JP2006278431A - セラミック回路基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 焼成後のセラミック基板において、レーザー加工により所定の位置に貫通スルーホールを形成した後、この貫通スルーホールに導電性ペーストを刷り込み、次いでペースト乾燥工程及びペースト焼成工程を適用した。導電性ペーストの充填により貫通穴の無くなった基板に対し、電気配線回路パターンを形成し、次いでエアブリッジ橋脚用の液体フォトレジストをスピンコーティング法により基板上に均一に塗布し、フォトレジスト写真製版などによりエアブリッジを形成した。
【選択図】 図1
Description
また、従来、セラミック基板表面に形成される電気配線パターン同士をワイヤボンディングを用いずに、いわゆるエアブリッジと呼ばれる空中配線により接続することを行っていたが、配線パターンが微細配線になるに従い、セラミック基板の所望の位置にエアブリッジを形成することができないという問題があった。
また、一般に、金属が充填されていない貫通スルーホールを有する基板のように基板に凹部があって表面が平坦でない基板表面にフォトレジスト写真製版によりパターニングを行うときは、スピンコーティングしたフォトレジストがスルーホールの開口端にていわゆるはじきが発生して均一な膜厚のレジストが形成できないなどの問題があった。このため、微細な配線パターンの形成に支障をきたすことは当然のこと、特にエアブリッジ形成においては、エアブリッジの高さが大きくばらつくなど、品質上の問題があった。
また、導電性ペーストをスルーホール内に刷り込むことで穴を塞いで基板表面を平坦にしたので均一な膜厚のレジストが形成でき、写真製版のパターニングにより
微細な配線パターンを形成することができる。さらには、高さが均一なエアブリッジを形成することもできる。
また、この発明により、基板の表面と裏面とを電気的に貫通接続するスルーホール構造と、エアブリッジなどの微細回路パターンとが混載された高品質で安価なセラミック回路基板を得ることができる。
図1、図2は、本発明の実施の形態1におけるスルーホールとエアブリッジとが混載されたセラミック回路基板の製造フローを説明する図である。
まず、図1(a)において、焼成後の厚さ0.5mm程度の平行平板セラミック基板1に対し、レーザービーム照射により貫通スルーホール2を形成する。レーザービーム照射後は、スルーホール部の内側側壁にはセラミック溶融物3が生成付着する。
次に、図1(b)において、セラミック基板1上にドライフィルムレジスト4を貼り付ける。
図1(c)において、スルーホール開口形状よりややサイズが大きいパターンマスクを用いて、ドライフィルムレジスト4の露光および現像処理を実施する。
次に、図1(d)において、図1(c)でパターニングしたドライフィルムレジスト4をマスクにしてサンドブラスト加工を実施し、レーザービーム照射時にスルーホール部に生成付着したセラミック溶融物3を除去すると共にスルーホール形状を整形する。
次に、図1(e)において、ドライフィルムレジスト4を除去する。この時、サンドブラスト加工面側のスルーホール開口形状は、ドライフィルムレジスト4のパターンが反映された形状となる。
次に、図1(f)において、印刷技術を用いてスキージにより導電性ペースト5を貫通スルーホール2内に刷り込む。この時に使用する導電性ペーストは、乾燥および焼成時における収縮率が0%に近接するもので、例えば1%程度のものであり、基材であるセラミックに密着性が良いものを選定し使用する。例えば、Agを主成分としPdを添加した導電性ペーストを使用する。
次に、図1(g)において、例えば、150℃程度の温度にて乾燥させた後、850℃程度の温度にて焼成する。
図1(h)において、基板両面にAu、Pb、Ni、Cr、Al、Cu、Ag、Pt、Zn、Co、Fe、Pd、Ti、Mo、W、Zrの金属のいずれかから成る多層金属膜6をスパッタリング法などにより膜の総厚が、例えば、サブμmから十数μmのオーダーの範囲で形成する。図1(h)では、多層金属膜を1層にて簡略化して図示している。
次に、図1(i)において、多層金属膜6上に液体樹脂レジストをスピンコーティングにより塗布し、露光および現像処理し、レジストパターンを形成した後、レジストパターンをマスクにして露出領域の多層金属膜6をエッチング除去し、次いでレジストを除去することにより、配線パターン7を形成する。この時、配線パターン7はスルーホール内の導電性ペースト5と接点を持つように設計されている。
図2(j)において、セラミック基板1上に液体樹脂レジスト8をスピンコーティングにより塗布し、露光および現像処理して、エアブリッジ橋脚部のレジストパターン9を配線パターン7上に形成する。
次に、図2(k)において、後で説明するエアブリッジを電解メッキ形成する時に必要となるAu、Pb、Ni、Cr、Al、Cu、Ag、Pt、Zn、Co、Fe、Pd、Ti、Mo、W、Zrの金属のいずれかから成る給電層金属膜10をスパッタリング法などにより基板上の全面に形成する。この時、給電層金属膜10はエアブリッジ橋脚部で配線パターン7と密着接続している。
次に、図1(l)において、前記給電層金属膜10上に液体樹脂レジスト11をスピンコーティングにより塗布し、露光/現像処理し、エアブリッジ本体部のレジストパターン12を形成する。
次に、図1(m)において、前記給電層金属膜10を給電層として電解Auメッキ法によりエアブリッジ13をメッキ形成する。
次に、図1(n)において、前記給電層金属膜10上のレジスト11を除去する。
次に、図1(o)において、露出している領域の前記給電層金属膜10をエッチング除去する。この時、メッキ形成されたエアブリッジ本体部がエッチングマスクとしての働きを成す。
次に、図1(p)において、セラミック基板上のレジスト8を除去する。最後に、セラミック基板1を所望の寸法にダイシング法などを用いて切断する(図示せず)。なお、図では、簡略化してエアブリッジ本体部の中央付近を左右に直線で画いているが、実際には下の凹凸の影響を受け、その形状がエアブリッジに反映される。図1(p)の場合、実際には下の配線パターン7の影響を受ける為、エアブリッジ本体中央付近は少し上側に湾曲する。
図4に、実施の形態1で示した製造方法により製造した、セラミック回路基板15の構造図の別の一例を示す。図4(a)はセラミック回路基板15の概略斜視図、図4(b)は図4(a)で示したセラミック回路基板の上面図、図4(c)は図4(b)のA−A断面図である。
実施の形態2のセラミック回路基板では、スルーホール2の直上にエアブリッジを設けている。なお、図4(a)では、基板表面の配線パターン等の回路は簡略化して図示しており、実際のセラミック回路基板ではより複雑で微細な回路パターンとなることが多い。セラミック回路基板15は、例えば、縦3mm、横4mm、厚さ0.1〜1mm程度の外形寸法である。スルーホール2は、例えば、φ0.1mm〜φ1mm程度の寸法である。エアブリッジ13は、例えば、幅20〜500μm程度、長さ70〜2500μm程度、厚み0.5〜10μm程度の外形寸法である。配線パターン7のパターン幅は、例えば、幅20〜500μm程度である。
4 ドライフィルムレジスト、5 導電性ペースト、6 多層金属膜、7 配線パターン、8 液体樹脂レジスト、9 エアブリッジ橋脚部のレジストパターン、10 給電層金属膜、11 液体樹脂レジスト、12 エアブリッジ本体部のレジストパターン、13 エアブリッジ、14 セラミック回路基板、15 本発明の実施の形態2におけるスルーホールとエアブリッジの混載セラミック回路基板、16 エアブリッジの橋脚。
Claims (4)
- セラミック基板の表面と裏面とを電気的に接続するスルーホール構造と前記セラミック基板表面に微細回路パターンを有するセラミック回路基板の製造方法であって、
グリーンシート焼成後の前記セラミック基板にレーザービーム照射法によりスルーホールを形成したのち、前記スルーホールに焼成時の収縮率が0%に近い導電性ペーストを充填して乾燥及び焼成して前記セラミック基板表面を平坦化し、平坦化された前記セラミック基板表面に蒸着法、スパッタリング法、メッキ法のいずれか1つの方法あるいは蒸着法、スパッタリング法、メッキ法のいずれかを組み合わせた方法により金属膜を成膜した後、電気配線回路パターンを形成することを特徴とするセラミック回路基板の製造方法。 - セラミック基板の表面と裏面とを電気的に接続するスルーホール構造と前記セラミック基板表面に微細回路パターンを有するセラミック回路基板であって、
前記スルーホールはレーザビーム照射法により形成され、前記スルーホール内部には焼成時の収縮率が0%に近い導電性ペーストが充填されており、前記セラミック基板表面に形成された微細回路パターンは、蒸着法、スパッタリング法、メッキ法のいずれか1つの方法あるいは蒸着法、スパッタリング法、メッキ法のいずれかを組み合わせた方法により成膜された金属膜により構成されていることを特徴とするセラミック回路基板。 - 前記微細回路パターンには、エアブリッジを含むことを特徴とする請求項2記載のセラミック回路基板。
- 前記エアブリッジの少なくとも1つの橋脚部が前記スルーホールの直上に形成されていることを特徴とする請求項3記載のセラミック回路基板。
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