JP2010001531A - 低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法 - Google Patents

低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Niプレメッキ法による合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製造に際し、通常の冷延−焼鈍プロセスで製造したDP鋼の冷延鋼板と同等の低降伏比と延性を有する方法を得る。
【解決手段】質量%でC:0.05〜0.20%、Mn:1.5〜3.0%、Si:0.5〜1.8%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.005〜1.0%、N:0.01%以下を含み、残部はFeおよび不可避的不純物から成る鋼片を、熱延、酸洗、冷延後、600℃以上での昇温速度が5℃/秒以下にて昇温、730〜800℃にて焼鈍、580℃以上から450℃以下まで50℃/秒以上で冷却、350〜450℃で120秒以上保持、冷却、酸洗後、NiまたはNi−Feをプレメッキ、5℃/秒以上で430〜500℃まで加熱後亜鉛メッキ浴中で亜鉛メッキ、500〜620℃で5〜40秒の合金化加熱処理を行い、最終の調質圧延を0.2〜1%の伸び率でかける。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加工用の低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板およびその製造方法に関するものである。
自動車等に使用する高強度鋼板においては、地球環境問題に端を発する燃費向上の有力手段である車体軽量化と衝突時の乗員保護を目的とした衝突安全性の確保の両立を主な背景として、その要求は高まっている。しかし、高強度鋼板とはいえ、優れた加工性が要求され、強度と加工性を両立させる鋼板が必要とされている。加工性のうち、延性の向上はもちろんのこと低降伏比化も重要である。降伏比とは鋼板の引張強さ(TS)に対する降伏強度(YP)の割合、YP/TSであり、これを下げることにより、高強度化で悪化する形状凍結性の改善、プレス荷重の低減、しわ発生の抑制などを図ることができる。
良好な伸びが必要とされる用途に供される高強度鋼板として、従来、フェライトとマルテンサイトにより構成されるDual Phase鋼(以下DP鋼と称す)があり、自動車用などに広く使用されている。このDP鋼は、固溶強化型鋼板や析出強化型鋼板より優れた強度−延性バランスを示すと共に、降伏比が低いという特徴をもっている。
また、自動車においては、適用部位により高い耐食性が要求される。そのような用途では、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板が好適である。したがって、自動車の軽量化及び衝突安全性の向上をより一層促進するには、耐食性に優れ、しかも延性に優れ、低い降伏比を有する合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板が必要不可欠な素材となっている。
合金化溶融亜鉛メッキ鋼板は、通常、ゼンジマー法や無酸化炉方式で製造されるが、焼鈍設備とメッキ設備が連続化されており、焼鈍後の冷却はメッキ温度にて中断され、工程を通じた冷却速度も必然的に小さくなる。よって、冷却速度の大きい冷却条件下で生成するマルテンサイトをメッキ後の鋼板中に含有させることは難しい。また、上記DP鋼においては、延性向上のためにSiが添加されるが、Si含有量が高いと鋼板表面にSiが表面に濃縮し酸化するため、溶融メッキ時に不メッキが発生し易い。
一方、特許文献1及び2において、Si添加高強度鋼板につき、Niプレメッキ後、430〜500℃まで急速加熱し、亜鉛メッキ後に合金化処理を行うという合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法が記載されている。この方法の場合、原板として既に材質を造り込んでいる冷延−連続焼鈍プロセスで製造した冷延鋼板を使用することが可能であり、最高到達温度が550℃程度であることから、原板の加工性をあまり損なわずに合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製造することができると考えられる。また、Niプレメッキなどの処理により、Si含有量が高くても不メッキが生じにくい。しかし、実際に冷延−連続焼鈍プロセスで製造されたDP鋼の冷延鋼板を用い、特許文献1及び2の方法を用いて合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製造したところ、原板に対して降伏比の大幅な上昇及び延性の低下がみられ、通常の冷延−焼鈍プロセスで製造したDP鋼の冷延鋼板と同等の低降伏比と延性を得ることができなかった。
特許第2526320号公報 特許第2526322号公報
本発明では、焼鈍済みのDP鋼の冷延鋼板を原板としてNiプレメッキ法による合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製造するに当たり、通常の冷延−焼鈍プロセスで製造したDP鋼の冷延鋼板と同等の低降伏比と延性を確保可能な方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記のように、DP鋼の冷延鋼板を原板としてNiプレメッキ法による合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製造する際、原板の組織を制御して、合金化溶融亜鉛メッキ処理後も低降伏比を維持可能にすることが重要であることを見出した。具体的にいえば、原板は、焼鈍後にフェライト主体の組織とした上で、更に、Siの効果によりセメンタイトをあまり含まないベイナイトを生成させることにより、オーステナイト中へのC濃化を図り、その後の冷却中にマルテンサイトや残留オーステナイトを確保する。ここで確保したマルテンサイトは、Cが十分に濃化しているため、変態で膨張した際、周囲のフェライト中に多量の可動転位を導入している。よって、合金化溶融亜鉛メッキラインでの熱処理により焼き戻されたとしても、固溶Cなどに固着された転位を除き、可動転位を十分に残すことが可能である。また、原板の残留オーステナイトは、合金化溶融亜鉛メッキラインでの熱処理を受けても残り、加工中に降伏前でマルテンサイトに変態することにより可動転位を生成する。これらの可動転位は降伏応力を低下させ、低降伏比化に寄与する。また、このような組織にすれば、延性も十分に確保することが可能である。以上の知見を元に、このような組織とし、可動転位を確保する方法を種々検討した末に、本発明を完成した。本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その要旨は次の通りである。
(1)質量%で、C:0.05〜0.20%、Mn:1.5〜3.0%、Si:0.5〜1.8%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.005〜1.0%、N:0.01%以下を含み、残部はFeおよび不可避的不純物から成る鋼片を、熱延、酸洗、冷延後、600℃以上での昇温速度が5℃/秒以下にて昇温して、730〜800℃にて焼鈍し、さらに580℃以上から450℃以下まで50℃/秒以上で冷却して、350〜450℃の範囲で120秒以上保持し、冷却、酸洗した後、NiまたはNi−Feをプレメッキし、5℃/秒以上で430〜500℃まで加熱後、亜鉛メッキ浴中で亜鉛メッキして、500〜620℃で5〜40秒の合金化加熱処理を行い、最終の調質圧延を0.2〜1%の伸び率でかけることを特徴とする低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法。
(2)前記350〜450℃の範囲で120秒以上保持し、冷却、酸洗した後であって、NiまたはNi−Feをプレメッキする前に、調質圧延を伸び率0.4%以下でかけることを特徴とする(1)に記載の低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法。
(3)前記組成に加え、下記(a)〜(e)郡のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法。
(a)群:Cr、Moのうちの1種または2種を合計で、0.05〜1.0質量%
(b)群:Bを0.005質量%以下
(c)群:Ti、Nb、Vのうち1種または2種以上を合計で0.005〜0.2質量%
(d)群:Cu、Ni、Snのうち1種または2種以上を合計で、0.02〜2.0質量%
(e)群:Ca、REMのうちの1種または2種を合計で、0.01質量%以下
本発明によれば、焼鈍済みのDP鋼の冷延鋼板を原板としてNiプレメッキ法による合金化溶融亜鉛メッキ鋼板を製造するに当たり、通常の冷延−焼鈍プロセスで製造したDP鋼の冷延鋼板と同等の延性が良好で低降伏比の合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板を製造することが可能である。
先ず、本発明が対象とする鋼板の成分及び成分範囲を限定した理由を述べる。なお、以下、組成における質量%は単に%と記す。
Cは、硬化元素であり、マルテンサイトの生成に効果がある。しかし、0.05%未満では所望の高強度化が得られず、0.20%を超えると溶接性の劣化を招く。したがって、C量を0.05〜0.20%とした。
Mnは、固溶強化により鋼を強化すると共に、焼き入れ性を上げてマルテンサイトの生成を促進する。このような作用を発揮するには1.5%以上必要である。また、3.0%を超えても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できない。したがって、Mn量を1.5〜3.0%とした。
Siはフェライト安定化元素であり、ベイナイト中へのセメンタイトの析出を阻害するため、ベイナイト変態を促進するとオーステナイト中にCが濃化し、マルテンサイトや残留オーステナイトが生成する。これらの組織は低降伏比に寄与する。このような作用は0.5%以上で認められる。一方、1.8%を超えるとマルテンサイトの生成を阻害すると共に、メッキ密着性が顕著に劣化する。したがって、Si量を0.5〜1.8%とした。
Pは、不純物として不可避的に含有され伸びに悪影響を与えるので、上限を0.05%とした。
Sは、多くなると熱間脆性の原因となり、また、加工性を劣化させるので、その上限を0.03%とした。
Alは、鋼の脱酸剤として添加され鋼中に含有されsol.Alで0.005%以上必要である。また、 Siと同様にフェライト安定化元素であり、量を増やしてSiの代わりに活用することも可能である。しかし、sol.Alで1%を超えると鋼板中に介在物が多くなりすぎて延性を劣化させる。したがって、sol.Alで0.005〜1.0%とした。
Nは不可避的不純物として含有されるが、N量が多いと加工性の劣化を招くので、上限を0.01%とする。
さらに、必要に応じ、上記の化学成分に加え、下記に示す(a)〜(e)群のうち1群または2群以上を含有することができる。
(a)群:Cr、Moのうちの1種または2種を合計で、0.05〜1.0%。CrおよびMoは、焼き入れ性を上げてマルテンサイトの生成を促進する。このような作用を発揮するには合計で0.05%以上必要である。また、合計で3.0%を超えても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できない。したがって、Cr、Moのうちの1種または2種を合計で、0.05〜1.0%とする。
(b)群:Bを0.005%以下。Bも焼き入れ性向上元素であり、必要に応じて含有できる。しかし、B含有量が0.005%を超えると効果が飽和するので、Bは0.005%以下とする。
(c)群:Ti、Nb、Vのうち1種または2種以上を合計で0.005〜0.2%。Ti、Nb、Vは炭窒化物を形成し、鋼を析出強化により高強度化する作用を有しており、必要に応じて含有できる。このような作用を発揮するには合計で0.005%以上必要である。また、合計で0.2%を超えても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できない。したがって、Ti、Nb、Vのうち1種または2種以上を合計で0.005〜0.2%とする。
(d)群:Cu、Ni、Snのうち1種または2種以上を合計で、0.02〜2.0%。Cu、Ni、Snは鋼中に含有されることにより、プレNiとの組合せによりメッキ性、メッキ密着性が向上する。このような作用を発揮するには合計で0.02%以上必要である。また、合計で2.0%を超えても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できない。したがって、Cu、Ni、Snのうち1種または2種以上を合計で、0.02〜2.0%とする。
(e)群:Ca、REMのうちの1種または2種を合計で、0.01%以下。Ca、REMは、硫化物系介在物の形態を制御し、鋼板の伸びフランジ性を向上させる効果を有する。このような作用は、合計で0.01%を超えても効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できない。したがって、Ca、REMのうちの1種または2種を合計で、0.01%以下とする。
次に、本発明による合金化溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法について詳細に説明する。
溶鋼は通常の高炉法で溶製されたものの他、電炉法のようにスクラップを多量に使用したものでもよい。スラブは、通常の連続鋳造プロセスで製造されたものでもよいし、薄スラブ鋳造で製造されたものでもよい。スラブは一旦冷却してから、熱延前の加熱炉で加熱しても良いし、冷却途中で高温まま加熱炉に入れる所謂HCRやDRでも良い。
熱延は、上記成分系の冷延鋼板における通常の製造条件にて実施される。粗圧延後に粗バーを巻き取って保持するコイルボックスを使用しても良い。更に巻き取った粗バーを巻き戻す際に先行する粗バーと接合して圧延する、いわゆる熱延連続化プロセスでも良い。
冷延後の連続焼鈍プロセスにおける製造条件は、本特許で最も重要なポイントである。まず、600℃以上での昇温速度が5℃/秒以下にて昇温することによりフェライトを十分に再結晶させると共にオーステナイトの生成を促す。昇温速度が速いとフェライトが再結晶せず加工性の劣化を招くと共に、オーステナイトが十分に生成しなくなり、最終的に低降伏比が得られなくなる。焼鈍温度は730〜800℃にすることでCが十分に濃化したオーステナイトを確保する必要がある。730℃未満ではAc1変態温度に近く、オーステナイトそのものが得られない。800℃を超えるとフェライトが85%未満となり、十分なC濃化が得られない。望ましくは、740℃〜760℃である。また、その際の保持時間は、30〜200秒程度が望ましい。焼鈍後は、580℃以上から450℃以下まで50℃/秒以上で冷却し、350〜450℃の範囲で120秒以上保持する必要がある。急冷開始温度が580℃未満の場合や、冷却速度が50℃/秒未満の場合や、急冷終了温度が450℃超の場合は、パーライトが生成するため、加工性の劣化を招くと共に、最終的に低降伏比が得られなくなる。冷却後は、350〜450℃の範囲で120秒以上保持する必要がある。これは、ベイナイト変態を促進させるための条件である。これらの条件を外れると、いずれもベイナイトの生成が不十分となり、オーステナイト中へのC濃化が足りず、十分なマルテンサイトと残留オーステナイトを得ることができなくなる。この保持後の冷却段階で、マルテンサイトや残留オーステナイトが生成することとなる。また、連続焼鈍時に生成したスケールを除去するため、この段階で再度酸洗する必要がある。
連続焼鈍の後の調質圧延については、かけない方が、より低降伏比となる。しかし、形状矯正のため、かけざるを得ない場合、伸び率が0.4%以下の範囲ならば、最終的な降伏比を65%以下に抑えることが可能である。
亜鉛メッキプロセスにおいては、まず、メッキ密着性を確保するため、NiまたはNi−Fe合金をプレメッキする。メッキ量としては0.2〜2g/m程度が望ましい。プレメッキの方法は電気メッキ、浸浸メッキ、スプレーメッキの何れでもよい。その後、メッキするために5℃/秒以上で430〜500℃まで加熱する。5℃/秒未満の昇温速度では、固溶Cや固溶Nが動きやすく加工性の劣化を招く。望ましくは30℃/秒以上で昇温することにより劣化は更に抑制される。また、430℃未満ではメッキ時に不メッキを生じ易く、500℃を超えると加工部の耐赤錆性が劣化する。次に、亜鉛メッキ浴中で亜鉛メッキし、500℃〜620℃で5〜40秒の合金化加熱処理を行う。なお、この温度範囲内に5〜40秒あれば、その間の温度パターンは問わない。たとえば、この温度範囲内のある温度まで加熱した後、保持なく温度を下げても、数秒保持した後温度を下げても前記条件を満たせばよい。500℃未満または5秒未満では合金化が十分に生じない。また、620℃を超えて加熱したり、40秒を超えて加熱したりすると、加工性の劣化が大きくなる。
亜鉛メッキプロセスの後は、最終的な形状矯正及び降伏点伸びの消失のために最終の調質圧延を行う。伸び率0.2%未満では効果が十分でなく、伸び率1%を超えると降伏比の上昇代が大きい。よって、伸び率を0.2〜1%とした。
以上のような熱延の後の各工程、酸洗、冷延、連続焼鈍、調質圧延(中間)、プレメッキ、亜鉛メッキプロセス(合金化処理含む)、調質圧延(最終)は各々独立した工程であってもかまわないし、部分的に連続している工程でもかまわない。生産効率から考えれば、全て連続化していることが理想である。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
表1に示した1番〜10番の成分の鋼を溶製後、連続鋳造によりスラブを製造した。これらのうち、1番〜6番は本発明の範囲内であり、7番〜10番は本発明の範囲外のものである。
これらの連続鋳造スラブを、実機連続熱延ラインにおいて、1200℃に再加熱後、粗圧延し、850℃で仕上圧延を終了して板厚3.0mmとし、550℃にて巻き取りコイルとした。この熱延コイルを酸洗−冷延−連続焼鈍−調質圧延まで連続した実機ラインで冷延鋼板とした。板厚1.6mmまで冷延し、600℃以上での昇温速度が2℃/秒で昇温し、760℃で90秒焼鈍後、650℃まで4℃/秒、650℃から420℃まで100℃/秒で冷却し、380〜420℃にて360秒保持した後、室温まで冷却後酸洗し、0.2%の伸び率で調質圧延をかけた。その後、溶融亜鉛メッキラインにおいて、鋼板片面当たり、0.5g/mのNiプレメッキを行い、30℃/秒で470℃まで加熱後、亜鉛メッキ浴中で亜鉛メッキし、580℃で10秒の合金化加熱処理を行い、最終の調質圧延を0.4%の伸び率でかけた。
機械的特性は、幅方向からJIS5号引張試験片を採取し、引張試験にて評価した。引張試験の応力−歪曲線より、降伏強度(YP)、引張強度(TS)、全伸び(T−EL)を求め、更に、降伏比(YR=YP/TS×100)、加工性の指標であるTS×T−ELをもとめた。YRは65%以下を合格とし、TS×T−ELは16000MPa・%以上を合格とした。
メッキの外観観察により不メッキの有無を判定した。また、ボールインパクト試験によりメッキ密着性、パウダリング試験により耐パウダリング性を評価した。ボールインパクト試験は、10点が剥離皆無、1点が全面剥離の10点法で評価し、6点以上を合格とした。パウダリング試験は、25mmのカップ絞り成形後、テープテストを行い、黒化度30%未満を合格とした。
表2に性能の評価結果及び組織等の観察結果を示した。評価項目については不合格の場合を網掛けした。本発明の範囲内の成分である1番〜6番は、いずれの特性も合格となり、目標とする特性の鋼板が得られている。しかし、本発明の範囲から外れた成分である7番〜10番については、いずれかの特性が不合格となっている。
Figure 2010001531
Figure 2010001531
(実施例2)
表1の1番の成分のスラブにつき、表3の製造条件に従って溶融亜鉛メッキ鋼板を製造した。なお、過時効処理については、表3に記載の急冷停止温度から過時効処理終了温度まで、直線的に温度変化するものとする。表3に記載した以外の条件は、実施例1と同じとした。また、評価についても実施例1と同じとした。
表4に性能の評価結果及び組織等の観察結果を示した。網掛けに関しては、表2と同様である。本発明の範囲内の製造条件であるNo.1〜5は、いずれの特性も合格となり、目標とする特性の鋼板が得られている。各々の組織分率が、全て請求項1の要件を満たしている。しかし、本発明の範囲から外れた製造条件であるNo.6〜21については、いずれかの特性が不合格となっている。
Figure 2010001531
Figure 2010001531

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.20%、Mn:1.5〜3.0%、Si:0.5〜1.8%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、sol.Al:0.005〜1.0%、N:0.01%以下を含み、残部はFeおよび不可避的不純物から成る鋼片を、熱延、酸洗、冷延後、600℃以上での昇温速度が5℃/秒以下にて昇温して、730〜800℃にて焼鈍し、さらに580℃以上から450℃以下まで50℃/秒以上で冷却して、350〜450℃の範囲で120秒以上保持し、冷却、酸洗した後、NiまたはNi−Feをプレメッキし、5℃/秒以上で430〜500℃まで加熱後、亜鉛メッキ浴中で亜鉛メッキして、500〜620℃で5〜40秒の合金化加熱処理を行い、最終の調質圧延を0.2〜1%の伸び率でかけることを特徴とする低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法。
  2. 前記350〜450℃の範囲で120秒以上保持し、冷却、酸洗した後であって、NiまたはNi−Feをプレメッキする前に、調質圧延を伸び率0.4%以下でかけることを特徴とする請求項1に記載の低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法。
  3. 前記組成に加え、下記(a)〜(e)郡のうちから選ばれた1群または2群以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の低降伏比型合金化溶融亜鉛メッキ高強度鋼板の製造方法。
    (a)群:Cr、Moのうちの1種または2種を合計で、0.05〜1.0質量%
    (b)群:Bを0.005質量%以下
    (c)群:Ti、Nb、Vのうち1種または2種以上を合計で0.005〜0.2質量%
    (d)群:Cu、Ni、Snのうち1種または2種以上を合計で、0.02〜2.0質量%
    (e)群:Ca、REMのうちの1種または2種を合計で、0.01質量%以下
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