗膜の形成
本発明の方法に従えば、下記工程(1)〜(4)
工程(1):光輝性顔料及び着色顔料を含有する第1着色塗料(X)を塗装して第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):該第1着色塗膜上に、着色顔料を含有する第2着色塗料(Y)を塗装して第2着色塗膜を形成する工程、及び、
工程(3):該第2着色塗膜上に、クリヤ塗料(Z)を塗装してクリヤ塗膜を形成する工程、及び、
工程(4):前記工程(1)で形成された第1着色塗膜、前記工程(2)で形成された第2着色塗膜及び前記工程(3)で形成されたクリヤ塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程、に従い、複層塗膜を形成させ、
前記第1着色塗膜の明度L値が、30〜60の範囲内であり、
前記第2着色塗膜の波長400nm以上700nm以下の光線透過率が、15%以上30%未満の範囲内であり、
前記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|が0〜30の範囲内であることにより、彩度が高く深み感に優れ、かつ色ムラ及び膜厚変動による色変動が抑制された複層塗膜を形成することが出来る。
上記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|が、30以下であることにより、得られる複層塗膜の色ムラ及び膜厚変動による色変動を抑制することが出来る。
上記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|の上限は、30以下であれば限定されないが、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。また、上記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|の下限は、特に限定されないが、例えば、0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.5以上等が挙げられる。また、上記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|の範囲は、0〜25の範囲内であることが好ましく、0〜20の範囲内であることがより好ましく、0〜15の範囲内であることがさらに好ましい。得られる複層塗膜の色ムラ及び膜厚変動による色変動の抑制の観点から、上記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|が上記値をとることが好ましい。
また、上記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))は、225〜315の範囲内であることが好ましく、240〜310の範囲内であることがより好ましく、255〜305の範囲内であることがさらに好ましい。
前記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))及び上記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))の調整は、複層塗膜の形成に使用される第1着色塗料(X)、第2着色塗料(Y)及びクリヤ塗料の各塗料に含有させる顔料の種類及び使用量を調節することにより(小規模の実験を行うことにより)行うことができる。
かくして、本発明の複層塗膜形成方法は、各種工業製品、特に自動車車体の外板に複層塗膜を形成するのに好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものであり、膜厚は硬化塗膜に基づくものである。
[1]基材の作製
脱脂及びりん酸亜鉛処理した鋼板(JISG3141、大きさ400mm×300mm×0.8mm)にカチオン電着塗料「エレクロンGT−10」(商品名:関西ペイント株式会社製、エポキシ樹脂ポリアミン系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネート化合物を使用したもの)を硬化塗膜に基づいて膜厚が20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させ、電着塗膜を形成せしめた。
得られた上記鋼板の電着塗面に、「WP−523H N−5.5」(商品名:関西ペイント株式会社、水性中塗り塗料、得られる中塗り塗膜の明度Lが55)をエアスプレーにて硬化塗膜に基づいて膜厚が30μmになるように塗装し、3分間放置し、その後、80℃にて3分間プレヒートし、未硬化の中塗り塗膜を形成せしめることにより、基材とした。
[2]塗料の作製
水酸基含有アクリル樹脂エマルション(a)の製造
製造例1
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水70.7部及び「アクアロンKH−10」(商品名、第一工業製薬社製、乳化剤、有効成分97%)0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで、下記のモノマー乳化物のうちの全量の1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5部を反応容器内に導入し80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成した後、5%2−(ジメチルアミノ)エタノール水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、固形分濃度45%の水酸基含有アクリル樹脂エマルション(a)を得た。得られた水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は43mgKOH/g、酸価は12mgKOH/gであった。
モノマー乳化物:脱イオン水50部、スチレン10部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレート35部、n−ブチルメタクリレート3.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、アクリル酸1.5部、「アクアロンKH−10」1.0部及び過硫酸アンモニウム0.03部を混合攪拌して、モノマー乳化物を得た。
水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(b)の製造
製造例2
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン174部、ネオペンチルグリコール327部、アジピン酸352部、イソフタル酸109部及び1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物101部を仕込み、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、生成した縮合水を水分離器により留去させながら230℃で保持し、酸価が3mgKOH/g以下となるまで反応させた。この反応生成物に、無水トリメリット酸59部を添加し、170℃で30分間付加反応を行った後、50℃以下に冷却し、2−(ジメチルアミノ)エタノールを酸基に対して当量添加し中和してから、脱イオン水を徐々に添加することにより、固形分濃度45%の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(b)を得た。得られた水酸基含有ポリエステル樹脂は、水酸基価が128mgKOH/g、酸価が35mgKOH/g、重量平均分子量が13,000であった。
顔料分散ペースト(P−1)〜(P−5)の製造
製造例3
製造例2で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(b)56部(固形分25部)、「塩素化銅シアニンブルーG−314」(商品名、フタロシアニンブルー顔料、山陽色素社製)5部、「PALIOGEN BLUE L6482」(商品名、スレンブルー顔料、BASF社製)1部、「MAGENTA B RT−355−D」(商品名、キナクリドンレッド顔料、BASF社製)1.5部、「HOSTAPERM VIOLET RL SPECIAL」(商品名、ジオキサジン顔料、CLARIANT社製)1.5部、
「TITANIX JR903」(商品名、無機系チタン白顔料、テイカ社製)0.01部、「RAVEN 5000 ULTRA III BEADS」(商品名、カーボンブラック顔料、COLUMBIAN CARBON CO.社製)0.01部及び脱イオン水5部を混合し、2−(ジメチルアミノ)エタノールでpH8.0に調整した。次いで、得られた混合液を広口ガラスビン中に入れ、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェイカーにて30分間分散して、顔料分散ペースト(P−1)を得た。
製造例4〜7
配合組成を下記表1に示すものとする以外は、製造例3と同様にして、各顔料分散ペースト(P−2)〜(P−5)を得た。なお表1に示す配合組成は、各成分の固形分質量による。
Figure 2021100238
G314(注1):フタロシアニンブルー顔料、商品名 「塩素化銅シアニンブルーG−314」、山陽色素社製、
L6482(注2):スレンブルー顔料、商品名 「PALIOGEN BLUE L6482」、BASF社製、
RT355D(注3):キナクリドンレッド顔料、商品名 「MAGENTA B RT−355−D」、BASF社製、
RL SPECIAL(注4):ジオキサジン顔料、商品名 「HOSTAPERM VIOLET RL SPECIAL」、CLARIANT社製、
JR903(注5):無機系チタン白顔料、商品名 「TITANIX JR903」、テイカ社製、
R5000(注6):カーボンブラック顔料、商品名 「RAVEN 5000 ULTRA I I I BEADS」、COLUMBIAN CARBON CO.社製。
光輝性顔料分散液(R−1)〜(R−5)の製造
製造例8
攪拌混合容器内において、「GX−180A」(商品名、アルミニウム顔料ペースト、旭化成メタルズ社製、金属含有量74%)4.1部(固形分3部)、「GX−3108」(商品名、アルミニウム顔料ペースト、旭化成メタルズ社製、金属含有量77%)7.8部(固形分6部)、「フレンドカラー D9452BL」(商品名、着色アルミニウム顔料、東洋アルミニウム社製)2部(固形分2部)、2−エチル−1−ヘキサノール35部、下記リン酸基含有樹脂溶液(c)8部(固形分4部)及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.2部を均一に混合して、光輝性顔料分散液(R−1)を得た。
リン酸基含有樹脂溶液(c):温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、メトキシプロパノール27.5部及びイソブタノール27.5部の混合溶剤を入れ、110℃に加熱し、スチレン25部、n−ブチルメタクリレート27.5部、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製、分岐高級アルキルアクリレート)20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、下記リン酸基含有重合性モノマー15部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10部及びt−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物121.5部を4時間かけて上記混合溶剤に加え、さらにt−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部とイソプロパノール20部からなる混合物を1時間滴下した。その後、1時間攪拌熟成して固形分濃度50%のリン酸基含有樹脂溶液(c)を得た。本樹脂のリン酸基による酸価は83mgKOH/g、水酸基価は29mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
リン酸基含有重合性モノマー:温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、モノブチルリン酸57.5部及びイソブタノール41部を入れ、90℃に昇温後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間攪拌熟成した。その後、イソプロパノ−ル59部を加えて、固形分濃度50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。得られたモノマーのリン酸基による酸価は285mgKOH/gであった。
製造例9〜12
配合組成を下記表2に示すものとする以外は、製造例8と同様にして、各光輝性顔料分散液(R−2)〜(R−5)を得た。なお表1に示す配合組成は、各成分の固形分質量による。
Figure 2021100238
第1着色塗料(X−1)〜(X−6)の製造
製造例13
製造例3で得た顔料分散ペースト(P−1)70.02部、製造例8で得た光輝性顔料分散液(R−1)57.1部、製造例1で得た水酸基含有アクリル樹脂エマルション(a)44.4部(固形分20部)、「ユーコートUX−8100」(商品名、ウレタンエマルション、三洋化成工業社製、固形分35%)60部(固形分21部)及び「サイメル325」(商品名、メラミン樹脂、日本サイテックインダストリーズ社製、固形分80%)37.5部(固形分30部)を均一に混合した。次いで、得られた混合物に、「UH−752」(商品名、ADEKA社製、増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を添加し、pH8.0、塗料固形分25%、B型粘度計を用いて20℃において回転数6rpmで測定したときの粘度が3000mPa・sの第1着色塗料(X−1)を得た。
製造例14〜18
配合組成を下記表3に示すものとする以外は、製造例13と同様にして、B型粘度計を用いて20℃において回転数6rpmで測定したときの粘度が3000mPa・sの各第1着色塗料(X−2)〜(X−6)を得た。
第1着色塗膜の評価
上記で得られた第1着色塗料(X−1)〜(X−6)を用い、第1着色塗膜の明度L値及び色相角度h値(h(X))を、「CR−400」(商品名、コニカミノルタ社製)を使用して評価した。第1着色塗膜は、前記[1]で製造した基材上に、第1着色塗料(X)(X−1)〜(X−6)のいずれかをミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で、硬化塗膜として8μmの膜厚となるように塗装し、室温にて3分間放置し、熱風循環式乾燥炉内にて140℃で30分間加熱することにより得た。評価結果を併せて表3に記す。
Figure 2021100238
水酸基含有アクリル樹脂エマルション(d)の製造
製造例19
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部及び「アクアロンKH−10」0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで下記のモノマー乳化物(1)のうちの全量の1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を反応容器内に導入し80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(1)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、下記のモノマー乳化物(2)を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%ジメチルエタノールアミン水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、固形分濃度30%の水酸基含有アクリル樹脂エマルション(d)を得た。得られた水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基価が25mgKOH/g、酸価が33mgKOH/gであった。
モノマー乳化物(1): 脱イオン水42部、「アクアロンKH−10」 0.72部、メチレンビスアクリルアミド2.1部、スチレン2.8部、メチルメタクリレート16.1部、エチルアクリレート28部及びn−ブチルアクリレート21部を混合攪拌して、モノマー乳化物(1)を得た。
モノマー乳化物(2): 脱イオン水18部、「アクアロンKH−10」 0.31部、過硫酸アンモニウム0.03部、メタクリル酸5.1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1部、スチレン3部、メチルメタクリレート6部、エチルアクリレート1.8部及びn−ブチルアクリレート9部を混合攪拌して、モノマー乳化物(2)を得た。
水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(e)の製造
製造例20
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、ヘキサヒドロ無水フタル酸126部及びアジピン酸120部を仕込み加熱し、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに無水トリメリット酸38.3部を加え、170℃で30分間反応させた後、2−エチル−1−ヘキサノールで希釈し、固形分濃度70%である水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(e)を得た。得られた水酸基含有ポリエステル樹脂は、水酸基価が150mgKOH/g、酸価が46mgKOH/g、重量平均分子量が6,400であった。
顔料分散ペースト(P−6)〜(P−9)の製造
製造例21
製造例20で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(e)35.7部(固形分25部)、「塩素化銅シアニンブルーG−314」(商品名、フタロシアニンブルー顔料、山陽色素社製)7.5部、「RAVEN 5000 ULTRA I I I BEADS」(商品名、カーボンブラック顔料、COLUMBIAN CARBON CO.社製)0.01部及び脱イオン水5部を混合し、2−(ジメチルアミノ)エタノールでpH8.0に調整した。次いで、得られた混合液を広口ガラスビン中に入れ、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェイカーにて30分間分散して、顔料分散ペースト(P−6)を得た。
製造例22〜24
配合組成を下記表4に示すものとする以外は、製造例21と同様にして、各顔料分散ペースト(P−7)〜(P−9)を得た。なお表4に示す配合組成は、各成分の固形分質量による。
Figure 2021100238
光輝性顔料分散液(R−6)〜(R−7)の製造
製造例25
攪拌混合容器内において、「Xirallic T60−23 WNT Galaxy Blue」(商品名、酸化チタン被覆酸化アルミナフレーク、メルク社製)2部及び2−エチル−1−ヘキサノール10部、上記リン酸基含有樹脂溶液(c)4部(固形分2部)及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.1部を均一に混合して、光輝性顔料分散液(R−6)を得た。
製造例26
攪拌混合容器内において、「Pyrisma T40−23 SW Color Spce Blue」(商品名、酸化チタン被覆マイカフレーク、メルク社製)2部及び2−エチル−1−ヘキサノール10部、上記リン酸基含有樹脂溶液(c)4部(固形分2部)及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.1部を均一に混合して、光輝性顔料分散液(R−7)を得た。
第2着色塗料(Y−1)〜(Y−6)の製造
製造例27
製造例21で得た顔料分散ペースト(P−6)48.21部、製造例25で得た光輝性顔料分散液(R−6)16.1部、製造例19で得た水酸基含有アクリル樹脂エマルション(d)73.3部(固形分22部)、「ユーコートUX−8100」(商品名、ウレタンエマルション、三洋化成工業社製、固形分35%)60部(固形分21部)及び「サイメル325」(商品名、メラミン樹脂、日本サイテックインダストリーズ社製、固形分80%)37.5部(固形分30部)を均一に混合した。次いで、得られた混合物に、「UH−752」(商品名、ADEKA社製、増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を添加し、pH8.0、塗料固形分25%、B型粘度計を用いて20℃において回転数6rpmで測定したときの粘度が3000mPa・sの第2着色塗料(Y−1)を得た。
製造例28〜32
配合組成を下記表5に示すものとする以外は、製造例27と同様にして、B型粘度計を用いて20℃において回転数6rpmで測定したときの粘度が3000mPa・sの各第2着色塗料(Y−2)〜(Y−6)を得た。
第2着色塗膜の評価
上記で得られた第2着色塗料(Y−1)〜(Y−6)を用い、第2着色塗膜のフリーフィルムを「UV−2700」(商品名、島津製作所製)を使用して評価することにより、波長400nm以上700nm以下の光線透過率を得た。第2着色塗膜のフリーフィルムは、ポリプロピレン板上に、第2着色塗料(Y−1)〜(Y−6)のいずれかをミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で、硬化塗膜として10μmの膜厚となるように塗装し、室温にて3分間放置し、熱風循環式乾燥炉内にて140℃で30分間加熱した後、得られた塗膜を剥離することにより得た。評価結果を併せて表5に記す。
Figure 2021100238
[III]試験板の作成
試験板の作成
実施例1〜8及び比較例1〜4
(第1着色塗料(X)の塗装)
上記[1]で作製した基材上に、上記[2]で製造した第1着色塗料((X−1)〜(X−6)のいずれかをミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で、硬化塗膜として8μmの膜厚となるように塗装し、室温にて3分間放置し、未硬化の第1着色塗膜を得た。
(第2着色塗料(Y)の塗装)
上記未硬化の第1着色塗膜上に、上記[2]で製造した第2着色塗料(Y−1)〜(Y−6)のいずれかをミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で、硬化塗膜として10μmの膜厚となるように塗装し、室温にて3分間放置し、80℃で3分間プレヒートを行い、未硬化の第2着色塗膜を得た。
(クリヤ塗料(Z)の塗装)
上記未硬化の第2着色塗膜上に、クリヤ塗料(Z)(「マジクロンKINO−1210」、関西ペイント社製、商品名、アクリル樹脂系酸/エポキシ硬化溶剤型上塗クリヤ塗料)を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブース温度20℃、湿度75%の条件で、硬化塗膜として35μmとなるように塗装し、室温にて7分間放置した後、熱風循環式乾燥炉内にて140℃で30分間加熱し、中塗り塗膜、第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤ塗膜からなる複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて試験板1を作製した。
また、上記第2着色塗膜の硬化膜厚を、9μmに変更する以外は、試験板1の作成と同様にして、試験板2を得た。
また、上記第2着色塗膜の硬化膜厚を、11μmに変更する以外は、試験板1の作成と同様にして、試験板3を得た。
塗膜評価
上記のようにして得られた各試験板について、以下の方法で塗膜の外観を評価し、表6及び7にその結果を示した。
色相角度h値(h(S))
各試験板1について、「CR−400」(商品名、コニカミノルタ社製)を使用して色相角度h値を測定した。
彩度C
各試験板1について、「CR−400」(商品名、コニカミノルタ社製)を使用してC値を測定した。C値が高いほど、彩度が高いことを示す。55以上を合格とした。
深み感C値/L
各試験板1について、「CR−400」(商品名、コニカミノルタ社製)を使用して彩度C値及び明度L値を測定し、C値をL値で除した値(C値/L値)により評価した。C値/L値が大きいほど、深み感が高いことを示す。1.8以上を合格とした。
膜厚変動による色変動
各試験板2及び各試験板3のΔE値を、「CR−400」(商品名、コニカミノルタ社製)を使用して評価した。ΔE値は、下記式に従い、算出した。ΔE値が小さいほど、膜厚変動による色変動が良好であることを示す。1.5以下を合格とした。
ΔE={(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔL:試験板2と試験板3とのL値の差、
Δa:試験板2と試験板3とのa値の差、
Δb:試験板2と試験板3とのb値の差。
色ムラ
各試験塗板について目視にて色ムラを評価した。S及びAを合格とした。
S:色ムラがほとんど認められず、極めて優れた塗膜外観を有していた。
A:色ムラがわずかに認められるが、優れた塗膜外観を有していた。
B:色ムラが認められ、塗膜外観がやや劣っていた。
C:色ムラが多く認められ、塗膜外観が劣っていた。
色相差|h(X)−h(S)|
第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|を計算した。
Figure 2021100238
Figure 2021100238

Claims (7)

  1. 工程(1):光輝性顔料及び着色顔料を含有する第1着色塗料(X)を塗装して第1着色塗膜を形成する工程、
    工程(2):該第1着色塗膜上に、着色顔料を含有する第2着色塗料(Y)を塗装して第2着色塗膜を形成する工程、
    工程(3):該第2着色塗膜上に、クリヤ塗料(Z)を塗装してクリヤ塗膜を形成する工程、及び、
    工程(4):前記工程(1)で形成された第1着色塗膜、前記工程(2)で形成された第2着色塗膜及び前記工程(3)で形成されたクリヤ塗膜を別々に又は同時に加熱することにより、硬化させる工程を含む複層塗膜形成方法であって、
    前記第1着色塗膜の明度L値が、30〜60の範囲内であり、
    前記第2着色塗膜の波長400nm以上700nm以下の光線透過率が、15%以上30%未満の範囲内であり、
    前記第1着色塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(X))と、前記複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))との差|h(X)−h(S)|が0〜30の範囲内であることを特徴とする複層塗膜形成方法。
  2. 前記複層塗膜形成方法により得られる複層塗膜のLh表色系色度図の色相角度h値(h(S))が225〜315の範囲内である請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. 前記第1着色塗料(X)中の着色顔料、及び前記第2着色塗料(Y)中の着色顔料が、フタロシアニン系顔料を含有する請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. 前記第1着色塗料(X)に含まれる光輝性顔料が、着色アルミニウム顔料を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  5. 前記第2着色塗料(Y)が、着色顔料を0.1〜10%の範囲内の顔料質量濃度(PWC)で含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  6. 前記第2着色塗料(Y)が、さらに光輝性顔料を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  7. 前記第2着色塗料(Y)が、光輝性顔料を1.2〜5%の範囲内の顔料質量濃度(PWC)で含有する請求項6に記載の複層塗膜形成方法。
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