JP2002019545A - 自動車におけるハーネス等の配置構造およびその固定具 - Google Patents

自動車におけるハーネス等の配置構造およびその固定具

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JP2002019545A
JP2002019545A JP2000203417A JP2000203417A JP2002019545A JP 2002019545 A JP2002019545 A JP 2002019545A JP 2000203417 A JP2000203417 A JP 2000203417A JP 2000203417 A JP2000203417 A JP 2000203417A JP 2002019545 A JP2002019545 A JP 2002019545A
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hinge
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sheet material
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Hideji Hayashi
秀治 林
Tadashi Shiomi
忠司 塩見
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Daihatsu Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハーネスやホース等の長尺部材を、シートク
ッションの下側に配置するときには、近隣の部材に干渉
しないように配置姿勢を確保する必要がある。また、シ
ートクッションが前後に移動することに対しても、配慮
されていなければならない。 【解決手段】 上述の課題を解決するために、シ−トラ
イザ2上部のサービスホール3をホールカバー8で開閉
する構造とされている。この開閉のためにヒンジ11が
配置され、ヒンジ11で回動する部材14とクロスメン
バ5の上面26との間に空隙部25を形成する。長尺部
材28が空隙部25を通過させられ、屈曲部29から車
体の前後いずれかの方向に伸ばされて大湾曲部30に連
続している。空隙部25の直前で長尺部材28は固定具
31により車幅方向に向けて固定され、他方、大湾曲部
30の直前で固定具32を用いて長尺部材28が車体の
前後方向に向けて固定されている。大湾曲部30の先端
部はシートクッション12またはシートバック36に固
定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】自動車のシ−トは、通常、ス
ライドレールによって前後に移動できるように構成され
ている。このような構成において、シートクッションの
下側に通電ハーネスやホース類等の長尺部材を配置する
ことがある。本願発明は、このような長尺部材の配置の
分野に属している。
【0002】
【従来の技術】上述のような長尺部材を一定の配置形態
に維持することは、たとえば、特開平11−15522
6号公報に開示されている。ここには、インストルメン
トパネルに形成した溝の底部に面ファスナー(マジック
テープ・登録商標)を接着し、ハーネスにも同様な面フ
ァスナーを接着しておき、ハーネスを溝に押し込むと面
ファスナー同志が密着して、ハーネスがしっかりと溝内
に保持されることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のハーネスは、溝
の中に押し込まれているので、その配索形状は確定出来
るが、ハーネスの取付けは常にそのような環境にはなっ
ていない。たとえば、シートクッションの下側にハーネ
スを配索するような時には、ハーネスを前述のような溝
の中に収容することは、部品点数の増大やスペ−スが確
保できないことなどから、不可能なことである。また、
狭くてしかも見にくい箇所にハーネスを取り付けるため
には、何らかの工夫をする必要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段とその作用】本発明は、上
述のような問題に注目して発案されたものである。そし
て、本発明は、ハーネスだけではなくホース類のような
長尺部材を所定の配置形態で狭い箇所に配置するときに
有用である。
【0005】請求項1の発明は、シ−トライザの上部に
サービスホールが形成され、このホールのホールカバー
が車幅方向の軸心を有するヒンジで開閉できる構造とさ
れ、前記ホールカバー上にスライドレールが配置されて
その上にシートクッションが前後にスライド出来る状態
で支持されている形式のものにおいて、ハーネス等の長
尺部材はヒンジ近傍の空隙部を車幅方向に通過してから
車体の前後いずれかの方向へ屈曲させられた後、大きく
湾曲させられた配置形状とされ、前記空隙部の通過直前
の箇所において該長尺部材を車幅方向に固定し、前記の
大きく湾曲する部分の直前の箇所において、該長尺部材
を車体の前後方向に向けた状態でホールカバー上に固定
し、大きく湾曲した箇所の先端部付近はシートクッショ
ンの下面側またはシートバックの下部に固定されている
ことを特徴としている。
【0006】上述の構成により、ハーネス等の長尺部材
は、空隙部の通過直前の箇所において車幅方向に固定さ
れ、また、大きく湾曲する部分の直前の箇所で車体前後
方向にホールカバーに対して固定されているから、この
2か所の固定部分の間の長尺部材は常に一定の配置形状
を維持できる。ハーネス等は屈曲させるとその形状を維
持する性格があるので、配置形状が一定に維持できるこ
ととなる。このようなことは、長尺部材がヒンジ近傍の
空隙部を通過させられるのに当たって、常に一定の箇所
を通過するのである。したがって、長尺部材がヒンジの
中心側、すなわち狭い空間の方へ片寄ったりして、ホー
ルカバーの開閉時に挟み付けられるようなことが回避で
きる。なお、ハーネス等に弾性的な復元性があって、上
述のような自己形状の保持機能が乏しいときには、ハー
ネス等をコルゲートチューブ内に収容することによっ
て、配置形状の維持が可能となる。コルゲートチューブ
は屈曲させたり湾曲させると、その形状を維持できる機
能を有している。
【0007】長尺部材の大きく湾曲した先端部付近は、
前後に移動するシートクッションやシートバックに固定
されている。よって、長尺部材はホールカバー上の固定
箇所が前記前後動にともなう円弧運動の中心になり、こ
の固定箇所からヒンジ近傍の空隙部に向かう部分の長尺
部材は、静止状態におかれる。したがって、サービスホ
ールの開閉動作に際しても、長尺部材の設置形態は変わ
ることがない。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、ヒ
ンジ近傍の空隙部は、ヒンジ軸を中心にして回動する部
材と車体のクロスメンバの上面との間に形成された空間
であることを特徴としている。サービスホールのホール
カバーを開閉する際のヒンジは、シ−ト、スライドレー
ルおよびホールカバー等の質量に耐えられるものでなけ
ればならないので、ヒンジは剛性メンバであるクロスメ
ンバに依存させるのが通常である。このような構造環境
であるからヒンジ近傍の空隙部は、クロスメンバ上面と
ヒンジで回動する部材との間に形成されるのである。長
尺部材はここを通過させてあり、しかも、長尺部材が位
置ずれを起こしたりしない状態とされているので、長尺
部材に異常な外力が作用したりすることがなく、損傷の
防止に有効である。
【0009】請求項3の発明は、上述のような長尺部材
の固定に有用な固定具であり、シ−ト材の表面に面ファ
スナーが設置され、同シ−ト材の裏面には接着剤が塗布
されており、シ−ト材の一部に雌雄嵌合式の止着手段が
取り付けられ、接着剤側に載置されたハーネス等の長尺
部材をシ−ト材で巻き付けるようにして保持し、前記止
着手段は相手方部材側の止着手段に嵌合されると共に、
シ−ト材表面の面ファスナーは相手方部材側の面ファス
ナーに密着させられることを特徴としている。
【0010】狭くて見にくい箇所に長尺部材を固定する
ときには、まず最初に固定具の位置を確定し、それに引
き続いて固定具の向きを適正化しなければならない。上
述のような雌雄嵌合式の止着手段であると、作業者は雌
雄嵌合によって、まずピボット的に位置決定がなされ、
それに引き続いて、あるいはそれとほぼ同時に固定具の
向きを正常な方向に設定し、その後押さえつけることに
よって、雌雄嵌合が最終段階のところまで進行し、同時
に面ファスナーの完全密着がなされる。このように固定
具の取付け位置を求めることが、ピボット的になされつ
つ固定具の向きも所定の方向に設定される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施形態にしたがっ
て、本発明をくわしく説明する。図1は、理解しやすく
するためにシートクッションを除去した簡略的な平面図
であり、図2は、図1のものの簡略的な縦断側面図であ
る。フロアパネル1から隆起したような形でシ−トライ
ザ2が形成され、その上部にサービスホール3が明けて
ある。このサービスホール3の周囲は閉断面構造の剛性
部材で包囲され、符号4は前側の部材であり、符号5は
後方の部材である。この部材5は車体のクロスメンバで
あり、左右のサイドメンバ6に結合されている。
【0012】サービスホール3は、エンジン7等を整備
するときの開口部であり、鋼板製のホールカバー8で閉
じられている。室内への透過音を低減させるために、シ
ールゴム9や防音材10が設置してある。ホールカバー
8は、ヒンジ11によってサービスホール3を開閉する
と共に、同カバー8にはシートクッション12を前後動
させるためのスライドレール13が取り付けてある。こ
のような機能・構造を成立させるためには、いろいろな
構造が考えられるが、ここでは、ヒンジ11の可動片を
細長く伸ばして主アーム14、14とし、これの下側に
ホールカバー8が配置され、また、同アームの上側にス
ライドレール13が配置されている。
【0013】ヒンジ11の固定片15は、クロスメンバ
5の後面にしっかりと固定され、そのヒンジ軸16に主
アーム14、14が回動自在な状態で結合してあり、同
軸16は車幅方向の軸心を有している。主アーム14、
14は、左右に平行な状態で配置され、図示していない
が、ボルトで主アーム14、14がホールカバー8の左
右に固定してある。主アーム14、14の上側に配置さ
れたスライドレール13は、図4からも明らかなよう
に、固定レール17と可動レール18とが組み合わされ
た構造とされている。固定レール17は、ボルト19と
ナット20で主アーム14に固定され、可動レール18
は、シートクッション12の底板21に固定されてい
る。両レール17、18の間には、転動ローラ22が介
在してある。なお、主アーム14の両側には、補強用の
ビード23、23が成形してある。
【0014】クロスメンバ5と主アーム14、14とが
交差する箇所は、クロスメンバ5の上部に凹部24が形
成してあり、こうすることによって後述の長尺部材が通
過する空間部が形成されている。この通過空間部は、
「ヒンジ近傍の空隙部25」を形成しているもので、図
3の場合はヒンジ軸16を中心にして回動する部材、す
なわち主アーム14と、クロスメンバ5の上面26と、
ボルト・ナット19、20と、ホールカバー8の周縁フ
ランジ27の4者で囲まれることによって形成されてい
る。
【0015】長尺部材は、通電ハーネス、ホース類など
の柔軟な部品であり、ここではハーネス28の場合を示
している。図1のように、ハーネス28は、空隙部25
を車幅方向に通過してから、屈曲部29において前方に
向きを変え、大きく湾曲した大湾曲部30に連続してい
る。空隙部25の通過直前の箇所に固定具31が設置さ
れ、これによってハーネス28が車幅方向に固定されて
いる。また、大湾曲部30の直前の箇所には固定具32
が配置されて、ハーネス28は車体の前後方向に向けた
状態でホールカバー8上に固定されている。このよう
に、固定具31による車幅方向の固定と、屈曲部29を
介して固定具32で前後方向の固定を図ることによっ
て、両固定具31、32の間のハーネス28の配置形状
が確定付けられ、したがって、ハーネス28は空隙部2
5の一定箇所を図3のように通過する。
【0016】固定具31の詳細構造は、図4に示してあ
る。すなわち、ハーネス28側には、ハーネスが貫通し
ている支持筒33とそれと一体のU字型クランプ片34
が設けられている。他方、主アーム14には支持板35
が溶接されている。クランプ片34内に支持板35が強
く差し込まれることによって、支持筒33の固定がなさ
れる。なお、クランプ片34の内側には、通常、爪が設
置され、この爪によってプランプ片34が強固に支持板
35に対して一体化される。
【0017】大湾曲部30の先端部付近は、シートクッ
ション12の下面側またはシートバック36の下部に固
定されている。シートクッション12の下面側に固定し
た例を図7で説明すると、この例は極く一般的に採用さ
れているもので、底板21に取付け孔37を明け、ここ
に錨型のクリップ38をはめ込み、フランジ板39と一
体のバンド40でハーネス28を巻き付けている。図7
の部品は、ポリプロピレンによる成形品である。
【0018】ハーネス28は、固定具32によってホー
ルカバー8上に固定されているのであるが、ここではホ
ールカバー8に防音材10が敷設してあるので、防音材
10に対するハーネス28の固定ということになる。も
し、防音材が不要な場合であれば、固定具32はホール
カバー8に直接取り付けられる。
【0019】主に図6、図8にしたがって固定具32に
ついて説明すると、短冊型をしたシ−ト材41の表面に
面ファスナー42が設置され、同シ−ト材41の裏面に
は接着剤43(図6参照)が塗布されている。図8で
は、接着剤は図示していないが、接着剤の保護紙44が
図示されている。シ−ト材41の端部近くに雌雄嵌合式
の止着手段45が取り付けられている。この手段として
は、図7に類したような差し込み式のものや、ホック式
のものなど種々なタイプのものが採用できるが、ここで
はホック式のものを採用している。なお、シ−ト材41
は布製であり、理解しやすくするために、厚さを誇張し
て図示してある。
【0020】雌側ホック45は、リベット46でシ−ト
材41にかしめ付けられており、それに対応する雄側ホ
ック47は、リベット48で防音材10のシ−ト材49
にかしめ付けられている。図8(B)は雌側ホック45
がかしめ付けられた状態である。その後、保護紙44を
剥がして露出した接着剤43の面上にハーネス28を載
置し、シ−ト材41で巻き付けるようにして図8(C)
のようにハーネス28を保持する。このときに固定具3
2が、ハーネス28の所定位置に取り付けられるのであ
る。以上のようにして、シ−ト材41の表面に面ファス
ナー42が露出した状態になる。この面ファスナー42
は、後述の相手側の面ファスナーに対応するもので、ル
ープ側である。
【0021】他方、固定具32の相手側部材は防音材1
0であり、ここに上述のように雄側ホック47とフック
側の面ファスナー50が接着してある。なお、符号51
は、シートクッションの緩衝材である。
【0022】組み立て作業を説明する。ヒンジ軸16を
中心にして、シートクッション12とホールカバー8を
一体にして後方へ傾けて、ハーネス28を空隙部25の
箇所に配置し、固定具31でハーネス28を固定してか
ら固定具32でハーネス28を止着する。このときにシ
ートクッション12は前方にスライドさせてあり、作業
者は雌側ホック45を雄側ホック47に合致させて、ま
ず最初にピボット的に止着位置を定める。いわゆるホッ
クの仮嵌合である。このときに固定具32の方向を、ホ
ックを中心にして回動させながら正規の向きに設定す
る。その後、ホックを完全に嵌合させるのと同時に、両
面ファスナー42、50の完全な密着がなされる。
【0023】図示の実施形態は、シートバックの後方に
ヒンジを配置したものであるが、これを逆にして前方ヒ
ンジにすることも可能である。この場合には、ヒンジに
耐えられる丈夫なクロスメンバが前方に配置され、ここ
に「ヒンジ近傍の空隙部」を設置して、長尺部材の通過
をおこなわせる。そして、長尺部材は屈曲部において後
方に伸びた状態とされる。
【0024】図1から明らかなように、車幅方向で見た
固定具32と31との間隔は、できるだけ近づけて配置
してあり、しかも固定具32はスライドレール13に近
づけてある。こうすることによって、大湾曲部30を大
きな円弧形状にすることができて、シートクッション1
2を前後に移動させたときに、ハーネス28の変形に無
理がかからないようにしてある。すなわち、ハーネス2
8の損傷の心配がないのである。
【0025】クロスメンバ5にヒンジ11を取り付ける
ことによって、ヒンジ11の設置状態が安定したものと
なり、その結果、空隙部25の空間が正確に確保でき
る。
【0026】主アーム14に固定レール17を結合する
ときには、一般に同レール17の後端部にプロジェクシ
ョンボルト(19)を配置するのであるが、このボルト
19が主アーム14の下方に突き出るので、空隙部25
の前後方向の長さが短くなり、ハーネスの通過空間が狭
くなってしまう。しかし、固定具31と32の配置によ
って、狭い箇所であっても、長尺部材は位置ずれを起こ
すことなく、正確に配置することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明は、シ−トライザの上部にサービ
スホールが形成され、このホールのホールカバーが車幅
方向の軸心を有するヒンジで開閉できる構造とされ、前
記ホールカバー上にスライドレールが配置されてその上
にシートクッションが前後にスライド出来る状態で支持
されている形式のものにおいて、ハーネス等の長尺部材
はヒンジ近傍の空隙部を車幅方向に通過してから車体の
前後いずれかの方向へ屈曲させられた後、大きく湾曲さ
せられた配置形状とされ、前記空隙部の通過直前の箇所
において該長尺部材を車幅方向に固定し、前記の大きく
湾曲する部分の直前の箇所において、該長尺部材を車体
の前後方向に向けた状態でホールカバー上に固定し、大
きく湾曲した箇所の先端部付近はシートクッションの下
面側またはシートバックの下部に固定されているもので
ある。
【0028】上述の構成により、ハーネス等の長尺部材
は、空隙部の通過直前の箇所において車幅方向に固定さ
れ、また、大きく湾曲する部分の直前の箇所で車体前後
方向にホールカバーに対して固定されているから、この
2か所の固定部分の間の長尺部材は常に一定の配置形状
を維持できる。ハーネス等は屈曲させるとその形状を維
持する性格があるので、配置形状が一定に維持できるこ
ととなる。このようなことは、長尺部材がヒンジ近傍の
空隙部を通過させられるのに当たって、常に一定の箇所
を通過するのである。したがって、長尺部材がヒンジの
中心側、すなわち狭い空間の方へ片寄ったりして、ホー
ルカバーの開閉時に挟み付けられるようなことが回避で
きる。なお、ハーネス等に弾性的な復元性があって、上
述のような自己形状の保持機能が乏しいときには、ハー
ネス等をコルゲートチューブ内に収容することによっ
て、配置形状の維持が可能となる。コルゲートチューブ
は屈曲させたり湾曲させると、その形状を維持できる機
能を有している。
【0029】長尺部材の大きく湾曲した先端部付近は、
前後に移動するシートクッションやシートバックに固定
されている。よって、長尺部材はホールカバー上の固定
箇所が前記前後動にともなう円弧運動の中心になり、こ
の固定箇所からヒンジ近傍の空隙部に向かう部分の長尺
部材は、静止状態におかれる。一方、サービスホールの
開閉動作に際しても、長尺部材にはわずかな捩じれが作
用するだけであり、その設置形態は変わることがない。
【0030】ヒンジ近傍の空隙部は、ヒンジ軸を中心に
して回動する部材と車体のクロスメンバの上面との間に
形成された空間である。サービスホールのホールカバー
を開閉する際のヒンジは、シ−ト、スライドレールおよ
びホールカバー等の質量に耐えられるものでなければな
らないので、ヒンジは剛性メンバであるクロスメンバに
依存させるのが通常である。このような構造環境である
からヒンジ近傍の空隙部は、クロスメンバ上面とヒンジ
で回動する部材との間に形成されるのである。長尺部材
はここを通過させてあり、しかも、長尺部材が位置ずれ
を起こしたりしない状態とされているので、長尺部材に
異常な外力が作用したりすることがなく、損傷の防止に
有効である。
【0031】上述のような長尺部材の固定に有用な固定
具が得られる。すなわち、シ−ト材の表面に面ファスナ
ーが設置され、同シ−ト材の裏面には接着剤が塗布され
ており、シ−ト材の一部に雌雄嵌合式の止着手段が取り
付けられ、接着剤側に載置されたハーネス等の長尺部材
をシ−ト材で巻き付けるようにして保持し、前記止着手
段は相手方部材側の止着手段に嵌合されると共に、シ−
ト材表面の面ファスナーは相手方部材側の面ファスナー
に密着させられている。
【0032】狭くて見にくい箇所に長尺部材を固定する
ときには、まず最初に固定具の位置を確定し、それに引
き続いて固定具の向きを適正化しなければならない。上
述のような雌雄嵌合式の止着手段であると、作業者は雌
雄嵌合によって、まずピボット的に位置決定がなされ、
それに引き続いて、あるいはそれとほぼ同時に固定具の
向きを正常な方向に設定し、その後押さえつけることに
よって、雌雄嵌合が最終段階のところまで進行し、同時
に面ファスナーの密着がなされる。このように固定具の
取付け位置を求めることが、ピボット的になされつつ固
定具の向きも所定の方向に設定される。したがって、作
業者は、止着手段の仮嵌合で固定具の取付け箇所の基準
位置を求め、その後、あるいはそれとほぼ同時に固定具
の向きを設定し、最終的な嵌合で止着手段のはめ込み
や、面ファスナーの最終的な密着がなされて、作業が楽
になり、しかも組付け精度も向上する。
【0033】上述のようにシ−ト材の片面に面ファスナ
ーが設置され、反対側に接着剤が塗布されており、そこ
に長尺部材を載置して巻き付けるものであるから、長尺
で枝分かれしたハーネスの任意の箇所に固定具を取り付
けることが、簡単に行える。すなわち、ハーネスの所定
の位置にシ−ト材を持ってゆき、そこで接着させれば簡
単に固定具が配置できるのである。したがって、ハーネ
スを特別な治具にセットするようなことが不要になり、
製作工数が低減できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートクッションを除去して簡略的に示した平
面図である。
【図2】図1のものの簡略的な縦断側面図である。
【図3】図1の(3)−(3)断面図である。
【図4】クロスメンバの後方から見た部分的な後面図で
ある。
【図5】固定具の外観平面図である。
【図6】図5の(6)−(6)断面図である。
【図7】クリップの断面図である。
【図8】固定具を作る段階を縦断正面図で示したもの
で、(A)(B)(C)の3段階が図示されている。
【符号の説明】
2 シ−トライザ 3 サービスホール 8 ホールカバー 11 ヒンジ 13 スライドレール 12 シートクッション 28 長尺部材 25 空隙部 29 屈曲部 39 大湾曲部 31 固定具 32 固定具 36 シートバック 14 ヒンジ軸を中心にして回動する部材 26 クロスメンバの上面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シ−トライザの上部にサービスホールが
    形成され、このホールのホールカバーが車幅方向の軸心
    を有するヒンジで開閉できる構造とされ、前記ホールカ
    バー上にスライドレールが配置されてその上にシートク
    ッションが前後にスライド出来る状態で支持されている
    形式のものにおいて、ハーネス等の長尺部材はヒンジ近
    傍の空隙部を車幅方向に通過してから車体の前後いずれ
    かの方向へ屈曲させられた後、大きく湾曲させられた配
    置形状とされ、前記空隙部の通過直前の箇所において該
    長尺部材を車幅方向に固定し、前記の大きく湾曲する部
    分の直前の箇所において、該長尺部材を車体の前後方向
    に向けた状態でホールカバー上に固定し、大きく湾曲し
    た箇所の先端部付近はシートクッションの下面側または
    シートバックの下部に固定されていることを特徴とする
    自動車におけるハーネス等の配置構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ヒンジ近傍の空隙部
    は、ヒンジ軸を中心にして回動する部材と車体のクロス
    メンバの上面との間に形成された空間であることを特徴
    とする自動車におけるハーネス等の配置構造。
  3. 【請求項3】 シ−ト材の表面に面ファスナーが設置さ
    れ、同シ−ト材の裏面には接着剤が塗布されており、シ
    −ト材の一部に雌雄嵌合式の止着手段が取り付けられ、
    接着剤側に載置されたハーネス等の長尺部材をシ−ト材
    で巻き付けるようにして保持し、前記止着手段は相手方
    部材側の止着手段に嵌合されると共に、シ−ト材表面の
    面ファスナーは相手方部材側の面ファスナーに密着させ
    られることを特徴とする自動車におけるハーネス等の固
    定具。
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