JP2009253196A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度の高い配線パターンを、高い接合強度で窒化アルミニウム焼結体上に形成することができる配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】窒化アルミニウム焼結体基板上に高融点金属ペーストを塗布して焼成し、高融点金属からなる配線パターンを形成する工程、該高融点金属からなる配線パターン上に、銅粒子を備えて構成される銅ペーストを塗布し、銅の融点以下で焼成して、銅ペーストを焼き付けて銅配線パターンを形成する工程、を備えた配線基板の製造方法であって、銅ペーストを、銅粒子全体の質量を100質量%として、平均粒子径100〜800nmの銅微粒子および/または銅酸化物微粒子を30〜65質量%含むものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、発熱量の多い半導体素子を搭載するためのヒートシンクとして好適に用いることができる窒化アルミニウム配線基板の製造方法に関する。
配線基板に搭載する半導体素子の発熱量は、半導体素子の高性能化に伴って増大している。このため、配線基板は、より熱伝導率が高く、放熱性を有する材料により形成することが望まれている。従来、配線基板材料として、アルミナ焼結体が使用されてきたが、アルミナ焼結体は、熱伝導率が不十分であるため、より熱伝導率が高い窒化アルミニウム焼結体を使用することが検討されている。
窒化アルミニウム焼結体を用いて配線基板を製造するためには、窒化アルミニウム焼結体の表面に金属配線を形成する必要がある。金属配線を形成する方法としては、金属ペーストを塗布する厚膜法、または、金属薄膜を蒸着により形成する薄膜法等がある。中でも、放熱性を必要とする用途においては、大量の電流を必要とする場合が多く、薄膜法で形成される膜厚では流せる電流に制限があるため、厚膜法が好適に採用されている。一方で、厚膜法ではタングステンやモリブデンなどの高融点金属を主に金属配線を形成するため、配線抵抗が高いという問題があった。
この問題を解決することを目的とするものとして、特許文献1には、窒化アルミニウム質焼結体から成り、タングステン、モリブデンの少なくとも1種から成る配線導体を設けた絶縁基体の外表面に、銅から成る回路導体をその一部が前記配線導体と接触するようにして被着させた回路基板であって、前記絶縁基体は少なくとも配線導体が被着される表面に酸化物膜を有し、且つ配線導体と回路導体との接触部に、ニッケル、コバルトの少なくとも1種とタングステン、モリブデンの少なくとも1種の合金から成る中間金属層が介在していることを特徴とする回路基板が記載されている。
また、特許文献2には、空孔を含む高融点金属をもって表面処理した窒化アルミニウム系基板に銅または銅合金を加熱により直接接合したことを特徴とする高熱伝導性絶縁基板が記載されている。
さらに、特許文献3では、窒化アルミニウム基材上に、高融点金属化層と、融点が1000℃以下でニッケル、銅、鉄の少なくとも1種を主成分とする金属介在層とを備え、該金属介在層上に銅を主体とする導体層が接合されている基板が記載されている。
特許第2703426号 特許第2751473号 特開平9−275166号公報
特許文献1に記載の回路基板は、高融点金属配線付きセラミック基板を得るために、セラミックグリーンシートの上下面にスクリーン印刷等により所定パターンを被着形成し、該グリーンシートを焼成することによって得られる。このようにセラミックスと高融点金属を同時に焼成して得られるメタライズド基板は、セラミックス焼成時の収縮によって変形が生じ、その上に同配線パターンの銅ペーストを塗布しようとしてもうまく重ならず、精細な配線パターンを描くことが難しいという問題があった。さらに、特許文献1には、銅の粉末にガラス粉末と有機溶剤、溶媒とを添加混合して金属ペーストを作り、ガラス粉末入りの金属ペーストを外表面に印刷塗布し、焼成することによって回路基板を形成する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、配線パターンの酸化を防止するために、その表面にメッキを施した場合、メッキの前処理に用いる酸やアルカリなどでガラス成分がエッチングされ、メッキ膜部に変色が発生する、あるいはパターン部の密着力が低下するなどの問題があった。
また、特許文献2の方法によると、窒化アルミニウム焼結体基板上に、高い接合強度で銅配線パターンを形成することができる。しかしながら、特許文献2には、焼成した窒化アルミニウム基板を用いる場合、高融点金属層上に銅粉末、銅板を配置して、銅の融解温度以上に加熱、好ましくは1300℃以上に加熱しなければならないことが示されている。このような1300℃以上に加熱できる炉は特殊な炉材で構成されるため、汎用的ではなく、また、焼き付け温度が高いことから経済的でない。さらに、高い温度で焼成するため、精細な配線パターンを描こうとした場合、溶融した銅パターン同士が接続してしまい、電気的な短絡を生じる場合があった。また、特許文献2には、焼成した窒化アルミニウム基板を用いる場合、酸化物あるいはガラス成分を添加した高融点金属を塗布する手法が開示されているが、高融点金属に酸化物あるいはガラス成分を添加することで、添加物の種類によっては金属層自体の膜強度が低下するおそれがあった。また、高融点金属配線の抵抗が高い上に、これらの添加物の影響で配線抵抗が高くなるおそれがあった。
また、特許文献3に記載の基板においては、銅を主体とする導体層を接合するため、配線間距離が短い精細なパターンを描くことが難しい、という問題があった。
そこで、本発明においては、配線抵抗が低く、精度の高い配線パターンを、高い接合強度で窒化アルミニウム焼結体上に形成することができる配線基板の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明は、窒化アルミニウム焼結体基板(10)上に、高融点金属ペーストを塗布して焼成し、高融点金属からなる配線パターン(20)を形成する工程、該高融点金属からなる配線パターン(20)上に、銅ペーストを塗布して焼成し、銅配線パターン(30)を形成する工程、を含む配線基板の製造方法であって、銅ペーストが、銅粒子全体の質量を100質量%として、平均粒子径100nm以上800nm以下の銅微粒子および/または銅酸化物微粒子を30質量%以上65質量%以下、平均粒子径3μm以上8μm以下の銅粒子および/または銅酸化物粒子を35質量%以上70質量%以下含むものである、配線基板の製造方法である。
本発明において、「銅ペースト」には、Cuのみならず、CuOやCuOなどの酸化銅を含んでいても良い。これは、銅が微粒子の場合、表面が酸化され易く、微粒子自身が酸化物となる場合があるためである。
なお、本明細書において、上記銅微粒子および/または銅酸化物微粒子、あるいは、銅粒子および/または銅酸化物粒子の平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置を用いてレーザー回折散乱法で測定した体積平均粒子径の値である。
本発明においては、窒化アルミニウム焼結体基板上に、高融点金属からなる配線パターン(20)を形成して、その上に銅配線パターン(30)を形成しているため、窒化アルミニウム焼結体基板(10)上に高い接合強度で銅配線パターン(30)を形成することができる。また、特定の平均粒子径の銅微粒子を所定量含む銅ペーストを使用することにより、銅の融点以下で焼成して銅配線パターン(30)を形成することが可能となるため、本発明の方法は、経済的に優れている。しかも、銅の融点以下の温度で焼成することができるため、銅配線パターン(30)が短絡することがなく、精度の高い配線パターンを形成することができる。
本発明において、高融点金属ペーストは、実質的にガラス成分を含まないものである。また、この高融点金属ペーストは、高融点金属粒子、窒化アルミニウム粉末、バインダーおよび溶媒を含んでなることが好ましい。このような高融点金属ペーストを用いることにより、銅配線パターン(30)と窒化アルミニウム焼結体基板(10)との接合をより信頼性が高いものとすることができる。さらに、焼成後の高融点金属配線抵抗を低く抑えることができる。なお、実質的に含まないとは、意図的にこれらの成分を含有させないことであり、不純物として少量(例えば、1質量%以下)含んでいる場合を除外する意味ではない(以下、本明細書の「高融点金属ペースト」において同様である。)。
本発明において、高融点金属は、モリブデンまたはタングステンのいずれかであることが好ましい。また、高融点金属からなる配線パターン(20)の厚みは、1〜20μmであることが好ましい。このように高融点金属からなる配線パターン(20)の厚みを、銅配線パターン(30)と窒化アルミニウム焼結体基板(10)との高い接合強度を確保するための最小限の厚さとすることによって、銅配線パターン(30)の厚みを厚くすることができ、配線パターン全体の厚みを薄く維持しつつも、配線抵抗を低く抑えることとができる。また、高融点金属からなる配線パターン(20)の表面粗さRaは、0.6μm以上とすることが好ましい。該配線パターン(20)の表面粗さRaを上記範囲とすることにより、アンカー効果を発現させることができ、高い接合強度を確保できる。
本発明において、銅ペーストは、特定の平均粒子径を有する銅粒子、バインダー、および溶媒を含んでなることが好ましい。また、銅ペーストは、実質的にガラス成分を含まないものであることが好ましい。これにより形成される銅配線パターン(30)は、抵抗をより低く抑えることができる。さらに、その上に、配線パターンの酸化を防止するためのメッキ層を形成したとしても、変色や配線パターンの接合強度低下などの問題が生じにくい。なお、実質的に含まないとは、意図的にこれらの成分を含有させないことであり、不純物として少量(例えば、1質量%以下)含んでいる場合をも除外する意味ではない(以下、本明細書の「銅ペースト」において同様である。)。
本発明においては、前記銅配線パターン(30)上にメッキ層を形成する工程をさらに含むことが好ましい。該銅配線パターン上にメッキ層を形成することにより、配線パターンの酸化を防止することができる。本発明においては、特に、銅配線パターン(30)に、ガラス成分が実質的に含まれない場合に、このような効果が顕著に発揮される。
本発明においては、高融点金属からなる配線パターン(20)を形成する工程と、銅配線パターン(30)を形成する工程との間に、ニッケルからなる金属層を形成する工程をさらに含んでいることが好ましい。高融点金属からなる配線パターン(20)と銅配線パターン(30)との間にニッケルからなる金属層を形成することにより、より一層、配線パターンの接合強度を高くすることができる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
<銅配線パターンを有する配線基板の製造方法>
本発明の銅配線パターンを有する配線基板の製造方法は、窒化アルミニウム焼結体基板上に、高融点金属からなる配線パターンを形成する工程、該配線パターン上に所定の銅微粒子等を含有する銅ペーストを塗布して、銅配線パターンを形成する工程、を備えて構成される。この方法により得られる配線基板の模式図を図1に示した。以下、各工程について説明する。
(高融点金属からなる配線パターン20の形成工程)
窒化アルミニウム焼結体基板10は、所定形状の窒化アルミニウムグリーンシートを焼成して得られるもので、材質等において特に限定されるものではない。また、窒化アルミニウムグリーンシートには、通常用いられる焼結助剤等を添加してもよい。また、窒化アルミニウム焼結体の表面は、必要に応じて研磨して、表面を平滑にしてもよい。
本発明においては、まず、窒化アルミニウム焼結体基板10の表面の配線パターンを形成する所定の位置に、高融点金属ペーストを塗布する。高融点金属としては、タングステンまたはモリブデンを挙げることができる。高融点金属ペーストは、高融点金属粒子、窒化アルミニウム粉末、バインダーおよび溶媒を含むものであることが好ましい。そして、本発明においては、高融点金属ペーストは実質的にガラス成分を含んでいないものを使用する。高融点金属ペーストがガラス成分等を含んでいると、後の工程において不具合が生じ易くなる。具体的には、高融点金属からなる配線パターン20と銅配線パターン30との密着をより高めるために、両配線パターンの間にニッケルからなる金属層をメッキにより形成する場合がある。この場合、高融点金属からなる配線パターン20を、強酸を用いてエッチングすることが一般的であるが、強酸によってガラス成分が溶解し、そこにメッキ液が残ることで、配線パターンが変色しやすくなる。また、高融点金属からなる配線パターン20の上に、直接、銅ペーストを焼成する場合においても、該配線パターン20の表面に、該ガラス成分が染み出していると銅配線パターン30との接合性が劣ってしまう。
なお、ここでいうガラス成分とは、ケイ素酸化物(シリカ)、アルミニウム酸化物(アルミナ)、ホウ素酸化物、酸化鉛、銅酸化物、亜鉛酸化物、希土類酸化物、1A族酸化物、2A族酸化物を指す。
本発明において、前記高融点金属ペーストに含まれる高融点金属の平均粒子径は、1μm以上5μm以下であることが好ましく、さらに2μm以上5μm以下であることが好ましい。これは、粒径が大きい方が、多孔質な配線パターン20をより容易に形成することができ、該配線パターン20の表面粗さRaを大きくすることができるからである。なお、本発明において、高融点金属の平均粒子径は、Fisher社製 Sub Sieve Sizerを用いて空気透過法によって測定した値である。
本発明において、高融点金属ペーストには、窒化アルミニウム焼結体基板との密着力を高めるために、窒化アルミニウム粉末を添加することが好ましい。窒化アルミニウム粉末を添加することにより、焼成時に高融点金属と窒化アルミニウムが複雑な形態で絡み合うような構造を取り、さらに、高融点金属ペースト中の窒化アルミニウム粉末が基板の窒化アルミニウムと結合することでアンカー効果が発現し、高い密着力を得ることができる。この高融点金属ペーストに添加する窒化アルミニウム粉末の平均粒子径は、0.5μm以上2μm以下であることが好ましい。このように高融点金属の平均粒径よりも小さい窒化アルミニウム粉末を使用することにより、基板10中の窒化アルミニウムと結合しやすく、また、窒化アルミニウム粉末同士が結合しやすくなる。なお、窒化アルミニウム粉末の平均粒径は、マイクロトラック粒度分布測定装置を用いてレーザー回折散乱法によって測定した体積平均粒子径の値である。また、高融点金属ペーストに窒化アルミニウム粉末を添加する場合、配線パターンの抵抗、および密着力を考慮すると、高融点金属100質量部に対して、窒化アルミニウムを2質量部以上30質量部以下添加することが好ましい。
本発明においては、前記高融点金属ペーストを窒化アルミニウム焼結体基板10上に、直接、塗布してやればよいが、高融点金属からなる配線パターン20の密着性をより高め、その効果をより確実なものとするために、以下の方法により、高融点金属からなる配線パターン20を形成することもできる。具体的には、まず、窒化アルミニウム焼結体基板10の表面に、薄い窒化アルミニウムペーストを塗布・乾燥し、次いで、窒化アルミニウム粉末を含む高融点金属ペーストを塗布・乾燥した後、焼成する。こうすることにより、より密着性の高い配線パターン20を窒化アルミニウム焼結体基板10上に形成することもできる。
本発明において、高融点金属ペーストの塗布は、精密配線を形成する観点から、印刷により行うことが好ましい。印刷としては、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷等を採用することができる。この中でもオフセット印刷が、より高融点金属ペーストの膜厚を薄くでき、且つ、微細な配線も描けることからより好適である。
本発明においては、前記高融点金属ペーストを窒化アルミニウム焼結体基板10の上に塗布した後、1700℃以上1900℃以下の温度で焼成することが好ましい。焼成時の雰囲気は特に制限されるものではなく、非酸化性雰囲気下で実施してやればよい。ここでいう非酸化性雰囲気とは、窒素ガス等の不活性ガス中や、あるいは水素ガス中の雰囲気であって、酸素あるいは酸化性ガスを意図的に混入させない雰囲気を指す。なお、この非酸化性雰囲気とは、不純物として少量(例えば、0.1質量%以下の酸素)含んでいる場合を除外するものではなく、例えば、炉の構造上外部からの混入酸素があっても混入量が0.1質量%以下であれば何ら問題はない。このため、前記酸素量を満足するものであれば、開放系の連続炉を使用することもできる。また、焼成時間は、最高温度のキープ時間を10分間以上300分間以下の範囲から適宜決定してやればよい。
本発明においては、上記したように、窒化アルミニウム焼結体基板10上に高融点金属ペーストを塗布して、再度、焼成することで、高融点金属ペーストの収縮を少なくすることができる。さらに、平均粒子径が大きい高融点金属を用いることで、高融点金属からなる配線パターン20は、セラミックスのグリーンシートと高融点金属ペーストを同時に焼成したものに比べて、より多数の空孔を有する構造となり、表面粗さRaを大きくすることができる。
本発明において、高融点金属からなる配線パターン20の厚みは、1μm以上20μm以下とすることが好ましい。高融点金属からなる配線パターン20の厚みが薄すぎると、窒化アルミニウム焼結体基板10上に高い接合強度で銅配線パターン30を形成するという目的が達成できなくなる。また、高融点金属からなる配線パターン20の厚みが厚すぎると、低抵抗な配線パターンとするために、配線パターン全体の厚みを厚くする必要が生じ、スペース上の問題が生じる。なお、焼結により高融点金属ペースト層は、60〜90%程度に厚みが収縮するため、高融点金属からなる配線パターン20の厚みを上記範囲とするために、高融点金属ペースト層の厚みは、2μm以上30μm以下とすることが好ましい。
また、高融点金属からなる配線パターン20の表面粗さRaは、0.6μm以上とすることが好ましい。該配線パターン20の表面粗さRaを上記範囲にするためには、上記した平均粒子径を有する高融点金属を使用してやればよい。このように配線パターン20の表面粗さRaが上記範囲を満足することにより、アンカー効果が発揮され、後述する銅配線パターン30と高融点金属からなる配線パターン20との密着性を高めることができる。なお、高融点金属からなる配線パターン20の表面粗さRaの上限は、特に制限されるものではないが、製造上、3μm以下とすることが好ましい。
(銅配線パターン30の形成工程)
次に、上記方法により形成した高融点金属からなる配線パターン20の上に、銅ペーストを塗布し、焼成して銅配線パターン30を形成する。高融点金属からなる配線パターン20は、多孔質な構造となっているので、表面に塗布された銅ペーストは、高融点金属からなる配線パターン20にある程度含浸する。このため、アンカー効果が働き、銅配線パターン30の接合強度が大きくなると考えられる。銅ペーストの塗布は、前記高融点金属ペーストの場合と同様に、精密配線を形成する観点から、印刷により行うことが好ましい。本発明のように、窒化アルミニウム焼結体基板10に高融点金属ペーストを塗布・焼成することで高融点金属からなる配線パターン20を形成すると、基板の変形が少ないため、その後の銅ペーストの塗布も容易となり、塗布した銅ペーストを精細なパターンとすることができる。一方、セラミックスのグリーンシートと高融点金属ペーストを同時焼成で形成した金属配線パターンでは、セラミックスの収縮によって基板が変形し、銅ペーストを精細なパターンとして重ね塗りすることが難しくなる。
本発明において使用する銅ペーストは、銅粒子全体の質量を基準(100質量%)として、平均粒子径100nm以上800nm以下の銅微粒子および/または銅酸化物微粒子(以下、「銅微粒子等」という場合がある。)を30質量%以上65質量%以下、平均粒子径3μm以上8μm以下の銅粒子および/または銅酸化物粒子(以下、「銅粒子等」という場合がある。)を35質量%以上70質量%以下含むものである。このように、特定の平均粒子径を有する銅微粒子等、および、銅粒子等を特定の割合で含んだペーストを使用することによって、大きな銅粒子等に銅微粒子等が低温でも溶融・接合するものと考えられ、結果として銅ペーストを銅の融点以下の低温で焼成しても、高い強度で接合された、精度の高い銅配線パターンを有する配線基板を得ることができる。なお、上記銅微粒子等、および、銅粒子等の平均粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置を用いてレーザー回折散乱法で測定した体積平均粒子径の値である。
また、本発明によれば、得られる配線基板の配線抵抗も小さくなる傾向にあり、さらに、銅配線パターン30上にメッキ層を形成した場合、メッキ層表面が経時的に変色する割合が少なくなる。これは、大きな銅粒子の隙間を銅微粒子が埋めることで、銅配線パターン30中の空孔が少なくなるため、上記効果が発揮されるものと推測される。実際に、本発明に従い、銅の融点以下の温度で焼成することにより得られた配線基板は、図2に示すように平滑な表面を有する(図2参照。実施例1の結果。得られた配線基板を上から観察したSEM写真である。倍率1000倍。)。一方、銅微粒子等が少なすぎる場合には、図3(比較例2の結果。倍率1000倍)に示すように、銅配線パターン30には数μm程度の空孔が表面に多数発生する。また、銅微粒子等が多すぎても、図4(比較例3の結果。倍率1000倍)に示すように、銅配線パターン30には10μm以上の大きな空孔やひび割れが表面に発生する。このように銅配線パターン30の表面に空孔が発生すると、酸化を防止するためにこの銅配線パターン30上にメッキ層を形成した場合、メッキ層表面が経時的に変色するものの割合が多くなる。
本発明において、これらの効果をより発揮させるためには、銅微粒子等の平均粒子径は200nm以上500nm以下であることが好ましく、銅粒子等の平均粒子径は3μm以上6μm以下であることが好ましい。また、銅ペーストは、銅粒子全体の質量を基準(100質量%)として、銅微粒子等を35質量%以上60質量%以下、銅粒子等を40質量%以上65質量%以下含むものとすることが好ましい。
本発明において、銅ペーストは、銅粒子、バインダー、溶媒を含んでなることが好ましい。また、上記銅ペーストは、実質的にガラス成分を含まないものであることが好ましい。最終的に形成される銅配線パターン30中に絶縁性のガラス成分がないことによって、銅配線パターン30をより低抵抗とすることができる。また、その上にメッキ層を形成する場合にも、前処理によりガラス成分がエッチングされることがないため、高い接合強度を有し、変色の少ない配線基板を得ることができる。
本発明の方法においては、銅ペーストを塗布する前に、高融点金属からなる配線パターン20上に、ニッケルからなる金属層を形成することもできる。このニッケルからなる金属層は、特に制限されるものではないが、メッキにより形成することが好ましい。ニッケルメッキを施すことで、銅とニッケルは濡れ性がよいため、より強固に接合した配線基板を得ることができる。ニッケルメッキは、特に制限されるものではなく、電解ニッケルメッキ、無電解ニッケルメッキのどちらを採用することもできる。中でも、無電解ニッケルメッキの場合、Ni−Bメッキを行うことが、汎用的であり、高温においても、脆弱な結晶を形成しないため好ましい。なお、このように高融点金属からなる配線パターン20上にニッケルメッキを施す場合、高融点金属ペーストにはガラス成分が含まれていない方が、メッキの前処理でガラス成分がエッチングされることがないため、変色などがない良好なメッキ膜を形成でき、かつ配線パターンの接合強度を高くすることができる。ニッケルからなる金属層の層厚は、優れた効果を発揮するためには、0.05μm以上とすることが好ましい。また、ニッケルからなる金属層をメッキにより形成する場合には、該金属層の層厚の上限は、経済性を考慮すると10μmである。
本発明において、銅ペーストを塗布した後の焼成は、銅の融点以上の温度で実施することも可能であるが、高い精度の精密配線パターンを形成するためには、銅の融点(1083℃)以下の温度で実施することが好ましい。焼成温度の下限は、800℃以上であることが好ましく、900℃以上であることがより好ましい。また、焼成温度の上限は、1080℃以下であることが好ましく、1000℃以下であることがより好ましい。焼成温度が前記範囲を満足することにより、得られる配線基板の配線抵抗が低下し、焼成後の配線間の短絡をより少なくすることができる。また、焼成時間は、配線パターン、膜厚等に応じて適宜決定してやればよく、上記温度範囲で数十秒以上1時間以下保持してやれば十分である。
本発明によれば、銅の融点以下の温度において焼成することができるため、焼成の際に銅配線パターン30が溶解して崩れることがなく、精密配線を有する配線基板を製造することができる。また、特定の平均粒子径を有する銅微粒子等および銅粒子等を特定の割合で含んだ銅ペーストを使用するため、銅の融点以下の温度で焼成を行ったとしても、高い接合強度を有する配線基板を得ることができる。さらに、高融点金属からなる配線パターン20の表面粗さRaが0.6μm以上であっても、その上に形成される銅配線パターン30は、前記の図2で説明した通り、平滑な表面とすることができる。そのため、配線基板の抵抗を低くすることができ、さらに、その上に、メッキ層を形成した場合には、経時的な変色も少なくすることができる。
本発明において、銅ペーストの焼成雰囲気は、特に制限されるものではないが、銅や下地の高融点金属の酸化が抑えられるためには、非酸化性雰囲気であることが好ましい。ここでいう非酸化性雰囲気とは、上記した高融点金属ペーストを焼成する際の非酸化性雰囲気と同様である。また、焼成時間も、上記した高融点金属ペーストを焼成する場合と同様である。
銅配線パターン30の層厚としては、目的とする用途に応じて適宜決定してやればよいが、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜100μmである。銅配線パターン30の層厚みがこの範囲を満足することにより、低抵抗な配線パターンを形成することができ、さらに、様々な用途に使用することが可能となる。また、焼結により60%〜90%程度厚みが収縮するため、この収縮を勘案して銅ペースト層を形成すればよい。
本発明においては、前記の方法により形成した銅配線パターン30の表面に、さらに、酸化を防止するために、メッキ層を形成する工程を含むこともできる。メッキとしては、例えば、ニッケルメッキ、金メッキ等を挙げることができる。本発明によれば、高融点金属からなる配線パターン20上に、銅配線パターン30を形成することによって、表面の粗さを低減することができる。このため、メッキを施した際、メッキの表面が平滑になり、半導体素子の搭載性(はんだの密着性、ワイヤボンディングの接続性)が良好となる。
<銅精密配線パターンが形成されている配線基板>
上記した方法により製造される窒化アルミニウム焼結体基板10、その上の高融点金属配線パターン20、その上の銅配線パターン30を備えて構成される配線基板は、銅の融点以下の温度で焼成して銅配線パターン30を形成することができるため、配線間の距離が10μm以上200μm以下である精密配線パターンを備えたものとすることができる。
そして、本発明により得られる配線基板は、配線パターンの短絡がなく、抵抗が低く、しかも、その上にメッキ層を形成しても、経時的に変色の少ないものとなる。さらに、本発明によれば、銅の融点以下の温度で焼成して銅配線パターン30を形成したとしても、配線パターンの接合強度が、50MPa以上、さらには100MPa以上である配線基板を得ることができる。
なお、配線パターンの接合強度は、42アロイ製ネイルヘッドピンで先端部の径がφ1.1mmで、且つ先端部表面にニッケルメッキを施したものを用い、メッキ膜にネイルヘッドピンをPb−Sn半田にて垂直に半田付けし、このネイルヘッドピンを10mm/minの速度で垂直方向に引っ張り、ネイルヘッドピンが剥がれた時の強度を接合強度とした。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒径1.5μmの窒化アルミニウム粉末および焼結助剤として酸化イットリウムを使用した窒化アルミニウム焼結体基板を用意した。次に、平均粒子径2.1μmのタングステン100質量部、平均粒径1.5μmの窒化アルミニウム粉末4質量部、エチルセルロース2質量部、テルピネオール13質量部、分散剤1質量部を混練し、25℃における粘度80Pa・sに調整した高融点金属ペーストを作製した。その後、この高融点金属ペーストを用いてスクリーン印刷法にて、前記窒化アルミニウム焼結体基板表面に、□2mmのパターンをパターン間50μmで形成し、100℃で5分乾燥を行った。乾燥後の膜厚は13μmであった。
このように高融点金属ペーストを塗布した窒化アルミニウム焼結体基板を、窒素ガス中、1750℃にて4時間焼成を行い、高融点金属配線パターンを有するセラミックス焼結体基板を得た。焼成後の高融点金属からなる配線パターンの膜厚は、10μmであり、表面粗さRaは、0.7μmであった(高融点金属からなる配線パターンを有するセラミックス焼結体基板を作製した。)。
次いで、平均粒子径4.5μmの銅粒子50質量部(全銅粒子中 50質量%)および平均粒子径350nmの銅微粒子50質量部(全銅粒子中 50質量%)、エチルセルロース3質量部、テルピネオール17質量部、分散剤1質量部を混練し、25℃における粘度が30Pa・sに調整した銅ペーストを作製した。その後、前記セラミックス焼結体基板表面に形成された高融点金属からなる配線パターン上に、該銅ペーストを重ね塗りし、100℃で5分乾燥を行った。銅ペーストの乾燥後の膜厚は20μmであった。その後、水素雰囲気中、970℃で5分間、銅ペーストを焼成した。焼成後の配線パターン(高融点金属+銅)の膜厚は25μmで、焼成後の色調は赤茶色であった。
さらに、以下の方法により、銅配線パターンの上に、メッキ層を形成した。即ち、酸を用いて前処理を行い、パラジウムを銅配線パターン部に選択的に付与し、次いで、無電解ニッケル−リンメッキを2μm、無電解金メッキを0.1μmの厚みとなるように施した。得られた配線基板の外観を、50μmのパターン間において10ヶ所確認したところ、パターンの短絡はなく、電気的にも絶縁が取れていた。また、配線パターンの接合強度を10点測定したところ、平均で111MPaであった。また、接合強度を測定した際、剥離界面は、はんだ間あるいはネイルヘッドピン切れであった。
また、四端子法で抵抗率を測定したところ2.4×10−8Ω・mであった。また、メッキ後の外観について、メッキ後1ヶ月経った表面を実体顕微鏡(×40倍)で確認したところ、変色が発生しているパッドは1%であった(上記方法により作成した2mm×2mmの大きさのパッドを100個確認したところ、1個のパッドに変色が見られた。)。
(実施例2)
実施例1と同様に高融点金属からなる配線パターンを有するセラミックス焼結体基板を作製した。この後、Ni−Bメッキを行い(Ni−Bメッキ層の厚みを1μmとした)、その上に、実施例1と同様に銅ペーストを焼成した。焼成後の色調は少し白い赤茶色であった。さらに、前記方法により形成した銅配線パターン上に、実施例1と同様の方法により、メッキ層を形成した。
得られた配線基板の外観を、50μmのパターン間において10ヶ所確認したところ、パターンの短絡はなく、電気的にも絶縁が取れていた。また、膜密着力を10点測定したところ、平均で120MPaであった。また、剥離界面は、はんだ間あるいはネイルヘッドピン切れであった。また、四端子法で抵抗率を測定したところ2.4×10−8Ω・mであった。さらに、メッキ後の外観について、メッキ後1ヶ月経った表面を実体顕微鏡(×40倍)で確認したところ、変色が発生しているパッドは0%であった。
(実施例3)
実施例1と同様に高融点金属からなる配線パターンを有するセラミックス焼結体基板を作製した(高融点金属からなる配線パターンの膜厚 10μm)。
平均粒子径4.5μmの銅粒子65質量部(全銅粒子中 65質量%)、および、平均粒子径350nmの銅微粒子35質量部(全銅粒子中 35質量%)、エチルセルロース3質量部、分散剤1質量部、さらに得られる銅ペーストの25℃における粘度が30Pa・sとなるようにテルピオーネを加え、混練した。その後、前記セラミックス焼結体基板表面に形成された高融点金属からなる配線パターン上に、得られた25℃における粘度が30Pa・sである銅ペーストを重ね塗りし、乾燥後、実施例1と同様に焼成した。焼成後の配線パターン(高融点金属+銅)の膜厚は25μmであり、焼成後の色調は赤茶色であった。さらに、前記方法により形成した銅配線パターン上に、実施例1と同様の方法により、メッキ層を形成した。
得られた配線基板の外観を、50μmのパターン間において10ヶ所確認したところ、パターンの短絡はなく、電気的にも絶縁が取れていた。また、膜密着力を10点測定したところ、平均で110MPaであった。また剥離界面は、はんだ間あるいはネイルヘッドピン切れであった。また、四端子法で抵抗率を測定したところ3.1×10−8Ω・mであった。さらに、メッキ後の外観について、メッキ後1ヶ月経った表面を実体顕微鏡(×40倍)で確認したところ、変色が発生しているパッドは2%であった。
(比較例1)
実施例1と同様に高融点金属からなる配線パターンを有するセラミックス焼結体基板を作製した(高融点金属からなる配線パターンの膜厚 10μm)。
平均粒径4.5μmの銅粒子100質量部、エチルセルロース3質量部、分散剤1質量部、さらに得られる銅ペーストの25℃における粘度が30Pa・sとなるようにテルピオーネを加え、混練した。その後、前記セラミックス焼結体基板表面に形成された高融点金属からなる配線パターン上に、前記銅ペーストを重ね塗りし、100℃で5分乾燥を行った。銅ペーストの乾燥後の膜厚は20μmであった。次いで、窒素雰囲気中、1300℃で5分間、銅ペーストを焼成した。焼成後の配線パターン(高融点金属+銅)の膜厚は25μmであり、焼成後の色調は赤茶色であった。さらに、前記方法により形成した銅配線パターン上に、実施例1と同様の方法により、メッキ層を形成した。
得られた配線基板の外観を、50μmのパターン間において10ヶ所確認したところ、3ヶ所パターンの短絡が見られた。また、膜密着力を10点測定したところ、平均で118MPaであった。また剥離界面は、はんだ間あるいはネイルヘッドピン切れであった。
また、短絡していない部分について、四端子法で抵抗率を測定したところ2.0×10−8Ω・mであった。さらに、メッキ後の外観について、メッキ後1ヶ月経った表面を実体顕微鏡(×40倍)で確認したところ、変色が発生しているパッドは0%であった。
(比較例2)
実施例1と同様に高融点金属からなる配線パターンを有するセラミックス焼結体基板を作製した(高融点金属からなる配線パターンの膜厚 10μm)。
平均粒子径4.5μmの銅粒子80質量部および平均粒子径350nmの銅微粒子20質量部、エチルセルロース3質量部、分散剤1質量部、さらに得られる銅ペーストの25℃における粘度が30Pa・sとなるようにテルピオーネを加え、混練した。その後、前記セラミックス焼結体基板表面に形成された高融点金属からなる配線パターン上に、得られた25℃における粘度が30Pa・sである銅ペーストを重ね塗りし、乾燥後、実施例1と同様に焼成した。焼成後の配線パターン(高融点金属+銅)の膜厚は25μmであり、焼成後の色調は赤茶色であった。さらに、前記方法により形成した銅配線パターン上に、実施例1と同様の方法により、メッキ層を形成した。
得られた配線基板の外観を、50μmのパターン間において10ヶ所確認したところ、パターンの短絡はなく、電気的にも絶縁が取れていた。また、膜密着力を10点測定したところ、平均で83MPaであった。また、剥離界面は、一部、銅配線中で剥離したものもあり、前記膜密着力は、これらを含めたものの平均値である。
また、四端子法で抵抗率を測定したところ3.3×10−8Ω・mであった。配線基板の配線パターン部の表面を観察すると、数μm程度のボイドが多数観察された(図3参照)。さらに、メッキ後の外観について、メッキ後1ヶ月経った表面を実体顕微鏡(×40倍)で確認したところ、変色が発生しているパッドは35%であった。
(比較例3)
実施例1と同様に高融点金属からなる配線パターンを有するセラミックス焼結体基板を作製した(高融点金属からなる配線パターンの膜厚 10μm)。
平均粒子径4.5μmの銅の銅粒子20質量部および平均粒子径350nmの銅微粒子80質量部、エチルセルロース3質量部、分散剤1質量部、さらに得られる銅ペーストの25℃における粘度が30Pa・sとなるようにテルピオーネを加え、混練した。その後、前記セラミックス焼結体基板表面に形成された高融点金属からなる配線パターン上に、得られた25℃における粘度が30Pa・sである銅ペーストを重ね塗りし、乾燥後、実施例1と同様に焼成した。焼成後の配線パターン(高融点金属+銅)の膜厚は22μmで、焼成後の色調は赤茶色であった。さらに、前記方法により形成した銅配線パターン上に、実施例1と同様の方法により、メッキ層を形成した。
得られた配線基板の外観を、50μmのパターン間において10ヶ所確認したところ、パターンの短絡はなく、電気的にも絶縁が取れていた。また、膜密着力を10点測定したところ、平均で104MPaであった。また剥離界面は、はんだ間あるいはネイルヘッドピン切れであった。
また、四端子法で抵抗率を測定したところ2.2×10−8Ω・mであった。表面よりメタライズ面を観察すると、10um以上のボイドやひび割れが観察された(図4参照)。さらに、メッキ後の外観について、メッキ後1ヶ月経った表面を実体顕微鏡(×40倍)で確認したところ、変色が発生しているパッドは23%であった。
*短絡していない部分の抵抗率
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う配線基板の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の方法により製造される配線基板の構成を示す概念図である。 実施例1で得られた配線基板の表面(配線パターン部)のSEM写真 比較例2で得られた配線基板の表面(配線パターン部)のSEM写真 比較例3で得られた配線基板の表面(配線パターン部)のSEM写真
符号の説明
10 窒化アルミニウム焼結体基板
20 高融点金属からなる配線パターン
30 銅配線パターン

Claims (6)

  1. 窒化アルミニウム焼結体基板上に、実質的にガラス成分を含まない高融点金属ペーストを塗布して焼成し、高融点金属からなる配線パターンを形成する工程、
    該高融点金属からなる配線パターン上に、銅ペーストを塗布して焼成し、銅配線パターンを形成する工程、を含む配線基板の製造方法であって、
    前記銅ペーストが、銅粒子全体の質量を100質量%として、平均粒子径100nm以上800nm以下の銅微粒子および/または銅酸化物微粒子を30質量%以上65質量%以下、平均粒子径3μm以上8μm以下の銅粒子および/または銅酸化物粒子を35質量%以上70質量%以下含むものである、配線基板の製造方法。
  2. 前記銅配線パターンを形成する工程における前記焼成が、銅の融点以下の温度で行われる、請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記高融点金属からなる配線パターンの厚みを1μm以上20μm以下とし、前記高融点金属からなる配線パターンの表面粗さをRaで0.6μm以上とする、請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
  4. 前記銅ペーストが実質的にガラス成分を含まない、請求項1〜3のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  5. 前記銅配線パターン上に、メッキ層を形成する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  6. 前記高融点金属からなる配線パターンを形成する工程と、前記銅配線パターンを形成する工程との間に、ニッケルからなる金属層を形成する工程をさらに含み、前記高融点金属からなる配線パターンと前記銅配線パターンとの間にニッケルからなる金属層を形成する、請求項1〜5のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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