JP6174301B2 - 銀粉および導電性ペースト - Google Patents

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本発明は、銀粉に関し、積層コンデンサの内部電極や回路基板の導体パターン、プラズマディスプレイパネル用基板の電極や回路などの電子部品に使用する焼成型導電性ペースト用に好適な銀粉とその製造方法、並びに当該銀粉を用いた導電性ペーストに関する。
積層コンデンサの内部電極、回路基板の導体パターン、太陽電池やプラズマディスプレイパネル(PDP)用基板の電極や回路などの電子部品に使用する導電性ペーストとして、銀粉をガラスフリットとともに有機ビヒクル中に加えて混練することによって製造される焼成型導電性ペーストが使用されている。
電子部品の小型化、導体パターンの高密度化、ファインライン化などに対応するため、焼成型導電性ペーストによる硬化膜には、焼成前から焼成後において膨れを生じないことが求められる。さらに、当該焼成型導電性ペースト用の銀粉には、粒径が1μmまたは、それ以上で、粒度が揃い、高い分散性を有すること、等が要求される。
このような導電性ペースト用の銀粉を製造する方法としては、銀塩含有水溶液へ、アルカリまたは錯化剤を添加して、酸化銀含有スラリーまたは銀錯体含有水溶液を生成させた後、還元剤としてヒドロキノン等の多価フェノールを添加することにより、銀粉を還元析出させて、その後に乾燥させる方法が知られている(特許文献1、非特許文献1)。
また、還元剤としてヒドラジンを用いた銀粉の製法についても知られている。ヒドラジンを還元剤とした銀粉の製法は、ヒドラジンの分解性が良いため、排水処理は比較的容易である。しかし、製造される銀粉は凝集したサブミクロン粒子や、角ばったミクロンサイズ粒子の混合物となり易い。そこで、製造される銀粉の粒径制御性や分散性を向上させる目的で、銀粒子生成の際、ビニル系高分子化合物を添加する製造方法が知られている(特許文献2)。しかし、本発明者らの検討によると、この銀粉粒子には、銀粉のハンドリングや、ペースト中において銀粒子の分散性を担保する為に必要な表面処理剤の他に、製造工程に由来する各種の有機物質が存在している。そのため、当該製造方法で製造された球状銀粉を用いた焼成型導電性ペーストを焼成して硬化膜を生成した場合、銀粉内部に含まれる有機物の揮発によって、当該硬化膜に膨れを生じてしまう場合が有る。当該硬化膜に膨れが生じると、硬化膜内部が疎な状態となり電気抵抗値が増大してしまい、さらに回路のショートの原因となる場合もある。
一方、本発明者らは、銀粒子生成の際、ヒドラジンを添加する前にポリエチレンイミン(本発明において「PEI」と記載する場合がある。)を添加することによって、粒子径が0.5〜3μm程度の球状銀粉を製造できることを開示した(特許文献3)。しかし、本発明者らの検討によると、当該球状銀粉を用いた導電性ペーストを焼成した際にも、生成した硬化膜に膨れを生じて導電性が低下してしまう場合が有る。
特開平8−92612号公報 特開昭63−213606号公報 特開2009−221591号公報
資源と素材110(1994),No.14,P.1121〜1126
本発明は、上述の状況の下で為されたものであり、その解決しようとする課題は、焼成型導電性ペーストの焼成の際、膨れが生じない導電性塗膜、当該導電性ペーストに用いられる銀粉およびその製造方法を提供することである。
上述の課題を解決する為、本発明者らは鋭意研究を行った。その結果、還元剤を用いた液相還元法による銀粉製造において、含銀溶液への還元剤の添加前または添加と一緒に高分子アミンを添加する構成、および、当該添加する高分子アミンは、第一アミンおよび/または第二アミンを有し平均分子量600以下のものを用い、添加量も所定限度以下とする構成を見出した。そして当該構成を実施することで、銀粉のハンドリングの為に必要な表面処理剤が存在し、50〜900℃における最大熱膨張率が0.3%以下であり、かつ、BET値(比表面積)が0.1m/g以上、0.9m/g以下である銀粉を製造できることを知見し、本発明を完成した。
即ち、上述の課題を解決する為の第1の発明は、 表面処理剤が存在し、50〜900℃の範囲において、50℃における値を基準とした熱膨張率の最大値が0.3%以下であり、かつ、BET値(比表面積)が0.1m/g以上0.9m/g以下であり、
前記表面処理剤は、ジクロロメタンからなる有機溶媒に溶解し、前記表面処理剤が存在する銀粉を溶解した水溶液と有機溶媒との混合物を水相と有機相とに分液した場合には、有機相へ移行する表面処理剤であって、
前記有機相中の有機溶媒を蒸発乾燥した後に、炭素分析により求められる炭素量から表面処理剤量を定量した場合に、強熱減量差(質量%)=[強熱減量値(質量%)−表面処理剤量(質量%)]として定義される強熱減量差の値が0.1質量%以下であることを特徴とする銀粉である。
但し、前記強熱減量値とは、前記表面処理剤が存在する銀粉の秤量値をw1、当該秤量された銀粉を800℃、30分間加熱した後、室温まで冷却した後の再度の秤量値をw2としたとき、強熱減量値(質量%)=(w1−w2)/w1×100で定義される値であり、
前記表面処理剤量とは、前記表面処理剤が存在する銀粉を酸溶解した銀溶液へ、有機溶媒としてジクロロメタンを添加して前記表面処理剤を有機相へと移行させた後、水相と有機相とに分液後の前記有機相中の前記表面処理剤を多孔質ボードに吸着させ、前記有機溶媒を蒸発乾燥させた後の、前記多孔質ボードから炭素量を測定することで求めた表面処理剤量(質量%)の値である。
第2の発明は、
累積粒度分布D50が、1μm以上8μm以下であることを特徴とする第1の発明に記載の銀粉である。
第3の発明は、
第1または第2の発明に記載の銀粉を含むことを特徴とする導電性ペーストである。
本発明に係る銀粉は50〜900℃における熱膨張率が小さく、焼成の際に熱膨張しない焼成型導電性ペーストを調製することが出来る。
(a)本発明に係る銀粉の温度と、熱膨張率との関係を示すグラフである。(b)上記(a)の要部を拡大したグラフである。 実施例2に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 実施例2に係る銀粉の累積粒度分布測定結果である。 比較例5に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。 比較例6に係る銀粉の10000倍のSEM写真である。
本発明に係る銀粉について、熱膨張率、BET値、強熱減量差、および粒度分布と、その測定方法について説明し、次に、本発明に係る銀粉および焼成型導電性ペーストの製造方法について説明する。
(本発明に係る銀粉の熱膨張率)
本発明に係る銀粉は、50〜900℃の範囲における熱膨張率測定において、50℃における値を基準とした熱膨張率の最大値が0.3%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。この結果、本発明に係る銀粉を用いた焼成型導電性ペーストから生成した硬化膜は、焼成時において膨れを生じることがない。この結果、本発明に係る銀粉を用いた焼成型導電性ペーストを用いた場合、生成した硬化膜において回路ショートが発生せず、且つ、電気抵抗値が低く保たれる。
本発明に係る銀粉の熱膨張率の測定(熱膨張率測定)は、50〜900℃の範囲における熱膨張率測定において、50℃の時を基準とした熱膨張率を測定するものである。本発明では、当該温度域における銀粉の熱膨張率の最大値が0.3%以下である場合、熱膨張がないと判断した。
具体的には、熱膨張率測定装置(マックサイエンス/ブルカーエイエックス社製のDILATO METAER 5000型)を使用した。そして、金型に入れた銀粉に圧力250kg/cmを加えて一軸成形した直径5mmのペレット状の銀粉試料を、50℃から900℃まで昇温速度10℃/分で加熱した場合の試料の長さを測定し、(式3)により熱膨張率を求めた。
50℃からT℃まで昇温した際における熱膨張率(%)=(L−L50)/L50×100・・・(式3)
ここで、L50は、試料温度50℃におけるペレット状の銀粉試料の長さ(mm)であり、
は、試料温度T℃におけるペレット状の銀粉試料の長さ(mm)である。
(本発明に係る銀粉のBET値(比表面積))
後述する銀粉の製造方法により製造した、本発明に係る銀粉のBET値(比表面積)は、0.1m/g以上、0.9m/g以下である。
当該BET値を有する銀粉は、焼成型導電性ペースト用銀粉に適しており好ましい。
具体的には、BET値が0.1m/g以上であると、銀粉と樹脂溶剤とが分離し難くなり、良好な導電性ペーストを得ることができる為である。一方、BET値(比表面積)が0.9m/g以下であれば、ペースト作製時に高粘度とならず、必要な樹脂量が多くならずに、銀含有量を増量出来、良好な導電性ペーストを得ることが出来るからである。
本発明に係る銀粉のBET値は、モノソーブ(カウンタクローム(QuantaChrome)社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定した。尚、当該BET値測定において、測定前の脱気条件は60℃、10分間とした。
(本発明に係る銀粉の強熱減量差)
本発明に係る銀粉の強熱減量差は0.1質量%以下である。
強熱減量差が0.1質量%以下であることは、本発明に係る銀粉表面において、当該銀粉に必要な表面処理剤以外の有機物質の量が0.1質量%以下であることを意味している。
表面処理剤以外の有機物質の量が0.1質量%以下であることにより、本発明に係る銀粉は、50〜900℃の範囲において50℃の時を基準とした熱膨張率の最大値が0.3%以下となる。そして、本発明に係る銀粉を用いて製造した焼成型導電性ペーストから生成した硬化膜は、焼成の際に熱膨張しないので電気抵抗値の上昇や回路ショートがみられない。
ここで、本発明に係る銀粉の強熱減量差の測定方法について説明する。
本発明に係る銀粉の「強熱減量差」は下記(式1)で定義される。
強熱減量差(質量%)=[強熱減量値(質量%)−表面処理剤量値(質量%)]・・・(式1)
(式1)より、強熱減量差を求める為には、強熱減量値(質量%)と表面処理剤量値(質量%)とを測定する必要がある。以下、強熱減量値、表面処理剤量値の順に説明する。
〈強熱減量値の測定〉
強熱減量値の測定は、銀粉試料(例えば、2g)を準備して精密に秤量(秤量値:w1)して磁性るつぼに入れ、800℃で加熱する。さらに恒量になるまで30分間加熱した後、冷却し、再度秤量(秤量値:w2)する。当該w1、w2を下記(式2)に代入し、強熱減量値を求めることが出来る。
強熱減量値(質量%)=(w1−w2)/w1×100・・・(式2)
〈表面処理剤量値の測定〉
本発明に係る銀粉を所定量(例えば、2g)準備して精密に秤量する。当該精秤した銀粉へ酸を添加し銀溶液とする。添加する酸としては、濃度6M〜12Mの硝酸等が好ましく使用できる。酸の添加量は、精秤した銀粉の反応当量に比して過剰量を加える。例えば、濃度6M〜10Mの硝酸を添加するなら20mlを加える。当該溶解の際、混合物の温度が50℃以下を保つように留意し、銀溶液のpH値は3以下とすることが好ましい。
銀溶液の液温が常温(25℃)となったら、ここへ、後述する本発明に係る表面処理剤を溶解可能であり、25℃で液体であり、沸点50℃以下であり、水に不溶である有機溶媒(例えば、ジクロロメタンが好ましい。)を、銀溶液量と同量程度添加し十分に撹拌する。当該構成により、表面処理剤は、安定的に有機相へ移行する。そこで当該銀溶液と有機溶剤との混合物を、遠心分離法等により水相と有機相とに分液する。分液が完了したら水相と有機相とを分け、有機層から試料を所定量(例えば、2ml)分取する。
当該分取試料を多孔質ボードに含浸させた後、当該多孔質ボードを加熱して有機溶媒を蒸発乾燥させて乾固させる。当該乾固させた多孔質ボードを、炭素分析計に装填し炭素量を測定する。尚、当該炭素分析計は、既知量の表面処理剤を含有する標準試料により予め校正し、検量線を作成しておく。
測定された炭素量から、本発明に係る銀粉に含有された表面処理剤量値の定量を行うことが出来る。この分析により銀粉に表面処理剤が存在するか、をも判定できる。
(本発明に係る銀粉の粒度分布)
後述する製造方法により製造された本発明に係る銀粉は、当該銀粉を構成する銀粒子の D50が1〜8μmであり、(D90−D10)/D50の値が1.5以下である銀粉である。
つまり、粒度分布のピーク幅が狭く、粒径のばらつきが少なく、揃った銀粉である。
本発明に係る銀粉を構成する銀粒子の粒度分布測定は、湿式レーザー回折式の粒度分布測定に依った。
湿式レーザー回折式の粒度分布測定は、銀粉0.3gをイソプロピルアルコール30mLに加え、出力45Wの超音波洗浄器により5分間分散させた。そして当該分散液中の銀粒子の粒度分布を、マイクロトラック粒度分布測定装置(ハネウエル(Haneywell)−日機装製9320HRA(X−100))を用いて測定した。当該測定結果をグラフ化し、銀粒子の粒度分布の頻度と累積を求めた。そして、累積10%粒径をD10、累積50%粒径をD50、累積90%粒径をD90と表記した。
(本発明に係る銀粉の製造方法)
本発明に係る銀粉の製造方法について説明する。
まず、水溶性の銀塩として、例えばAgNO水溶液を準備する。当該AgNO水溶液の濃度は、0.01〜10mol/Lであることが好ましい。次に、当該AgNO水溶液へ等モル量以上のアンモニア水を添加して、銀のアンミン錯体を形成させ、本発明に係る銀イオンを含有する水性反応系を得る。
当該銀イオンを含有する水性反応系の液温は5〜80℃とすることが好ましく、20〜40℃であればさらに好ましい。
尚、本明細書において、AgNO、銀錯体または銀中間体を含有する水溶液等の銀イオンを含有する水溶液、および、当該銀イオンを含有する水溶液を、「銀イオンを含有する水性反応系」と記載する場合がある。
硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して得られる銀アンミン錯体水溶液は、生成する銀粉が適当な粒径と形状とを有するので、好ましい構成である。尚、銀1モル当たりアンモニアを等モル量以上で添加することが望ましい。
上述した銀イオンを含有する水性反応系へ、第一アミンおよび/または第二アミンを有し平均分子量600以下の高分子アミンを添加する。添加量は、銀イオンを含有する水性反応系に含有される銀質量の0.001質量%以上、1質量%未満であることが好ましい。
本発明に係る高分子アミンは、第一アミン(−NH)、第二アミン(=NH)のいずれか一つ、または、両者を共に有する高分子である。本発明に係る高分子アミンによって、分散性の高い銀の粒子が得られる詳細な理由は明らかではないが、当該高分子アミンが有する第一アミンおよび/または第二アミンと、当該高分子アミンの大きな分子長とが、銀イオンと錯体を形成することで当該銀イオンの還元速度を適度に緩和すること、および、高分子アミンの大きな分子長が粒子同士の結合を抑制することによると考えられる。
ここで、本発明に係る好ましい高分子アミンの具体例としては、アミノ化合物、イミン化合物が挙げられる。中でもPEI(ポリエチレンイミン)が好ましい。特に、イミン化合物であるPEIは、その構造が分子中に第一アミンおよび第二アミンの両者を共に有する網状構造であり、本発明において好ましい結果を与える。
本発明に係る高分子アミンは、平均分子量が1000未満であることが好ましく、145以上、600以下であればさらに好ましい。これは、高分子アミンの平均分子量が145以上あると、上述した分散性の高い銀の粒子が得られるという効果が得られるからである。一方、高分子アミンの平均分子量が600以下であることで、当該高分子アミンの水溶性が担保され、当該高分子アミンが生成した銀粒子の表面および内部に残量することが殆どないと考えられるからである。この結果、後述する本発明に係る銀粉において、強熱減量差を0.1質量%以下にすることが出来たものと考えられる。
ここで、銀イオンを含有する水性反応系へ、還元剤を添加し十分に撹拌し含銀スラリーを得る。
銀イオンを含有する水性反応系への還元剤の添加方法については、生成する銀粉の粒径を揃え、かつ凝集を防ぐために、1当量/min以上の速度で添加することが好ましい。還元剤の添加速度は速いほど好ましく、例えば100当量/min以上の速度であっても良い。また、還元の際には、より短時間で反応を終了させる観点から反応液を攪拌することが好ましい。
還元剤として、ヒドラジン、ホルマリン、水素化ホウ素ナトリウム、ブドウ糖、次亜リン酸等が有るが、中でもヒドラジンが好ましい。
尚、銀イオンを含有する水性反応系へ、高分子アミンと還元剤とを同時に添加することも可能である。銀の結晶析出の前後、または、結晶析出中に添加しても良い。還元剤の添加により銀は結晶析出するため、この還元剤の添加タイミングにより、結晶析出前後、または同時と高分子アミンの添加タイミングを図ることができる。
次に、上記含銀スラリーへ、生成する銀粒子の表面処理剤として分散剤を添加する。
当該分散剤としては、ステアリン酸などの脂肪酸や、アゾール構造を有する化合物の他、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属キレート形成剤、保護コロイド等が使用可能である。
脂肪酸のその他の具体例としては、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
銀粒子の表面処理剤とビヒクルとの組み合わせにより、導電性ペーストにおける銀粉のペーストへのなじみや膜特性が影響を受ける。その為、導電性ペーストの用途や選択されるビヒクルの組成に適した表面処理剤を選択することが好ましい。適宜な表面処理剤を選択することで、導電性が高く、使用用途に適した特性を有するペーストを作製することが可能となる。
表面処理剤を添加後、銀イオンを含有する水性反応系を十分に撹拌した後、熟成させる。
そして、上記含銀スラリーを、ろ過、水洗、乾燥し、乾燥粉を得た。当該乾燥粉を、解砕、分級、篩別等し、本発明に係る銀粉を得る。
得られた本発明に係る銀粉において、熱膨張率の最大値は0.3%以下、BET値は0.1〜0.9m/g、強熱減量差は0.1質量%以下であった。
銀粒子とその表面の観察は、SEM(日本電子製JSM−6100)を使用し、10000倍にて観察を行った。
(焼成型導電性ペースト)
本発明に係る銀粉を用いて、公知の方法により焼成型の導電性ペーストが製造できる。
例えば、本発明に係る銀粉83.4質量%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解し調製したビヒクル16.6質量%との混合物を、3本ロールにより混練することで、本発明に係る焼成型導電性ペーストを得ることが出来る。
作製した本発明に係る焼成型導電性ペーストをアルミナ基板上にスクリーン印刷し、200℃で加熱して脱バインダー後、小型ボックス炉に装填し、昇温速度20℃/minで800℃迄加熱、10分間保持して焼成を行い、その後、室温に戻して、例えば、導体幅500(μm)、抵抗測定長37500(μm)の硬化膜を得る。
そして、表面粗さ形状測定器にて当該硬化膜の膜厚T(μm)を測定し、デジタルマルチメーターで当該硬化膜の実測抵抗値を測定し、(式4)より当該硬化膜の体積抵抗率を算出出来る。
体積抵抗率(μΩ・cm)=導体幅500(μm)×膜厚T(μm)×実測抵抗値(Ω)×100/抵抗測定長37500(μm)・・・(式4)
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
Agを43.16g含有する硝酸銀溶液を3887g準備し、そこへ濃度28質量%のアンモニア水溶液を97.1g加えて銀イオンを含有する水性反応系を調製し、液温を34.5℃とした。
当該銀イオンを含有する水性反応系へ、分子量300のPEIをAg重量に対して0.1質量%(43.16mg)を加え、さらに還元剤としてヒドラジン水溶液7.5gを加え十分に撹拌し、銀粉を含むスラリーを得た。
さらに、得られたスラリーへ0.12質量%のステアリン酸を加え、十分に撹拌した後、熟成させた。
前記により熟成されたスラリーを濾過、水洗し、解砕して実施例1に係る銀粉を得た。
実施例1に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.08質量%、強熱減量値は0.10質量%であった。従って、強熱減量差は0.02質量%であることが判明した。
ここで、実施例1に係る銀粉について熱膨張率と温度との関係を、図1(a)(b)に太実線をもって示す。当該図1(a)は、縦軸に熱膨張率をとり、横軸に温度をとったグラフである。図1(b)は、図1(a)における熱膨張率−10〜+6%、温度100〜600℃の範囲を拡大表示したグラフである。
図1(a)より、実施例1に係る銀粉は50℃における体積に対して、50〜900℃の温度範囲において最大熱膨張率が0.14%であり、熱膨張率はないと判断した。次に、実施例1に係る銀粉のBET値を測定したところ0.17m/gであった。
実施例1に係る銀粉83.4質量%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解し調製したビヒクル16.6質量%との混合物を、3本ロールにより混練することで、実施例1に係る焼成型導電性ペーストを得た。
作製された実施例1に係る焼成型導電性ペーストをアルミナ基板上にスクリーン印刷し、200℃で加熱して脱バインダー後、小型ボックス炉に装填し、昇温速度20℃/minで800℃迄加熱、10分間保持して焼成を行い、その後、室温に戻して、導体幅500(μm)、抵抗測定長37500(μm)の硬化膜を得た。
そして、表面粗さ形状測定器にて当該硬化膜の膜厚T(μm)を測定し、デジタルマルチメーターで当該硬化膜の実測抵抗値を測定し、上述した(式4)より当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.6μΩ・cmであった。
[実施例2]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量600のものとし、Ag重量に対して0.1質量%(43.16mg)を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例2に係る銀粉を得た。
実施例2に係る銀粉のSEM写真(10000倍)を、図2に示す。
実施例2に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.11質量%、強熱減量値は0.11質量%であった。従って、強熱減量差は0.00質量%であることが判明した。
次に、実施例2に係る銀粉のBET値を測定したところ0.16m/gであった。
熱膨張率測定では膨張が観測されないことが判明した。
当該熱膨張率と温度との関係を図1(a)(b)に太長破線をもって示す。実施例2に係る銀粉は50℃における体積に対して、50〜900℃の温度範囲において熱膨張率がマイナスの値であり熱膨張は観測されなかった。
さらに、実施例2に係る銀粉の湿式法による累積粒度分布測定結果を図3に示す。
図3は、横軸に銀粉の粒径を採り、左縦軸に所定粒径を有する銀粉の頻度を、左縦軸に前記頻度の累積を採ったグラフであり、所定粒径を有する銀粉の頻度を棒グラフで、前記頻度の累積を折れ線グラフで記載したものである。
実施例2に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして実施例2に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該実施例2に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.6μΩ・cmであった。
[実施例3]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量600のものとし、Ag重量に対して0.5質量%(215.8mg)を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例3に係る銀粉を得た。
実施例3に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.11質量%、強熱減量値は0.15質量%であった。従って、強熱減量差は0.04質量%であることが判明した。
次に、実施例3に係る銀粉のBET値を測定したところ0.19m/gであった。
熱膨張率測定では50〜900℃の温度範囲において熱膨張率がマイナスの値であり熱膨張が観測されないことが判明した。
実施例3に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして実施例2に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該実施例3に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.6μΩ・cmであった。
[実施例4]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量600のものとし、Ag重量に対して0.005質量%(2.158mg)を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例4に係る銀粉を得た。
実施例4に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.08質量%、強熱減量値は0.09質量%であった。従って、強熱減量差は0.01質量%であることが判明した。
次に、実施例4に係る銀粉のBET値を測定したところ0.12m/gであった。
熱膨張率測定では50〜900℃の温度範囲において熱膨張率がマイナスの値であり熱膨張が観測されないことが判明した。
実施例4に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして実施例4に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該実施例4に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.6μΩ・cmであった。
[実施例5]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量600のものとし、Ag質量に対して0.1質量%(43.16mg)を加え、さらに、当該銀イオンを含有する水性反応系へ、Ag質量に対して0.42質量%のステアリン酸を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例5に係る銀粉を得た。
実施例5に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.30質量%、強熱減量値は0.36質量%であった。従って、強熱減量差は0.06質量%であることが判明した。
次に、実施例5に係る銀粉のBET値を測定したところ0.12m/gであった。
熱膨張率測定では50〜900℃の温度範囲において熱膨張率がマイナスの値であり熱膨張が観測されないことが判明した。
実施例5に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして実施例5に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該実施例5に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.6μΩ・cmであった。
[実施例6]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量600のものとし、Ag質量に対して0.1質量%(43.16mg)を加え、さらに、当該銀イオンを含有する水性反応系へ、Ag質量に対して0.12質量%のベンゾトリアゾールを加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例6に係る銀粉を得た。
実施例6に係る銀粉の表面処理剤(ベンゾトリアゾール)含有量は0.01質量%、強熱減量値は0.07質量%であった。従って、強熱減量差は0.06質量%であることが判明した。
次に、実施例6に係る銀粉のBET値を測定したところ0.17m/gであった。
熱膨張率測定では50〜900℃の温度範囲において最大熱膨張率が0.18%であり、熱膨張はないと判断した。
実施例6に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして実施例6に係る焼成型導電性ペーストを得た。
実施例6に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、2.0μΩ・cmであった。
当該体積抵抗率は、他の実施例に比べやや高い値である。これは、実施例6においては、実施例1等に用いた銀粉の表面処理剤であるステアリン酸を、ベンゾトリアゾールへ代替したのに、ペースト組成は代替しなかった為、当該表面処理剤とペースト組成とが若干不適合であったものと考えられる。従って、ペースト組成を検討し、表面処理剤と適合をとれば、他の実施例と同等の低い体積抵抗率を保つことができると考えられる。
[比較例1]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量1200のものとし、Ag重量に対して0.1質量%(43.16mg)を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例1に係る銀粉を得た。
比較例1に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.10質量%、強熱減量値は0.15質量%であった。従って、強熱減量差は0.05質量%であることが判明した。
次に、比較例1に係る銀粉のBET値を測定したところ0.14m/gであった。
熱膨張率測定では、約380℃において0.47%の膨張が観測された。
当該熱膨張率と温度との関係を図1(a)(b)に細実線をもって示す。
比較例1に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして比較例1に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該比較例1に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.7μΩ・cmであった。
[比較例2]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量1800のものとし、Ag重量に対して0.1質量%(43.16mg)を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例2に係る銀粉を得た。
比較例2に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.10質量%、強熱減量値は0.24質量%であった。従って、強熱減量値は0.14質量%であることが判明した。
次に、比較例2に係る銀粉のBET値を測定したところ0.15m/gであった。
熱膨張率測定では、約250℃において0.40%の膨張が観測された。
当該熱膨張率と温度との関係を図1(a)(b)に細短破線をもって示す。
比較例2に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして比較例2に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該比較例2に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.7μΩ・cmであった。
[比較例3]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量10000のものとし、Ag重量に対して0.1質量%(43.16mg)を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例3に係る銀粉を得た。
比較例3に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.11質量%、強熱減量値は0.33質量%であった。従って、強熱減量差は0.22質量%であることが判明した。
次に、比較例3に係る銀粉のBET値を測定したところ0.15m/gであった。
熱膨張率測定では、約360℃において1.68%の膨張が観測された。
当該熱膨張率と温度との関係を図1(a)(b)に細一点鎖線をもって示す。
比較例3に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして比較例3に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該比較例3に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、2.0μΩ・cmであった。
[比較例4]
銀イオンを含有する水性反応系へ添加するPEIを分子量600のものとし、Ag重量に対して1.00質量%(431.6mg)を加えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例4に係る銀粉を得た。
比較例4に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.09質量%、強熱減量値は0.14質量%であった。従って、強熱減量差は0.05質量%であることが判明した。
次に、比較例4に係る銀粉のBET値を測定したところ0.14m/gであった。
熱膨張率測定では、約350℃において0.62%の膨張が観測された。
比較例4に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして比較例4に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該比較例4に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.7μΩ・cmであった。
[比較例5]
銀イオンを含有する水性反応系へPEIを添加しないこととした以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例5に係る銀粉を得た。
比較例5に係る銀粉のSEM写真(10000倍)を、図4に示す。
比較例5に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.06質量%、強熱減量値は0.15質量%であった。従って、強熱減量差は0.09質量%であることが判明した。
次に、比較例5に係る銀粉のBET値を測定したところ0.91m/gであった。
熱膨張率測定では膨張が観測されないことが判明した。
比較例5に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして比較例5に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該比較例5に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.7μΩ・cmであった。
[比較例6]
銀イオンを含有する水性反応系へPEIを添加しないこととし、さらに、ヒドラジン水溶液7.5gをホルマリン水溶液66.80gに代替した以外は、実施例1と同様の操作を行って、比較例6に係る銀粉を得た。
比較例6に係る銀粉のSEM写真(10000倍)を、図5に示す。
比較例6に係る銀粉の表面処理剤(ステアリン酸)含有量は0.13質量%、強熱減量値は0.58質量%であった。従って、強熱減量差は0.45質量%であることが判明した。
次に、比較例6に係る銀粉のBET値を測定したところ0.32m/gであった。
熱膨張率測定では、約290℃において0.89%の膨張が観測された。
比較例6に係る銀粉を用い、実施例1と同様にして比較例6に係る焼成型導電性ペーストを得た。
当該比較例6に係る焼成型導電性ペーストを、実施例1と同様に焼成して硬化膜を得た。
そして、実施例1と同様に当該硬化膜の体積抵抗率を算出した。すると、焼成された導電性ペーストから生成した硬化膜の体積抵抗率は、1.7μΩ・cmであった。
[比較例7]
比較例6で得た銀粉に対し、150℃、6時間の熱処理を実施し、比較例7に係る銀粉を得た。
比較例7に係る銀粉の強熱減量値は0.86質量%であった。
比較例7に係る銀粉のBET値を測定したところ0.26m/gであった。
熱膨張率測定では、約250℃において0.35%の膨張が観測された。
[比較例8]
比較例6で得た銀粉に対し、100℃、20時間の熱処理を実施し、比較例8に係る銀粉を得た。
比較例8に係る銀粉の強熱減量値は0.67質量%であった。
比較例8に係る銀粉のBET値を測定したところ0.27m/gであった。
熱膨張率測定では、約290℃において3.8%の膨張が観測された。
すなわち、焼成による有機分を除去しても熱膨張が観測されることがわかった。

Claims (3)

  1. 表面処理剤が存在し、50〜900℃の範囲において、50℃における値を基準とした熱膨張率の最大値が0.3%以下であり、かつ、BET値(比表面積)が0.1m/g以上0.9m/g以下であり、
    前記表面処理剤は、ジクロロメタンからなる有機溶媒に溶解し、前記表面処理剤が存在する銀粉を溶解した水溶液と有機溶媒との混合物を水相と有機相とに分液した場合には有機相へ移行する表面処理剤であって、
    前記有機相中の有機溶媒を蒸発乾燥した後に、炭素分析により求められる炭素量から表面処理剤量を定量した場合に、強熱減量差(質量%)=[強熱減量値(質量%)−表面処理剤量(質量%)]として定義される強熱減量差の値が0.1質量%以下であることを特徴とする銀粉。
    但し、前記強熱減量値とは、前記表面処理剤が存在する銀粉の秤量値をw1、当該秤量された銀粉を800℃、30分間加熱した後、室温まで冷却した後の再度の秤量値をw2としたとき、強熱減量値(質量%)=(w1−w2)/w1×100で定義される値であり、
    前記表面処理剤量とは、前記表面処理剤が存在する銀粉を酸溶解した銀溶液へ、有機溶媒としてジクロロメタンを添加して前記表面処理剤を有機相へと移行させた後、水相と有機相とに分液後の前記有機相中の前記表面処理剤を多孔質ボードに吸着させ、前記有機溶媒を蒸発乾燥させた後の、前記多孔質ボードから炭素量を測定することで求めた表面処理剤量(質量%)の値である。
  2. 累積粒度分布D50が、1μm以上8μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の銀粉。
  3. 請求項1または2に記載の銀粉を含むことを特徴とする導電性ペースト。
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