JP2009231059A - オフセット印刷用導電性インクおよびそれを用いた回路パターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極や回路を形成する際に用いられるオフセット印刷法に適した導電性インクを提供する。特に600℃以下の低温焼成に好適に用いられ、パターン形成後の比抵抗が低く、パターンのライン状態が良好で、印刷性(転写性)が良好であることを同時に満足する導電性インキを提供する。
【解決手段】上記課題は、以下の導電性インクを使用することにより解決される。比表面積が0.5m2/g〜5m2/g、であり、平均粒径D50が0.1μm〜2μmであり、タップ密度が3g/cm3〜6g/cm3であり、結晶子径が20nm〜50nmである銀粉末と有機成分とを必須成分とし、軟化点が350℃〜500℃であるガラスフリットを0.1〜10質量%含有する導電性インクであって、25℃で剪断速度が2s−1であるときの粘度η1と、25℃で剪断速度が10s−1であるときの粘度η5との比(η1/η5)が2〜6である。
【選択図】なし
【解決手段】上記課題は、以下の導電性インクを使用することにより解決される。比表面積が0.5m2/g〜5m2/g、であり、平均粒径D50が0.1μm〜2μmであり、タップ密度が3g/cm3〜6g/cm3であり、結晶子径が20nm〜50nmである銀粉末と有機成分とを必須成分とし、軟化点が350℃〜500℃であるガラスフリットを0.1〜10質量%含有する導電性インクであって、25℃で剪断速度が2s−1であるときの粘度η1と、25℃で剪断速度が10s−1であるときの粘度η5との比(η1/η5)が2〜6である。
【選択図】なし
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル用基板や電磁波シールド用基板の電極や回路を描く際に用いられるオフセット印刷法に適した導電性インクに関する。
従来、電子部品の電極パターンやプラズマディスプレイパネル用基板の電極や回路などの極めて微細なパターンを高精度で形成することが必要とされる用途においては、主として、感光性ペースト法が採用されている。感光性ペースト法は、導電性粉末と有機成分として感光性樹脂や重合性モノマーを含む感光性導電ペーストを基板全面に塗布、乾燥後、露光・現象してパターンを形成し、焼成することにより所要の電極を形成する方法である。しかし、感光性ペースト法を適用した場合、基板表面に占める電極パターンの割合が少ないことから、現像時に除去されるパターン形成材料(感光性ペースト)が多く発生する。プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極基板では、高価な感光性導電ペーストを用いて電極パターンを形成するが、現像時に除去される感光性導電ペーストが多く発生することや、現像処理時に多量に発生する廃液を処理する必要があることにより、製造コストが高くなっている。
製造コストの低減を目的として、電極パターンの形成にオフセット印刷法を採用することが検討されている。オフセット印刷法によれば、版面に導電性インキを供給して形成されるインクパターンを、最表面にゴム層を備えたブランケットに転写し、次いで、このゴム層から、ガラス基板等の被印刷体の表面に転写させ、その後、焼成して有機成分を分解、揮発することにより、被印刷体の表面に、電極パターンを形成することができる。
オフセット印刷法によれば、導電性インクの無駄が少ないこと、印刷して焼成させるだけで電極を形成できる上、1枚あたりの印刷に要する時間が短いこと、感光性ペースト法と異なり廃液等を生じないことから、電極の形成工程に要するコストを低減することが可能である。
オフセット印刷法によれば、導電性インクの無駄が少ないこと、印刷して焼成させるだけで電極を形成できる上、1枚あたりの印刷に要する時間が短いこと、感光性ペースト法と異なり廃液等を生じないことから、電極の形成工程に要するコストを低減することが可能である。
しかし、PDPに必要とされる電極パターンは微細であり、しかも、電極形状や膜厚の均一性が要求されるため、装置とともに導電性インクの改良が重要である。
ここで、PDPの電極パターンの形成に用いられるインクの組成は、一般に、導電性粉末、ガラスフリット、樹脂を有機溶剤に溶解させたビヒクル、および有機溶剤からなる。導電性粉末としては主に銀粉が用いられている。
PDP用基板の電極や回路などの極めて微細なパターンを高精度で形成する目的で使用される導電性インクに求められる特性として、(1)パターン形成後の比抵抗が低いこと、(2)形成されたパターンのライン状態(欠損や突起がなく、直線性)が良好なこと、(3)印刷性(転写性)が良好であることが挙げられる。
ここで、PDPの電極パターンの形成に用いられるインクの組成は、一般に、導電性粉末、ガラスフリット、樹脂を有機溶剤に溶解させたビヒクル、および有機溶剤からなる。導電性粉末としては主に銀粉が用いられている。
PDP用基板の電極や回路などの極めて微細なパターンを高精度で形成する目的で使用される導電性インクに求められる特性として、(1)パターン形成後の比抵抗が低いこと、(2)形成されたパターンのライン状態(欠損や突起がなく、直線性)が良好なこと、(3)印刷性(転写性)が良好であることが挙げられる。
例えば、特許文献1には、平均粒径が0.5〜2μmで、かつタップ密度が3〜7g/cm3であり、さらに比表面積が0.4〜1.5m2/gである導電性粉末と有機成分とを必須成分とすることを特徴とするプラズマディスプレイ用導電ペーストが開示されている。
また、特許文献2には、バインダー樹脂が分子量10000〜60000のアクリル樹脂で、導電性粉末の平均粒径が0.1〜3μmの銀粉末からなる、粘度が10000mPa・s〜60000mPa・sの導電性インキ組成物が開示されている。
さらに、特許文献3には、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による平均粒径D50 が0.1μm〜3μmであり、且つ、当該平均粒径D50と画像解析により得られる平均粒径DIAとを用いてD50/DIAで表される凝集度の値が5.0以下であることを特徴とする低凝集性銀粉を用いた導電性ペーストが開示されている。
また、特許文献2には、バインダー樹脂が分子量10000〜60000のアクリル樹脂で、導電性粉末の平均粒径が0.1〜3μmの銀粉末からなる、粘度が10000mPa・s〜60000mPa・sの導電性インキ組成物が開示されている。
さらに、特許文献3には、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による平均粒径D50 が0.1μm〜3μmであり、且つ、当該平均粒径D50と画像解析により得られる平均粒径DIAとを用いてD50/DIAで表される凝集度の値が5.0以下であることを特徴とする低凝集性銀粉を用いた導電性ペーストが開示されている。
特許文献1〜3の導電性インクは、(1)パターン形成後の比抵抗が低いこと、(2)形成されたパターンのライン状態(欠損や突起がなく、直線性)が良好なこと、(3)印刷性(転写性)が良好を全て満足するものは得られていない。
本発明はこのような現状に鑑み、プラズマディスプレイパネル用基板や電磁波シールド用基板の電極や回路を形成する際に用いられるオフセット印刷法に適した導電性インクを提供することであり、特に600℃以下の低温焼成に好適に用いられ、(1)パターン形成後の比抵抗が低いこと、(2)形成されたパターンのライン状態(欠損や突起がなく、直線性)が良好なこと、(3)印刷性(転写性)が良好であること、を同時に満足する導電性インクを提供することである。ここで、オフセット印刷としては、凹版オフセットが特に好ましい。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、導電性インクに用いる銀粉末、ガラスフリットについて適切なものを使用することにより、600℃以下の低温焼成でも、(1)パターン形成後の比抵抗が低いこと、(2)形成されたパターンのライン状態(欠損や突起がなく、直線性)が良好なこと、(3)印刷性(転写性)が良好であること、を同時に満足する優れたオフセット印刷用の導電性インクが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による導電性インクは、BET比表面積が0.5m2/g〜5m2/g、であり、レーザー回折法による平均粒径D50が0.1μm〜2μmであり、タップ密度が3g/cm3〜6g/cm3であり、結晶子径が20nm〜50nmである銀粉末と有機成分とを必須成分とし、更に、軟化点が350℃〜500℃であるガラスフリットを0.1〜10質量%含有する。本発明による導電性インキは25℃で剪断速度が2s−1であるときの粘度η1と、25℃で剪断速度が10s−1であるときの粘度η5との比(η1/η5)が2〜6である。
本発明によれば、オフセット印刷において、600℃以下の低温焼成でも、(1)パターン形成後の比抵抗が低いこと、(2)形成されたパターンのライン状態(欠損や突起がなく、直線性)が良好なこと、(3)印刷性(転写性)が良好であること、を同時に満足する優れたオフセット印刷用の導電性インクを提供することができる。
本発明による導電性インクを構成する導電性粉末である銀粉末は、BET比表面積が0.5m2/g〜5m2/gであることが好ましい。BET比表面積が0.5m2/g未満であると転写された線がにじみやすく、パターンの直線性が損なわれやすい。また、焼結性が劣るため比抵抗が高くなり、焼成膜の緻密さも劣ることがある。一方、BET比表面積が5m2/gを越えると導電性粉末が凝集しやすく、インク作製時に分散させ難いのに加え、転写性に悪影響を及ぼすことがある。これらを考慮すると、導電性インク中の銀粉のBET比表面積は好ましくは1m2/g〜5m2/g、より好ましくは1.5m2/g〜3m2/gである。
導電性インクを構成する導電性粉末である銀粉末は、レーザー回折法による平均粒径D50が、0.1〜2μmであるのが好ましい。D50が2μmを超えるとラインの直線性に優れた微細なパターンを形成することが難しくなる。D50が0.1μm未満の場合には、転写性に悪影響を及ぼすことがある。D50が0.1μm未満の銀粉末は、製造コストが高く、導電性インクを安価に提供することが難しい。
さらに銀粉末の結晶子径は50nm以下であることが好ましい。結晶子径が50nmを超えるものは焼結性が劣るため、焼結膜の比抵抗が高くなることに加え、緻密な焼成膜が得にくい。結晶子径が20nm未満の場合には、焼成時の収縮が大きく、クラックが生じ、焼結膜の比抵抗が高くなることがある。
なお、銀粉末の粒子形状としては球状であることが好ましい。銀粉末は前記特性の範囲のものであれば、単独で用いても、2種類以上を混合しても良い。
なお、銀粉末の粒子形状としては球状であることが好ましい。銀粉末は前記特性の範囲のものであれば、単独で用いても、2種類以上を混合しても良い。
本発明の導電性インクには、銀粉末以外の無機成分として、ガラスフリットを添加する。添加するガラスフリットの軟化点は350〜500℃であることが好ましい。軟化点が350℃未満であると、脱バイが完了する前にガラスが軟化・流動し、流動したガラス中に有機成分が取り込まれるため、ボイド等の不具合の原因となる。一方、軟化点が500℃を超えると、ガラスが軟化・流動が不十分なため、比抵抗が下がらないのに加え、配線と基板間の密着が悪い。ガラスフリットの添加量はインク中の0.1〜10質量%とすれば良い。
本発明の導電性インク添加するバインダー成分としては600℃以下で脱バイが完了し、かつ、十分なバインダー性能を有するものが好ましい。一例として、樹脂としてはアクリル樹脂とエチルセルロース樹脂が挙げられる。また、例えば重合性モノマーを添加することにより、感光性を有していても構わない。感光性を有している場合、オフセット印刷で基板に転写直後、配線がレベリングにより広がる前にインクを硬化させることにより、電極パターン形状を維持させることができる。
本発明の導電性インクに添加する溶剤は、バインダー成分を溶解させるものであれば良いが、インク作製時や印刷時のハンドリング性を考慮すれば沸点は高い方が好ましい。沸点としては200℃以上のものが好ましく用いることができる。例示するならば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−モノイソブチレート、テレピネオール、γ−ブチロラクトンを挙げることができる。より好ましくは沸点が240℃以上のものを溶剤中の50重量%以上とするのが良い。沸点が240℃以上の有機溶剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール−モノイソブチレートを挙げることができる。
本発明の導電性インクに添加する銀粉は、以下に説明する製法で製造されたものを使用することができる。
銀イオンを含有する水性反応系に還元剤含有水溶液を添加して銀粒子を還元析出させて、銀粒子を生成させる。この銀粒子の還元析出前または還元析出後のスラリー状の反応系に分散剤を添加するのが好ましい。
銀イオンを含有する水性反応系としては、硝酸銀、銀塩錯体または銀中間体を含有する水溶液またはスラリーを使用することができる。銀塩錯体は、アンモニア水、アンモニウム塩、キレート化合物などの添加により生成することができる。また、銀中間体は、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの添加により生成することができる。これらの中で、銀粉が適当な粒径と球状の形状を有するようにするためには、硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して得られるアンミン錯体を使用するのが好ましい。アンミン錯体の配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニアを2モル以上添加する。
銀イオンを含有する水性反応系としては、硝酸銀、銀塩錯体または銀中間体を含有する水溶液またはスラリーを使用することができる。銀塩錯体は、アンモニア水、アンモニウム塩、キレート化合物などの添加により生成することができる。また、銀中間体は、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの添加により生成することができる。これらの中で、銀粉が適当な粒径と球状の形状を有するようにするためには、硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して得られるアンミン錯体を使用するのが好ましい。アンミン錯体の配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニアを2モル以上添加する。
前記還元剤としては、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜りん酸ナトリウム、水素化ほう素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ヒドロキノン、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどを使用することができる。これらの中で、アスコルビン酸、アルカノールアミン、ヒドロキノン、ヒドラジン、ホルマリンのうちから選ばれる1種以上を使用するのが好ましい。
また、還元剤の添加方法については、銀粉の凝集を防ぐために、1当量/分以上の速さで添加するのが好ましく、100当量/分以上の速さとしても良い。この操作の理由は明確ではないが、還元剤を短時間で投入することで、銀粒子への還元析出が一挙に生じて、短時間で還元反応が終了し、発生した核同士の凝集が生じ難いため、分散性が向上すると考えられる。また、還元の際には、より短時間で反応が終了するように反応液を攪拌するのが好ましい。
分散剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドから選ばれる1種以上を使用するのが好ましい。脂肪酸の例として、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などを挙げることができる。脂肪酸塩の例として、リチウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、マンガン、鉛、亜鉛、スズ、ストロンチウム、ジルコニウム、銀、銅などの金属と脂肪酸が塩を形成したものを挙げることができる。界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩のような陰イオン界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩のような陽イオン界面活性剤、イミダゾリニウムベタインのような両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤などを挙げることができる。有機金属の例として、アセチルアセトントリブトキシジルコニウム、クエン酸マグネシウム、ジエチル亜鉛、ジブチルスズオキサイド、ジメチル亜鉛、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリエチルインジウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジイウム、トリメチルガリウム、モノブチルスズオキサイド、テトライソシアネートシラン、テトラメチルシラン、テトラメトキシシラン、ポリメトキシシロキサン、モノメチルトリイソシアネートシラン、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを挙げることができる。キレート形成剤の例として、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−チアトリアゾール、2H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,5−オキサトリアゾール、1,2,3,5−チアトリアゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾールおよびベンゾトリアゾールとこれらの塩、あるいは、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、酒石酸、リンゴ酸、タルトロン酸、ヒドロアクリル酸、マンデル酸、クエン酸、アスコルビン酸などを挙げることができる。保護コロイドの例として、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴム、プロタルビン酸、リサルビン酸などを挙げることができる。
オフセット印刷による印刷形状を良好にするためには、導電性インクのチキソトロピー性を適切な範囲とすることが望ましく、25℃で剪断速度が2s−1であるときの粘度η1と、25℃で剪断速度が10s−1であるときの粘度η5との粘度比(η1/η5)が2〜6となるように調節するのが良い。η1/η5が2を下回る場合、転写後の配線がダレ易い。一方、η1/η5が6を上回る場合、転写後の印刷形状が不良となる。この粘度比の調整は銀粉末の種類や添加量、銀粉末と樹脂の比率変更、樹脂の分子量選択、添加剤等により行うことができる。添加剤の例として、乾式シリカ(アエロジル)のような無機物、チクソトロピック剤が挙げられる。
以下、本発明による実施例について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、本実施例および以下の実施例、比較例において得られた銀粉の形状が球状であることを走査型電子顕微鏡(SEM)により確認した。
(実施例1)
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水160gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体を含有する水溶液に還元剤として工業用の水素化ホウ素ナトリウム溶液13gを添加した。その直後に、分散剤としてオレイン酸を0.4
g 加えて銀粉を含有するスラリーを得た。この銀粉を含有するスラリーをろ過、水洗した後、乾燥、解砕して銀粉を得た。得られた銀粉について、後述する方法で、比表面積、タップ密度、平均粒径D50、結晶子径、強熱減量を測定した。比表面積は2.5m2/g、タップ密度は3.0g/cm3、平均粒径D50は1.3μm、結晶子径は32nm、強熱減量は1.21質量%であった。
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水160gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体を含有する水溶液に還元剤として工業用の水素化ホウ素ナトリウム溶液13gを添加した。その直後に、分散剤としてオレイン酸を0.4
g 加えて銀粉を含有するスラリーを得た。この銀粉を含有するスラリーをろ過、水洗した後、乾燥、解砕して銀粉を得た。得られた銀粉について、後述する方法で、比表面積、タップ密度、平均粒径D50、結晶子径、強熱減量を測定した。比表面積は2.5m2/g、タップ密度は3.0g/cm3、平均粒径D50は1.3μm、結晶子径は32nm、強熱減量は1.21質量%であった。
得られた銀粉8gと、軟化点が430℃のガラスフリット(日本電気硝子製のGA−9)0.2gと、アクリル樹脂(三菱レイヨン社製のBR−105)0.8gと、溶剤(ブチルカルビトールアセテート)1.2gを3本ロールミルを用いて混合して導電性インキ組成物を得た。得られた導電性インクについて、後述する方法で、粘度(η1およびη5)を測定し、粘度比(η1/η5)を算出した。η1は276Pa・sであり、η5は51Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、5.4であった。
導電性インクを凹版オフセット法によりガラス基板上にパターン形成し、レベリング後、大気乾燥機にて150℃で10分間乾燥した。このガラス基板をマッフル炉にて最高温度580℃で10分の焼成を行い、配線パターンを得た。得られた配線パターンについて、後述する方法で比抵抗と顕微鏡観察によりパターンのライン状態を確認し、ブランケットに導電性インクの残留が有るか確認した。比抵抗は2.2μΩ・cmであり、パターンのライン状態は、良好(欠損や突起がなく、直線性が良好)であった。また、ブランケットに導電性インクの残留は認められなかった。
<BET比表面積の測定>
BET比表面積は、試料乾燥条件を60℃×10分間とし、BET比表面積測定器(カウンタークロム社製のカンタソーブJr.)を使用して1点法により測定した。
BET比表面積は、試料乾燥条件を60℃×10分間とし、BET比表面積測定器(カウンタークロム社製のカンタソーブJr.)を使用して1点法により測定した。
<タップ密度の測定>
タップ密度は、タップ比重測定器(柴山科学社製のDA−2型タップ比重測定器)を使用し、銀粉試料15gを計量して容器に入れ、落差20mmで1000回タッピングし、タップ密度=(試料(15g))/(タッピング後の試料容積(cm3))から算出した。
タップ密度は、タップ比重測定器(柴山科学社製のDA−2型タップ比重測定器)を使用し、銀粉試料15gを計量して容器に入れ、落差20mmで1000回タッピングし、タップ密度=(試料(15g))/(タッピング後の試料容積(cm3))から算出した。
<平均粒子径D50の測定>
銀粉試料0.3gとイソプロピルアルコール50mLを秤量して混合し、出力50Wの超音波洗浄器にて、5分間分散処理後、レーザー回折法による測定装置(マイクロトラック9320−X100(ハネウェル−日機装社製))を使用して、累積50質量%の粒径を測定した。
銀粉試料0.3gとイソプロピルアルコール50mLを秤量して混合し、出力50Wの超音波洗浄器にて、5分間分散処理後、レーザー回折法による測定装置(マイクロトラック9320−X100(ハネウェル−日機装社製))を使用して、累積50質量%の粒径を測定した。
<結晶子径の測定>
銀粒子の試料をガラス製セルに塗り、X線回折装置にセットし、Ag(111)面の回折ピークを用いて、下記(1)式に示すScherrerの式によりX線結晶粒径DXを求めた。X線にはCu−Kαを用いた。
Dx=K・λ/(β・cosθ) ……(1)
ただし、KはScherrer定数で、0.94を採用した。λはCu−Kα線のX線波長、βは上記回折ピークの半価幅、θは回折線のブラッグ角である。
銀粒子の試料をガラス製セルに塗り、X線回折装置にセットし、Ag(111)面の回折ピークを用いて、下記(1)式に示すScherrerの式によりX線結晶粒径DXを求めた。X線にはCu−Kαを用いた。
Dx=K・λ/(β・cosθ) ……(1)
ただし、KはScherrer定数で、0.94を採用した。λはCu−Kα線のX線波長、βは上記回折ピークの半価幅、θは回折線のブラッグ角である。
<強熱減量(Ig−loss)の測定>
強熱減量は、空気中90℃で1時間加熱した後の試料(銀粉)約3gを磁性るつぼに入れ、30分間、800℃の電気炉(ADVANTEC製KM−130r)内に静置した。その前後の重量(W1、W2)を測定し、(W1−W2)/W1の値を強熱減量の値とした。
強熱減量は、空気中90℃で1時間加熱した後の試料(銀粉)約3gを磁性るつぼに入れ、30分間、800℃の電気炉(ADVANTEC製KM−130r)内に静置した。その前後の重量(W1、W2)を測定し、(W1−W2)/W1の値を強熱減量の値とした。
<導電性ペーストの粘度測定>
E型粘度計(ブルックフィールド社製のDVIII+、コーンスピンドルCP−52)により、25℃における1rpmと5rpmで測定を行った。前記1rpmでの測定値をη1、前記5rpmでの測定値をη5とした。(η1/η5)の値を粘度比とした。
E型粘度計(ブルックフィールド社製のDVIII+、コーンスピンドルCP−52)により、25℃における1rpmと5rpmで測定を行った。前記1rpmでの測定値をη1、前記5rpmでの測定値をη5とした。(η1/η5)の値を粘度比とした。
<比抵抗の測定>
配線パターンの抵抗をデジタルマルチメータ(ADVANTEST社製R6551)で測定し、また、配線パターンの膜厚を表面粗さ計で測定し、比抵抗を算出した。
配線パターンの抵抗をデジタルマルチメータ(ADVANTEST社製R6551)で測定し、また、配線パターンの膜厚を表面粗さ計で測定し、比抵抗を算出した。
(実施例2)
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インキの製造・評価を行った。銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水150gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム1.0gを加えてpH調整した後、還元剤としてヒドラジンの80%水溶液13gを加えた。その直後に、分散剤としてベンゾトリアゾールナトリウム塩溶液(固形分40%)を0.7g加えて銀粉を含有するスラリーを得た。この銀粉を含有するスラリーをろ過、水洗した後、乾燥、解砕し、更に、粗大粒子を分級により除去して、銀粉を得た。
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インキの製造・評価を行った。銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水150gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム1.0gを加えてpH調整した後、還元剤としてヒドラジンの80%水溶液13gを加えた。その直後に、分散剤としてベンゾトリアゾールナトリウム塩溶液(固形分40%)を0.7g加えて銀粉を含有するスラリーを得た。この銀粉を含有するスラリーをろ過、水洗した後、乾燥、解砕し、更に、粗大粒子を分級により除去して、銀粉を得た。
得られた銀粉の比表面積は1.5m2/g、タップ密度は3.2g/cm3、平均粒径D50は1.2μm、結晶子径は36nm、強熱減量は0.17質量%であった。得られた導電性インクのη1は234Pa・sであり、η5は73Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、3.2であった。得られた配線パターンの比抵抗は2.2μΩ・cmであり、パターンのライン状態は、良好(欠損や突起がなく、直線性が良好)であった。また、ブランケットに導電性インクの残留は認められなかった。
(実施例3)
銀粉を製造する際、分散剤をベンゾトリアゾール0.07gおよびコラーゲンペプチド0.06gに変更した以外は実施例2の方法で導電性インクの製造および評価をおこなった。
銀粉を製造する際、分散剤をベンゾトリアゾール0.07gおよびコラーゲンペプチド0.06gに変更した以外は実施例2の方法で導電性インクの製造および評価をおこなった。
得られた銀粉の比表面積は1.3m2/g、タップ密度は3.3g/cm3、平均粒径D50は1.2μm、結晶子径は29nm、強熱減量は0.23質量%であった。得られた導電性インクのη1は133Pa・sであり、η5は47Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、2.8であった。得られた配線パターンの比抵抗は2.0μΩ・cmであり、パターンのライン状態は、良好(欠損や突起がなく、直線性が良好)であった。また、ブランケットに導電性インクの残留は認められなかった。
(実施例4)
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インキの製造・評価を行った。銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水150gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム2.0gを加えてpH調整した後、還元剤としてホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)を210g加えた。その直後に、分散剤としてベンゾトリアゾール0.08g加えて銀粉を含有するスラリーを得た。この銀粉を含有するスラリーをろ過、水洗した後、乾燥、解砕し、更に、粗大粒子を分級により除去して、銀粉を得た。
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インキの製造・評価を行った。銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水150gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム2.0gを加えてpH調整した後、還元剤としてホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)を210g加えた。その直後に、分散剤としてベンゾトリアゾール0.08g加えて銀粉を含有するスラリーを得た。この銀粉を含有するスラリーをろ過、水洗した後、乾燥、解砕し、更に、粗大粒子を分級により除去して、銀粉を得た。
得られた銀粉の比表面積は1.0m2/g、タップ密度は4.1g/cm3、平均粒径D50は1.0μm、結晶子径は25nm、強熱減量は0.82質量%であった。得られた導電性インクのη1は53Pa・sであり、η5は24Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、2.2であった。得られた配線パターンの比抵抗は1.9μΩ・cmであり、パターンのライン状態は、良好(欠損や突起がなく、直線性が良好)であった。また、ブランケットに導電性インクの残留は認められなかった。
(実施例5)
銀粉を製造する際、水酸化ナトリウムの添加量を1.0g、分散剤をベンゾトリアゾールナトリウム塩溶液(固形分40%)0.18gに変更した以外は実施例4の方法で導電性インクの製造および評価をおこなった。
銀粉を製造する際、水酸化ナトリウムの添加量を1.0g、分散剤をベンゾトリアゾールナトリウム塩溶液(固形分40%)0.18gに変更した以外は実施例4の方法で導電性インクの製造および評価をおこなった。
得られた銀粉の比表面積は0.8m2/g、タップ密度は4.8g/cm3、平均粒径D50は1.2μm、結晶子径は25nm、強熱減量は0.63質量%であった。得られた導電性インキのη1は35Pa・sであり、η5は13Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、2.7であった。得られた配線パターンの比抵抗は1.9μΩ・cmであり、パターンのライン状態は、良好(欠損や突起がなく、直線性が良好)であった。また、ブランケットに導電性インクの残留は認められなかった。
(比較例1)
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インクの製造・評価を行った。
硝酸銀280gを2800mLの純水に溶解して得られた硝酸銀水溶液に、工業用のホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)140gと、50mLの温水に溶解したゼラチン(ゼライス製E−200)2.2gを加えるとともに、消泡剤(第一工業製薬製アンチフロスF−244)0.1gを加えて、25℃に保持した。この溶液を攪拌しながら、25℃に保持した純水1.3Lに水酸化ナトリウム170gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液を30分間かけて連続添加し、銀粒子を生成させるとともに、この水酸化ナトリウム水溶液の添加の途中(水酸化ナトリウム水溶液を添加開始してから20分)で、25℃に保持した水16mLに塩化ナトリウム0.9gを溶解した塩化ナトリウム水溶液を一挙に加えた。水酸化ナトリウム水溶液の添加終了後、この銀含有スラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インクの製造・評価を行った。
硝酸銀280gを2800mLの純水に溶解して得られた硝酸銀水溶液に、工業用のホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)140gと、50mLの温水に溶解したゼラチン(ゼライス製E−200)2.2gを加えるとともに、消泡剤(第一工業製薬製アンチフロスF−244)0.1gを加えて、25℃に保持した。この溶液を攪拌しながら、25℃に保持した純水1.3Lに水酸化ナトリウム170gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液を30分間かけて連続添加し、銀粒子を生成させるとともに、この水酸化ナトリウム水溶液の添加の途中(水酸化ナトリウム水溶液を添加開始してから20分)で、25℃に保持した水16mLに塩化ナトリウム0.9gを溶解した塩化ナトリウム水溶液を一挙に加えた。水酸化ナトリウム水溶液の添加終了後、この銀含有スラリーをろ過、水洗した後、乾燥して銀粉を得た。
得られた銀粉の比表面積は2.9m2/g、タップ密度は2.2g/cm3、平均粒径D50は4.8μm、結晶子径は48nm、強熱減量は1.42質量%であった。得られた導電性インクのη1は260Pa・sであり、η5は87Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、3.0であった。得られた配線パターンの比抵抗は4.6μΩ・cmであり実施例と比較して2倍以上と高い値を示し配線の導電性の点で劣った。パターンのライン状態は、欠損や突起があり、直線性が劣った。また、表面には実施例では認められなかったクラックが観察された。また、ブランケットに導電性インクの残留は認められなかった。
(比較例2)
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インクの製造・評価を行った。
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水170gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム0.1gを加えてpH調整した後、還元剤として工業用のホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)180g
を加えた。その直後に、分散剤としてステアリン酸0.1g加えて銀のスラリーを得た。この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥、解砕し、更に、粗大粒子を分級により除去して、銀粉を得た。
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インクの製造・評価を行った。
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水170gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム0.1gを加えてpH調整した後、還元剤として工業用のホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)180g
を加えた。その直後に、分散剤としてステアリン酸0.1g加えて銀のスラリーを得た。この銀のスラリーをろ過、水洗した後、乾燥、解砕し、更に、粗大粒子を分級により除去して、銀粉を得た。
得られた銀粉の比表面積は0.26m2/g、タップ密度は5.8g/cm3、平均粒径D50は3.1μm、結晶子径は32nm、強熱減量は0.86質量%であった。得られた導電性インクのη1は31Pa・sであり、η5は17Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、1.8であった。得られた配線パターンの比抵抗は2.1μΩ・cmであった。パターンのライン状態は、欠損や突起があり、直線性が劣り、インクのにじみも認められ、良好ではなかった。また、表面には実施例と比較して空孔が非常に多く認められた。また、ブランケットに導電性インクの残留は認められなかった。
(比較例3)
銀粉として、市販のアトマイズ製法により製造された銀粉(平均粒径5.5μm)を使用した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インクの製造・評価を行った。
銀粉として、市販のアトマイズ製法により製造された銀粉(平均粒径5.5μm)を使用した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インクの製造・評価を行った。
使用した銀粉の比表面積は0.15m2/g、タップ密度は4.9g/cm3、平均粒径D50は5.5μm、結晶子径は56nm、強熱減量は0.15質量%であった。得られた導電性インキのη1は19Pa・sであり、η5は15Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、1.3であった。得られた配線パターンの比抵抗は3.3μΩ・cmであり実施例と比較して50%以上と高い値を示し配線の導電性の点で劣った。パターンのライン状態は、欠損や突起があり、直線性が劣り、インクのにじみも認められ、良好ではなかった。また、表面には実施例と比較して空孔が非常に多く認められた。また、ブランケットに導電性インクの残留が認められた。
(比較例4)
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インクの製造・評価を行った。
銀イオンとして6g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水66gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム0.5gを加えてpH調整した後、還元剤としてヒドラジンの80%水溶液7gを加えた。その直後に、分散剤としてベンゾトリアゾールナトリウム塩溶液(固形分40%)を0.2
g 加えて銀のスラリーを得た。この銀のスラリーをろ過、水洗した後、解砕し、更に、粗大粒子を分級により除去して、銀粉を得た。
銀粉の製造方法を下記の方法に変更した以外は、実施例1と同じ方法で導電性インクの製造・評価を行った。
銀イオンとして6g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水66gを加えて、銀のアンミン錯体溶液を生成した。この銀のアンミン錯体溶液に水酸化ナトリウム0.5gを加えてpH調整した後、還元剤としてヒドラジンの80%水溶液7gを加えた。その直後に、分散剤としてベンゾトリアゾールナトリウム塩溶液(固形分40%)を0.2
g 加えて銀のスラリーを得た。この銀のスラリーをろ過、水洗した後、解砕し、更に、粗大粒子を分級により除去して、銀粉を得た。
得られた銀粉の比表面積は1.89m2/g、タップ密度は2.6g/cm3、平均粒径D50は1.2μm、結晶子径は38nm、強熱減量は0.19質量%であった。得られた導電性インクのη1は293Pa・sであり、η5は92Pa・sであった。粘度比(η1/η5)は、3.2であった。得られた配線パターンの比抵抗は3.3μΩ・cmであり実施例と比較して50%以上と高い値を示し配線の導電性の点で劣った。パターンのライン状態は、良好(欠損や突起がなく、直線性が良好)であったが表面には実施例では認められなかったクラックが観察された。また、ブランケットに導電性インクの残留は認められなかった。
Claims (5)
- BET比表面積が0.5m2/g〜5m2/gであり、タップ密度が3g/cm3〜6g/cm3であり、レーザー回折法による平均粒径D50が0.1μm〜2μmであり、結晶子径が20nm〜50nmである銀粉末と有機成分とを必須成分とすることを特徴とするオフセット印刷用導電性インク。
- 銀粉末のBET比表面積が1.5m2/g〜3m2/gであることを特徴とする請求項1に記載のオフセット印刷用導電性インク。
- 25℃で剪断速度が2s−1であるときの粘度η1と、25℃で剪断速度が10s−1であるときの粘度η5との比(η1/η5)が2〜6であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のオフセット印刷用導電性インク。
- 軟化点が350℃〜500℃のガラスフリットを0.1〜10質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオフセット印刷用導電性インク。
- 請求項1〜4いずれかに記載の導電性インクを、オフセット印刷により被印刷物上にパターン形成し、これを乾燥させた後、500℃以上600℃以下の温度で焼成することを特徴とする電極等の回路パターン形成方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2019225271A1 (ja) * | 2018-05-23 | 2021-06-17 | 株式会社ダイセル | 導電性インク |
-
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- 2008-03-24 JP JP2008075292A patent/JP2009231059A/ja active Pending
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