JP2006097086A - 球状銀粉およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ビヒクルまたは樹脂との相溶性が良好で予備混練時間を短縮することができ、ひいてはペーストの生産性を向上させることができる、球状銀粉およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 銀イオンを含有する水性反応系に還元剤含有水溶液を添加して銀粒子を還元析出させることにより、かさ密度が2.0g/cm3以上、0.3gを直径5mmの円筒形の金型に入れて50kgfの荷重を1分間加えて成型したときの成型体密度が5.0g/cm3以上、平均粒径が5μm以下、BET比表面積が5m2/g以下の球状銀粉を製造する。
【選択図】 なし
【解決手段】 銀イオンを含有する水性反応系に還元剤含有水溶液を添加して銀粒子を還元析出させることにより、かさ密度が2.0g/cm3以上、0.3gを直径5mmの円筒形の金型に入れて50kgfの荷重を1分間加えて成型したときの成型体密度が5.0g/cm3以上、平均粒径が5μm以下、BET比表面積が5m2/g以下の球状銀粉を製造する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、球状銀粉およびその製造方法に関し、特に、積層コンデンサの内部電極や回路基板の導体パターンや、プラズマディスプレイパネル用基板の電極や回路などの電子部品に使用する導電性ペースト用の球状銀粉およびその製造方法に関する。
従来、電子部品などの電極や回路を形成するために、銀粉を有機成分中に分散させた導電性ペーストが使用されている。一般に、導電性ペーストは、熱処理温度により焼成型ペーストと樹脂型ペーストに分類され、それぞれ用途や構成要素などが異なっている。
焼成型ペーストは、構成要素として、銀粉、エチルセルロースやアクリル樹脂を有機溶剤に溶解したビヒクル、ガラスフリット、無機酸化物、有機溶剤、分散剤などを含み、ディッピングや印刷などにより所定パターンに形成された後、焼成されて導体を形成する。このような焼成型ペーストは、ハイブリッドIC、積層セラミックコンデンサ、チップ抵抗器などの電極に使用されている。
これらの電子部品を小型化したり、銀粉の使用量を低減してコストを削減するため、導電性ペースト用の銀粉は、粒径が適度に小さく、粒度が揃っていることが要求される。このような導電性ペースト用の銀粉を製造する方法として、銀塩含有水溶液にアルカリまたは錯化剤を加えて、酸化銀含有スラリーまたは銀錯塩含有水溶液を生成した後、還元剤を加えることにより銀粉を還元析出させる湿式還元法が知られている。また、所望の粒径を有する導電性ペースト用の銀粉を製造する方法として、銀塩含有水溶液に錯化剤を加えて銀錯塩含有水溶液(銀アンミン錯体水溶液)を生成した後、微量の有機金属化合物の存在下で還元剤を添加することにより、所望の粒径を有する銀粉を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、有機金属化合物の添加量を変えることにより、所望の粒径を有する球状銀粉を得ることができる。
一方、樹脂型ペーストは、スルーホールやメンブレンなどの配線材や導電性接着剤などに使用されている。このような樹脂型ペーストは、構成要素として、銀粉、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂、硬化剤、有機溶剤、分散剤などを含み、ディスペンスや印刷などにより所定の導体パターンに形成され、室温から250℃程度の温度で硬化し、残存する樹脂の硬化収縮による銀粒子同士の接触により導電性が得られる。したがって、銀粒子同士の接触面積を増大するために、通常、銀粉を機械的に鱗辺状に加工したフレーク銀粉が使用されている。
一般に、焼成型ペーストや樹脂型ペーストを製造する場合、各構成要素を計量して所定の容器に入れ、らいかい機、万能攪拌機、ニーダーなどを用いて予備混練した後、3本ロールで本混練してペーストを作製している。また、必要に応じて、その後、溶剤を添加して、粘度調整を行う場合もある。また、焼成型ペーストの場合、ガラスフリットや無機酸化物とビヒクルのみを本混練して粒度を下げた後、最後に銀粉を追加して本混練する場合もある。
予備混練は、各構成要素同士を十分に濡らし、その後の本混練において銀箔が発生するのを防止したり、ペーストの粒度を目的の粒度まで速やかに下げるための前準備である。したがって、予備混練が不十分であると、本混練の際に銀箔が生じたり、ペーストの粒度を所定の粒度まで下げるのに長時間を要したり、ペーストの粒度を所定の粒度まで下げられない場合がある。
そのため、予備混練において各構成要素のなじみの良さが求められる。特に、ペースト中で重量の大部分を占める銀粉とビヒクルまたは樹脂との予備混練時のなじみの良さによって、予備混練時間や予備混練のし易さが決定され、予備混練時間によってペーストの生産性が左右される。
また、銀粉を感光性ペーストに使用する場合、予備混練が不十分なために本混練の際にペーストの粒度を所定の粒度まで下げられなかったり、銀粉の形状が不定形やフレーク状になると、紫外線の散乱や反射が起こり、パターニング不良の原因となる。さらに、その他の方法、例えば、印刷法や転写法によりパターンを形成する場合にも、スクリーン版の抜け性や転写性の観点から、予備混練が不十分なために本混練の際にペーストの粒度を所定の粒度まで下げられなかったり、銀粉の形状が不定形やフレーク状になると、良好な導体パターンを形成することができない。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、ビヒクルまたは樹脂との相溶性が良好で予備混練時間を短縮することができ、ひいてはペーストの生産性を向上させることができる、球状銀粉およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、かさ密度が2.0g/cm3以上であり、且つ0.3gを直径5mmの円筒形の金型に入れて50kgfの荷重を1分間加えて成型したときの成型体密度が5.0g/cm3以上である球状の銀粉、好ましくは平均粒径が5μm以下の球状の銀粉をペーストに使用すれば、銀粉とビヒクルまたは樹脂との相溶性が良好で予備混練時間を短縮することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による球状銀粉は、かさ密度が2.0g/cm3以上、好ましくは2.5g/cm3以上、さらに好ましくは3.0g/cm3以上であり、且つ0.3gを直径5mmの円筒形の金型に入れて50kgfの荷重を1分間加えて成型したときの成型体密度が5.0g/cm3以上、好ましくは5.5g/cm3以上であることを特徴とする。この球状銀粉は、平均粒径が5μm以下であるのが好ましい。また、この球状銀粉は、BET比表面積が5m2/g以下であるのが好ましい。
また、本発明による球状銀粉の製造方法は、銀イオンを含有する水性反応系に還元剤含有水溶液を添加して銀粒子を還元析出させることにより、上記の球状銀粉を製造することを特徴とする。この球状銀粉の製造方法において、銀粒子の還元析出前または還元析出後のスラリー状の反応系に分散剤を添加するのが好ましい。この分散剤は、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上の分散剤であるのが好ましい。還元剤含有水溶液に含まれる還元剤は、アスコルビン酸、アルカノールアミン、ヒドロキノン、ヒドラジンおよびホルマリンからなる群から選ばれる1種以上の還元剤であるのが好ましい。還元剤含有水溶液は、銀イオンを含有する水性反応系中の銀の含有量に対して1当量/分以上の速度で添加するのが好ましい。
さらに、本発明による導電性ペーストは、上記の球状銀粉を導体として用いたことを特徴とする。
本発明によれば、ビヒクルまたは樹脂との相溶性が良好で予備混練時間を短縮することができ、ひいてはペーストの生産性を向上させることができる、球状銀粉およびその製造方法を提供することができる。
本発明による球状銀粉の実施の形態は、かさ密度が2.0g/cm3以上であり、且つ0.3gを直径5mmの円筒形の金型に入れて50kgfの荷重を1分間加えて成型したときの成型体密度が5.0g/cm3以上であり、好ましくは平均粒径が5μm以下の球状の銀粉である。
かさ密度が2.0g/cm3未満であると、ペースト中の銀粉の充填性が劣るため、膜密度が低くなり、導電性も劣る。また、成型体密度が5.0g/cm3未満であると、ペースト中の銀粉の充填性が劣るため、膜密度が低くなり、導電性も劣るとともに、表面粗さが劣り、耐めっき性が劣り、分散性が悪い。分散性が悪いと、感光性ペースト法に使用した場合に、感光特性が悪く、導体パターンに欠けや膨れが生じ易く、転写法や印刷法に使用した場合にも、導体パターンに欠けや膨れが生じ易い。
上記のような本発明による球状銀粉の実施の形態は、ビヒクルまたは樹脂との相溶性が良好で予備混練時間を短縮することができ、ひいてはペーストの生産性を向上させることができる。また、銀粉の形状を球形にすることにより、感光性ペースト法、印刷法および転写法に使用するのに適した銀粉になる。
また、本発明による球状銀粉の実施の形態は、BET比表面積が5m2/g以下の球状銀粉であるのが好ましい。BET比表面積が5m2/g以下の分散性が良好な球状銀粉を使用してペーストを製造すれば、感光性ペースト法、印刷法または転写法により良好な導体パターンを得ることができるが、BET比表面積が5m2/gより大きいと、ペーストの粘度が高すぎて作業性に劣るからである。
本発明による球状銀粉の製造方法の実施の形態では、銀イオンを含有する水性反応系に還元剤含有水溶液を添加して銀粒子を還元析出させる。この銀粒子の還元析出前または還元析出後のスラリー状の反応系に分散剤を添加するのが好ましい。
銀イオンを含有する水性反応系としては、硝酸銀、銀塩錯体または銀中間体を含有する水溶液またはスラリーを使用することができる。銀塩錯体は、アンモニア水、アンモニウム塩、キレート化合物などの添加により生成することができる。また、銀中間体は、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの添加により生成することができる。これらの中で、銀粉が適当な粒径と球状の形状を有するようにするためには、硝酸銀水溶液にアンモニア水を添加して得られるアンミン錯体を使用するのが好ましい。アンミン錯体の配位数は2であるため、銀1モル当たりアンモニアを2モル以上添加する。
還元剤としては、アスコルビン酸、亜硫酸塩、アルカノールアミン、過酸化水素水、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、グリオキサール、酒石酸、次亜りん酸ナトリウム、水素化ほう素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ヒドロキノン、ピロガロール、ぶどう糖、没食子酸、ホルマリン、無水亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどを使用することができる。これらの中で、アスコルビン酸、アルカノールアミン、ヒドロキノン、ヒドラジン、ホルマリンからなる群から選ばれる1種以上を使用するのが好ましい。これらの還元剤を使用すれば、適当なかさ密度および成型体密度と適当な粒径の銀粒子を得ることができる。
また、還元剤の添加方法については、銀粉の凝集を防ぐために、1当量/分以上の速さで添加するのが好ましい。この操作の理由は明確ではないが、還元剤を短時間で投入することで、銀粒子への還元析出が一挙に生じて、短時間で還元反応が終了し、発生した核同士の凝集が生じ難いため、分散性が向上すると考えられる。また、還元の際には、より短時間で反応が終了するように反応液を攪拌するのが好ましい。
分散剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドからなる群から選ばれる1種以上を使用するのが好ましい。脂肪酸の例として、プロピオン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などを挙げることができる。脂肪酸塩の例として、リチウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、コバルト、マンガン、鉛、亜鉛、スズ、ストロンチウム、ジルコニウム、銀、銅などの金属と脂肪酸が塩を形成したものを挙げることができる。界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩のような陰イオン界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩のような陽イオン界面活性剤、イミダゾリニウムベタインのような両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤などを挙げることができる。有機金属の例として、アセチルアセトントリブトキシジルコニウム、クエン酸マグネシウム、ジエチル亜鉛、ジブチルスズオキサイド、ジメチル亜鉛、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリエチルインジウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジイウム、トリメチルガリウム、モノブチルスズオキサイド、テトライソシアネートシラン、テトラメチルシラン、テトラメトキシシラン、ポリメトキシシロキサン、モノメチルトリイソシアネートシラン、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを挙げることができる。キレート形成剤の例として、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、2H−1,2,3−トリアゾール、1H−1,2,4−トリアゾール、4H−1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,4−チアトリアゾール、2H−1,2,3,4−テトラゾール、1,2,3,5−オキサトリアゾール、1,2,3,5−チアトリアゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾールおよびベンゾトリアゾールとこれらの塩、あるいは、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、酒石酸、リンゴ酸、タルトロン酸、ヒドロアクリル酸、マンデル酸、クエン酸、アスコルビン酸などを挙げることができる。保護コロイドの例として、ゼラチン、アルブミン、アラビアゴム、プロタルビン酸、リサルビン酸などを挙げることができる。
以下、本発明による球状銀粉およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水161mLを加えて、銀のアンミン錯体水溶液を生成した。この銀のアンミン錯体水溶液に水酸化ナトリウム6.0gを加えてpH調整した後、還元剤として工業用のホルマリン192mLを加えた。その直後に、分散剤としてステアリン酸エマルジョン0.1gを加えて銀のスラリーを得た。このスラリーを濾過、水洗した後、乾燥、解砕して銀粉を得た。
銀イオンとして12g/Lの硝酸銀溶液3600mLに、工業用のアンモニア水161mLを加えて、銀のアンミン錯体水溶液を生成した。この銀のアンミン錯体水溶液に水酸化ナトリウム6.0gを加えてpH調整した後、還元剤として工業用のホルマリン192mLを加えた。その直後に、分散剤としてステアリン酸エマルジョン0.1gを加えて銀のスラリーを得た。このスラリーを濾過、水洗した後、乾燥、解砕して銀粉を得た。
このようにして得られた銀粉について、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。かさ密度は、銀粉試料15gをロートに入れ、ロート下に設置した容器内に刷毛で篩い落とし、かさ密度=試料(15g)/試料容積(cm3)から算出した。タップ密度は、タップ比重測定器(柴山科学社製のDA−2型タップ比重測定器)を使用し、銀粉試料15gを計量して容器に入れ、落差20mmで1000回タッピングし、タップ密度=試料(15g)/タッピング後の試料容積(cm3)から算出した。BET比表面積は、試料乾燥条件を60℃×10分間とし、BET比表面積測定器(カウンタークロム社製のカンタソーブJr.)を使用して1点法により測定した。粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)は、銀粉試料0.3gとイソプロピルアルコール30mLを秤量して混合し、出力45Wの超音波バスにより5分間分散させ、マクロトラックHRA粒度分布測定装置(Honeywell社製のマクロトラックHRA粒度分布測定装置 Model No.9320−X100)を使用して測定した。成型体密度は、銀粉試料0.3gを直径5mmの円筒形の金型に入れて50kgfの荷重を1分間加えてペレットを作製し、その体積を求めることにより算出した。なお、本実施例および以下の実施例、比較例において得られた銀粉が球状銀粉であることを走査型電子顕微鏡(SEM)により確認した。
その結果、かさ密度は3.6g/cm3、タップ密度は5.4g/cm3、BET比表面積は0.47m2/g、成型体密度は5.9g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.1μm、D50=2.2μm、D90=3.7μm、Dmax=9.3μmであった。
また、銀粉8.5gとビヒクル1.5gを秤量して50mLビーカーに入れ、ガラス棒を用いて攪拌し、ペースト状になるまでの予備混練に要する時間を計測することにより、予備混練の評価を行った。なお、ビヒクルとして、アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製のBR−105)/2,2,4−トリメチル−1,3ペンタンジオールモノイソブチレート=40/60(重量比)を使用した。その結果、予備混練時間は16秒であった。
[実施例2]
工業用のアンモニア水の量を198mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤としてベンゾトリアゾール0.1gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.2g/cm3、タップ密度は4.1g/cm3、BET比表面積は0.31m2/g、成型体密度は6.0g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.2μm、D50=2.8μm、D90=4.9μm、Dmax=11.0μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は15秒であった。
工業用のアンモニア水の量を198mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤としてベンゾトリアゾール0.1gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.2g/cm3、タップ密度は4.1g/cm3、BET比表面積は0.31m2/g、成型体密度は6.0g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.2μm、D50=2.8μm、D90=4.9μm、Dmax=11.0μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は15秒であった。
[実施例3]
工業用のアンモニア水の量を180mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤としてステアリン酸0.1gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.8g/cm3、タップ密度は5.0g/cm3、BET比表面積は0.30m2/g、成型体密度は5.8g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.3μm、D50=2.9μm、D90=5.1μm、Dmax=13.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は13秒であった。
工業用のアンモニア水の量を180mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤としてステアリン酸0.1gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.8g/cm3、タップ密度は5.0g/cm3、BET比表面積は0.30m2/g、成型体密度は5.8g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.3μm、D50=2.9μm、D90=5.1μm、Dmax=13.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は13秒であった。
[実施例4]
工業用のアンモニア水の量を198mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤としてゼラチン0.1gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.0g/cm3、タップ密度は3.8g/cm3、BET比表面積は0.34m2/g、成型体密度は5.6g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.4μm、D50=3.5μm、D90=6.1μm、Dmax=13.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は20秒であった。
工業用のアンモニア水の量を198mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤としてゼラチン0.1gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.0g/cm3、タップ密度は3.8g/cm3、BET比表面積は0.34m2/g、成型体密度は5.6g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.4μm、D50=3.5μm、D90=6.1μm、Dmax=13.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は20秒であった。
[実施例5]
工業用のアンモニア水の量を198mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤としてベンゾトリアゾールナトリウム塩0.08gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.1g/cm3、タップ密度は4.1g/cm3、BET比表面積は0.27m2/g、成型体密度は6.1g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.4μm、D50=3.1μm、D90=5.3μm、Dmax=13.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は19秒であった。
工業用のアンモニア水の量を198mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤としてベンゾトリアゾールナトリウム塩0.08gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.1g/cm3、タップ密度は4.1g/cm3、BET比表面積は0.27m2/g、成型体密度は6.1g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=1.4μm、D50=3.1μm、D90=5.3μm、Dmax=13.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は19秒であった。
[実施例6]
工業用のアンモニア水の量を180mL、水酸化ナトリウムの量を0.8gとし、分散剤としてオレイン酸0.01gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は2.3g/cm3、タップ密度は4.2g/cm3、BET比表面積は0.25m2/g、成型体密度は5.7g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=2.1μm、D50=3.7μm、D90=6.3μm、Dmax=13.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は16秒であった。
工業用のアンモニア水の量を180mL、水酸化ナトリウムの量を0.8gとし、分散剤としてオレイン酸0.01gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は2.3g/cm3、タップ密度は4.2g/cm3、BET比表面積は0.25m2/g、成型体密度は5.7g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=2.1μm、D50=3.7μm、D90=6.3μm、Dmax=13.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は16秒であった。
[実施例7]
工業用のアンモニア水の量を135mL、水酸化ナトリウムの量を15.0gとし、分散剤としてベンゾトリアゾールナトリウム塩0.1gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.2g/cm3、タップ密度は4.4g/cm3、BET比表面積は0.90m2/g、成型体密度は5.7g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=0.8μm、D50=1.3μm、D90=2.3μm、Dmax=4.6μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は14秒であった。
工業用のアンモニア水の量を135mL、水酸化ナトリウムの量を15.0gとし、分散剤としてベンゾトリアゾールナトリウム塩0.1gを使用した以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は3.2g/cm3、タップ密度は4.4g/cm3、BET比表面積は0.90m2/g、成型体密度は5.7g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=0.8μm、D50=1.3μm、D90=2.3μm、Dmax=4.6μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は14秒であった。
[比較例1]
工業用のアンモニア水の量を180mL、水酸化ナトリウムの量を6.0gとし、分散剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は1.2g/cm3、タップ密度は1.6g/cm3、BET比表面積は0.53m2/g、成型体密度は4.4g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=4.1μm、D50=8.1μm、D90=15.1μm、Dmax=37.0μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、ペースト状にならなかった。
工業用のアンモニア水の量を180mL、水酸化ナトリウムの量を6.0gとし、分散剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は1.2g/cm3、タップ密度は1.6g/cm3、BET比表面積は0.53m2/g、成型体密度は4.4g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=4.1μm、D50=8.1μm、D90=15.1μm、Dmax=37.0μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、ペースト状にならなかった。
[比較例2]
工業用のアンモニア水の量を180mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は1.5g/cm3、タップ密度は2.0g/cm3、BET比表面積は0.42m2/g、成型体密度は4.9g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=3.8μm、D50=8.6μm、D90=15.5μm、Dmax=31.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は62秒であった。
工業用のアンモニア水の量を180mL、水酸化ナトリウムの量を1.0gとし、分散剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、銀粉を得た。このようにして得られた銀粉について、実施例1と同様の方法により、かさ密度、タップ密度、BET比表面積、粒径(マイクロトラックD10、D50、D90、Dmax)、成型体密度を求めた。その結果、かさ密度は1.5g/cm3、タップ密度は2.0g/cm3、BET比表面積は0.42m2/g、成型体密度は4.9g/cm3であり、粒径(マイクロトラック)は、D10=3.8μm、D50=8.6μm、D90=15.5μm、Dmax=31.1μmであった。また、実施例1と同様の方法により予備混練の評価を行ったところ、予備混練時間は62秒であった。
実施例1〜7および比較例1、2の結果を表1および表2に示す。表2からわかるように、実施例1〜7のように、球状銀粉のかさ密度が2.0g/cm3以上であり且つ成型体密度が5.0g/cm3以上の場合に予備混練時間をかなり短縮することができる。
Claims (9)
- かさ密度が2.0g/cm3以上であり、且つ0.3gを直径5mmの円筒形の金型に入れて50kgfの荷重を1分間加えて成型したときの成型体密度が5.0g/cm3以上であることを特徴とする、球状銀粉。
- 平均粒径が5μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の球状銀粉。
- BET比表面積が5m2/g以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の球状銀粉。
- 銀イオンを含有する水性反応系に還元剤含有水溶液を添加して銀粒子を還元析出させることにより、請求項1乃至3のいずれかに記載の球状銀粉を製造することを特徴とする、球状銀粉の製造方法。
- 前記銀粒子の還元析出前または還元析出後のスラリー状の反応系に分散剤を添加することを特徴とする、請求項4に記載の球状銀粉の製造方法。
- 前記分散剤が、脂肪酸、脂肪酸塩、界面活性剤、有機金属、キレート形成剤および保護コロイドからなる群から選ばれる1種類以上の分散剤であることを特徴とする、請求項5に記載の銀粉の製造方法。
- 前記還元剤含有水溶液に含まれる還元剤が、アスコルビン酸、アルカノールアミン、ヒドロキノン、ヒドラジンおよびホルマリンからなる群から選ばれる1種以上の還元剤であることを特徴とする、請求項4乃至6のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
- 前記還元剤含有水溶液を、前記銀イオンを含有する水性反応系中の銀の含有量に対して1当量/分以上の速度で添加することを特徴とする、請求項4乃至7のいずれかに記載の球状銀粉の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の球状銀粉を導体として用いたことを特徴とする、導電性ペースト。
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