JP2006307326A - 表面性状に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

表面性状に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】煩雑な工程を経ることなく良好な合金化溶融亜鉛めっき性を得ることができ、連続鋳造時のスラブ割れおよび熱延時の表面欠陥を抑制することにより、めっき後の最終製品の表面性状に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供すること。
【解決手段】質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:1〜3%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.1〜2%、N:0.005%未満を含み、かつSi+Al≧0.6%、N≦0.007%−(0.003×Al)%、Al≦(1.25×C0.5−0.57Si+0.625Mn)%を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、自動車用鋼板としての用途に用いる表面性状に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関する。
近年、地球環境の保全の見地から、自動車の燃費向上が重要な課題となっている。このため、車体材料の高強度化により薄肉化を図り、車体そのものを軽量化しようとする動きが活発となっている。しかしながら、鋼板の高強度化は延性の低下、すなわち成形加工性の低下を招くことから、高強度と高加工性を兼備した材料の開発が望まれている。
このような要求に対して、これまでにフェライト、マルテンサイト二相鋼(Dual−Phase鋼)や残留オーステナイトの変態誘起塑性を利用したTRIP鋼など、種々の複合組織鋼が開発されてきた。
これらの鋼板は実使用時の防錆向上を目的に表面にめっきを施す場合があるが、めっき鋼板としては、プレス性、スポット溶接性、塗装密着性を確保する観点から、溶融亜鉛めっき後に熱処理を施してめっき層中に鋼板のFeを拡散させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が多用されており、それに関して種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1では、多量のSiを添加することにより残留γを確保し、高延性を達成する加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が提案されている。しかし、Siはめっき性を低下させるため、このような高Si鋼にめっきをつけるには、Niのプレめっきや特殊な薬剤の塗布を行ったり、鋼板表面の酸化物層を還元し、酸化膜厚を適当に制御するなどの煩雑な工程が必要となる。
また、特許文献2では、めっき性に対して悪影響の小さいAlをSiの代わりに添加することにより、めっき濡れ性およびパウダリング性を改善した延性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が提案されている。しかし、高Al鋼では連続鋳造中に鋼中のNとAlがAlNとなってオーステナイト粒界に多量に析出し、粒界が脆化する。通常の連続鋳造では垂直方向から水平方向への曲げ矯正を行うため、粒界が脆化すると矯正部においてスラブ割れが生じやすくなる。割れの生じたスラブをそのまま圧延すると、その割れが最終製品でも残り表面性状が著しく劣化するため、スラブの割れをグラインダーなどで除去する手入れが必要となり、大幅なコスト上昇を招く。
特許文献3では、上記のようなスラブ割れを回避するためにTiを添加してNをTiNとして固着することによりスラブ割れを回避する方法が提案されている。しかし、実際には、NがTiNとして完全に固着される温度よりも高温からAlNの析出が開始し、完全にスラブ割れを回避することが困難である。
さらにAlは強力なフェライト安定化元素でありA変態点を上昇させるため、その変態点上昇により、熱間圧延時に加熱炉を出てスラブの幅圧下を行うまでに温度低下が生じやすいスラブコーナー部においてフェライトが生成しやすくなる。その結果、幅圧下時にコーナー部に局所的な歪みの集中が起こり、ヘゲなどの表面欠陥が生じやすくなる。
特開平11−279691号公報 特開2002−030403号公報 特許第3596316号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、煩雑な工程を経ることなく良好な合金化溶融亜鉛めっき性を得ることができ、連続鋳造時のスラブ割れおよび熱延時の表面欠陥を抑制することにより、めっき後の最終製品の表面性状に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、表面性状に優れる高延性高強度合金化亜鉛めっき鋼板を得るため、鋼板の組成およびミクロ組織の観点から鋭意研究を重ねた。その結果、高延性高強度を達成するために残留オーステナイトを活用し、かつ質量%でN:0.005%未満、かつN≦0.007%−(0.003×Al)%とすることにより連続鋳造時のスラブ割れを抑制することができることを見出した。すなわち、N量を0.005質量%未満とすることでAlNの析出量が減少し、スラブ割れ抑制に有効に働くが、Al量が0.7質量%を超えるような高AlとなるとN量を0.005質量%未満に抑えるだけでは不十分となり、NとAlとの関係式であるN≦0.007%−(0.003×Al)%を満たすことも必要となることを見出した。その理由の詳細は必ずしも明らかではないが、Al量が高くなると高温からAlNの析出が生じ、析出物の粗大化が起こりやすくなり、スラブ割れに対するAlNの悪影響が大きくなるためであると考えられる。
また、Al≦(1.25×C0.5−0.57Si+0.625Mn)%に制御することにより、熱間圧延時のヘゲの発生が抑制されることを見出した。これは、Al、Si添加によるAr変態点の上昇とC、Mn添加による変態点の低下のバランスで、成分を上記の範囲とすることで、幅圧下前のスラブコーナー部でのフェライトの生成が抑制されるためであると考えられる。
さらに、鋼板の金属組織が残留オーステナイトを一定の範囲で含むように制御することで、延性がより一層向上することを見出した。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)〜(6)を提供する。
(1)質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:1〜3%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.1〜2%、N:0.005%未満を含み、かつSi+Al≧0.6%、N≦0.007%−(0.003×Al)%、Al≦(1.25×C0.5−0.57Si+0.625Mn)%を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(2)上記(1)において、質量%で、Cr:1%以下、V:1%以下、Mo:1%以下から選ばれる1種または2種以上の元素をさらに含有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(3)上記(1)または(2)において、質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.005%以下、Ni:1%以下から選ばれる1種または2種以上の元素をさらに含有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、質量%で、CaおよびREMの1種または2種を合計で0.01%以下をさらに含有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記鋼板の金属組織が体積率で3〜20%の残留オーステナイト相をさらに含有することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成を有する鋼を、溶製し、鋳造、熱間圧延、冷間圧延を施した後、730℃〜900℃の温度域で焼鈍し、3〜100℃/秒で冷却して、350〜600℃の温度域で30〜250秒保持し、その後亜鉛めっきした後、470〜600℃で合金化を行なうことを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、煩雑な工程を経ることなく良好な合金化溶融亜鉛めっき性を得ることができ、かつ、連続鋳造時のスラブ割れおよび熱延時の表面欠陥を抑制することにより、めっき後の最終製品の表面性状に優れる高延性高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
まず、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の組成限定理由について説明する。以下において%は質量%を意味する。
C:0.05〜0.25%
Cはオーステナイトを安定化させる元素であり、マルテンサイト量の確保および室温で残留オーステナイトを残留させるために必要な元素である。C量が0.05%未満では、鋼板の強度の確保と同時に、残留オーステナイト量を確保して高延性を達成することが難しい。一方、C量が0.25%を超えると溶接部および熱影響部の硬化が著しく、溶接性が劣化する。このため、C量を0.05〜0.25%の範囲とする。
Si:0.5%以下
Siは鋼の強化に有効な元素である。また、フェライト生成元素であり、オーステナイト中へのCの濃化を促進し、炭化物の生成を抑制することから、残留オーステナイトの生成を促進する働きを有する。しかし、Si量が0.5%を超えるとめっき性の劣化を招き、通常の溶融亜鉛めっき工程ではめっきが困難となる。したがって、Si量を0.5%以下とする。好ましくは0.03%以下である。Siが0.03%以下では熱延での赤スケール発生が抑制され、最終的なめっき外観が良好になり、自動車外板材への適用も可能となる。
Mn:1〜3%
Mnは鋼の強化に有効な元素である。また、オーステナイトを安定化させる元素であり、残留オーステナイトの増加に必要な元素である。しかし、Mn量が1%未満ではこのような効果を得難く、一方、3%を超えると、過度の第2相分率の増加や固溶強化量の増加により強度上昇が著しくなり、延性の低下を招く。したがって、Mn量を1〜3%の範囲とする。
P:0.1%以下
Pは鋼の強化に有効な元素であるが、0.1%を超えると、粒界偏析により脆化を引き起こし、衝撃特性を劣化させる。したがって、P量を0.1%以下とする。
S:0.01%以下
SはMnSなどの介在物となって、耐衝撃特性の劣化や溶接部のメタルフローに沿った割れの原因になるので極力低い方が良いが、製造コストの面から0.01%以下とする。
Al:0.1〜2%
Si+Al≧0.6%
AlはSiと同様にフェライト生成元素であり、オーステナイト中へのCの濃化を促進し、炭化物の生成を抑制することから、残留オーステナイトの生成を促進する働きがある。このような効果はAlとSiの添加量の合計が0.6%未満では不十分で十分な延性が得られない。Alが0.1%未満ではSiを上限まで添加してもSi+Al量が0.6%未満になる。一方、Al量が2%を超えると鋼板中の介在物が多くなり延性を劣化させる。したがって、Al量を0.1〜2%の範囲とし、Si+Al≧0.6%とする。
Al≦(1.25×C0.5−0.57Si+0.625Mn)%
Alの含有量が(1.25×C0.5−0.57Si+0.625Mn)%を超えると熱間圧延時のヘゲの発生が生じやすくため、Al量は、Al≦(1.25×C0.5−0.57Si+0.625Mn)%をも満たすものとする。
N:0.005%未満
N≦0.007%−(0.003×Al)%
Nは本発明における重要な元素であり、N量の増加に伴うAlNの析出量の増加により連続鋳造時のスラブ割れを引き起こしやすくなる。このようなスラブ割れを回避するために、N量を0.005%未満と制限した上で、さらにNとAlとの関係式であるN≦0.007%−(0.003×Al)%を満足するようにする。好ましくは、0.006×Al≦N≦0.0058−(0.0026×Al)である。
Cr、V、Mo:それぞれ1%以下
Cr、V、Moは焼鈍温度からの冷却時にパーライトの生成を抑制する作用を有するので必要に応じて添加することができる。しかしながら、それぞれ1%を超えると、過度の強度上昇による延性の低下およびめっき性の劣化が懸念される。したがって、Cr、V、Moを添加する場合には、これらの量をそれぞれ1%以下とする。
Ti、Nb:それぞれ0.1%以下
Ti、Nbは鋼の析出強化に有効であるため必要に応じて添加することができる。しかし、0.1%を超えると加工性および形状凍結性が低下する。したがって、Ti、Nbを添加する場合には、その量をそれぞれ0.1%以下とする。
B:0.005%以下
Bは鋼の強化に有効に働くので必要に応じて添加することができる。しかし、0.005%を超えると過度に強度が上昇し、加工性が低下する。したがって、Bを添加する場合には、その量を0.005%以下とする。
Ni:1%以下
Niはオーステナイト安定化元素であり、オーステナイトを残留させるとともに強度上昇にも効果があるので必要に応じて添加することができる。ただし、1%を超えると鋼板の延性を低下させる。したがって、Niを添加する場合には、その量を1%以下とする。
CaまたはREM:1種または2種を合計で0.01%以下
CaおよびREMは、硫化物形介在物の形態を制御する作用を有し、これらにより、鋼板の伸びフランジ性を向上させる効果を有するので必要に応じて添加することができる。このような効果は、これらの合計で0.01%を超えると飽和する。したがって、Ca、REMを添加する場合には、これらの1種または2種を合計で0.01%以下とする。
なお、以上の元素および残部のFeの他、製造過程で各種不純物元素および製造過程で必須な微量添加元素等が不可避的に混入するが、このような不可避的な不純物は本発明の効果に特に影響を及ぼすものではなく、許容される。
次に、鋼板の金属組織について説明する。
残留オーステナイト相:体積率で3〜20%
本発明において、残留オーステナイト相は、歪誘起変態を有効に活用して高延性を得るために必須であり、その体積率の制御は極めて重要である。本発明では、高延性を確保する観点から、残留オーステナイト相は少なくとも3%以上とすることが好ましい。一方、残留オーステナイト相が20%を超える場合は、成形後に多量のマルテンサイトが生成し、脆性が大きくなり、脆性を許容範囲内に抑制し難くなるため、残留オーステナイト相は20%以下とすることが好ましい。本発明の鋼板の金属組織は、主相であるフェライト相と残留オーステナイト相を含む第2相からなるが、フェライト相の体積率は、高延性を確保する観点から、40〜90%が好ましい。また、残留オーステナイト相以外の第2相として、ベイナイト相、マルテンサイト相、パーライト相の体積率が合計で7〜50%であることが好ましい。
次に、本発明に係る合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造条件について説明する。
本発明においては、上記成分組成の鋼を溶製し、連続鋳造により鋳片とし、熱間圧延し、冷間圧延を行なうが、これらの条件は特に限定されない。その後、連続溶融めっきラインで730〜900℃の温度域で焼鈍し、3〜100℃/sで冷却して、350〜600℃の温度域で30〜250秒保持し、その後亜鉛めっきした後、470〜600℃で合金化を行なう。
焼鈍温度:730〜900℃
本発明では、オーステナイト単相またはオーステナイト相とフェライト相の2相域で焼鈍を行なうが、焼鈍温度が730℃未満の場合は、鋼板中の炭化物の溶解が不十分であり、また、フェライトの再結晶が未完了であるため、目標とする特性が得られない場合がある。一方、焼鈍温度が900℃を超える場合には、オーステナイト粒の成長が著しく、後の冷却によって生じる第2相からのフェライトの核生成サイトの減少を引き起こす場合がある。したがって、焼鈍温度を730℃〜900℃とする。
冷却速度:3〜100℃/s
冷却速度が3℃/s未満の場合は、パーライトが多量に析出し、未変態オーステナイト中の固溶C量が大幅に低下するため、目標とする組織が得られない場合がある。また、冷却速度が100℃/sを超える場合は、フェライトの成長が抑えられ、フェライトの体積率が著しく減少するため、十分な延性を確保できなくなる場合がある。したがって、冷却速度は3〜100℃/sとする。なお、冷却中に冷却速度が変化する場合も、本発明の範囲内に含まれるが、平均冷却速度が著しく遅い場合は、生産性が低下する。このため、好ましくは、平均冷却速度10℃/s以上、さらに好ましくは20℃/s超えである。
保持温度:350〜600℃
保持温度が600℃を超える場合は、未変態オーステナイト中から炭化物が析出し、逆に、350℃未満の場合には、下部ベイナイト変態によりベイニティックフェライト中に炭化物が析出して、いずれも、安定した残留オーステナイトが十分に得られない。したがって、保持温度を350〜600℃とする。安定して残留オーステナイトを生成させるためには、500℃以下が好ましい。
保持時間:30〜250秒
保持時間は、残留オーステナイトの制御に関して、極めて重要な役割を果たす。つまり、保持時間が30秒未満の場合には、未変態オーステナイトの安定化が進まず、残留オーステナイト量を確保することができないため、所望の特性が得られない。一方、保持時間が250秒を超える場合は、長時間オーステンパ処理ができないCGLラインにおいては、通板速度を極度に低下させる必要があり、生産性が低下してしまう。したがって、保持時間を30〜250秒とする。量産性の観点からは、200秒以下が好ましい。
合金化処理温度:470〜600℃
上記保持処理後、さらに溶融亜鉛めっきを施した後の合金化処理温度は、めっき浴温度以上である必要があり、このため470℃を下限とする。また、合金化温度が600℃超えの場合は、上述した保持温度が600℃を超える場合と同様に、未変態オーステナイト中から炭化物が析出し、安定した残留オーステナイトを得ることができなくなる。したがって、合金化処理温度は470〜600℃とする。
なお、本発明の製造条件において規定した、焼鈍温度、保持温度、合金化処理温度は、上記の範囲内であれば保持温度は一定である必要はない。また、めっき条件については、通常操業範囲内であればよく、目付量が20〜70g/m、めっき層中のFe量が6〜15%程度とすればよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
表1に示す組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により鋳片とした。そのときのスラブの割れの発生の有無を表1に併せて示す。割れの発生はスラブを室温まで冷却した後に目視での判定に加えてカラーチェックでの判定も行った。
得られたスラブを1250℃に加熱した後、仕上圧延温度900℃で熱間圧延を行い、板厚3.0mmの熱延鋼板とした。このようにして製造された熱延鋼板でのヘゲの発生について目視で判定を行った。ヘゲの有無も表1に併せて示す。
熱間圧延後、酸洗し、さらに冷間圧延を行って板厚1.2mmの冷延鋼板とした。その後、連続溶融亜鉛めっきラインで表2に示す条件で熱処理後、50/50g/mのめっきを施し、めっき層中のFe量を9%となるように合金化処理を施した。
得られた鋼板について、0.5%の調質圧延を施し、機械的特性を調査した。機械的特性としては、鋼板から圧延直角方向に採取したJIS5号引張試験片を用いて、引張強さTS、伸びELを測定した。これらの測定値と、TS×ELの値を併せて表2に示す。
表2に示すように、本発明の組成および製造条件を満たす本発明鋼であるNo.1、5〜8、11、12、15〜20、22は、いずれもスラブ割れも熱延板のヘゲも発生しておらず、強度も伸びも十分であった。これに対してN量、N≦0.007%−(0.003×Al)%、Al≦(1.25×C0.5−0.57Si+0.625Mn)%または本発明の製造条件を満たしていない比較鋼板であるNo.2〜4、9、10、13、14、21、23〜34は、スラブ割れおよび熱延板のヘゲの少なくとも一方が発生した。またMn量が多いNo.33は、表2に示すように、強度の上昇が著しく、伸びが不十分であった。さらに、Al+Si量の少ないNo.34は、表2に示すように、強度の割には伸びが低く、TS×ELの値が低かった。
Figure 2006307326
Figure 2006307326

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.25%、Si:0.5%以下、Mn:1〜3%、P:0.1%以下、S:0.01%以下、Al:0.1〜2%、N:0.005%未満を含み、かつSi+Al≧0.6%、N≦0.007%−(0.003×Al)%、Al≦(1.25×C0.5−0.57Si+0.625Mn)%を満たし、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 質量%で、Cr:1%以下、V:1%以下、Mo:1%以下から選ばれる1種または2種以上の元素をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 質量%で、Ti:0.1%以下、Nb:0.1%以下、B:0.005%以下、Ni:1%以下から選ばれる1種または2種以上の元素をさらに含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 質量%で、CaおよびREMの1種または2種を合計で0.01%以下をさらに含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 前記鋼板の金属組織が体積率で3〜20%の残留オーステナイト相をさらに含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の組成を有する鋼を、溶製し、鋳造、熱間圧延、冷間圧延を施した後、730〜900℃の温度域で焼鈍し、3〜100℃/sで冷却して、350〜600℃の温度域で30〜250秒保持し、その後亜鉛めっきした後、470〜600℃で合金化を行なうことを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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