JP2002026528A - 導電性ペーストおよび多層セラミック基板 - Google Patents
導電性ペーストおよび多層セラミック基板Info
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Abstract
ラミック成形体に使用する導電性ペースとの収縮特性
を、セラミックグリーンシートの収縮特性に合わせる。 【解決手段】 導電性ペーストに、BET値、X線回析
ピークの半値幅を規制したAg粒子を含有させることに
より、焼成過程の脱脂終了後の導電性ペーストの収縮挙
動を、セラミックグリーンシートの収縮挙動に合わせる
ことができる。さらに、Pt、Rhなどの金属を添加す
ることにより、導電性ペーストの焼成中の脱脂終了前の
収縮挙動を、セラミックグリーンシートに合わせること
ができる。
Description
ンシートを積層した多層セラミック基板、および多層セ
ラミック基板の内部電極および/または表面電極として
用いられる導電性ペーストに関し、特に、焼成後の多層
セラミック基板の変形、反りなどを少なくする技術に関
する。
セラミックグリーンシートを積層させた多層セラミック
基板が用いられている。かかる多層セラミック基板で
は、その表面電極、内部電極には、Agなどの導電材を
バインダーや有機溶剤などと混合した導電性ペーストが
使用されている。
する導電性ペーストと、セラミックグリーンシートを積
層したセラミック成形体とを同時焼成することにより製
造されている。焼成に際しては、一般に被焼成体に収縮
が発生するが、セラミックグリーンシート積層体でも、
導電性ペーストとセラミックグリーンシートとの収縮性
の相違に基づく変形や反りが発生し、かかる点の解消が
従来より重要な課題として提起されている。
がなされている。例えば、導電性ペーストに、内部電極
とセラミックグリーンシートとの密着性を確保するため
にセラミックグリーンシートを形成する材料と同一組成
の磁器粉末を添加する方法が知られている。導電性ペー
ストに、上記磁器粉末を添加することにより、内部電極
中にセラミックが分散した状態を形成し、このセラミッ
クで内部電極とセラミックグリーンシートとを架橋させ
て両者の密着強度の向上を図り、焼成後の積層セラミッ
ク成形体の変形や反りの抑制を図ろうとするものであ
る。
成形体を構成するセラミックグリーンシートの薄層化を
進めるに際して、焼成時にクラックが入り易すくなると
いう問題点があった。そこで、かかる点の解決手段とし
て、特開平6−96998号公報に、セラミックグリー
ンシートよりも焼結収縮温度が高い酸化物を導電性ペー
ストに添加する方法が提案されている。
用の導電性ペーストの焼結収縮開始温度を上昇させ、セ
ラミックグリーンシートの焼結収縮開始温度と内部電極
用導電性ペーストとの焼結収縮開始温度との差を小さく
して、積層セラミック成形体を構成するセラミックグリ
ーンシートを薄くしても、上記収縮差を吸収できるよう
にし、クラックの発生を未然に防止しようとする方法で
ある。
の導電材を主成分として使用する場合には、かかる導電
性ペーストと同時焼成できるように、低温焼結ガラスセ
ラミックが、セラミックグリーンシートとして使用され
ている。しかし、かかる低温焼結ガラスセラミックで
は、セラミック中に多量のバインダガラスが含有されて
いるため、その分、抗折強度が低いという問題点があっ
た。多層セラミック基板では、以前より、その高密度
化、多機能化、高信頼性が求められているが、併せて抗
折強度の確保も重要である。
ガラスセラミックの焼成時に、結晶を析出させることが
有効であることが知られている。しかし、セラミック焼
結体内に結晶を析出させるようにすると、結晶析出温度
付近でセラミック部分に急激な収縮が生じ、併せてガラ
スの流動性がなくなるという現象が起きる。セラミック
部分のかかる結晶析出に際しての収縮過程で、導電性ペ
ースト部分とセラミック部分とで双方に収縮率の差が生
じると、互いに相手方の収縮を拘束することとなり、結
果として焼成後の変形、反りが発生する。そのため、双
方の収縮率(あるいは収縮カーブ)を極力一致させる方
法が求められた。
来より、導電性ペーストに異種高融点金属や金属酸化物
などを添加したり、あるいはフリットを添加する方法が
提案されている。しかし、十分に収縮カーブを一致させ
るためには、これらの添加量を多くする必要があり、そ
の分、導電性ペーストの導通抵抗が上がり、多層セラミ
ック基板として必要な導通特性の低下を来すという問題
点が新たに発生する。
では、焼成時に、セラミック成形体の収縮終了温度より
高い収縮開始温度を有する導電性ペーストを使用するこ
とが提案されている。導電性ペーストの収縮開始温度
を、セラミックの収縮終了温度より高くすることによ
り、セラミック部分での結晶析出温度付近における導電
性ペーストの収縮を発生させないようにして、セラミッ
ク部分での収縮挙動の拘束が起きないようにしたもので
ある。
クグリーンシートの焼成温度が、一般に内部電極を形成
する導電性ペーストの焼結温度より高い場合が多く、か
かる場合には、内部電極の焼結が完了した後でもさらに
セラミック部分の焼成が終了するまで高温に加熱され
て、内部電極が所謂過焼結されることとなる。かかる過
焼結は、多層セラミック基板にとって重要な導通性に問
題を起こすことが指摘されている。
焼結による接合の際に、セラミックグリーンシート上に
パターン印刷された導電性ペースト中の金属粒子が相互
の接触界面から拡散することによって焼結させられて形
成されるが、内部電極の過焼結により、金属粒子の拡散
がさらに進行して金属粒子相互の合体により粒成長させ
られ、粒成長した金属が表面張力の作用によって厚み方
向に伸長させられ、且つ面方向にも収縮させられて、結
果として金属粒子相互の間隔が拡大させられることとな
る。そのため、過焼結現象により、通電方向の断面積が
減少し、かかる傾向が甚だしい場合には、面方向におけ
る断線が発生する場合もあり、過焼結現象は、多層セラ
ミック基板の導通性に障害をもたらす原因となる。
ては、導電性ペーストを予め厚くセラミックグリーンシ
ート上に塗布することが考えられるが、セラミックグリ
ーンシートの積層数が多くなり例えば100を越える場
合などでは、多層セラミック基板の形状が、内部電極を
設けた中央部が盛り上がって周囲が低いテーパ状に変形
するという問題点が別途発生することとなる。
焼結抑制材として添加する方法が考えられる。しかし、
十分な過焼結抑制効果を得るためには、添加貴金属の量
を多くする必要があり、生産コストの上昇という面から
別の問題点も発生する。かかる点については、貴金属を
液状の金属有機化合物(レジネート)の形態で添加する
ことにより、粉体で添加する場合よりも少量で過焼結抑
制効果を挙げ得ることが提案されている。
ジネートへの溶解性が乏しいため偏在が生じ易く、十分
な過焼結抑制効果が得られない場合もある。これに対す
る対策として、特開平10−199334号公報には、
金属有機化合物の分散性が高い導電性ペーストの組成が
提案されている。提案される組成としては、例えば、主
鎖が直鎖の鎖式炭化水素の硫化物およびベンズ基を有す
る環式炭化水素の硫化物の少なくとも一方を含む金属有
機化合物と、セラミックグリーンシートの焼成温度より
も低い温度で焼結される金属粉とを有する組成である。
アルミナ複合系の低温焼成多層セラミック基板に使用す
る導電性ペーストとして、銀または銀とパラジウムとを
含有し、併せてクロム、クロム化合物を1種以上含有す
る組成にすることにより、導電性組成物と基板との収縮
率を整合させる試みが開示されている。
径が2〜4μmで占められる単結晶体あるいは準結晶体
の高結晶体である高結晶体銀粒子を導電性ペーストに使
用することにより、セラミックグリーンシートと導電性
ペーストとの収縮率を合わせようとする試みが記載され
ている。
径を0.3μm以上、10μm以下の範囲内で、0.3
μm以上2μm未満の占める粒度分布比率を50〜75
%、2μm以上5μm未満の粒子径の占める粒度分布比
率を15%〜50%、5μm以上10μm以下の粒子径
の占める粒度分布比率を0〜10%に規制することによ
り、セラミック部分と導電性ペースト部分との収縮率の
差に基づく変形や反りを抑制しようとする方法が開示さ
れている。すなわち、かかる方法では、導電性ペースト
に含有させる金属粉の粒形と、粒径と、粒径分布とを組
み合わせることによりその解消を図っている。
性ペーストを内層導体配線の形成に使用し、基板側に低
軟化焼結するガラスセラミックを使用したガラスセラミ
ックス多層基板の変形、反りについてその解消方法が提
案されている。かかる公報では、基板セラミックス材料
と導体金属との焼成収縮率を同じになるように調整して
も反りが発生するとの発明者の知見に基づき、かかる原
因を、焼成時に、基板材料中の軟化・溶融したガラス中
に導体層から導体金属が拡散し、導体周囲のガラスのガ
ラス軟化点、ガラス結晶化度等が変化して、ガラスの収
縮挙動が局部的に変化するためであるとし、導体金属の
拡散を抑制するとの観点からの解決手段が提案されてい
る。
ラミックス多層配線基板で、前記内層導体配線の周囲
に、導体金属の拡散を防止するガラス被膜を設ける構成
である。かかるガラス被膜は、導電性ペーストに添加し
たガラス粉末が、基板のガラスセラミックス材料中のガ
ラス粉末より先に軟化して溶融し、溶融したガラスが導
体金属の表面にはじき出されて内層導体配線の周囲に集
まり形成されたものである。
多数の提案がなされてきてはいるが、しかし、未だ十分
なものとは言えないのが現状である。
ックグリーンシートを積層してなるセラミック成形体に
使用する導電性ペースの収縮特性を、セラミック成形体
の収縮特性に合わせるようにすることにある。
成される内部電極を有する多層セラミック基板におい
て、焼成後における変形、反りを抑制することにある。
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
次のとおりである。
詳細に調べ、セラミック成形体の収縮挙動と比較するこ
とで、導電性ペーストに以下に示すような特徴を設け、
従来よりも焼成後の多層セラミック基板の変形、反りが
少ない効果を得ることができることを見出した。
シートを積層したセラミック成形体の内部電極および/
または表面電極に用いられ、前記セラミック成形体と同
時焼成される導電性ペーストであって、前記導電性ペー
ストは、焼成中の脱脂終了から焼成終了までの間に脱脂
後収縮を示すことを特徴とする。
0%であることを特徴とし、望ましくは15〜25%で
ある。また、焼成開始から焼成終了までの間に示す全収
縮に対する前記脱脂後収縮の占める割合が20〜90%
とした導電性ペーストであり、ここで脱脂後収縮の占め
る割合は望ましくは50〜90%、さらに望ましくは7
0〜90%である。
脱脂終了までの間に脱脂前収縮を示すときは、前記脱脂
前収縮と前記脱脂後収縮との収縮率の差が、25%以内
であればよい。
の収縮率を制御する収縮率制御材が添加されていること
を特徴とする。前記収縮率制御材としては、Pt、R
h、Cu、Pd、Ni、Auから選ばれる少なくとも1
種であることを特徴とする。前記収縮率制御材が、Rh
である場合には1重量%以下、望ましくは0.2重量%
以下、更に望ましくは0.05重量%である。Ptであ
る場合には5重量%以下、望ましくは2重量%以下、更
に望ましくは0.5重量%である。Cuである場合には
5重量%以下、望ましくは0.2重量%以下、更に望ま
しくは0.05重量%であることを特徴とする。
が0.1〜1.0のAg粒子が含有されていることを特
徴とする。前記Ag粒子は、X線回析パターンにおける
Ag(111)面のピークの半値幅が0.25°以下で
あることを特徴とする。
を積層したセラミック成形体と、前記セラミック成形体
の内部電極および/または表面電極に用いられる導電性
ペーストとを同時焼成してなる多層セラミック基板であ
って、焼成中の脱脂終了から焼成終了までの間に、前記
セラミック成形体と前記導電性ペーストとがそれぞれ示
す脱脂後収縮の収縮率の差が25%以下としたもので、
望ましくは15%以下、さらに望ましくは5%以下であ
ることを特徴とする。
たセラミック成形体と、前記セラミック成形体の内部電
極および/または表面電極に用いられる導電性ペースト
とを同時焼成してなる多層セラミック基板であって、前
記導電性ペーストを含むセラミック成形体において、焼
成開始から焼成終了までの間に示す全収縮に対する前記
脱脂後収縮の占める割合が50%以上であることを特徴
とする多層セラミック基板である。なお、この割合は導
電性ペーストの量に左右されるが当然にセラミック成形
体側の収縮に一致するよう100%に近づけることが望
ましい。
添加され、前記ガラスフリットは、焼結後の前記多層セ
ラミック基板では、前記内部電極および/または表面電
極と、前記セラミック成形体との界面側に滞在させられ
たガラス層を形成していることを特徴とする。
せられていることを特徴とする。前記ガラス層は、前記
セラミック成形体の断面における電極の長さに対して、
断続的に滞在させられており、このガラス層の総延長
が、2〜50%となっており、望ましくは5〜30%で
あることを特徴とする。
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
面、実施例により詳細に説明する。
明の導電性ペーストについて説明する。図1は、本発明
の導電性ペースト、従来構成の導電性ペースト、および
セラミックグリーンシートのみを積層したシート積層体
のそれぞれの焼成中の収縮カーブを示すものである。図
2(A)は、シート積層体のセラミックグリーンシート
10上にスクリーン印刷された状態の焼成前の導電性ペ
ースト20の状況を示す模式図であり、(B)、(C)
は脱脂前収縮における導電性ペストの挙動を示す模式図
である。
来の導電性ペーストの焼成中における収縮挙動について
詳細にその状況を調べた。その結果、導電性ペースト
は、シート積層体の収縮が始まる前に、大きな収縮を示
し、その後焼成終了まで殆ど収縮傾向を示さないことが
確認された。
は、従来は、焼結開始から焼成終了まで、収縮率の差異
はあるものの、シート積層体と同様に全体的に大きな変
曲点を示さない略放物線状の一様な収縮曲線を描くもの
と考えられていた。しかし、本発明者により、かかる従
来の知見とは異なる収縮挙動を示すことが初めて明らか
にされた。
ック基板に実際に使用する態様に類似させた条件で詳細
に調べることにより、従来の導電性ペーストは焼成途中
で大きな収縮が見られ、その後殆ど収縮が見られないこ
とを確認した。収縮カーブは、収縮の見られる大きな変
曲点を示し、その後は殆ど変化しない略フラットな描線
となることが確認された。かかる状況を、図1に示し
た。
成する場合を想定したものであるが、図中破線表示の曲
線がシート積層体の焼成中の収縮状況を示す収縮カーブ
である。焼成開始から徐々に収縮が始まり、約650℃
くらいから焼成温度の900℃にかけて大きな収縮が開
始されることが分かる。収縮カーブは、略放物線状であ
ることが分かる。
は、約300℃で収縮が始まり、その後約600℃にか
けてほぼ直線的に収縮が進行し、さらに600℃付近で
一気に収縮が終了し、その後は900℃まで殆ど収縮が
行われず、ほぼフラットな状態となることが確認され
た。図中、二点鎖線で表示した。
ーンシートは、Al2O3やSiO2などからなる低温焼成セラ
ミックスとバインダ、可塑材からなる一般に多用されて
いるセラミックグリーンシートを使用した。また、従来
の導電性ペーストとしては、Ag粉とバインダと有機溶
剤からなる構成を有するものを使用した。
属粉を分散させるバインダーや有機溶剤などが焼成温度
の上昇に伴い漸次気散するためと考えられる。本明細書
では、かかる導電性ペースト中のバインダーや有機溶剤
などの気散を脱脂と呼び、かかる脱脂に基づく上記収縮
を脱脂前収縮と呼ぶことにする。
導電性ペーストの収縮カーブとを比べると、約650℃
で大きな収縮を始めるシート積層体に比べて、導電性ペ
ーストはこれまでに収縮を終了してしまいその後は殆ど
収縮を起こさないことが分かる。すなわち、約650℃
から焼成終了温度の900℃間では、一気に約20%の
収縮率の変化を起こすシート積層体に比べて、導電性ペ
ーストは、殆ど収縮を示さないため、かかる大きな収縮
率の差が、焼成後の多層セラミック基板の変形、反りを
発生させる原因の一つと本発明者は考えた。
す脱脂前収縮の多層セラミック基板の焼成後の変形、反
りに及ぼす影響についても検討した。シート積層体は、
図1に示すように、焼成開始温度0℃から約650℃ま
では、僅かに約3%程度の収縮しか示さないのに対し
て、導電性ペーストの脱脂前収縮は約40%程度と大き
い。すなわち、かかる温度範囲では、シート積層体は殆
ど収縮せずに、導電性ペーストのみが大きく収縮して、
特に表面電極では収縮する導電性ペーストはシート積層
体のセラミックグリーンシート上を滑るようにして収縮
に基づく歪みの吸収が行われることが分かった。
た。図2(A)のようにシート積層体のセラミックグリ
ーンシート10上の導電性ペースト20は、脱脂前収縮
を起こすことにより図2(B)に示すように、セラミッ
クグリーンシート10上を全体として収縮しながら滑っ
たり、あるいは滑り切れないときは、例えば図2(C)
に示すように、複数の小部分で収縮が行われ、小部分間
が切断されて島状になることが確認された。すなわち、
導電性ペーストの脱脂前収縮は、セラミックグリーンシ
ート10上を滑ったり、島状に切断されることにより収
縮に基づく歪みが解消されて、セラミックグリーンシー
ト10の歪みに及ぼす影響は小さいことが確認された。
の変形、反りなどの歪みを解消するには、脱脂終了後の
双方の収縮率を合わせるようにすることが必要と考え
た。すなわち、シート積層体の収縮カーブと、従来構成
の導電性ペーストの収縮カーブとを比較することによ
り、導電性ペーストに脱脂前収縮があってもこれが終了
した後に、再度シート積層体の収縮カーブと同様な収縮
を導電性ペーストに起こさせることができれば、導電性
ペーストとシート積層体の収縮率を一致させることがで
きるものと考え、本発明に至ったものである。
を主成分とする導電性ペーストを作成し、そのAgの粒
径を変化させることにより、脱脂終了後における収縮を
発生させることができるか実験に基づきその可否を調べ
た。
T値、AgのX線回析ピーク(111)面の半値幅を各
々変更することにより、3種のAg粉試料を作成し、こ
れを導電性ペーストの主成分として使用して焼成後の多
層セラミック基板の変形量を比較した。
uKα線)によるAg(111)面の半値幅(y)が
0.250°以上の場合を試料aとし、BET値が1未
満で0.5より大きく、同様にX線回析の半値幅が0.
250°未満で0.200°より大きい場合を試料bと
し、BET値が0.5以下で、X線回析の半値幅が0.
2000°以下である場合を試料cとした。
量%Ag粉、15重量%有機分の割合で混合して、導電
性ペーストを調製した。かかる導電性ペーストを厚さ1
5μmになるようにスクリーン印刷したセラミックグリ
ーンシートを、最表面に配置し、基板厚さを800μm
になるように積層した多層セラミック成形体を作成し、
この多層セラミック成形体を焼成炉中にて900℃焼結
した。焼成は600℃まで10〜15時間で昇温し、6
00℃で1時間保持した後、900℃×1hにて焼成し
た。
基板について、それぞれの変形量を測定して比較した。
その結果を表1、2にそれぞれ示した。
ック成形体30が、図3(B)に示すように上に凸に変
形した場合を「正の変形」とし、上に凹に変形した場合
を「負の変形」とし、平面上にそれぞれ置いた状態で、
焼成により変形して反った部分の平面上から最も離れた
部分までの離間長dを測定して変形量(反り量)として
示した。
2では、かかる反り量をμm単位で示した。比較結果
を、Ag試料aを使用した場合を比較例1とし、試料
b、試料cをそれぞれ使用した場合を実施例1、2で示
すと、Ag試料aを使用した比較例1が560μm、試
料bを使用した実施例1が450μm、試料cを使用し
た実施例2が400μmで、反り量の大きさは、比較例
1>実施例1>実施例2の順になることが分かる。
導電材のAg粉粒子のBET値、半値幅を制御すること
により、従来構成の導電性ペーストではほぼフラットな
描線を示して収縮が殆ど発生していなかった脱脂終了後
から焼成終了までの範囲で、新たな収縮を発生させ得る
ことが、今回の実験により明らかになった。
始から焼成終了までの各温度における導電性ペーストの
収縮率を測定し、収縮カーブを描いた。尚、ここで収縮
率は、焼成開始前のセラミックグリーンシートを積層し
たセラミック成形体の厚さあるいは導電性ペーストの厚
さをそれぞれ1としたとき、焼成終了後の前記セラミッ
ク成形体の厚さあるいは導電性ペーストの厚さのそれぞ
れの変化量を百分率で表したもので、TMA(熱機械分
析)装置によって焼成開始から焼成終了まで連続的に測
定したものである。
縮カーブを本発明として実線表示した。本発明に係る実
施例2の導電性ペーストでは、0〜650℃の範囲で3
0%の収縮率の脱脂前収縮を示し、650〜900℃の
範囲で、すなわち脱脂終了後から焼成終了迄の範囲で収
縮が発生していることが分かる。なお、本明細書では、
脱脂終了後の収縮を、脱脂前収縮と区別するために脱脂
後収縮と呼ぶ場合がある。
〜900℃の範囲で20%であり、全収縮に対する脱脂
後収縮が占める割合は40%と比較例1の10%より改
善されている。さらに、650〜900℃の範囲におけ
る導電性ペーストとシート積層体の双方の収縮カーブを
重ね合わせて収縮カーブの一致度を確認した。図4で
は、図1に示すシート積層体単独での収縮カーブに本発
明に係る実施例2の導電性ペーストの収縮カーブを重ね
合わせた様子を示しているが、図からも分かるように、
両収縮カーブは極めて良好な一致を示している。これか
ら脱脂後の温度範囲でのシート積層体と導電性ペースト
の収縮率が略同様であることが分かる。
導電材のAg粒子の粒径、特にBET値、X線回析にお
ける半値幅を所定範囲に規制することにより、導電性ペ
ーストにシート積層体の収縮カーブに極めて良好な一致
度を示す収縮カーブを描く脱脂後収縮を行わせることが
でき、焼成後の多層セラミック基板の変形、反りを少な
く抑えることができた。
におけるシート積層体と導電性ペーストとの収縮率の差
の抑制方法について検討した。図1に示すように、0〜
650℃の範囲では、シート積層体は約3%程度の僅か
な収縮しか示さないのに対して、本発明の実施例2に係
る導電性ペーストでは30%の大きな収縮率を示してい
る。かかる範囲の収縮率の差は、前述の如く、脱脂後収
縮の収縮率の差ほど大きな影響を示さないが、より厳密
に変形量を小さくするためにはかかる収縮率の差に対す
る対策も必要と考えた。
ーストでは、図1に示すように、従来構成の導電性ペー
ストとは異なり、焼成開始から約300℃付近にかけて
の収縮は見られず、略一様にシート積層体と同方向の収
縮が発生していることが確認される。
層体より導電性ペーストの収縮率が大きいため、かかる
範囲の収縮率を小さくすることが求められる。そこで、
従来焼結抑制材として使用されていたPtなどの金属を
添加することにより収縮率を小さくできるか検討した。
組成に、Pt(0.1〜10重量%)、Rh(0.01
〜5重量%)、Pd(0.1〜10重量%)、Co
(0.01〜5重量%)、Cu(0.01〜5重量
%)、Ni(0.01〜5重量%)などの金属を収縮制
御材として単独で、あるいは複数種添加し、0〜650
℃の範囲における収縮状況を調べた。なお、各金属の上
記添加量は、Agに対する添加割合を示している。
に対して0.5重量%単独で添加し、実施例3として示
した。同様に、Rhを0.05重量%単独で添加した場
合を、実施例4として示した。実施例5では、Ptを
0.5重量%、Rhを0.05重量%共に添加した場合
を示す。実施例8では、試料bのAg粉に対してPtを
1重量%添加した場合を示している。また、実施例9で
はCuを0.1重量%添加した場合を示している。
すなわち脱脂前収縮は、その収縮率は、実施例3、4で
は20%であり、実施例5では10%、実施例8では2
5%、実施例9では15%であった。
実施例1、2では、それぞれ45%、35%、30%と
高い収縮率を示すのに対して、収縮制御材を添加した実
施例3、4、5、8、9の場合には、大きく収縮率が低
下していることが分かる。実施例3、4の収縮率は、実
施例2の2/3に、実施例5では実に1/3に低下して
いることが分かる。なお、実施例3〜5、8および9に
おける650〜900℃の範囲における脱脂後収縮に関
しては、それぞれ25%、25%、15%、15%、2
5%であった。従って、全収縮に対する脱脂後収縮が占
める割合は、かかる収縮制御材を使用しない実施例2の
40%に比べて、実施例3、4は56%、実施例5は6
0%、実施例9は63%と改善されていることが分か
る。
により、0〜650℃の範囲における導電性ペーストと
シート積層体との収縮挙動の一致度を高くすることがで
きるが、同時に、脱脂前収縮脱脂後収縮の全収縮に対す
る割合を相対的に大きくすることもでき、結果として、
脱脂後収縮の全収縮に対する割合の大きなシート積層体
の収縮挙動に導電性ペーストの挙動を近づけることにも
なるのである。
る割合は、図1に示すシート積層体では、0〜650℃
までの収縮率が3%で、650℃〜900℃までの収縮
率が20%であり、0〜900℃にかけての全収縮(収
縮率では23%)に対する脱脂後収縮(収縮率では20
%)の割合は87%である。従来構成の導電性ペースト
の脱脂後収縮の全収縮に対する割合は、例えば図1に示
す場合には、僅か1%にも満たない値である。
脂後収縮の全収縮に対する割合は、導電性ペーストとシ
ート積層体との収縮挙動の一致度を見る目安として一つ
の指標となる。
ーストのそれぞれの収縮挙動を測定した結果を図5に示
す。この図から分かるようにシート積層体と導電性ペー
ストのそれぞれの脱脂後収縮カーブは5%以内でほぼ一
致している結果が得られた。このようにカーブの形が一
致していることが理想であるが、極端に収縮過程のカー
ブが相違しない限り収縮率の差が少なくなっておればよ
い。収縮率の差は現実的には25%以下、望ましくは1
5%以下、更に望ましくは5%以下の一致度を得ること
が出来る。
動の一致度は、前述のように、脱脂前収縮率の大きさ、
脱脂後収縮率の大きさ、全収縮に対する脱脂後収縮の割
合を一つの指標として検討することができるが、理想的
には上記のように収縮過程の挙動を示す双方の収縮カー
ブの一致度を見ることが好ましい。
縮率が同一でも、一方が緩やかな放物線状のカーブを描
いて漸次収縮するのに対して、他方が一気に直線的に収
縮率が降下するように、極端に収縮挙動が異なる場合よ
りも、双方が似たカーブを描いて収縮する場合の方が好
ましいと考えられる。現実的には、一方のカーブの任意
の点における他方のカーブとの収縮率の差が、25%以
内であれば(完全に一致していれば0%となる)焼成後
の反り量などとの関係から許容できる範囲内と判断でき
た。
用して多層セラミック基板を焼成した場合の反り量は、
それぞれ400μmであった。かかる反り量は、シート
積層体に対して、極めて良好な収縮カーブの一致度を示
す前記実施例2と同じ反り量であることが分かった。
尚、反り量が400μm程度であればスルーホール部へ
のクラックの発生が抑制されるので現実的な使用範囲と
なる。
tの場合には0.1〜10重量%、Rhの場合には0.
01〜5重量%、Pdの場合には0.1〜10重量%、
Coの場合には0.01〜5重量%、Cuの場合には
0.01〜5重量%、Niの場合には0.01〜5重量
%の範囲で添加すれば、400μm以下に収まることが
確認された。上記金属で、上記範囲の下限未満の添加量
では、0〜650℃の範囲の脱脂前収縮では、十分な収
縮抑制効果は得られず、逆に上限を越える添加量の場合
には導電性が劣化するため好ましくない。
あるが、添加量が増す毎に導体抵抗も増加するのでバラ
ンスが必要である。尚、コスト面なども勘案して言えば
Ptの約1/10の添加量で同等の効果が得られるRh
の方が適していると言える。
を少量添加することにより、導電性ペーストの焼成開始
から脱脂までの収縮挙動をシート積層体の収縮挙動に極
力合わせるように制御可能であることが分かった。
にならないことが表2の結果から分かる。反り量は0で
あることが理想であるが、実施例5までの結果では、依
然として400μmの反り量が残っている。そこで、本
発明者は、さらに、反りの原因を追求して、次のような
反りの大きさに影響を及ぼすと考えられる新たな原因を
見出した。
シート積層体との界面部分では、焼成中に、導電性ペー
ストとシート積層体のセラミックグリーンシート側とが
反応してのその密着性が確保されるが、しかし、かかる
界面部分での電極の導電性ペーストとセラミックグリー
ンシートとの密着部分では、それぞれの収縮が自由に行
えず、所謂収縮がロックされていることが分かった。か
かるロック状態は、密着状態が大きい程大きくなり、前
記のように、導電性ペーストとシート積層体のセラミッ
クグリーンシートとの収縮率、収縮カーブを折角合わせ
る努力を行っても、かかる収縮のロックのために反りな
どの変形が発生することに、本発明者は気がついた。
ットを添加することにより、導電性ペーストとシート積
層体との密着性と反り量との関係を調べた。その結果、
Al 2O3、SiO3、CaO、CuO、Na2O、B2O3
などからなる混合物を軟化点600〜800℃になるよ
うに配合したガラスフリットを実施例2の組成に添加し
て導電性ペーストを構成することにより、導電性ペース
トとシート積層体のセラミックグリーンシートとの収縮
を大きくロックさせることなく、且つ多層セラミック基
板として必要な密着強度を確保できることを見出した。
て0.5重量%、2重量%添加した場合を、それぞれ実
施例6、7として、表2にその結果を示した。このとき
ピンを電極に半田付けしこれを引っ張り試験機で引っ張
る密着力試験を行った。実施例6、7では、密着力はそ
れぞれ25N/m2 であり、電子部品としての多層セラミ
ック基板に求められる密着強度は十分に確保されてい
る。一方、かかるガラスフリットを添加しない実施例2
の密着力は、35N/m2と大きいことが分かる。
いて、密着力試験後の状況を観察すると、実施例2の場
合には、シート積層体の表面のセラミックグリーンシー
トから剥離させた電極側に、セラミックグリーンシート
の一部が付着した状態で剥離されていることが確認され
た。一方、実施例6、7の場合には、電極とセラミック
グリーンシートとはきれいにその界面部分で剥離される
ことが確認された。すなわち、実施例2の場合の方が、
実施例6、7の場合に比べて、導電性ペーストとセラミ
ックグリーンシートとの密着強度が大きいことを示して
いる。
で示すとともに、かかる様子を図6に模式的に示した。
図6(A)は密着力試験を行う前の状態を示し、図6
(B)は、シート積層体のセラミックグリーンシートす
なわち素体の一部が導電性ペースト側に付着した状態で
剥離された実施例2の場合を示している。実施例6、7
は、図6(C)に模式的に示すように、導電性ペースト
とセラミックグリーンシートとの界面できれいに剥離さ
れている。
6、7の反り量を比べると、実施例2では400μmあ
った反り量が、実施例6ではその半分の200μmに減
少している。添加量を実施例6より4倍にした実施例7
では、さらにその半分の100μmにまで減少してい
る。かかる結果から、上記構成のガラスフリットの導電
性ペーストへの添加は、導電性ペーストとセラミックグ
リーンシートとの界面の密着性を減少させるのに有効で
あることが確認された。
は、0.1〜5重量%の範囲内であればよく、0.1重
量%未満の添加量ではさらなる反り量の低減効果は期待
できず、逆に添加量を5重量%を越える大きな値に設定
すると密着力が減少して、電子部品としての密着力の確
保が十分に得られない場合もある。
有無も示した。かかるクラックは、電極が密集している
ところで発生し、例えば、図7に示すように、内部電極
40とスルーホール60の形成位置付近で発生するもの
で焼成過程で発生する。かかるクラックの発生の有無に
おいても、比較例1に比べて、本発明の導電性ペースト
に係るに実施例1〜9まででは、クラックの発生が無い
ことが確認された。かかるクラックの発生も、内部の歪
み量が多い場合に発生し易いと考えれば、当然に焼成後
の変形や反りの少ない本発明に係る導電性ペーストの方
が、より効果的にクラックの発生を防止できるものと考
えられる。
トによる効果、すなわち導電性ペーストとセラミックグ
リーンシートとの間に緩衝層を形成して、ロック状態を
ある程度和らげる効果を有する状況を、顕微鏡写真によ
る断面像で確認した。図8は、かかる緩衝効果を奏して
いる状態の導電性ペーストと(電極)とセラミックグリ
ーンシートとの界面部分の顕微鏡映像を模式図として図
示したものである。
スフリットは漸次増加するように添加され、各々、0.
5重量%、1.0重量%、2.0重量%添加されてい
る。添加量の増加に加えて、界面側に示す黒色部分のガ
ラスフリットが溶融したガラス層を形成し緩衝層70が
増えていることが分かる。かかる緩衝層(ガラス層)
は、連続的に形成されているのではなく、断続的に形成
されていることが分かる。
させて、その密着力、緩衝効果、反り量との関係を調べ
た。その結果、緩衝層の存在量は、境界部分の断面にお
いて、境界部分の導電性ペーストの長さLに対して、断
続的に島状に形成された緩衝層の長さの総和Σlの割合
(Σl/L)が、2〜50%の範囲内であれば好ましい
ことが分かった。
0重量%を越えればメッキが剥がれやすく半田濡れ性に
問題が生じ、且つ電子部品としての電極とシートとの密
着強度が得られない。表2に実施例6、7の緩衝層であ
るガラス層の割合を示し、ガラスフリットの添加量が
0.5重量%である実施例6では約10%、同じく2重
量%の実施例7では約40%であった。
導電性ペーストを内部電極に用いると導体抵抗が上昇す
るため望ましくないと言う認識があったが、本発明の緩
衝層は上記したように適当量が断続的に島状に偏在して
いることから導体抵抗に及ぼす影響が少ない。そして、
実施例6、7においては電気的な導体損が生じていない
ことが確認された。
実施の形態で説明した本発明の導電性ペーストを使用し
た多層セラミック基板について説明する。本実施の形態
の多層セラミック基板し、次のようにして製造される。
のセラミック組成物と樹脂バインダー、可塑材、有機溶
剤を入れたスラリーを、図9のセラミックス多層基板の
製造方法の工程図に示すように、シート成形工程100
で、ドクターブレード111を通すことにより所定層厚
のグリーンシート(セラミックグリーンシート)Gを形
成する。このようにして形成されたグリーンシートGを
乾燥させ、その後、裁断・枠貼り工程102に示すよう
に、所定の大きさに裁断して枠112に貼り付ける。
ル形成工程103に示すように、グリーンシートGの所
定位置に孔を開けてスルーホール113を形成する。か
かるスルーホール113には、スルーホール充填工程1
04に示すように、スクリーン印刷により導電性ペース
トを充填する。その後、さらに、内部導体印刷工程10
5に示すように、スルーホール113内の導電性ペース
トと連絡する所定用途と配置の内部導体114を印刷す
る。
形態で説明したBET値が0.5以下で、X線回析のA
g(111)面の半値幅が0.2000°以下である試
料cのAg粒子を用いて、Ag粉85重量%、有機分1
5重量%、Rh0.05重量%、Pt0.5重量%と複
合添加し、ガラスフリット1.0重量%添加した組成で
ペースト状に調製したものを使用すればよい。
性ペーストを用いてスクリーン印刷することによりシー
ト上に内部電極を形成した複数枚のグリーンシートGを
用意し、積層・圧着工程106に示すように、グリーン
シートを積層して圧着する。
うに、所定のサイズに切断してグリーンシート積層体1
15を形成する。グリーンシート積層体115は、脱脂
・焼成工程108に示すように、脱脂後、焼成炉に入れ
て所定温度まで昇温して焼成し、セラミック成形体11
6を形成する。
体116は、外部端子焼付け工程109に示すように、
外部に内部との導通を図るための外部端子が焼き付けら
れて電極が形成される。その後、めっき工程110に示
すように表面にめっきを施して多層セラミック基板を製
造する。
ように、電極を形成する導電性ペーストと、セラミック
グリーンシートとが、同時焼成されている。焼成後の多
層セラミック基板は、その反り量が200μm以下と従
来構成の場合よりも低い変形量に抑えられていた。
近におけるクラックは発生していなかった。極めて導通
性の信頼度の高い多層セラミック基板となっている。
して携帯電話などの製品に多用される。例えば、携帯電
話では、送信回路中のカプラ、ハイパワアンプ、バンド
パスフィルタ、ローパスフィルタ、アンテナスイッチ
等、あるいはこれらを複合したモジュール部品など種々
の回路電子部品として使用することができる。
る必要はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更
してもよい。
ラミックグリーンシートの収縮特性に極めて類似させた
収縮特性を有しており、かかる導電性ペーストを使用す
ることにより、導電性ペーストを内部電極、表面電極と
する多層セラミック基板の焼成後の変形や、反りを従来
よりも抑制することができる。
成とは異なり、変形や反りが抑制されているため、変形
や反りに起因する導通障害などが低減され、信頼性の高
い電子部品として使用することができる。
ート積層体との焼成中の収縮挙動を比較するグラフ図で
ある。
から650℃までの導電性ペーストの収縮状況を説明す
る模式図である。
す説明図である。
縮カーブの一致度を示すグラフ図である。
縮挙動を比較するグラフ図である。
づく剥離モードの相違を示す説明図である。
に示す説明図である。
よる緩衝層の形成状態を示す説明図である。
ある。
Claims (14)
- 【請求項1】 セラミックグリーンシートを積層したセ
ラミック成形体の内部電極および/または表面電極に用
いられ、前記セラミック成形体と同時焼成される導電性
ペーストであって、 前記導電性ペーストは、焼成中の脱脂終了から焼成終了
までの間に脱脂後収縮を示すことを特徴とする導電性ペ
ースト。 - 【請求項2】 請求項1記載の導電性ペーストにおい
て、前記脱脂後収縮は、その収縮率が10〜30%であ
ることを特徴とする導電性ペースト。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の導電性ペースト
において、焼成開始から焼成終了までの間に示す全収縮
に対する前記脱脂後収縮の占める割合が20〜90%で
あることを特徴とする導電性ペースト。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
の導電性ペーストにおいて、 前記導電性ペーストが、焼成開始から前記脱脂終了まで
の間に脱脂前収縮を示すときは、前記脱脂前収縮と前記
脱脂後収縮との収縮率の差が、25%以内であることを
特徴とする導電性ペースト。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
の導電性ペーストにおいて、 前記導電性ペーストには、前記脱脂前収縮の収縮率を制
御する収縮率制御材が添加されていることを特徴とする
導電性ペースト。 - 【請求項6】 請求項5記載の導電性ペーストにおい
て、 前記収縮率制御材は、Pt、Rh、Cu、Pd、Ni、
Auから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
る導電性ペースト。 - 【請求項7】 請求項6記載の導電性ペーストにおい
て、 前記収縮率制御材が、Rhである場合には1重量%以
下、Ptである場合には5重量%以下、Cuである場合
には5重量%以下であることを特徴とする導電性ペース
ト。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
の導電性ペーストにおいて、 前記導電性ペーストには、BET値が0.1〜1.0の
Ag粒子が含有されていることを特徴とする導電性ペー
スト。 - 【請求項9】 請求項8記載の導電性ペーストにおい
て、 前記Ag粒子は、X線回析パターンにおけるAg(11
1)面ピークの半値幅が0.25°以下であることを特
徴とする導電性ペースト。 - 【請求項10】 セラミックグリーンシートを積層した
セラミック成形体と、 前記セラミック成形体の内部電極および/または表面電
極に用いられる導電性ペーストとを同時焼成してなる多
層セラミック基板であって、 焼成中の脱脂終了から焼成終了までの間に、前記セラミ
ック成形体と前記導電性ペーストとがそれぞれ示す脱脂
後収縮の収縮率の差が25%以下であることを特徴とす
る多層セラミック基板。 - 【請求項11】 セラミックグリーンシートを積層した
セラミック成形体と、 前記セラミック成形体の内部電極および/または表面電
極に用いられる導電性ペーストとを同時焼成してなる多
層セラミック基板であって、 前記導電性ペーストを含むセラミック成形体において、
焼成開始から焼成終了までの間に示す全収縮に対する前
記脱脂後収縮の占める割合が、50%以上であることを
特徴とする多層セラミック基板。 - 【請求項12】 請求項10または11に記載の多層セ
ラミック基板において、 前記導電性ペーストにはガラスフリットが添加され、 前記ガラスフリットは、焼結後の前記多層セラミック基
板では、前記内部電極および/または表面電極と、前記
セラミック成形体との界面側に滞在させられていること
を特徴とする多層セラミック基板。 - 【請求項13】 請求項12記載の多層セラミック基板
において、 前記ガラスフリットは、界面側に断続的に滞在させられ
たガラス層を形成していることを特徴とする多層セラミ
ック基板。 - 【請求項14】 請求項13記載の多層セラミック基板
において、 前記ガラス層は、前記セラミック成形体の断面における
電極の長さに対して、断続的に滞在させられており、 前記ガラス層の総延長が、2〜50%であることを特徴
とする多層セラミック基板。
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