JP2006093003A - 導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の反りやうねり等の変形が極めて小さく、銅配線層の接着強度を高く維持すると共に、導体抵抗の上昇が抑制され、めっき性が良好なガラスセラミック配線基板を提供する。
【解決手段】少なくとも、亜酸化銅粉末と、樹脂とを含有する導体ペーストであり、前記亜酸化銅粉末が球状であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法に関するものである。
従来、配線基板は、絶縁基板の表面あるいは内部にメタライズ配線層が配設された構造からなる。また、この配線基板を用いた代表的な例として、半導体素子、特にLSI(大規模集積回路素子)等の半導体集積回路素子を収容するための半導体素子収納用パッケージがある。
これらの半導体素子収納用パッケージは、一般にアルミナセラミックス等の電気絶縁材料を用いており、その絶縁基板の表面および、内部にW、Mo等の高融点金属粉末からなる複数個のメタライズ配線層が形成されている。更に、その絶縁基板の下面には接続パッドが形成されており、その接続パッドには適当な接続端子が取り付けられ、外部回路基板と電気的に接続する。また、絶縁基板の上面には、半導体素子が搭載され、この半導体素子は、蓋体によって気密に封止される。
また、半導体素子収納用パッケージにおける絶縁基板としては、前記アルミナセラミックス等に代えて、最近では、メタライズ配線層としてCu、Agなどの低抵抗金属により形成することができる1000℃前後で焼成可能なセラミック材料として、ガラス粉末にセラミックフィラー粉末を添加し焼成してなる、いわゆるガラスセラミックスなどの絶縁材料が提案されている。
このようなガラスセラミックスからなる絶縁基板の表面および、内部に銅を主成分とするメタライズ配線層を形成する具体的な方法としては、ガラスセラミックス原料粉末、有機バインダに溶剤を添加して調製したスラリーをドクターブレード法などによってシート状に成形し、得られたグリーンシートに貫通孔を打ち抜き加工し、該貫通孔に銅を主成分とする導体ペーストを充填してビアホール導体を形成し、グリーンシート上に銅を主成分とする導体ペーストを配線パターン状にスクリーン印刷法などで印刷形成し、配線パターンやビアホール導体が形成されたグリーンシートを複数枚加圧積層し、800〜1000℃で焼成する方法がよく知られている。
上記銅メタライズ組成物を用いて、導体配線を形成した場合には良好な導電性を確保することができる。
そして、このような銅を主成分とする導体ペーストとして、例えば、主成分のCuまたはCuO、あるいはCu−CuO混合物に対して、金属酸化物としてAl、ZrOなどの無機成分を総量で0.5〜30.0体積%含有する銅メタライズ組成物などが提案されている。(特許文献1参照)。
特開平10−95686号公報
通常、ガラスセラミック基板、およびそれと同時焼成される銅メタライズ組成物の焼成温度は800〜1100℃程度であるが、焼成時の焼成収縮開始温度は、ガラスセラミック基板と銅メタライズ組成物との間でずれるのが一般的である。この焼成収縮開始温度のずれにより、ガラスセラミック基板と銅メタライズとの間に応力が発生し、基板に反りや、変形が生じる。また、貫通孔においてビアホール導体の隆起、亀裂等が発生し、その結果、接触不良や基板の構造欠陥が起こるという問題がある。また、ガラスセラミック基板と銅メタライズ組成物との間での焼成収縮量差によっても、配線基板の反りや変形等の問題が発生する。
このような問題に対し、配線基板の反り等を抑制するためには、銅メタライズ組成物とセラミックグリーンシートにおける焼成収縮開始温度の整合性を図る必要があり、たとえば、銅メタライズ組成物の焼結を遅らせるためには、銅ペーストに、難焼結材料であるAl、Ni等を添加していた。また、たとえば銅メタライズ組成物の焼結を早めるためには、低軟化点ガラスを添加していた。
その結果、メタライズ配線層の表面に金属酸化物が露出、またはガラスが露出し、めっき性の低減、外観歩留りの低下、メタライズ配線層の絶縁基板との接着強度の低下、導体抵抗の上昇につながる。逆にめっき性、外観、接着強度、導体抵抗等をすべて考慮すると、基板反りを抑制することが困難となっていた。
また、銅メタライズ組成物とセラミックグリーシートにおける焼成収縮量差の整合を図ることで、基板反りを抑制する方法では、銅メタライズ組成物として亜酸化銅粉末を適量混合することが一般的である。これは、還元雰囲気下において亜酸化銅が銅に還元されることによる体積収縮と、メタライズの緻密化に伴う収縮により、ガラスセラミック基板と銅メタライズ組成物との間での焼成収縮量差が小さくなり、基板の反りや変形が抑制されるためであるが、抑制する効果には限界があった。
というのも、従来用いられてきた亜酸化銅粉末の形状は、図3に示すように、樹枝状、フレーク状、更には、多面方向に突起が形成された星型形状といった非球状のものであった。これら従来の亜酸化銅粉末は、前述のような形状であるため、隣り合った亜酸化銅粉末と突起部で接点が保たれた状態のまま還元し、さらに緻密化が起こる。このとき、亜酸化銅粉末同士が接触しない凹部分の空間が多く存在し、その隙間が残された状態で緻密化が完了する。そのため、焼成収縮によって体積収縮が起こるものの、その隙間に相当する部分は補填されないため、収縮量は、充填良く収縮する球状粉末よりも少なくなってしまう。そのため、これら従来の非球状の亜酸化銅粉末は、銅メタライズ組成物とセラミックグリーシートにおける焼成収縮量差の整合を図り、基板反りを抑制するには、十分な効果がなかった。
従って、本発明は、銅メタライズとセラミックグリーンシートの体積収縮量および焼成収縮開始温度の整合性を高め、配線基板の反りやうねり等の変形を飛躍的に抑制することのできる導体ペーストおよびそれを用いた配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の導体ペーストは、少なくとも球状の亜酸化銅粉末と、樹脂とを含有することを特徴とする。
また、本発明の導体ペーストは、前記導体ペーストが、銅粉末を含有することが望ましい。
また、本発明の導体ペーストは、前記導体ペーストが、ガラス粉末を含有することが望ましい。
また、本発明の導体ペーストは、前記亜酸化銅粉末の平均粒径(D50)が、4μm以下であることが望ましい。
また、本発明の導体ペーストは、前記銅粉末の平均粒径(D50)が6μm以下であることが望ましい。
また、本発明の導体ペーストは、前記亜酸化銅粉末が、(D90−D10)/D50≦2を満足する粒度分布を有することが望ましい。
また、本発明の導体ペーストは、前記亜酸化銅粉末のBET比表面積が、15m/g以下であることが望ましい。
また、本発明の導体ペーストは、前記銅粉末と前記亜酸化銅粉末の割合が、質量比で5:95〜40:60であることが望ましい。
本発明の配線基板の製造方法は、少なくともセラミック粉末と樹脂とを含有するセラミックグリーンシートの表面、または該セラミックグリーンシートに形成された貫通孔内に、請求項1乃至9のうちいずれかに記載の導体ペーストを印刷又は充填する導体形成工程と、前記導体ペーストが印刷又は充填するセラミックグリーンシートを焼成する焼成工程と、を具備してなることを特徴とする。
また、本発明の配線基板の製造方法は、前記導体形成工程と、前記焼成工程との間に、前記導体形成工程によって導体ペーストが印刷又は充填されたセラミックグリーンシートを複数積層する積層工程を具備することが望ましい。
本発明の導体ペーストは、亜酸化銅粉末を球状とすることにより、亜酸化銅粉末は、隣接する亜酸化銅粉末と均一で高い充填を維持した状態で、還元収縮および緻密化によって体積収縮が起こる。その結果、収縮完了後における粒子間の隙間は最小限に抑えられるため、高い収縮量が確保される。よって、従来の非球状の亜酸化銅粉末を用いた場合よりも収縮量を格段に大きくすることができ、ガラスセラミック基板と銅メタライズ組成物とにおける焼成収縮量差をより小さくすることが可能となる。そのため、両者の収縮量の整合性を効果的に高められる。また、焼成収縮開始温度の点では、非球状の亜酸化銅粉末を用いた場合よりも遅らせることができ、ガラスセラミック基板と銅メタライズ組成物とにおける焼成収縮開始温度が近づけられ、基板の反りや変形を抑制することができる。
また、収縮完了後における粒子間の隙間が抑えられ、緻密なメタライズ組織が形成されるため、導体抵抗を低くすることができ、しかも良好なめっき性を有する配線層が得られる。その結果、配線層の剥がれ等を防止できるため、絶縁基板と銅配線層の接着強度を高く維持することができる。
また、導体ペーストに、銅粉末を含有させることで、前記メタライズとセラミックグリーンシートとの焼成時の体積収縮量の整合を自在に制御することが可能となる。
また、導体ペーストに、ガラス粉末を含有させることで、焼成工程で粘性が低下したガラスが銅メタライズ組成物中の銅粒子の隙間に浸透し、その結果、絶縁基板と銅配線層の接着強度を向上させることができる。
また、前記亜酸化銅粉末の平均粒径(D50)を4μm以下にすることにより、亜酸化銅粉末がペーストに均一分散し、亜酸化銅粉末の還元・焼結によって、空孔がなく緻密なメタライズ組織となる。その結果、前記メタライズの焼成時の体積収縮率が、セラミックグリーンシートの焼成時の体積収縮率とほぼ等しくなり、効果的な反り抑制が得られる。また、緻密な組織となることで、導体配線において高い導電性が確保される。
また、前記銅粉末の平均粒径(D50)に関しては、6μm以下とするのが重要である。というのは、800℃〜1000℃で焼き付けても緻密な厚膜銅導体を形成するには、ある一定以下の粒径を持った銅粉末を必要とする。すなわち、6μmより小さい平均粒子径を有する銅粉末では、空孔がなく高い充填密度が可能となって結性が向上し、緻密なメタライズ組織となる。その結果、前記メタライズの焼成時の体積収縮率が、セラミックグリーンシートの焼成時の体積収縮率とほぼ等しくなり、効果的な反り抑制が得られる。また、緻密な組織となることで、導体配線において高い導電性が確保される。
また、亜酸化銅粉末の粒度分布において、(D90−D10)/D50≦2を満足させることが望ましく、前記亜酸化銅粉末がより均一な粒径となることで、空孔がなく高い充填が可能となる。その結果、緻密なメタライズ組織となり、前記メタライズの焼成時の体積収縮率が、セラミックグリーンシートの焼成時の体積収縮率とほぼ等しくなり、効果的な反り抑制が得られる。
また、前記亜酸化銅粉末の比表面積を15m/g以下とするのが好ましく、比表面積を所定範囲にすることで、亜酸化銅粉末の焼結性が向上し、メタライズ組織内の空孔が減少して、導体配線の導体抵抗を小さくすることができる。
また、銅粉末と亜酸化銅粉末を、質量比で5:95〜40:60の割合に示す所定の割合で混合することによって、導体ペーストとセラミックグリーンシートとの収縮量差を小さくし、絶縁基板の反りやうねりなどの変形を効果的に防止することができる。
また、この発明に係るセラミック配線基板の製造方法によれば、ガラス粉末を含むセラミック粉末と樹脂とを含有するセラミックグリーンシートの表面または、該セラミックグリーンシートに形成された貫通孔に、前述したような導体ペーストを形成する形成工程と、更には、導体ペーストが形成された該セラミックグリーンシートを焼成する焼成工程を備えることで、基板の反りやうねり等の変形が極めて小さく、低抵抗で、かつ銅配線層の接着強度が高く、更にめっき性が良好な配線基板が製造できる。
また、さらに積層工程を設けることで容易に多層の配線基板を作製することができる。
以下、本発明の内容を、実施例に示す添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の配線基板の一例を示すもので、絶縁基板の表面あるいは内部にメタライズ配線層が配設された、いわゆる配線基板を基礎的構造とするものであるが、図1は、その代表的な例として挙げた半導体素子収納用パッケージの概略断面図である。
図1の半導体素子収納用パッケージは、絶縁基板1と蓋体2とメタライズ配線層3と接続端子4およびパッケージの内部に収納される半導体素子5により構成され、絶縁基板1及び蓋体2は半導体素子5を内部に気密に収容するための容器6を構成する。つまり、絶縁基板1は上面に半導体素子5が載置収容され半導体素子5は、ガラス、樹脂等の接着剤を介して絶縁基板1に接着固定される。
また、絶縁基板1には半導体素子5が載置された周辺から下面にかけて複数個のメタライズ配線層3が被着形成されており、更に絶縁基板1の下面には多数の接続パッド4aが設けられており、メタライズ配線層3と電気的に接続されている。この接続パッド4aの表面には半田(錫−鉛合金)などのロウ材から成る突起状端子4bが外部回路基板(図示せず)への接続端子として取着されている。
この突起状端子4bの取付け方法としては、球状もしくは柱状のロウ材を接続パッド4aに並べる方法と、スクリーン印刷法によりロウ材を接続パッド4a上に印刷する方法がある。
なお、接続パッド4aと電気的に接続されたメタライズ配線層3は、半導体素子5の各電極とボンディングワイヤを介して電気的に接続されることにより、半導体素子5の電極は、接続パッド4aと電気的に接続されることになる。
本発明においては、焼成することで、このメタライズ配線層3となる導体ペーストに球状の亜酸化銅粉末を用いることが重要である。
すなわち、本発明は、従来用いられてきた亜酸化銅粉末が非球状であったのに対し、図2に示すように、結晶の形状が判別できない球状のものを用いることが大きな特徴である。具体的には、亜酸化銅粉末が非球状であるのか、球状であるのかの判定は、電子顕微鏡写真の像から任意の20個の亜酸化銅粉末を選び、それぞれの粒子について画像解析装置で測定して判定した。
例えば、亜酸化銅粉末をHO+N等の非酸化雰囲気下で焼成すると、
CuO→2Cu+1/2O
の反応が起こり、亜酸化銅粉末の還元・焼結により体積が収縮する。上述した球状の亜酸化銅粉末は、非球状粉でみられるような突起部との接触でできる空間が比較的少なく、充填が高い状態をとることで、還元収縮および緻密化に伴う焼成収縮量を上げることができ、ガラスセラミック基板と銅メタライズ組成物とにおける焼成収縮量差の整合性を効果的に高められる。
また、前記亜酸化銅粉末が、平均粒径(D50)4μm以下であることが望ましく、更に好適には2μm以下とすることが望ましい。
また、前記亜酸化銅粉末の粒度分布において、(D90−D10)/D50≦2を満足させることで、更に、導体配線の低抵抗な特性と、基板反りの抑制が効果的となる。
また、前記亜酸化銅粉末は、比表面積が15m/g以下であることが好ましく、更に好適には12m/g以下とすることが望ましい。これは、比表面積が所定範囲を越えると、メタライズ組織内の空孔が増加し、導体配線の導体抵抗が高くなることで、導電性を損ねる。
銅粉末と亜酸化銅粉末は、所定の割合で混合することによって、導体ペーストとセラミックグリーンシートとの収縮量差を小さくし、絶縁基板の反りやうねりなどの変形を効果的に防止することができる。即ち、銅粉末と亜酸化銅粉末の混合する割合は、質量比で5:95〜40:60の割合とすることで好ましい。更に好適には15:85〜30:70の割合とすることが望ましい。これは、亜酸化銅粉末の割合が、60未満では、セラミックグリーンシートの収縮量に比べて導体ペーストの収縮量が少なくなることにより、絶縁基板の反り抑制の効果が十分でない結果となる。また、亜酸化銅粉末の割合が95より大きいと、メタライズ組織内の空孔が増加し、導体配線の導体抵抗が高くなって、導電性を損ねる。また、絶縁基板1とメタライズ配線層3との接着強度の低下、メタライズ配線層3のめっき性低下につながる。
また、前記銅粉末の平均粒子径に関しては、6μm以下とするのが重要である。というのは、800℃〜1000℃で焼き付けても緻密な厚膜銅導体を形成するには、ある一定以下の粒径を持った銅粉末を必要とする。すなわち、6μmより小さい平均粒子径を有する銅粉末用いた場合には、亜酸化銅粉末の還元による空間ができたとしても十分な焼結性が確保されるため、緻密な配線導体が得られるのである。
以下に本発明の配線基板の製造方法について説明する。
まず、ガラス粉末とフィラーとの混合物に、適当な成形の有機樹脂バインダを添加した後、所望の成形手段、例えば、ドクターブレード、圧延法、金型プレス等によりシート状に任意の形状に成形した後、例えば、シート状のセラミックグリーンシートの主面又は、セラミックグリーンシートに形成した貫通孔の中にスクリーン印刷などにより、任意の形状に本発明の導体ペーストを形成し、さらに印刷成形のために配合した有機樹脂バインダ成分を700℃前後の大気雰囲気中で熱処理して除去する。この時、成形体の収縮開始温度は700〜850℃程度であることが望ましく、かかる収縮開始温度がこれより低いとバインダの除去が困難となるため、成形体中の結晶化ガラスの特性、特に屈伏点を本発明のように制御することが必要となる。
焼成は、850℃〜1050℃の酸化性雰囲気中で行われ、これにより相対密度90%以上まで緻密化される。この時の焼成温度が850℃より低いと緻密化することができず、1050℃を越えるとメタライズ配線層3との同時焼成でメタライズ配線層が溶融してしまう。
但し、配線用の導体として銅を用いる場合には、850〜1050℃の非酸化性雰囲気中で行われる。
なお、必要に応じてセラミックグリーンシートを積層することで、多層の配線基板が得られることはいうまでもない。
このようにして作製されたガラスセラミック焼結体中には、結晶性ガラスから生成した結晶相、ガラスとフィラーとの反応により生成した結晶相、あるいはフィラー成分が分解して生成した結晶相等が存在し、これらの結晶相の粒界にはガラス相が存在する。
また、上記ガラスセラミックスからなる絶縁基板1の表面に、銅からなるメタライズ配線層3を配設した配線基板を製造するには、絶縁基板1を構成するための前述したようなガラスとフィラーからなる原料粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤を添加混合して泥漿物を作るとともに該泥漿物をドクターブレード法やカレンダーロール法を採用することによってグリーンシート(生シート)と作製する。
そして、メタライズ配線層3及び接続パッド4a用として、銅粉末と、亜酸化銅粉末に、ガラス粉末を混合する。望ましくは、金属成分100質量部に対して、ガラスを0.5〜4質量部の割合で配合する。そして、この混合物に有機バインダ、可塑剤、溶剤を加えて混合しメタライズペーストを作製する。
そして、このメタライズペーストを前記グリーンシートに周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布する。また、場合によっては、前記グリーンシートに適当な打ち抜き加工してスルーホールを形成し、このホール内にも上記メタライズペーストを充填する。そしてこれらのグリーンシートを複数枚積層する。
その後、この積層体を500〜700℃の水蒸気を含有する窒素雰囲気中で熱処理して有機樹脂バインダを除去した後に、850℃〜1050℃の窒素などの非酸化性雰囲気中で焼成して、絶縁基板が相対密度90%以上まで緻密化されるまで焼成する。
その後、配線基板のメタライズ配線層3の表面に、電解めっき法や無電解めっき法によってCu、Au、Niなどのめっき層を形成することによって、配線基板を完成することができる。
まず、SiO:50.2質量%、Al:5.0質量%、CaO:15.1質量%、MgO:16.1質量%、SrO:13.6質量%の組成を有する平均粒径3μmの結晶性ガラスA粉末(軟化点850℃)を準備し、このガラスに対してフィラー成分として、平均粒径2μmのAlを質量比で60:40になるように調合した。このガラスセラミック原料粉末A100質量%に対して、有機バインダとしてpーメタクリル酸イソブチル樹脂を固形分で11質量%、可塑剤としてフタル酸ジブチルを5質量%添加し、トルエンを溶媒としてボールミルにより36時間混合しスラリーを調整した。得られたスラリーをドクターブレード法により厚さ0.2mmのグリーンシートを形成した。
更に、平均粒径が5μmと2μmの銅粉末を準備した。そして、それぞれの銅粉末に平均粒径が4μmまたは2.5μmの表1に示す特性の亜酸化銅粉末を表1に示す割合で秤量添加した。そして、この銅粉末に100質量%(Cu換算)に対して、平均粒径が3.5μmの上記絶縁基板の形成に用いた結晶性ガラス粉末を2質量%の割合で秤量添加した。更に、これら無機物成分100質量%に対して有機バインダとしてアクリル樹脂を2質量%、有機溶剤として亜酸化銅粉末‐テルピネオールを15質量%添加混錬し、導体ペーストを調製した。
かくして得られた導体ペーストを前記ガラスセラミックグリーンシート上に焼成後の形状が1×1cm角、厚さ約15μmとなる銅メタライズ配線用パターン状にスクリーン印刷し、その下部にグリーンシート4枚を加圧積層したものを、めっき性、絶縁基板反りを測定する為のモニターとし、焼成後の形状が2mm□、厚さ約15μmとなる銅配線用パターン状にスクリーン印刷し、その下部にグリーンシート6枚を加圧積層したものを、メタライズ配線層と絶縁基板の接着強度測定サンプルとした。また、焼成後の形状が幅0.1mm、長さ50mm、厚さ約15μmとなる銅配線用パターン状にスクリーン印刷し、その上部にグリーンシート3枚、下部にパターン状にグリーンシート2枚積層したものを導体抵抗サンプルとした。
次いで、この未焼結状態の配線パターンが形成された積層体を、有機バインダなどの有機成分を分解除去するために、水蒸気含有窒素雰囲気中で700℃の温度で3時間保持して脱脂した後、窒素雰囲気中で910℃に昇温して1時間保持し、配線基板を作製した。
反り測定モニターは表面粗さ計でX、Y方向を測定し、その平均値で50μm/10mm□以下を良品とした。
接着強度測定モニターはその配線基板の銅配線層に厚さ1μmのNiめっきを行い、その上に厚さ0.1μmのAuめっきを施し、その上にフラックスを塗布し、更に2mm□のSn/Pb共晶半田ボールを乗せて、大気中にて5℃で1分間保持して半田ボール付けを行った。そしてクランププル強度測定機にて、半田ボールをつかんで垂直方向に引っ張り銅配線層が破断したときの最大荷重を銅配線層の接着強度として評価した。なお、良否の判断としては、最大荷重の最低値が9kgf/2mm□を超える場合を良品とした。
また、反り測定モニターに接着強度測定モニターと同様のめっきをほどこし、めっき表面観察にて全体の98%以上めっきがかかっていれば○、80〜98%を△、80%以下を×として評価した。
導体抵抗モニターは、そのパターンの両端間の抵抗(μΩ・m)を測定し、3μΩ・m未満であれば、良品と判断した。
以上の測定結果を表1に示す。
Figure 2006093003
従来の非球状で、比表面積が大きい亜酸化銅粉末を用いた本発明の範囲外である試料No.4、5では、反り量が164μm、95μmと非常に大きく、かつ接合強度が低くなった。更には、導体抵抗が3μΩ・m以上と導電性が低く、めっき性が低下しており、全く使用に耐えない。
これに対して、本発明の球状の亜酸化銅粉末を用いた場合、反り量を50μm未満に抑制することができ、接合強度、めっき性、導体抵抗において良好な結果が得られた。
特に、No.15、No.16のように、平均粒径が2.5μmの亜酸化銅粉末と、平均粒径が2.0μmの銅粉末の割合を75:25とすることで、反り量を30μm未満に低減させることができた。
また、No.1のように亜酸化銅粉末の比表面積が15m/g以下であっても、亜酸化銅粉末と銅粉末の割合を100:0とすると、反り量を30μm未満に低減させることができるが、導体抵抗が2.9μΩ・mと比較的高い値となった。また、No.20のように、前記の亜酸化銅粉末と銅粉末の割合を50:50に変えた場合では、導体抵抗が1.9μΩ・mと極めて低くなるが、反り量が48μmとやや大きくなる結果が得られた。よって、両評価項目において良好な結果を得るためには、亜酸化銅粉末と銅粉末の割合を、95:5〜60:40の範囲にすることがより望ましいことがわかった。
本発明の配線基板の代表例である半導体素子吸収用パッケージの概略図である。 本発明の導体ペーストに用いる球状の亜酸化銅粉末の走査電子顕微鏡写真である。 従来の亜酸化銅粉末である非球状亜酸化銅粉末の走査電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1・・・絶縁基体
2・・・蓋体
3・・・メタライズ配線層
4・・・接続端子
5・・・半導体素子
6・・・容器

Claims (10)

  1. 少なくとも球状の亜酸化銅粉末と、樹脂とを含有することを特徴とする導体ペースト。
  2. 前記導体ペーストが、銅粉末を含有することを特徴とする請求項1に記載の導体ペースト。
  3. 前記導体ペーストが、ガラス粉末を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の導体ペースト。
  4. 前記亜酸化銅粉末の平均粒径(D50)が、4μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の導体ペースト。
  5. 前記銅粉末の平均粒径(D50)が6μm以下であることを特徴とする請求項2乃至5に記載の導体ペースト。
  6. 前記亜酸化銅粉末が、(D90−D10)/D50≦2を満足する粒度分布を有することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれかに記載の導体ペースト。
  7. 前記亜酸化銅粉末のBET比表面積が、15m/g以下であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれかに記載の導体ペースト
  8. 前記銅粉末と前記亜酸化銅粉末の割合が、質量比で5:95〜40:60であることを特徴とする請求項2乃至7のうちいずれかに記載の導体ペースト
  9. 少なくともセラミック粉末と樹脂とを含有するセラミックグリーンシートの表面、または該セラミックグリーンシートに形成された貫通孔内に、請求項1乃至8のうちいずれかに記載の導体ペーストを印刷又は充填する導体形成工程と、前記導体ペーストが印刷又は充填するセラミックグリーンシートを焼成する焼成工程と、を具備してなることを特徴とする配線基板の製造方法。
  10. 前記導体形成工程と、前記焼成工程との間に、前記導体形成工程によって導体ペーストが印刷又は充填されたセラミックグリーンシートを複数積層する積層工程を具備することを特徴とする請求項9に記載の配線基板の製造方法。





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