JP2002047535A - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法

Info

Publication number
JP2002047535A
JP2002047535A JP2000231696A JP2000231696A JP2002047535A JP 2002047535 A JP2002047535 A JP 2002047535A JP 2000231696 A JP2000231696 A JP 2000231696A JP 2000231696 A JP2000231696 A JP 2000231696A JP 2002047535 A JP2002047535 A JP 2002047535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
steel sheet
concentration
base material
alloying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000231696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3716718B2 (ja
Inventor
Masahiko Hori
雅彦 堀
Hirotatsu Kojima
啓達 小嶋
Hiroyuki Nakagawa
浩行 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2000231696A priority Critical patent/JP3716718B2/ja
Publication of JP2002047535A publication Critical patent/JP2002047535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3716718B2 publication Critical patent/JP3716718B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 母材に残留オーステナイトを含む鋼板を用
い、高強度および高延性材料にて、パウダリング性およ
びフレーキング性が良好な加工性に優れた合金化溶融亜
鉛めっき鋼板とその製造方法の提供。 【解決手段】 質量%で、C:0.05%以上0.2 %以下、
Si:0.01 %以上1.50%以下、Mn:0.5 %以上3.0
%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.01
%以上2.0 %以下、N:0.01%以下、Ti:0.01%以上
0.08%以下、Nb:0.005 %以上0.05%以下、且つ、下
記式(1) を満足し、 Si(%)+Al(%)≧0.5 ・・・・・1 残部不可避不純物およびFeから成る化学組成を有す
る、オーステナイト相を体積%で1%以上含有し、引張
り強度Ts(MPa)×伸びEl(%)≧20000を
満たす鋼板を母材とし、該母材の表面に合金化溶融亜鉛
めっきの皮膜を設けて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、延性に優れた母材
を用い、且つ、高い防錆能を有する、フレーキング性お
よびパウダリング性の良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼板
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、家電、建材、及び自動車の産業分
野においては溶融亜鉛めっき鋼板が大量に使用されてい
るが、とりわけ経済性、防錆機能、塗装後の性能の点で
合金化溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いられている。
【0003】一方、母材性能としては、各種機械、装置
類には高性能化と同時に軽量化が強く推進されており、
高強度化技術が数多く開発されている。しかしながら、
高強度化に伴い、鋼板の延性は損なわれるため、加工性
が劣化するという問題を有していた。
【0004】ところで、このような問題に対して、強度
が高く、さらに、延性も高い、プレス時の加工性が良好
である鋼板として、特開平5−70886号公報に示さ
れるように、Si、Alを適量添加し、鋼中に残留オー
ステナイトを含む鋼材である、局部延性の著しく改善さ
れた材料が開発された。
【0005】従って、上記鋼材を母材に、合金化溶融亜
鉛めっきを施した材料が要求されるようになった。一
方、このようなめっき鋼板を製造するためには、焼鈍炉
内で特定のヒートパターンをとり、炉内で水を使用した
急冷が必要とされる。しかし、溶融めっきラインでは、
自動車用として溶融めっき鋼板の密着性および表面清浄
性が良好であることが必要とされるため、炉内での水冷
はできない。さらに、鋼中Si添加によるめっき層の合
金化の遅延の問題があり、製造するのために大きな問題
となっている。
【0006】特開平11-131145 号公報では、これらの問
題に対して、残留オーステナイト(γ) 相を含有する鋼
を使った合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を開示し
ている。しかしながら、この方法では、炉内で水冷を行
わないため、オーステナイト相が残存しにくく、水冷を
使用したヒートパターンで製造された焼鈍板より、性能
が著しく劣化することが問題となる。
【0007】このように実質的には、高延性であり、且
つ高強度である残留オーステナイトを含有する母材から
合金化溶融亜鉛めっき材を得ることはできていない。さ
らに、残留オーステナイト相を含有する鋼の使用途は、
高延性であるため、従来から使用されていた高強度鋼と
は違い、複雑で厳しい加工部に使用されることになる。
【0008】従って、自動車用としては、加工時に問題
となるパウダリング性、および表面の摺動性に起因して
生じるフレーキング性も良好な材料を得ることが求めら
れている。
【0009】この点、先の特開平11-131145 号公報で
は、浴中Al濃度を下げることで、Si鋼としての上述
のような問題を解決しているために、合金化後の表層に
は、軟質のζ相のような合金相が存在しやすく、パウダ
リング性は良好となるが、フレーキング性は不良となり
やすく、加工性が最良の材料を得ることができていな
い。
【0010】このように、特開平5−171644号公報、特
開平6−145788号公報、特開平6−145893号公報などの
改良を行っている特開平11−131145号公報でも、残留オ
ーステナイトを含有する鋼板を母材とする合金化溶融亜
鉛めっき鋼板にあっては、母材の強度に対する延性不足
が見られ、皮膜のパウダリング性およびフレーキング性
の両立が伴わず、実質的に、プレス成形性の良好な残留
オーステナイト相含有鋼( γ鋼) の合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板はまだ開発されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、主として自
動車に使用される、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関する
もので、特に、その母材に残留オーステナイトを含む鋼
板とし、高強度および高延性材料にて、パウダリング性
およびフレーキング性が良好な加工性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、まず、S
i、Al複合添加による残留オーステナイトを含む材料
について、溶融亜鉛めっき鋼板を製造することを検討
し、次のような知見を得た。
【0013】(i) 鋼中のC量が0.05%以上0.2%
以下であって、Si、Al量が、式(1) に従うときに残
留オーステナイト相が安定化することを知った。 Si(%)+Al(%)≧0.5 ・・・・・式(1) (ii)焼鈍時のヒートパターン、つまり加熱温度を780
℃以上870℃以下とし、そのときの到達温度から70
0℃までを冷却速度5℃/s以下で冷却し、700℃か
ら550℃までの温度領域へ冷却速度30℃/s以上で
冷却し、350 〜550 ℃の温度領域で20s以上保持して
から室温にまで冷却すると、残留オーステナイトを含む
鋼板を製造することが可能となることを知った。
【0014】そこで、このヒートパターンにより、溶融
めっきを行うことを検討したが、炉内で水冷を行うと、
表面酸化が生じるから、その後に、直接めっきすると、
不めっきが生じ、めっきができないことも判明した。
【0015】水冷せずに、700℃から350℃以上5
50℃以下への温度領域へ冷却を行っても、20℃/s
より速い冷却速度を得ることはできず、通常の設備では
不可能であることを確認した。
【0016】同一成分の材料で冷却速度による性能の違
いを検討した結果、700℃から少なくとも550℃ま
でへの冷却速度は30℃/s以上でないと、延性が劣化
しやすく、実質上、高延性の材料を得ることができない
ことが判明した。
【0017】(iii) そこで、様々な方法で高延性材を製
造することを検討することとした。すなわち、780℃
以上で焼鈍し、700℃まで3℃/sで冷却し、700
℃から400℃まで、水冷(またはミスト冷却)を使用
し、30℃/sで冷却し、400℃で120s低温保持
した後、20℃/sで冷却し、体積量として5%以上の
残留オーステナイトを含有する鋼を作成した後、溶融め
っきで再現できる種々の焼鈍温度と時間で性能劣化の調
査を行った。
【0018】その結果、780℃以上870℃まで温度
を上げ、この温度域での滞留時間を500s以下とし、
780℃から浴温近傍までの冷却速度を平均で10℃/
sとして溶融めっきすれば、高延性且つ高強度の材料を
得ることができることが判明した。
【0019】このとき、780℃以上870℃の温度域
からの冷却について、溶融めっきでの冷却速度を想定
し、4℃/s〜20℃/sの間で冷却を行ったが、材料
特性は、すべて、ほぼ同様の結果となり、2回目の焼鈍
時の冷却速度は、性能にほぼ、依存しないことが判明し
た。
【0020】(iv)この現象については詳細は不明である
が、一回目の焼鈍で一旦生成された残留オーステナイト
相は、二回目の還元焼鈍で780℃まで上げると、分解
されるが炭素の濃度分布は維持され、冷却中にもとの残
留オーステナイトにもどる現象が生じるものと推定され
る。
【0021】但し、フェライト、オーステナイト2相領
域に長時間滞留すると、炭素濃度分布が消失し、冷却中
にもとの組織に戻れないため、滞留時間が500sを越
えると、残留オーステナイト相含有鋼を得ることができ
ないものと推定される。
【0022】この現象を利用することによって、強度延
性バランスの優れた残留オーステナイト相含有鋼のめっ
き材を作成することが可能となった。 (v) しかしながら、最初の焼鈍後の冷却は冷却速度を上
げるために、水冷を使用するため露点が上がり表面に酸
化物が生成し、さらに、2回焼鈍を行うことにより、酸
化物が増加するため、めっき時の濡れ性が劣化し、さら
に、皮膜の密着性も著しく劣化するため、パウダリング
性の劣化が著しく生じることとなった。
【0023】そこで、今度はそのような濡れ性を改善す
るために、1回目の焼鈍後に、Ni、Co、Feから選
んだ少なくとも1種の金属のめっきを行い、濡れ性改善
することが可能となった。しかしながら、通常の材料と
異なり、2回焼鈍を行うために、合金化は著しく遅延
し、さらに、表面にη−Zn相が残存しやすくなる。そ
の結果、合金化遅延の解消のため、高温で合金化を行う
と、パウダリング性の劣化が著しくなり、さらに、表面
のη相残存も助長されるため、フレーキング性も著しく
劣化した。
【0024】そこで、1回目焼鈍後のNi、Co、Fe
など付着量を増加させ、合金化の促進を行ったところ、
合金化遅延を解消できる上に、パウダリング性の劣化を
防止し、さらに、フレーキング性も良好になることを確
認した。
【0025】これらの現象を組み合わせることによっ
て、残留オーステナイト相含有鋼を基盤とするパウダリ
ング性およびフレーキング性の良好な合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を製造することが可能となった。
【0026】(vi)しかしながら、この方法は、実用的に
は、Ni、Co、Fe、これらのめっき付着量を大量に
付着させないと、効果がないため、実質的には、1回焼
鈍後、電気めっき設備を通して、溶融めっきラインを通
すか、または、プレ電気めっき設備を備えた溶融めっき
ラインでの製造を行う必要があった。
【0027】従って、通常、プレめっき設備を持たない
溶融めっきラインしか持たないところでは、この方法を
採用するにはコストが高くなり、製造できない。しか
し、Ni、Co、Feを付着量を下げ、焼鈍後に、簡易
に付着させることができる程度の付着量にさせると、合
金化促進の効果を失うことが判明した。
【0028】(vii) そこで、付着量が少ない場合の合金
化促進方法を検討した結果、0.1%以上5.0%以下
の圧延を行うことにより、溶融めっきラインの前に合金
化を促進させることが可能であることが判明した。
【0029】通常、2回目焼鈍前であるため、少量の加
工を施しても、焼鈍時には加工による効果は消失し、こ
のような圧延は効果はないものと推定される。しかし、
今回の材料は、1回焼鈍時に硬質の第2相とα−Feか
らなる組織を持つため、圧延時に、軟質のαは、加工さ
れやすく、硬質の第2相は加工されにくいため、第2相
とα相との間に、歪みが蓄えられやすくなっているもの
と推定される。そのため、2回焼鈍時にも、このような
第2相、α相間の歪みが残存し、合金化の促進を可能と
したものと推定される。
【0030】この方法により、合金化速度を促進させる
と、残留γ相含有鋼 (単に残留γ高とも云う) のパウダ
リング性およびフレーキング性は良好となり、めっき性
能を満たすことが可能となった。
【0031】ここに、本発明は次の通りである。 (1) 質量%で、C:0.05%以上0.20%以下、 Si:0.0
1 %以上1.50%以下、Mn:0.5 %以上3.0 %以下、
P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.01%以上2.
0 %以下、N:0.01%以下、且つ、下記式(1) を満足
し、 Si(%)+Al(%)≧0.5 ・・・・・式(1) 残部不純物およびFeから成る化学組成を有する、オー
ステナイト相を体積%で1%以上含有し、引張り強度T
s(MPa)×伸びEl(%)≧20000を満たす鋼
板を母材とし、該母材の表面に合金化溶融亜鉛めっきの
皮膜を設けて成り、該皮膜中のAl濃度が0.20%以
上0.40%以下、そしてFe濃度が8%以上15%以
下であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0032】(2) 質量%で、C:0.05%以上0.20%以
下、Si:0.01 %以上1.50%以下、Mn:0.5 %以上3.
0 %以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.
01%以上2.0 %以下、N:0.01%以下、Ti:0.01%以
上0.08%以下、Nb:0.005 %以上0.05%以下、且つ、
下記式(1) を満足し、 Si(%)+Al(%)≧0.5 ・・・・式(1) 残部不純物およびFeから成る化学組成を有する、オー
ステナイト相を体積%で1%以上含有し、引張り強度T
s(MPa)×伸びEl(%)≧20000を満たす鋼
板を母材とし、該母材の表面に合金化溶融亜鉛めっきの
皮膜を設けて成り、該皮膜中のAl濃度が0.20%以
上0.40%以下、そしてFe濃度が8%以上15%以
下であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0033】(3) 上記(1) または(2) の鋼において、オ
ーステナイト相を体積%で1%以上含有し、引張り強度
Ts (Mpa)×伸びE1 (%) ≧20000 を満たし、GAの皮膜中
Al濃度が0.20%以上0.40%以下、皮膜中Fe濃度8%以上
15%以下であり、Ni、Co、Cuが少なくとも1種合計して
5mg/ m3 以上含有することを特徴とする合金化溶融亜
鉛めっき鋼板。
【0034】(4) 上記(1) 〜(3) に示す化学組成を有
し、オーステナイト相を体積%で1%以上含有した鋼板
を母材とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であ
って、上記鋼板を、あらかじめ、780℃以上870℃
以下で焼鈍した後、さらに、700℃から550℃まで
の温度範囲を平均30℃/s以上の冷却速度で冷却し、
次いで、350℃以上550℃以下の温度範囲に20s
以上滞留させ、そして常温まで冷却し、得られた母材
に、Ni、Fe、CuおよびCoのうち1種または2種
以上、付着量させ、再び、780℃以上870℃以下で
5s以上500s以下滞留させて還元焼鈍を行い、その
ときの到達温度から浴温度近傍まで冷却してから、めっ
きを行い、520℃以下で合金化を行い、7〜15%以
下のFe濃度の皮膜を形成させることを特徴とする合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0035】(5) 前記Ni、Fe、CuおよびCoのう
ち1種または2種以上を付着量5mg/m2以上70mg/m2以下
で付着させ、圧下率0.1%以上5.0%以下の圧延を
行い、780℃以上870℃以下で5s以上500s以
下滞留させ還元焼鈍を行うことを特徴とする上記(2) 記
載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施に際し、その形態や
条件の範囲およびそれを設定した理由について以下に述
べる。なお、本明細書において鋼の化学組成を示す
「%」はとくにことわりがない限り、「質量%」であ
る。
【0037】Cについては、0.05%以上0.2 %以下と規
定する。Cは、残留オーステナイト相を安定に析出させ
るために必要な元素であり、0.05%より低いとオーステ
ナイト相中のC量が下がるため不安定になり、製造する
ことが困難になる。
【0038】C量の上限は、0.20%とするが、高張力鋼
板を製造するためには、C量を増加させることが得策で
はあるが、溶接を行う時にCが高すぎると、溶接できな
い問題があり、0.20%を上限とした。
【0039】また、C量を増加させると、簡易に強度を
高くすることは可能であるが、延性の劣化も同時に生じ
るため、残留オーステナイト相を安定に含有し、且つ、
非常に高い延性を確保するには考慮すると、C量は0.08
%以上0.15%以下で制御することが好ましい。
【0040】Siについては、0.02%以上1.50%以下と
規定する。Siは均熱中に、フェライト相の生成を助長
し、オーステナイト相中へのCの濃縮を助ける働きがあ
る。0.01%未満では、残留オーステナイト相の安定生成
が少ない。上限は、1.50%以下とするが、合金化速度の
遅延が著しく生じるためである。
【0041】後述するTi、Nbの添加量にも依存する
が、合金化が速やかに起こることを考慮すると、Si量
を0.7 %以下とすることが好ましい。Mnについては、
0.5 %以上3.0 %以下と規定する。
【0042】Mnはオーステナイト相安定元素であり、
0.5 %以上添加することにより、その効果が得られる。
しかし、添加量が多すぎると、鋼板の脆化が生じるた
め、上限を3.0 %とする。また、Mn添加量が増加する
と、鋼板の製造コストが上がるため、この好ましい範囲
としては2.5 %程度が良く、Mn量0.5 %以上2.5 %以
下で製造することが良い。
【0043】Pについては、0.050 %以下と規定する。
Pは不可避的に混入する元素であるため、低い方が好ま
しいが、0.005 %未満に調整するためには、コストが高
くなるため、0.005 %以上が好ましい。Pが多量になる
と鋼板の延性が劣化するため、0.05%以下と規定する。
また、Si同様合金化を遅延する元素であるため、最適
範囲としては、0.020 %以下が好ましく、Si添加量が
0.3 %を越える場合、合金化遅延が著しくなるため、パ
ウダリング性,フレーキング性が劣化することになり、
このときのP量の最適範囲は0.012 %以下となる。
【0044】Sについて、0.01%以下と規定する。Sも
不純物として鋼中に含有されるものであるため、低濃度
である方が良い。0.01%を越えて含有されると、MnS
の析出が目立つようになり、鋼板の延性を阻害するのみ
ならず、オーステナイト安定元素のMnを析出物として
消費してしまうため、S含有量は0.01%以下と規定す
る。下限は特に設定しないが、通常は0.001 %程度の材
料までであれば、特に問題なく製造可能である。
【0045】Alについては、0.01%以上2.0 %以下と
規定する。Alは脱酸剤として添加され0.01%未満では脱
酸が不十分となり介在物が増加し延性が低下する。Al
も、Siと同様に、フエライト相の体積率を増加させる
ことにより、オーステナイト相中のC量を増加させる元
素である。2.0 %を越えると、鋼中に介在物が多数増加
し、延性を劣化させるため、2.0 %を上限とする。
【0046】AlはSiと同様の効果により、オーステ
ナイト中のC量を増加させることが可能であるが、実際
にはSi、Alともに添加することにより、効果的にフ
ェライトの体積率を増加させ、かつオーステナイト中の
C量を増加させ、オーステナイト相の安定化を行うこと
が可能である。
【0047】これらのことより、残留オーステナイトを
鋼中に1体積%以上残存させるためには、Si(%)+
Al(%)≧0.5を満足する必要がある。Siおよび
Al量が上式を満たすと、残留オーステナイトが1体積
%以上残存する鋼材を製造することが可能である。さら
に、良好な範囲としては、Si+Alが、1.2以上
1.8以下であり、この範囲にSi+Alを制御すると延性
を高くしやすく、好ましい範囲である。
【0048】TiおよびNbについては、Ti:0.08%
以下、および、Nb:0.05%以下、と規定する。Tiお
よびNbは合金化に関して同様の働きがあり、合金化が
促進されるが、材料の延性および引張り強度にも影響を
与える元素である。Tiは0.01%程度から合金化促進に
寄与しやすく、これ以上の濃度を積極的に添加すること
は好ましい。上限については、0.08%と規定するが、こ
れを越えた添加すると、TiCの生成が大量に生じ強度
が高くなるが、延性が劣化し、高延性材料の特徴を損な
うため、上限は0.08%とする。
【0049】前述したSi、P量が多い鋼種では、合金
化促進を積極的に行う方が製造しやすいため、Tiは0.01
%以上0.08%以下で添加することを規定する。NbもT
iと全く同様に、合金化促進効果と、材料特性として強
度上昇と延性劣化の効果を持っている。従って、Ti添
加と同様の理由により、上限が決まっており、その上限
は0.05%となっている。また、合金化促進の効果がある
ため、好ましい範囲としては、0.005 %程度からの添加
が良いため、その範囲は0.005%以上0.05%となる。
【0050】Nについては、0.01%以下とする。鋼中N
も不可避不純物であり、含有量は低い方が好ましい。N
含有量が0.01%を越えるとAlN が生成されやすく、Alを
消耗してしまうので、0.01%以下と規定する。下限は規
定しないが、特に加工性を重視する場合は0.005 %以下
とするのが好ましい。
【0051】その他、本発明にあってはNi、Co、Ca、Cr
等について各元素0.05%以下程度は許容される。このよ
うな母材を後述の方法を用いて、製品として残留オース
テナイト相を1体積%以上含有する母材の表面に特定の
合金化溶融亜鉛めっきの存在する鋼板を規定する。残留
オーステナイトを1体積%以上とするのは、以下に規定
する引張り強度Tsと伸びE1のかけ算で20000 を越える材
料を得るためである。少なくとも、残留オーステナイト
の体積濃度が1%以上なければ、このような高強度高延
性の材料を製造することは困難である。また、上限は特
に規定しないが、上記組成範囲で達成できる量は30%程
度が上限になる。製品性能および後述のヒートパターン
も考慮し製造しやすく生産性の良い範囲を選ぶと、残留
オーステナイト相の体積濃度は8%以上25%以下が好ま
しい。さらに、引張り強度Tsと伸びE1のかけ算を20000
以上と規定する。20000 以上なければ、高強度および高
延性の材料を提供することにはならない。また、Tsおよ
びE1については、Tsは、550Mpa以上950Mpa以下になるこ
とが多く、E1は、強度の高いものでは低く、強度の低い
ものでは高くなる傾向にあるが、22%以上40%以下にな
ることが多い。組成および残留オーステナイト量、さら
に、ヒートパターンを考慮すると、Tsの最適範囲は580M
pa以上800Mpa以下に調整されることが好ましく、E1につ
いては28%以上40%以下に調整することが最も、作りや
すい。
【0052】GA皮膜については、皮膜Al濃0.20%以上0.
40%以下と規定する。皮膜Al濃度が低すぎると、合金化
時にζ相が出現しやすく、フレーキング性を劣化させや
すい。従って、少なくとも0.20%以上のAlが含有してい
ることが条件となる。上限については、合金化速度の遅
延に起因する。Si添加量が少なくさらに、鋼中に合金化
促進元素を含有しているものでも、皮膜中Al濃度が0.40
%を超えると、合金化遅延は著しく起こり、そのため
に、合金化温度を上げることを行うため、合金化完了し
たものでは、残留γが消失し、規定の材料特性が損なわ
れ、さらに、パウダリング性を劣化させる。また、合金
化温度を下げ長時間の合金化により合金化させても、生
産性が劣化するだけでなく、表面にη−Znが残存しやす
く、フレーキング性を劣化させることになる。従って、
上限は0.40%以下とする。このため、皮膜中Al濃度は0.
20%以上0.40%以下と規定する。さらに、好ましい範囲
としては0.25%以上0.35%以下が好ましい。
【0053】皮膜中Fe濃度は8%以上15%以下とする。
これは、フレーキング性およびパウダリング性を両立さ
せることができる範囲として規定する。8%未満ではη
相または、ζ相の残存が生じやすくフレーキング性が劣
化する。15%より高いFe濃度ではパウダリング性が劣化
しやすくなる。、従って、8%以上15%以下と規定す
る。好ましい範囲としては8.5 %以上12%以下が良い。
【0054】CGL 前の付着金属は合金化時にZn中に拡散
するため、皮膜中に存在することが多い。但し、Feめっ
きを行ったものについてだけ、母材中のFeの拡散による
ものであるか、付着したFeが拡散したものであるかの区
別がつかない。それ以外のNi、Co、Cuについては、少な
くとも1種合計して5mg/ m2 以上あることを規定す
る。これらの金属は後述する一回焼鈍後に表面に規定量
付着させることにより、パウダリング性およびフレーキ
ング性の向上を計っている。そして、合金化時には皮膜
中に拡散するため、Fe以外は皮膜から検出される。この
量はCGL 前に付着させた量とほぼ、一致することが多
く、これらの金属が含有することによってフレーキング
性およびパウダリング性を向上させることになる。その
下限はNi、Co、Cuなどを付着させる場合のみ、規定する
ことが可能であり、5mg/ m2 と規定する。簡単な処理
でこれらの性能を向上させることが可能であることを考
慮すると、付着量の最適値として10mg/ m2 以上70mg/
2 以下とすることが好ましい範囲である。また、上限
は特に規定しないが、実質的には、2000mg/ m2 超の金
属を付着させることはコストが高くなるため、それ以上
の含有は不利である。
【0055】以上のような母材でGA皮膜を持った鋼板を
提供することができた。上記母材を下記に示すヒートパ
ターンにて第1回目の熱処理を行う。熱処理を行う設備
としては、炉内冷却として、水冷または、ミスト冷却が
可能な連続焼鈍炉を使用することが好ましい。
【0056】連続焼鈍炉後部には、焼鈍板の後処理設備
がインラインで設置されているものが好ましい。特に、
Ni、Co、Feなどをめっきできる設備および調質圧
延機を持っているものが良い。
【0057】ヒートパターンとしては、まず、780℃
以上870℃以下に昇温し、そのときの到達温度から7
00℃まで5℃/s以下で冷却し、さらに、700℃か
ら550℃まで平均冷却速度として、30℃/s以上で
急冷を行い、350℃以上550℃以下の温度範囲で2
0s以上滞留させ、その後、常温まで冷却を行うことと
する。
【0058】780℃以上870℃以下に昇温すること
は、ここでは、フェライト+オーステナイト2相組織を
製造するために、Ac1 変態点以上Ac3 変態点以下の温度
域に加熱する必要があり、低すぎると、セメンタイトの
再固溶に時間がかかりすぎ、高すぎると、オーステナイ
トの体積率が増加しすぎるため、オーステナイト中のC
量が低下する。
【0059】以上のことから、このときの温度の上下限
を870℃および780℃と規定している。次に700
℃までは、5℃/s以下で徐冷する。ここでは、フェラ
イトを生成させ、オーステナイト中のC濃度を高めるた
めに、徐冷する必要があり、そのときの冷却速度を5℃
/s以下が好ましい。それより速い速度で冷却した場
合、フェライトの生成が少なくなり、オーステナイト中
に十分にC濃度を高めることができないため、材料特性
が劣化する。
【0060】冷却速度の下限は規定しないが、生産性を
考慮すると、1℃/s程度が好ましい範囲となる。70
0℃から次の温度領域の350℃〜550℃への冷却速
度は30℃/ sと規定する。
【0061】ここでは、生成されたオーステナイトがパ
ーライトに分解されないようにするために、急冷を行う
必要がある。その下限が30℃/s以上であるため、下
限を30℃/sと規定する。上限については特に規定し
ないが、現有設備で簡易に冷却を行う場合、100℃/
s程度が好ましい。この部分では、水冷およびミスト冷
却を使用することになるが、制御し易い範囲としては、
40℃/s以上60℃/s以下の冷却速度で冷却するこ
とが好ましい。
【0062】次に、350℃〜550℃での処理は20
s以下と規定する。この温度域では、オーステナイトを
ベイナイト変態させながら、Cの濃縮をさらに促進させ
る。550℃を上回るとベイナイト変態が生じず、一
方、350℃を下回ると下部ベイナイトとなって、オー
ステナイトへのC濃縮が十分起こらなくなる。従って、
350℃以上550℃以下と規定する。
【0063】この温度域での滞留時間は、20s以上と
規定するが、この時間は、オーステナイト中に十分Cが
濃縮するための必要時間であり、好ましくは60s以上
が良い。
【0064】以降の合金化処理で残留オーステナイトの
体積率が減少することを考慮すると、この温度域での滞
留時間の好ましい範囲は、60s以上であり、できる限
り、この温度域で長時間滞留している方が良いが、実質
上の滞留時間は90s程度が最長滞留時間となることが
多い。
【0065】そして、最後に、常温まで冷却を行うが、
後処理などの次工程を直ぐに行うためには、冷却速度は
速い方が好ましい。通常、20℃/s以上の冷却速度で
冷却されることが多い。このような特定の組成で特定の
ヒートパターンを行った材料は1体積%以上、好ましく
は10体積%以上の残留オーステナイトを含有している。
【0066】次に、Ni、Fe、CuおよびCoのうち
1種または、2種以上付着させる。これは、焼鈍設備の
後処理として付着させても、また、溶融めっき設備の前
処理として付着させてもどちらでも良い。また、別ライ
ンでめっきする方法もあるが、その場合、コスト高にな
るため、通常は焼鈍ラインまたは溶融めっきラインのイ
ンライン設備を使用することが好ましい。
【0067】これらの金属は、共通して、合金化を促進
させることができる。従って、Ni、Fe、Cuおよび
Coを付着させることとした。これらの合計付着量につ
いては、合金化促進としての別対策を行わない場合、7
0mg/m2以上の付着量とすることが好ましい。特に、好
ましい範囲は500mg/m2以上で有り、合金化促進によ
るパウダリング性の向上およびフレーキング性の向上が
顕著になる。
【0068】上限は規定しないが、通常、溶融めっき設
備の前処理設備としてインラインにある場合は、生産性
を考慮すると、2000mg/m2程度が上限になる。ま
た、焼鈍ラインの後処理設備を使用する場合、これらの
金属の付着量は上限として70mg/m2 程度となること
が多い。下限は5mg/m2と規定するが、これ未満では、
濡れ性を向上させることができない。合金化促進効果は
乏しいが、濡れ性を良好にさせる領域として5mg/m2
以上70mg/m2以下の付着を行う。これらの付着量で
は、他に合金化を促進させる効果が必要なため、その後
に、圧下率0.1%以上5.0%以下の圧延を行う。
【0069】圧延は、焼鈍ラインの後処理設備として設
置される調質圧延機を使用して行うことが好ましいが、
別ラインでの圧延でも特に問題はない。圧下率0.1%
以上の圧延を行うと、合金化は促進される。圧下率の上
限は、5%とするが、これより大きな圧下率の圧延をイ
ンラインで行うと、コストがかかる。
【0070】従って、Ni、Fe、Cu、Coの付着量
が5〜70mg/m2の場合、圧下率0.1%以上5.0
%以下の圧延を行うことにより、合金化は促進され、パ
ウダリング性およびフレーキング性は向上する。Ni、
Fe、Cu、Coの金属付着と圧延については、どちら
を先に行っても効果は同じである。
【0071】上記鋼板を母材として溶融亜鉛めっきでの
焼鈍およびめっきを行う。溶融めっき設備中の前処理と
しては、脱脂を行うことが好ましい。脱脂方法として
は、アルカリ脱脂,アルカリ中での電解脱脂などを使用
することが多く、通常ラインでは、5〜20%の水酸化
ナトリウムを使用することが多い。また、第1回焼鈍後
に、Ni、Fe、Cu、Coを付着させなかった場合、
溶融めっき前処理として、これらの金属を付着させて
も、問題はない。
【0072】次工程としては、予備加熱を行う。ここで
は、バーナによるガス加熱方式のもの、または、ラジア
ントチューブを用いた加熱炉などが、あるが、どちらの
炉を使用しても問題はない。但し、Si、Al量は、合
計量が少なくとも0.5 %となるため、表面を酸化し、後
の還元焼鈍により、還元鉄を生成させる方が、濡れ性を
確保するには好ましい。
【0073】次に、還元焼鈍を行う。還元焼鈍は、ま
ず、780℃以上870℃以下の温度に昇温する必要が
ある。例えば550℃以上780℃以下の温度域では、
残留γ相がセメンタイトに分解するのみである。
【0074】従って、780℃以上の高温フェライト+
オーステナイト域に加熱する必要がある。また、上限は
870℃とするが、この温度超に上げると、オーステナ
イト単相域になってしまうため、炭素濃度分布が消失
し、冷却しても、1回目の焼鈍時に生成されたもとの残
留γ鋼もどることができない。
【0075】従って、2回目の焼鈍の温度は780℃以
上870℃以下と規定する。550℃からこの温度域へ
の到達するまでの昇温速度は平均で8℃/s以上が好ま
しい。これは、一回目の焼鈍で形成された炭素濃度分布
が昇温中に、消失することを防止するためである。
【0076】均熱中はα相とγ相の間でCのやりとりを
行い平衡濃度に近づこうとするが、適当な均熱時間内で
あれば、一回目の焼鈍で形成された残留γ相の位置に高
濃度のC分布を残すことができる。
【0077】従って、鋼中Cがすべて均一になってしま
うと、元に戻ることは困難であり、780℃以上870
℃以下での保持時間も規定されることになる。そのた
め、保持時間は、500s以内と規定する。保持時間の
下限は5sと規定するが、この温度域に設定するため
に、8℃/s以上の昇温速度で昇温した場合、オーバー
ヒートすることになり、この温度域では、5s程度の保
持は装置上生じる下限である。
【0078】もちろん、長時間の保持時間は材料特性を
低下させることになるため、材料特性の面からは、5s
以上100s以内が好ましい範囲となる。冷却速度につ
いては、特に規定しないが、溶融めっきラインで可能な
程度の冷却速度で十分である。本発明の一回目の焼鈍を
行えば、700℃から550℃までの温度範囲で、パー
ライトが析出する温度域でも、十分γ相が安定に存在す
るため、この場合は冷却速度を特に速くする必要はな
い。しかしながら、この温度域での冷却速度が遅すぎる
と、γ相の崩壊が生じてくるため、平均で3℃/s以下
は、材料特性を劣化させやすい。急速冷却については、
どのような速度でも問題はないが、通常、ガスによる冷
却では20℃/s程度が限界になることが多い。
【0079】以上のように、2回目の焼鈍時にはヒート
パターンの制限が殆どないことになる。550℃から3
50℃での低温保持については、2回目焼鈍時でも、行
った方が良いが、CGLでは、次にめっきを行うため、
めっき浴温度近傍で保持することが好ましい。通常は、
めっき浴温は440℃から500℃程度で調整されるこ
とが多い。
【0080】かくして母材としての鋼板のオーステナイ
ト相は1体積%以上、好ましくは10体積%以上が確保さ
れ、Ts(MPa)×El(%)≧20000 を満足する。続いて、溶
融めっきを行う。
【0081】めっき方法は従来法に準じており、浴中A
l濃度は0.08%〜0.16%程度で行われることが
多く、合金化促進を考慮すると、Al濃度が低い方が好
ましいが、低すぎると、表層にζ相が生成しやすく、フ
レーキングの劣化を引き起こす。
【0082】しかしながら、本発明では、めっき前にF
e、Ni、Cu、Coなどのめっきを施したり、これら
のめっきを施すことおよび少量の圧延を行うことによ
り、合金化を促進し、且つ、ζ相の出現を抑制している
ため、浴中Al濃度を低くしても、高くしても、パウダ
リング性およびフレーキング性を良好にすることができ
る範囲は広い。合金化促進は、製品として表層へのη相
残存を抑制しフレーキングを防止し、且つ、高温で合金
化することを防止するため、パウダリングの劣化も防止
できる。
【0083】また、表面のFe、Ni、Co、Cuは、
めっき時に生成されるAlを含有する初期合金層に影響
を及ぼし、以降の反応について、ζ相の出現を抑制する
作用が有り、フレーキング性を向上させる。
【0084】めっき後には、ガスワイピングにより、目
付量を調整し、引き続き、合金化炉に入る。合金化につ
いては、温度520℃以下とし、皮膜中Fe濃度を7%
以上15%以下とする。温度については、パウダリング
性を劣化させないために、限定している。これより高温
で合金化するとパウダリング性が劣化しやすくなる。ま
た、γ相をより安定に残す意味から、合金化温度は低温
が好ましく、しかしながら、フレーキング性をより向上
させるためには、高温での合金化が好ましい。そのた
め、より、好ましい範囲としては、480℃以上510
℃以下の範囲で合金化を行うことが好ましい。
【0085】皮膜中Fe濃度については、下限は、フレ
ーキング性に依存し、7%未満でフレーキング性を満足
する材料は作れない。上限は15%となる。これより、
皮膜中鉄濃度が高くなると、界面の硬くてもろい合金層
の発達が激しくなり、パウダリング性が劣化することに
なる。従って、皮膜中鉄濃度を7%以上15%以下と規
定する。より、好ましい範囲は9%以上12%以下にする
ことが好ましい。
【0086】以上のように、母材を規定し、還元焼鈍を
行い、Fe、Ni、Co、Cuを付着させ、圧延を行
い、さらに、2回目の焼鈍を行い、めっきおよび合金化
を行うことにより、延性に富み、さらに、パウダリング
性およびフレーキング性の優れたGA鋼板を製造するこ
とが可能となった。
【0087】
【実施例】実施例1 表1に化学組成を示す鋼材を実験室で溶製し、冷間圧延
して、厚さ1.6mm の母材となる鋼板とした。
【0088】これらの鋼板から幅70mm、長さ200 mm
の板片を切り出し、焼鈍専用の装置を用いて、表2に示
す各種ヒートパターンにより、冷延焼鈍の終了した残留
γ鋼を作成した。
【0089】この焼鈍板をめっき前にFe、Ni、C
o、Cuについて単独または、複数のめっきを行い、一
部、圧延を施した(表2)。この焼鈍板を溶融めっきシ
ミュレータ(レスカ(株)製)装置を使用し、予備加熱
を大気中または窒素中550 ℃まで15℃/sで昇温し保持時
間2sで行い200 ℃まで冷却した後、還元焼鈍を10%水
素−窒素(露点-60 ℃以下)の雰囲気で780℃以上8
70℃以下に加熱し、460℃から500℃まで、20
℃/s以下で冷却し、めっきした。
【0090】溶融めっき浴は、Al濃度が0.12%で
Fe飽和浴を使用し、浴温は460℃で行った。合金化
については、めっき直後、シミュレータ内で赤外加熱炉
を使用して行った。合金化温度は480℃〜540℃と
した。
【0091】評価方法については、 (1) 引張り試験 作成しためっき鋼板をJIS5号引張試験片のサイズに
加工し、引張り試験を行った。
【0092】(2) オーステナイト量の測定 皮膜を酸溶解にて除去した後、硝酸とフッ酸の混合液で
板厚の1/4を溶解除去した後、X線反射積分強度測定
により、残留オーステナイト量の測定を行った。
【0093】(3) パウダリング性評価 めっき鋼板から直径60mmの円盤を打ち抜き、ポンチ径
30mm、ダイス肩R3mm金型で円筒カップをプレス成形
し、カップの壁の外面にて粘着テープによる剥離を行
い、めっきの総剥離重量を測定した。
【0094】評価は、◎:15mg/個未満、○:15mg
/ 個以上〜20mg/ 個未満、△:20mg/ 個以上30mg
/個未満、×30mg以上 (4) フレーキング性の測定 摩擦試験により、フレーキング性を評価した。
【0095】摩擦試験 摺動性は、摩擦係数の測定は、によって行った。幅30
mm、長さ270mmの試験片を摺動性評価装置のダイス2
と半径5mmの半円形のしわ押さえビード4との間で保持
し、しわ押さえ荷重は、750,1000,1250,
1500Kgfの4条件とした。それぞれの場合のポン
チ3の圧入力の最大値(F)を求め、しわ押さえ荷重の
増分(dP)とポンチ圧入力の最大増分(dF)とか
ら、下記式によって摩擦係数を求めた。
【0096】ダイス2、しわ押さえビード4およびポン
チ3の表面は、600#の研磨紙で研磨したものを用い
た。試験片1の両面には潤滑剤として防錆油を片面あた
り、2.5g/m2塗布し、ポンチ3の圧入力速度60mm
/分とした。 摩擦係数(μ)=dF/2dP μ:0.24以下◎、0.24超0.28以下○、0.
28超0.32以下△、0.32超× (5)GA 皮膜分析 インヒビター含有の塩酸中に皮膜を溶解し、Fe、Zn、A
l、Co、Ni、Cuを分析した。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、パウダリング性とフレーキング性とを両立させて改
善した合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られ、母材鋼板が
高張力鋼板であることと相まって、家電、建材、および
自動車用として、特に自動車用構造部材として優れた材
料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 2/28 C23C 2/28 (72)発明者 中川 浩行 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住友金属工業 株式会社鹿島製鉄所内 Fターム(参考) 4K027 AA02 AA05 AA23 AB07 AB28 AB42 AB44 AC12 AC15 AC73 AE11 AE27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 C:0.05%以上0.20%以下、 Si:0.01 %以上1.50%
    以下、 Mn:0.5 %以上3.0 %以下、P:0.05%以下、 S:0.01%以下、Al:0.01%以上2.0 %以下、N:0.
    01%以下、 且つ、下記式(1) を満足し、 Si(%)+Al(%)≧0.5 ・・・・・式(1) 残部不純物およびFeから成る化学組成を有する、オー
    ステナイト相を体積%で1%以上含有し、引張り強度T
    s(MPa)×伸びEl(%)≧20000を満たす鋼
    板を母材とし、該母材の表面に合金化溶融亜鉛めっきの
    皮膜を設けて成り、該皮膜中のAl濃度が0.20%以
    上0.40%以下、そしてFe濃度が8%以上15%以
    下であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 質量%で、 C:0.05%以上0.20%以下、Si:0.01 %以上1.50%以
    下、 Mn:0.5 %以上3.0 %以下、P:0.05%以下、 S:0.01%以下、Al:0.01%以上2.0 %以下、N:0.
    01%以下、 Ti:0.01%以上0.08%以下、Nb:0.005 %以上0.05
    %以下、 且つ、下記式(1) を満足し、 Si(%)+Al(%)≧0.5 ・・・・式(1) 残部不純物およびFeから成る化学組成を有する、オー
    ステナイト相を体積%で1%以上含有し、引張り強度T
    s(MPa)×伸びEl(%)≧20000を満たす鋼
    板を母材とし、該母材の表面に合金化溶融亜鉛めっきの
    皮膜を設けて成り、該皮膜中のAl濃度が0.20%以
    上0.40%以下、そしてFe濃度が8%以上15%以
    下であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の鋼において、オース
    テナイト相を体積%で1%以上含有し、引張り強度Ts
    (Mpa)×伸びE1 (%) ≧20000 を満たし、GAの皮膜中Al
    濃度が0.20%以上0.40%以下、皮膜中Fe濃度8%以上15
    %以下であり、Ni、Co、Cuが少なくとも1種合計して5
    mg/ m3 以上含有することを特徴とする合金化溶融亜鉛
    めっき鋼板。
  4. 【請求項4】請求項1〜3に示す化学組成を有し、オー
    ステナイト相を体積%で1%以上含有した鋼板を母材と
    する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、上
    記鋼板を、あらかじめ、780℃以上870℃以下で焼
    鈍した後、さらに、700℃から550℃までの温度範
    囲を平均30℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いで、
    350℃以上550℃以下の温度範囲に20s以上滞留
    させ、そして常温まで冷却し、得られた母材に、Ni、
    Fe、CuおよびCoのうち1種または2種以上、付着
    量させ、再び、780℃以上870℃以下で5s以上5
    00s以下滞留させて還元焼鈍を行い、そのときの到達
    温度から浴温度近傍まで冷却してから、めっきを行い、
    520℃以下で合金化を行い、7〜15%以下のFe濃
    度の皮膜を形成させることを特徴とする合金化溶融亜鉛
    めっき鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記Ni、Fe、CuおよびCoのうち
    1種または2種以上を付着量5mg/m2以上70mg/m2以下で
    付着させ、圧下率0.1%以上5.0%以下の圧延を行
    い、780℃以上870℃以下で5s以上500s以下
    滞留させ還元焼鈍を行うことを特徴とする請求項2記載
    の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
JP2000231696A 2000-07-31 2000-07-31 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 Expired - Fee Related JP3716718B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231696A JP3716718B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000231696A JP3716718B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002047535A true JP2002047535A (ja) 2002-02-15
JP3716718B2 JP3716718B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=18724496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000231696A Expired - Fee Related JP3716718B2 (ja) 2000-07-31 2000-07-31 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3716718B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003074751A1 (fr) * 2002-03-01 2003-09-12 Jfe Steel Corporation Plaque d'acier a surface traitee et procede de production correspondant
WO2006104282A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-05 Jfe Steel Corporation 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
WO2006104275A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-05 Jfe Steel Corporation 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2006307326A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Jfe Steel Kk 表面性状に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2007314858A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
WO2008123561A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Jfe Steel Corporation 高強度溶融亜鉛めっき鋼板
WO2009081997A1 (ja) 2007-12-20 2009-07-02 Jfe Steel Corporation 高強度溶融亜鉛めっき鋼板および高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2010043296A (ja) * 2008-08-08 2010-02-25 Nippon Steel Corp めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JP4828544B2 (ja) * 2004-10-20 2011-11-30 アルセロールミタル・フランス 鉄−炭素−マンガンの鋼帯に亜鉛浴にて溶融めっきを施すための方法
JP2014173138A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal めっき密着性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板
KR101736635B1 (ko) * 2015-12-23 2017-05-17 주식회사 포스코 표면처리 특성 및 용접성이 우수한 고강도 냉연강판, 용융아연도금강판 및 이들의 제조방법
WO2017111428A1 (ko) * 2015-12-23 2017-06-29 주식회사 포스코 연성, 구멍가공성 및 표면처리 특성이 우수한 고강도 냉연강판, 용융아연도금강판 및 이들의 제조방법
WO2020130675A1 (ko) * 2018-12-19 2020-06-25 주식회사 포스코 굽힘 가공성이 우수한 고강도 냉연강판 및 그 제조방법
WO2021125525A1 (ko) * 2019-12-17 2021-06-24 주식회사 포스코 인산염 처리성이 우수한 고강도 냉연강판 및 그 제조방법

Cited By (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100888908B1 (ko) * 2002-03-01 2009-03-16 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 표면 처리 강판 및 그 제조 방법
EP1482066A4 (en) * 2002-03-01 2008-12-31 Jfe Steel Corp SURFACE-TREATED STEEL PLATE AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
TWI452170B (zh) * 2002-03-01 2014-09-11 Jfe Steel Corp 熱浸鍍鋅鋼板及其製造方法
US7074497B2 (en) 2002-03-01 2006-07-11 Jfe Steel Corporation Coated steel sheet and method for manufacturing the same
KR100928860B1 (ko) * 2002-03-01 2009-11-30 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 표면 처리 강판 및 그 제조 방법
EP1482066A1 (en) * 2002-03-01 2004-12-01 Kawasaki Steel Corporation Surface treated steel plate and method for production thereof
WO2003074751A1 (fr) * 2002-03-01 2003-09-12 Jfe Steel Corporation Plaque d'acier a surface traitee et procede de production correspondant
JPWO2003074751A1 (ja) * 2002-03-01 2005-06-30 Jfeスチール株式会社 表面処理鋼板およびその製造方法
JP4828544B2 (ja) * 2004-10-20 2011-11-30 アルセロールミタル・フランス 鉄−炭素−マンガンの鋼帯に亜鉛浴にて溶融めっきを施すための方法
WO2006104275A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-05 Jfe Steel Corporation 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2006307327A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Jfe Steel Kk 表面性状および耐二次加工脆性に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
WO2006104282A1 (ja) * 2005-03-31 2006-10-05 Jfe Steel Corporation 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
EP1867746A4 (en) * 2005-03-31 2014-06-11 Jfe Steel Corp ALLOY FIRED GALVANIZED STEEL PLATE AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
JP2006307326A (ja) * 2005-03-31 2006-11-09 Jfe Steel Kk 表面性状に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
KR100918549B1 (ko) * 2005-03-31 2009-09-21 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 합금화 용융아연도금강판 및 그 제조방법
EP1867746A1 (en) * 2005-03-31 2007-12-19 JFE Steel Corporation Alloyed hot-dip galvanized steel sheet and method for producing same
KR100932828B1 (ko) * 2005-03-31 2009-12-21 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 합금화 용융아연도금강판 및 그 제조방법
JP4720618B2 (ja) * 2006-05-29 2011-07-13 住友金属工業株式会社 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP2007314858A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Sumitomo Metal Ind Ltd 合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
US8076008B2 (en) 2007-03-30 2011-12-13 Jfe Steel Corporation Galvanized high strength steel sheet
WO2008123561A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Jfe Steel Corporation 高強度溶融亜鉛めっき鋼板
WO2009081997A1 (ja) 2007-12-20 2009-07-02 Jfe Steel Corporation 高強度溶融亜鉛めっき鋼板および高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2010043296A (ja) * 2008-08-08 2010-02-25 Nippon Steel Corp めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JP2014173138A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal めっき密着性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板
CN108431268B (zh) * 2015-12-23 2020-12-18 Posco公司 延展性、孔加工性和表面处理特性优异的高强度冷轧钢板、热浸镀锌钢板及其制造方法
KR101736635B1 (ko) * 2015-12-23 2017-05-17 주식회사 포스코 표면처리 특성 및 용접성이 우수한 고강도 냉연강판, 용융아연도금강판 및 이들의 제조방법
WO2017111428A1 (ko) * 2015-12-23 2017-06-29 주식회사 포스코 연성, 구멍가공성 및 표면처리 특성이 우수한 고강도 냉연강판, 용융아연도금강판 및 이들의 제조방법
CN108431268A (zh) * 2015-12-23 2018-08-21 Posco公司 延展性、孔加工性和表面处理特性优异的高强度冷轧钢板、热浸镀锌钢板及其制造方法
EP3395977A4 (en) * 2015-12-23 2018-10-31 Posco High strength cold-rolled steel sheet excellent in ductility, hole-forming property and surface treatment property, molten galvanized steel sheet, and method for manufacturing same
US11091818B2 (en) 2015-12-23 2021-08-17 Posco High strength cold-rolled steel sheet and hot-dip galvanized steel sheet having excellent hole expansion, ductility and surface treatment properties, and method for manufacturing same
WO2020130675A1 (ko) * 2018-12-19 2020-06-25 주식회사 포스코 굽힘 가공성이 우수한 고강도 냉연강판 및 그 제조방법
KR102153200B1 (ko) 2018-12-19 2020-09-08 주식회사 포스코 굽힘 가공성이 우수한 고강도 냉연강판 및 그 제조방법
CN113195772A (zh) * 2018-12-19 2021-07-30 Posco公司 弯曲加工性优异的高强度冷轧钢板及其制造方法
KR20200076788A (ko) * 2018-12-19 2020-06-30 주식회사 포스코 굽힘 가공성이 우수한 고강도 냉연강판 및 그 제조방법
JP2022515379A (ja) * 2018-12-19 2022-02-18 ポスコ 曲げ加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法
JP7270042B2 (ja) 2018-12-19 2023-05-09 ポスコ カンパニー リミテッド 曲げ加工性に優れた高強度冷延鋼板及びその製造方法
WO2021125525A1 (ko) * 2019-12-17 2021-06-24 주식회사 포스코 인산염 처리성이 우수한 고강도 냉연강판 및 그 제조방법
KR20210077292A (ko) * 2019-12-17 2021-06-25 주식회사 포스코 인산염 처리성이 우수한 고강도 냉연강판 및 그 제조방법
KR102326687B1 (ko) * 2019-12-17 2021-11-17 주식회사 포스코 인산염 처리성이 우수한 고강도 냉연강판 및 그 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3716718B2 (ja) 2005-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2343393B2 (en) Surface treated steel plate and method for production thereof
JP3527092B2 (ja) 加工性の良い高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
JP3582512B2 (ja) 熱間プレス用鋼板およびその製造方法
WO2005068676A1 (ja) めっき密着性および穴拡げ性に優れた溶融亜鉛めっき高強度鋼板とその製造方法
JP4837604B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JP3716718B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
JP3885763B2 (ja) 焼入用溶融亜鉛系めっき鋼板とその製造方法及び用途
JP4781577B2 (ja) 加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP2001303226A (ja) 加工性とめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板
JP3126911B2 (ja) めっき密着性の良好な高強度溶融亜鉛めっき鋼板
JP3163986B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JP2002235160A (ja) 高張力溶融亜鉛めっき鋼板および高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JPH08291379A (ja) P添加高張力鋼材の合金化溶融亜鉛めっき方法
JP2002030403A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法
JPH11269625A (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2993404B2 (ja) 皮膜密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP4846550B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき用鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板
JPH0565612A (ja) Si含有鋼板の溶融亜鉛めつき方法
JP2003183797A (ja) 高張力溶融Zn−Mg−Alめっき鋼板の製造方法
JP3921101B2 (ja) 形状凍結性に優れた高強度高延性溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2004162163A (ja) 表面処理用鋼板、表面処理鋼板およびそれらの製造方法
JP2002317245A (ja) プレス加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP5354178B2 (ja) 高強度溶融亜鉛めっき鋼板及び高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2956361B2 (ja) めっき密着性の優れた強加工用合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP3461656B2 (ja) 耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛メッキ鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050822

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3716718

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080909

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090909

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090909

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100909

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100909

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110909

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120909

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120909

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130909

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130909

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130909

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees