JP2023164095A - 球状銀粉、球状銀粉の製造方法、球状銀粉製造装置、及び導電性ペースト - Google Patents

球状銀粉、球状銀粉の製造方法、球状銀粉製造装置、及び導電性ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】導電性ペースト等に用いた場合に、優れた印刷性及び低温焼結性をもたらすことが可能な球状銀粉を提供する。【解決手段】BET径DBETに対する、レーザー回折法による体積基準の累積50%径D50の比が、0.9以上1.2以下であり、かつ粒子内部に空隙を有する、球状銀粉。【選択図】なし

Description

本発明は、球状銀粉、球状銀粉の製造方法、球状銀粉製造装置及び導電性ペーストに関する。
積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池を含む各種の電子部品に使用する導電性ペーストとして、銀粉をガラスフリットとともに有機ビヒクル中に加えて混練することによって製造される導電性ペーストが使用されている。当該導電性ペースト用の銀粉は、電子部品の小型化、導体パターンの高密度化、ファインライン化などに対応するため、粒径が適度に小さく、粒度が揃い、高分散性であることが要求されている。
このような導電性ペースト用の銀粉を製造する方法として、特許文献1では、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ銀アンミン錯体水溶液を得て、この水溶液を一定の流路(第一流路)に流し、その第一流路の途中で合流する第二流路を設け、この第二流路を通じて有機還元剤を流し、第一流路と第二流路との合流点で接触混合させることを特徴とした微粒銀粉の製造方法が提案されている。
また、特許文献2では、銀錯体を含む銀溶液と還元剤溶液とをそれぞれ定量的かつ連続的に流路内に供給し、該銀溶液と該還元剤溶液とを流路内で混合させた反応液中で銀錯体を定量的かつ連続的に還元して銀粉を得る銀粉の製造方法において、前記流路を形成する配管内の前記銀溶液の流速に対する該配管内の同軸上に設けた配管から該銀溶液の供給方向と同方向に供給する前記還元剤溶液の流速の比を、該銀溶液と該還元剤溶液の混合時において1.5以上とすることを特徴とする銀粉の製造方法が提案されている。
さらに、特許文献3では、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させて銀アンミン錯体水溶液を得、種になる粒子及びイミン化合物の存在下において、当該銀アンミン錯体水溶液と還元剤水溶液とを混合して、銀粒子を還元析出させる球状銀粉の製造方法であって、銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを、合流点で合流する別々の流路に流し、当該合流点において、前記銀アンミン錯体水溶液と前記還元剤水溶液とを、接触混合させる球状銀粉の製造方法が提案されている。
また、特許文献4では、銀イオン溶液にアンモニアと還元剤を添加して銀微粒子を還元析出させる方法において、アンモニア添加後20秒以内に還元剤を添加することによって、微細な銀微粒子を析出させる銀微粒子の製造方法が提示されているが、アンモニア添加の銀イオン溶液と還元液とを管路の外側で混合するとされ、また、具体的に開示されているのは還元剤としてヒドロキノン液を使用した例のみである。
特開2005-48236号公報 特開2015-45064号公報 特開2010-70793号公報 特開2008-255378号公報
銀粉を含有する導電性ペーストを用いて内部電極や、導体パターン等を形成する場合、銀粉には導電性ペーストとした際の印刷性がよいことに加え、導電性ペーストの焼成時の加熱による周辺部材の劣化等を抑制するため、低温(690~740℃)で焼結可能であり低温焼結性にすぐれることが求められるようになってきている。特許文献1~4の製造方法で得られる銀粉はこれらの点において改善の余地があるものである。
本発明は、印刷性及び低温焼結性に優れた導電性ペーストをもたらすことが可能な球状銀粉を、その製造方法及び製造装置とともに提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、優れた低温焼結性と印刷性を同時に得るには、球状銀粉の各粒子内に空隙が存在し、そのような球状銀粉の分散性をBET径DBETに対する、レーザー回折法による体積基準の累積50%径D50の比(D50/DBET)で制御することが有利であることを見出し、本発明を完成させた。例えば、上記の特許文献1~4の製造方法で得られる銀粉は、各粒子内に空隙を有するものではない。
ここで、BET径DBETは、BET一点法により測定される比表面積SSA(単位m/g)及び真密度(単位g/cm)から換算される粒子径であり、式:
BET=6/(SSA)/真密度
で求められる。
50、DBET、SSA及び真密度は、実施例に記載の方法で測定した値とする。
銀粉は、通常、個々の粒子が完全に分離しておらず、複数個の粒子が凝集した状態になっていることがある。レーザー回折法による粒径の測定は、粒子の回折パターンから粒径を算出しているため、凝集した状態の粒子の粒径が測定される。一方、BET一点法は、粒子に吸着するガスの量を利用して比表面積を測定するものであり、この比表面積から換算したBET径は測定した粒子が真球と仮定した場合の粒子の粒径(粒子径)を示す。比(D50/DBET)が1に近いことは、凝集状態が少なく、単分散に近い状態を意味する。
ここで、粒子内に空隙を有する銀粉は、表面が凹凸をもちやすく、比(D50/DBET)を1に近い値に制御するのは困難である。
本発明者らは、銀含有溶液を流路に流し、その流路の途中の錯化剤添加位置で錯化剤を添加し、錯化剤添加位置よりも下流のホルマリン添加位置でホルマリンを添加し、流路内で銀粉を還元析出させることにより、粒子内に空隙を有しながらも、比(D50/DBET)が0.9以上1.2以下である球状銀粉が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の製造方法では、銀含有溶液を流路に流し、その流路の途中の錯化剤添加位置で流路に錯化剤を添加することで、銀錯体形成領域が形成され、錯化剤添加位置の下流のホルマリン添加位置で流路にホルマリンを添加することで、銀粉の還元析出領域が形成される。このように銀錯体形成領域と還元析出領域とを連続して形成させ、さらに還元析出を、還元剤としてホルマリンを用いて行うことにより、粒子内部に空隙を有しながらも、比(D50/DBET)が0.9以上1.2以下であり、分散性の良好な球状銀粉を得ることができるものと推測される。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]BET径DBETに対する、レーザー回折法による体積基準の累積50%径D50の比が、0.9以上1.2以下であり、かつ粒子内部に空隙を有する、球状銀粉。
[2]真密度が9.0g/cm以上10.0g/cm以下である、上記[1]の球状銀粉。
[3]前記D50が0.2μm以上3.5μm以下である、上記[1]又は[2]の球状銀粉。
[4]BET比表面積が0.17m/g以上3.23m/g以下である、上記[1]~[3]のいずれかの球状銀粉。
[5]強熱減量から、炭素、窒素及び酸素の含有量を引いた値が、0.10質量%未満である、上記[1]~[4]のいずれかの球状銀粉。
[6]炭素含有量に対する酸素含有量の比が1.5以上である、上記[1]~[5]のいずれかの球状銀粉
[7]銀含有溶液を流路に流し、その流路の途中の錯化剤添加位置で錯化剤を前記流路に添加し、錯化剤添加位置よりも下流のホルマリン添加位置でホルマリンを前記流路に添加し、前記流路内で銀粉を還元析出させる、球状銀粉の製造方法。
[8]前記錯化剤添加位置から前記ホルマリン添加位置まで、前記銀含有溶液が流れるのに要する時間が0.1秒以上10秒以内である、上記[7]の球状銀粉の製造方法。
[9]前記錯化剤添加位置と前記ホルマリン添加位置の間、又は前記ホルマリン添加位置の下流側で、表面処理剤を前記流路に添加する、上記[7]又は[8]の球状銀粉の製造方法。
[10]前記ホルマリンの添加を、前記ホルマリン添加位置で複数の方向から行い、前記複数の方向がそれぞれ流路に対して75度以上105度以下の角度をなす、上記[7]~[9]のいずれかの球状銀粉の製造方法。
[11]銀含有溶液に錯化剤とホルマリンを添加して銀粉を還元析出される銀粉製造装置であって、前記銀含有溶液の流路を形成する管と、前記管に接続する錯化剤添加部と、前記錯化剤添加部より下流側で管に接続するホルマリン添加部とを有する、球状銀粉製造装置。
[12]上記[1]~[6]のいずれかの球状銀粉と、有機バインダ及び溶剤を含有する導電性ペースト。
[13]太陽電池の電極形成用である、上記[12]の導電性ペースト。
本発明によれば、導電性ペースト等に用いた場合に、優れた印刷性及び低温焼結性をもたらすことが可能な球状銀粉が、その製造方法及び製造装置とともに提供される。
本発明の銀粉製造装置の一例の外観斜視図である。 本発明の銀粉製造装置の他の例の外観斜視図である。 実施例1の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 実施例1の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 実施例1の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 実施例2の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 実施例2の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 実施例2の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 実施例3の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 実施例3の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 実施例3の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 実施例4の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 実施例4の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 実施例4の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 実施例5の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 実施例5の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 実施例5の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 実施例6の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 実施例6の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 実施例6の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 実施例7の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 実施例7の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 実施例7の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 比較例1の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 比較例1の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 比較例1の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 比較例2の銀粉(真空乾燥前)のSEM写真(10000倍)である。 比較例2の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)のSEM写真(10000倍)である。 比較例2の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の断面のFE-SEM写真(20000倍)である。 実施例1、比較例1及び2の熱収縮率のチャートである。 細線印刷性のEL評価を行うための電極パターンの形状を示す図である。 実施例1の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す写真である。 実施例2の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す写真である。 実施例3の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す写真である。 実施例4の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す写真である。 実施例5の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す写真である。 実施例6の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す写真である。 比較例1の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す写真である。 比較例2の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す写真である。
<球状銀粉>
本発明の球状銀粉は、BET径DBETに対する、レーザー回折法による体積基準の累積50%径D50の比(D50/DBET)が、0.9以上1.2以下であり、かつ粒子内部に空隙を有する。
ここで、球状は、略球状を包含し、平均アスペクト比(長径/短径の比の平均)が1.5以下である形状とする。粒子内部の空隙は、外部と繋がっていない閉じた空隙である。
球状銀粉が粒子内部に空隙を有することは、電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いた粒子断面の観察で、粒子内部に空隙が存在することで確認することができる。
比(D50/DBET)は、優れた分散性が得られる点において1.20以下が好ましく、1.15以下がより好ましく、1.04以下がさらに好ましい。この比は、通常0.90以上であり、0.95以上とすることがより好ましい。
50は、導電性ペーストとした際のペーストの取り扱いの容易さの点から、0.2μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上である。また、D50は、適切な粒子活性が得られ、導電性ペーストを用いて形成される配線パターンの低温焼結性の点で有利であることと高密度化等への対応が容易である点から、3.5μm以下が好ましく、より好ましくは3.0μm以下である。
本発明の球状銀粉は、体積基準の累積10%径D10が、好ましくは0.1μm以上であり、また、2.0μm以下が好ましい。
本発明の球状銀粉は、体積基準の累積90%径D90が、好ましくは0.5μm以上であり、また、7.0μm以下が好ましい。
10及びD90は、実施例に記載の方法で測定した値とする。
BET比表面積(SSA)は、適切な粒子活性が得られ、導電性ペーストを用いて形成される配線パターンの低温焼結性の点で有利であることと高密度化等への対応が容易である点から、0.17m/g以上が好ましく、より好ましくは0.20m/g以上である。また、導電性ペーストとした際のペーストの取り扱いの容易さの点から、3.23m/g以下が好ましく、より好ましくは2.40m/g以下である。
銀の真密度は10.49g/cmであるが、本発明の球状銀粉は、粒子内部に空隙を有するものであり、真密度が9.0g/cm以上10.0g/cm以下であることができる。真密度は、配線パターンの高密度化等への対応が容易となるの点から、9.4g/cm以上が好ましく、また、低温焼結性の点から、9.9g/cm以下が好ましい。
BETは、BET一点法による測定される比表面積(m/g)と真密度(g/cm)を用いて、次式で計算されるBET径(μm)である。
BET径=6/比表面積/真密度
BETは、0.18μm以上が好ましく、より好ましくは0.45μm以上であり、また、3.90μm以下が好ましく、より好ましくは3.20μm以下である。
本発明の球状銀粉は、高精度パターン等への対応を容易とする点から、タップ密度が2.5g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは4.5g/cm以上である。一方、銀の真密度と均一な球状粉の最密充填を考慮すると、タップ密度の上限値は7.8g/cmである。
本発明の球状銀粉は、強熱減量が2.65質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.62質量%以下である。ここで、強熱減量の測定条件は、実施例に記載のとおりとする。
また、本発明の球状銀粉は、炭素含有量が1.00質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.50質量%以下であり、窒素含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.12質量%以下であり、酸素含有量が1.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.00質量%以下であることが好ましい。酸素含有量は、低温焼結性の点から、0.20質量%以上が好ましく、0.30質量%以上であることがより好ましい。炭素、窒素及び酸素の含有量は、実施例の方法で測定した値とする。
低温焼結性の点から、炭素含有量に対する酸素含有量の比(O/C)が1.5以上であることが好ましく、3.5以下であることが好ましく、1.7以上3.0以下であることがより好ましい。特にガラスフリットを配合した導電性ペーストに本発明の球状銀粉を使用した場合、銀粒子内に含有される酸素が熱の発生を助けることで、ガラスの軟化を促進することができ、低温焼成の点で有利である。
さらに、本発明の球状銀粉は、強熱減量から炭素、窒素及び酸素の含有量の合計を差し引いた値が0.10質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.09質量%以下である。この範囲であれば、本発明の球状銀粉を用いて電極等の部品を形成した場合などにおける、熱膨張の問題を容易に回避することができる。
<球状銀粉の製造方法>
本発明の球状銀粉の製造方法は、銀含有溶液を流路に流し、その流路の途中の錯化剤添加位置で錯化剤を添加し、錯化剤添加位置よりも下流のホルマリン添加位置でホルマリンを添加し、流路内で銀粉を還元析出させることを含む。本発明の製造方法では、連続的に銀含有溶液、錯化剤、ホルマリンを供給し、これらを定量的に混合することで、銀錯体の形成の速度及び銀粉の還元析出の速度を一定に保ち、ひいては所定の球状銀粉を、定量的かつ連続的に得ることができる。
銀含有溶液は、錯化剤と反応して銀錯体を形成する溶液であり、銀塩を含む溶液を使用することができる。例えば、硝酸銀、塩化銀、ギ酸銀、シュウ酸銀、硫酸銀等の水溶液が挙げられ、入手し易さ等の点から、硝酸銀水溶液が好ましい。
銀含有溶液の銀濃度は、経済的な観点から、0.01モル/L以上が好ましく、より好ましくは0.05モル/L以上である。銀濃度は、還元析出後の粒子の粒子間距離を確保し、凝集を抑制する点から、0.5モル/L以下が好ましく、より好ましくは0.3モル/L以下である。
銀含有溶液の流速は、生産性及び単分散な粒子形成の点から、0.45m/秒以上が好ましく、より好ましくは、0.65m/秒以上であり、また、凝集抑制及び単分散な粒子形成の点から、3.20m/秒以下が好ましく、より好ましくは、2.70m/秒以下である。
本発明の製造方法においては、銀含有溶液を流路に流し、その流路の途中の錯化剤添加位置で錯化剤を添加することにより、銀錯体を形成させる。
錯化剤としては、アンモニア、アンモニウム塩、クエン酸、酢酸等が挙げられ、その中でもアンモニアが好ましい。アンモニアはアンモニア水として、添加することができる。
例えば、錯化剤としてアンモニア水を添加した場合、銀アンミン錯体が形成される。銀アンミン錯体は、ホルマリンにより容易に還元できるため好ましい。アンモニア水の添加量は、液中に銀アンミン錯体を形成しない銀イオンが実質的に残留しない量であることが好ましく、銀1モルに対して、アンモニアが2.6モル以上11.2モル以下となる量とすることができ、好ましくは3.1モル以上10.4モル以下となる量である。
アンモニア水の濃度は、経済的な観点から、3.1モル/L以上が好ましく、より好ましくは3.7モル/Lであり、16.2モル/L以下が好ましく、より好ましくは15.1モル/L以下である。
アンモニア水の流速は、0.40m/秒以上が好ましく、より好ましくは、0.60m/秒以上であり、また、3.20m/秒以下が好ましく、より好ましくは、2.70m/秒以下である。
他の錯化剤を使用した場合についても、上記に準じた濃度及び流速とすることができる。
本発明の製造方法においては、錯化剤添加位置よりも下流のホルマリン添加位置で流路にホルマリンを添加することにより、銀粉を還元析出させる。還元剤として、ホルマリンを用いることにより、粒子内部に空隙を有する銀粉を得ることができる。
ホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液)の濃度は、3.9モル/L以上が好ましく、より好ましくは4.7モル/L以上であり、14.5モル/L以下が好ましく、より好ましくは12.8モル/L以下である。
ホルマリンの量は、未反応の銀イオンが実質的に発生しない量であることが好ましく、銀1モルに対して、ホルマリン(ホルムアルデヒド)が3.1モル以上10.6モル以下となる量とすることができ、好ましくは3.7モル以上9.3モル以下である。
本発明の製造方法においては、銀錯体溶液を形成したところにホルマリンを添加するため、錯化剤添加位置からホルマリン添加位置まで、銀含有溶液が流れるのに要する時間(経過時間)は0.1秒以上であることが好ましく、より好ましくは0.5秒以上である。また、錯化剤と銀イオン以外と反応すると銀錯体の安定度が高くなり還元反応が進みにくくなるおそれがあるため、錯化剤と銀イオン以外の反応が開始しないようにするため、経過時間は10.0秒以内であることが好ましく、より好ましくは5.0秒以下である。経過時間が10.0秒を超えて長いと、錯化剤の添加からホルマリンを添加するまでの間及び還元反応時における副生成物の発生状況が変化して、強熱減量から炭素、窒素及び酸素の含有量の合計を差し引いた値が増加すると考えられる。さらに、銀粒子内に含有される炭素含有量に対する酸素含有量の比が低下すると考えられる。
本発明の製造方法においては、錯化剤添加位置とホルマリン添加位置の間、又はホルマリン添加位置の下流側で、流路に表面処理剤を添加することができる。表面処理剤の添加は、還元析出した銀粉の凝集を抑制する点で有利である。添加は、錯化剤添加位置とホルマリン添加位置の間の時点で行うことが好ましい。
表面処理剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤、保護コロイド等が挙げられる。表面処理剤は、銀含有溶液の銀に対して、0.03質量%以上1.00質量%以下となる量で使用することができる。表面処理剤は、エマルション、溶液等の形態で用いてもよい。
(1)脂肪酸
脂肪酸としては、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、リシノール酸等が挙げられる。
(2)脂肪酸塩
脂肪酸塩としては、上記(1)の脂肪酸の金属塩が挙げられ、金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、マンガン、鉛、亜鉛、スズ、ストロンチウム、ジルコニウム、銀、銅等が挙げられる。
(3)界面活性剤
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
(4)有機金属
有機金属としては、アセチルアセトントリブトキシジルコニウム、クエン酸マグネシウム、ジエチル亜鉛、ジブチルスズオキサイド、ジメチル亜鉛、テトラ-n-ブトキシジルコニウム、トリエチルインジウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジイウム、トリメチルガリウム、モノブチルスズオキサイド、テトライソシアネートシラン、テトラメチルシラン、テトラメトキシシラン、モノメチルトリイソシアネートシラン、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
(5)キレート形成剤
キレート形成剤としては、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1H-1,2,3-トリアゾール、2H-1,2,3-トリアゾール、1H-1,2,4-トリアゾール、4H-1,2,4-トリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,3,4-オキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1H-1,2,3,4-テトラゾール、1,2,3,4-オキサトリアゾール、1,2,3,4-チアトリアゾール、2H-1,2,3,4-テトラゾール、1,2,3,5-オキサトリアゾール、1,2,3,5-チアトリアゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール等及びこれらのキレート形成剤の塩やコハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸等のジカルボン酸をはじめとするポリカルボン酸等が挙げられる。
(6)保護コロイド
保護コロイドとしては、ペプチド、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴム、プロタルビン酸、リサルビン酸、膠等が挙げられる。
表面処理剤としては、銀粒子表面への修飾のしやすさの点から、(1)脂肪酸が好ましく、中でも、ステアリン酸が好ましい。(1)脂肪酸はエマルションの形態であることが好ましく、例えばステアリン酸エマルション等が挙げられる。
本発明の製造方法においては、流路を流れる液の温度が、還元反応の反応性の点から5℃以上であることが好ましく、より好ましくは15℃以上であり、また、操業上、60℃以下であることが好ましく、より好ましくは50℃以下である。
本発明の製造方法においては、ミキサーを用いて、流路の軸方向に螺旋回転を加えて液混合を行ってもよい。
本発明の製造方法においては、還元析出した銀粉を含む液(以下「銀粉含有液」ともいう。)を流路外に放出し、回収することで球状銀粉を得ることができる。ホルマリン添加から銀粉含有液が流路外に放出されるまでの時間は、還元反応の終了を見込むことができる点から、1秒以上であることが好ましく、より好ましくは2秒以上であり、また、配管への居着きを抑制する点から、10秒以下であることが好ましく、より好ましくは5秒以下である。
本発明の製造方法においては、錯化剤添加位置よりも下流のホルマリン添加位置で流路にホルマリンを添加するため、流路内で還元反応が起きて銀核が発生し、流路内で銀粒子へと粒成長する。特許文献4のように、流路の外で還元反応を起こす場合は、表面の凹凸具合が大きくなるおそれがあるため、本発明のように流路内で還元反応及び粒子成長させることが好ましい。
ホルマリン添加後の流速を制御することで、銀粉の形状を制御することができ、例えば、添加前の銀錯体溶液の流速よりも、ホルマリン添加後の流速を遅くすることは、銀粉同士の凝集を減らす上で有利である。
流路外に放出した銀粉含有液を、濾過、水洗することによって、銀粉と水を含み、流動性がほとんどない塊状のケーキが得られる。
このケーキを、強制循環式大気乾燥機、真空乾燥機、気流乾燥装置等の乾燥機で乾燥することにより本発明の球状銀粉が得られる。当該ケーキ中の水分を低級アルコール等で置換することにより、乾燥を早めることができる。
当該ケーキに対し、乾式解砕処理、表面平滑処理等を施すことができる。表面平滑処理は、高速撹拌機を使用して粒子同士を機械的に衝突させることにより行うことができる。
その後、分級処理により、所定粒径より大きい銀粉の凝集体を除去してもよい。
さらに、当該ケーキに対し、乾燥、解砕及び分級を行なうことができる一体型の装置((株)ホソカワミクロン製のドライマイスタ、ミクロンドライヤ等)を用いて、乾燥、粉砕、分級を行なってもよい。
<銀粉製造装置>
本発明の製造方法では、銀含有溶液の流路を形成する管と、前記管に接続する錯化剤添加部と、前記錯化剤添加部より下流側で管に接続するホルマリン添加部を有する、球状銀粉製造装置を用いることができる。錯化剤添加部、ホルマリン添加部の構造は、特に限定されない。
錯化剤添加部又はホルマリン添加部は、それぞれY字型管路又はT字型管路であってもよく、銀含有溶液の流路を形成する管の途中に、第2の管を接続して、銀含有溶液の流路と第2の管の流路とが合流する構造であってもよい。
あるいは、錯化剤添加部又はホルマリン添加部は、それぞれ同軸二軸管路であってもよい。図1は、錯化剤添加部及びホルマリン添加部がそれぞれ同軸二軸管路である銀粉製造装置の一例の模式図である。
図1では、銀粉製造装置1は、銀含有溶液を流す管2、錯化剤を供給する錯化剤供給管3、ホルマリンを供給するホルマリン供給管4を有する。管2は直線状に形成され、錯化剤供給管3及びホルマリン供給管4は、それぞれ略L字型に形成されている。銀粉製造装置1では、管2の内部に、錯化剤供給管3のL字の一辺が管2と同軸になるようにして錯化剤供給管3が配置され、この配置部分よりも下流側の管2の内部に、ホルマリン供給管4のL字の一辺が管2と同軸になるようにしてホルマリン供給管4が配置されている。錯化剤供給管3及びホルマリン供給管4から、それぞれ錯化剤及びホルマリンが、管2の流路の下流側に向けて供給される。銀粉製造装置1は、管2のホルマリン供給管4が配置された部分よりも下流側に、表面処理剤を供給するための表面処理剤供給管5を備えている。表面処理剤を供給するための表面処理剤供給管5は、ホルマリン供給管4が配置された部分よりも上流側に配置されていてもよく、例えば錯化剤供給管3とホルマリン供給管4の間に配置されていることができる。
銀粉製造装置は、銀含有溶液を流す管を、管の内周に沿って径方向外側に向いた開口を有するスリットが設けられた管とし、スリットにホルマリンを供給するためのホルマリン供給管が接続している構造を有するものであってもよい。ホルマリン供給管は少なくとも2本以上あることが好ましい。このような構造を有する装置を用いることにより、ホルマリンがスリットから管内に、管の外周全体から略垂直(例えば、75度以上105度以下)に入るようにすることができる。
図2は、スリットから管内にホルマリンを供給するホルマリン添加部を備えた銀粉製造装置の一例の模式図である。
図2では、銀粉製造装置1は、銀含有溶液を流す管2、錯化剤を供給する錯化剤供給管3、ホルマリンを供給するホルマリン添加部材10を有する。ホルマリン添加部材10にはホルマリン供給管14a及び14bが偏心して接続している。ホルマリン供給管14a及び14bから供給されたホルマリンは、管2に設けられたスリットから管内に、管の外周全体から入る。図2の銀粉製造装置1は、管2のホルマリン添加部材10よりも上流側に表面処理剤を供給するための表面処理剤供給管5を備えているが、表面処理剤供給管5は下流側に配置されていてもよい。
<導電性ペースト>
本発明の球状銀粉は、印刷性及び低温焼結性に優れた導電性ペーストをもたらすことができ、積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池を含む各種電子部品の電極や回路などに使用する導電性ペーストとして好適である。
本発明の導電性ペーストは、本発明の球状銀粉と、有機バインダ及び溶剤を含有することができる。
有機バインダは、特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、セルロース系樹脂(エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上の任意の比率での組み合わせでもよい。
溶剤は、特に限定されず、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、テキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶剤;ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル等のエステル系溶剤;トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらは単独でも、2種以上の任意の比率での組み合わせでもよい。
導電性ペースト中の本発明の球状銀粉の含有量は、80質量%以上とすることができ、好ましくは85質量%以上であり、また、95質量%以下とすることができ、好ましくは90質量%以下である。
導電性ペースト中の有機バインダの含有量は、0.1質量%以上とすることができ、好ましくは0.2質量%以上であり、また、0.4質量%以下とすることができ、好ましくは0.3質量%以下である。
導電性ペースト中の溶剤の含有量は、6質量%以上とすることができ、好ましくは7質量%以上であり、また、20質量%以下とすることができ、好ましくは15質量%以下である。
導電性ペーストは、任意成分として、ガラスフリット、分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、スリップ剤等を含有することができる。太陽電池の電極の製造に用いられる導電性ペーストは、ガラスフリットを含有することが好ましく、例えば、Pb-Te-Bi系、Pb-Si-B系等のガラスフリットが挙げられる。
導電性ペーストの製造方法は、特に限定されず、本発明の球状銀粉、有機バインダ、溶剤及び場合により任意成分を混合する方法が挙げられる。混合の方法は、特に限定されず、例えば、自公転式攪拌機、超音波分散、ディスパー、3本ロールミル、ボールミル、ビーズミル、2軸ニーダー等を用いることができる。
本発明の導電性ペーストは、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、フォトリソグラフィ法等の印刷、ディッピング等により、基板上に塗布し、塗膜を形成することができる。レジストを利用したフォトリソグラフィ等により、塗膜を所定パターン形状としてもよい。
塗膜を焼成して導電膜を形成することができる。焼成は、大気雰囲気下で行っても、窒素等の非酸化性雰囲気下で行ってもよい。
本発明の球状銀粉は、低温焼結性に優れており、塗膜の焼成温度を600℃以上800℃以下とすることができ、好ましくは690℃以上760℃以下である。焼成時間は、20秒以上1時間以下とすることができ、好ましくは40秒以上であり、また、好ましくは20分以下、さらに好ましくは2分以下である。
本発明の導電性ペーストは、積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池を含む各種電子部品の電極や回路の形成に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
[銀粉の評価]
実施例・比較例の銀粉の評価は以下のようにして行った。
<真密度>
真密度は、乾式自動密度計(マイクロメリティクス社製、装置名:AccuPyc(アキュピック)II 1340)を用いて、定容積膨張法(日本薬局方における「気体ピクノメータ法」)により測定した。真密度の測定では、外部と繋がっていない銀粒子内部に閉じた空隙を密度に含む形で測定される。
<BET比表面積>
BET比表面積は、全自動比表面積測定装置(マウンテック社製、装置名:Macsorb HM-model 1210)を用いた。銀粉を装置内に入れ、60℃で10分間He-N混合ガス(窒素30%)を流して脱気した後、BET一点法により測定した。
<D10、D50、D90
10、D50、D90は、マイクロトラック粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、装置名:MT-3300EXII)を用いて、レーザー回折法湿式サンプル測定により測定を行った。測定に当たり、試料(銀粉)0.1gをイソプロピルアルコール(IPA)40mLに加えて分散した。分散には、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製、装置名:US-150T;19.5kHz、チップ先端直径18mm)を用いた。分散時間は、2分間とした。分散後の試料を上記装置に供し、付属の解析ソフトにより粒度分布を求めた。
<銀粉の強熱減量(Ig-Loss)>
強熱減量は、試料(銀粉)2gを秤量して磁性るつぼに入れ、800℃で恒量となるのに十分な時間として30分間強熱した後、試料を冷却し、秤量して加熱後の質量(w)を求め、以下の式により、強熱減量(%)を算出した。
強熱減量(%)=(2-w)/2×100
不明分は、強熱減量から下記の<炭素、窒素及び酸素の各含有量>の測定方法により、測定して得られた炭素、窒素及び酸素の各含有量の測定値を差し引いた数値である。
<炭素、窒素及び酸素の各含有量>
炭素、窒素及び酸素の各含有量は、以下のようにして測定した。
炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置(堀場製作所製、装置名:EMIA-810)を使用し、試料(銀粉)を酸素気流中で1350℃に加熱して溶融させたときに発生するCOとCOを赤外線吸収法で測定し、測定値から換算した。測定に用いる試料(銀粉)の量は、予備測定により、標準試料との強度を比較し、検量線範囲内に入る範囲の量とした。
窒素の含有量は、酸素・窒素・水素同時分析装置(LECO社製、装置名:ONH836)を使用し、インパルス炉の電力値を4,000Wとしてヘリウム又はアルゴン雰囲気中において、試料(銀粉)0.20g中の窒素含有量を、熱伝導法により測定した
酸素の含有量は、酸素・窒素・水素同時分析装置(LECO社製、装置名:ONH836)を使用し、インパルス炉の電力値を4,000Wとしてヘリウム又はアルゴン雰囲気中において、試料(銀粉)0.05g中の酸素含有量を、赤外線吸収法により測定した。
<タップ密度>
タップ密度(TAP)は、タップ密度測定装置(柴山科学社製、装置名:カサ比重測定装置SS-DA-2)を使用して求めた値を採用した。タップ密度の測定は、以下のようにして行った。銀粉30gを秤量して20mLの試験管に入れ、落差20mmで1000回タッピングした。そして、タッピング後の試料容積(cm)を求めた。タップ密度(g/cm)は、次式により求める。
タップ密度(g/cm)=30(g)/タッピング後の試料容積(cm
[銀粉の作製]
実施例・比較例の銀粉の作製は以下のようにして行った。
<実施例1>
図1に示す装置を用いて銀粉を製造した。
銀濃度0.13モル/Lの硝酸銀水溶液を、液温25.7℃で、管2(内径20mm)に流量21.5L/minで導入し、その約1秒後から同軸二重管である錯化剤供給管3(内径6mm)から9.4質量%のアンモニア水溶液を流量2.3L/minで導入し、管2内で銀アンミン錯体を生成した。硝酸銀水溶液の量は、錯化剤・ホルマリン・表面処理剤を添加した後の総液量中の銀濃度が0.1モル/Lとなる量である。
アンモニア水溶液の添加から約2.23秒後に同軸二重管であるホルマリン供給管4(内径6mm、外径8mm)から、ホルマリン(17.4質量%ホルムアルデヒド水溶液)を流量2.5L/minで導入し、銀粉を析出させた。ホルマリン添加位置直前におけるホルマリン添加前の銀錯体溶液の流速は、1.50m/sであり、ホルマリンの流速は1.50m/sであった。
ホルマリンの添加から約1秒後に、表面処理剤供給管5より、表面処理剤(0.17質量%セロゾール水溶液。セロゾール920(中京油脂株式会社製、ステアリン酸15.5質量%含有))を流量2.5L/minで導入した。銀に対するステアリン酸の添加量(目標値)が0.18質量%となる量である。このようにして銀粉含有スラリーを得た。上記において、アンモニア水溶液添加位置からホルマリン添加位置までは1.8mとし、ホルマリン添加位置から表面処理剤の添加位置までは1.6mとした。
管2から銀粉含有スラリーを放出した。得られた銀粉含有スラリーを固液分離し、得られた固形物を純水で洗浄して、固形物中の不純物を除去した。この洗浄の終点は、洗浄後の水の電気伝導度により判断することができ、この電気伝導度が0.5mS/m以下になるまで洗浄し、乾燥させた後、解砕して、310gの銀粉を得た。表面処理剤の添加から放出までの時間は1~2秒であった。その他の作製条件及び評価結果を表1及び2に示す。
実施例1の銀粉のSEM写真(10000倍)を図3A(真空乾燥前)及び図3B(真空乾燥及び解砕処理後)に示す。また、図3Cには、銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の粒子断面の電界放出型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)(20000倍)を示す。図3Cより、粒子内部に空隙が存在することわかる。
<実施例2>
実施例2の銀粉の作製においては、表面処理剤供給管5の設置位置を、錯化剤供給管3とホルマリン供給管4の間に表面処理剤供給管5を設置するように変更し、ホルマリン添加前に、表面処理剤を添加した。ホルマリン添加前の表面処理剤添加位置からホルマリン添加位置までは17.5cmとした。その他の作製条件は表1に示すとおりとし、実施例1と同様にして実施例2の銀粉を作製した。評価結果を表2に示す。
実施例2の銀粉のSEM写真(10000倍)を図4A(真空乾燥前)及び図4B(真空乾燥及び解砕処理後)に示す。また、図4Cには、実施例2の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の粒子断面のFE-SEM写真(20000倍)を示す。図4Cより、粒子内部に空隙が存在することわかる。
<実施例3~6>
実施例3~6の銀粉の作製においては、図2に示す銀粉製造装置を用いた。管2の内周(管内径20.6mm)に沿って径方向外側に向いた開口を有するスリット(スリット幅0.44mm)を設け、該スリットにホルマリンの供給管14a及び14bを偏心して接続させたホルマリン添加部材10(表1においてスリットと記載)を有する装置を用いて、ホルマリンを管2の全周から管内に添加した。ホルマリン添加部材10と錯化剤供給管3の間に表面処理剤供給管5を設置し、表面処理剤をホルマリン添加前に表面処理剤を添加するようにした。実施例5のホルマリン添加部材10では、管内径21.4mmの管2を使用した。実施例5及び6では、硝酸銀水溶液の導入位置に流れに回転を与えるミキサーを配置して液混合を行った。なお、アンモニア水溶液添加位置からホルマリン添加位置までは2.1mとし、ホルマリン添加前の表面処理剤添加位置からホルマリン添加位置までは17.5cmとした。その他の作製条件は表1に示すとおりとし、実施例1と同様にして実施例3~6の銀粉を作製した。評価結果を表2に示す。
実施例3~6の銀粉のSEM写真(10000倍)を図5A~図8A(真空乾燥前)及び図5B~8B(真空乾燥及び解砕処理後)に示す。また、図5C~図8Cには、実施例3~6の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の粒子断面のFE-SEM写真(20000倍)を示す。図5C~図8Cより、実施例3~6の銀粉では粒子内部に空隙が存在することわかる。
<実施例7>
表1に示す作製条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の銀粉を作製した。評価結果を表2に示す。実施例7の銀粉のSEM写真(10000倍)を図9A(真空乾燥前)及び図9B(真空乾燥及び解砕処理後)に示す。また、図9Cには、実施例7の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の粒子断面のFE-SEM写真(20000倍)を示す。図9Cより、粒子内部に空隙が存在することわかる。
<比較例1>
比較例1の銀粉の作製においては、図1に示す銀粉製造装置(ただし、錯化剤供給管3を備えていない)を用いた。タンク(図示せず)内において硝酸銀水溶液とアンモニア水溶液を事前混合し、銀濃度0.12モル/Lとアンモニア濃度0.51モル/Lになるように銀アンミン錯体水溶液を調製した。調製してから約5分後に、図1の銀粉製造装置(ただし、錯化剤供給管3を備えていない)に銀含有溶液の代わりに銀アンミン錯体水溶液を液温30.4℃で、管(内径20mm)に流量25.6L/minで導入した。
銀アンミン錯体水溶液の導入から約4秒後に、同軸二重管の内管(内径6mm、外径8mm)からホルマリン(18.5質量%水溶液)を流量2.5L/minで導入し、銀粉を析出させた。
次いで、表面処理剤(0.17質量%セロゾール水溶液。セロゾール920(中京油脂株式会社製、ステアリン酸15.5質量%含有)を、管に接続した供給管(内管6mm)から供給した。
管から銀含有スラリーを放出し、実施例1と同様にして処理した。その他の作製条件及び評価結果を表1及び2に示す。比較例1の銀粉のSEM写真(10000倍)を図10A(真空乾燥前)及び図10B(真空乾燥及び解砕処理後)に示す。また、図10Cには、比較例1の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の粒子断面のFE-SEM写真(20000倍)を示す。
<比較例2>
表面処理剤をホルマリン添加前に添加したこと以外は、比較例1と同様にして比較例2の銀粉を作製した。評価結果を表2に示す。
比較例2の銀粉のSEM写真(10000倍)を図11A(真空乾燥前)及び図11B(真空乾燥及び解砕処理後)に示す。また、図11Cには、比較例2の銀粉(真空乾燥及び解砕処理後)の粒子断面のFE-SEM写真(20000倍)を示す。
Figure 2023164095000001
Figure 2023164095000002
[熱機械的分析(TMA)]
実施例・比較例の銀粉を用いて、ペレット成形機により荷重50kgfを1分間加えて)略円柱形(直径5mm)のペレットを作製し、このペレットを熱機械的分析(TMA)装置(株式会社リガク製、装置名:TMA8311)にセットし、大気雰囲気中において常温から昇温速度10℃/分で900℃まで昇温した。常温の時のペレットの長さa、最も収縮した時のペレットの長さbとして、差(a-b)に対するペレットの長さの減少量cから、下記式により熱収縮率を算出した。熱収縮率が10%、20%、50%及び90%となった温度を求め、熱膨張を評価した。
熱収縮率=c×100/(a-b)
表3に、実施例1~4、6~7、比較例1~2の銀粉について、熱収縮率が10%、20%、50%及び90%となった温度を示す。
Figure 2023164095000003
実施例1、比較例1及び2の熱収縮率の測定結果のチャートを図12に示す。チャートの縦軸は、常温の時のペレットの長さと最も収縮した時のペレットの長さとの差に対するペレットの長さの変化(収縮)量の割合である。
[導電性ペーストの作製]
実施例1~6、比較例1~2の銀粉を使用して、以下のようにして導電性ペーストを調製した。
実施例・比較例の銀粉を、下記の表4に示す組成比とした表4に示す物質に対して、以下の処理をおこなうことにより、導電性ペーストを得た。プロペラレス自公転式撹拌脱泡装置(シンキ―社製、AR310)を用いて1400rpmで30秒撹拌し混合した後、3本ロール(EXAKT社製、80S)を用いて、ロールギャップを100μmから20μmまで通過させて混練した。
Figure 2023164095000004
[印刷性(細線印刷性)の評価]
細線評価(EL)は、導電パターンを形成して評価した。導電パターンの形成は以下のように行った。まず、太陽電池用シリコン基板(100Ω/□)上に、スクリーン印刷機(マイクロテック社製、MT-320TV)を用いて、基板裏面にアルミニウムペースト(Rutech社製、28D22G-2)を用いて154mmのベタパターンを形成した。次に、実施例・比較例の銀粉を用いて作製した上記の導電性ペーストを500メッシュにてろ過した後、基板表面側に、図13に示すパターンで、14μmから26μmの線幅の電極(フィンガー電極)と幅1mmの電極(バスバー電極)をスキージ速度350mm/secにて印刷(塗布)を行った。200℃で10分間の熱風乾燥を行った後、高速焼成炉IR炉(日本ガイシ社製、高速焼成試験4室炉)を用いて、ピーク温度750℃、インアウト時間41秒の焼成を行い、導電パターンを得た。
導電パターンを得た後、EL/PL評価装置(株式会社アイテス製 PVX330+POPLI-3C)を用いて、電極の断線有無の確認を行った。なお、EL/PL評価装置では、バスバー電極に電流を流してEL(エレクトロルミネッセンス)評価を行った。バスバー電極間の電極(フィンガー電極)に断線があった場合に、断線がある位置での発光がなく黒色に見える。図14~21に実施例1~6、比較例1~2の銀粉を使用した導電性ペーストのEL評価結果を示す。比較例の銀粉を使用した導電性ペーストでは、線幅が細いほど断線によって発光していない黒色部分が多くみられた結果となっており、実施例の銀粉を使用した導電性ペーストの方が細線印刷可能であることがわかる。焼成時のピーク温度を690℃、710℃とした場合でも、実施例の方が断線が少なくより細い線幅での発光が得られており細線印刷可能であった。
[体積抵抗率の測定]
実施例1~6、比較例1~2の銀粉を使用した導電性ペーストについて、導電膜を作製し、体積抵抗率を測定した。導電膜の作製は、以下のように行った。
体積抵抗率評価用サンプルは、導電性ペーストをスクリーン印刷することにより作製した。印刷機はマイクロ・テック株式会社製、MT-320を使用し、マスクは株式会社ムラカミ製(250メッシュ、乳剤厚10μm)で、線幅0.5mm、長さ128mmのジクザクデザインを使用した。印刷時、スキージ速度は、40mm/s、印圧は0.18MPaとした。印刷対象は太陽電池用Si基板を1インチ角に加工したものを使用した。
印刷したサンプルを、200℃設定の熱風乾燥機(ESPEC社製、LC-114)に投入し、5分間静置して乾燥させた。乾燥後、高速焼成試験炉(NGK社製、太陽電池焼成炉)にて、1インチ基板のピーク温度が690℃、710℃、740℃となるように設定し焼成し、導電膜を得た。
体積抵抗率の評価は、得られた導電膜の線抵抗をデジタルマルチメーター(ADVANTEST社製、7451A)で測定し、導電膜の断面積の平均値をレーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK-X1000)で測定し、線抵抗(Ω)に断面積の平均値を乗じて、導電膜の長さで除して、体積抵抗率(μΩ・cm)を求めた。結果を表5に示す。
Figure 2023164095000005
いずれの焼成温度で作製した導電膜についても、実施例の方が低い体積抵抗率を示し、実施例の銀粉を使用した導電性ペーストが低温焼結性に優れていることがわかる。
本発明によれば、導電性ペースト等に用いた場合に、優れた印刷性及び低温焼結性をもたらすことが可能な球状銀粉が、その製造方法及び製造装置とともに提供される。
1 銀粉製造装置
2 管
3 錯化剤供給管
4 ホルマリン供給管
5 表面処理剤供給管
10 ホルマリン添加部材
14a ホルマリン供給管
14b ホルマリン供給管

Claims (13)

  1. BET径DBETに対する、レーザー回折法による体積基準の累積50%径D50の比(D50/DBET)が、0.9以上1.2以下であり、かつ粒子内部に空隙を有する、球状銀粉。
  2. 真密度が9.0g/cm以上10.0g/cm以下である、請求項1に記載の球状銀粉。
  3. 前記D50が0.2μm以上3.5μm以下である、請求項1に記載の球状銀粉。
  4. BET比表面積が0.17m/g以上3.23m/g以下である、請求項1に記載の球状銀粉。
  5. 強熱減量から、炭素、窒素及び酸素の含有量を引いた値が、0.10質量%未満である、請求項1に記載の球状銀粉。
  6. 炭素含有量に対する酸素含有量の比が1.5以上である、請求項1に記載の球状銀粉。
  7. 銀含有溶液を流路に流し、その流路の途中の錯化剤添加位置で錯化剤を前記流路に添加し、錯化剤添加位置よりも下流のホルマリン添加位置でホルマリンを前記流路に添加し、前記流路内で銀粉を還元析出させる、球状銀粉の製造方法。
  8. 前記錯化剤添加位置から前記ホルマリン添加位置まで、前記銀含有溶液が流れるのに要する時間が0.1秒以上10秒以内である、請求項7に記載の球状銀粉の製造方法。
  9. 前記錯化剤添加位置と前記ホルマリン添加位置の間、又は前記ホルマリン添加位置の下流側で、表面処理剤を前記流路に添加する、請求項7に記載の球状銀粉の製造方法。
  10. 前記ホルマリンの添加を、前記ホルマリン添加位置で複数の方向から行い、前記複数の方向がそれぞれ流路に対して75度以上105度以下の角度をなす、請求項7~9のいずれか一項に記載の球状銀粉の製造方法。
  11. 銀含有溶液に錯化剤とホルマリンを添加して銀粉を還元析出される銀粉製造装置であって、前記銀含有溶液の流路を形成する管と、前記管に接続する錯化剤添加部と、前記錯化剤添加部より下流側で管に接続するホルマリン添加部とを有する、球状銀粉製造装置。
  12. 請求項1~6のいずれか一項に記載の球状銀粉と、有機バインダ及び溶剤を含有する導電性ペースト。
  13. 太陽電池の電極形成用である、請求項12に記載の導電性ペースト。

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