JP2007270334A - 銀粉及びその製造方法 - Google Patents

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剛聡 藤野
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Abstract

【課題】500℃以下の低温で焼成することにより導体を形成する場合にも、良好な焼結性を得ることができ、ペーストに使用した場合にも、良好な導電性を得ることができる銀粉、及びその製造方法の提供。
【解決手段】410℃での収縮率が5〜15%であることを特徴とする銀粉である。また、銀イオンを含有する水性反応系を還元して、銀粒子を析出させることにより、410℃での収縮率が5〜15%である銀粉を製造することを特徴とする銀粉の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀粉及びその製造方法に関し、特に、電子部品の端子電極や回路基板パターン形成に用いられる銀粉及びその製造方法に関する。
従来より、電子部品などの電極や回路を形成するために、銀粉を有機成分中に分散させた導電性ペーストが使用されている。
一般に、導電性ペーストは、熱処理温度により、焼成型ペーストと、樹脂型ペーストとに分類され、それぞれ用途や構成要素などが異なっている。
前記焼成型ペーストは、構成要素として、銀粉、エチルセルロースやアクリル樹脂を有機溶剤に溶解したビヒクル、ガラスフリット、無機酸化物、有機溶剤、分散剤等を含み、ディッピング、印刷などにより、所定パターンに形成された後、焼成されて導体を形成する。このような焼成型ペーストは、ハイブリッドIC、積層セラミックコンデンサ、チップ抵抗器などの電極に使用されている。
前記焼成型ペーストの焼成温度は、用途によって異なるが、ハイブリッドICに用いられるアルミナ基板や、ガラスセラミック基板のような耐熱性のセラミック基板上において焼成型ペーストを高温で焼成することにより、導体を形成する場合と、耐熱性の低い基板上において、焼成型ペーストを低温で焼成により導体を形成する場合とがある(特許文献1)。
銀の融点は950℃であり、その融点以下の可能な限り高温で焼成すれば、銀の焼結体の抵抗値は下がる。しかし、焼成温度に適した銀粉を使用しなければ、様々な不具合が生じる。
例えば、セラミック基板上において高温で焼成する場合には、銀の焼結体と、セラミック基板との収縮差によってクラックやデラミネーション(積層剥離)などの不具合が生じることがあり、この不具合を解決するために、高結晶の銀粉が提案されている。
一方、樹脂型ペーストは、スルーホールやメンブレンなどの配線材や導電性接着剤などに使用されている。このような樹脂型ペーストは、構成要素として、銀粉、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、硬化剤、有機溶剤、分散剤等を含み、ディスペンスや印刷などにより所定の導体パターンに形成され、室温から250℃程度の温度で硬化し、残存する樹脂の硬化収縮による銀粒子同士の接触により導電性が得られる。
したがって、銀粒子同士の接触面積を増大するために、通常、銀粉を機械的に鱗辺状に加工したフレーク銀粉が使用されている。なお、300℃以上の温度では、樹脂が劣化して導体の抵抗や接着強度が悪化する。
例えば、薄型ディスプレイ基板の場合、基板材料であるガラスの耐熱性が低いため、セラミック基板の場合と異なり、750〜900℃程度の高温で焼成することができない。
したがって、より低い温度で焼成することが必要になる。
基板の耐熱性の関係で600℃以下の温度、実際には500〜600℃の低温で焼成することにより導体を形成する必要があるが、導体の抵抗値を低くするのが困難である。
また、ガラスよりも耐熱性が低い材料では、500℃以下という更に低い温度で焼成する必要があるが、500℃以下になると更に抵抗値を低くすることが困難である。
また、低温で焼成する場合、焼成温度より低い軟化点のガラスフリットを添加して焼結を促進させることにより、導体抵抗値は下げることができる。
しかしながら、例えば、繰り返し焼成を行うプラズマディスプレイ(PDP)基板の場合には、必要以上に低い軟化点のガラスフリットを使用することは、導体の抵抗値が変動する原因になるので好ましくない。
したがって、焼結を促進させるようなペースト構成要素を多量に使用することなくペーストに使用して500℃以下の低温で焼成することにより導体を形成する場合にも良好な焼結性を得ることができる銀粉、及びその製造方法は、未だ提供されていないのが現状である。
特開2006−2228号公報
本発明は従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、焼結を促進させるようなペースト構成要素を多量に使用することなく、ペーストに使用して500℃以下の低温で焼成することにより導体を形成する場合にも良好な焼結性を得ることができる、銀粉及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、410℃での収縮率が5〜15%であり、平均粒径D50が2μm以下である銀粉をペーストに使用して焼成することにより導体を形成すれば、焼成温度が500℃以下の低温でも良好な焼結性を得ることができ、また、タップ密度が2g/cm以上であり、比表面積が0.5m/g以上、4.0m/g以下の銀粉を使用したペーストから、感光性ペースト法、印刷法、又は転写法により良好な導体パターンを得ることができることを見出し、かかる知見のもと、本発明を完成するに至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 410℃での収縮率が5〜15%であることを特徴とする銀粉である。
<2> 500℃での収縮率が10〜20%である前記<1>に記載の銀粉である。
<3> レーザー回折法により測定した平均粒径が、2μm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の銀粉である。
<4> タップ密度が、2g/cm以上であって、比表面積が、0.5m/g以上、4m/g以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の銀粉である。
<5> 銀イオンを含有する水性反応系を還元して、銀粒子を析出させることにより、前記<1>から<4>のいずれかに記載の銀粉を製造することを特徴とする銀粉の製造方法である。
<6> 還元が、還元剤含有水溶液を水性反応系に添加して行われ、前記還元剤含有水溶液に含まれる還元剤が、ホウ素系還元剤である前記<5>に記載の銀粉の製造方法である。
<7> 水性反応系中の銀の含有量に対して、1当量/分以上の速度で還元剤含有水溶液を添加する前記<5>から<6>のいずれかに記載の銀粉の製造方法である。
<8> 銀粒子の析出前、又は析出後におけるスラリー状の水性反応系に分散剤を添加する前記<5>から<7>のいずれかに記載の銀粉の製造方法である。
<9> 分散剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤、及び保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上の分散剤である前記<8>に記載の銀粉の製造方法である。
<10> 銀粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を含む前記<5>から<9>のいずれかに記載の銀粉の製造方法である。
<11> 表面平滑化処理を施した後、分級により銀の凝集体を除去する分級処理を含む前記<10>に記載の銀粉の製造方法である。
<12> 分級処理方法が、11μmより大きい銀の凝集体を除去する処理である前記<11>に記載の銀粉の製造方法である。
<13> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の銀粉を導体として用いたことを特徴とする導電ペーストである。
本発明によれば、焼結を促進させるようなペースト構成要素を多量に使用することなく、ペーストに使用して500℃以下の低温で焼成することにより導体を形成する場合にも良好な焼結性を得ることができる、銀粉及びその製造方法を提供することを目的とする。
(銀粉)
本発明による銀粉は、410℃での収縮率が5〜15%であり、好ましくは、さらに500℃での収縮率が10〜20%である銀粉である。
また、本発明による銀粉は、平均粒径D50が2μm以下であることが好ましい。平均粒径D50が2μmを超えると、銀粒子同士が接触する面積が小さく、500℃以下の低温で良性の焼結性を得ることが難しい。
このような銀粉は、ペーストに使用して500℃以下の低温で焼成しても、良好な焼結性を得ることができるため、形成された導体の抵抗値を低くすることができる。
また、本発明による銀粉は、タップ密度が2g/cm以上、比表面積(BET法によって測定された比表面積)が0.5m/g以上、4.0m/g以下であることが好ましい。タップ密度が2g/cmより小さいと、銀粒子同士の凝集が激しく、充填性が低いため、上記のいずれの方法に使用した場合も、高精度パターンへの対応が難しいからである。
また、前記比表面積が0.5m/gより小さいと、粒径が大きく、銀粉同士が接触する面積が小さく、表面活性も下がり、500℃以下のような低温での焼結はできなくなるからである。また、前記比表面積が4.0m/gより大きいと、ペーストの粘度が高すぎて作業性に劣るからである。
(銀粉の製造方法)
本発明による銀粉の製造方法は、銀イオンを含有する水性反応系に、還元剤含有水溶液を添加して銀粒子を還元析出させる方法である。なお、この銀粒子の還元析出前、又は還元析出後のスラリー状の反応系に分散剤を添加するのが好ましい。
前記銀イオンを含有する水性反応系としては、硝酸銀、銀塩錯体、及び銀中間体のいずれかを含有する水溶液、又はスラリーを使用することができる。
前記銀塩錯体は、アンモニア水、アンモニウム塩、キレート化合物等の添加により生成することができる。
また、前記銀中間体は、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの添加により生成することができる。
これらの中で、銀粉が適当な粒径と球状の形状とを有するためには、硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して得られるアンミン錯体を水性反応系として使用することが好ましい。
ここで、アンミン錯体の配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニアを2モル以上添加する。前記還元剤含有水溶液の添加量が多くなりすぎると、錯体が安定化し過ぎ、還元が進みにくくなるので、銀1モル当たり8モル以下が望ましい。
なお、前記還元剤の添加量を多くする等の調整を行なえば、8モルを超える量であっても適当な粒径と球形状の銀粉を得ることは可能である。
<還元剤>
前記還元剤としては、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜燐酸ナトリウム、水素化ホウ素金属塩、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ヒドロキノン、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどを含む水溶液を使用することができる。
これらの中でも、水素化ホウ素金属塩や、ジメチルアミンボラン等のホウ素系還元剤を前記還元剤として使用すれば、目的とする粒子を簡便に得ることができる。
該水素化ホウ素金属塩としては、水素化ホウ素アルカリ金属塩が好ましく、水素化ホウ素ナトリウムがより好ましい。
また、前記還元剤の添加方法については、銀粉の凝集を防ぐために、前記水性反応系に含まれる銀イオンの含有量に対して、1当量/分以上の速さで添加することが好ましい。
この操作の理由は明確ではないが、前記還元剤を短時間で投入することで、銀粒子への還元析出が一挙に生じて、短時間で還元反応が終了し、発生した核同士の凝集が生じ難いため、分散性が向上すると考えられる。したがって、前記還元剤の添加時間は短いほど好ましい。また、還元の際には、より短時間で反応が終了するように反応液を攪拌することが好ましい。
<分散剤>
本発明の銀粉の製造方法においては、より分散性を向上させるために、前記湿式還元法による銀粉の作製において、銀粒子の還元析出前、又は還元析出後のスラリー状の反応系に分散剤を添加するにより、分散剤を表面に被覆させた銀粉を生成することができる。
前記分散剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート剤、保護コロイド等が挙げられる。また、前記分散剤の量は、水性反応系に仕込まれる銀に対して0.05〜2質量%の間で必要とされる特性に合わせて調整される。
<<脂肪酸>>
前記脂肪酸の例としては、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸等が挙げられる。
<<脂肪酸塩>>
前記脂肪酸塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、マンガン、鉛、亜鉛、スズ、ストロンチウム、ジルコニウム、銀、銅などの金属と、脂肪酸とが塩を形成したものが挙げられる。
<<界面活性剤>>
前記界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
<<有機金属>>
前記有機金属の例としては、アセチルアセトントリブトキシジルコニウム、クエン酸マグネシウム、ジエチル亜鉛、ジブチルスズオキサイド、ジメチル亜鉛、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリエチルインジウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジイウム、トリメチルガリウム、モノブチルスズオキサイド、テトライソシアネートシラン、テトラメチルシラン、テトラメトキシシラン、ポリメトキシシロキサン、モノメチルトリイソシアネートシラン、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などが挙げられる。
<<キレート形成剤>>
前記キレート形成剤の例としては、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−チアトリアゾール、2H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,5−オキサトリアゾール、1,2,3,5−チアトリアゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、及びベンゾトリアゾールと、これらの塩、また、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、酒石酸、リンゴ酸、タルトロン酸、ヒドロアクリル酸、マンデル酸、クエン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
<<保護コロイド>>
前記保護コロイドの例としては、ペプチド、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴム、プロタルビン酸、リサルビン酸、膠などが挙げられる。
このようにして得られた銀粉は、低温で焼成することにより、導体を形成する場合にも良好な焼結性を得ることができ、形成された導体の抵抗値を低くすることができ、ファインパターンへの対応が可能になる。
また、この銀粉にさらに平滑化処理を行い、ペーストに使用し、ペースト粘性を低下させることもできる。
さらに、ある程度以上の粒径の銀粉を除去してペーストに使用すると、ファインパターンへの対応がより容易になる。
加えて、このようにして得られた銀粉は、印刷法に用いた場合に、版抜け性に優れ、転写法に用いた場合に転写性に優れ、各種の方法への使用に適している。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
銀イオンとして、12g/Lの硝酸銀溶液3,700mLに、工業用アンモニア水160mLを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。
この銀のアンミン錯体溶液に、還元剤として工業用の水酸化ホウ素ナトリウム溶液34mLを2秒で加えた。
その10秒後にオレイン酸0.4gを加えて、銀のスラリーを得た。
その後、この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。この銀粉をフードミキサー(松下電器産業(株)製、MK−61M)で解砕処理した。
この銀粉について、収縮率、比表面積、タップ密度、及び平均粒径D50を測定し、導電性を評価した。
<収縮率の評価>
銀粉の収縮率は、金型に入れた銀粉に加重をかけて作製した、直径5mmのペレット状の試料を、マック・サイエンス/ブルカー・エイエックスエス(株)製、DILATO METER 5010型を用いて、昇温速度10℃/分で加熱した場合の直径を測定し、次式により求めた。
410℃での収縮率(%)=(L50−L410)/L50×100
500℃での収縮率(%)=(L50−L500)/L50×100
ここで、L50(mm)、L410(mm)、L500(mm)はそれぞれ、試料温度が50℃、410℃、500℃におけるペレット状の試料の長さである。
<タップ密度の評価>
タップ密度は、試料15gを試験管に入れて、1,000回タップを行った際の密度である。
<比表面積の評価>
BET法による比表面積は、カウンタクローム社製モノソーブにより測定した。
平均粒径D50は、銀粉0.3gをイソプロピルアルコール50mLに入れ、50W超音波洗浄器にて、5分間分散処理後、マイクロトラック9320−X100(ハネウエル−日機装製)によりレーザー回折法で測定した際の、平均粒径D50(累積50質量%粒径)の値である。
<導電性の評価>
導電性の評価は、65質量部の銀粉と、14質量部のアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製のBR−105)と、21質量部の有機溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(試薬))と、1質量部のガラスフリット(日本電気硝子(株)製のGA−8)とを計量し、3本ロールで混練してペーストを作製した後、このペーストを市販のソーダガラス基板上に印刷し、450℃で10分間焼成し、得られた焼結体の導電性を評価した。
この抵抗値が、3×10−6Ω・cm以下で抵抗値が安定している場合を良好とし、3×10−6Ω・cm以上、又は安定しない場合を良好でないとして評価した。
その結果、410℃における収縮率は、5.0%であり、500℃における収縮率は10.9%であり、比表面積は2.6m/gであり、タップ密度は3.1g/cmであり、平均粒径D50は1.5μmであり、導電性は良好だった。
(実施例2)
実施例1で得られた銀粉に分級処理を施し、11μmより大きい銀の凝集体を除去した。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、410℃と500℃における収縮率、比表面積、タップ密度、及び平均粒径D50を測定し、導電性を評価した。
その結果、410℃での収縮率は5.2%であり、500℃での収縮率は10.8%であり、比表面積は2.62m/gであり、タップ密度は3.2g/cmであり、平均粒径D50は1.4μmであり、導電性は良好であった。
(実施例3)
銀イオンとして、120g/Lの硝酸銀溶液2,500mLに、25%の水酸化ナトリウム溶液を1,400g加えて、酸化銀スラリーを生成した。
この酸化銀スラリーに、還元剤として工業用のホルマリン280mLを90分間で加えた。その直後に、ステアリン酸2.0gを加えて銀のスラリーを得た。
その後、この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。この銀粉をフードミキサーで解砕処理した。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、410℃と500℃における収縮率、比表面積、タップ密度、及び平均粒径D50を測定し、導電性を評価した。
その結果、410℃での収縮率は9.2%であり、500℃での収縮率は14.5%であり、比表面積は1.13m/gであり、タップ密度は2.2g/cmであり、導電性は良好であったが、平均粒径D50は7.6μmであった。
(比較例1)
銀イオンとして、12g/Lの硝酸銀溶液3,600mLに、工業用のアンモニア水180mLを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。
この銀のアンミン錯体溶液に、水酸化ナトリウム7gを加えてpHを調整した後、還元剤として工業用のホルマリン192mLを10秒で加えた。
その直後に、オレイン酸0.1gを加えて銀のスラリーを得た。
その後、この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。この銀粉をフードミキサーで解砕処理した。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、410℃、及び500℃における収縮率、比表面積、タップ密度、及び平均粒径D50を測定し、導電性を評価した。
その結果、410℃での収縮率は1.8%であり、500℃での収縮率は7.8%であり、比表面積は0.45m/gであり、タップ密度は4.7g/cmであり、平均粒径D50は2.1μmであり、導電性は良好でなかった。
(比較例2)
銀イオンとして、12g/Lの硝酸銀溶液3,600mLに、工業用のアンモニア水180mLを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。
この銀のアンミン錯体溶液に、水酸化ナトリウム1gを加えてpH調整した後、還元剤として、工業用のホルマリン192mLを15秒で加えた。その直後に、ステアリン酸0.1gを加えて銀のスラリーを得た。
その後、この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。この銀粉に高速攪拌機で表面平滑化処理を施した後、分級により11μmより大きい銀の凝集体を除去した。
このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、410℃と500℃における収縮率、比表面積、タップ密度、及び平均粒径D50を測定し、導電性を評価した。
その結果、410℃での収縮率は1.1%であり、500℃での収縮率は8.0%であり、比表面積は0.29m/gであり、タップ密度は5.4g/cmであり、平均粒径D50は3.1μmであり、導電性は良好でなかった。
(比較例3)
市販のアトマイズ銀粉(5μm)について、実施例1と同様の方法により、410℃と500℃における収縮率、比表面積、タップ密度、及び平均粒径D50を測定し、導電性を評価した。
その結果、410℃での収縮率は、−0.7%であり、500℃での収縮率は、−0.3%であり、比表面積は0.21m/gであり、タップ密度は5.2g/cmであり、平均粒径D50は5.3μmであり、導電性は良好ではなかった。
これらの結果を表1に示す。なお、表1では、導電性の評価が良好な場合を○、良好でない場合を×で示している。
Figure 2007270334
本発明の銀粉は、410℃での収縮率が5〜15%を満たし、平均粒径D50が2μm以下であるので、ペーストに使用して500℃以下の低温で焼成することにより良好な焼結性を得ることができ、導体を形成する場合にも良好な導電性を得ることができる。
また、本発明の製造方法により製造された銀粉は、ファインライン化が進む積層セラミックコンデンサの内部電極、回路基板の導体パターンに好適である。特に、太陽電池や、プラズマディスプレイパネル用基板の電極、及び回路等の電子部品に、本発明の銀粉を使用したペーストを用いた場合、その製造時において、パネル等にかかる熱的負荷を低減することができ、好適である。
さらに、本発明の製造方法により製造された銀粉は、500℃以下の低温で良好な焼結性を得ることができるので、熱制御に要する生産コストを低減することもできる。

Claims (12)

  1. 410℃での収縮率が5〜15%であることを特徴とする銀粉。
  2. 500℃での収縮率が10〜20%である請求項1に記載の銀粉。
  3. レーザー回折法により測定した平均粒径が、2μm以下である請求項1から2のいずれかに記載の銀粉。
  4. タップ密度が、2g/cm以上であって、比表面積が、0.5m/g以上、4m/g以下である請求項1から3のいずれかに記載の銀粉。
  5. 銀イオンを含有する水性反応系を還元して、銀粒子を析出させることにより、請求項1から4のいずれかに記載の銀粉を製造することを特徴とする銀粉の製造方法。
  6. 還元が、還元剤含有水溶液を水性反応系に添加して行われ、前記還元剤含有水溶液に含まれる還元剤が、ホウ素系還元剤である請求項5に記載の銀粉の製造方法。
  7. 水性反応系中の銀の含有量に対して、1当量/分以上の速度で還元剤含有水溶液を添加する請求項5から6のいずれかに記載の銀粉の製造方法。
  8. 銀粒子の析出前、又は析出後におけるスラリー状の水性反応系に、分散剤を添加する請求項5から7のいずれかに記載の銀粉の製造方法。
  9. 分散剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤、及び保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上の分散剤である請求項8に記載の銀粉の製造方法。
  10. 銀粒子同士を機械的に衝突させる表面平滑化処理を含む請求項5から9のいずれかに記載の銀粉の製造方法。
  11. 表面平滑化処理を施した後、分級により銀の凝集体を除去する分級処理を含む請求項10に記載の銀粉の製造方法。
  12. 請求項1から4のいずれかに記載の銀粉を導体として用いたことを特徴とする導電ペースト。
JP2006100922A 2006-03-31 2006-03-31 銀粉及びその製造方法 Pending JP2007270334A (ja)

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