JP2012062531A - フレーク状銀粉とその製造方法、樹脂硬化型導電性ペーストおよび導電膜の形成方法 - Google Patents

フレーク状銀粉とその製造方法、樹脂硬化型導電性ペーストおよび導電膜の形成方法 Download PDF

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厚志 江原
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Abstract

【課題】導電膜の導電性の向上、即ち導電膜の抵抗の低減を実現できるフレーク状銀粉とその製造方法を提供し、更に、フレーク状銀粉を含む樹脂硬化型導電性ペーストおよび導電膜の形成方法を提供する。
【解決手段】フレーク状銀粉材料に対して、多価カルボン酸を0.01〜0.7質量%被覆させたことを特徴とする、フレーク状銀粉が提供される。このフレーク状銀粉は樹脂硬化型導電性ペーストに配合される。本発明によれば、導電膜の導電性の向上、即ち導電膜の抵抗の低減を実現できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば半導体部品等の電子部品や太陽電池の電極および回路形成に用いられる導電性ペーストに配合されるフレーク状銀粉およびその製造方法に関し、更に、そのフレーク状銀粉を含有する樹脂硬化型導電性ペーストおよび導電膜の形成方法に関する。
従来より、例えば半導体部品等の電子部品や太陽電池の電極および回路形成には銀粉を有機成分中に分散させて形成される導電性ペーストが使用されている。そして、特に樹脂硬化型導電性ペーストにおいては、樹脂の体積収縮により銀粉同士が接触して導通がとられる。従って、樹脂硬化型導電性ペーストに配合される銀粉としては、接触面積が大きいフレーク状(鱗片状)銀粉が使用されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
一般的に、フレーク状銀粉は球状または不定形状の銀粉をフレーク状にすることで得られる。球状または不定形状の銀粉を製造する方法としては、例えばアトマイズ法や湿式還元法等が知られている。そして、球状または不定形状の銀粉をフレーク状にする方法としては、例えばアトライタを用いた湿式粉砕法や、ボールミル(例えば特許文献2参照)を用いる方法、あるいは振動ミル等を用いた乾式粉砕法などが知られている。
また、樹脂硬化型導電性ペーストの用途としては、上述したように電子部品や太陽電池の電極および回路形成が挙げられる。そして、近年、電子部品の小型化・高性能化が進み、これに伴い実装に際しての高密度化、高信頼性が要求されるようになり、樹脂硬化型導電性ペーストを用いて形成する電極や回路の導電性向上が強く求められている。太陽電池の電極形成においても、電極の導電性が変換効率の向上につながることから、樹脂硬化型導電性ペーストを用いて形成する電極の導電性向上が求められている。
上記フレーク状銀粉が配合された樹脂硬化型導電性ペーストを塗布・加熱(樹脂硬化)させることによって得られる導電膜は、球状銀粉のみを用いて得られる導電膜より抵抗が低くなるが、近年求められている導電性向上に寄与するほどの効果は得られない。そこで、導電膜の抵抗をさらに低減させる方法として、樹脂硬化型導電性ペーストに用いる銀粉として、フレーク状銀粉と球状銀粉の混合粉を用いる方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開2002−150837号公報 特開2003−55701号公報 特開昭62−145602号公報
本発明の目的は、導電膜の導電性の向上、即ち導電膜の抵抗の低減を実現できるフレーク状銀粉とその製造方法を提供し、更に、フレーク状銀粉を含む樹脂硬化型導電性ペーストおよび導電膜の形成方法を提供することにある。
上記目的に鑑み、本発明によれば、フレーク状銀粉材料に対して、多価カルボン酸を0.01〜0.7質量%被覆させたことを特徴とする、フレーク状銀粉が提供される。前記多価カルボン酸は、例えば、アジピン酸、コハク酸、ジグリコール酸、グルタル酸またはマレイン酸である。また、前記フレーク状銀粉材料は、例えば、比表面積が5m/g以下であり、平均粒径が0.2〜25μmである。
また、本発明によれば、フレーク状銀粉材料に粉末の状態で、フレーク状銀粉材料に対して、多価カルボン酸を0.01〜0.7質量添加することを特徴とする、フレーク状銀粉の製造方法が提供される。この場合、多価カルボン酸を粉末の状態で添加し、乾式の解砕を行ってフレーク状銀粉材料に対して多価カルボン酸を被覆させることができる。
また、本発明によれば、フレーク状銀粉材料に溶媒に溶解された状態で、フレーク状銀粉材料に対して、多価カルボン酸を0.01〜0.7質量添加することを特徴とする、フレーク状銀粉の製造方法が提供される。この場合、前記溶媒に溶解された状態において、例えば、多価カルボン酸の濃度は1〜20質量%である。また、前記溶媒は、例えば、アルコール、アセトンまたはエーテルである。また、多価カルボン酸を溶媒に溶解された状態で添加し、乾式の解砕を行ってフレーク状銀粉材料に対して多価カルボン酸を被覆させることができる。また、乾式の解砕を行ってフレーク状銀粉材料に対して多価カルボン酸を被覆させた後、前記溶媒を蒸発させても良い。
更に、本発明によれば、上記フレーク状銀粉を含有することを特徴とする、樹脂硬化型導電性ペーストが提供される。また、この樹脂硬化型導電性ペーストを塗布し、加熱することを特徴とする、導電膜の形成方法が提供される。
本発明によれば、導電膜の導電性の向上、即ち導電膜の抵抗の低減を実現できる。
フレーク状銀粉材料の典型的な形状を示す、(a)平面図、(b)X方向側面図、(c)Y方向側面図である。 表1の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態の一例について説明する。本発明者らは、多価カルボン酸をフレーク状銀粉材料に対して0.01〜0.7質量%被覆したフレーク状銀粉を用いることによって、導電性の高い樹脂硬化型導電性ペーストが得られ、さらにこの樹脂硬化型導電性ペーストを塗布・加熱(樹脂硬化)することにより導電性の高い導電膜を得ることが可能となることを知見した。以下に、その詳細について説明する。
(フレーク状銀粉材料)
先ず、多価カルボン酸を被覆させるためのフレーク状銀粉材料1が必要となる。本発明において用いられるフレーク状銀粉材料1は、公知技術である湿式粉砕法または乾式粉砕法によって得られる。フレーク状銀粉材料1は、形状がフレーク状であり、比表面積が5m/g以下であり、より好ましくは2.0m/g以下、もしくは1.5m/g以下である。平均粒径が0.2〜25μmであるものを用いることが好ましい。これは以下の理由からである。即ち、比表面積が5m/gを超えるものを用いると作製後の樹脂硬化型導電性ペーストの粘度が高すぎ、印刷性が悪化する等の不具合が生じる恐れがある。また、平均粒径が0.2μm未満のものを用いた場合にも作製後の樹脂硬化型導電性ペーストの粘度が高すぎ、印刷性が悪化する等の不具合が生じる恐れがあり、平均粒径が25μm超のものを用いた場合、作製後の樹脂硬化型導電性ペーストをスクリーン印刷に用いる場合に銀粉の目詰まりが発生して生産性が低下する恐れがあるといった問題点がある。
なお、本明細書中では、フレーク状銀粉材料1の形状については、下記のように説明される。図1に示すように、フレーク状銀粉材料1は、厚さTで、長径L、短径Mの扁平な円盤形状を有している。なお、実際には、個々のフレーク状銀粉材料1は、様々な異なる形状を有しているが、平均的には、図1に示すフレーク状銀粉材料1のような扁平な円盤形状をなしているとみなすことができる。
ここで、フレーク状銀粉材料1は、平均長径L/平均厚さTで定義されるアスペクト比が3以上の扁平な円盤形状を有する。「平均長径L」と「平均厚さT」は、走査型電子顕微鏡で測定した粒子100個の平均長径と平均厚みである。また、フレーク状銀粉材料1は正確な円盤形状ではなく、最も長径部の径(長径L)と最も短径部の径(短径M)は、必ずしも等しくはない。SEMで観察した場合、フレーク状銀粉材料1の粒子形状は略円盤形状であり、粒子100個の球状度(球状度:SEM写真で粒子を観察した時の、「最も長径部の平均径(平均長径L)」/「最も短径部の平均径(平均短径M)」)が1.5以下である。なお、フレーク状銀粉材料1の平均粒径は、(平均厚さT+平均長径L+平均厚さT)/3で定義される。
(カルボン酸の添加)
次いで、上記フレーク状銀粉材料1にカルボキシル基を2個以上含む多価カルボン酸を添加する。カルボキシル基を2個以上含む多価カルボン酸としては、例えばアジピン酸、コハク酸、ジグリコール酸、グルタル酸およびマレイン酸が例示される。特に、アジピン酸は少量の添加でもって体積抵抗率が低下する効果があるため、多価カルボン酸としてアジピン酸を用いることが好ましい。また、多価カルボン酸の添加量は、フレーク状銀粉材料1の質量に対して0.01〜0.7質量%が好ましく、さらには0.02〜0.5質量%が好ましい。これは、多価カルボン酸の添加量がフレーク状銀粉材料1の質量に対して0.01質量%未満、あるいは、0.7質量%を超えた場合、作製される導電膜の導電性向上効果が十分に得られないからである。
多価カルボン酸をフレーク状銀粉材料1に添加する際、多価カルボン酸は粉末の状態または溶媒に溶解された溶液の状態でフレーク状銀粉材料1に添加される。溶液の場合は、溶解させた多価カルボン酸の濃度は1〜20質量%が好ましい。これは、多価カルボン酸の溶解濃度が1質量%未満の場合、溶液の量が多くなり溶媒除去のための乾燥時に溶液が偏在して、多価カルボン酸が均一にフレーク状銀粉材料1に被覆されない恐れがあり、また、溶解濃度が20質量%超の場合には、溶液温度の低下によって多価カルボン酸が晶析して、多価カルボン酸が均一にフレーク状銀粉材料1に被覆されない恐れがあるからである。このように被覆量は、多価カルボン酸の添加量により調整できるが、被覆は多少の不均一性があっても構わない。導電性に影響ない程度の被覆量のバラツキは問題ではない。
また、多価カルボン酸を溶解させる溶媒としては、多価カルボン酸を溶解可能であればよく、常温で蒸発させることが可能な溶媒であれば、被覆後の溶媒除去が容易になるので好ましい。例えばアルコール、アセトンおよびエーテル等が例示される。
(カルボン酸の被覆)
フレーク状銀粉材料1に多価カルボン酸を添加した後、多価カルボン酸がフレーク状銀粉材料1に均一に被覆されるように乾式の解砕が行われる。乾式の解砕は、多価カルボン酸が添加されたフレーク状銀粉材料1を例えばヘンシェルミキサー、サンプルミル、ブレンダー、コーヒーミル、ボールミル、振動ミル等に入れることで行われる。そして、必要に応じて解砕による摩擦熱やもしくは乾燥工程によって多価カルボン酸を添加させるために用いた溶媒を蒸発させる。これにより多価カルボン酸の被覆されたフレーク状銀粉材料1、即ち、本発明でいうフレーク状銀粉(以下、多価カルボン酸が被覆されたフレーク状銀粉材料1を「フレーク状銀粉」と呼称する)が得られることとなる。
(樹脂硬化型導電性ペーストの作製)
続いて、上述してきた方法で得られたフレーク状銀粉に、樹脂および必要に応じた溶剤・硬化剤を混合することによって樹脂硬化型導電性ペーストが作製される。ここで用いられるフレーク状銀粉は、多価カルボン酸が被覆される前のフレーク状銀粉材料1と同様に、比表面積が5m/g以下で、平均粒径が0.2μm〜25μmであり、アスペクト比(平均長径L/平均厚みT)が3以上であるものが好ましい。
樹脂硬化型導電性ペーストの作製において、樹脂、溶剤および硬化剤は、作製する導電性ペーストの用途等に応じて適宜選択すればよく、樹脂としては例えばエポキシ樹脂が例示される。
(導電膜の作製・評価)
上記方法で作製された樹脂硬化型導電性ペーストを基板等に塗布し、加熱(樹脂硬化)することにより導電膜が得られ、得られた導電膜の体積抵抗率を測定することで導電膜の評価が行われる。
以上説明した方法によって、従来の方法によって得られる樹脂硬化型導電性ペーストより、導電性に優れた樹脂硬化型導電性ペーストが得られ、それに伴い導電性に優れた導電膜を得ることができる。なお、実際に得られる導電膜の具体的な体積抵抗率の一例については、以下の実施例において詳しく記載する。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は上記説明した形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
(実施例1)
本発明にかかる樹脂硬化型導電性ペーストおよび導電膜を以下のような条件で作製した。また、作製した導電膜についてはその特性について測定を行った。
(フレーク状銀粉材料の製造)
銀イオン水溶液としての2.7%の硝酸銀水溶液375kgに、25%アンモニア水溶液19kgを加えて、銀アンミン錯体水溶液を生成した。生成した銀アンミン錯体水溶液に還元剤として37%ホルマリン水溶液25kgを加えた。また、還元剤を加えた直後に、分散剤としてステアリン酸10gを加え、銀粉を含むスラリーを生成した。得られたスラリーをろ過、水洗した後、乾燥熱処理して、銀粉を10kg得た。この得られた銀粉を解砕した時点で、BET1点法により測定した比表面積は0.17m/g、レーザー回折式粒度分布測定法により測定したD50(平均粒径)は7.9μmであった。この得られた銀粉に、分散剤としてのステアリン酸を0.15質量%加えてよく混ぜ、SUSボール(直径1.6mm)とともに振動ボールミルに入れて、振動数1,200vpm、振幅6mm、処理時間6時間の条件でフレーク化処理を実施し、フレーク状銀粉材料を得た。BET1点法により測定したフレーク状銀粉材料の比表面積は0.25m/g、レーザー回折式粒度分布測定法により測定したD50(平均粒径)は8.7μm、走査型電子顕微鏡より測定したアスペクト比は9であった。
(フレーク状銀粉の作製)
上記で製造したフレーク状銀粉材料100gと多価カルボン酸として粉末状のアジピン酸0.01gを電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)に入れ、処理時間10秒間の条件にて混合解砕を行った。さらに、粉末状のアジピン酸0.01gを追加後、処理時間20秒間の条件にて混合解砕を行い、合計で銀粉に対して0.02質量%の多価カルボン酸を被覆した。こうして得たフレーク状銀粉について、BET1点法により測定した比表面積、レーザー回折式粒度分布測定法により測定した平均粒径D50、走査型電子顕微鏡より測定したアスペクト比の結果を表1に示す。なお、表1には本実施例1以外の以下に説明する実施例2〜6および比較例1〜3の測定結果についても、同様に各値を記載している。
Figure 2012062531
(平均粒径D50の測定方法)
平均粒径D50は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(ハネウエル−日機装株式会社製、MICROTORAC HRA)を用いて、フレーク状銀粉0.3gをイソプロパノール30mLに加え、45W超音波分散処理を5分間行って試料を準備し、全反射モードで測定を行った。
(比表面積の測定方法)
比表面積は、MONOSORB装置(湯浅アイオニクス株式会社製)で、He70%、N30%のキャリアガスを用い、フレーク状銀粉3gをセルに入れて脱気を60℃で10分間行った後、BET1点法により測定を行った。
(ペーストの作製)
また、(1)被覆処理後のフレーク状銀粉、(比較例1ではフレーク状銀粉材料)、(2)エポキシ樹脂、(3)硬化剤、(4)溶剤を、下記組成比で混練することによりペーストを作製した。
(1)フレーク状銀粉(フレーク状銀粉材料)・・・89質量部
(2)エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製、EP−4901E)・・・9質量部
(3)硬化剤(味の素ファインテクノ株式会社製、アミキュアMY−24)・・・2質量部
(4)溶剤(ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)・・・6質量部
前記組成物を混合し、3本ロール(オットハーマン社製、EXAKT80S)を用いて、ロールギャップを110μmから37μmまで通過させて混練処理を行うことによりペースト(樹脂硬化型導電性ペースト)を得た。得られたペーストは完全に混練されていた。
(導電膜の形成)
96%アルミナ基板上に、前記で得られたペーストを用い、幅500μm、長さ37500μmのペーストの膜をスクリーン印刷機(マイクロ・テック株式会社製、MT−320T)にて印刷した。得られた膜を大気循環式乾燥機を用い、200℃、40分間の条件で加熱処理し、導電膜を形成した。得られた導電膜は表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、SE−30D)を用いて、アルミナ基板上で膜を印刷していない部分と導電膜の部分の段差を0.1mm/secで走査することにより導電膜の膜厚を測定した。導電膜の抵抗は、デジタルマルチメーター(ADVANTEST製、R6551)を用いて、導電膜の長さ(間隔)が37.5mmの位置の抵抗値を測定した。導電膜のサイズ(膜厚、幅、長さ)より、導電膜の体積を求め、この体積と測定した抵抗値から、体積抵抗率(比抵抗)を求めた。体積抵抗率の結果は表1に示す。実施例1の導電膜は、アジピン酸被覆処理を行わないフレーク状銀粉材料を用いて作製された後述する比較例1の導電膜に比べ、低い体積抵抗率を示した。
(実施例2)
実施例1で製造したフレーク状銀粉材料100gと多価カルボン酸として粉末状のアジピン酸0.05gを電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)に入れ、処理時間10秒間の条件にて混合解砕を行った。さらに、粉末状のアジピン酸0.05gを追加後、処理時間20秒間の条件にて混合解砕を行い、合計でフレーク状銀粉材料に対して0.1質量%の多価カルボン酸を添加した。それ以外は、実施例1と同様に導電膜の形成、測定を行った。得られた結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1で製造したフレーク状銀粉材料100gと多価カルボン酸として粉末状のアジピン酸0.15gを電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)に入れ、処理時間10秒間の条件にて混合解砕を行った。さらに、粉末状のアジピン酸0.15gを追加後、処理時間20秒間の条件にて混合解砕を行い、合計でフレーク状銀粉材料に対して0.3質量%の多価カルボン酸を添加した。それ以外は、実施例1と同様に導電膜の形成、測定を行った。得られた結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1で製造したフレーク状銀粉材料100gと多価カルボン酸として粉末状のアジピン酸0.25gを電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)に入れ、処理時間10秒間の条件にて混合解砕を行った。さらに、粉末状のアジピン酸0.25gを追加後、処理時間20秒間の条件にて混合解砕を行い、合計でフレーク状銀粉材料に対して0.5質量%の多価カルボン酸を添加した。それ以外は、実施例1と同様に導電膜の形成、測定を行った。得られた結果を表1に示した。
(実施例5)
多価カルボン酸を含有する溶液として、アジピン酸をエタノールに溶解し、10質量%のアジピン酸エタノール溶液を準備した。実施例1で製造したフレーク状銀粉材料100gと10質量%のアジピン酸エタノール溶液0.5gを電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)に入れ、処理時間10秒間の条件にて混合解砕を行った。さらに、10質量%のアジピン酸エタノール溶液0.5gを追加後、処理時間20秒間の条件にて混合解砕を行い、合計でフレーク状銀粉材料に対して0.1質量%の多価カルボン酸を添加した。更にその後、室温で真空乾燥を1時間行いエタノール成分を蒸発させた。それ以外は、実施例1と同様に導電膜の形成、測定を行った。得られた結果を表1に示した。
(実施例6)
実施例1で製造したフレーク状銀粉材料100gと多価カルボン酸として粉末状のコハク酸0.05gを電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)に入れ、処理時間10秒間の条件にて混合解砕を行った。さらに、粉末状のコハク酸0.05gを追加後、処理時間20秒間の条件にて混合解砕を行い、合計でフレーク状銀粉材料に対して0.1質量%の多価カルボン酸を添加した。それ以外は、実施例1と同様に導電膜の形成、測定を行った。得られた結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1で使用したフレーク状銀粉材料に多価カルボン酸の被覆処理を行わずに同様の条件で試験を行った。得られた結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1で製造したフレーク状銀粉材料100gと多価カルボン酸として粉末状のアジピン酸0.45gを電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)に入れ、処理時間10秒間の条件にて混合解砕を行った。さらに、粉末状のアジピン酸0.45gを追加後、処理時間20秒間の条件にて混合解砕を行い、合計でフレーク状銀粉材料に対して0.9質量%の多価カルボン酸を添加した。それ以外は、実施例1と同様に導電膜の形成、測定を行った。得られた結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1で製造したフレーク状銀粉材料100gと多価カルボン酸として粉末状のアジピン酸1.5gを電動コーヒーミル(メリタジャパン株式会社製、セレクトグラインドMJ−518)に入れ、処理時間10秒間の条件にて混合解砕を行った。さらに、粉末状のアジピン酸1.5gを追加後、処理時間20秒間の条件にて混合解砕を行い、合計でフレーク状銀粉材料に対して3質量%の多価カルボン酸を添加した。それ以外は、実施例1と同様に導電膜の形成、測定を行った。得られた結果を表1に示した。
図2は、実施例1〜6および比較例1〜3における、多価カルボン酸添加量と体積低効率の関係を示すグラフである。表1および図2から分かるように、本発明の特徴である多価カルボン酸(アジピン酸、コハク酸、ジクリコール酸)をフレーク状銀粉材料に対して0.01〜0.7質量%被覆させたフレーク状銀粉を用いて作製した場合の導電膜の体積抵抗率(実施例1〜実施例6)は、多価カルボン酸をフレーク状銀粉材料に被覆させない場合(比較例1)や多価カルボン酸をフレーク状銀粉材料に0.7質量%を超えて被覆させた場合(比較例2〜3)の導電膜の体積抵抗率より低い。即ち、多価カルボン酸をフレーク状銀粉材料に対して0.01〜0.7質量%被覆させたカルボン酸フレーク状銀粉を用いて作製した導電膜の方が導電性が高く電子部品や太陽電池等の電極や回路を形成するのに有用であることがわかった。
本発明は、例えば半導体部品等の電子部品や太陽電池の電極および回路形成に用いられる導電性ペーストに適用できる。

Claims (14)

  1. フレーク状銀粉材料に対して、多価カルボン酸を0.01〜0.7質量%被覆させたことを特徴とする、フレーク状銀粉。
  2. 前記多価カルボン酸は、アジピン酸、コハク酸、ジグリコール酸、グルタル酸またはマレイン酸であることを特徴とする、請求項1に記載のフレーク状銀粉。
  3. 前記フレーク状銀粉材料は、比表面積が5m/g以下であり、平均粒径が0.2〜25μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のフレーク状銀粉。
  4. フレーク状銀粉材料に粉末の状態で、フレーク状銀粉材料に対して、多価カルボン酸を0.01〜0.7質量添加することを特徴とする、フレーク状銀粉の製造方法。
  5. 多価カルボン酸を粉末の状態で添加し、乾式の解砕を行ってフレーク状銀粉材料に対して多価カルボン酸を被覆させることを特徴とする、請求項4に記載のフレーク状銀粉の製造方法。
  6. フレーク状銀粉材料に溶媒に溶解された状態で、フレーク状銀粉材料に対して、多価カルボン酸を0.01〜0.7質量添加することを特徴とする、フレーク状銀粉の製造方法。
  7. 前記溶媒に溶解された状態において、多価カルボン酸の濃度は1〜20質量%であることを特徴とする、請求項6に記載のフレーク状銀粉の製造方法。
  8. 前記溶媒は、アルコール、アセトンまたはエーテルであることを特徴とする、請求項6または7に記載のフレーク状銀粉の製造方法。
  9. 多価カルボン酸を溶媒に溶解された状態で添加し、乾式の解砕を行ってフレーク状銀粉材料に対して多価カルボン酸を被覆させることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載のフレーク状銀粉の製造方法。
  10. 乾式の解砕を行ってフレーク状銀粉材料に対して多価カルボン酸を被覆させた後、前記溶媒を蒸発させることを特徴とする、請求項9に記載のフレーク状銀粉の製造方法。
  11. 前記多価カルボン酸は、アジピン酸、コハク酸、ジグリコール酸、グルタル酸またはマレイン酸であることを特徴とする、請求項4〜10のいずれかに記載のフレーク状銀粉の製造方法。
  12. 前記フレーク状銀粉材料は、比表面積が5m/g以下であり、平均粒径が0.2〜25μmであることを特徴とする、請求項4〜11のいずれかに記載のフレーク状銀粉の製造方法。
  13. 請求項1〜3のいずれかに記載のフレーク状銀粉を含有することを特徴とする、樹脂硬化型導電性ペースト。
  14. 請求項13に記載の樹脂硬化型導電性ペーストを塗布し、加熱することを特徴とする、導電膜の形成方法。
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