JPH07176209A - 導電性ペースト並びに積層セラミックコンデンサ及びそ の製造方法 - Google Patents

導電性ペースト並びに積層セラミックコンデンサ及びそ の製造方法

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JPH07176209A
JPH07176209A JP6090878A JP9087894A JPH07176209A JP H07176209 A JPH07176209 A JP H07176209A JP 6090878 A JP6090878 A JP 6090878A JP 9087894 A JP9087894 A JP 9087894A JP H07176209 A JPH07176209 A JP H07176209A
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organic
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powder
silver
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JP6090878A
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Masayuki Kurano
正行 鞍野
Masahito Shirakata
雅人 白方
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鉛系複合ペロブスカイト酸化物を誘電体とする
積層セラミックコンデンサであって、焼成中にセラミッ
ク誘電体と内部電極との間の層剥離が起ることのない、
電気特性発現の安定性に優れ信頼性の高い積層セラミッ
クコンデンサを提供する。 【構成】内部電極1形成用の導電性ペーストとして、従
来の導電性ペーストに有機チタン化合物と、ピンニング
作用金属の有機金属化合物からなる焼結収縮制御剤とを
添加した導電性ペーストを用いる。有機チタン化合物に
よって、内部電極1とセラミック3との間の接着力を高
めると同時に、ロジウムなどのピンニング作用金属によ
り、内部電極1とセラミック3との間の焼結収縮の差に
起因する応力発生を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性ペースト並びに
積層セラミックコンデンサ及びその製造方法に関し、特
に、鉛系複合ペロブスカイト酸化物を誘電体として用い
る積層セラミックコンデンサの内部電極形成に用いられ
る導電性ペースト並びにこの導電性ペーストを用いた積
層セラミックコンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の積層セラミックコンデンサは、
一般に、下記のような製造工程により製造される。先
ず、セラミック誘電体粉末(この場合は、鉛系複合ペロ
ブスカイト酸化物粉末)と有機バインダ及び溶剤とを混
合し、キャスティング法などによりシート状に加工して
セラミックグリーンシートを作成する。次に、このグリ
ーンシート上に、内部電極となる導電性ペーストの層を
スクリーン印刷などにより形成し、これを所定枚数だけ
積層し圧着する。次いで、個々のコンデンサ単位に切断
した後焼成を行って、セラミック誘電体および導電性ペ
ースト中の金属粉末を同時に焼結させ、最後に外部電極
を形成する。
【0003】このように、積層セラミックコンデンサの
製造に際しては、シート状にした誘電体セラミック粉末
(グリーンシート)と、導電性ペースト中の金属粉末と
を同時に焼結させる焼成工程が欠かせない。積層セラミ
ックコンデンサは、この焼成工程により各セラミック誘
電体と各内部電極とが緻密に一体化されて始めて所定の
コンデンサ特性を示す。したがって上記焼成工程では、
焼結後の積層体にセラミック誘電体と内部電極とが剥離
してしまう、いわゆる層剥離が発生しないことが、コン
デンサとしての電気特性発現の安定性および信頼性確保
の上で非常に重要である。
【0004】上記の層剥離は、焼成工程の昇温過程およ
び降温過程で金属(内部電極)とセラミック(誘電体)
との接合面に働く応力の方が両者の間の接着力より大き
いときに起るのであるが、この観点から焼成工程におけ
る焼結の過程を考察すると、セラミックと金属とは、一
般に 接着力が弱く強固な接合が得られ難い。 焼結が進行する温度帯および焼結に伴う体積収縮の大
きさに差があることに起因して、焼成中の特に昇温過程
で両者の接合面に応力が発生する。 熱膨張係数の差が大きいので、焼成中の昇温・降温に
よる体積の膨張・収縮に伴って発生する応力が大きい。
【0005】以上のことから、積層セラミックコンデン
サに用いられる内部電極用の導電性ペーストには、内部
電極とセラミック誘電体との間の層剥離を防いでコンデ
ンサ特性の発現安定性及び信頼性を更に高めるために、
セラミック誘電体との接着力が大きく、しかも、焼
結の進行に伴って発生する応力が小さいという特性を備
えていることが求められる。
【0006】積層セラミックコンデンサには、従来、例
えば銀粉末とパラジウム粉末とを混合したもののような
銀を含む金属粉末と、有機バインダ及び溶剤からなるビ
ヒクルとを混合し、これを三本ロールなどにより良く混
練して得られた導電性ペーストが多用されているが、上
記のような要求を満たすために、この従来の導電性ペー
ストをベースにして、焼結による体積収縮の差に伴なう
応力緩和を図ったペーストが開発されている。又、特に
積層セラミックコンデンサ用として意図されたものでは
ないが、金属とセラミックとの接着力改善を図ったペー
ストがあり、このペーストを積層セラミックコンデンサ
に適用すれば層剥離発生を改善できるであろう。
【0007】例えば、特開昭63ー115691号公報
(以下、第1の公報と記す)には、従来の活性銀ろうペ
ーストに更に有機チタン系接着促進剤(チタネートカッ
プリング剤)を添加し、このチタネートカップリング剤
とセラミック基板表面に吸着されている水分とによる加
水分解反応を利用して、窒化アルミニウム(AlN)の
ような非酸化物系のセラミックに対する接着力を高めた
導電性ペーストが開示されている。この導電性ペースト
は、単板の高熱伝導性セラミック板どうし、又はこのよ
うなセラミック板と金属との接着力強化を目的とするも
のであるが、このような導電性ペーストを本発明の対象
となる積層セラミックコンデンサの内部電極として用い
て、内部電極とセラミック誘電体との接着力を従来の導
電性ペーストによるよりも高めることはできるであろ
う。
【0008】又、特開昭63ー283184号公報(以
下、第2の公報と記す)には、銀粉末及びパラジウム粉
末を必須成分とする導体組成物と、ロジウム粉末及び有
機ロジウム化合物の両者又は一方とを、分散状態でビヒ
クル中に含有させた導電性ペーストが開示されている。
この発明は、焼成済みの単板ガラス基板又はガラスセラ
ミック基板上に導電体パターンを形成するための導電性
ペーストであって、良好なはんだ濡れ性を示ししかも導
体組成物と基板間の密着性が低下しないようなペースト
を提供することを目的とするものであるが、このペース
トを積層セラミックコンデンサに適用すれば、含有する
ロジウムの焼結収縮差抑制作用(後述する)によって、
内部電極の焼結による体積収縮(以後、焼結収縮と記
す)がセラミック誘電体のそれに近ずき、内部電極とセ
ラミック誘電体との間の焼結収縮の差による応力発生が
抑制されるという効果が期待できる。
【0009】更に、特開平3ー80513号公報(以
下、第3の公報と記す)には、銀とパラジウムとの混合
物および銀から成るグループから選択した導電性粉末
に、更にイリジウム金属有機樹脂酸塩およびロジウム金
属有機樹脂酸塩から成るグループから選択した焼結制御
添加剤を加え、この焼結制御添加剤がパラジウム粒子と
銀粒子との間の相互拡散に対する障壁として働くことを
利用して焼成時の焼結収縮の差による応力発生を制御
し、積層セラミックコンデンサの層剥離の発生傾向を低
下させる導電性ペーストが開示されている。
【0010】その他、特開昭60ー1951号公報(以
下、第4の公報と記す)には、Ag成分99.5〜0.
5wt%並びにNi,Cu,Al,Zn,W及びMo成
分の1種あるいは2種以上の成分0.5〜99.5%の
比率範囲内より成る電極材料をビヒクル中に分散させた
導電性ペーストが開示されている。この発明は、セラミ
ック物質への無電解メッキの下地活性用金属材料ペース
トを提供することを目的とするものであるが、Moを含
むものを積層セラミックコンデンサの内部電極形成に用
いれば、Moが持つ焼結収縮差抑制作用により内部電極
とセラミック誘電体との間の焼結収縮差が小さくなるの
で、焼成工程での応力発生が抑制されるという効果が期
待できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で述べた四つの公報記載の導電性ペーストのいずれを用
いても、積層セラミックコンデンサの層剥離発生確率を
決める二つの要因(内部電極とセラミック誘電体との間
の接着力と応力)のいずれか一方しか改善されないの
で、層剥離発生抑止効果が必ずしも十分であるとは言え
ない。以下にその説明を行う。尚、導電性ペースト中の
金属粉末は銀粉末を主体とするが、一般にはこれにパラ
ジウム粉末が加えられた混合粉末であることが多い。こ
のパラジウムは、銀を銀・パラジウム合金とすることで
融点を上げるために加えられるものであるが、導電性ペ
ーストにおける焼結収縮、銀・パラジウム合金化あるい
はセラミックへの金属の拡散などの現象は、主として銀
粒子の焼結挙動に左右されるので、以下の説明は、これ
を簡潔にして理解を容易にするために、銀粉末だけから
なる金属粉末を含む導電性ペーストを例にして説明する
こととし、銀粉末と有機バインダと溶剤とからなる導電
性ペーストを従来の導電性ペーストと呼ぶこととする。
【0012】先ず、第1の公報記載の導電性ペーストを
用いると、セラミック誘電体と内部電極との接着力は従
来より向上する。しかしこのペーストにおいては銀の焼
結挙動は従来と同じであるので、焼成時の焼結収縮差あ
るいは熱膨張係数差に起因する応力の発生状況によって
は応力の方が接着力を上回り、その結果、層剥離が発生
してしまうことがある。すなわち、焼成工程終了後の積
層セラミックコンデンサの模式的拡大断面を示す図2を
参照して、ペースト中に含まれるチタネートカップリン
グ剤が、コンデンサ製造工程中の脱バインダ工程(導電
性ペーストを印刷したセラミックグリーンシートを積層
して得られる積層体に焼成前に300〜400℃程度の
熱を加えることによって、積層体中に含まれる有機バイ
ンダを予め熱分解させ揮散させる工程)及び焼成工程で
分解し、チタンが銀粉末表面に析出する。そして、この
チタンと銀とが内部電極1表面でチタン・銀合金2を形
成する。このチタン・銀合金2は鉄と同様に不定量の酸
素と結合するので、セラミック3と内部電極1との接合
部界面では、セラミック3中の酸化物(鉛酸化物。チタ
ンを含むセラミックの場合には、チタン酸化物も含まれ
る)4とチタン・銀合金2とが結びつき、銀・チタン酸
化物5が形成される。その結果、セラミック3と内部電
極1とは、セラミック3ー銀・チタン酸化物5ーチタン
・銀合金2ー内部電極1と連続する層によって、高い接
着力で強固に接合されることになる。このように、チタ
ン・銀合金の形成により、セラミック・内部電極間の接
着力が改善される。
【0013】ところがこの場合、従来の導電性ペースト
にチタネートカップリング剤だけを単独で添加したペー
ストでは、内部電極(銀)1の焼結の挙動は従来のまま
である。つまり従来どおり、セラミック3の焼結収縮に
比べて内部電極1の焼結収縮の方がより低温で始まる。
そのため焼成工程での昇温過程で、チタン・銀合金2が
形成される前に、セラミック3と内部電極1との間の焼
結収縮差によって両者の間に隙間8ができる。昇温に伴
って焼結が進むと共に隙間8は拡大し連結して行くが、
内部電極1の焼結収縮の方がセラミック3の焼結収縮よ
りも常に早いので、一度発生した隙間8は消えることが
なく最終的にセラミック3と内部電極1とが剥離したま
まになってしまう。つまり、層剥離が発生してしまう。
【0014】一方、第2、第3および第4の公報記載の
導電性ペーストでは、内部電極とセラミック誘電体との
間の焼結収縮差による応力発生は緩和されるが、両者の
間の接着力はもとのままであるので、熱膨張係数差によ
る発生応力の大きさによっては、焼成工程での降温時に
層剥離が発生したり或いは、内部電極とセラミック誘電
体との間の接着力のばらつきによる応力の局部集中とそ
れに起因するマイクロクラックの発生などが起ることが
ある。
【0015】すなわち、ペースト中の銀の焼結挙動を模
式的に示す図3を参照して、従来の導電性ペーストに、
第2の公報におけるロジウム、第3の公報におけるイリ
ジウムやロジウム或いは第4の公報におけるモリブデン
などの金属の有機金属化合物を添加したペーストでは、
有機ロジウム化合物(上記金属の代表例としてロジウム
を取り上げる。したがってこの段落の説明中、ロジウム
はイリジウム又はモリブデンに読み替え可能である)が
積層セラミックコンデンサ製造の脱バインダ工程および
焼成工程で分解し、図3(a)に示すように、ロジウム
6が銀焼結体7の表面に析出する。ロジウムは状態図か
らも分るように銀に対する固溶度が極めて小さく又その
融点が高い。したがって銀焼結体7表面に析出したロジ
ウム6は銀のセラミック中への拡散を抑えると共に、特
に銀粉末と銀粉末との接触点付近(同図中に、破線で囲
った部分A)に析出したロジウム6は、銀の粉末から粒
への成長を抑制し、焼結の進行に伴う銀焼結体の体積収
縮をより高温側にシフトさせる。その結果、有機ロジウ
ム化合物を含む導電性ペーストでは、焼成工程の昇温過
程で、銀焼結体の焼結収縮とセラミック誘電体の焼結収
縮との差が従来より小さくなる。これに対し、有機ロジ
ウム化合物を含まない銀粉末だけの従来のペーストで
は、図3(b)に示すように、粉末状態からの粒成長が
抑えられないので焼成時の体積収縮が大きい。一例とし
てのロジウムがもたらす上記のような効果は、例えば第
3の公報にも記載されているように従来良く知られたこ
とであって、通常、ピンニング効果と称されることが多
い。尚、「ピンニング(pinning)」なる用語
は、例えば「物理学辞典」改訂版、第1768頁、培風
館(1992年)にあるように、「変形できる(弾性
的)物体の運動を阻害する機構、すなわち摩擦の原因と
なる機構の総称」を意味し、特に超伝導体の分野で注目
されているものであって、本発明の属する技術分野の用
語としては必ずしも一義的に明確に定義されたものでは
ないが、本発明において「ピンニング」は、上述したよ
うな作用により、金属粉末の焼結過程において粉末から
粒への成長を抑制する機構を意味することとする。そし
てピンニングによって焼結収縮差抑制効果を示す金属を
便宜上ピンニング作用金属と呼び、ピンニング作用金属
の有機金属化合物を焼結収縮制御剤と呼ぶことする。
【0016】つまり、焼結収縮制御剤を添加した導電性
ペーストでは、焼成工程での内部電極とセラミック誘電
体との間の焼結収縮差が従来のペーストにおけるよりも
小さくなるので、その焼結収縮差に伴なう応力発生が緩
和される。従って、焼成工程の昇温過程では、前述した
焼結収縮差に起因する隙間8(図3(a)参照)は生じ
難い。ところが焼成工程の降温過程を考えると、金属の
熱膨張係数の方がセラミックの熱膨張係数に比べて約1
0倍程度と大きいので、降温過程での体積収縮は内部電
極の方がセラミックよりずっと大きい。その結果、この
体積収縮差によりセラミックと内部電極との接合面に応
力が発生する。このことから、従来の導電性ペーストに
焼結収縮制御剤だけを単独で添加した導電性ペーストの
ように、内部電極とセラミック誘電体との間の接着力は
従来どおりであって特には改善されていないペーストで
は、焼成工程の降温過程で、熱膨張係数の差に基づく体
積収縮差によって隙間8が生じ、これが層剥離となるこ
とがある。
【0017】このように、第1〜第4の公報記載の導電
性ペーストはいずれも、層剥離抑止効果が必ずしも十分
であるとはいえない。しかも、第1の公報記載の導電性
ペーストは、同公報にも記載されているとおり、真空中
あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成しなければならな
い。これに対して、本発明が対象とする積層セラミック
コンデンサに用いられる鉛系複合ペロブスカイト酸化物
は、これを真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で焼成す
ると、酸素欠乏により誘電特性が影響され誘電率が低下
するという現象が表れる。つまり、上記第1の公報記載
の導電性ペーストそのものは、導電性ペーストとセラミ
ック誘電体とを酸素の存在化で同時に焼成するという積
層セラミックコンデンサの製造工程には実際上適用でき
ないものであると言える。
【0018】従って、本発明は、鉛系複合ペロブスカイ
ト酸化物を誘電体とする積層セラミックコンデンサであ
って、焼成工程におけるセラミック誘電体と内部電極と
の層剥離のない、電気特性発現の安定性に優れ信頼性の
高い積層セラミックコンデンサを提供することを目的と
するものである。
【0019】本発明の他の目的は、鉛系複合ペロブスカ
イト酸化物を誘電体とする積層セラミックコンデンサの
製造に適用可能であって、従来の導電性ペーストに比べ
てセラミック誘電体と内部電極との間の接着力が強くし
かも焼成工程での応力発生が抑制される導電性ペースト
を提供することを目的とするものである。
【0020】本発明の更に他の目的は、上記のような導
電性ペーストを用いて、鉛系複合ペロブスカイト酸化物
を誘電体とする積層セラミックコンデンサを製造する方
法を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性ペースト
は、銀粉末及び銀粉末とパラジウム粉末との混合物で構
成されるグループから選択した金属粉末と、有機チタン
化合物と、銀、パラジウム及び鉛のそれぞれに対して9
50℃以下で液相となることなくピンニング作用を及ぼ
す金属の有機化合物で構成されるグループから選択した
少くとも一種類以上の有機化合物からなる添加剤と、有
機バインダとを溶剤中に分散させてなる導電性ペースト
である。添加剤に含まれる金属としては、ロジウム、白
金、ルテニウム、ボロン、コバルト、モリブデン、ジル
コニウム及びイリジウムの中から一つを選択して、又
は、任意の複数を選択し組合せて用いる。
【0022】又、本発明の積層セラミックコンデンサ
は、セラミック誘電体として鉛系複合ペロブスカイト酸
化物を用いると共に、上記の導電性ペーストを用いて形
成された内部電極を有する積層セラミックコンデサであ
る。
【0023】本発明の積層セラミックコンデンサは、鉛
系複合ペロブスカイト酸化物粉末から得たグリーンシー
ト上に導電性ペーストの層を形成する工程を含み、内部
電極形成用の導電性ペーストとして、上記の導電性ペー
ストを用いることを特徴とする製造方法によって製造さ
れる。
【0024】
【作用】本発明の導電性ペーストは、銀粉末または銀粉
末とパラジウム粉末との混合物からなる金属粉末に加え
て、接着力強化のための有機チタン化合物と、焼成時の
焼結収縮差圧縮のための添加剤(焼結収縮制御剤)を同
時に含んでいる。
【0025】本発明の導電性ペーストを用いて製造した
積層セラミックコンデンサの焼成後の断面を模式的に示
す図1を参照して、このコンデンサでは、第1の公報記
載のコンデンサにおけると同様に、セラミック3と内部
電極(銀)1との間が、セラミック3ー銀・チタン酸化
物5ーチタン・銀合金2ー内部電極(銀)1相互間の化
学結合によって強固に結び付けられており、セラミック
3と内部電極1との間の接着力が向上している。更に、
本発明の導電性ペーストは焼結収縮制御剤内のピンニン
グ作用金属の作用により、焼成工程の昇温過程で、内部
電極1の体積収縮が高温側にシフトしており、内部電極
1とセラミック3との間の焼結収縮差が小さくなってい
る。本発明の積層セラミックコンデンサではこれら二つ
の作用の相乗効果により、層剥離の発生が抑えられる。
【0026】すなわち、本発明の導電性ペーストを積層
セラミックコンデンサに適用した場合、焼成工程の昇温
過程では、ピンニング作用金属が隙間8(図2参照)の
発生を抑止する。このとき同時に、チタンが内部電極
(銀)1表面に析出しチタン・銀合金2を形成するが、
この場合、銀・銀間(パラジウムを含むペーストの場合
は、これに加えて銀・パラジウム間)の固体拡散速度に
比べて銀・酸化チタン間の固体拡散速度の方が遅いの
で、添加されたピンニング作用金属によって内部電極
(銀)1の焼結温度が下がることはなく、ピンニング作
用金属の焼結収縮差抑制効果に影響はない。一方、焼成
工程の降温過程では、セラミック3ー銀・チタン酸化物
5ーチタン・銀合金2ー内部電極(銀)1の連続した層
によってセラミック3と内部電極1との間の接着力が強
化されているので、熱膨張係数の差による体積収縮差に
起因する隙間8の発生が抑えられる。
【0027】ピンニング作用金属としては、前述したロ
ジウムのように、内部電極1中に含まれる銀およびパラ
ジウムと、セラミック誘電体中に多量に存在する鉛とに
対して、焼成温度以下で極めて少量しか固溶しない元素
を選択する。このようにすれば、添加されたピンニング
作用金属によってチタン・銀合金および銀・チタン酸化
物の形成が影響を受けることはない。鉛系複合ペロブス
カイト酸化物セラミックを誘電体とする積層セラミック
コンデンサの焼結温度900℃に対して、950℃以下
の温度で上記のような性質を持つ元素として、ロジウム
の他に、白金、ルテニウム、ボロン、コバルト、モリブ
デン、ジルコニウム及びイリジウムがある。これら各元
素はそれぞれが融点が高いものであり元素同士では固溶
体を形成しにくく、又、たとえそれぞれ同士で固溶体を
形成したとしても銀、パラジウム及び鉛に対しては固溶
しにくいので、単独で焼結収縮差抑制効果を示すだけで
なく、複数が組み合されてもその効果は単独のときと何
ら異るものではない。
【0028】従来、導電性ペーストにおける焼結収縮の
制御は、ペースト中の粉末粒径や金属対ビヒクルの比を
コントロールすることによって行うのが一般的である
が、その結果、例えばこの導電性ペーストをセラミック
シート上にスクリーン印刷するときの印刷性が悪化する
など、他の特性が犠牲になることがあった。本発明の導
電性ペーストにおけるように、焼結収縮制御剤を含ませ
ることは、ペーストの印刷性を大きく変えることなく焼
結収縮を制御できるという利点がある。
【0029】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例について説明す
る。以下に述べる幾つかの実施例においては、鉛系複合
ペロブスカイト酸化物セラミックを誘電体とする積層セ
ラミックコンデンサを製造し、完成後、層剥離発生数お
よびクラック発生数を調査すると共に、信頼性試験を実
施しそこでの故障発生数を調査した。セラミック誘電体
は全実施例とも同一で、チタンを含み、Pb(Mg1/2
1/2 )O3 ーPb(Ni1/3 Nb2/3 )O3 ーPbT
iO3 で表される鉛系複合ペロブスカイト酸化物であ
る。
【0030】各実施例の導電性ペースト中の金属粉末は
全実施例とも同一で、銀粉末70wt%、パラジウム粉
末30wt%の混合粉末である。それぞれの粉末の粒径
は、銀粉末が0.2〜0.5μm、パラジウム粉末は
0.1〜0.3μmである。また接着強化剤としての有
機チタン化合物も全実施例に共通で、チタネート系カッ
プリング剤(味の素株式会社製。商品名:プレンアク
ト)である。
【0031】各実施例では、先ず、銀粉末とパラジウム
粉末とを上記の比率になるように予め混合し、銀・パラ
ジウム混合粉末を作った。
【0032】次に、上記のチタネート系カップリング剤
と有機金属化合物(金属種およびその含有量が各実施例
ごとに異り、後述する)とをビヒクルに混合し、これに
上記の金属粉末(銀・パラジウム混合粉末)を混合した
後、三本ロールを用いて混練し、各実施例の導電性ペー
ストを得た。
【0033】別に、上述の鉛系複合ペロブスカイト酸化
物を用いて、厚さ10μmのグリーンシートを作り、こ
のグリーンシート上に、各実施例の導電性ペーストを用
いて所定のパターンをスクリーン印刷し、これを60層
積層し圧着した後に切断して未焼成の積層セラミックコ
ンデンサとした。
【0034】次いで、未焼成の積層セラミックコンデン
サを300〜400℃で熱処理してバインダを分解した
(脱バインダ工程)後に焼成を行ない、各実施例の積層
セラミックコンデンサを得た。焼成条件は全実施例とも
同一で、100℃/hで昇温し、900℃に4時間保持
した後、100℃/hで降温させる条件である。焼成雰
囲気は空気である。
【0035】得られた積層セラミックコンデンサについ
て、各実施例ごとに、セラミック誘電体と内部電極との
間の層剥離およびセラミック誘電体内部のクラック発生
数量を調査すると共に、信頼性試験を実施した。上記層
剥離発生数およびクラック発生数の調査は、各実施例ご
とにコンデンサ100,000個に対して行なった。
又、信頼性試験は耐湿負荷試験(温度85℃、湿度85
RH、印加電圧25DCV、試料数:各実施例ごとに5
00個ずつ)であり、電圧印加から1000時間後の不
良発生数を調査した。
【0036】以下に、各実施例における導電性ペースト
の組成を表1〜表3に示し、各実施例の特徴について述
べる。
【0037】実施例1〜実施例13(表1〜表2参照) 焼結収縮制御剤として有機ロジウム化合物を用い、全導
電性ペーストに占める金属粉末および有機成分の含有量
(wt%)を一定にしておいて、金属粉末に対するチタ
ン及びロジウムの含有量を変化させた実施例群である。
表1及び表2において、比較例1及び比較例2は、接着
強化剤としてのチタネートカップリング剤だけを添加し
たものであり、比較例3は、接着強化剤も焼結収縮制御
剤も共に含まない従来の導電性ペーストである。実施例
1〜実施例13の各実施例において、有機ロジウム化合
物には、ロジウムアセチルアセトネート(CH3 COC
HCOCH3 3 Rh(和光純薬工業株式会社製)を用
いた。
【0038】実施例14〜実施例22(表3参照) 全導電性ペーストに占める各成分(金属粉末、有機成
分、チタン及び総ピンニング作用金属)の含有量を固定
しておいて、ピンニング作用金属の種類およびその金属
種ごとの含有量(at%)を変化させた実施例群であ
る。実施例14は、焼結収縮制御剤として有機ロジウム
化合物だけを含み、上述の実施例1〜実施例13の成分
構成と同一である。尚、これら9つの実施例14〜実施
例22において、各焼結収縮制御剤としては、各ピンニ
ング作用金属(ロジウム、白金、ボロン、ルテニウム、
モリブデン、ジルコニウム,コバルト及びイリジウム)
のアセチルアセトネートを用いた。
【0039】以下に、上記の各実施例1〜22及び比較
例1〜比較例3における調査の結果について説明する。
表4〜表5は、実施例1〜実施例13における調査結果
を示す。これら二つの表を参照すると、ピンニング作用
金属としてロジウムを単独で含むペーストの場合、チタ
ンを金属粉末に対して0.02〜0.09wt%含有
し、且つ、ロジウムを金属粉末に対して0.1〜0.6
wt%含有するペースト(実施例2〜実施例6及び実施
例9〜実施例11)を用いると、積層セラミックコンデ
ンサの層剥離、クラック及び信頼性試験での不良は全く
発生しない。
【0040】ここで、ピンニング作用金属としてのロジ
ウムの含有量に上限および下限が存在するのは、以下の
理由によるものと考えられる。すなわち、ピンニング作
用金属の焼結収縮差抑制作用を説明するための図3
(a)を参照して、銀焼結体7表面に析出したロジウム
のうち焼結収縮差抑制効果に寄与するのは、銀粉末と銀
粉末の接触点近傍(破線の丸で囲った部分A)に析出し
たロジウム6である。つまり、接触点近傍Aにロジウム
6が析出しなければ、焼結収縮差抑制効果は表れない。
その場合のロジウムの析出確率は銀の存在数に対するロ
ジウムの存在数によって決まり、部分Aにロジウム6が
必ず析出するにはある程度以上のロジウム原子数がなけ
ればならない。一方、部分A以外の部分(同図中に破線
の丸で囲った部分B)に析出したロジウムは、極論すれ
ば、焼結収縮差抑制効果に何等寄与しない。したがって
部分Aにロジウム6が析出してしまった後は、部分Bを
含めて他の部分にロジウム6がいくら多量に存在して
も、その効果は大きくない。このことは、実施例1〜実
施例13の導電性ペーストを熱処理しそのときの体積収
縮率を実測した結果によって確認された。図4にその測
定結果を示す。図4において、横軸は熱処理温度を示
し、縦軸は体積収縮率を示す。尚、収縮率は、{(V−
0 )/V0 }×100(%)(但し、Vは加熱時の体
積を示し、V0 は室温での体積を示す)で定義し、マッ
クサイエンス株式会社製膨張率計(DILATOMET
ER5000)にて測定した。図中、実線の曲線は、
導電粉末(銀・パラジウム混合粉末)に対するロジウム
の割合が0.60wt%のペーストの体積収縮率を、一
点鎖線の曲線は同じくロジウムを0.10wt%含有
するペーストの体積収縮率を、破線の曲線はロジウム
を含まないペーストの体積収縮率をそれぞれ示す。同図
を参照して、ロジウムを含まないペースト(曲線)で
の体積収縮に比べて、ロジウムを含むペースト(曲線
及び曲線)での体積収縮の方が高温側にシフトしてい
る。そしてこの場合、曲線と曲線との開きの方が曲
線と曲線との開きよりずっと大きいことから分るよ
うに、ロジウムの含有量は0.10wt%をしきい値と
し、このしきい値を超えると急激に体積収縮が高温側に
シフトするが、その後のロジウム増加量の影響は比較的
小さいことが分る。
【0041】これに対し、セラミック誘電体として鉛系
複合ペロブスカイト酸化物を用いるセラミックコンデン
サの場合、導電性ペースト中のロジウム含有量が必要以
上に多すぎると、むしろ、内部電極からセラミックへの
銀の拡散が抑えられる結果、セラミックの焼結が十分に
行われなくなり、焼成後のセラミックが脆弱になること
が知られている。これが実施例7におけるクラック発生
の原因であろう。又、ロジウムが多すぎる場合はこの外
にも、内部電極の抵抗率が高くなってしまうという不都
合なことが起る。加えて、ロジウムアセチルアセトネー
トは高価でもあるので、ロジウムの含有量は必要最低限
に留めるのが実際的であろう。
【0042】尚、以上の説明から明かなように、焼結収
縮差抑制効果を示すロジウムの含有量の範囲を表わす場
合、これを重量比(wt%)で表示するよりも導電粉末
に対するロジウムの原子数比で表現する方が、焼結現象
の本質に即しており、銀・パラジウム混合粉末に対する
ロジウムの作用を、他の導電粉末とピンニング作用金属
の組合せに一般化し普遍化できる。この観点から、図4
においては、上記のロジウムの含有量範囲(0.10〜
0.60wt%)を原子数比で示し、1.04×10-3
〜6.22×10-3at%と表示した。
【0043】次に、表6を参照すると、実施例14〜実
施例22では、層剥離、クラック及び信頼性試験での不
良とも全く発生しない。このことは、ピンニング作用金
属としては、ロジウムのみならず、白金、ルテニウム、
ボロン、モリブデン、ジルコニウム、コバルト及びイリ
ジウムでも良く、しかもそれら元素は単独で存在しても
或いは複数が組み合された場合でも、ロジウムにおける
と同様の効果を発揮することを示している。
【0044】これは、下記のように考えられる。すなわ
ち、マックス・ハンセン(MaxHansen)著、コ
ンスティチューション・オブ・バイナリ・アロイズ(C
ONSTITUTION OF BINARY ALL
OYS)、第2版、マグローヒル(McGrewーHi
ll)、1958年によって二元合金の状態図を調査す
ると、実施例14〜実施例22で用いたピンニング作用
金属(ロジウム、白金、ルテニウム、ボロン、モリブデ
ン及びジルコニウム)はいずれも、表7中に×印で示す
ように、鉛(Pb)、銀(Ag)及びパラジウム(P
d)に対して950℃以下では液相とならない。したが
って本発明の積層セラミックコデンサのように、鉛系複
合ペロブスカイト酸化物を誘電体材料として用いその焼
成が900℃で十分可能な場合には、上記のピンニング
作用金属は焼結収縮差抑制作用を示す。つまり、図3
(a)に示すように、積層セラミックコンデンサ製造の
脱バインダ工程および焼成工程で銀焼結体7表面に析出
し、銀のセラミック中への拡散を抑えると共に、銀粉末
の粒成長を抑制する。このため、内部電極の収縮開始が
高温側へシフトし、内部電極とセラミックとの間の焼結
収縮差が減少する。しかも、上記のピンニング作用金属
はいずれも、それぞれが融点が高いものでありそれぞれ
同士では固溶体を形成し難く、又、たとえそれぞれ同士
で固溶体を形成したとしてもAg、Pd及びPbに対し
ては固溶しにくいので、単独で焼結収縮差抑制効果を示
すのみならず、複数が組み合されてもその効果は単独で
のときと変らない。尚、実施例14〜実施例22の導電
性ペーストに対しても、加熱時の体積収縮率を測定した
が、いずれも図4に示されるものと同様の傾向を示し、
体積収縮の高温側へのシフトは、ピンニング作用金属が
ロジウムである場合に限らないことが確認された。
【0045】実施例14〜実施例22によれば、ピンニ
ング作用金属としては、ロジウムのみならず、白金、ル
テニウム、ボロン、モリブデン、ジルコニウム、コバル
ト及びイリジウムも有効であり、しかも、それらを二種
類以上組み合せても層剥離抑制効果があるといえる。但
し、これまでの議論から明かなように、複数のピンニン
グ作用金属を組み合せて用いるときは、各ピンニング作
用金属の総計が導電粉末に対して1.04×10-3
6.22×10-3at%になるようにする必要がある。
【0046】尚、これまでの実施例は全て、チタンを含
む鉛系複合ペロブスカイト酸化物を誘電体とする積層セ
ラミックコンデンサに本発明を適用した例であるが、チ
タンを含まない鉛系のペロブスカイト酸化物、例えば、
Pb(Fe,W)O3 ーPb(Fe,Nb)O3 ーPb
(Zn,Nb)O3 を誘電体とする積層セラミックコン
デンサにおいても、これまでの実施例と同様の結果が得
られることを確認している。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、金属と
セラミックとの間の接着力を向上させるための有機チタ
ン化合物を含有していると同時に、ロジウム、白金、ル
テニウム、ボロン、モリブデン、ジルコニウム、コバル
ト及びイリジウムのような、焼結収縮差抑制作用を示す
元素の有機金属化合物を含有することを特徴とする導電
性ペーストを積層セラミックコンデンサの内部電極形成
用に用いている。
【0055】このことにより本発明の導電性ペーストに
よれば、積層セラミックコンデンサの製造工程におい
て、セラミック誘電体と内部電極との間の接着力を向上
させ、しかも焼成工程での焼結収縮差および熱膨張係数
差による体積収縮差に起因する応力発生を緩和できる。
しかも、本発明の導電性ペーストは、真空中や不活性ガ
ス雰囲気中で焼成する必要がなく空気中など酸素の存在
下で焼成することができるので、鉛系複合ペロブスカイ
ト酸化物のように、その誘電特性が焼成雰囲気中の酸素
の存在によってに影響されるセラミックを誘電体とする
積層セラミックコンデンサの製造にも適用可能である。
【0056】従って、本発明の導電性ペーストを用いた
積層セラミックコンデンサの製造方法によれば、鉛系複
合ペロブスカイト酸化物を誘電体とする積層セラミック
コンデンサであって、焼成工程におけるセラミック誘電
体と内部電極との間の層剥離のない、電気特性発現の安
定性に優れ信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性ペーストを用いた積層セラミッ
クコンデンサの焼成工程終了後の断面を模式的に示す断
面図である。
【図2】従来の導電性ペーストに有機チタン化合物だけ
を添加した導電性ペーストを用いて製造した積層セラミ
ックコンデンサの断面を模式的に示す断面図である。
【図3】分図(a)は、従来の導電性ペーストに有機ロ
ジウム化合物を添加したペーストにおける銀の焼結状態
を模式的に示す断面図である。分図(b)は、従来の導
電性ペーストにおける銀の焼結状態を模式的に示す断面
図である。
【図4】本発明の実施例1〜13の導電性ペーストを熱
処理したときの、温度と体積収縮率との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 内部電極 2 チタン・銀合金 3 セラミック 4 酸化物 5 銀・チタン酸化物 6 ロジウム 7 銀焼結体 8 隙間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀粉末及び銀粉末とパラジウム粉末との
    混合物で構成されるグループから選択した金属粉末と、 有機チタン化合物と、 銀、パラジウム及び鉛のそれぞれに対して950℃以下
    で液相となることなくピンニング作用を及ぼす金属の有
    機化合物で構成されるグループから選択した少くとも一
    種類以上の有機化合物からなる添加剤と、 有機バインダとを溶剤中に分散させてなる導電性ペース
    ト。
  2. 【請求項2】 銀粉末及び銀粉末とパラジウム粉末との
    混合物で構成されるグループから選択した金属粉末と、 有機チタン化合物と、 有機ロジウム化合物、有機白金化合物、有機ルテニウム
    化合物、有機ボロン化合物、有機コバルト化合物、有機
    モリブデン化合物、有機ジルコニウム化合物及び有機イ
    リジウム化合物で構成されるグループから選択した少な
    くとも一種類以上の有機化合物からなる添加剤と、 有機バインダとを溶剤中に分散させてなる導電性ペース
    ト。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の導電性ペーストにおい
    て、 前記導電性ペースト中のチタン量が、前記導電性ペース
    ト中の前記金属粉末に対して、重量比で0.02〜0.
    09wt%の範囲にあり、 前記添加剤に含まれる金属元素の前記導電性ペースト中
    の量が、前記導電性ペースト中の前記金属粉末に対し
    て、原子数比で1.04×10-3〜6.22×10-3
    t%の範囲にあることを特徴とする導電性ペースト。
  4. 【請求項4】 鉛系複合ペロブスカイト酸化物粉末から
    得たグリーンシート上に導電性ペーストの層を形成する
    工程を含む積層セラミックコンデンサの製造方法におい
    て、 前記導電性ペーストとして、請求項3記載の導電性ペー
    ストを用いることを特徴とする積層セラミックコンデン
    サの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の製造方法により製造され
    たことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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